JPH0852982A - 水性ゲルインキを用いた筆記具 - Google Patents

水性ゲルインキを用いた筆記具

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JPH0852982A
JPH0852982A JP6208117A JP20811794A JPH0852982A JP H0852982 A JPH0852982 A JP H0852982A JP 6208117 A JP6208117 A JP 6208117A JP 20811794 A JP20811794 A JP 20811794A JP H0852982 A JPH0852982 A JP H0852982A
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water gel
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Taizo Togashi
泰蔵 富樫
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 インキリーフィル3のインキ収容管32の内
部に水性ゲルインキ1を充填し、該水性ゲルインキ1の
後に、水性ゲルインキ1と同色に着色された逆流防止剤
7を充填して筆記具2を構成した。 【効果】 水性ゲルインキと逆流防止剤との間の境界
が外部から明確に見えないため、外観が良好で意匠的に
優れる。時間が経過してインキ中の着色剤が逆流防止
剤に移行しても、逆流防止剤ははじめから着色されてい
るため、インキと逆流防止剤との界面がにじんだり、逆
流防止剤に色むらなどができる虞れがない。インキリ
ーフィルへのインキと逆流防止剤を充填する際、インキ
と逆流防止剤の充填量をそれぞれ一定にしなくても、逆
流防止剤の後端を一定にするだけで良く、充填作業が容
易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性インキに粘性調節
剤が添加されてなる水性ゲルインキを用いた水性ボール
ペン等の筆記具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からボールペンが筆記具として広く
使用されている。ボールペンには、油性と水性の2種類
のインキが存在し、インキの種類によってそれぞれ油性
ボールペンと水性ボールペンに区別されている。油性ボ
ールペンは粘度の高い油性インキを使用しているため、
インキの流動性が低く筆記に強い圧力を要したり、又、
鮮やかな色を出しにくいといった欠点があった。一方、
水性ボールペンは流動性の良い水性インキを用い、イン
キ収容管から繊維束で形成されたインキ誘導芯を介して
ペン先にインキを供給する構造を有する。水性ボールペ
ンと油性ボールペンのインキの出を比較すると、例えば
特開昭63−6077号公報に、油性ボールペンのイン
キの吐出量が0.03g/200mであるのに対し、水
性ボールペンは0.2g/200mという数値が記載さ
れている。水性ボールペンは非常にインキの出が良い点
が大きな特徴である。
【0003】しかし、水性ボールペンはインキが多量に
ある使い始めのうちはインキの出が良いが、インキの量
が少なくなってくるとインキ誘導芯を介してインキをペ
ン先に送る際、繊維束の毛細管の吸引力が大きくなりイ
ンキの出が悪くなってしまうという欠点があった。又、
ボールとそれを保持するハウジングの間の摩擦を見た場
合、油性インキは潤滑剤として作用するのに対し、水性
ボールペンは水性インキが油性インキ程の潤滑作用はな
いため、ボールとハウジングの摩耗が大きい。又、水性
ボールペンの水性インキは油性インキに比べ水分等の分
散媒が揮発し易く、キャップを外しておくとボールとハ
ウジングとの間でインキが蒸発してしまい筆記不能にな
りやすいものであった。
【0004】上記の水性ボールペンの欠点を改良したも
のとして、近年、水性インキ中に粘度調整剤を添加し
て、インキの粘度を上げて流動性を調整した、いわゆる
水性ゲルインキと称するインキが公知である。このよう
な水性ゲルインキを用いた水性ボールペンは、従来の水
性ボールペンとは区別されて、中性ボールペンとも呼ば
れている。
【0005】従来の水性ゲルインキの例として、特公昭
64−8673号公報に水性ボールペン用のインキ組成
物が開示されている。このインキは特定量のキサンタン
ガムを水性ボールペン用インキに添加して粘性を調節し
たものである。このポールペン用の水性ゲルインキの具
体的な組成として、同公報の第3頁第1表、第2表及び
第5頁の第4表には、水、キサンタンガム、エチレング
リコール、グリセリン、安息香酸ナトリウム、ジアルキ
ルコハク酸エステル、及び各種着色剤等の成分からなる
実施例が記載されている。
【0006】又上記公報の第1図には、上記インキを用
いた水性ボールペンの構造が記載されている。上記第1
図の水性ボールペンの構造は、ポリプロピレン製のイン
キタンクの先端にペン先が嵌め込まれ、該ペン先には
0.4mmのスチールボールが埋め込まれ、インキタン
クのペン先側にポリエステル繊維束を樹脂加工したイン
キ誘導芯が詰められ、インキタンクの内部に上記の水性
ゲルインキが充填され、インキの後端には逆流防止剤が
充填されている。一般にインキ収容管は内部のインキが
見えるように透明に形成されているものが多い。
【0007】水性ボールペンのインキの後端に充填され
ている逆流防止剤は、インキの消費に従いインキと共に
ペン先方向へ確実に前進し、インキの蒸発を抑制し筆記
具に力が加わった場合や高温の環境下に置かれた場合に
インキが逆流するのを防止する目的で設けられているも
のである。従来、このような逆流防止剤としては、シリ
コーングリース等の粘稠な物質が用いられていた。又、
従来の水性ゲルインキを用いた水性ボールぺンの製造
は、インキ収容管にインキを充填し、該インキ収容管の
先端側にペン先を嵌め込み、インキ収容管の後端からイ
ンキの後に逆流防止剤を充填器等で充填し、最後に脱泡
を行って、インキや逆流防止剤の中の気泡を除去するこ
とで製造される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の水性ゲルインキ
を用いた筆記具は、逆流防止剤としてシリコーングリー
ス等をそのまま使用していたため、通常、無着色のもの
が使用されていた。そのため無色の逆流防止剤と着色さ
れたインキとの界面がはっきり判るため、外観があまり
良くないという問題があった。又、リーフィルにインキ
及び逆流防止剤を充填後、長時間経過すると、インキの
着色剤成分が逆流防止剤へ徐々に移行して、無色透明の
逆流防止剤とインキの界面がにじんだり、無色透明の逆
流防止剤に着色剤が混じって汚くなったりし、更に外観
が低下してしまう。
【0010】又、従来の水性ゲルインキを用いた筆記具
は、更にインキと逆流防止剤のリフィールへの充填量を
一定にするのが困難であるという問題があった。即ち、
インキと逆流防止剤をインキリーフィルに充填した後に
脱泡を行うと、インキや逆流防止剤に含まれていた気泡
の体積分だけ、インキ及び逆流防止剤の容積が変化す
る。そのため、充填時のインキと逆流防止剤の量が変動
してしまう。そこで、従来はインキ及び逆流防止剤の充
填量を、それぞれ、脱泡後の気泡の体積減少分を見越し
て充填していた。しかし、インキリーフィル中に含まれ
る気泡の量は、インキ又は逆流防止剤中に最初から含ま
れる気泡以外にも充填時の巻き込み気泡等もあり、気泡
量が常に一定とは限らず1本毎に異なり、インキ及び逆
流防止剤のそれぞれの充填量を調整しても、インキと逆
流防止剤の充填量を厳密に一定にすることは困難であっ
た。
【0011】本発明は上記従来技術の欠点を解消しよう
とするものであり、逆流防止剤が無色透明に形成されて
いるために経時的に着色して外観が低下する問題を解決
すること、及び、水性ゲルインキと逆流防止剤の充填量
を一定に充填可能な水性ゲルインキを用いた筆記具を容
易且つ安価に提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の水性ゲルインキ
を用いた筆記具は、インキリーフィルに水性ゲルインキ
が充填され、該インキリーフィルの水性ゲルインキの後
に逆流防止剤が充填されてなる筆記具において、逆流防
止剤が水性ゲルインキと同じ色に着色されていることを
特徴とする。
【0013】以下、図面を用いて本発明を更に詳細に説
明する。図1は本発明の水性ゲルインキを用いた筆記具
(以下たんに筆記具ということもある)を水性ボールペ
ンとして形成した例を示し、拡大断面図である。図1に
示すように本発明の筆記具2は、水性ゲルインキ1がイ
ンキリーフィル3のインキ収容管32の内部に充填さ
れ、該水性ゲルインキ1の後に逆流防止剤7が充填され
ており、上記逆流防止剤7が水性ゲルインキ1と同じ色
に着色されている。
【0014】本発明の筆記具2において、逆流防止剤7
は、例えば下記の、の方法により水性ゲルインキ1
と同色に着色することができる。水性ゲルインキを充
填した後に、予め水性ゲルインキと同色に着色された逆
流防止剤を充填する。水性ゲルインキに逆流防止剤を
添加して混合したものをインキリーフィルに充填した
後、遠心分離にかけてインキと逆流防止剤を分離すると
共に、遠心分離の際に逆流防止剤の側にも着色剤が若干
残るように、遠心分離の際の回転数、処理時間等を適宜
調節して逆流防止剤を着色する。
【0015】上記の場合には、逆流防止剤の着色剤と
インキの着色剤とは同じものとなるが、上記の場合に
は逆流防止剤の着色は任意の着色剤を用いることがこと
ができ、インキと同色であれば着色剤の種類は水性ゲル
インキと同じものでも、異なるものでもいずれでもよ
い。尚、上記の場合にはインキ中に分散しない油分散
性の着色剤が使用できる。
【0016】図3はインキリーフィルを遠心分離してイ
ンキと逆流防止剤とを分離するのを説明するための図で
ある。図3に示すように、遠心分離は、遠心分離機のタ
ーンテーブル21上に、逆流防止剤を添加した水性ゲル
インキを充填したインキリーフィル3を軸先31側が外
側になり該リーフィルの後端がターンテーブルの中心側
となるように装着してターンターブル21を回転させ、
水性ゲルインキ中の逆流防止剤を分離する。遠心分離を
回転数や処理時間を適度に行うと、インキリーフィルに
充填された比重の重い水性ゲルインキは、ターンテーブ
ル21の外側の軸先31側に集まり、次いでインキより
も比重の軽い逆流防止剤がインキの後に位置すると共
に、逆流防止剤の側にも比重の軽い着色剤の粒子が残り
逆流防止剤もインキと同色に着色された状態となる。
又、内部に含まれる気泡は、比重が軽いため遠心分離機
の中心側の外部に開放されているインキ収納管32の後
端部から外部に飛散して、インキと逆流防止剤の分離と
脱泡が同時に行われる。
【0017】本発明の筆記具を製造する際、上記したよ
うにの方法では、遠心分離の際に脱泡も同時に行われ
るが、他の手段を用いて遠心分離後に脱泡を行っても良
い。他の脱泡手段としては、加温、又は真空減圧等が挙
げられる。の方法で製造する場合には、遠心分離、加
温、又は真空減圧等の手段のいずれを用いてもよい。
【0018】上記の及びの方法で筆記具を製造する
場合に用いられる逆流防止剤は、上記の場合には従来
公知の逆流防止剤として用いられるものが利用できる。
又、上記の場合には従来公知のもののなかで、水性ゲ
ルインキよりも比重が軽く遠心分離によって水性ゲルイ
ンキと分離可能なものであれば良い。逆流防止剤7は、
筆記具2を使用する際にペン先からインキが流出して消
費されるのに従って、ペン先方向にインキと共に前進
し、インキ中の揮発成分の蒸発を防止し、筆記具を落と
した場合の衝撃等によりインキ柱が切れるのを防ぎ、イ
ンキが後端方向に逆流するのを防止するためのものであ
る。逆流防止剤として具体的には例えば、流動パラフィ
ン、液体パラフィン等の鉱油、植物油、魚油、グリー
ス、ワセリン、ポリブテン、α−オレフィンオリゴマ
ー、シリコーングリース、シリコーンオイル、高級脂肪
酸エステル、高級アルコール、ポリエステル、石油、α
−オレフィンオリゴマー、ポリグリコール等の単独又は
2以上の混合物が挙げられる。
【0019】尚、上記の場合には逆流防止剤として使
用されるものは、上記に挙げたものの中でもある程度の
粘度を有する必要があるが、上記の場合には、低粘度
のものであっても、増粘剤を添加することで適度な粘度
に調節することで使用可能である。上記の増粘剤として
具体的には、脂肪酸金属石けん、水添ヒマシ油、有機ベ
ントナイト、コロイダルシリカ、カーボンブラック、天
然ゴムあるいは合成ゴム、各種の合成ポリマー等が挙げ
られる。
【0020】逆流防止剤の充填量又は水性ゲルインキへ
の添加量は、インキが使い終わるまでの間にインキの後
ろに確実に残っているように、壁に付着したりする分を
見越して、適宜決定する。又、上記の場合には分離後
に逆流防止剤として機能するのに充分な量を上記の減少
分を見越して、適宜選択すればよい。逆流防止剤を水性
ゲルインキへ添加して充填後分離する場合には、水性ゲ
ルインキ全体に対して5〜30重量%の範囲の添加した
ものを遠心分離してインキと分離するのが好ましい。添
加量が5重量%未満では、筆記具の使用につれてインキ
収容管の内壁へ付着等により減少した場合に、逆流防止
剤として充分な機能を維持できなくなるおそれがあり、
又、30重量%を超えると、水性ゲルインキ中へ添加し
た場合に均一な混合が困難であって充填量が不均一にな
る虞があり、また逆流防止剤の量が必要以上に多くなっ
てしまい、コストが上昇すると共にインキの充填割合が
減少してしまう。
【0022】本発明の水性ゲルインキの成分は、公知の
水性ゲルインキの各成分が用いられる。水性ゲルインキ
の成分として例えば、水、水性媒体、着色剤、粘性調節
剤、その他の添加剤等の成分が用いられる。その他の添
加剤としては、例えば界面活性剤、防腐剤、防錆剤、金
属イオン封鎖剤等が挙げられる。水性ゲルインキの好ま
しい成分組成を下記の表1に示す。
【0023】
【表1】 ※1:の方法で水性ゲルインキ中に直接添加する場合
【0024】上記の水性媒体としては、水と混和する有
機化合物が用いられ、アルコール類、グリコールエーテ
ル類、極性有機溶媒等が使用される。具体的には、アル
コール類としては、エタノール、イソプロピルアルコー
ル等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,3プロパ
ンジオール、プロピレングリコール、1,3ブチレング
リコール、1,4ブタンジオール、2,3ブチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコー
ル、チオジグリコール等の二価アルコール、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ジグリ
セリン、ソルビット等の多価アルコール等が挙げられ、
グリコールエーテル類としては、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル等が挙げられ、極性有機溶媒としては、ピ
ロリドン、Nメチル−2−ピロリドン、ジメチルホルム
アミド等が挙げられる。
【0025】上記の着色剤としては、例えば酸化チタ
ン、カーボンブラック、カーミン6B、C.I.PigmentRe
d、C.I.PigmentGreen7 、C.I.PigmentBlue等の顔料、C.
I.AcidRed87 、C.I.AcidRed92 、C.I.AcidYellow28、C.
I.AcidBlue9 、C.I.AcidViolet、C.I.AcidBlue7 、C.I.
AcidOrange56、C.I.AcidBlack2、C.I.AcidRed18 等の酸
性染料、C.I.DirectBlack19、C.I.DirectBlack38 、C.
I.DirectBlack154、C.I.DirectOrange6 、C.I.DirectYe
llow44、C.I.DirectYellow87、C.I.DirectBlue71等の直
接染料等が挙げられる。
【0026】上記の粘性調節剤としては、水溶性高分子
からなる増粘剤が用いられる。例えばキサンタンガム、
カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム等の
多糖類、ヒドロキシメチルセルロースやヒドロキシエチ
ルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、ポパール等が挙
げられる。
【0027】その他の添加剤としては、pH調整剤とし
て水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリエタノール
アミン等、界面活性剤としてアニオン系及びノニオン系
界面活性剤等、防錆剤としてベンゾトリアゾール等、防
腐剤としてメチル−P−ヒドロキシベンゾエート、ソル
ビン酸カリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、
デヒドロ酢酸ナトリウム等、金属イオン封鎖剤としてE
DTA等が挙げられる.
【0028】逆流防止剤をインキ中に添加したものをリ
ーフィルに充填した後遠心分離を行う場合、リーフィル
に充填する前の水性ゲルインキは、上記のインキ組成物
の所望の成分を混合機等の公知の手段で均一になるまで
混合することで得られる。尚、油分は水性ゲルインキ中
に均一に分散されていればよい。
【0029】本発明の筆記具2を水性ボールペンとして
形成する場合、公知の水性ゲルインキを用いた筆記具と
同様に形成することができる。例えば図1に示すよう
に、インキリーフィル3を軸先31とインキ収容管32
とから構成し、軸先31はペン部材4にチップ5を嵌合
し該チップ5の先端にボール6を保持して構成する。
【0030】図2は図1の軸先の部分を拡大したもので
あり、(a)は軸先の断面図を示し、(b)は軸先内部
に用いられるボールシートの平面図である。筆記具2の
先端に設けられるボール6は、直径0.3〜0.7mm
程度のボールが用いられる。ボール6の材質としては、
例えばスチール、タングステンカーバイド、セラミック
ス等が挙げられる。上記ボール6はボールシート8によ
って保持され、水性ゲルインキはボールシートの縦溝9
を通りボール6の回転によって外部に流出する。ボール
シート8はニッケルシルバー合金、ステンレス等が用い
られる。ステンレスは耐摩耗性が良好であるが書味が劣
る。一方、書味が良好なのはニッケルシルバー合金であ
る。
【0031】チップ5は、ボールシート8と同様にニッ
ケルシルバー合金や、ステンレス等が用いられ、ボール
シートと一体に形成される。ペン部材4はチップ5を保
持し、チップ5とインキ収容管32とを接続しているも
のであり、ポリアセタール等のプラスチックより形成さ
れる。
【0032】インキリーフィル3のインキ収容管32
は、例えばポリプロピレン等のプラスチック製の透明な
チューブが用いられ、該チューブは一般に内径1〜5m
m程度、長さ40〜120mm程度のものが用いられ
る。
【0033】図4は本発明の筆記具の他の例を示す外観
斜視図である。本発明の水性ゲルインキを用いた筆記具
2は、図1に示したようにインキリーフィル3のみから
構成してもよいが、例えば図4に示すように、外軸10
の内部に図1に示すインキリーフィル3を収納して後端
には尾栓11を嵌め込み、先端にキャップ12を設けて
構成するのが好ましい。キャップ12には内部にキャッ
プ部材13が設けられ、外部にクリップ14が設けられ
ている。上記の外軸10は透明又は不透明のプラスチッ
クより形成されるが、内部のインキが見えるように透明
(着色透明も含む)に形成するのが好ましい。又、尾栓
11やキャップ部材13、及びペン部材4はインキの色
と同色に形成することが、意匠的に好ましい。
【0034】キャップ12は外軸と同じ材質で形成され
る。キャップ部材13は、キャップ12を外軸10に嵌
めた際に、ペン先のボールとボールシートとの間が密閉
されるように、キャップ内部の所定の位置に設けられ
る。キャップ部材13は、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウ
レタンエラストマー、天然又は合成ゴム等の比較的柔ら
かく弾性を有する材質が用いられる。本発明の筆記具は
長期にわたり安定した筆記性能を発揮させ、ペン先を保
護する観点から、キャップ12を設けて筆記具2を構成
するのが好ましい。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を述べる。 実施例1 図1に示す形状の水性ボールペンのインキリーフィル
に、赤色の水性ゲルインキを充填した後、該インキリー
フィルのインキの後に、水性ゲルインキの着色剤と同じ
着色剤を添加して赤色に着色したシリコーングリースを
充填して、水性ボールペンを得た。
【0036】実施例2 図1に示す形状の水性ボールペンのインキリーフィル
に、シリコーングリースを15重量%添加した赤色の水
性ゲルインキを充填した後、ターンテーブルの直径が5
00mmの遠心分離機を用いて、2000rpmで遠心
分離を行って、水性ゲルインキとシリコーングリースを
分離して、水性ボールペンを得た。尚、分離したシリコ
ーングリースはインキと同じ赤色に着色されていた。
【0037】比較例1 比較のために、上記の実施例1の逆流防止剤に着色剤を
添加しなかった以外は、実施例1と全く同様にして、イ
ンキリーフィルに着色されたインキの後に無色透明なシ
リコーングリースが充填された水性ボールペンを得た。
実施例1と実施例2の水性ボールペンは、いずれも一見
したところインキと逆流防止剤の界面が明瞭に識別でき
ず、インキの充填量のバラツキが目立たなかった。又、
長時間放置した後に逆流防止剤の色の変化もなかった。
これに対し比較例1の水性ボールペンは、インキと逆流
防止剤の界面は明瞭に識別でき、インキの充填量の違い
が明らかかに識別された。又、長時間放置後に逆流防止
剤に赤色のにじみが見られた。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水性ゲル
インキを用いた筆記具は、逆流防止剤の色を水性ゲルイ
ンキの色と同じ色に着色した構成を採用したことによ
り、従来の無色透明なシリコーングリース等を逆流防止
剤として用いた水性ゲルインキを用いた筆記具と比較し
て、水性ゲルインキと逆流防止剤の間の境界が外部から
明確に見えないため、意匠的に外観が優れる。又、時間
の経過と共に水性ゲルインキの着色剤が逆流防止剤に移
行してきても、逆流防止剤ははじめから着色されている
ため、インキと逆流防止剤との界面が汚くなって外観が
低下する虞れも全くない。
【0039】更に本発明の筆記具は、逆流防止剤とイン
キの境界が不明瞭であるため、充填量を逆流防止剤とイ
ンキとの充填量をそれぞれ揃えるなくても、最後端の逆
流防止剤の端部を揃えるだけで、充填量が一定になって
いるように見えるため、充填が容易になり、作業コスト
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筆記具を水性ボールペンとして形成し
た例を示し、拡大断面図である。
【図2】図1の軸先の部分を拡大したものであり、
(a)は軸先の断面図であり、(b)は軸先内部に用い
られるボールシートの平面図である。
【図3】遠心分離により逆流防止剤をインキから分離す
る方法を説明するための図である。
【図4】本発明の筆記具の他の例の外観を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 水性ゲルインキ 2 水性ゲルインキを用いた筆記具 3 インキリーフィル 31 軸先部 32 インキ収容管 4 ペン部材 5 チップ 6 ボール 7 逆流防止剤

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インキリーフィルに水性ゲルインキが充
    填され、該インキリーフィル内の水性ゲルインキの後に
    逆流防止剤が充填されてなる筆記具において、逆流防止
    剤が水性ゲルインキと同じ色に着色されていることを特
    徴とする水性ゲルインキを用いた筆記具。
JP6208117A 1994-08-09 1994-08-09 水性ゲルインキを用いた筆記具 Pending JPH0852982A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999006223A1 (fr) * 1997-07-31 1999-02-11 Mitsubishi Pencil Kabushikikaisya Suiveur d'encre stylos a bille a base d'eau et procede de fabrication
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