JPH0852674A - マニピュレータの位置姿勢決定方法 - Google Patents

マニピュレータの位置姿勢決定方法

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JPH0852674A
JPH0852674A JP19040194A JP19040194A JPH0852674A JP H0852674 A JPH0852674 A JP H0852674A JP 19040194 A JP19040194 A JP 19040194A JP 19040194 A JP19040194 A JP 19040194A JP H0852674 A JPH0852674 A JP H0852674A
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JP
Japan
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joint
utilization
orientation
manipulator
degree
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JP19040194A
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Inventor
Rikiya Senda
力哉 先田
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マニピュレータに冗長性があっても,常に適
切な位置姿勢が決定できると共に,関節が動作範囲,速
度範囲をこえることを防止しうるマニピュレータの位置
姿勢決定方法。 【構成】 本方法による制御装置0は,冗長マニピュレ
ータの各関節角度を検出し(S1),上記関節角度に基
づいてツールの位置姿勢の現在値を演算し(S2),上
記ツールの位置姿勢の現在値の目標値からのズレ量を演
算し(S3),上記各関節角度における,各関節角度の
変化量とそれに対応するツールの位置姿勢の変化量との
関係を線形近似して求め(S4),上記各関節を活用す
る度合いを表す活用度を各関節の動作の余裕に基づいて
演算し(S5),上記ズレ量を上記関係と上記活用度と
かなる新たな関係に適用することによって,上記各関節
角度の修正量を演算する(S5)ように構成されてい
る。上記構成により,常に適切なマニピュレータの位置
姿勢を決定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,マニピュレータの位置
姿勢決定方法に係り,詳しくは各関節の有する自由度の
合計数がツールの位置姿勢の目標値の数よりも多いマニ
ピュレータの位置姿勢決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】目標値として規定されたツールの位置姿
勢の次元よりも多くの駆動軸をマニピュレータが備えて
いる場合,そのマニピュレータは冗長性を持つ,あるい
は,マニピュレータに冗長性があるなどという。この冗
長性がないと,ツール位置姿勢を実現する各駆動軸の角
度(コンフィグレーション)は有限個しかない。その中
から,関節の動作範囲や関節速度制限などの条件を満足
するものを採用することになるが,条件を満足するもの
がないことも多い。これに対し冗長性がある場合は,コ
ンフィグレーションが無数に存在するので,より厳しい
条件下でも,作業可能なコンフィグレーションの存在が
期待できる。しかし,このような適切なコンフィグレー
ションを迅速に見つけだすのは難しい。そこで,従来よ
り次のような方法が一般に用いられている。即ち,関節
角度を動作範囲内に抑える方法であり,一般的な機構に
も有効なものとしては,ヤコビ行列を利用して線形近似
し,その連立方程式を解く際に,ヤコビ行列の零空間を
活用する方法である。この方法は,ツール位置姿勢に影
響がない範囲でなるべく制限条件を満たす方向に関節角
度を変化させるものである。
【0003】以下,零空間活用法について略述する。先
ず連立方程式が以下のように与えられているものとす
る。 Δx=JΔq …(1′) ここに,J;連立方程式の係数行列 Δx;ツール位置姿勢の微小変化(既知のベクトル) Δq;関節の微小変化(未知のベクトル) これを満たす解の1つをΔq1とする。即ち, Δx=JΔq1 が成立するものとする。もし, Jξ=0 を満たす係数ξが存在するならば, Δq2=Δq1+ξ によって与えられる解Δq2もまた,上記方程式を満足
する。この係数ξの集合,即ち, 〔ξ|Jξ=0〕 を行列Jの零空間(ヌルスペース,カーネル)という。
一般に,上記(1′)式で表される連立方程式の解は,
行列Jの零空間分の任意性を持つ。また零空間は,擬似
逆行列を用いて以下のように表すことができることが知
られている。 (I−J+ J)k ここに,I;単位行列 J+ ;Jの擬似逆行列 k;任意のベクトル 従って,上記(1′)式の一般解は,次式で表される。 Δq=J+ Δx+(I−J+ J)k …(2′) ベクトルkを目的に応じて適当に設定すれば,冗長性を
有効に活用することができる。この方法を用いるために
は,制限条件から,関節変数の各成分についての変化量
を導くことが必要となる。この制限条件として各関節の
動作範囲が課せられている場合は,まず現在の関節角度
を動作範囲の中心方向に修正するような各関節の修正量
Δqd(ベクトル)を設定し, Δqd=(I−J+ J)k …(3′) をなるべく成立させるようなベクトルkを求めてやれば
よい。これは, k=(I−J+ J)+ Δqd と設定することにより達成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
マニピュレータの位置姿勢決定方法では,ヤコビ行列の
零空間を活用する方法が用いられているため次のような
問題点があった。。即ち,零空間活用項が大きすぎると
近似による誤差が無視できなくなる。一方小さすぎると
効果がない。このように,零空間活用項の比率を適切に
設定することが困難である。また,零空間を活用しても
尚動作範囲に収まらない関節が存在する場合には,一般
にソフトウエア的なリミッタを作動させること(強制的
に動作範囲付近やや内側の値に設定すること)が想定さ
れるが,その場合でも大きな誤差を生じることになる。
本発明は,このような従来の技術における課題を解決す
るために,マニピュレータの位置姿勢決定方法を改良
し,マニピュレータに冗長性があっても適切に位置姿勢
を決定することができ,関節が動作範囲,作動範囲を越
えることを防止することができるマニピュレータの位置
姿勢決定方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は,各関節の有する自由度の合計数がツールの
位置姿勢の目標値の数よりも多いマニピュレータの位置
姿勢決定方法において,上記マニピュレータの各関節角
度を検出又は初期設定し,上記各関節角度に基づいてツ
ールの位置姿勢の現在値を演算し,上記ツールの位置姿
勢の現在値の目標値からのズレ量を演算し,上記各関節
角度における,該各関節角度の変化量とこれに対応する
ツールの位置姿勢の変化量との関係を線形近似して求
め,上記各関節を活用する度合を表す活用度を該各関節
の動作の余裕に基づいて演算し,上記ズレ量を上記関係
と上記活用度とからなる新たな関係に適用することによ
って,上記各関節角度の修正量を演算してなることを特
徴とするマニピュレータの位置姿勢決定方法として構成
されている。さらには,上記関節の動作に余裕がある場
合には該関節の活用度を大きく,余裕のない場合には該
関節の活用度を小さくするマニピュレータの位置姿勢決
定方法である。さらには,上記関節を動作させたときに
その動作範囲又は最大速度制限を超過するおそれが小さ
い場合には活用度を大きく,超過するおそれが大きい場
合には活用度を小さくするマニピュレータの位置姿勢決
定方法である。さらには,上記関節を動作させたときに
その動作範囲の大きい関節は活用度を大きく,現在の関
節角度が動作範囲の中央に近い関節は活用度を大きく,
動作速度の範囲の大きい関節は活用度を大きく,及び/
又は現在の動作速度範囲の余裕の大きい関節は活用度を
大きくするマニピュレータの位置姿勢決定方法である。
さらには,上記新たな関係を Δq=W・JT ・(J・W・JT -1・Δx ここに,Δg;ある関節の微小変化 Δx;ツールの位置姿勢の微小変化 J;係数行列 JT ;Jの転置行列 W;各関節の活用度からなる対角行列 で表現したマニピュレータの位置姿勢決定方法である。
【0006】
【作用】本発明によれば,各関節の有する自由度の合計
数がツールの位置姿勢の目標値の数よりも多いマニピュ
レータの位置姿勢の決定に際し,先ず上記マニピュレー
タの各関節角度が検出又は初期設定される。上記各関節
角度に基づいてツールの位置姿勢の現在値が演算され
る。上記ツールの位置姿勢の現在値の目標値からのズレ
量が演算される。上記各関節角度における,該各関節角
度の変化量とこれに対応するツールの位置姿勢の変化量
との関係が線形近似により求められる。上記各関節を活
用する度合いを表す活用度が該各関節の動作の余裕に基
づいて演算される。上記ズレ量が上記関係と上記活用度
とかなる新たな関係に適用されることによって,上記各
関節角度の修正量が演算される。これにより得られた各
関節角度の速度あるいは変化量は,活用量を反映したも
のになる。従って余裕のある関節を優先的に活用するよ
うなコンフィグレーションが得られることになる。その
結果,マニピュレータに冗長性があっても,適切にマニ
ピュレータの位置姿勢を決定することができる。又関節
が動作範囲,速度範囲を越えることを防止することがで
きる。
【0007】
【実施例】以下添付図面を参照して,本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は本発明の第1の実施例に係るマニピュレータ
の位置姿勢の決定方法の概略構成を示すフロー図,図2
は本発明の第2の実施例に係るマニピュレータの位置姿
勢の決定方法の概略構成を示すフロー図,図3は上記第
1の実施例方法を適用可能な制御装置0の概略構成を示
すブロック図,図4はトーチ座標系を示す説明図,図5
はトーチの回転対称性を示す説明図,図6は6軸溶接ロ
ボットの概念図,図7は冗長性を示す説明図である。図
1に示す如く,第1の実施例に係るマニピュレータ位置
姿勢の決定方法は,各関節の有する自由度の合計数が位
置姿勢の目標値の数よりも多いマニピュレータの位置姿
勢の決定に際し,上記マニピュレータの各関節角度を検
出し(S1),上記各関節角度に基づいてツールの位置
姿勢の現在値を演算し(S2),上記ツールの位置姿勢
の現在値の目標値からのズレ量を演算し(S3),上記
各関節角度における,該各関節角度の変化量とこれに対
応するツールの位置姿勢の変化量との関係を線形近似し
て求め(S4),上記各関節を活用する度合いを表す活
用度を関節の動作の余裕に基づいて演算し(S5),上
記ズレ量を上記関係と上記活用度とからなる新たな関係
に適用することによって,上記各関節角度の修正量を演
算する(S6)ように構成されている。即ち,第1の実
施例は制御に用いる例であり,ここでは図3及び図6に
示すような6軸溶接ロボットの制御装置に適用すること
とした。
【0008】制御装置0は図3に示すように,モータ1
に取り付けられたエンコーダ2から現在の関節角度を算
出する関節角度現在値算出部3と,関節角度の現在値か
ら現在のツール位置姿勢を算出するツール位置姿勢現在
値算出部4と,ツール位置姿勢の現在値からツール位置
姿勢変化量の目標値(ズレ量)を設定するツール位置姿
勢変化量目標値設定部5と,ツール位置姿勢変化量目標
値から関節角度変化量(修正量)を設定する関節角度変
化量設定部6と,関節角度変化量を基に実際に関節を駆
動する関節駆動部7とから構成されている。また関節駆
動部7は,関節が動作範囲を越してしまうような指令が
出た場合には,ソフトウエアリミッタが作動し,強制的
に動作範囲限界付近やや内側で角度を保つようになって
いる。以下,本第1の実施例(方法及び装置)の基本原
理等について述べる。ここでは,ツールに相当するトー
チの座標系は図4に示すように設定されている。この制
御装置0では,トーチ位置姿勢のデータは,トーチ先端
位置の座標(x,y,z),トーチ姿勢のロール角,ピ
ッチ角(α,β)で記述されている。ヨー角について
は,トーチの持つ回転対称性のため目標値として指定さ
れない(図5参照)。 関節角度変化量設定部6では,一定の周期毎に目標値と
して(x,y,z,α,β)の変化量 Δx=(dx,dy,dz,dα,dβ) が与えられ,この目標値を実現するように各関節角度の
変化量 Δq=(dθ1,dθ2,dθ3,dθ4,dθ5,d
θ6) を決定する。
【0009】このように,5次元の目標値を6自由度で
実現するのであるから,1自由度の冗長性が存在するこ
とになる。この冗長性を有効に活用して,目標値を実現
しつつ,関節の動作範囲及び速度制限を超過しないよう
にすることが関節角度変化量設定部6に要求される。従
って,制御装置0では,以下の手順で処理を行う。ただ
し,上記方法との対応を明らかにするために,処理手順
は上記方法のステップS1,S2,…順に記述した。 (ステップS1)先ず,関節角度現在値算出部3により
現在の各関節角度を算出する。 (ステップS2)次に,ツール位置姿勢現在値算出部4
により現在の各関節角度から現在のツール位置姿勢を計
算する。 (ステップS3)次に,ツール位置姿勢変化量目標値設
定部5により現在のツール位置姿勢と目標ツール位置姿
勢とのズレ量を計算することによって,ツール位置姿勢
変化量の目標値を設定する。 (ステップS4)次に,関節角度変化量設定部6によ
り,現在の各関節角度における,各関節角度の微小変化
によりもたらされるツール位置姿勢変化量(ヤコビア
ン)を計算する。
【0010】ここで,ヤコビアン計算について説明を加
える。関節角度の変化とツール位置姿勢の変化との関係
は,本来非線形であるが,変化量が十分小さいものとす
れば次の関係が成立するものとみなせる。 Δx=JΔq …(1) ただし, Δx;ツール位置姿勢の微小変化 Δq;関節の微小変化 J;連立方程式の係数行列 このときの各関節角度変化がトーチの位置姿勢変化に対
して与える影響を表す量は,ヤコビアンあるいはヤコビ
係数と呼ばれるものである。このヤコビアンの行列J
を,現在の各関節角度について計算する。 (ステップS5)次に,関節角度変化量設定部6によ
り,各関節の活用度を設定する。関節の活用度の設定の
しかたは色々考えられるが,例えば上記関節の動作に余
裕がある場合には該関節の関節の活用度を大きく,余裕
のない場合には該関節の活用度を小さくするように設定
すればよい。さらに,上記関節を動作させたときにその
動作範囲又は最大速度制限を超過するおそれが小さい場
合には活用度を大きく,超過するおそれが大きい場合に
は活用度を小さくするように設定してもよい。さらに,
上記関節を動作させたときにその動作範囲の大きい関節
は活用度を大きく,現在の関節角度が動作範囲の中央に
近い関節は活用度を大きく,動作速度の範囲の大きい関
節は活用度を大きく,及び/又は現在の動作速度範囲の
余裕の大きい関節は活用度を大きくするように設定して
もよい。
【0011】ここでは活用度を次のように設定すること
とする。第i関節の活用度wiを動作範囲に関する余裕
から決定される活用度waiと,速度に関する余裕から
決定される活用度wviとの積として決定する。具体的
には,次式によって定める。 wi=wai×wvi wai=min{θi−θimin,θimax−θ
i}/規格化定数 wvi=(vimax−vi)/規格化定数 ただし,θi,θimax,θimin;第i関節の現
在の角度,角度上限,角度下限vi,vimax;第i
関節の現在の速度,最大速度 このように活用度を設定することにより,動作範囲に関
しては,余裕のない関節の変化量を小さくすることとな
り,動作範囲を起こしにくくなることが期待される。万
一動作範囲を超えるような場合,関節駆動部7によりそ
の関節の変化量を強制的に小さくされるが,その関節の
活用度が小さくなっているのでその修正量は比較的小さ
いため,生じる誤差は小さく抑えられる。また,速度制
御に関しては,この関節角度変化演算が一定周期ごとに
行われることから,ここで設定された関節角度変化は,
速度に比例する。このため,変化量を抑えることがその
まま速度を抑えることを意味する。 (ステップS6)次に,関節角度設定部6により関節角
度を未知とする連立方程式を活用度を加味して解くこと
により,関節角度変化量を求める。具体的には,上記
(1)式を変形した次式を用いる。 Δq=WJT (JWJT -1Δx …(2) ここに, JT ;Jの転置行列 W;対角行列で,i番目の成分は第i関節の活用度wi 上記(2)式により関節角度変化量Δqを計算する。
【0012】さらに説明を加えると,上記(2)式によ
り得られる関節角度変化量Δqは,上記(1)式を満た
すΔqのうち, |W-1Δq| を最小にするものであることが知られている。すなわ
ち, Σ(dθi/wi)2 が最小になるように関節角度変化量Δqが設定されるも
のであり,もし冗長であるならば1/wiの小さい関
節,すなわち,活用度wiの大きい関節の変化量が大き
くなるように設定される。こうして,冗長性を有効に活
用して,目標値を実現しつつ,関節の動作範囲及び速度
制限を超過しないように設定された関節角度変化量Δq
が得られる。万一,関節角度変化量Δqによってある関
節が動作範囲を超過しても,その超過量は活用度を設定
しない場合に比べて小さくなっており,後のステップで
述べるソフトウエアリミッタの作動がツール位置姿勢に
及ぼす影響は小さく抑えられる。 (ステップS7)関節角度を更新する。すなわち,現在
の関節角度に,与えられた関節角度変化量を加算する。 (ステップS8)動作範囲をオーバーしている関節はソ
フトウエアリミッタが作動して強制的に動作範囲限界付
近やや内側の値に設定する。以上のステップS1〜S8
を繰り返すことにより,各関節が動作範囲や最大速度を
超えることのない適切なマニピュレータの制御がなされ
る。
【0013】引続いて第2の実施例について述べる。図
2に示す如く,第2の実施例に係るマニピュレータ位置
姿勢の決定方法は,各関節の有する自由度の合計数が位
置姿勢の目標値の数よりも多いマニピュレータの位置姿
勢の決定に際し,上記マニピュレータの各関節角度を初
期設定し(S11),上記各関節角度に基づいてツール
の位置姿勢の現在値を演算し(S12),上記ツールの
位置姿勢の現在値の目標値からのズレ量を演算し(S1
3),上記各関節角度における,該各関節角度の変化量
とこれに対応するツールの位置姿勢の変化量との関係を
線形近似して求め(S14),上記各関節を活用する度
合いを表す活用度を関節の動作の余裕に基づいて演算し
(S15),上記ズレ量を上記関係と上記活用度とから
なる新たな関係に適用することによって,上記各関節角
度の修正量を演算する(S16)ように構成されてい
る。即ち,第2の実施例はロボットマニピュレータのオ
フライン教示に用いる例であり,以下図7に示すような
1軸スライダ付6軸溶接ロボットに対するオフライン教
示のプログラミングに用いる場合を例にとって説明す
る。ただし,本第2実施例(方法)の基本原理等のう
ち,上記第1の実施例(方法)と共通する部分について
は既述の通りであるので,その詳細説明は省略する。ツ
ールに相当するトーチの座標系はここでも図4の通りに
設定されている。各教示点においては,トーチ位置姿勢
のデータは,トーチ先端位置の座標(x,y,z),ト
ーチの姿勢のロール角,ピッチ角(α,β)で記述され
ている。ヨー角γについては,トーチの持つ回転対称性
のため目標値として指定されていない(図5参照)。ま
た,1軸スライダの値も指定されていない。しかし,ロ
ボットコントローラには,トーチ先端位置の座標(x,
y,z)および姿勢(α,β,γ)と,スライダ軸値の
計7次元のデータを送る必要がある。従って,2自由度
がこの場合は冗長になっている(図7参照)。
【0014】このとき,各関節が動作範囲及び速度制限
を超えないようにすることが仕様として要求される。そ
こで,下記の手順のように反復計算を行う。ただし,上
記方法との対応を明らかにするため処理手順は上記ステ
ップS11,S12,…順に記述した。 (ステップS11)先ず,関節角度の初期値を設定する
。 (ステップS12)前回の関節角度から現在のツール位
置姿勢を計算する。 (ステップS13)目標ツール位置姿勢とのずれを計算
する。 (ステップS14)前回の関節角度における,各関節角
度の微小変化によりもたらされるツール位置姿勢変化量
(ヤコビアン)を計算する。 (ステップS15)第i関節の活用度wiを以下の式に
基づいて設定する。 wi=wai×wvi wai=min{θi−θimin,θimax−θ
i}/規格化定数 wvi=vimax/規格化定数 ただし, θi,θimax,θimin;第i関節の現在の角
度,角度上限,角度下限vimax;第i関節の最大速
度 (ステップS16)関節変化量を未知とする連立方程式
を前記(2)式に従って解く。 (ステップS17)関節角度を更新する。すなわち,前
回の関節角度に,与えられた関節変化量を加算する。
【0015】(ステップS18)動作範囲をオーバーし
ている関節は,強制的に動作範囲限界付近やや内側の値
に設定する。 (ステップS19)収束計算を行い,収束していないな
ら上記ステップS12へ戻る。ステップS18までで得
られた関節角度を今回の関節角度とする。 (ステップS20)最終的な関節角度からツール姿勢を
計算し,ヨー角γ及びスライダ軸のデータを補う。終
了。この場合,ステップS18で線形近似以外の誤差が
生じることになるが,動作範囲をオーバーする頻度およ
びオーバー量は小さくなっているため,ここではその誤
差は小さく抑えられる。以上により各関節が動作範囲や
最大速度を超えることのない適切な教示データが迅速に
作成可能となる。このように,第1,第2実施例とも各
時点で各関節の活用度は動作に余裕のある場合には大き
く,あまり余裕のない場合には小さく設定される。ま
た,与えられる関節角度あるいは変化量は,活用度を反
映したものになっている。従って,余裕のある関節を優
先的に活用するようなコンフィグレーションが得られる
ことになる。その結果マニピュレータに冗長性があって
も,適切なマニピュレータの位置姿勢を決定することが
できる。また,関節が動作範囲,速度範囲を超えること
を防止することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明に係るマニピュレータの位置姿勢
決定方法は,上記したように構成されているため,各時
点で各関節の活用度は動作に余裕のある場合には大き
く,あまり余裕のない場合には小さく設定される。ま
た,与えられる関節角度あるいは変化量は,活用度を反
映したものになっている。従って,余裕のある関節を優
先的に活用するようなコンフィグレーションが得られる
ことになる。その結果マニピュレータに冗長性があって
も,適切なマニピュレータの位置姿勢を決定することが
できる。また,関節が動作範囲,速度範囲を超えること
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係るマニピュレータ
の位置姿勢の決定方法の概略構成を示すフロー図。
【図2】 本発明の第2の実施例に係るマニピュレータ
の位置姿勢の決定方法の概略構成を示すフロー図。
【図3】 上記第1の実施例方法を適用可能な制御装置
0の概略構成を示すブロック図。
【図4】 トーチ座標系を示す説明図。
【図5】 トーチの回転対称性を示す説明図。
【図6】 6軸溶接ロボットの概念図。
【図7】 冗長性を示す説明図。
【符号の説明】
0…マニピュレータの制御装置 3…関節角度現在値演算部(ステップS1を実行) 4…ツール位置姿勢現在値算出部(ステップS2を実
行) 5…ツール位置姿勢変化量目標値設定部(ステップS3
を実行) 6…関節角度変化量設定部(ステップS4〜S6を実
行)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各関節の有する自由度の合計数がツール
    の位置姿勢の目標値の数よりも多いマニピュレータの位
    置姿勢決定方法において,上記マニピュレータの各関節
    角度を検出又は初期設定し,上記各関節角度に基づいて
    ツールの位置姿勢の現在値を演算し,上記ツールの位置
    姿勢の現在値の目標値からのズレ量を演算し,上記各関
    節角度における,該各関節角度の変化量とこれに対応す
    るツールの位置姿勢の変化量との関係を線形近似して求
    め,上記各関節を活用する度合を表す活用度を該各関節
    の動作の余裕に基づいて演算し,上記ズレ量を上記関係
    と上記活用度とからなる新たな関係に適用することによ
    って,上記各関節角度の修正量を演算してなることを特
    徴とするマニピュレータの位置姿勢決定方法。
  2. 【請求項2】 上記関節の動作に余裕がある場合には該
    関節の活用度を大きく,余裕のない場合には該関節の活
    用度を小さくする請求項1記載のマニピュレータの位置
    姿勢決定方法。
  3. 【請求項3】 上記関節を動作させたときにその動作範
    囲又は最大速度制限を超過するおそれが小さい場合には
    活用度を大きく,超過するおそれが大きい場合には活用
    度を小さくする請求項1記載のマニピュレータの位置姿
    勢決定方法。
  4. 【請求項4】 上記関節を動作させたときにその動作範
    囲の大きい関節は活用度を大きく,現在の関節角度が動
    作範囲の中央に近い関節は活用度を大きく,動作速度の
    範囲の大きい関節は活用度を大きく,及び/又は現在の
    動作速度範囲の余裕の大きい関節は活用度を大きくする
    請求項1記載のマニピュレータの位置姿勢決定方法。
  5. 【請求項5】 上記新たな関係を Δq=W・JT ・(J・W・JT -1・Δx ここに,Δg;ある関節の微小変化 Δx;ツールの位置姿勢の微小変化 J;係数行列 JT ;Jの転置行列 W;各関節の活用度からなる対角行列 で表現した請求項1記載のマニピュレータの位置姿勢決
    定方法。
JP19040194A 1994-08-12 1994-08-12 マニピュレータの位置姿勢決定方法 Pending JPH0852674A (ja)

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