JPH0852426A - 超音波励振器 - Google Patents

超音波励振器

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JPH0852426A
JPH0852426A JP6211976A JP21197694A JPH0852426A JP H0852426 A JPH0852426 A JP H0852426A JP 6211976 A JP6211976 A JP 6211976A JP 21197694 A JP21197694 A JP 21197694A JP H0852426 A JPH0852426 A JP H0852426A
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JP
Japan
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piezoelectric vibrator
electrode
vibrating
plate
vibrating needle
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JP6211976A
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Koji Toda
耕司 戸田
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  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電振動子と振動板と振動針とから成り、圧
電振動子の振動を振動板を経由して振動針に伝搬させる
ことにより振動針の表面に振動変位を発生させる超音波
励振器を提供する。 【構成】 圧電振動子1と振動板2と振動針3とから成
る複合体を自励発振駆動回路4を用いて駆動させると圧
電振動子1に圧電的に振動が励振される。振動板2を圧
電振動子1の一方の端面上に一体的に連なって固着させ
る構造を採用していることから、圧電振動子1の振動に
伴って振動板2は圧電振動子1との接合領域を固定端と
する形で振動する。振動板2の振動は振動針3を振動さ
せ、振動針3の表面に振動変位が生じる。 【効果】 構造が簡単で、小型軽量で、回路構成が簡単
で、低電圧で低消費電力駆動が可能で、応用領域が広
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電振動子と振動板と
振動針とから成り、圧電振動子の振動を振動板を経由し
て振動針に伝搬させることにより振動針の表面に振動変
位を発生させ、トリミングなどへの応用が可能な超音波
励振器に関する。
【従来の技術】超音波励振器によって発生させた弾性振
動を利用することにより超音波モータを構成することが
可能である。従来の超音波励振器を応用した超音波モー
タは、振動子によって発生させた弾性振動を摩擦力を介
して可動体に伝達し該可動体に一方向の駆動力を与える
というものであった。このとき、前記振動子表面での変
位は一般に楕円軌道を描く。進行波型超音波モータで
は、進行波が弾性体に励振されその表面の質点は楕円軌
道を描くので、可動体に一方向の駆動力が生じるのであ
る。進行波型超音波モータはカメラのオートフォーカス
機構などに実用化されているが、直線運動に応用する場
合、振動系の規模が大きくなることから効率が低下する
という問題点を有する。定在波を利用するタイプの超音
波リニアモータの代表的なものとして、矩形平板状圧電
振動子を利用するものがある。一方向性の駆動力は、振
動子に接着された直線状金属平板の端部の楕円運動から
得られ、この部分にローラを加圧接触させることによっ
て回転動力を得ている。この方式は小型化が可能であ
り、紙送りデバイス等への応用が期待できるが、2相式
の高周波電源が必要であるという問題点を有する。この
ようにして、従来の超音波励振器を利用した超音波モー
タでは、振動系の規模が大きくなることから効率が低下
するという問題や、小型化が可能であっても比較的複雑
な回路構成を必要とする等の問題点を有していた。そし
て何よりも、振動子と可動体との距離に制限があるとい
う欠点を有していた。すなわち、振動子から離れた場所
にある可動体にその振動のエネルギーを伝搬することが
困難であった。
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は構造が
簡単で、小型軽量で、回路構成が簡単で、低電圧で低消
費電力駆動が可能で、応用領域が広い超音波励振器を提
供することにある。
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の超音波
励振器は、圧電振動子と、該圧電振動子に固着された振
動板と、該振動板に接触された少なくとも1つの振動針
とから成る超音波励振器であって、前記振動針の表面の
一部は前記振動板の一方の板面、または前記振動板の両
板面を貫く貫通孔の内面に接触され、前記圧電振動子は
柱状の圧電磁器、電極PおよびQから成り、前記電極P
およびQは前記圧電磁器の厚さ方向に垂直な両端面のそ
れぞれに形成されており、前記電極PおよびQのうちで
少なくとも電極Pは1組のすだれ状電極で成り、前記す
だれ状電極の2つの端子TP1およびTP2のうちの端子T
P1と前記電極Qにおける端子TQとの間に前記圧電振動
子の共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧を印加するこ
とにより前記圧電振動子を励振する手段が設けられてお
り、前記圧電振動子の前記共振周波数は、前記圧電振動
子と前記振動板と前記振動針とから成る複合体の共振周
波数にほぼ等しく、前記圧電振動子の励振を前記振動板
を経由して前記振動針に伝搬させることにより前記振動
針の表面に振動変位を発生させることを特徴とする。請
求項2に記載の超音波励振器は、前記振動針が直線状、
湾曲状、コイル状またはそれらの組合せで成る構造を有
することを特徴とする。請求項3に記載の超音波励振器
は、前記振動針が少なくとも2つに分岐していることを
特徴とする。請求項4に記載の超音波励振器は、前記振
動針の分岐した部分が少なくとも2つに分岐しているこ
とを特徴とする。請求項5に記載の超音波励振器は、前
記振動針の長さ方向に垂直な断面の形が角縁状または環
状を成すことを特徴とする。請求項6に記載の超音波励
振器は、前記圧電振動子が長さと幅の寸法比が1に近く
しかも1に等しくない矩形状の板であって、前記振動板
は、前記圧電振動子の前記電極Pを有する端面または前
記電極Qを有する端面上に一体的に連なって固着され、
前記圧電振動子の外方に向けて前記圧電振動子の前記電
極Pを有する前記端面または前記電極Qを有する前記端
面にほぼ平行に突出していることを特徴とする。請求項
7に記載の超音波励振器は、前記圧電振動子が長さと幅
と厚さのうちの長さと幅の寸法比、長さと厚さの寸法比
または幅と厚さの寸法比が1に近くしかも1に等しくな
い矩形状の角柱であって、前記振動板は、前記圧電振動
子の前記電極Pを有する端面または前記電極Qを有する
端面上に一体的に連なって固着され、前記圧電振動子の
外方に向けて前記圧電振動子の前記電極Pを有する前記
端面または前記電極Qを有する前記端面にほぼ平行に突
出していることを特徴とする。請求項8に記載の超音波
励振器は、前記圧電振動子励振手段が、直流電源と前記
端子TP1との間に接続された昇圧用のコイルと、出力電
圧端子が前記端子TP1に接続され入力電圧端子が前記端
子TP2に接続されることにより前記端子TP2に現われる
圧電気を帰還電圧として受けるトランジスタとを備え、
前記圧電振動子励振手段は、前記トランジスタを増幅素
子とし前記複合体を共振素子とする自励発振駆動回路を
構成することを特徴とする。
【作用】本発明の超音波励振器は圧電振動子と振動板と
少なくとも1つの振動針とから成る簡単な構造を有す
る。振動板は圧電振動子に固着され、振動針の表面の一
部は振動板の一方の板面または振動板の両板面を貫く貫
通孔の内面に接触されている。圧電振動子は柱状の圧電
磁器、電極PおよびQから成り、電極PおよびQは圧電
磁器の厚さ方向に垂直な両端面のそれぞれに形成されて
いる。電極PおよびQのうちで少なくとも電極Pは1組
のすだれ状電極で成る。このすだれ状電極には端子TP1
およびTP2が設けられ、電極Qには端子TQが設けられ
ている。また、本発明の超音波励振器では、端子TP1
端子TQとの間に圧電振動子の共振周波数とほぼ等しい
周波数の電圧を印加することにより圧電振動子を励振す
る手段が設けられている。この圧電振動子励振手段を駆
使することにより、圧電振動子が励振される。このと
き、圧電振動子の共振周波数が圧電振動子と振動板と振
動針とから成る複合体の共振周波数とほぼ等しい構造が
採用されることにより、圧電振動子が効率よく励振され
る。このような簡単な構造の圧電振動子の採用により、
超音波励振器の小型化が可能となる。また、自励式駆動
が可能となることから電池での駆動も容易になり、さら
に、温度などの環境変化に対応しうる形で低消費電力で
低電圧での駆動が可能となる。この圧電振動子の励振は
振動板を振動させ、さらに、振動板に接触する振動針を
振動させる。このようにして、振動針の表面に振動変位
が発生する。本発明の超音波励振器では振動針として直
線状、湾曲状、コイル状またはそれらの組合せで成る構
造を採用することができる。すなわち、振動針を振動板
の一方の板面または振動板の両板面を貫く貫通孔の内面
に固着または圧接させた構造、つまり、振動板の板面や
貫通孔の内面に接触させた構造であれば振動針の表面に
振動変位が生じるのであり、振動針は細長い形状をした
ものであれば、折れ曲がっていようといまいと長さが長
くても短くても振動針の表面に振動変位が生じる。ま
た、たとえばY字型のような少なくとも2つに分岐した
構造を振動針として採用することも可能であり、その分
岐した部分がさらに少なくとも2つに分岐した構造を振
動針として採用することも可能である。このような場
合、振動針の分岐した先々の表面においても振動変位が
生じている。本発明の超音波励振器では、振動針として
棒状を成す構造を採用することが可能であるとともに、
振動針としてその長さ方向に垂直な断面の形が角縁状ま
たは環状を成す構造、つまり、管状構造を採用すること
ができる。管状構造を採用した場合には、振動針の内壁
面においても振動変位が生じる。圧電振動子として長さ
と幅の寸法比が1に近くしかも1に等しくない矩形板状
構造、すなわち圧電振動子の厚さが薄い板状の構造を採
用することにより、圧電振動子と振動板と振動針との複
合体の結合振動が増強される。また、振動板が圧電振動
子の電極Pを有する端面または電極Qを有する端面上に
一体的に連なって固着され、しかも、圧電振動子の外方
に向けて圧電振動子の電極Pを有する端面または電極Q
を有する端面にほぼ平行に突出していることにより、振
動板は圧電振動子と振動板との接合部を固定端とする形
で振動する。この振動板の振動は振動針を効率よく振動
させることを可能にする。圧電振動子として長さと幅と
厚さのうちの長さと幅の寸法比、長さと厚さの寸法比ま
たは幅と厚さの寸法比が1に近くしかも1に等しくない
矩形角柱状構造、すなわち圧電振動子の厚さが厚い角柱
状の構造を採用することにより、圧電振動子と振動板と
振動針との複合体の結合振動が増強される。また、振動
板が圧電振動子の電極Pを有する端面または電極Qを有
する端面上に一体的に連なって固着され、しかも、圧電
振動子の外方に向けて圧電振動子の電極Pを有する端面
または電極Qを有する端面にほぼ平行に突出しているこ
とにより、振動板は圧電振動子と振動板との接合部を固
定端とする形で振動する。この振動板の振動は振動針を
効率よく振動させることを可能にする。本発明の超音波
励振器における圧電振動子励振手段は、直流電源と端子
P1との間に接続された昇圧用のコイルを備えている。
また、出力電圧端子が端子TP1に接続され入力電圧端子
が端子TP2に接続されたトランジスタを備えている。こ
のトランジスタは端子TP2に現われる圧電気を帰還電圧
として受けるためのものである。このようにして、圧電
振動子励振手段は、トランジスタを増幅素子とし、圧電
振動子と振動板と振動針との複合体を共振回路とする自
励発振駆動回路を構成しており、圧電振動子の共振周波
数に周波数を自動的に追尾できるようにしている。その
うえ、コイルの逆起電圧を利用した回路を備えることに
より、電源電圧より高い電圧で圧電振動子を駆動できる
ようにしている。この逆起電圧回路はコイルの特性を利
用することで高電圧を発生させるもので、トランスの使
用と比較して価格、重量および容積の点で有利である。
また、回路構成が簡単で小型であり、電源効率及び周波
数特性が良い等の特徴をもたらすことができる。図14
は3端子方式の自励回路の構成図を示している。3端子
方式とは、圧電振動子との接続のために3つの端子を有
し、各端子を互いに独立した目的に利用する方式であ
る。圧電振動子の片側の電極は電圧を印加するドライブ
電極Dと、増幅器に電力の一部をフィードバックするた
めのフィードバック電極Fに分割されており、もう一方
の電極はグランド電極Gとして接地されている。本発明
の超音波励振器では圧電振動子における電極Pがドライ
ブ電極Dおよびフィードバック電極Fに相当し、電極Q
がグランド電極Gに相当する。また、端子TP1およびT
P2がそれぞれドライブ電極Dおよびフィードバック電極
Fに設けられた端子に相当し、端子TQがグランド電極
Gに設けられた端子に相当する。図14におけるこの方
式は、パワーアンプで180°だけ位相のシフトをする
ことから、圧電振動子のドライブ電極Dとフィードバッ
ク電極F間で位相が180°シフトする周波数で自励発
振する。
【実施例】図1は本発明の超音波励振器の第1の実施例
を示す断面図である。本実施例は圧電振動子1、振動板
2、振動針3および自励発振駆動回路4から成る。但
し、図1では自励発振駆動回路4が省いて描かれてい
る。振動板2は圧電振動子1の一方の端面に圧電振動子
1と一体的に連なって固着されている。振動針3は振動
板2の両板面を貫く貫通孔の内面に固着されている。圧
電振動子1は圧電磁器5、すだれ状電極Pおよび電極Q
から成る。すだれ状電極Pには端子TP1およびTP2が設
けられ、電極Qには端子TQが設けられている。圧電磁
器5は矩形板状のTDK72A材(製品名)で成り、そ
の長さは17mm、幅は20mm、厚さは1mmであ
る。圧電磁器5の分極軸の方向は厚さ方向に一致してお
り、この厚さ方向に垂直な一方の端面にすだれ状電極P
が形成され、もう一方の端面には電極Qが形成されてい
る。各電極はアルミニウム薄膜で成る。振動板2はステ
ンレス製で、長さ23mm、幅20mm、厚さ0.05
mmである。振動板2は一方の板面の長さ方向の端部に
おいて長さ2mm、幅20mmの接合領域を有し、該接
合領域は電極Qを介して圧電振動子1に固着されてい
る。振動針3は真鍮製のパイプで成り、その長さ方向に
垂直な断面の外経は0.6mm、内経は0.2mmであ
る。図2は図1の超音波励振器を示す斜視図である。図
1の超音波励振器の駆動時、圧電振動子1と振動板2と
振動針3との複合体の共振周波数にほぼ等しい周波数を
有する電気信号を端子TP1を介して圧電振動子1に入力
すると、圧電振動子1に圧電的に振動が励振される。振
動板2を圧電振動子1の一方の端面上に一体的に連なっ
て固着させる構造を採用していることから、圧電振動子
1の振動に伴って振動板2は圧電振動子1との接合領域
を固定端とする形で振動される。この振動は振動針3を
振動させ、振動針3の表面に振動変位が生じる。振動針
3の長さは最高でほぼ1mのものが動作可能であった。
また、本実施例では振動針3を振動板2に固着させた
が、固着せずに圧接させた場合にもほぼ同様な効果が得
られることが確認された。図3は圧電振動子1を示す平
面図である。すだれ状電極Pは6対の電極指を有し、電
極周期長は2mm、電極交叉幅は4.8mmである。図
4は自励発振駆動回路4の一実施例を示す構成図であ
る。図4においてD、FおよびGはそれぞれドライブ電
極D、フィードバック電極Fおよびグランド電極Gを示
し、ドライブ電極Dおよびフィードバック電極Fがすだ
れ状電極Pに対応し、グランド電極Gが電極Qに対応し
ている。端子TP1およびTP2はそれぞれドライブ電極D
およびフィードバック電極Fに設けられ、端子TQはグ
ランド電極Gに設けられている。端子TP1を介して圧電
振動子1に電圧を引加することにより圧電振動子1に励
振された振動は、その大部分が振動板2に伝搬され、残
部がその振動に応じて圧電振動子1に引加された電圧と
は逆相の電圧として端子TP2から出力される。この動作
の繰り返しによって正帰還の自励発振が生じる。つま
り、複合体の共振周波数にほぼ等しい周波数を有する電
気信号が雰囲気温度の変化に追随して安定して圧電振動
子1に供給される。このようにして、常に自らの最適の
発振状態を維持することを可能にしている。従って、他
励駆動の際に問題となる発熱等により複合体の共振周波
数が偏移して発振条件が悪くなるという問題点が解決さ
れる。また、1つのコイルL1、1つのトランジスタ
r、2つの抵抗R1およびR2、および1つのダイオー
ドDという極く少ない部品で回路を構成することが可能
である。しかも、部品点数が少ないにもかかわらず、直
流電源を利用することができ電力効率もよいことから、
電源の小型化対応を可能にしている。図4の自励発振駆
動回路4に直流電源からたとえば0〜10Vの直流電圧
を印加すると、コイルL1 の値を調整することにより、
端子TP1に最大で約60Vp- pの交流電圧を印加させる
ことができる。このとき端子TP2から約1Vp-pの電気
信号が取り出される。このようにして、自励発振駆動回
路4では直流電源電圧の約6倍の交流電圧を圧電振動子
1に印加することが可能である。図5は図1の超音波励
振器を駆動させた場合の端子TP1およびTP2で観測され
た電圧波形の一実施例を示す図である。但し、振動針3
の長さが46mmで、電源電圧が3Vの場合を示す。ま
た、上図は端子TP1での波形を、下図は端子TP2での波
形を示す。上図と下図における波形はほぼ対称的であ
り、ピーク値もほぼ等しいことが確認された。このよう
にして、逆位相信号が効率よくフィードバックされてい
ることがわかる。図6は圧電振動子1単体における端子
P1とTQとの間のアドミタンスの振幅および位相と、
周波数との関係を示す特性図である。アドミタンスは周
波数がほぼ92.7kHzのときにピークを示してい
る。また、位相が零のときの周波数が共振周波数を示す
ことから、共振周波数の1つがほぼ92.7kHzであ
ることがわかる。図7は圧電振動子1と振動板2との結
合体における端子TP1とTQとの間のアドミタンスの振
幅および位相と、周波数との関係を示す特性図である。
アドミタンスは周波数がほぼ92.7kHzのときにピ
ークを示している。また、位相が零のときの周波数が共
振周波数を示すことから、共振周波数の1つがほぼ9
2.7kHzであることがわかる。この92.7kHz
という値は圧電振動子1単体の共振周波数に等しい。図
8は圧電振動子1と振動板2と振動針3との複合体にお
ける端子TP1とTQとの間のアドミタンスの振幅および
位相と、周波数との関係を示す特性図である。但し、振
動針3の長さが46mmの場合を示す。アドミタンスは
周波数がほぼ92.7kHzのときにピークを示してい
る。また、位相が零のときの周波数が共振周波数を示す
ことから、共振周波数の1つがほぼ92.7kHzであ
ることがわかる。この92.7kHzという値は圧電振
動子1単体の共振周波数および圧電振動子1と振動板2
との結合体の共振周波数に等しい。図9は圧電振動子1
単体における共振周波数付近でのサセプタンスとコンダ
クタンスとの関係を示す特性図、すなわち共振周波数付
近でのアドミタンスサークルを示す図である。サセプタ
ンスが零のときのコンダクタンスの最大値は92.66
72kHzで起こる。図10は圧電振動子1と振動板2
との結合体における共振周波数付近でのサセプタンスと
コンダクタンスとの関係を示す特性図、すなわち共振周
波数付近でのアドミタンスサークルを示す図である。サ
セプタンスが零のときのコンダクタンスの最大値は9
2.818kHzで起こる。この92.818kHzと
いう値は圧電振動子1単体の場合とほぼ等しい。図11
は圧電振動子1と振動板2と振動針3との複合体におけ
る共振周波数付近でのサセプタンスとコンダクタンスと
の関係を示す特性図、すなわち共振周波数付近でのアド
ミタンスサークルを示す図である。但し、振動針3の長
さが46mmの場合を示す。サセプタンスが零のときの
コンダクタンスの最大値は92.7843kHzで起こ
る。この92.7843kHzという値は圧電振動子1
単体の場合および圧電振動子1と振動板2との結合体の
場合とほぼ等しい。図12は本発明の超音波励振器の第
2の実施例を示す斜視図である。本実施例は圧電振動子
6、振動板7、振動針8および自励発振駆動回路4から
成る。但し、図12では自励発振駆動回路4が省いて描
かれている。振動板7は圧電振動子6の一方の端面に圧
電振動子6と一体的に連なって固着されている。振動針
8は振動板2の一方の板面に固着されている。圧電振動
子6は圧電磁器9、すだれ状電極Pおよび電極Qから成
る。圧電磁器9は矩形板状のTDK72A材(製品名)
で成り、その長さは10mm、幅は5mm、厚さは6m
mである。圧電磁器9の分極軸の方向は厚さ方向に一致
しており、この厚さ方向に垂直な一方の端面にすだれ状
電極Pが形成され、もう一方の端面には電極Qが形成さ
れている。電極Qはアルミニウム薄膜で成り、圧電磁器
9の一方の端面のほぼ全域を覆っている。すだれ状電極
Pはアルミニウム薄膜で成り、6対の電極指を有するも
ので、電極周期長は1mm、電極交叉幅は3.8mmで
ある。すだれ状電極Pには端子TP1およびTP2が設けら
れ、電極Qには端子TQが設けられている。振動板7は
ステンレス製で、長さ12mm、幅5mm、厚さ0.0
5mmである。振動板7は一方の板面の長さ方向の端部
において長さ1.5mm、幅5mmの接合領域を有し、
該接合領域は電極Qを介して圧電振動子6に固着されて
いる。振動針8は真鍮製の棒で成り、その長さ方向に垂
直な断面の形は1辺が0.6mmの正方形で成り、振動
針8は屈曲している。図12の超音波励振器の駆動時、
圧電振動子6と振動板7と振動針8との複合体の共振周
波数にほぼ等しい周波数を有する電気信号を端子TP1
介して圧電振動子6に入力すると、圧電振動子6に圧電
的に振動が励振される。振動板7を圧電振動子6の一方
の端面上に一体的に連なって固着させる構造を採用して
いることから、圧電振動子6の振動に伴って振動板7は
圧電振動子6との接合領域を固定端とする片持ち梁の形
で振動される。この振動は振動針8を振動させ、振動針
8の表面に振動変位が生じる。振動針8の長さは最高で
ほぼ1mのものが動作可能であった。また、本実施例で
は振動針8を振動板7に固着させたが、固着せずに圧接
させた場合にもほぼ同様な効果が得られることが確認さ
れた。図13は振動針3および振動針8の代わりに用い
られる振動針を示す斜視図である。上図は長さが1mの
らせんパイプ状の振動針を、下図は様々に折れ曲がり分
岐した形の棒状の振動針を示す。どちらの振動針もそれ
らのすべての表面において振動変位を生じることが確認
された。また、振動針どうしを半田接合した場合や、振
動針が高分子系樹脂等で被覆された場合にも振動針とし
ての機能を果たすことが確認された。
【発明の効果】本発明の超音波励振器は圧電振動子と、
圧電振動子に固着された振動板と、振動板に接触された
少なくとも1つの振動針と、圧電振動子励振手段とを備
える。圧電振動子は柱状の圧電磁器と、圧電磁器の厚さ
方向に垂直な両端面のそれぞれに形成された電極Pおよ
びQから成る。電極PおよびQのうちで少なくとも電極
Pは端子TP1およびTP2が設けられたすだれ状電極で成
り、電極Qには端子TQが設けられている。圧電振動子
励振手段は、端子TP1と端子TQとの間に圧電振動子の
共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧を印加することに
より圧電振動子を励振するものである。圧電振動子の共
振周波数が圧電振動子と振動板と振動針とから成る複合
体の共振周波数とほぼ等しいとき、圧電振動子が効率よ
く励振される。このような簡単な構造の圧電振動子の採
用により、超音波励振器の小型化が可能となる。また、
自励式駆動が可能となることから電池での駆動も容易に
なり、さらに、温度などの環境変化に対応しうる形で低
消費電力で低電圧での駆動が可能となる。この圧電振動
子の励振は振動板を振動させ、さらに、振動板に接触す
る振動針を振動させる。このようにして、振動針の表面
に振動変位が発生する。 振動針として直線状、湾曲
状、コイル状またはそれらの組合せで成る構造を採用す
ることができる。振動針を振動板の一方の板面または振
動板の両板面を貫く貫通孔の内面に固着または圧接させ
た構造、つまり、振動板の板面や貫通孔の内面に接触さ
せた構造であれば振動針の表面に振動変位が生じるので
あり、振動針は細長い形状をしたものであれば、折れ曲
がっていようといまいと長さが長くても短くても振動針
の表面に振動変位が生じる。また、たとえば先端が少な
くとも2つに分岐した構造を振動針として採用すること
も可能であり、その分岐した部分がさらに少なくとも2
つに分岐した構造を振動針として採用することも可能で
ある。このような場合、振動針の分岐した先々の表面に
おいても振動変位が生じている。さらに、振動針として
棒状を成す構造や、振動針の長さ方向に垂直な断面の形
が角縁状または環状を成す構造、つまり、管状構造を採
用することができる。管状構造を採用した場合には、振
動針の内壁面においても振動変位が生じる。圧電振動子
として長さと幅の寸法比が1に近くしかも1に等しくな
い矩形板状構造を採用することにより、圧電振動子と振
動板と振動針との複合体の結合振動が増強される。ま
た、振動板が圧電振動子の電極Pを有する端面または電
極Qを有する端面上に一体的に連なって固着され、しか
も、圧電振動子の外方に向けて圧電振動子の電極Pを有
する端面または電極Qを有する端面にほぼ平行に突出し
ていることにより、振動板は圧電振動子と振動板との接
合部を固定端とする形で振動する。この振動板の振動は
振動針を効率よく振動させることを可能にする。圧電振
動子として長さと幅と厚さのうちの長さと幅の寸法比、
長さと厚さの寸法比または幅と厚さの寸法比が1に近く
しかも1に等しくない矩形角柱状構造を採用することに
より、圧電振動子と振動板と振動針との複合体の結合振
動が増強される。また、振動板が圧電振動子の電極Pを
有する端面または電極Qを有する端面上に一体的に連な
って固着され、しかも、圧電振動子の外方に向けて圧電
振動子の電極Pを有する端面または電極Qを有する端面
にほぼ平行に突出していることにより、振動板は圧電振
動子と振動板との接合部を固定端とする形で振動する。
この振動板の振動は振動針を効率よく振動させることを
可能にする。圧電振動子励振手段は、直流電源と端子T
P1との間に接続された昇圧用のコイルと、出力電圧端子
が端子TP1に接続され入力電圧端子が端子TP2に接続さ
れたトランジスタとを備えている。このトランジスタは
端子TP2に現われる圧電気を帰還電圧として受けるため
のものである。このようにして、圧電振動子励振手段
は、トランジスタを増幅素子とし、圧電振動子と振動板
と振動針との複合体を共振回路とする自励発振駆動回路
を構成しており、圧電振動子の共振周波数に周波数を自
動的に追尾できるようにしている。そのうえ、コイルの
逆起電圧を利用した回路を備えることにより、電源電圧
より高い電圧で圧電振動子を駆動できるようにしてい
る。この逆起電圧回路はコイルの特性を利用することで
高電圧を発生させるもので、トランスの使用と比較して
価格、重量および容積の点で有利である。また、回路構
成が簡単で小型であり、電源効率及び周波数特性が良い
等の特徴をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波励振器の第1の実施例を示す断
面図。
【図2】図1の超音波励振器を示す斜視図。
【図3】圧電振動子1を示す平面図。
【図4】自励発振駆動回路4の一実施例を示す構成図。
【図5】図1の超音波励振器を駆動させた場合の端子T
P1およびTP2で観測された電圧波形の一実施例を示す
図。
【図6】圧電振動子1単体における端子TP1とTQとの
間のアドミタンスの振幅および位相と、周波数との関係
を示す特性図。
【図7】圧電振動子1と振動板2との結合体における端
子TP1とTQとの間のアドミタンスの振幅および位相
と、周波数との関係を示す特性図。
【図8】圧電振動子1と振動板2と振動針3との複合体
における端子TP1とTQとの間のアドミタンスの振幅お
よび位相と、周波数との関係を示す特性図。
【図9】圧電振動子1単体における共振周波数付近での
サセプタンスとコンダクタンスとの関係を示す特性図。
【図10】圧電振動子1と振動板2との結合体における
共振周波数付近でのサセプタンスとコンダクタンスとの
関係を示す特性図。
【図11】圧電振動子1と振動板2と振動針3との複合
体における共振周波数付近でのサセプタンスとコンダク
タンスとの関係を示す特性図。
【図12】本発明の超音波励振器の第2の実施例を示す
斜視図。
【図13】振動針3および振動針8の代わりに用いられ
る振動針を示す斜視図。
【図14】3端子方式の自励回路の構成図。
【符号の説明】
1 圧電振動子 2 振動板 3 振動針 4 自励発振駆動回路 5 圧電磁器 6 圧電振動子 7 振動板 8 振動針 9 圧電磁器 P すだれ状電極 Q 電極 TP1,TP2,TQ 端子 L1 昇圧用コイル Tr トランジスタ R1,R2 抵抗 D ダイオード

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電振動子と、該圧電振動子に固着され
    た振動板と、該振動板に接触された少なくとも1つの振
    動針とから成る超音波励振器であって、 前記振動針の表面の一部は前記振動板の一方の板面、ま
    たは前記振動板の両板面を貫く貫通孔の内面に接触さ
    れ、 前記圧電振動子は柱状の圧電磁器、電極PおよびQから
    成り、 前記電極PおよびQは前記圧電磁器の厚さ方向に垂直な
    両端面のそれぞれに形成されており、 前記電極PおよびQのうちで少なくとも電極Pは1組の
    すだれ状電極で成り、 前記すだれ状電極の2つの端子TP1およびTP2のうちの
    端子TP1と前記電極Qにおける端子TQとの間に前記圧
    電振動子の共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧を印加
    することにより前記圧電振動子を励振する手段が設けら
    れており、 前記圧電振動子の前記共振周波数は、前記圧電振動子と
    前記振動板と前記振動針とから成る複合体の共振周波数
    にほぼ等しく、 前記圧電振動子の励振を前記振動板を経由して前記振動
    針に伝搬させることにより前記振動針の表面に振動変位
    を発生させることを特徴とする超音波励振器。
  2. 【請求項2】 前記振動針が直線状、湾曲状、コイル状
    またはそれらの組合せで成る構造を有することを特徴と
    する請求項1に記載の超音波励振器。
  3. 【請求項3】 前記振動針が少なくとも2つに分岐して
    いることを特徴とする請求項2に記載の超音波励振器。
  4. 【請求項4】 前記振動針の分岐した部分が少なくとも
    2つに分岐していることを特徴とする請求項3に記載の
    超音波励振器。
  5. 【請求項5】 前記振動針の長さ方向に垂直な断面の形
    が角縁状または環状を成すことを特徴とする請求項2,
    3または4に記載の超音波励振器。
  6. 【請求項6】 前記圧電振動子は長さと幅の寸法比が1
    に近くしかも1に等しくない矩形状の板であって、 前記振動板は、前記圧電振動子の前記電極Pを有する端
    面または前記電極Qを有する端面上に一体的に連なって
    固着され、前記圧電振動子の外方に向けて前記圧電振動
    子の前記電極Pを有する前記端面または前記電極Qを有
    する前記端面にほぼ平行に突出していることを特徴とす
    る請求項1,2,3,4または5に記載の超音波励振
    器。
  7. 【請求項7】 前記圧電振動子は長さと幅と厚さのうち
    の長さと幅の寸法比、長さと厚さの寸法比または幅と厚
    さの寸法比が1に近くしかも1に等しくない矩形状の角
    柱であって、 前記振動板は、前記圧電振動子の前記電極Pを有する端
    面または前記電極Qを有する端面上に一体的に連なって
    固着され、前記圧電振動子の外方に向けて前記圧電振動
    子の前記電極Pを有する前記端面または前記電極Qを有
    する前記端面にほぼ平行に突出していることを特徴とす
    る請求項1,2,3,4または5に記載の超音波励振
    器。
  8. 【請求項8】 前記圧電振動子励振手段は、直流電源と
    前記端子TP1との間に接続された昇圧用のコイルと、出
    力電圧端子が前記端子TP1に接続され入力電圧端子が前
    記端子TP2に接続されることにより前記端子TP2に現わ
    れる圧電気を帰還電圧として受けるトランジスタとを備
    え、 前記圧電振動子励振手段は、前記トランジスタを増幅素
    子とし前記複合体を共振素子とする自励発振駆動回路を
    構成することを特徴とする請求項1,2,3,4,5,
    6または7に記載の超音波励振器。
JP6211976A 1994-08-13 1994-08-13 超音波励振器 Pending JPH0852426A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114112009A (zh) * 2021-10-25 2022-03-01 南京大学 用于非压电材料的声波激励装置、探测系统、场分布测法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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