JPH08510803A - 高い熱拡散性を有するシエルを備えたインパルスドライヤロール - Google Patents

高い熱拡散性を有するシエルを備えたインパルスドライヤロール

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JPH08510803A JP7511777A JP51177794A JPH08510803A JP H08510803 A JPH08510803 A JP H08510803A JP 7511777 A JP7511777 A JP 7511777A JP 51177794 A JP51177794 A JP 51177794A JP H08510803 A JPH08510803 A JP H08510803A
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Abstract

(57)【要約】 製紙機械において、ロール(22)は2つの部分で構成される。即ち、通常のスパンキャスト鋼合金で成る金属製ベースシエル(38)と、高熱拡散性材料で構成されたうすい外側シエル(40)とである。その外側シエル(40)は厚みが10分の数インチのものであって、鋼合金のベースシエル(38)の表面と密着接触する。この外側シエル(40)に用いる高い熱拡散性の典型的な材料は銅とアルミニウムである。このロール(22)は鋼合金ベースシエル(38)の表面に約2/10インチ厚みの銅層を火炎スプレーすることにより形成される。このロール(22)が使用されるところは、例えば、インパルス紙ドライヤやカレンダにおいて、紙ウエブへの熱移動を改善したい場合である。

Description

【発明の詳細な説明】 高い熱拡散性を有するシエルを備えたインパルスドライヤロール 技術分野 本発明は製紙機械及びカレンダに関する。特に、本発明は製紙機械に使用され 、紙ウエブへ熱を移動させるロールに関する。さらにまた、本発明は紙ウエブへ の熱移動が改善された、製紙機械やカレンダに使用される加熱ロールに関する。 背景技術 紙の製造は重要な産業である。従来、製紙機械で製造される紙ウエブの幅を広 げることによって、紙の生産性を上げる努力がなされてきた。紙の生産性を向上 させるもうひとつの傾向は、製紙機械を通るウエブの速度を上げることである。 ウエブの幅は、製紙機械と紙処理ロールをもっと幅広くすることによって増大さ せることができる。また、紙ウエブの製造速度を上げると、製紙機械のドライヤ 部分に問題が生じる。ウエブの速度が上ると各ドライヤシリンダから乾燥紙ウエ ブへの熱移動が減退する。かくして、ウエブ速度を上げながら、製紙機械のドラ イヤ部をもっと長くしなければならないことになった。 ドライヤ部をもっと長くするという問題の1つの解決法がインパルスドライヤ である。このインパルスドライヤは450°F以上に加熱された高温ロールを使用す る。加熱されたロールは、ロールとシューとの間に広幅ニップを形成するために 使用される。紙ウエブはロールの高温表面と接触することになる。紙はプレスフ ェルトにより支持され、このプレスフェルトは順次、シューの上の潤滑フィルム の上にのせられたブランケットの上に位置する。そのような広幅ニップを有する インパルスドライヤを使用することによって、製紙機械のドライヤ部の長さを非 常に短縮することができるのである。 このインパルスドライヤの更なる改良は、ロールと紙ウエブとの間の熱移動を 高めることを必要とする。ロール表面の温度を高めることは、ロール全体の温度 を高めることを必要とする。これはロールの強度に悪影響を及ぼす。ロールの温 度を上げると、油圧機構を使用している内部クラウン支持機構の使用を複雑にす る欠点がある。さらに、高温にすると、プレスフェルトの焼けが生じ易くなり、 ウエブ表面の繊維がほぐれ、ロールヘッドの応力も過度となり、ベアリングも過 熱し易くなる。そこで、ワーレン(Wahren)の米国特許No.4,324,631において、 インパルスドライヤロールは比較的高い熱伝導を有する材料で形成することによ り効果があると認識されている。ワーレンはまた、高い表面温度にするために表 面に低伝導性をもたせたロールを使用するのが望ましいことをも教示している。 ワーレンはさらに少くともロールの表面層に対して材料の選択基準を提案してお り、スチールやニッケルよりもアルミニウムを好ましくないとしている。ワーレ ンは彼のロールに適さないものとして銅を無視している。 リイヒネン(Riihinen)の米国特許No.4,631,794は個々に加熱されるカレンダ ーに使用するロールを記載している。このロールは外側の強磁層とロールの内部 コアとの間に非磁気性絶縁層を使用する。リイヒネンはカレンダのロールを誘導 加熱し、クラウンのコントロールのためロールの内部へアクセス可能としている が、熱移動を改善するために熱伝導を上げたものをどのように使用するかについ ては、開示していない。 バスカー(Busker)他の米国特許No.4,738,752は、第1共軸層とその第1層の まわりに伸びている第2共軸層とを有する加熱される広幅ニッププレスに使用さ れるプレスロールを示唆している。第2層は第1層の熱伝導係数より高い熱伝導 係数を有する。第1層は低熱伝導係数を有する材料であり、第2層は金属である 。その第1層はセラミックで第2層は金属であることもさらに示唆している。 バスカー他は、第2外層は0.005〜0.050インチの厚みを有することを示してい る。バスカー他は内側金属製ベースシエルの上の金属製外部シエルの適切な厚み をどのように計算するかを開示していない。バスカーは外側シエルの材料の選択 やその厚みの選択において熱拡散がいかに重要であるかを教示していない。 必要なことは、インパルスドライヤやカレンダにおいて、熱移動性の高いロー ルを使用することである。 発明の開示 本発明のロールは2つの部分で成る。1つは、金属製ベースシエルであって、 通常のスパンキャスト鋼合金(spun-cast steel alloy)で構成される。そのロ ールの第2部分はうすい外側シエル、即ち10分の数インチの厚みを有し、それ が鋼合金ベースシエルの表面と密着接触している。 外側シエルは高い熱拡散性材料で構成される。熱拡散は熱伝導に比例し、その 材料の比熱や密度に反比例する。高い熱拡散性材料の例としては、銅とアルミニ ウムがある。 本発明のロールを構成する1つのやり方は、ロールの表面に約10分の2イン チの銅層を火炎スプレーすることである。このロールはインパルスドライヤの広 幅の高温プレスニップに使用される。その広幅ニップはシューで形成される。そ のシューは、本発明のロールの表面よりわずかに大きな湾曲をもつ滑らかな弧状 面を有する。広幅ニップ用ブランケットがロールの表面速度に等しい速度でシュ ーの表面に引っぱられる。紙ウエブはロールの表面近くを移動し、プレスフェル トがブランケットとウエブとの間に位置づけられる。シューの効果は5フィート 直径のロール上で多分、10インチの周囲距離にわたって紙ウエブをロールに当 接状に保持することである。このロールは3,000フィート/分の表面速度を生じ させるように回転される。広幅ニップ用ブランケットを、プレスフェルトと紙ウ エブは全て、同一速度でロールを通過する。 このロールは丈夫な壁をもつ金属シリンダで構成される。このシリンダ壁は典 型的なものでは、数インチの厚みを有する。このロールは広幅ニップの上流で、 ロール表面を加熱する誘導ヒータにより加熱される。ロールとウエブとの間の熱 移動に関する分析が行われた時、ロールの最外側部分だけが温度変化にさらされ ることがわかっている。もし、ロール表面が誘導ヒータにより450°Fまで加熱さ れる場合、ロールの内部全体は450°Fの均等温度に達する。 ウエブと接触するロールの表面は200°F又は300°Fの温度降下を経験する。し かしながら、この温度の変化は、ロールの表面の1/10〜3/10インチの部分でしか 経験しない。かくして、ロールの有効な熱移動部分はうすい外側の環状体だけで ある。従来のロールでは、熱移動を向上させる唯一の方法がロールの温度を上げ たり、ニップの長さを延長したり、ウエブの速度を落すことであった。これら3 つのアプローチは全て、費用がかかり、それに伴って諸々の欠点も加わった。そ こで本発明は、ロールに正確に計算された深さをもつ銅層を備えることによりロ ールの熱拡散性を高めて、ロールとウエブとの間の熱移動を向上させようとする ものである。 そこで、本発明の目的は、乾燥される紙ウエブへの熱移動を向上させたインパ ルスドライヤロールを提供することである。 本発明のもうひとつの目的は、所与のロール表面温度に対して紙ウエブへの熱 移動を向上させた、カレンダーに使用するロールを提供することである。 本発明のもうひとつの目的は、より短い部分しか必要としないような、製紙機 械のドライヤ部に使用するロールを提供することである。 本発明のさらにもうひとつの目的は、ウエブ表面の繊維のほぐれを減少させる インパルスドライヤに使用するロールを提供することである。 本発明のさらにもうひとつの目的は、ロールヘッドの応力を減少させた、イン パルスドライヤに使用するローラを提供することである。 本発明の更なる目的や特徴、効果は、添付図面に関連して説明した以下の詳細 な説明から明らかとなるであろう。 図面の簡単な説明 図1は本発明の二層ロールを使用した、広い面積、即ち長いニップ、つまり広 幅ニップ型製紙機械の概略横断面図である。 図2は広幅ニップブランケットを使用し、図1のロールを利用した広い面積、 即ち長いニップ、つまり広幅ニップ型製紙機械の概略横断面図である。 図3は図1のロールの表面から種々の深さにおける温度と時間の関係を示すグ ラフである。 図4は本発明の二層ロールを使用したカレンダーの概略横断面図である。 発明を実施するための最良の形態 特に、図1〜4を通して、同一符号は同一部品を指す。これらの図面には、イ ンパルスドライヤ20が示されている。このインパルスドライヤ20は、シュー 24と共にニップ26を形成するプレスロール22を有する。このシュー24は 、ロール22に対面する凹面を備え、それがロール22へ向って押圧されるよう に取付られている。プレスニップ26は、ロール22とシュー24との間に形成 される。ニップ26を通過する紙ウエブ28は、長い時間、押圧力を受ける。プ レスフェルト32がウエブ28の下を移動し、フェルト32の下でシュー24の 上をループベルト30が通過する。 シュー24とベルト30との間にオイルが供給される。そのオイルはベルト3 0とシュー24との間に、流体力学的流体くさびを生じさせる。この流体くさび は、ニップ26を通るウエブ28の動きを潤滑しながら、同時に、ウエブへ圧力 を伝える。プレスフェルト32は紙ウエブ28の下で、しかもベルト30の上に あって、ニップ26を通過する。紙ウエブ28と、プレスフェルト32と、ベル ト30は、ロール22と共に一緒に位置するので、ともに同一速度で駆動される 。かくして、紙ウエブ28は方向が反れるような大きな力を受けない。なぜなら 、ウエブ28の面と、プレスフェルト32の面と、プレスロール22の面34に 相対的な動きが生じないからである。かくして、紙ウエブ28は、それが広幅ニ ップ26を通過する時、主に圧縮力を受ける。この圧縮力の効果は、ウエブをプ レスロール22の表面34と密着させることである。 加圧によりウエブ28とプレスロールの表面34との密着接触は、ロール22 の表面34とウエブ28との間に迅速な熱交換を容易にする。ロール22とウエ ブ28との間の迅速な熱移動はインパルスドライヤの特徴をもつ、まだ完全には 理解されていない乾燥機構を生じさせる。紙ウエブの迅速な加熱は、ウエブに含 まれる水分を一部、蒸発させる。ウエブの水分から生じた蒸気は、ロール22の 表面34と紙ウエブ28との間にたまる。その唯一の抜け道は紙ウエブ28から プレスフェルト32への道である。紙ウエブ28の上面からプレスフェルト32 へと下方への蒸気の迅速な動きは、ウエブ28に含まれる水分をフェルト32へ 吹きつける効果をもつ。このプロセス、即ち、インパルス乾燥は、紙ウエブ28 から水分を迅速に除去させる。 インパルスドライヤ20のプレスロール22は、ロール22の構造のために、 通常のインパルスドライヤにまさる改良効果を有する。ロール22は通常の鋼合 金で構成された金属のベースシエル38を有する。そのベースシエル38は、例 えば銅のように熱拡散性の高い材料で構成された外側シエル40によって外側を 覆われる。図示のロールは正確な大きさに描かれておらず、図示の目的で、ベー スシエルと外側シエルの相対的厚みは誇張して示されている。外側シエル40は ベースシエル38の外面42に密着接合されている。金属製ベースシエル38は 外側シエル40の構造上の支持体を構成する。外側銅層の熱拡散性が高いことは ロール22と紙ウエブ28との間の有効な熱移動を2倍にする。典型的なインパ ルスドライヤは、プレスロールが200°〜300°F以上の表面温度、好ましくは450 °〜550°Fの表面温度に達するようなプレスニップで構成される。典型的なイン パルスドライヤは、誘導加熱ロールへ向って不透過性ブランケットを押圧するシ ューを使用した広幅ニッププレスを使用することもできる。その高い表面温度は 湿ったウエブがニップを通過する時、それを迅速に加熱し、紙繊維を軟化させる 。これは脱水作用を著るしく強め、紙シートの強度特性を生じさせる。 熱拡散性の高い肉薄の外側シエル40を使用することにより熱移動作用を高め ると、インパルスドライヤは選定された効果を達成するように設計することが可 能となる。第1に、ロール22の表面温度が低下しても尚、同じ加熱レベルを与 える。この事は、シエル温度が高いために生じるいくつかの問題を克服する。つ まり、高温になると、プレスフェルトの焼け、ウエブ表面の繊維のほぐれ、ロー ルの過度の熱応力、軸受の過熱が生じる。第2に、より多くの湿気を除去するた めに、より多くの熱を紙へ供給することができる。第3に、インプット及び乾燥 効果を一定に保持しながら、ウエブ28の速度を上げることができる。熱拡散性 の高い外側シエルを備えたプレスロール22を使用した実際の適切な設計におい て、3つの全ての効果、即ち、プレスロールの温度を低くすること、操作速度が 速いこと、紙ウエブ28のより完全な乾燥が含まれる。 図1は、プレスロール22を使用したインパルスドライヤ20の横断面図であ って、それは紙ウエブ28の移動方向に沿ってとったものである。製紙技術に精 通している者によって認められるように、紙ウエブ28のクロスマシン方向の幅 は、普通、100〜400インチであり、ロール22のようなインパルスドライ ヤの構成要素はその特定機能により必要とされるように、一般に、幾分長い。 ループベルト30とその支持体44は通常のものであって、それについては、 米国特許No.4,673,461(Roerig外)にもっと詳しく記載されている。ベルト30 は連続ループであり、そのクロスマシン方向の幅はプレスロール22より広いの で、そのベルト(図示せず)の端部はそのベルトの端部をシールする円形閉鎖体 (図示せず)にシールされ、かくして、シールされたベルト30内にニップ潤滑 油を含む。固定梁33はベルト30内に含まれる。その梁は油圧ピストン室35 によ ってシュー24を調整自在に支持する。その油圧ピストン室35には、ピストン 37が位置づけられる。シューはローラピン39上にピボット状に支持される。 そのローラピン39は、シュー24の下向き溝と、ピストン37の上向き溝に着 座する。ピストンは油圧ピストン室35内のピストンの下にある流体圧によって 上方へ押し上げられる。油圧ピストン室は細長いスロットの形をしていて、ピス トンを摺動自在に受入れ、シュー24の下でこの機械の幅全体にわたって伸びて いる。ベルト30は、側部ガイド41,43、上部ガイド45,47、下部ガイ ド49によって案内される。これらのガイドは梁33に調整自在に取付けられ、 始動中、ベルト30を安定させる。それらのガイドはまた、通常の操作中に何ら かのがたつき、即ち不安定さが生じる場合、ベルト30を安定させる効果がある 。 一旦、ベルト30が操作速度に達すると、遠心力の作用により、シュー24と プレスロール22との間のニップ26を横切って移動する部分を除いて、ベルト 30は自然に円形を呈する。かくして、速度が上がると、遠心力の作用によりベ ルト30はガイド41,43,45,47,49からわずかばかり距離をおいて 保持される。 プレスフェルト32は、インフィードロール46とプレスアウトフィードロー ル48上に支持される。インフィードプレスフェルトロール46とアウトフィー ドロール48は典型的なものでは、2フィートの直径を有するが、このプレスロ ールの対応する直径は5フィートである。それらのロール46,48は、プレス フェルトをインパルスドライヤ20のニップ26を通して送られるべき位置へ送 る働きをする。プレスフェルト32はアウトフィードローラ48を離れて後、フ ェルトドライヤ(図示せず)によって処理される。そのフェルトドライヤはフェ ルトが再使用のため、インフィードローラ46上へ戻される前に、フェルト32 から水分と過剰の湿気を除去する。 図1のプレスロール22は、非回転型クラウン支持梁52を有する油圧クラウ ン制御機構50を使用している。クラウン支持梁は、オイル供給口54を有する 。このオイル供給口54は、金属製ベースシエル38の内面60へピストン58 を駆動するピストン空所56へオイルを供給する。中心梁、即ち軸50に沿って 間隔をおいて位置するピストン58は、プレスロール22とシュー24との間に 一 定圧を与える。図1において、誘導式ヒータ62が概略的に示されている。その ヒータ62は、高周波電流で励磁されるコイル64を有する。誘導ヒータ62は 従来のものである。それは高周波交流によって生じる振動磁場を使用しており、 それがロール22の表面40に渦電流を生じさせる。そこで生じた渦電流は表面 40に抵抗熱を生じさせ、それによって、表面は所望の温度まで加熱される。 熱移動の観点から、シエル40は“半無限プレート”(semi-infinite plate )の観を呈する。それは、ロールの所与のセグメントがニップ内に存在する時間 が非常に短いためである。シエル40の外部誘導加熱によりロール全体は内側6 0から外側34まで均等な温度で作動するが、但し、周期的に温度が変動する薄 い外層は別である。この外層の有効深さは次式で表わすことができる。 上式で、X=周期的な温度の変化が生じる層の深さであって、単位はフィート 。 S=プレスロールの表面速度、単位はフィート/時 L=ニップの長さ、単位はフィート a=外面の熱拡散性で単位はフィート2/時 この深さは、表面温度が段階的に変化するものと仮定して概算されている。実 際に、その変化は劇的ではないので、上記概算は実際より高く出ていると思われ る。 図3はロール表面の温度変化と時間の関係を表わすグラフであり、3点で連続 して一段と深くなっている。図3において、縦軸が温度であり、横軸が時間であ る。一番上の曲線66は、ロールの表面温度と時間の関係を表わす。プレスロー ル22は直径が約5フィートであるので、周囲は約16フィートである。図1の ニップ26は、長さ10インチであるので、その結果、ロールは、紙ウエブがロ ールのまわりを回転する時間の約5%だけ、紙ウエブ28に露される。前記上の 曲線66はのこぎり歯状波形68を有し、これはドラム22が一回転した時の表 面温度を表わす。 始動地点からとってみると、温度が急勾配で下落する。これはロール22の表 面34が紙ウエブ28と接触したことを表わす。この場合のウエブの全接触時間 は波長68の5%に相当し、表面の温度の低下は基本的には瞬間的である。ロー ル22の表面34は、ウエブがロールとの接触によって加熱されるので、ウエブ 28の温度を維持する。 表面上の或る地点がニップから出る時、熱はロールの内部から温度の低い面へ 向って流れるので、温度72が次第に上昇する。最後にロール面が誘導ヒータ6 2を通過する時、そのロール表面は74で示すように、温度が急上昇する。その 後その温度は、ロール面が70で示すように、再び紙ウエブ28と接触するまで 一定している。 第2のグラフ75は、ロール22の表面から深さ方向へ或る距離だけ移動した 任意の地点の温度輪郭を表わす。第2曲線75の波長76は表面温度曲線66の 波長と同じである。しかしながら、温度変化は、曲線75で表わす地点が表面か ら幾分、離れているので、第1曲線ほど急勾配ではない。 第3曲線78は、波長76,68と同じ波長80を有し、その波長はロール2 2の回転速度によって支配される。この曲線は曲線75よりロールからもっと深 く移動した地点を表わし、それはロール内のもっと深い所で、ロールと接触しそ して誘導ヒータ62によって加熱される表面34の周期的性質によって生じる温 度変化がいかに小さくなっているかを示す。 第4曲線82は温度と時間の関係が一定していることを示す。それは上記数式 が温度の変動を予告できないほどの深さを表わす。それはまた、ロール22と紙 ウエブ28との間の熱の流れをコントロールする上で、熱拡散がもはや重要でな くなる深さである。 合金鋳鉄シエルは、約0.6〜0.7平方フィート/時の熱拡散性を有し、これに対 してアルミニウムの熱拡散性は3.3であり、銅は約4.4である。 第1表を参照すれば、コラム1は種々の熱拡散性の値を有する。0.7はプレス ロールを構成する典型的な材料にほぼ対応する。3の熱拡散性はアルミニウムに 対応し、熱拡散性4は銅に対応する。 第1表において、2つの共通のニップ長さがインチ単位で示されており、10 は典型的なインパルスドライヤの広幅ニップに対応し、1インチは図4に示すよ うな典型的なカレンダーの利用に対応する。毎分当りのフィート単位での2つの ウエブ速度が記載されている。毎分3,000フィートが今日の製紙機械の典型的な 速度である。毎分当り6,000フィートは、現在、この業界で議論されている適切 な範囲の紙速度である。 第1表は、外面シエル40の適切な半径方向の最大厚みが、図示のように、熱 拡散性、ニップ長さ及びウエブ速度の組合わせと共に、約2/10インチ厚みしか必 要としないことを示している。図3に関連してみると、第1表はまた、プレスロ ール22の二層構造を示している。 体積比熱、即ち、単位体積当りの熱エネルギーの量は、低密度金属が高比熱を 有し、高密度金属が低比熱を有する限りにおいて、広範囲の金属が大まかに言っ て一定している。かくして、周期的加熱が行われる物質の体積は、ロール22が 紙ウエブと周期的に接触する間、ロール22によって紙ウエブへ供給される総熱 量のすぐれた指標となる。 図3は、曲線75,78,82に対応する地点の深さが第1表に示すような有 効深さが2倍の時には、2倍となるものと理解して参照することができる。かく して、有効深さが1000分の86インチの合金鋼ロールから、有効深さが1000分の20 7インチの銅への動きは、材料の体積の2倍以上が周期的温度変化をしているこ とを意味する。かくして、所与の周期中の熱の流れはほぼ2位高くなる。 第1表からわかることは、ニップの長さが短縮ずると、有効深さも減少するの で、図4に示すようなカレンダーにおいて、ニップ76が0.5〜1.5インチの長さ で非常にうすいところでは、熱移動を劇的に向上させるには、熱伝導性の高い外 側シエル78が有効である。 プレスロール22は、チルドモールドに対して鉄合金を遠心鋳造することによ り従来の方法で製造される。コールドメタルシエルに対する遠心鋳造では、典型 的なものでは、ロールの表面が高度に硬く、内部に延性をもつものが生じる。銅 やアルミニウムのような熱拡散性の高い材料の外側シエルは、好ましくは表面に 溶融金属をスプレーすることによって外面42へスプレーが行われる。典型的な 金属スプレー法は、スプレー金属が接着する表面を生じさせるためにロールの表 面にサンドブラストを行い、電弧やプラズマにより所望金属のワイヤを加熱し、 そこで生じた金属を金属製ベースシエル38の表面42にスプレーする工程を含 む。典型的には、金属スプレー操作は、ベースシエル38の回転時に行われ必要 な厚みとなるまで、スプレー金属の連続層が形成される。この後、ロールは表面 仕上げされ、インパルスドライヤのプレスロールやカレンダーのカレンダーロー ルに必要とされる表面の滑かさを生じさせる。 外側シエルを形成する1つの方法は、はじめにチルド遠心モールドへ溶融金属 をスプレーし、それから、外側シエル40へ鋼ベースシエル42を鋳造すること によってうすい外層を遠心鋳造する工程を含む。この方法は、外側シエル40と ベースシエル34との間に分子結合を生じさせるために、外側シエル40に酸化 コーティングが形成されないようにする必要がある。 その他の方法は、ベースシエル38の表面42に溶液から化学的又は電気的塗 着を行う方法である。化学的塗着では、塗着された金属に小孔が生じないように することが重要である。特に、カレンダーに使用する非常にうすい層を形成する もうひとつの方法は、蒸着である。 図2はプレスロール122を有するもうひとつのインパルスドライヤ120を 示しており、それはシュー124とロール122の表面134との間に広幅ニッ プ126を形成する。インパルスドライヤ120は不透性広幅ニップブランケッ ト130を使用する。シュー124はロールに対面した凹面を備え、それはロー ル122へ向って押し上げられるように取付けられる。ニップ126は、そのニ ップを通る紙ウエブ128に、長時間押圧力を生じさせる。ニップブランケット 130はシュー124とロール122との間でニップを通過する。 シューとブランケット130との間に、オイルが供給される。このオイルはブ ランケット130とシュー124との間に流体力学的流体くさびを生じさせる。 この流体くさびは、ウエブへ圧力を伝達し、同時に、ニップ126を通るブラン ケットの動きを潤滑する。プレスフェルト132はニップ126を通って移動し 紙ウエブ128の下で、ブランケット130の上に位置する。紙ウエブ128と プレスフェルト132と、ブランケット130は、ロールと共に、摩擦力による 相互の結合によって、同一速度で駆動される。かくして、紙ウエブ128は大き なずれる作用を受けることがない。なぜなら、ウエブ128の面にもプレスフェ ルト132の面にも、プレスロール122の表面134にも相対的な動きがない からである。かくして、紙ウエブ128は、それが広幅ニップ126を通る時、 主に圧縮力を受ける。この圧縮力の効果は、ウエブをプレスロール22の表面1 34と密着接触させることである。 ドライヤ20と同様に、インパルスドライヤ120のプレスロール122は、 従来のインパルスドライヤにまさる改良効果を有する。ロール122は通常の鋼 合金で構成された金属製ベースシエル138を有する。このベースシエル138 は熱拡散性の高い材料で構成された外側シエルで外側を覆われている。この外側 シエル140はベースシエル138の外面142に密着接合されている。金属製 ベースシエル138は外側シエル140の構造的支持体を構成する。 ブランケット130とその支持体44は通常のものである。ブランケット13 0は連続ループである。それはプレスロール122よりクロスマシン方向の幅が 大きいので、ベルト(図示せず)の辺縁は紙ウエブ128の辺縁をこえて伸びて いる。固定梁133はベルト130とシュー124の下に位置する。その固定梁 133は、内部にピストン137を有する油圧ピストン室135によってシュー 124を調整自在に支持する。ピストン137は油圧ピストン室135内のピス トン137の下にある流体圧によって上方へ押し上げられる。油圧ピストン室は 細長いスロットの形をしていて、シュー124の下を機械の全幅にわたって伸び ているピストンを摺動自在に受入れている。ベルト130は上部ガイドロール1 41,143と、下部ガイドロール145,147とストレッチャーロール14 9とによって案内される。そのストレッチャーロール149はブランケット13 0の引っぱりを変化させるために調整自在に取付られる。 プレスフェルト132はインフィードロール146とプレスアウトフィードロ ール148上に支持される。インフィードプレスフェルトロール146とアウト フィードロール148は典型的には、直径2フィートであるが、ここではプレス ロールのそれに対応する直径は5フィートである。ロール146,148はプレ スフェルトをインパルスドライヤ120のニップ126を通って送られる位置へ 移動させる。プレスフェルト132はアウトフィードローラ148を離れた後、 フェルトドライヤ(図示せず)によって処理される。このフェルトドライヤは、 それがインフィードローラ146へ再使用のために戻される前に、フェルト13 2から水分や湿気を除去される。 図2のプレスロール122は、油圧クラウンコントロール機構を使用するよう には示されていない。むしろ、ロール122は、中心部が大きくて、軸方向へテ ーパーをなす直径をもつように形成されている。クラウンロール122を使用す る欠点は、圧力がロール122とシュー124との間の1つのレベルの圧力に対 してしか生じないということである。かくして、或る範囲の乾燥圧を望む場合、 アクティブクラウンを使用するのが望ましい。図2では、誘導ヒータ162が概 略的に示されている。それは、高周波電流で励磁されるコイルを有する。その誘 導ヒータ162は通常の性質を有する。それはロール122の表面141に渦電 流を生じさせる高周波電流によって生じる振動磁場を有する。誘導電流は表面1 34に所望の温度まで抵抗加熱を生じさせる。 図4は、カレンダ84に熱拡散性の高い外側シエル87を有するロール86を 使用した場合を示す。カレンダは紙ウエブ82の表面仕上げを滑かにし、改善す るために使用される。 図4はマシンスタックカレンダ、即ち“オンマシン”カレンダ84の概略図で ある。そのカレンダは、カレンダロール86,88,90,92により構成され るカレンダスタック、即ちカレンダの積み重ねで成る。これらのカレンダは典型 的には、ハードローラ間にハードニップを有し、又はハードローラ86,90と 弾性繊維で構成されるソフトローラ88,92とを交互に配置したソフトニップ を有するようにすることもできる。この構造は通常のものである。ソフトニップ カレンダは典型的なものでは、長さが1/2〜11/2インチのニップを有する。カレ ンダロール86は、赤外線加熱、又は誘導加熱によって加熱される。金属製ベー スシエル96と高熱拡散性外側シエル87とを有するカレンダロールを使用する と、ロール86と紙ウエブ98との間の熱移動が改善される。これがカレンダ8 4の有効性を向上させる。 第1表に示すように、ニップの長さが短いために、約60/1000インチの肉薄の 高熱拡散性シエルを必要とする。かくして、外側シエルの比較的うすい半径方向 の厚みがロールの形成を容易にする。これは化学的フィルム塗着にとって一層都 合が良いことである。この比較的うすいフィルムはまた、例えばダイアモンドの ような非金属の高熱伝導性コーティングを使用できるので、ロールを蒸着による ダイアモンドで被覆することが可能となる。 ウエブの速度が上昇すると、高熱拡散性外側シエルの厚みはよりうすいものが 必要となることは理解されるべきである。 第1表に示すように、有効深さに対する前記数式は、ロール材料に熱移動の最 大有効深さを与えるものであり、その最大有効深さより浅い深さを使っても尚、 ロール22の熱移動能力を上げることができる。 ここに示したニップの長さ、ロール直径、ロール温度は実施例における例示に すぎないものであって、その他の温度範囲、ロールサイズ及びニップの長さを用 いて、本発明のロールを有効に使用できることは理解されるべきである。 クラウン支持機構が図示かつ説明されているが、このロールは機械仕上げした クラウン面を有するようにし、その上に高熱拡散性のうすい外側シエルを塗着又 は形成することもできる。 また銅やアルミニウムのような材料は3以上の熱拡散性を有するが、1の範囲 の熱拡散性も或る状況では実用的であることを理解されるべきである。 本発明はここに図示された部品のこの構造や配置に制限されることがなく、そ のような変形は請求の範囲に含まれるものであることを理解されるべきである。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年9月29日 【補正内容】 明細書 高い熱拡散性を有するシエルを備えたインパルスドライヤロール 技術分野 本発明は製紙機械及びカレンダに関する。特に、本発明は製紙機械に使用され 、紙ウエブへ熱を移動させるロールに関する。さらにまた、本発明は紙ウエブへ の熱移動が改善された、製紙機械やカレンダに使用される加熱ロールに関する。 背景技術 紙の製造は重要な産業である。従来、製紙機械で製造される紙ウエブの幅を広 げることによって、紙の生産性を上げる努力がなされてきた。紙の生産性を向上 させるもうひとつの傾向は、製紙機械を通るウエブの速度を上げることである。 ウエブの幅は、製紙機械と紙処理ロールをもっと幅広くすることによって増大さ せることができる。また、紙ウエブの製造速度を上げると、製紙機械のドライヤ 部分に問題が生じる。ウエブの速度が上ると各ドライヤシリンダから乾燥紙ウエ ブへの熱移動が減退する。かくして、ウエブ速度を上げながら、製紙機械のドラ イヤ部をもっと長くしなければならないことになった。 ドライヤ部をもっと長くするという問題の1つの解決法がインパルスドライヤ である。このインパルスドライヤは232℃(450°F)以上に加熱された高温ロー ルを使用する。加熱されたロールは、ロールとシューとの問に広幅ニップを形成 するために使用される。紙ウエブはロールの高温表面と接触することになる。紙 はプレスフェルトにより支持され、このプレスフェルトは順次、シューの上の潤 滑フィルムの上にのせられたブランケットの上に位置する。そのような広幅ニッ プを有するインパルスドライヤを使用することによって、製紙機械のドライヤ部 の長さを非常に短縮することができるのである。 このインパルスドライヤの更なる改良は、ロールと紙ウエブとの間の熱移動を 高めることを必要とする。ロール表面の温度を高めることは、ロール全体の温度 を高めることを必要とする。これはロールの強度に悪影響を及ぼす。ロールの温 度を上けると、油圧機構を使用している内部クラウン支持機構の使用を複雑にす る欠点がある。さらに、高温にすると、プレスフェルトの焼けが生じ易くなり、 ウエブ表面の繊維がほぐれ、ロールヘッドの応力も過度となり、ベアリングも過 熱し易くなる。そこで、ワーレン(Wahren)の米国特許No.4,324,613において、 インパルスドライヤロールは比較的高い熱伝導を有する材料で形成することによ り効果があると認識されている。ワーレンはまた、高い表面温度にするために表 面に低伝導性をもたせたロールを使用するのが望ましいことをも教示している。 ワーレンはさらに少くともロールの表面層に対して材料の選択基準を提案してお り、スチールやニッケルよりもアルミニウムを好ましくないとしている。ワーレ ンは彼のロールに適さないものとして銅を無視している。 リイヒネン(Riihinen)の米国特許No.4,631,794は個々に加熱されるカレンダ ーに使用するロールを記載している。このロールは外側の強磁層とロールの内部 コアとの間に非磁気性絶縁層を使用する。リイヒネンはカレンダのロールを誘導 加熱し、クラウンのコントロールのためロールの内部へアクセス可能としている が、熱移動を改善するために熱伝導を上げたものをどのように使用するかについ ては、開示していない。 バスカー(Busker)他の米国特許No.4,738,752は、第1共軸層とその第1層の まわりに伸びている第2共軸層とを有する加熱される広幅ニッププレスに使用さ れるプレスロールを示唆している。第2層は第1層の熱伝導係数より高い熱伝導 係数を有する。第1層は低熱伝導係数を有する材料であり、第2層は金属である 。その第1層はセラミックで第2層は金属であることもさらに示唆している。 バスカー他は、第2外層は0.0127〜0.127cm(0.005〜0.050インチ)の厚みを 有することを示している。バスカー他は内側金属製ベースシエルの上の金属製外 部シエルの適切な厚みをどのように計算するかを開示していない。バスカーは外 側シエルの材料の選択やその厚みの選択において熱拡散がいかに重要であるかを 教示していない。 必要なことは、インパルスドライヤやカレンダにおいて、熱移動性の高いロー ルを使用することである。 発明の開示 本発明のロールは2つの部分で成る。1つは、金属製ベースシエルであって、 通常のスパンキャスト鋼合金(spun-cast steel alloy)で構成される。そのロ ールの第2部分はうすい外側シエル、即ち10分の数インチの厚みを有し、それ が 鋼合金ベースシエルの表面と密着接触している。 外側シエルは高い熱拡散性材料で構成される。熱拡散は熱伝導に比例し、その 材料の比熱や密度に反比例する。高い熱拡散性材料の例としては、銅とアルミニ ウムがある。 本発明のロールを構成する1つのやり方は、ロールの表面に約10分の2イン チの銅層を火炎スブレーすることである。このロールはインパルスドライヤの広 幅の高温プレスニップに使用される。その広幅ニップはシューで形成される。そ のシューは、本発明のロールの表面よりわずかに大きな湾曲をもつ滑らかな弧状 面を有する。広幅ニップ用ブランケットがロールの表面速度に等しい速度でシュ ーの表面に引っぱられる。紙ウエブはロールの表面近くを移動し、プレスフェル トがブランケットとウエブとの間に位置づけられる。シューの効果は5フィート 直径のロール上で多分、10インチの周囲距離にわたって紙ウエブをロールに当 接状に保持することである。このロールは914メートル/分(3,000フィート/分 )の表面速度を生じさせるように回転される。広幅ニップ用ブランケットを、プ レスフェルトと紙ウエブは全て、同一速度でロールを通過する。 このロールは丈夫な壁をもつ金属シリンダで構成される。このシリンダ壁は典 型的なものでは、数インチの厚みを有する。このロールは広幅ニッブの上流で、 ロール表面を加熱する誘導ヒータにより加熱される。ロールとウエブとの間の熱 移動に関する分析が行われた時、ロールの最外側部分だけが温度変化にさらされ ることがわかっている。もし、ロール表面が誘導ヒータにより232℃(450°F) まで加熱される場合、ロールの内部全体は232℃(450°F)の均等温度に達する 。 ウエブと接触するロールの表面は93℃又は149℃(200°F又は300°F)の温度 降下を経験する。しかしながら、この温度の変化は、ロールの表面の1/10〜3/10 インチの部分でしか経験しない。かくして、ロールの有効な熱移動部分はうすい 外側の環状体だけである。従来のロールでは、熱移動を向上させる唯一の方法が ロールの温度を上げたり、ニップの長さを延長したり、ウエブの速度を落すこと であった。これら3つのアプローチは全て、費用がかかり、それに伴って諸々の 欠点も加わった。そこで本発明は、ロールに正確に計算された深さをもつ銅層を 備えることによりロールの熱拡散性を高めて、ロールとウエブとの間の熱移動を 向 上させようとするものである。 ロール22と紙ウエブ28との間の有効な熱移動を2倍にする。典型的なインパ ルスドライヤは、プレスロールが93℃〜149℃(200°〜300°F)以上の表面温度 、好ましくは232℃〜288℃(450°〜550°F)の表面温度に達するようなプレス ニップで構成される。典型的なインパルスドライヤは、誘導加熱ロールへ向って 不透過性ブランケットを押圧するシューを使用した広幅ニッププレスを使用する こともできる。その高い表面温度は湿ったウエブがニップを通過する時、それを 迅速に加熱し、紙繊維を軟化させる。これは脱水作用を著るしく強め、紙シート の強度特性を生じさせる。 熱拡散性の高い肉薄の外側シエル40を使用することにより熱移動作用を高め ると、インパルスドライヤは選定された効果を達成するように設計することが可 能となる。第1に、ロール22の表面温度が低下しても尚、同じ加熱レベルを与 える。この事は、シエル温度が高いために生じるいくつかの問題を克服する。つ まり、高温になると、プレスフェルトの焼け、ウエブ表面の繊維のほぐれ、ロー ルの過度の熱応力、軸受の過熱が生じる。第2に、より多くの湿気を除去するた めに、より多くの熱を紙へ供給することができる。第3に、インプット及び乾燥 効果を一定に保持しながら、ウエブ28の速度を上げることができる。熱拡散性 の高い外側シエルを備えたプレスロール22を使用した実際の適切な設計におい て、3つの全ての効果、即ち、プレスロールの温度を低くすること、操作速度が 速いこと、紙ウエブ28のより完全な乾燥が含まれる。 図1は、プレスロール22を使用したインパルスドライヤ20の横断面図であ って、それは紙ウエブ28の移動方向に沿ってとったものである。製紙技術に精 通している者によって認められるように、紙ウエブ28のクロスマシン方向の幅 は、普通、100〜400インチであり、ロール22のようなインパルスドライ ヤの構成要素はその特定機能により必要とされるように、一般に、幾分長い。 ループベルト30とその支持体44は通常のものであって、それについては、 米国特許No.4,673,461(Roerig外)にもっと詳しく記載されている。ベルト30 は連続ループであり、そのクロスマシン方向の幅はプレスロール22より広いの で、そのベルト(図示せず)の端部はそのベルトの端部をシールする円形閉鎮体 (図示せず)にシールされ、かくして、シールされたベルト30内にニップ潤滑 油を 含む。固定梁33はベルト30内に含まれる。その梁は油圧ピストン室35によ ってシュー24を調整自在に支持する。その油圧ピストン室35には、ピストン 37が位置づけられる。シューはローラピン39上にピボット状に支持される。 そのローラピン39は、シュー24の下向き溝と、ピストン37の上向き溝に着 座する。ピストンは油圧ピストン室35内のピストンの下にある流体圧によって 上方へ押し上げられる。油圧ピストン室は細長いスロットの形をしていて、ピス トンを摺動自在に受入れ、シュー24の下でこの機械の幅全体にわたって伸びて いる。ベルト30は、側部ガイド41,43、上部ガイド45,47、下部ガイ ド49によって案内される。これらのガイドは梁33に調整自在に取付けられ、 始動中、ベルト30を安定させる。それらのガイドはまた、通常の操作中に何ら かのがたつき、即ち不安定さが生じる場合、ベルト30を安定させる効果がある 。 一旦、べルト30が操作速度に達すると、遠心力の作用により、シュー24と ブレスロール22との間のニップ26を横切って移動する部分を除いて、ベルト 30は自然に円形を呈する。かくして、速度が上がると、遠心力の作用によりベ ルト30はガイド41,43,45,47,49からわずかばかり距離をおいて 保持される。 プレスフェルト32は、インフィードロール46とプレスアウトフィードロー ル48上に支持される。インフィードプレスフェルトロール46とアウトフィー ドロール48は典型的なものでは、0.61メートル(2フィート)の直径を有する が、このプレスロールの対応する直径は1.52メートル(5フィート)である。そ れらのロール46,48は、プレスフェルトをインパルスドライヤ20のニップ 26を通して送られるべき位置へ送る働きをする。プレスフェルト32はアウト フィードローラ48を離れて後、フェルトドライヤ(図示せず)によって処理さ れる。そのフェルトドライヤはフェルトが再使用のため、インフィードローラ4 6上へ戻される前に、フェルト32から水分と過剰の湿気を除去する。 図1のプレスロール22は、非回転型クラウン支持梁52を有する油圧クラウ ン制御機構50を使用している。クラウン支持梁は、オイル供給口54を有する 。このオイル供給口54は、金属製ベースシエル38の内面60へピストン58 を駆動するピストン空所56へオイルを供給する。中心梁、即ち軸50に沿って 間 隔をおいて位置するピストン58は、プレスロール22とシュー24との間に一 定圧を与える。図1において、誘導式ヒータ62が概略的に示されている。その ヒータ62は、高周波電流で励磁されるコイル64を有する。誘導ヒータ62は 従来のものである。それは高周波交流によって生じる振動磁場を使用しており、 それがロール22の表面40に渦電流を生じさせる。そこで生じた渦電流は表面 40に抵抗熱を生じさせ、それによって、表面は所望の温度まで加熱される。 熱移動の観点から、シエル40は“半無限プレート”(semi-infinite plate )の観を呈する。それは、ロールの所与のセグメントがニップ内に存在する時間 が非常に短いためである。シエル40の外部誘導加熱によりロール全体は内側6 0から外側34まで均等な温度で作動するが、但し、周期的に温度が変動する薄 い外層は別である。この外層の有効深さは次式で表わすことができる。 上式で、X=周期的な温度の変化が生じる層の深さであって、単位はフィート 。 S=プレスロールの表面速度、単位はメートル/時(フィート/時) L=ニップの長さ、単位はフィート a=外面の熱拡散性で単位は平方メートル/時(平方フィート/時) この深さは、表面温度が段階的に変化するものと仮定して概算されている。実 際に、その変化は劇的ではないので、上記概算は実際より高く出ていると思われ る。 図3はロール表面の温度変化と時間の関係を表わすグラフであり、3点で連続 して一段と深くなっている。図3において、縦軸が温度であり、横軸が時間であ る。一番上の曲線66は、ロールの表面温度と時間の関係を表わす。プレスロー ル22は直径が約5フィートであるので、周囲は約16フィートである。図1の ニップ26は、長さ10インチであるので、その結果、ロールは、紙ウエブがロ ールのまわりを回転する時間の約5%だけ、紙ウエブ28に露される。前記上の 曲線66はのこぎり歯状波形68を有し、これはドラム22が一回転した時の表 面温度を表わす。 始動地点からとってみると、温度が急勾配で下落する。これはロール22の表 面34が紙ウエブ28と接触したことを表わす。この場合のウエブの全接触時問 は波長68の5%に相当し、表面の温度の低下は基本的には瞬間的である。ロー ル22の表面34は、ウエブがロールとの接触によって加熱されるので、ウエブ 28の温度を維持する。 表面上の或る地点がニップから出る時、熱はロールの内部から温度の低い面へ 向って流れるので、温度72が次第に上昇する。最後にロール面が誘導ヒータ6 2を通過する時、そのロール表面は74で示すように、温度が急上昇する。その 後その温度は、ロール面が70で示すように、再び紙ウエブ28と接触するまで 一定している。 熱拡散(a)は次式で定義される。即ち、 上式で a=熱拡散性 k=熱伝導度 c=比熱 p=密度 第2のグラフ75は、ロール22の表面から深さ方向へ或る距離だけ移動した 任意の地点の温度輪郭を表わす。第2曲線75の波長76は表面温度曲線66の 波長と同じである。しかしながら、温度変化は、曲線75で表わす地点が表面か ら幾分、離れているので、第1曲線ほど急勾配ではない。 第3曲線78は、波長76,68と同じ波長80を有し、その波長はロール2 2の回転速度によって支配される。この曲線は曲線75よりロールからもっと深 く移動した地点を表わし、それはロール内のもっと深い所で、ロールと接触しそ して誘導ヒータ62によって加熱される表面34の周期的性質によって生じる温 度変化がいかに小さくなっているかを示す。 第4曲線82は温度と時間の関係が一定していることを示す。それは上記数式 が温度の変動を予告できないほどの深さを表わす。それはまた、ロール22と紙 ウエブ28との間の熱の流れをコントロールする上で、熱拡散がもはや重要でな くなる深さである。 合金鋳鉄シエルは、約0.066平方メートル/時(0.6〜0.7平方フィート/時)の 熱拡散性を有し、これに対してアルミニウムの熱拡散性は3.3であり、銅は約4.4 である。 第1表を参照すれば、コラム1は種々の熱拡散性の値を有する。0.7はプレス ロールを構成する典型的な材料にほぼ対応する。3の熱拡散性はアルミニウムに 対応し、熱拡散性4は銅に対応する。 第1表において、2つの共通のニップ長さがインチ単位で示されており、10 は典型的なインパルスドライヤの広幅ニップに対応し、1インチは図4に示すよ うな典型的なカレンダーの利用に対応する。毎分当りのフィート単位での2つの ウエブ速度が記載されている。毎分914メートル(毎分3,000フィート)が今日の 製紙機械の典型的な速度である。毎分当り6,000フィートは、現在、この業界 で議論されている適切な範囲の紙速度である。 第1表は、外面シエル40の適切な半径方向の最大厚みが、図示のように、熱 拡散性、ニップ長さ及びウエブ速度の組合わせと共に、約2/10インチ厚みしか必 要としないことを示している。図3に関連してみると、第1表はまた、プレスロ ール22の二層構造を示している。 体積比熱、即ち、単位体積当りの熱エネルギーの量は、低密度金属が高比熱を 有し、高密度金属が低比熱を有する限りにおいて、広範囲の金属が大まかに言っ て一定している。かくして、周期的加熱が行われる物質の体積は、ロール22が 紙ウエブと周期的に接触する間、ロール22によって紙ウエブへ供給される総熱 量のすぐれた指標となる。 図3は、曲線75,78,82に対応する地点の深さが第1表に示すような有 効深さが2倍の時には、2倍となるものと理解して参照することができる。かく して、有効深さが0.218cm(1000分の86インチ)の合金鋼ロールから、有効深さ が0.525cm(1000分の207インチ)の銅への動きは、材料の体積の2倍以上が周期 的温度変化をしていることを意味する。かくして、所与の周期中の熱の流れはほ ぼ2位高くなる。 第1表からわかることは、ニップの長さが短縮すると、有効深さも減少するの で、図4に示すようなカレンダーにおいて、ニップ76が0.5〜1.5インチの長さ で非常にうすいところでは、熱移動を劇的に向上させるには、熱伝導性の高い外 側シエル78が有効である。 プレスロール22は、チルドモールドに対して鉄合金を遠心鋳造することによ り従来の方法で製造される。コールドメタルシエルに対する遠心鋳造では、典型 的なものでは、ロールの表面が高度に硬く、内部に延性をもつものが生じる。銅 やアルミニウムのような熱拡散性の高い材料の外側シエルは、好ましくは表面に 溶融金属をスプレーすることによって外面42へスプレーが行われる。典型的な 金属スプレー法は、スプレー金属が接着する表面を生じさせるためにロールの表 面にサンドブラストを行い、電弧やプラズマにより所望金属のワイヤを加熱し、 そこで生じた金属を金属製ベースシエル38の表面42にスプレーする工程を含 む。典型的には、金属スプレー操作は、ベースシエル38の回転時に行われ必要 な厚みとなるまで、スプレー金属の連続層が形成される。この後、ロールは表面 仕上げされ、インパルスドライヤのプレスロールやカレンダーのカレンダーロー ルに必要とされる表面の滑かさを生じさせる。 外側シエルを形成する1つの方法は、はじめにチルド遠心モールドへ溶融金属 をスプレーし、それから、外側シエル40へ鋼ベースシエル42を鋳造すること によってうすい外層を遠心鋳造する工程を含む。この方法は、外側シエル40と 略的に示されている。それは、高周波電流で励磁されるコイルを有する。その誘 導ヒータ162は通常の性質を有する。それはロール122の表面141に渦電 流を生じさせる高周波電流によって生じる振動磁場を有する。誘導電流は表面1 34に所望の温度まで抵抗加熱を生じさせる。 図4は、カレンダ84に熱拡散性の高い外側シエル87を有するロール86を 使用した場合を示す。カレンダは紙ウエブ82の表面仕上げを滑かにし、改善す るために使用される。 図4はマシンスタックカレンダ、即ち“オンマシン”カレンダ84の概略図で ある。そのカレンダは、カレンダロール86,88,90,92により構成され るカレンダスタック、即ちカレンダの積み重ねで成る。これらのカレンダは典型 的には、ハードローラ間にハードニップを有し、又はハードローラ86,90と 弾性繊維で構成されるソフトローラ88,92とを交互に配置したソフトニップ を有するようにすることもできる。この構造は通常のものである。ソフトニップ カレンダは典型的なものでは、長さが1.27cm〜3.81cm(1/2〜11/2インチ)のニ ップを有する。カレンダロール86は、赤外線加熱、又は誘導加熱によって加熱 される。金属製ベースシエル96と高熱拡散性外側シエル87とを有するカレン ダロールを使用すると、ロール86と紙ウエブ98との間の熱移動が改善される 。これがカレンダ84の有効性を向上させる。 第1表に示すように、ニップの長さが短いために、約0.152cm(60/1000インチ )の肉薄の高熱拡散性シエルを必要とする。かくして、外側シエルの比較的うす い半径方向の厚みがロールの形成を容易にする。これは化学的フィルム塗着にと って一層都合が良いことである。この比較的うすいフィルムはまた、例えばダイ アモンドのような非金属の高熱伝導性コーティングを使用できるので、ロールを 蒸着によるダイアモンドで被覆することが可能となる。 ウエブの速度が上昇すると、高熱拡散性外側シエルの厚みはよりうすいものが 必要となることは理解されるべきである。 第1表に示すように、有効深さに対する前記数式は、ロール材料に熱移動の最 大有効深さを与えるものであり、その最大有効深さより浅い深さを使っても尚、 ロール22の熱移動能力を上げることができる。 請求の範囲 1.高強度と低熱拡散性を有するものとして選択される第1金属で構成された 金属ベースシエル(38)であって、そのベースシエル(38)は或る長さと或る半 径と円筒形表面を有するシリンダを構成し、そのベースシエルは半径方向に沿っ て第1厚みを有している金属ベースシエル(38)と; 同ベースシエル(38)の上に位置し、それによって支持された第2金属の外側 シエル(40)であって、その外側シエル(40)は前記ベースシエル(38)の前記 円筒形表面と密着接触するように支持されており、前記第2金属は、第1金属よ り高い熱拡散性を有するものが選択されており、前記外側シエル(40)はベース シエル(38)の半径方向の厚みよりうすい半径方向の厚みを有していて、同ベー スシエル(38)は機械的負荷の支持体を構成し、前記外側シエル(40)はそこを 通る熱移動を改善されている外側シエル(40)と; 前記外側シエル(40)を加熱するため前記外側シエル(40)のすぐ近くに配置 された誘導ヒータと;を有し、 前記外側シエル(40)は0.254cm(0.1インチ)以下の半径方向の厚みを有し、 前記第2金属はアルミニウム及び銅から成るグループから選択され、その第2金 属は前記ベースシエル(38)へスプレーされており、同ベースシエル(38)は機 械的負荷の支持体を構成し、前記外側シエル(40)はこれと係合してプレスされ る紙ウエブへの熱移動が改善されていることを特徴とする、製紙機械において紙 を乾燥させる加熱ロール(22)。 2.前記外側シエル(40)が前記ベースシエルに前記第2金属を金属スブレー することで形成された、請求の範囲1に記載のロール。 3.Sメートル/時(Sフィート/時)の表面速度で第1方向へ製紙機械を通 して紙ウエブを通過させる工程と; 共働エレメントとロール表面との間に形成され、第1方向へ測って長さLフィ ートを有するニップを通して紙ウエブを通過させる工程と; 紙ウエブが前記ロールと前記共働エレメントとの間のニッブを移動する時、そ の紙を加熱するようにロール表面を加熱する工程とを有し、前記ロールは高強度 の内側ベースと、平方フィート/時単位で測った時、1以上の熱拡散率を有する 外側シエルとを有し、その高拡散率層の半径方向の厚みはXフィートであり、そ のXが次式で決定されることを特徴とする製紙方法。 4.高強度をもつものとして選択され、しかも低熱拡散性を有する第1材料で 構成され、内径と外径を有し、円筒面を有するシリンダを構成するベースシエル (38)と; 前記ベースシエルの上にあって、それに支持された第2材料で成る外側シエル (40)とで構成され;その第2材料は第1材料より高い熱拡散性を有するものが 選ばれており、前記外側シエルは内径と外径を有し、前記外側シエルの内径と外 径間の差は前記ベースシエルの内径と外径の間の差より小さく作られていて、前 記ベースシエルは機械的負荷の支持体を構成しており、前記外側シエルはこれと 係合してプレスされる紙ウエブへの熱移動が改善されていることを特徴とする、 製紙機械において紙を処理する加熱ロール。 5.前記外側シエルの外径と内径間の差が0.762cm(0.3インチ)以下である、 請求の範囲4に記載のロール。 6.前記第1材料が鋼合金であり、前記第2材料がアルミニウム及び銅から成 るグループから選択されている、請求の範囲4に記載のロール。 7.前記外側シエルは前記ベースシエルへ第2金属を金属スプレーすることに より形成されている、請求の範囲4に記載のロール。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.高強度と低熱拡散性を有するものとして選択される第1金属で構成された 金属ベースシエル(38)であって、そのベースシエル(38)は或る長さと或る半 径と円筒形表面を有するシリンダを構成し、そのベースシエルは半径方向に沿っ て第1厚みを有している金属ベースシエル(38)と; 同ベースシエル(38)の上に位置し、それによって支持された第2金属の外側 シエル(40)であって、その第2金属は、第1材料より高い熱拡散性を有するも のが選択されており、前記シエル(40)はベースシエル(38)の半径方向の厚み よりうすい半径方向の厚みを有している外側シエル(40)とで構成され;その結 果、同ベースシエル(38)は機械的負荷の支持体を構成し、その外側シエル(40 )はそこを通る熱移動を改善させるように構成してなることを特徴とする製紙機 械において紙を乾燥させる加熱ロール(22)。 2.前記外側シエル(40)の半径方向の厚みが0.3インチ以下である、請求の 範囲1に記載のロール。 3.前記外側シエル(40)の半径方向の厚みが0.1インチ以下である、請求の 範囲1に記載のロール。 4.前記第1金属が鋼合金であり、前記第2金属がアルミニウムと銅とで成る グループから選択された、請求の範囲1に記載のロール。 5.前記外側シエル(40)が前記ベースシエルに前記第2金属を金属スブレー することで形成された、請求の範囲1に記載のロール。 6.Sft/hrの表面速度で第1方向へ製紙機械を通して紙ウエブを通過させる 工程と; 共働エレメントとロール表面との間に形成され、第1方向へ測って長さLフィ ートを有するニップを通して紙ウエブを通過させる工程と; 紙ウエブが前記ロールと前記共働エレメントとの間のニップを移動する時、そ の紙を加熱するようにロール表面を加熱する工程とを有し、前記ロールは高強度 の内側ベースと、平方フィート/時単位で測った時、1以上の熱拡散率を有する 外側シエルとを有し、その高拡散層の半径方向の厚みはXフィートであり、その Xが次式で決定されることを特徴とする製紙方法。 7.高強度をもつものとして選択され、しかも低熱拡散性を有する第1材料で 構成され、内径と外径を有し、円筒面を有するシリンダを構成するベースシエル (38)と; 前記ベースシエルの上にあって、それに支持された第2材料で成る外側シエル (40)とで構成され;その第2材料は第1材料より高い熱拡散性を有するものが 選ばれており、前記外側シエルは内径と外径を有し、前記外側シエルの内径と外 径間の差は前記ベースシエルの内径と外径の間の差より小さく作られていて、前 記ベースシエルは機械的負荷の支持体を構成しており、前記外側シエルはそれと 共にプレスされる紙ウエブへの熱移動が改善されていることを特徴とする製紙機 械において紙を処理する加熱ロール。 8.前記外側シエルの外径と内径間の差が0.3インチ以下である、請求の範囲 7に記載のロール。 9.前記第1材料が鋼合金であり、前記第2材料がアルミニウム及び銅で成る グループから選択されている、請求の範囲7に記載のロール。 10.前記外側シエルは前記ベースシエルへ第2金属を金属スプレーすることに より形成されている、請求の範囲7に記載のロール。
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