JPH08509955A - 異種二量体を使用する免疫反応性試薬 - Google Patents

異種二量体を使用する免疫反応性試薬

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JPH08509955A
JPH08509955A JP6517316A JP51731694A JPH08509955A JP H08509955 A JPH08509955 A JP H08509955A JP 6517316 A JP6517316 A JP 6517316A JP 51731694 A JP51731694 A JP 51731694A JP H08509955 A JPH08509955 A JP H08509955A
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スノー、ロバート・アレン
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スノー、ロバート・レーン
ブラック、クリストファー・ダグラス・バリアント
シャーマン、クライド・ウイリアム
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Abstract

(57)【要約】 一側面では、本発明は、タンパク様の異種二量体分子の半分(H1)の残基、結合基、および免疫反応性物質の残基を具備する非放射性ターゲッティング免疫試薬と供に、タンパク様の異種二量体分子の第二の半分(H2)、結合基、および放射性物質を具備する放射性輸送剤を開示する。他の側面では、本発明は、タンパク様の異種二量体分子の半分(H2)の残基、結合基、および免疫反応性物質の残基を具備する非放射性ターゲッティング免疫試薬と供に、タンパク様の異種二量体分子の第二の半分(H1)、結合基、および放射性物質を具備する放射性輸送剤を開示する。これらの組成物は、癌の治療および診断用イメージングにおいて腫瘍部位へ放射性試薬の輸送を増幅させるための有効なシステムを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】 異種二量体を使用する免疫反応性試薬 発明の分野 本発明は、第一の非放射性ターゲッティング免疫試薬および第二の放射性輸送 剤よりなる腫瘍を標的とした逐次輸送システムによる癌の医療的な治療および診 断用のイメージングに関する。 発明の背景 診断用のイメージングおよびターゲッティングによる治療的な応用に使用され る種々の現在利用しうる放射性標識された免疫反応性タンパクは、以下の幾つか の不利益を有している。 1)免疫反応性タンパクを含有する種々の現在利用しうる放射性同位体による放 射性免疫治療および診断用イメージングは、これらの放射性薬剤が標的以外の正 常組織に結合し得、該結合が治療の行われる管に正常組織に対して望まない毒性 となるばかりでなく、診断用のイメージングに応用する場合に高いバックグラウ ンドシグナルともなるので、決して最適にはなり得ない; 2)複合製剤(conjugate preparation)内のタンパクと放射性成分の非能率的 な共有結合; 3)現在利用しうる放射性同位体を含有する免疫反応性タンパクの血漿半減期が 長いため正常細胞の被爆が長引き、 放射線の影響によるダメージを引き起こし、他の正常な疾患にかかっていない体 内の組織、特にこれらの組織および放射線のダメージに最も敏感な細胞、例えば 骨髄の幹細胞および胃腸管における受け入れらない毒性効果をもたらしうる; 4)体内からの放射性同位体のゆっくりとした排泄; 5)複合体を形成したキレート剤の数が増加するにつれて結合タンパクの免疫性 が減少すること; 6)免疫反応性タンパクに結合しうるキレート剤の数が、キレート剤の結合にお ける使用に適した、例えばアミノ基のような利用しうる基によって制限されるこ と; 7)免疫反応性タンパクに結合しうるキレート剤の数が、このように修飾された タンパクであって、該タンパクを高度に派生させた場合にハプテン化された免疫 系によって認識されうるタンパクの潜在的な免疫原性によって制限されること; および 8)免疫反応性タンパクと結合しうるイオン性放射性同位体の数が、キレーショ ンに利用しうる部位の数によって制限される。 本発明の目的は、現在利用しうる放射性標識された免疫反応性タンパクの上記 の不利益の幾つかを回避することである。 発明の概要 本発明は、組織、特に癌組織の医療的な治療および診断用のイメージングに有 用なシステムに向けられる。癌のような 疾患に対して、このようなシステムは、第一の非放射性ターゲッティング免疫試 薬および第二の放射性輸送薬よりなる腫瘍を標的とする逐次輸送システムを具備 する。 一態様では、本発明は、受容体部分の残基、結合基、および免疫反応性材料よ りなる非放射性ターゲッティング免疫試薬(これ以後しばしばNRTIRと称す る。)であって、NRTIR)が注目の組織に投与され、これらの細胞の表面の 所定部位に結合するであろうものに向けられる。 この態様では、本発明はまた、受容体部分への非共有結合的な結合に親和性を 有するリガンドの残基、結合基、および放射性試薬の残基よりなる放射性輸送試 薬(これ以後しばしばRDAを称する。)に向けられる。このRDAは、これら に結合された前記NRTIRを含有する組織の周囲に投与される。特にこのRD Aのリガンド残基は、注目の前記組織の細胞に結合された前記NRTIRの受容 体に非共有結合的に結合するであろう。従って、効果的な量の放射活性を前記組 織に与える。NRTRIRに結合しないRDAは、組織の周囲から迅速に除去さ れる。 他の態様では、本発明は、異種二量体(heterodimeric)分子のタンパク様の サブユニット部分(これ以後しばしばH1と称する。)の残基、結合基、および 免疫材料の残基よりなるNRTIRであって、該NRTIRが注目の組織に投与 され、これらの細胞表面の所定部位に結合するであろうものに向けられる。この 態様ではまた、異種二量体分子の第二のサブユニット部分(これ以後しばしばH 2と称する。)であ って、前記サブユニット部分H1と結合する部分、結合基、および放射性試薬か らなるRDAに向けられる。このRDAは、組織に結合された前記NRTIRを 含有する組織の周囲に投与される。前記RDAの該異種二量体サブユニット部分 H2は、前記NRTIRの異種二量体サブユニット部分H1に結合し、前記組織 に効果的な量の放射活性を与える。結合されなかったRDAは前記組織の周囲か ら迅速除去される。 特に、一つの側面では(これ以後しばしばシステムAと称する。)、本発明は 、受容体の残基であって、該受容体部分が、骨髄性分化タンパク(これ以後しば しばMRP14と称する。)のタンパク様サブユニット(H1)の残基よりなる もの、結合基、および免疫反応性材料の残基よりなるNRTIRを具備する。シ ステムAはまた、骨髄性分化タンパク(これ以後しばしばMRP8と称する。) の他のタンパク様サブユニット(H2)のRDA、結合基、および放射性試薬を 具備する。 特に、システムAでは、本発明は、骨髄性分化タンパク(MRP14)のタン パク様サブユニット(H1)の残基、結合基、および腫瘍を標的とする抗体のよ うな免疫反応性材料の残基よりなるNRTIRと共に、骨髄性分化タンパク(M RP8)の他のタンパク様サブユニット(H2)、結合基、およびキレート剤と 放射性同位体よりなる放射性試薬を含有するRDAに向けられる。 システムAのNRTIRは、(n)MRP14部分であって、その各々がMR P14との結合に親和性を有するMRP 8の残基よりなるRDAと結合することができるものおよび(m)放射性試薬( ここでnおよびmは独立にゼロよりも大きい整数である。)を具備する。従って 、抗原当たりに結合することができる放射性試薬の全数は(n)と(m)をかけ た値である。これは、(c)放射性試薬(ここで(c)の値はゼロよりも大きい 整数であり、前記抗原に対する免疫反応性を保持しながら前記免疫反応性タンパ ク上で作用しうる複合体の数に制限される。)と複合体を形成した免疫反応性タ ンパクよりなる以前より使用されている放射性免疫複合体の細胞表面抗原への結 合と対照的である。免疫反応性タンパクの修飾の度合いに対するこの制限は、シ ステムAのNRTIRにもあてはまり、(n)の値は、(c)の値とほぼ同じで ある。従って、この側面では、本発明の抗原に結合したNRTIRへのRSAの 結合は、以前から利用されている放射性免疫複合体で利用されうる最大値(c) を越えて、ほぼ(m)のファクターによって抗原当たりに結合された放射性試薬 の最大数を増加させるであろう。 他の態様では、本発明は、受容体部位への結合に対して親和性を示すリガンド の残基、結合基、および免疫反応性材料よりなるNRTIRであって、該NRT IRが注目の組織にとよされ、該組織の細胞表面の所定部位に結合するであろう ものに向けられる。 この態様では、本発明はまた、リガンドが受容体部分の残基に対する結合に親 和性を有する該受容体部分の残基、結合基、および放射性試薬の残基よりなるR DAであって、該R DAが組織に結合されたこの態様のNRTIRを含有する組織の回りに投与され るものに向けられる。特にこの態様のRDAのリガンドは、注目の前記組織の細 胞の表面に結合されるNRTIRの受容体に結合するであろう。従って、効果的 な量の放射活性が前記組織に供給される。NRTIRに結合しないRDAは組織 の周囲から迅速に除去される。 特に本発明のこの側面(これ以後しばしばシステムBと称する。)では、骨髄 性分化タンパク(MRP8)のタンパク様サブユニット(H2)の残基、結合基 、および、免疫反応性材料の残基よりなるNRTIR、並びに骨髄性分化タンパ ク(MRP14)のタンパク様サブユニット(H1)の残基、結合基、および放 射性試薬よりなるRDAを具備する。 特に、システムBにおいて、本発明は、骨髄性分化タンパク(MRP8)のタ ンパク様サブユニット(H2)の残基、結合基、および腫瘍を標的とする抗体の ような免疫反応性材料の残基よりなるNRTIR、並びに骨髄性分化タンパク( MRP14)のタンパク様サブユニットの残基、結合基、およびキレート剤と放 射性同位体よりなる放射性試薬を含有するRDAに向けられる。 システムBのNRTIRはMRP14への結合に親和性を有するMRP8の( n)残基であって、その各々がMRP14および(m)放射性試薬(ここでnお よびmは独立にゼロよりも大きい整数である。)よりなるRDAに結合すること ができるものよりなる。この場合、抗原当たりに結合されうる放射性試薬の全数 は、(n)かける(m)の値である。こ れは、(c)放射性試薬と複合体を形成した免疫反応性タンパクよりなる以前よ り利用可能な放射性免疫複合体の細胞表面抗原への結合と対照的である。これら の複合体では、(c)の値は、放射性試薬が前記抗原に対する免疫反応性を保持 しながら該免疫反応性タンパクに結合するかまたは複合体を形成することができ る放射性試薬の数に制限される。該免疫反応性タンパクの修飾の程度に対するこ の制限は、システムBのNRTIRにもあてはまり、(n)の値は(c)の値と ほぼ同じであろう。従って、この側面では、本発明の抗原に結合したNRTIR へのRDAの結合は、以前から利用しうる放射性免疫複合体で利用される最大値 (c)を越えてほぼ(m)のファクターにより、抗原当たりに結合される放射性 試薬の最大数を増加するだろう。 本発明はまた、NRTIRおよび薬剤的に許容しうる担体(賦形剤)を含有す る薬剤組成物および診断用組成物、並びにRDAおよび薬剤的に許容しうる担体 を含有する薬剤組成物および診断用組成物に向けられる。 本発明は更に、治療方法であって、このような治療を受ける患者の興味のある 組織の周囲に治療的に効果のある量のNRTIRをin vitroまたはin vivoで 投与し、次いで効果的な時間の経過後に、前記組織に治療的に効果的な量のRD Aを引き続き投与することを具備した方法に向けられる。NRTIRとRDAの 投与の間の時間に、前記NRTIRは標的組織の細胞の所定部位に結合し、未結 合のNRTIRは前記組織の周囲から除かれる。 本発明は更に、診断用のイメージング方法であって、このような診断用イメー ジングを受ける患者の注目の組織の周囲に、診断用のイメージングに効果的な量 のNRTIRをin vitroまたはin vivoで逐次的に投与し、次いで効果的な時 間経過した後、前記組織に診断用のイメージングに効果的な量のRDAを引き続 き投与することを具備した方法に向けられる。前記効果的な時間の間に、前記N RTIRは注目の前記細胞の所定部位に結合し、未結合のNRTIRは組織の周 囲から除去されるであろう。引き続き、効果的な時間の後、注目の前記組織の全 てまたは一部のイメージが得られる。 本発明は、現在利用しうるターゲッティング免疫薬に比較して有利な点がある 。例えば、以下の点である。 組織部位に輸送される治療的に効果的な量および診断用のイメージングに効果 的な量の放射性試薬の全量が、現在使用しうるターゲッティング免疫薬を用いて 別の方法で達成される全量よりも特異性を持って、および拡張されて達成されう る; 本発明のNRTIRおよびRDAの標的組織への逐次輸送によって、非標的細 胞を損傷するような放射線の曝露を減少することができ、毒性を減少することが できる; 受容体へのリガンドの結合が高い親和性で起こり、該結合が選択的である; NRTIRおよびRDAが治療的および診断的な応用の両方で使用しうる; 上記NRTIRがin vivoで腫瘍組織に蓄積されるが、 該NRTIRは正常組織部位には実質的に蓄積されない; NRTIRが結合した細胞に結合しないRDAが迅速に患者から排泄される; 放射性同位体または現在利用しうる放射性免疫複合体によって直接に複合体を 形成したターゲッティング免疫試薬の同程度の修飾に関して、ターゲッティング 免疫試薬について、修飾部位当たりの放射性同位体の数が、本発明の材料および 方法を用いて増加する; NRTIRは、システムAでは広範囲の免疫反応性基、結合基、およびH1残 基を具備し得、システムBでは広範囲の免疫反応性基、結合基、およびH1残基 と結合するH2残基を具備しうる; RDAは、システムAでは広範囲のスペーシング基、結合基、放射性同位体、 およびH1残基と結合するための親和性を有するH2残基を具備し得、システム Bでは広範囲のスペーシング基、結合基およびキレート基、放射性同位体、並び にH2残基と結合するための親和性を有するH1残基を具備しうる;および 広範囲のサイズおよび分子量を有する物質、並びに腫瘍での蓄積に対して特異 性を有する物質からなる広範囲の組成物が本発明に従って調製されうる。 本発明の他の有利な特性は、以下の好ましい態様の説明を参照して容易に明ら かになるであろう。 好ましい態様の説明 好ましい態様において、上記非放射性ターゲッティング免疫試薬(NRTIR )および放射性輸送試薬(RDA)は、以下のシステムA(4システム)および システムB(4システム)で表される部分よりなる。 但し、 Zは免疫反応性基の残基である; Recは受容体、好ましくはMRP14の残基である; Dはリガンド、好ましくはMRP8(これは受容体、好ましくはMRP14へ の結合に親和性を有する。)の残基である。 H1は異種二量体の2つのサブユニット(これはH1およびH2を具備し、好 ましくはH1がMRP14である。)の1つの残基である; H2は異種二量体の2つのサブユニット(これはH1およびH2を具備し、好 ましくはH2がH1と結合親和性を有するサブユニットMRP8である。)の1 つの残基である; L1およびL2は各々独立に、スペーシング基を独立に含有しうる結合基の残 基である; Qはキレート基の残基である; Mは放射性同位体である; nおよびmは各々独立にゼロよりも大きい整数である。 これらの材料の好ましい態様を以下に更に説明する。 異種二量体は、2つの同一でないサブユニット、H1およびH2よりなるタン パクである。各々のサブユニットは受容体サブユニット若しくはリガンドサブユ ニットの何れかとして提供されうる。異種二量体サブユニット受容体リガンドの 何れの対でも本発明において使用される。これらのサブユニット受容体リガンド 対の好ましい使用は、該リガンド対が以下のような場合である。 i)受容体とサブユニットとの間のサブユニット間で共有結合形成をせずに(例 えば、ジスルフィド結合の形成をすることなく)非共有結合的に結合する; ii)一度サブユニットがお互いに結合子ヘテロニ量体を形成すると、2つの非共 有結合的に結合したサブユニットが、免疫グロブリン、アルブミン、および他の 血漿タンパクのような他のタンパクの存在下においても長期間安定に結合したま まであるようにサブユニット対間の高い結合定数を有する; iii)実質的に同種二量体(homodimers)を形成するような自己会合をしない; iv)血液中で安定である; v)例えば、膜のリン脂質、脂質、ステロイド、および糖鎖(carbohydrates) のような不純物を含まない; vi)組換え型で利用できる; vii)哺乳類の血液循環系内で現在見出されている部位への結合に親和性を有さ ない; viii)再会合した場合に、酵素活性を有さない; ix)オンコ遺伝子の産物ではない; x)細胞調節因子を有さない。 制限を意味しない例として、以下の材料が異種二量体の有用な源となる。 MRP14およびMRP8(P14およびP8としても公知のもの、膵嚢包性 繊維症抗原としても公知のもの、L1重鎖およびL1軽鎖としても公知のもの) ; T細胞受容体のアルファ鎖およびベータ鎖; T細胞受容体のデルタ鎖およびガンマ鎖; サイトカインIL−2のタンパク; ナチュラルキラー細胞剌激因子; シトクロームb558; シグナル認識粒子; リガンジン(ligandin); チャペローンタンパク(chaperone proteins); プンタトロウイルス(punta toro virus)糖蛋白; ヘパトポエチンAおよびB; 血小板由来成長因子; リポコルチン; 以下の酵素の異種二量体タンパク; グルタチオンS−トランスフェラーゼ; 逆転写酵素; ルシフェラーゼ; クレアチンキナーゼ; ホスホグリセリン酸ムターゼ; アルコールデヒドロゲナーゼ;および ガンマ−グルタミルトランスペプチダーゼ。 ここで「残基」の語は、化学的単位(chemical entity)との関連で使用され る。前記化学的単位は、例えばリガンド、若しくはH2、若しくは骨髄性分化タ ンパクのタンパク様サブユニットMRP8、若しくは受容体部分、若しくはH1 、若しくは骨髄性分化タンパクのタンパク様サブユニットMRP14、若しくは キレート剤、若しくは放射性試薬、若しくは結合基、若しくはタンパク反応性基 、若しくは免疫反応性基、若しくは免疫反応性物質、若しくは免疫反応性タンパ ク、 若しくは抗体、若しくは抗体フラグメント、若しくは交差結合剤、若しくはスペ ーシング基を包含する。「残基」の語は、前記化学的単位の一部分であって、前 記化学的な単位の一部が独立の化学的単位として考慮された場合、前記化学的単 位が別に具備している1以上の化学結合が、1以上の他の化学的単位に対して1 以上の共有結合を具備するように変化され、修飾され、または置換されたとき、 もっぱらそのまま残る前記化学単位のその一部として定義される。従って、例え ばシステムAおよびシステムBの一態様では、キレート基の残基は、例えば結合 基の残基のような他の化学的単位の残基への結合を介して少なくとも1価に修飾 されたキレート基よりなる。 システムA及びシステムBの両方において、免疫反応性基、Zは、広範囲の天 然に存在する材料または合成によって調製された材料から選択される。これらの 材料には、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、リポタンパク質、 糖タンパク、脂質、リン脂質、ホルモン、成長因子、ステロイド、ビタミン、多 糖、ウイルス、原生動物、菌類、寄生生物、リケッチア、カビ、およびこれらの 成分、血液成分、組織および器官成分、医薬、ハプテン、レクチン、トキシン、 核酸(オリゴヌクレオチドを含む)、抗体(モノクローナルおよびポリクローナ ル)、抗−抗体、抗体フラグメント、抗原性物質(タンパク質および糖鎖(carb ohydrate)を含む)、アビジンおよびこれらの誘導体、ビオチンおよびこれらの 誘導体、並びに当業者に周知の他のものが含まれるが、これら に限定されない。加えて、免疫反応性基は、何れかの基質であって、免疫適格を 有するホストに提供された場合に、その基質と結合することができる特異的な抗 体、または抗原−抗体反応に関与するそのように形成された抗体を産生するもの でありうる。 好ましい免疫反応性基は、これらが、システムAにおいては受容体部分の残基 上の反応性基、若しくはシステムBにおいてはリガンドとの反応に対して、また はここで説明された結合基(L)との反応に対して少なくとも1つの反応部位を 含有する限り、抗体およびこれらの種々の免疫反応性フラグメントである。この 部位は、免疫反応性種に固有であるか、または、免疫反応性種の適切な化学修飾 を介して導入されうる。先に概説した技術によって産生される抗体に加えて、分 子生物学の技術によって産生される他の抗体およびタンパクを特に含有しうる。 好ましくは、免疫反応性基は、システムAではH2へのH1の結合を阻害するよ うにH1とは結合しない。また、該免疫反応性基は、システムBではH1へのH 2の結合を阻害するようにH2には結合しない。 ここで使用される「抗体フラグメント」の語は、抗体の残基であって、該抗体 が抗原との結合に対して特徴的に親和性を示すものを具備した免疫反応性物質を 言う。ここで使用される抗原に対する「結合に対する親和性」の語は、抗原結合 部と抗原決定基との間の相互作用若しくは結合の強さ、従ってこれらの立体化学 的な適合性の熱力学的表現を言う。それ自体では、これは、抗体−抗原相互作用 に対する平衡または 結合定数の表現である。ここで使用される「親和性」の語も、リガンドと受容体 の間の相互作用またはこれらの間の結合の強さ、従ってこれらの間の立体化学的 な適合性の熱力学的表現を意味する。それ自体では、これはリガンド/受容体相 互作用に対する平衡または結合定数の表現である。 抗体フラグメントは、少なくとも前記抗原への結合に対する前記親和性のパー センテージを示し、前記パーセンテージは、前記抗原への結合に対する0.00 1パーセントから1,000パーセント、好ましくは0.01パーセントから1 ,000パーセント、より好ましくは0.1から1,000パーセント、もっと も好ましくは1.0パーセントから1,000パーセントの範囲である。 抗体フラグメントは、1以上の化学結合の開裂反応を具備した化学反応によっ て;アミノ酸、ペプチド、炭水化物、ここで説明した結合基、ここで説明したス ペーシング基、ここで説明したタンパク反応性基、およびここで説明したように 生成される抗体フラグメントを包含した群から選択される反応剤としての1以上 の化学成分を使用する1以上の化学結合形成反応によって、および分子生物学的 プロセス、細菌によるプロセス、若しくは抗体遺伝子の遺伝子よりなるプロセス および抗体遺伝子の遺伝子工学により生じるプロセスによって抗体から産生され うる。 抗体フラグメントは1以上の以下の反応を具備する化学反応によって抗体から 誘導されうる。 (a)抗体が具備する1以上の化学結合の開裂。前記結 合は、例えば炭素−窒素結合、イオウ−イオウ結合、炭素−炭素結合、炭素−イ オウ結合、および炭素−酸素結合から選択され、この場合に前記開裂の方法は、 以下の反応から選択される。 (i)酵素、例えばパパイン若しくはペプシン(これらは、当業者にとって 、FabおよびFab’2と一般に呼ばれる抗体フラグメントをそれぞれ生じさ せることが知られている。)のような、生化学適職倍の作用を包含する触媒化学 反応。 (ii)例えば、7に等しいかまたはこれより大きいpHで有利に起こるヒド ロニウムイオンのような求電子的化学触媒の作用を包含する触媒化学反応。 (iii)例えば、7に等しいかまたはこれより大きいpHで有利に起こる水 酸イオンのような求核的触媒の作用を包含する触媒化学反応。 (iv)スルフヒドリル基を含む試薬によるジスルフィド結合のイオウ原子で の置換反応のような化学量論的な形式で消費される試薬を使用する置換反応を具 備した化学反応。 (v)ジスルフィド結合の還元のような還元反応を具備した化学反応。 (vi)ヒドロキシル基の炭素−酸素結合の酸化、若しくは糖鎖部分で起こる ようなビシナルジオールの炭素−炭素結合の酸化のような酸化反応を具備した化 学反応。 (b)または、例えば、炭素−窒素結合(例えば、アミド結合、アミン結合 、ヒドラゾン結合、およびチオ尿素結合)、 ジスルフィド結合のようなイオウ−イオウ結合、炭素−炭素結合、炭素−イオウ 結合、および炭素−酸素結合から選択される1以上の共有結合の形成のような1 以上の試薬の間での1以上の化学結合の形成、および前記化学結合形成の試薬と して、アミノ酸、ペプチド、糖鎖、ここで定義されたような結合基、ここで定義 されたようなスペース基、ここで定義されたようなタンパク反応性基、および上 記(a)で説明したように精製される抗体フラグメントを使用すること。 (c)または、抗体フラグメントは、1以上の反応剤の間で1以上の非共有 結合の形成によって誘導されうる。このような非共有結合は、水性媒体中に置い て、脂肪族基および炭素環基を含む領域のような相互に接近しうる低極性領域を 独立に具備する化学種間で起こるような疎水性相互作用、およびオリゴヌクレオ チドと相補的オリゴヌクレオチドとの結合を起こすような水素結合相互作用を包 含する。 (d)または、抗体フラグメントは、分子生物学の手法の結果として、また は例えば単鎖免疫反応性基またはFvフラグメントの遺伝子工学における抗体遺 伝子の遺伝子工学によって製造されうる。 抗体フラグメントは、1以上の上記方法を組み合わせて、結果として製造され うる。 幾つかの態様では、免疫反応性基は、システムAの受容体部分、またはシステ ムBのリガンド部分、または以下に説明する結合基に結合するための反応性基を 有する酵素であり得る。相当する酵素には、アスパルテート、アミノトランスア ミナーゼ、アラニンアミノトランスアミナーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼ、 クレアチンホスホキナーゼ、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ、アルカリ性 酸ホスファターゼ、プロスタチック酸ホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキ シダーゼ、および種々のエステラーゼが含まれるが、これらに限定されない。 所望であれば、免疫反応性基は、修飾、若しくは化学的に変化され得、当業者 に公知の技術によって、システムAでは受容体部分またはシステムBではリガン ド種の残基または以下に説明する結合基の残基に結合するための反応性基を提供 する。このような技術には、オリゴヌクレオチドの修飾に向けられた、WO−A −89/02931およびWO−A−89/2932、および米国特許第4,7 19,182に開示された結合部分の使用および化学修飾が含まれる。 本発明の組成物の非常に好ましい2種類の使用は、腫瘍の診断用のイメージン グおよび腫瘍の放射線治療である。従って、好ましい免疫学的基には腫瘍関連抗 原に対する抗体(これ以後しばしばAbと記す。)が含まれる。特別な、制限を 受けない例には、結腸直腸腫瘍を認識するB72.3および関連抗体(米国特許 第4,522,918および4,612,282に開示されている。);9.2 .27および関連抗メラノーマ抗体;結腸直腸腫瘍を認識するD612関連抗体 ;小細胞肺癌を認識するUJ13Aおよび関連抗体;NRLU−10、NRCO −02および関連抗体であって小細胞肺カルチノーマおよび結腸直腸腫瘍(パン −カルチノーマ(pan- carcinoma)を認識するNRLU−10、NRCO−02および関連抗体;前立 腺腫瘍を認識する7E11C5および関連抗体;結腸直腸腫瘍を認識するCC4 9および関連抗体;壊死組織を認識するTNTおよび関連抗体;結腸カルチノー マを認識するPR1A3および関連抗体;国際特許出願WO−A−90/025 69に開示されたING1および関連抗体;扁平上皮癌を認識するB174、C 174および関連抗体;幾つかのリンパ腫および白血病と反応的であるB43お よび関連抗体;および抗−HLBおよび関連モノクローナル抗体が含まれる。特 に好ましい抗体はING−1である。 ここで使用される「受容体」の語は、分子内の化学的な基であって、前記分子 内に活性部位を具備するものか、または分子内の化学的な基の配列であって、前 記分子内に1以上の活性部位を具備するものか、または1以上の化学的な基若し くは1以上の化学的な基の配列であって、1以上の基または基の配列が前記分子 内で1以上の活性部位を含有するものを具備した分子をいう。受容体の「活性部 位」は、リガンドに結合する特別の能力を有するか、またはリガンドに結合する ための親和性を有する。「受容体」の語、または「受容体内の活性部位」の語の 使用に関連して、ここで使用される「リガンド」の語は、特別な化学的な基また は化学的な基の特別の配列であって、分子、基、または基の配列が、受容体、特 に受容体内の活性部位に相補的であるか、またはこれへの結合に対して特別な親 和性を有するものを具備する分子をいう。 受容体の例には、H1(これは、システムAのような前記異種二量体タンパクの 他のサブユニットに結合するための親和性を有する。)のような異種二量体タン パクの2つのサブユニットの1つ、H2(これは、システムBのような前記異種 二量体タンパクの他のサブユニットに結合するための親和性を有する。)ような 異種二量体タンパクの2つのサブユニットのうちの1つ;ホルモンを結合する細 胞表面受容体;および医薬品を結合する細胞表面受容体がある。異種二量体タン パクの1つのサブユニット、H1と他のサブユニット、H2との特異的結合部位 ;異種二量体の1つのサブユニット、H2と前記H1との特異的結合部位;前記 細胞表面受容体へのホルモンとの特異的結合部位;および全ての表面受容体への 特異的結合部位は、前記受容体の活性部位の例であり、異種二量体サブユニット H1およびサブユニットH2、ホルモン、および医薬品は相当する受容体に対す るリガンドの例である。 システムAにおける好ましい受容体(Rec)、H1およびシステムBにおけ る好ましい受容体、H2は、異種二量体タンパクH1およびH2のサブユニット の活性部位の残基を具備する。システムAにおける好ましいリガンド、H2およ びシステムBにおける好ましいリガンド、H1は異種二量体タンパク、H2およ びH1の他のサブユニットの残基を具備する。 システムAにおいて、特に好ましい受容体は、S−100タンパクファミリー に属する約14,000ダルトンの分子量のカルシウム結合タンパクのサブユニ ットMRP−14の 残基を具備する。前記MRP14サブユニットは、全体的にまたは部分的に、い ずれの源からも単離され、これがMPR8結合活性を有する限り、さらに修飾さ れることなく本発明で使用される。システムBにおいて、特に好ましい受容体は 、S−100タンパクファミリーに属する約8,000ダルトンの分子量のカル シウム結合タンパクのサブユニットMRP−8の残基を具備する。前記MPR− 8サブユニットは、全体的にまたは部分的に、いずれの源からも単離され、これ がMPR14結合活性を有する限り、さらに修飾されることなく本発明で使用さ れる。Edgeworth,J.et al.,J.Biol.Chem.266:7706-7713(1991);Teige lkamp,S.et al.,J.Biol.Chem.266:13462-13467(1991);Dianoux,A-C .et al.,Biochemistry31:5898-5905(1992);Odink,K.et al.,Nature33 0:80-82(1987);Lagasse,F.et al.,Mol.Cell.Biol.8:2402-2410(1988 )参照。サブユニット、MRP14およびMRP8は、ヒト好中球のサイトソル から単離されるか、または該サブユニトは適切な微生物(例えば、バクテリア、 酵母、昆虫若しくは哺乳類細胞)内で組換えヒトタンパクとして製造される。前 記サブユニットは、本発明で使用するために単離の前または後に化学的に修飾さ れるか、またはこれらは、分子生物学の周知技術によって修飾され、本発明で使 用するために単離されるか、または前記分子生物学で修飾されたサブユニットは 、各サブユニットの活性部位が本発明の使用で維持される限り、本発明で使用す るための 単離の前または後に化学的に修飾されうる。 システムAおよびシステムBにおける一つの側面では、MRP14はヒトタン パクを包含する。好ましくは、前記MRP14は組換えヒトタンパクである。よ り好ましくは、前記MRP14は、組換えヒトタンパクであって、修飾が、前記 タンパクのペプチド配列内の特異的なアミノ酸の独立な取り込み、置換、挿入、 および欠失を包含する遺伝子工学の技術によって修飾されたものを包含する。更 に好ましくは、このように修飾された組換えヒトタンパクを包含するMRP14 サブユニットは、MRP8サブユニットにへの結合に対する親和性を有する活性 部位を具備する。このように修飾された組換えMRP14サブユニットは、天然 で未修飾のMRP14サブユニットの、MRP8サブユニットに対する親和性よ りも大きいMRP8サブユニットに対する親和性を有する。 他の態様では、システムAのZ−L−Xは融合タンパクを包含する。ここで使 用される「融合タンパク」の語は、タンパクのコード領域が、フレーム中で第二 のタンパクの残基のコード領域に融合された第一のタンパクの残基のコード領域 を具備したタンパクを包含する遺伝子的に操作された(engineered)材料をいう 。好ましくは、前記融合タンパクは、タンパクのコード領域が、フレーム内でM RP14の1以上の残基のコード領域に融合された免疫反応性試薬の残基のコー ド領域を具備するタンパクを包含する。従って、好ましくは、前記融合タンパク は、MRP14の1以上の残基に融合された免疫反応性試薬の残基を包含する。 好ましい態様では、 前記融合タンパクは、適切な軽鎖と組み合わされたときに、前記融合タンパクが 、1以上のMRP14に結合されたFabフラグメントを具備するようにCH1 領域において免疫グロブリンの重鎖に融合されたMRP14の残基を包含してい る。他の好ましい態様では、前記融合タンパクは、CH2またはCH3領域内の 免疫グロブリンの重鎖に融合された1以上のMRPを包含しうる。前記融合タン パクは、免疫グロブリンの軽鎖を包含する場合には、1以上のMRP14に結合 されたFab’2フラグメントを具備しうる。更に好ましい他の態様では、前記 融合タンパクは、免疫グロブリンの一本鎖構造(construct)のC−末端に融合 された1以上のMRP14を具備し得、従って、1以上のMRP14に結合され たFvフラグメントを具備しうる。 システムAのZ−(L1−ReC)nを具備する遺伝子的に操作された上記融合 タンパクは、タンパクのコード領域が、フレーム内でヒトまたはヒト以外の第二 のタンパクの残基のコード領域に融合された、ヒト若しくはヒト以外の第一のタ ンパクの残基のコード領域を独立に具備するタンパクを包含しうる。好ましくは 、前記コード領域は、独立にヒトおよび細菌性であるか、または遺伝子工学の技 術によって上述のように修飾される。より好ましくは、融合タンパクは、タンパ クのコード領域が、フレーム内でヒトMRP14または遺伝子的に修飾されたヒ トMRP14の1以上の残基のコード領域に融合されたヒト免疫反応性試薬の残 基のコード領域を具備する。更に好ましくは、融合タンパクは、MRP8サブユ ニットへの結合に対して親和性を有する活性部位を具備したこのように修飾され た組換えMRP14を包含する。このように修飾された融合タンパクの組換えM RP14サブユニットは、MRP8サブユニットに対する天然で未修飾のMRP 14サブユニットの親和性よりも大きなMRP8に対する親和性を有する。 前記MRP14の活性部位への結合に対して親和性を有するリガンドの例は、 S−100タンパクファミリーに属する、約8,000ダルトンの分子量のカル シウム−結合タンパクのサブユニットMRP8である。前記MRPサブユニット は、これがMRP14結合活性を維持する限り(上記参照文献を参照)、全体ま たは部分的に、いずれの源からでも単離されうる。MRP8はヒト好中球のサイ トソルから単離されるか、または該MRPは適切な微生物(例えば、バクテリア 、酵母、昆虫若しくは哺乳類細胞)内で組み替えヒトタンパクとして産生される 。 システムAおよびシステムBにおける1つの態様では、MRP8サブユニット はヒトタンパクを具備する。好ましくは、前記MRP8サブユニとは組換えヒト タンパクより構成される。より好ましくは、前記MRP8サブユニットは、修飾 が前記タンパクのペプチド配列内の特異的なアミノ酸の独立な取込み、置換、挿 入、および欠失を具備した遺伝しそう鎖技術によって修飾された組換えヒトタン パクより構成される。より好ましくは、このように修飾された組換えヒトタンパ クから構成されたMRP8サブユニットは、MRP14サブユ ニットへの結合に対して親和性を有する活性部位を具備する。このように修飾さ れた組換えMRP8サブユニットは、天然で未修飾のMRP8サブユニットの、 MRP14サブユニットに対する親和性よりも大きいMRP14サブユニットに 対する親和性を有する。 他の側面では、システムBのZ−(L1−D)nは融合タンパクより構成される 。従って、好ましくは、前記融合タンパクは、MRP8の1以上の残基に融合さ れた免疫反応試薬の残基から構成される。好ましい態様では、前記融合タンパク は、適切な軽鎖と組み合わされたときに前記融合タンパクが1以上のMRP8に 結合されたFabフラグメントを具備するようにCH1領域内の免疫グロブリン 重鎖に結合されたMRP8の残基より構成される。他の好ましい態様では、前記 融合タンパクは、CH2またはCH3領域内の免疫グロブリン重鎖に融合された 1以上のMRP8より構成されうる。前記融合タンパクは、免疫グロブリン軽鎖 より構成される場合、1以上のMRP8に結合されたFab’2フラグメントよ り構成されうる。更に好ましい他の態様では、前記融合タンパクは、免疫グロブ リン一本鎖構造のC−末端に融合された1以上のMRPより構成され、従って、 1以上のMRP8に結合されたFvフラグメントより構成される。 システムBのZ−(L1−D)nを具備する上記遺伝子的に操作された融合タン パクは、タンパクのコード領域が、フレーム内で、ヒト若しくはヒト以外の第二 のタンパクの残基のコード領域に融合されたヒト若しくはヒト以外の第一のタ ンパクの残基のコード領域を独立に具備するタンパクで構成されうる。好ましく は、前記コード領域は、独立にヒトおよび細菌性であるか、または上記の遺伝子 工学の技術で修飾される。より好ましくは、融合タンパクは、タンパクのコード 領域が、フレーム内でヒトMRP8または遺伝子的に操作され、修飾されたひと MRP8の1以上の残基のコード領域に融合されたヒト免疫反応性試薬の残基の コード領域より構成される。更に好ましくは、融合タンパクは、MRP14サブ ユニットへの結合に対して親和性を有する活性部位を具備した、このように修飾 された組換えMRP8より構成される。融合タンパクのこのように修飾された組 換えMRP8サブユニットは、天然で未修飾のMRP8の、MRP14サブユニ ットに対する親和性よりも大きいMRP14サブユニットに対する親和性を有す る。 受容体とリガンドとの結合は、非共有結合的な相互作用によるか、または共有 結合の形成を包含しうる。好ましくは該結合は非共有結合的である。 システムAでは、n個のMRP14サブユニットは、免疫反応性基、好ましく は抗体または抗体フラグメント、最も好ましくはING−1に、結合基によって 共有結合的に結合され(即ち複合体を形成し)、このシステムのNRTIR[即 ち、Z−(L1−Rec)n]を形成する。好ましくは、nは1、2、3、4、5 または6である。基も好ましくは、nは1若しくは2である。 再度、システムAにおいて、1つの態様では、MRP8サ ブユニットは、放射性輸送剤[即ち、RDA、Rec−(L2−Q−M)m]の構 成要素であり、m個のキレート基に各々結合基によって結合され、該キレート基 が放射性核種と結合する。好ましくは、該キレート基は、TMT(以下で説明さ れる。)であり、結合基は、以下で説明される通りであり、放射性核種はイット リウムの同位体であり、mは2から約10である。 他の態様では、システムAのRDAは、1以上のMRP8の構成要素に直接に 、または以下に示される結合基によってMRP8に結合された1以上の構成要素 に共有結合的に結合された1以上の放射性核種を含有するMRP8より構成され る。好ましくは、前記共有結合的に結合された放射性核種は、芳香族環を含有す る部分に結合された要素の同位体ある。 更に他の態様では、システムAのRDAは、1以上の放射性核種を含有したM RP8であって、該放射性核種が該MRP8の1以上の構成要素(例えば、米国 特許第5,078,985に開示されており、これは参照文献として本出願の一 部をなす。)に直接に、または、例えば米国特許第4,444,690;4,6 70,545;4,673,562;4,897,255;4,965,392 ;4,980,147;4,988,496;5,021,556および5,0 75,099に開示されたような化合物を含めた、N3SおよびN22から誘導 されるような結合基によって該MRP8に結合された1以上の構成要素に共有結 合的に結合されたMRP8より構成される。好ましくは、前記共有結合的に結合 され た放射性核種は、硫黄原子を含む基に結合されたテクネチウムおよびレニウムの 放射性同位体から選択される。 システムBにおいて、n個のMRP8サブユニットは、結合基によって免疫反 応性基、好ましくは抗体または抗体フラグメント、最も好ましくはING−1に 共有結合的に結合され(即ち、複合体を形成し)、システムのNRTIR[即ち Z−(L1−Rec)n]を形成する。好ましくは、nは1、2、3、4、5また は6である。最も好ましくは、nは1または2である。 再度、システムBにおいて、1つの好ましい態様では、MRP14はサブユニ ットは、放射性輸送剤の構成要素[即ちRDA、Rec−(L2−Q−M)m]で あり、各々結合基によってm個のキレート基に結合し、該キレート基が放射性核 種と結合する。好ましくは、キレート基は、TMT(以下に説明される。)、結 合基は以下に説明されるとおりであり、放射性核種はイットリウムの放射性同位 体であり、mは2から約10である。 他の態様では、システムBのRDAは、1以上の放射性核種を含有するMRP 14であって、該放射性核種が、MRP14の1以上の構成要素に直接に、また は以下に説明される結合基によってMRP14に結合された1以上の構成要素に 共有結合的に結合されているMRP14より構成される。好ましくは、前記共有 結合的に結合された放射性核種は芳香族環を含んだ部分に結合されたヨウ素の放 射性同位体である。他の態様では、システムBのRDAは、1以上の放射性核種 を含有したMRP14であって、該放射性核種が、MRP14の1以上の構成要 素に直接に、または以下に説明されるような結合基によってMRP14に結合さ れた1以上の構成要素に共有結合的に結合されたMRP14より構成される。好 ましくは、前記共有結合的に結合された放射性核種は、硫黄原子を含有する基に 結合されたテクネチウムおよびレニウムの放射性同位体から選択される。 システムAおよびBのNRTIRでは、化学的複合体形成は、例えば免疫反応 性基上の所定部位の修飾を介して導入だれる結合基(L1)を使用することによ って達成される。タンパクのリジン エプシロン−アミンのようなアミン基上へ の活性化された基(例えば、活性化されたエチレン基(例えば、マレイミド基) )の導入は、スキーム1に示されている。他の技術には、異種二官能性結合部分 (heterobifunctional linking moiety)および、例えば米国特許第4,719 ,182に開示された例のような化学的修飾を用いることができる。加えて、例 えばPierce Chemical Companyから一般的に商業的に入手可能なSMCCのよ うなこれらの化学品が含まれるが、これらに限定されない。 システムAにおいて、1つの側面では、化学的複合体は、他の方法として、M RP14(またはジスルフィド結合を含む試薬の共有結合によって化学的に修飾 されたMRP14)をジチオトレイトールのような還元剤で穏和に還元し、該還 元されたMRP14タンパクの部分にスルフヒドリル(SH)部位を生じさせる ことによって導入される結合基L1を 用いて達成される。システムAでは、このような還元されたMRP14タンパク 部分と上記マレイミド修飾抗体(Ab−M)との反応で、1以上のチオエーテル 結合でお互いに結合された抗体/受容体複合体(Ab−M−S−MRP14タン パク:スキーム1A)が生じる。加えて、例えばPierce Chemical Company等 から一般的に商業的に入手可能であり、2つのタンパクの共有結合に使用される これらの化学品には、システムAにおいて抗体へのMRP14のカップリングに おける非制限的な例が含まれる。 システムBにおいて、上記還元されたMRP14タンパク部分と、マレイミド 基のような活性化されたエチレン基より構成される結合基の前駆体を含有するキ レート剤との反応で、MRP14/キレート剤複合体(ここで、還元されたMR P14がチオエーテル基によって各々1以上のキレート剤に結合されている。) を生じる。同様に、上記還元された免疫反応性タンパク部分と、1以上の結合基 の前駆体を含有するリガンドの残基(その各々の残基がマレイミド基のような活 性化されたエチレン基を具備する。)との反応で、1以上のチオエーテル結合に よってお互いに結合された免疫反応性タンパク部分/リガンド複合体の形成が起 こる。 システムBにおいて、他の側面では、化学的複合体は、他の方法として、MR P8(またはジスルフィド結合を含む試薬の共有結合によって化学的に修飾され たMRP8)をジチオトレイトールのような還元剤で穏和に還元し、該還元され たMRP8タンパクの部分にスルフヒドリル(SH)部位を 生じさせることによって導入される結合基L2を用いて達成される。システムB では、このような還元されたMRP8タンパク部分と上記マレイミド修飾抗体( Ab−M)との反応で、1以上のチオエーテル結合でお互いに結合された抗体/ 受容体複合体(Ab−M−S−MRP8タンパク:スキーム1B)が生じる。加 えて、例えばPierce Chemical Company等から一般的に商業的に入手可能であ り、2つのタンパクの共有結合に使用されるこれらの化学品には、システムBに おいて抗体へのMRP8のカップリングにおける非制限的な例が含まれる。 システムAにおいて、上記還元されたMRP8タンパク部分と、マレイミド基 のような活性化されたエチレン基より構成される結合基の前駆体を含有するキレ ート剤との反応で、MRP8/キレート剤複合体(ここで、還元されたMRP8 がチオエーテル基によって各々1以上のキレート剤に共有結合的に結合されてい る。)を生じる。同様に、このように還元された免疫反応性タンパク部分と、1 以上の結合基の前駆体を含有するリガンドの残基(その各々の残基がマレイミド 基のような活性化されたエチレン基を具備する。)との反応で、1以上のチオエ ーテル結合によってお互いに結合された免疫反応性タンパク部分/リガンド複合 体の形成が起こる。 システムAおよびシステムBにおいて、他の基は、特に、上記反応剤が有効で ある場合に、受容体部分(H1)またはリガンド部分(H2)の何れかへの免疫 反応性材料のカップリングに使用される。免疫反応材料および受容体部分の適切 な反応性部位には、リジンのアミン部位;末端ペプチドアミン;アスパラギン酸 およびグルタミン酸で利用されうるカルボン酸部位;スルフヒドリル部位;糖鎖 (carbohydrate)部位;活性化された炭素−水素および炭素−炭素結合であって 、そのように活性化された残基の、遊離基またはナイトレン若しくはカルベンを 経由する挿入によって反応しうるもの;酸化の部位;還元の部位;チロシンのよ うな芳香族部位;およびヒドロキシル部位が含まれる。 システムAにおいて、MPR14と抗体のような免疫反応性基との比は、約0 .5から10以上まで広く変化する。バルクでは、未修飾の免疫反応性基とMR P14で修飾された免疫反応性基よりなる混合物も適切である。このような混合 物は、約0.1から約10のMRP14と免疫反応性基のバルク比を有する。 システムBでは、MPR8と抗体のような免疫反応性基との比は、約0.5か ら10以上まで広く変化する。バルクでは、未修飾の免疫反応性基とMRP8で 修飾された免疫反応性基よりなる混合物も適切である。このような混合物は、約 0.1から約10のMRP8と免疫反応性基のバルク比を有する。 システムAにおいて、好ましい態様では、MRP14と免疫反応性基のモル比 は、約1:1から約6:1である。MRP14、特にヒトMRP14をコードす るDNA配列の知識に基づき、遺伝子操作の技術を使用して、融合タンパクを、 抗体とMRP14、またはこれらの一部分の間で作成できる ことが特に考慮される。抗体に結合されるMRP14のこれらの全ての構成要素 において、MRP14は、本発明で開示された異種二量体のリガンドサブユニッ トへ結合する能力を保持していることが特に考慮される。 システムBでは、好ましい態様では、MPR8と抗体のような免疫反応性基と のモル比は、約1:1から約10:1まで変化する。バルクでは、未修飾の免疫 反応性基とMRP8で修飾された免疫反応性基よりなる混合物も適切である。M RP8、特にヒトMRP8をコードするDNA配列の知識に基づき、遺伝子操作 の技術を使用して、融合タンパクを、抗体とMRP8、またはこれらの一部分の 間で作成できることが特に考慮される。抗体に結合されるMRP8のこれらの全 ての構成要素において、MRP8は、本発明で開示された受容体へ結合する能力 を保持していることが特に考慮される。 システムAおよびBにおいて、免疫反応性基、好ましくは抗体または抗体フラ グメントの、MRP14(システムA)またはMPR8(システムB)への結合 に続いて、複合体が、該材料を適切な溶出バッファーを用いたスペロース(Sper ose)6のようなゲル濾過(gel permeation)カラムを通すことによって、また はショーデックス(Shodex)WS−803Fサイズ排除カラムのようなHPLC カラムから溶出することによって精製される。これらの方法は両方とも、分子の サイズによって適用された物質を分離し、システムAにおいては、何れかの複合 体を形成していない残りのMRP14とは異なったフラクションとして抗体/M RP14複合 体を溶出させ、システムBにおいては、何れかの複合体を形成していない残りの MRP8とは異なったフラクションとして抗体/MRP8複合体を溶出させる。 システムAおよびBにおいて、複合体溶液中の抗体の濃度は、標準タンパクと してウシ免疫グロブリンを使用してBCA法(BioRadカタログ#500−000 1)によって決定した。 その標的抗原に結合し、続いてMRP14(システムA)またはMRP8(シ ステムB)の何れかと複合体を形成する抗体の能力は、ELISAまたはフロー サイトメトリーによってアッセイすることができる。30cm×7.5mmTSK− G3000SWサイズ排除HPLCカラム(Supelco)(同じ材料のガードカラ ムを備えている。)を使用し、最終複合体における凝集の量を決定した。 システムAおよびシステムBにおけるL1およびL2は各々独立に、化学結合で あるか、または結合基の残基である。1つの態様では、ここで使用される「結合 基の残基」の語句は、タンパク反応性基とタンパク上の反応性部位との反応で残 った部分、生じた部分、または誘導された部分をいう。ここで使用される「タン パク反応性基」の語句は、タンパクで典型的に見出される官能基と反応しうる何 れかの基をいう。しかし、このようなタンパク反応性基は、関連したタンパク以 外の分子で典型的に見出される官能基とも反応する。従って、1つの態様では、 本発明の実施に有効な結合基L1およびL2は、このような関連した分子がタンパ クであるか否か に関わらず反応性基を含有する上記の関連分子「Z]若しくは「Rec」の何れ かと反応し、結合基を形成しうるこれらの基から誘導される。1つの態様では、 このように形成された好ましい結合基は、システムAにおいて、NRTIRでは 免疫反応性基「Z」およびH1受容体含有種「Rec」(例えばMRP14)と の間に結合基L1を含み、システムBにおいて、NRTIRでは免疫反応性基「 Z」およびH2リガンド種(例えばMRP8)の間に結合基L1を含み、システ ムBのRDAにおいては、「Rec」におけるH1受容体含有種(例えばMRP 14)とキレート基の残基「Q」との間に結合基L2を含み、更にシステムAの RDAにおいては、H2受容体含有種(例えばMRP8)とキレート基の残基「 Q」との間に結合基L2を含んでいる。 好ましい結合基は以下から選択されるタンパク反応性基から誘導されるが、こ れらに限定されない。 (1)タンパクまたは生物学的分子上のアミン、アルコール、またはスルフヒド リル基と直接反応できる基であって、前記タンパクまたは生物学的分子が、免疫 反応性基、例えばハロゲン含有基(これには例えば、クロロメチルフェニル基お よびクロロアセチル[ClCH2(C=O)−]基が含まれる)、2−クロロエ チルスルホニルおよび2−クロロエチルカルボニルのような活性化された2−( 脱離基置換された)−エチルスルホニルおよびエチルカルボニル基;ビニルスル ホニル;ビニルカルボニル;エポキシ;イソシアナト;イソチオ シアナト;アルデヒド;アジリジン;スクシンイミドオキシカルボニル;カルボ ン酸ハライドのような化性化されたアシル基;混合酸無水物等;並びに従来の写 真用のゼラチン硬化剤に使用しうる公知の他の基を含むもの; (2)修飾されたタンパクまたは免疫反応性基を含有する生物学的分子、即ち上 記(1)で説明したような反応性基を含有するように、例えばアルデヒド若しく はカルボン酸へタンパクを酸化することによって、修飾された免疫反応性基を含 有するタンパクまたは生物学的分子と容易に反応できる基。この場合に、「結合 基」は、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヒドラジノ、アルキルヒド ラジノ、アリールヒドラジノ、カルバジド、セミカルバジド、チオカルバジド、 チオセミカルバジド、スルフヒドリル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリ ルアリール、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシアルキルおよびカルボキシア リールから選択されるタンパク反応性基から選択されうる。前記結合基のアルキ ル部分は、1から約20の炭素原子を含有しうる。前記結合基のアリール部分は 、約6から約20の炭素原子を含有しうる。 (3)免疫反応性基を含有するタンパク若しくは生物学的分子、または上記(1 )および(2)に記載されたような修飾されたタンパクに、交差結合剤を用いる ことによって結合することができる基。例えば、同種二感応 性(homobifunctional)および異種二感応性ゼラチン硬化剤、ビスエポキシド、 およびビスイソシアネートのような幾つかの有効な交差結合剤の残基は、該交差 結合反応の間にタンパク−(オリゴヌクレオチドを含有した種)複合体の一部、 即ち該複合体中の結合基となりうる。しかし、他の有用な交差結合剤は、例えば 消費されうる触媒として交差結合を促進し得、最終複合体には存在しない。この ような交差結合剤の例には、米国特許第4,421,847に開示されたカルボ ジイミドおよびカルバモイルオニウム交差結合剤、並びに米国特許第4,877 ,724のエーテルがある。これらの交差結合剤では、免疫反応性基のように、 反応剤の1つは、カルボキシル基を有していなければならず、その他のものは、 オリゴヌクレオチド含有種のように、反応性のアミン、アルコール、またはスル フヒドリル基を有していなければならない。アミド結合の形成において、交差結 合剤は、最初にカルボキシル基と選択的に反応し、次いで、アミンとこのように 「活性化された」カルボキシル基との反応の間に開裂除去され、タンパクとオリ ゴヌクレオチド含有種との間にアミド結合を形成し、これによって2つの部分が 共有結合的に結合される。このアプローチの利点は、同じような分子、例えばタ ンパクとタンパクまたはオリゴヌクレオチド含有種同士の交差結合を防げること である。これに対して、例えば同種二感応性交差結合 剤の反応は非選択的であり、望まない交差反応をした分子が得られる。 好ましい、有用な結合基は、Pierce Chemical Company Immunotechnology Catalog - Protein Modification Section,(1991および1992)に示され ているような種々の異種二感応性交差結合反応剤から誘導される。 有効なこのような反応剤の例には、以下のようなものが含まれるが、これに限 定されない。 スルホ−SMCC スルホスクシンイミジル 4−(N− マレイミドメチル)シクロヘキサン− 1−カルボキシレート スルホ−SIAB スルホスクシンイミジル (4−ヨー ドアセチル)アミノベンゾエート スルホ−SMPB スルホスクシンイミジル 4−(p− マレイミドフェニル)ブチレート 2−IT 2−イミノチオラン SATA N−スクシンイミジル S−アセチル チオアセテート 先の説明に加えて、結合基はまた、全体でもまたは部分的にもヌクレオチドお よびヌクレオチド残基(両方とも天然に存在し、修飾された非自己会合性のオリ ゴヌクレオチド配列である)の相補的な配列よりなり、これらから誘導されうる 。本発明のオリゴヌクレオチド配列への、アミンおよびスルフヒドリルのような 反応性の官能基を含有する修飾されたヌク レオチド部分の取込に対して特に有用な試薬(これは特に制限されたない)は、 例えばClonetech LaboratoriesInc.(Palo Alto California)から商業的に 入手可能であり、これらの試薬には、単結合アミノ修飾剤(Uni-LinkAminoModif ier)(カタログ#5190)、ビオチン−オンホスホルアミダイト(Biotin-ON Phosph-oramidite)(カタログ#5191)、N−MNT−C6−アミノ修飾 剤(N-MNT-C6 AminoModifier)(カタログ#5202)、アミノ修飾剤II(Ami noModifier)(カタログ#5203)、DMT−C6−3’−アミン−オン(DT M-C6-3'-Amine-ON)(カタログ#5222)、C6−チオール修飾剤(C6-Thiol Mo-difier)(カタログ#5211)等が含まれる。一側面においては、本発明 の結合基は、上記のClontechの試薬として利用できるアミンまたはスルフヒドリ ル基のような反応性の官能基から誘導される。これらのうちの1以上は、例えば 上記の異種二感応性タンパク反応性基のような先に説明したタンパク反応性基の 1以上と共に、上記のClontechの試薬の1つを用いた合成を経て本発明のオリゴ ヌクレオチド配列に組み込まれ、これらの1以上は、例えば本発明の免疫反応剤 またはシステムAで開示されたMRP14部分若しくは本発明のシステムBで開 示されたMRP8部分に取り込まれる。システムAのNRTIRにおいて、一対 の2つの相補的オリゴヌクレオチド配列の1つの配列が、1つの構成要素に結合 し、この相補的な配列が、複合体の他の構成要素に結合する。例えば、1つの配 列が免疫反応剤に結合し、該相 補的オリゴヌクレオチド配列がMRP14を含有する部分に結合される。2つの 構成要素を混合する場合には、2つの相補的なオリゴヌクレオチド配列の間で形 成されたハイブリッドが、免疫反応剤とMRP14を含有する部分との間に結合 基を具備する。 システムBのRDAにおいて、相補的なオリゴヌクレオチド配列は、複合体の 2つの構成要素、即ち1以上のキレート剤よりなる残基の1つの配列とMRP1 4を含有する部分に対する相補的なオリゴヌクレオチド配列に別々に結合される 。2つの構成要素を混合する場合には、2つの相補的なオリゴヌクレオチド配列 の間で形成されたハイブリッドが、MRP14を含有する部分と1以上のキレー ト剤を具備した構成要素との間に結合基を具備する。 システムBでは、1以上のオリゴヌクレオチドであって、各々が2以上のオリ ゴヌクレオチドユニットを包含し、各々のユニットがタンデムに、および任意に スペース基(spacing groups)を伴って結合された同じオリゴヌクレオチド配 列のコピーを含むものは、1つのMRP14を含有する部分に共有結合的に結合 しうる。上記のコピー配列に相補的であり、1以上のキレート剤よりなる副配列 (sub-sequence)を含むオリゴヌクレオチド配列は、次に上記MRP14を含有 する部分に加えられる。次に、相補的なオリゴヌクレオチド副配列の一部の間で 形成される多数のハイブリッド(multiple hybride)は、MRP14を含有す る部分と多数のキレート剤との間に結合基を包含する。 同様に、システムBのNRTIRでは、MRP14と結合した1以上のMRP 8を含有する部分の残基が上記のように相補的なオリゴヌクレオチドのハイブリ ッドを用いて免疫反応性基に結合されうる。システムAのNRTIRでは、多数 のMRP14を含む部分が、同じようにして免疫反応性タンパクに結合されうる 。 システムAのRDAにおいて、MRP8を含む部分は、上記のような相補的オ リゴヌクレオチドのハイブリッドを用いて多数のキレート剤に結合されうる。 システムAおよびシステムBにおいてQは、キレート基の残基である。本発明 のキレート基は、これらと結合しうる放射性同位体を有する1以上の広範囲のキ レート剤を包含しうる。よく知られているように、キレート剤は、金属と配位結 合することによって結合し、キレーションコンプレックス(chelation complex )またはキレートと呼ばれる環状構造を形成することができる供与原子を含有す る。これに分類される化合物は、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical T echnology,vol.5,339-368に開示されている。 適切なキレート剤の残基は、以下のものから独立に選択される:トリポリリン 酸ナトリウムおよびヘキサメタリン酸のようなポリホスフェート;エチレンジア ミンテトラ酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレン−ジアミントリ酢酸、 ニトリロトリ酢酸、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)グリシン、エチレンビ ス(ヒドロキシフェニルグリシン)およ びジエチレントリアミンペンタ酢酸のようなアミノカルボン酸;アセチルアセト ン、トリフルオロアセチルアセトン、およびチエノイルトリフルオロアセトンの ような1,3−ジケトン;酒石酸、クエン酸、グルコン酸および5−スルホサリ チル酸のようなヒドロキシカルボン酸;エチレンジアミン、ジエチレントリアミ ン、トリエチレンテトラミン、およびトリアミノトリエチルアミンのようなポリ アミン;トリエタノールアミンおよびN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジ アミンのようなアミノアルコール;2,2’−ジピリジル、2,2’−ジイミダ ゾール、ジピコリンアミンおよび1,10−フェナントロリンのような芳香族複 素環塩基;サリチルアルデヒドおよびジスルホピロカテコールおよびクロモトロ ープ酸のようなフェノール;8−ヒドロキシキノリンおよびオキシムスルホン酸 のようなアミノフェノール;ジメチルグリオキシムおよびサリチルアルドキシム のようなオキシム;ポリシステイン、ポリヒスチジン、ポリアスパラギン酸、ポ リグルタミン酸、またはこのようなアミノ酸の組合せのような基部にキレートす る機能性を有するペプチド;ジサリチルアルデヒド 1,2−プロピレンジイミ ンのようなシッフ塩基;テトラフェニルポルフィリンおよびフタロシアニンのよ うなテトラピロール;トルエンジチオール、メソ−2,3−ジメルカプト琥珀酸 、ジメルカプトプロパノール、チオグリコール酸、カリウムエチルキサンテート 、ナトリウムジエチルジチオカルバメート、ジチゾン、ジエチルジチオリン酸、 およびチオ尿素のような硫黄化合物;ジベンゾ[18]クラ ウン−6、(CH36−[14]−4,11−ジエンN4、および(2.2.2 −クリプテート)のような大員環化合物;並びにニトリロトリメチレン−ホスホ ン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、およびヒドロキシエチ リデンジホスホン酸のようなホスホン酸、または上記試薬の2以上の組合せ。 キレート剤の好ましい残基には、ポリカルボン酸基が含有され、エチレンジア ミン−N,N,N’,N’−四酢酸(EDTA);N,N,N’,N”,N”− ジエチレン−トリアミン五酢酸(DTPA);1,4,7,10−テトラアザシ クロドデカン−N,N’,N”,N”−四酢酸(DOTA);1,4,7,10 −テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”−三酢酸(DO3A);1−オキ サ−4,7−10−トリアザシクロドデカン−N,N’,N”−三酢酸(OTT A);トランス(1,2)−シクロヘキサノジエチレントリアミン五酢酸(CD TPA)が含まれる。 キレート剤の好ましい残基は、ポリカルボン酸基を含有する。キレート剤の好 ましい残基には、B4A、P4A、TMT、DCDTPA、PheMT、マクロ PheMT、およびマクロTMTが含まれる; 一側面では、キレート剤の他の適切な残基は、米国特許第5,078,985 に開示されている(この開示は参照文献として本明細書に含まれる。)テクネチ ウムおよびレニウムのような金属をキレートするために修飾されたタンパクより 成る。 他の側面では、キレート剤の適切な残基は、例えば米国特許第4,444,6 90;4,670,545;4,673, 562;4,897,255;4,965,392;4,980,147;4, 988,496;5,021,556および5,075,099に開示されてい るような化合物を含有するN3SおよびN22から誘導される。 キレート剤の他の適切な残基は、PCT/US91/08253に開示されて いる。この開示は参照文献として本明細書に含まれる。Qが多数のキレート剤の 残基より成る場合、このようなキレート剤は上記のような1以上の結合基によっ てお互いに結合されうる。 キレート剤Qの残基は、化学結合または上記のL2のような結合基を介して本 発明の他の構成要素に独立に結合される。好ましい結合基には以下のものが含ま れる:アミノ、イミド、ニトリロ、およびイミノ基のような、基内の窒素原子; メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンおよびヘキシレンのような、好まし くは1から18の炭素を含有するアルキレンであって、このようなアルキレンが 、酸素、窒素および硫黄のような1以上のヘテロ原子またはヘテロ原子を含有す る基を任意に骨格内に有する(interrupt)もの;カルボニル;スルホニル;ス ルフィニル;エーテル;チオエーテル;エステル、即ちカルボニルオキシおよび オキシカルボニル;チオエステル、即ちカルボニルチオ、チオカルボニル、チオ カルボニルオキシ、およびオキシチオカルボニル;アミド、即ちイミノカルボニ ルおよびカルボニルイミノ;チオアミド、即ちイミノチオカルボニルおよびチオ カルボニルイミノ;チオ;ジチオ;ホスフェート;ホスホネート;ウリレン (urelene);チオウリレン(thiourelene);ウレタン、即ちイミノカルボニル オキシ、およびオキシカルボニルイミノ;チオウレタン、即ちイミノチオカルボ ミルオキシおよびオキシチオカルボニルイミノ;アミノ酸結合、即ち以下の基、 但し、k=1であり、X1、X2、X3は独立にH、1から18、好ましくは 1から6の炭素原子を含有するアルキル(例えばメチル、エチル、およびプロピ ル)であって、該アルキルが任意に1以上のヘテロ原子(例えば酸素、窒素およ び硫黄)を骨格内に含むもの、6から18、好ましくは6から10の炭素原子を 有する置換若しくは無置換アルキルアリール(例えば、フェニル、ヒドロキシヨ ードフェニル、ヒドロキシフェニル、フルオロフェニルおよびナフチル)、好ま しくは7から12の炭素原子を含有するアラルキル(例えばベンジル)、好まし くは5から7の核炭素およびS、N、PまたはOのような1以上のヘテロ原子を 含有するヘテロ環基(heterocyclyl)(好ましい該ヘテロ環基の例はピリジル、 キノリル、イミダゾリル、およびチエニル);ヘテロ環アルキル(heterocyclyl alkyl)であって、該ヘテロ環およびアルキル部分は好ましくは先に説明したも のであ る; またはペプチド結合、即ち以下の基、 但し、k>1であり、各Xは、独立に上記のX1、X2、X3で説明した基を 表す。例えば、アルキレンイミノおよびイミノアルキレンのような2以上の結合 基を使用しうる。上記L1またはL2に対して先に説明した、タンパクの異種二感 応性および同種二感応性複合体形成(conjugation)の化学および交差結合化学 で一般に使用される結合基のような他の結合基が、ここでの使用に適しているこ とが予期できる。 特に好ましい結合基には、キレート剤上のイソチオシアネート基を介してキレ ート剤の残基に結合されたときにチオ尿素基を形成するアミノ基が含まれる。 該結合基は、キレート剤Qおよび本発明の他の構成要素との間のカップリング 反応で妨害されない種々の置換基を含有しうる。該結合基には、他の場合では、 このような反応で妨害される得るが、該カップリング反応の間に、当分野で一般 に知られた適切な保護基を用いてそのような妨害から該置換基が護られ、カップ リング反応の後に適切な脱保護によって該置換基が再生されるものが包含される 。該結合基はまた、カップリング反応の後に導入される置換基を含む。例えば、 該結合基は、ハロゲン(例えばF、Cl、Br、またはI) のような置換基;エステル基;アミノ基;好ましくは1から約18、より好まし くは1から4の炭素原子を含有するアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピ ル、i−プロピル、ブチル等);好ましくは6から約20より好ましくは6から 10の炭素原子を含有する置換または無置換アリール(例えば、フェニル、ナフ チル、ヒドロキシフェニル、ヨードフェニル、ヒドロキシヨードフェニル、フル オロフェニルおよびメトキシフェニル;好ましくは7から約12の炭素原子を含 有する置換若しくは無置換アラルキル(例えば、ベンジルおよびフェニルエチル );アルコキシであって、アルキル部分が、好ましくは上記アルキルで説明した ような1から18の炭素原子を含有するもの;エトキシベンジルのようなアルコ キシアラルキル;好ましくは5から7の核炭素およびS、N、P若しくはOのよ うなヘテロ原子を含有する置換若しくは無置換ヘテロ環(heterocyclyl)(好ま しいヘテロ環基は、ピリジル、キノリル、イミダゾリルおよびチエニルである) ;カルボキシル基;カルボキシアルキル基であって、好ましくは、該基のアルキ ル部分が1から8の炭素原子を含有するもの;またはキレート基の残基でありう る。 1つの態様では、多数のキレート基QはシステムAにおいて、構造1で表され る形態の試薬を用いてMRP8に(またシステムBではMRP14に)結合され 得る。 但し、Lは先に定義したようにタンパク反応性基の残基であって、好ましくは Lはアミド基の残基、化学結合、アミノ酸残基、または1以上のヒドロキシル基 で置換されうるアリーレン基よりなる結合基であるものである;Aはアルキレン 基、ポリアルキレンオキシジル基、アミノ酸残基、またはヘテロ原子(例えば、 1以上の水酸基、カルボン酸基若しくはこれらの塩、アミド基、エーテル基の形 態での酸素、チオエーテル、スルホン、スルホキシド若しくはスルホネートの形 態での硫黄、アミノ基、アミド基若しくはジアゾ結合の形態での窒素、ホスフェ ートの形態でのリン)を含有するペンダントな置換基を含有する基である;Bは Aから選択されるが、上記のキレート剤Qによってこれらに結合される1以上の 放射性核種を含むように修飾される。該基レート剤は、TMT基若しくはDTP A基、マクロサイクルのキレート基、硫黄原子を含有するキレート基、窒素原子 を含有するキレート基、ピリジン環を含有するキレート基、カルボキシレート若 しくはホスフェート基を含有するキレート基であるがこれらに限定されない;W は、H、アルキル、 アラルキル、アルキレン、カルボン酸基、アミノ基、アミド基、アリール基、ヒ ドロキシル基、構造(1)の構成要素に共有結合的に結合しうる原子(例えばヨ ード基の形態におけるヨウ素等)の、治療に効果的で且つ診断に効果的な放射性 同位体[キレート基を介して構造(1)の構成要素に結合できるイオンの、治療 に効果的で且つ診断に効果的な放射性同位体とは明確に区別される。]、治療に 効果的で且つ診断に効果的な放射性同位体を含有するキレート基から選択される ;Mは、イットリウム、イリジウム、レニウム、銅、スカンジウム、ビスマス、 鉛、ロウチカム(leuticum)等のような金属イオンである。aはゼロまたは1か ら約100までの整数である;b、q、およびfは独立に1から約100までの 整数である。 システムAのRDAにおいて、結合基の好ましい非制限的な例には、硫黄で保 護された直鎖ペプチドH2N-[D-(S-t-ブチル)-Cys]=Ala-Ala-Ala-Ala-Lys-Lys -OHの残基、並びに硫黄で保護された直鎖ペプチドH2N-[L-(S-t-ブチル)-Cys ]=Ala-Ala-Ala-Ala-Lys-Lys-OHの残基が含まれる。これは両方とも独立に、製 造元で提供された使用説明書を用いて、ABI430A自動ペプチド合成機によ って固相方法で合成した。 直鎖ペプチドH2N-[D-(S-t-ブチル)-Cys]=Ala-Ala-Ala-Ala-Lys-Lys-OHは 、ABI430A自動ペプチド合成機によって固相方法で合成した。合成に有用 な固体支持体 は、4−アルコキシベンジルアルコールポリスチレン樹脂(Wang樹脂)である。 N−アルファ−Fmoc保護基を、D−CysのS−トリチル側鎖保護基、およ びLysの側鎖のt−Boc保護と共に合成の全体で使用した。ペプチド鎖は、 Fmocの化学のためのABIのFastMocTMソフトウェアープロトコール (2.5mmolスケール、HBTU活性化カップリング、4倍過剰のアミノ酸、1 時間)を用いて組み立てることができる。これらのペプチドのリジン基のエプシ ロンアミンは、キレート基のタンパク反応性基、例えばTMT−NCSと反応さ れ、各リジン基にチオ尿素結合基を形成する。硫黄上の4−ブチル保護基は、酸 で除去され、次に、このように製造されたSH基を含有するペプチドは、MRP 8に対してはスルフヒドリル基を用いて、および先に開示されたマレイミド異種 二官能性の化学を用いて複合体を形成させる。このように調製された複合体は次 に、90+3Cl3のような放射性核種のアセテートバッファー溶液にさらし、R DAを形成させる。 システムBにおける輸送剤(RDA)は、同様の方法で結合基を介して1以上 のキレート基に複合体形成されたMRP14部分より構成される。 追加のキレート剤およびキレート剤に結合された放射性核種を、例えば、追加 のLys−TMTおよびLys−TMT−放射性核種の基よりなる類似のペプチ ドを調製することによって含めることができる。好ましくは、このようなLys −TMTおよびLys−TMT−放射性核種の残基の数は、 1から約6、より好ましくは2から約6である。 システムBでは、NRTIRは、例えばMRP8のような1以上のリガンドで あって、各々がMRP14に結合するための親和性を有するものより構成される 。このような各々のMRP8は、結合基(L1)によって上記の免疫反応性基( Z)と複合体を形成する。該NRTIRは、好ましくは1から約10、より好ま しくは2から約4のこのようなリガンドを含有する。 一態様では、システムAおよびシステムBの両方で、放射性核種が金属イオン であること、およびキレート剤を含む部分の水溶液と、好ましくは約4から約1 1の範囲のpHを有する金属塩の水溶液とを単にさらすかまたは混合することに よって、前記金属イオンがキレート剤と容易に錯体を形成し、RDAを形成する ことが望まれる。塩はいずれの塩であってもよいが、好ましくは、該塩はハロゲ ン塩のような水溶性の金属の塩であり、より好ましくは、このような塩は、金属 イオンのRDAのキレート剤との結合を妨害しないように選択される。金属イオ ンとのキレートの形成において、該基レート剤を含有する部分は、水溶液中で好 ましくは約4から約9の間のpH、より好ましくは5から8の間のpHである。 該基レート剤を含有する部分は、最適のpHとなるようにクエン酸塩、酢酸塩、 リン酸塩、ホウ酸塩のようなバッファーと混合されうる。好ましくは前記バッフ ァー塩は、金属イオンのキレート剤への引き続きの結合を妨害しないように選択 される。 治療的な応用において、本発明のRDAは、好ましくは、このような治療的な 応用に効果的な、金属放射性核種イオンとキレート剤の比を含む。好ましい態様 では、キレート剤当たりの金属イオンのモル比は、約1:100から約1:1で ある。 診断用イメージングに適用する場合には、本発明のRDAは、好ましくはこの ような診断用のイメージングへの応用に効果的な、キレート剤に対する金属放射 性核種イオンの比を含む。好ましい態様では、キレート剤当たりの金属イオンの モル比は、約1:1,000から約1:1である。 好ましい態様では、本発明のRDAは、金属イオンの非放射性同位体を包含す る。該金属イオンは、IIAからVIA族の元素から選択されるが、これらに限定さ れない。好ましい金属には、原子番号12、13、20の金属、遷移金属21〜 33、38〜52、56、72〜84および88、並びにランタニド系列の金属 (原子番号57〜71)が含まれる。 他の態様では、本発明のRDAは放射性核種を具備しうる。放射性核種は例え ば、例えばSc,Fe,Pb,Ga,Y,Bi,Mn,Cu,Cr,Zn,Ge ,Mo,Tc,Ru,In,Sn,Sr,Sm,Lu,Sb,W,Re,Po, TaおよびTlの放射性同位体から選択される。好ましい放射性核種には、44S c,64Cu,67Cu,111In,212Pb,63Ga,87Y,90Y,158Sm,212B i,99mTc,177Lu,186Reおよび188Reが含まれる。 もちろん特に好ましいものは90Yである。これらの放射 性同位体は、原子または好ましくはイオンである。 さらに他の態様では、本発明のRDAは、診断に効果的な量の放射性核種、お よび治療に効果的な量の第二の放射性核種を含有しうる。好ましくは、診断に効 果的な放射性核種は、131Iのようなヨウ素の放射性同位体であり、治療に効果 的な同位体は、Y,Sc,Cu,Pb,Ga,BiおよびReの放射性同位体で ある。 更なる態様では、本発明のRDAは、蛍光金属イオンを包含する。蛍光金属イ オンは、原子番号57から71の金属から選択されるが、これらの限定されない 。以下の金属のイオンが好ましい:La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu ,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,およびLu。特にEuが好まし い。 更なる態様では、本発明のRDAは、MRIへの応用に使用するために適切な 1以上の常磁性の元素を包含しうる。常磁性の元素は、原子番号21から29、 43、44および57から71の元素から選択される。以下の元素が好ましい: Cr,V,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,La,Ce,Pr,Nd,Pm,S m,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLu。Mn,Gd ,およびDyが特に好ましい。 異種二量体タンパク(H1およびH2)のサブユニットタンパクを説明したシ ステムAおよびシステムBにおいて、受容体サブユニットおよびリガンドサブユ ニットの同一性(identity)は内部交換しうる。好ましいリガンドサブユ ニットはMRP8であり、好ましい受容体サブユニットはMRP14であるが、 他の受容体/リガンド対をここで考慮に入れることができる。これらは以下に説 明されるが、これらに限定されない。 MRP14およびMRP8(p14およびp8としても知られており、嚢胞性 繊維症抗原としても知られ、L1重鎖およびL1軽鎖としても知られる); T細胞受容体のアルファ鎖およびベータ鎖; T細胞受容体のデルタ鎖およびガンマ鎖; サイトカインIL−2のタンパク; ナチュラルキラー細胞剌激因子; チトクロームb558; シグナル認識粒子; リガンジン; チャペローンタンパク; プンタトロウイルス; ヘパトポエチンAおよびB; ヒト血小板由来成長化因子; リポコルチンII; 以下の酵素の異種二量体タンパク: グルタチオン S−トランスフェラーゼ; 逆転写酵素; ルシフェラーゼ; クレアチンキナーゼ; ホスホグリセリン酸ムターゼ;および ガンマ−グルタミルトランスペプチダーゼ。 本発明で有用性を有するRDAの構造の例は構造2によって表される。 但し、MRPは、システムAではリガンド、MRP8の残基、またはシステム Bでは受容体MRP14の残基の1つを包含する。R’およびR”は各々独立に 、グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、リジン、イソロイシン、グルタミン 、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、スレオニン、バリン、フェニルア ラニン、チロシン等のような天然アミノ酸および天然アミノ酸の非天 然ラセミ化合物を包含したアミノ酸の構成要素から、並びにH、72から500 0ダルトンの分子量を有するポリアルキレンオキシジル基、および2から10の 炭素原子を包含したアルキルユニット、2から20の上記アミノ酸よりなる分岐 ペプチド基から選択され、更に1から10の追加の放射性基を含有しうるもので ある; m1、m2、およびm3は各々独立に、ゼロおよび1から10の間の整数( 但し、m2は少なくとも1である)、好ましくは2から約5から選択される;お よび Wは、OH、NH2、基、好ましくは90+3のような放射性金属イオンに キレートされたTMTのようなキレート剤の残基、アルキル基が1から10の炭 素原子(例えばO−メチル基)を含有するO−アルキル基、およびNRabであ って、RaおよびRbがメチル基のような1から10の炭素原子のアルキル基、H 、ヒドロキシルエチル基および−PEG−OHおよび−PEG−O−アルキル( 例えば−PEG−OCH3)(但し、アルキルは先に定義したとおりであり、P EGは72から5,000ダルトンの平均分子量を有するポリ(エチレンオキシ ジル)である)のようなポリ(アルキレンオキシジル)基から独立に選択される ものから選択される。 本発明で有効性のあるRDAの構造の他の例は、以下の構造3である。 但し、MRPは、システムAではリガンド(MRP8)の残基、またはシ ステムBでは受容体(MRP14)の残基の1つを包含する。R’およびR”は 各々独立に、例えば、グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、リジン、イソロ イシン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、スレオニン、 バリン、フェニルアラニン、チロシン等のような天然アミノ酸および非天然アミ ノ酸または天然アミノ酸のラセミ混合物を包含したアミノ酸の構成要素から、並 びにH、上記ポリ(アルキレンオキシジル)基、および上述のように1から10 の追加の放射性基を含有しうる分岐ペプチド基である; m4、m5、およびm6は独立に、ゼロおよび1から10の間の整数(但し 、m5は少なくとも1である)、好ましくは2から約5から選択される;および Wは、OH、NH2、上述の放射性基の残基、上述のようなO−アルキル 基、およびNRabであって、RaおよびRbが上述のようなアルキル基、H、− PEG−OHおよび−PEG−O−アルキル(例えば−PEG−OCH3)(但 し、PEGは先に定義したとおりである)のようなポリアルキレンオキシジル基 から独立に選択されるものから選択され、およびm7は1から約12の整数であ る。 好ましい態様では、上述のようなシステムAまたはシステムBのRDAの薬学 的に許容しうる媒体中における効果的な投与量は、放射性金属イオン源にRDA の前駆体の組成物(前記前駆体は、システムAにおいては、MRP8の残基、結 合基、およびキレート剤の残基よりなり、システムBにおいては、MRP14の 残基、結合基、およびキレート剤の残基である。)にさらすことによって調製さ れる。この場合において、前記放射性核種金属イオンのモル量は、RDAを含有 するキレート基のモル量よりも少なく、このような暴露の継続は、前記RDAへ の前記金属イオンの取り込みが達成されるような効果的な時間継続される。 好ましい態様では、上述のようなシステムAまたはシステムBのNRTIRの 薬学的に許容しうる媒体中における効果的な投与量は患者に投与され、前記NR TIRが前記患者の 腫瘍部位のような標的部位に蓄積させる。引き続き、効果的なときに、薬学的に 許容しうる媒体中の上記効果的な量のRDAを前記患者に投与し、前記RDAを 標的部位に蓄積させる。前記標的部位には、前記患者内の前記腫瘍部位で蓄積さ れたNRTIRが存在する。 好ましい態様では、薬学敵に許容しうる媒体中の、治療に効果的な投与量の上 記システムAまたはシステムBのNRTIRを患者または患者から得た組織に投 与し、前記NRTIRを前記患者の腫瘍部位のような標的部位に蓄積させる。引 き続き、1から14日間の治療に効果的な時間で薬学的に許容しうる媒体中の、 治療に効果的な投与量の上記RDAを、上記患者または上記患者から得た組織に 投与し、標的部位で上記RDAを蓄積させる。ここで、前記標的部位には、前記 患者の前記腫瘍部位で蓄積されたNRTIRが存在する。 本発明の他の態様では、薬学的に許容しうる製剤内において治療に効果的な放 射性同位体を含有するRDAと組み合わせて診断に効果的な放射性同位体を含有 するRDAの混合物が特に考慮される。例えば、90+3のような放射性核種を含 有する治療に効果的な投与量のRDAを、87+3のような放射性核種を含有する 診断用イメージングに効果的な投与量のRDAと供に使用することによって(こ の場合、治療に効果的な放射性核種イオンのモル濃度と診断に効果的な放射性核 種イオンのモル濃度の比は、1から10,000、好ましくは1から1,000 である。)、前記患者の治療処置の間にホスト患者の細胞の少なくとも一部を同 時に診断用にイ メージングすることが可能となる。 本発明の他の態様では、ヨウ素の放射性同位体の使用が特に考慮される。例え ば、システムAまたはシステムBのRDAが、共有結合を形成する反応でヨウ素 によって化学的に置換されうる置換基、例えばヒドロキシフェニル官能基(func tionality)を含有する置換基より構成される場合は、このような置換基は、当 分野で周知の方法によってヨウ素の放射性同位体で標識されうる。このように共 有結合で結合されたヨウ素種は、上記の方法で、治療および診断用イメージング への応用に使用されうる。 本発明はまた、非経口的注入のため、固体若しくは液体形態での経口投与のた め、直腸若しくは局所投与等のための、1以上の無毒で薬学的に許容しうる担体 、アジュバントまたはビヒクル(vehicles)(ここではまとめで担体と呼ぶ。) と供に組成物中に製剤化される上記1以上のNRTIRを包含する。本発明はま た、非経口的注入のため、固体若しくは液体形態での経口投与のため、直腸若し くは局所投与等のための、1以上の無毒で薬学的に許容しうる担体、アジュバン トまたはビヒクル(vehicles)(ここではまとめで担体と呼ぶ。)と供に組成物 中に製剤化される上記1以上のRDAを包含する。 該組成物は、ヒトおよび動物に、経口的、直腸的、非経口的(静脈内、筋肉内 または皮下的)、槽内的、膣内的、腹腔内的、膀胱内、局所的(粉末、軟膏若し くはドロップ)または舌下錠(buccal)若しくは鼻内噴霧としての何れかで投 与されうる。NRTIRおよびRDAが、経口的、直腸的、非経口的(静脈内、 筋肉内または皮下的)、槽内的、膣内的、腹腔内的、膀胱内、局所的(粉末、軟 膏若しくはドロップ)または舌下錠(buccal)若しくは鼻内噴霧のような幾つか の経路によって投与することができることが特に考慮される。NRTIRは、R DAの経路とは異なった経路で投与することも考慮される。 非経口的な注入に適した組成物は、生理学的に許容しうる無菌の水溶液若しく は非水溶液、分散物、懸濁物若しくはエマルジョン、および無菌の注射しうる溶 液若しくは分散物に再構成できる無菌の粉末を包含する。適切な水性および非水 性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール( プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、これらの 適切な混合物、植物油(例えばオリーブオイルのようなもの)およびオレイン酸 エチルのような注射可能な有機エステルが含まれる。適切な流動性が、例えばレ クチンのようなコーティング剤を使用することによって、分散物の場合には必要 な粒子サイズを保持することによって、更には表面活性剤を使用することによっ て維持されうる。 これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤のようなアジ ュバントも含有しうる。微生物の活性を阻害することは、例えばパラベン、クロ ロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の種々の抗細菌剤および抗菌剤によっ て保証される。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウム等を含有 することも望ましい。注射可能な薬剤的形態の吸収を延ばすことは、吸収を遅ら せる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを使用すること によって行われうる。 経口投与のための固体投与量形態には、カプセル、錠剤、ピル、粉末および顆 粒が含まれる。このような固体投与量形態では、該活性化合物は、クエン酸ナト リウムまたはリン酸ジカルシウムのような少なくとも1種の通常の不活性な賦形 剤(または担体)、または(a)例えば、澱粉、ラクトース、スクロース、グル コース、マンニトール、および珪酸のようなフィラーまたは増量剤、(b)例え ば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート(alignate)、ゼラチン、ポリ ビニルピロリドン、スクロースおよびアカシア(acacia)のような結合剤、(c )例えば、グリセロールのような湿潤薬、(d)例えば、寒天−寒天(agar-aga r)、炭酸カルシウム、ジャガイモ若しくはタピオカ澱粉、アルギン酸、幾つか のシリケートコンプレックス、および炭酸ナトリウムのような崩壊剤、(e)パ ラフィンのような溶液凝固遅延剤、(f)例えば、4級アンモニウム化合物のよ うな吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコール、およびモノステアリン酸グ リセロールのような湿潤剤、(h)例えば、カオリンおよびベントナイトのよう な吸着剤、並びに(i)例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン 酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムのよう な潤滑剤またはこれらの混合物と混合される。 同様のタイプの固体組成物も、ラクトース若しくは乳糖並 びに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を用いて、軟質および硬 質の充填されたゼラチンカプセル内のフィラーとして使用されうる。錠剤、糖衣 錠、カプセル、ピルおよび顆粒のような固体投与量形態は、腸溶剤皮および他の 当分野で周知のもののようなコート剤および外皮(shells)を用いて調製されう る。これらは、混濁剤を含有し得、これらが腸管路の幾つかの部分において遅ら された方法で、活性な1以上の化合物を放出するような組成物でもありうる。使 用されうる包埋組成物の例は、ポリマー材料およびワックスである。 活性化合物はまた、適切であれば、1以上の上記賦形剤を有するマイクロカプ セル化された形態でもありうる。 経口投与のための液体投与量形態は、薬学的に許容しうるエマルジョン、溶液 、懸濁液、シロップおよびエリキシールが含まれる。活性化合物に加えて、液体 投与量形態には、水若しくは他の溶媒のような当分野で一般に使用される無菌の 希釈剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネー ト、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレ ングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、オイル、 特に綿実油、落花生油、コーン胚油(corn germ oil)、オリーブオイル、ひ まし油、およびゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポ リエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの材料 の混合物等のような安定化剤および乳化剤を含有しうる。 このような不活性希釈剤に加えて、組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁 剤、甘味料、香味剤、並びに香料のようなアジュバントを含有しうる。 活性成分に加えて、懸濁物には、例えば、エトキシル化されたイソステアリル アルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結 晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天−寒天お よびトラガガント、またはこれらの物質の混合物等を含有しうる。 直腸投与のための組成物は、好ましくは坐薬である。該坐薬は、本発明の化合 物と、ココアバター、ポリエチレングリコール若しくは坐薬用ワックスのような 適切な非剌激性の賦形剤若しくは担体であって、通常の温度で固体であるが、体 温で液体であるもの、従って直腸または膣口内で溶け、活性成分を放出するもの とを混合することによって調製されうる。 本発明の化合物の局所投与のための投与量形態には、軟膏、粉末、スプレイお よび吸入剤が含まれる。該活性成分は、無菌条件下で、要求されうる生理学的に 許容しうる担体および何れかの防腐剤、バッファー、若しくは噴射剤と混合され る。眼用の製剤、眼の軟膏、粉末および溶液はまた、本発明の範囲内であるとし て考慮される。 本発明の組成物内の活性成分の実際の投与量レベルは、個々の組成物および投 与の方法に対して所望の治療の応答を得るのに効果的な量の活性成分を提供する ように変化しうる。従って、選択される投与量レベルは、所望の治療効果、投与 の経路、所望の治療の継続および他の因子に依存する。 分割された投与量の1回について、ホストに投与される本発明の組成物の1日 当たりの総投与量は、例えば1キログラム体重当たり約1ナノモルから約5マイ クロモルの量でありうる。投与量単位の組成物には、1日の投与量となるように 使用されうるこのような量を複数回に分けた(submultiples)量が含まれる。し かし、任意の個別の患者に対する特別の投与量レベルは、体重、一般的な健康状 態、性別、食事、投与の回数および経路、吸収および排泄の速度、他の薬剤との 組合せ、並びに治療される個々の疾患の重篤度を含む種々の因子に依存すること が理解されるであろう。 他の態様では、本発明は、診断の方法であって、このような診断が必要である 哺乳動物に治療用のイメージングをするのに効果的な量の本発明の組成物を投与 することを具備した方法に向けられる。本発明に従った医療手順に使用するため の治療用のイメージングの方法は、治療用の画像が必要な試験対象の体に治療用 の画像を生成する効果的な量の上記組成物を投与することを具備する。この方法 では、治療用画像を生成する効果的な量の薬剤的に許容しうる媒体内の上記非放 射性ターゲッティング免疫試薬(NRTIR)が患者に投与され、前記非放射性 ターゲッティング免疫試薬が前記患者内の腫瘍部位のような標的部位で蓄積され る。引き続き、薬剤的に許容しうる媒体内の診断用のイメージングに効果的な投 与量の上記放射性ターゲッティング試薬(RDA)を前記患者に投与し、前記放 射性ターゲッティング試薬が該標的部位 (この標的部位は、前記患者内の前記腫瘍部位で蓄積された前記非放射性ターゲ ッティング免疫試薬が存在する。)に蓄積される。次ぎに、画像パターンを視覚 化する。 他の方法として、NRTIRの一部を、診断用イメージングに効果的な量の放 射性核種を包含した試薬と、前記NRTIRの全量をこのような診断用イメージ ングを受ける患者の注目の組織の周囲に投与する前に反応し、NRTIRおよび 該診断に効果的な試薬と反応されるNRTIRの一部において免疫反応性基が注 目の前記組織の細胞上の所定部位に結合される効果的な時間、並びに未結合のN RTIRおよび反応されたNRTIRの未結合の部分が前記組織の周囲から除去 される効果的な時間待ち、次いで、注目の前記組織の全て若しくは一部分の時間 の関数としてイメージを得ることができる。前記注目の組織の全部若しくは一部 のイメージを最適化する場合、診断用イメージングまたは治療に効果のある量の 、上記反応されたNRTIRで使用されたものと同じかまたは異なった放射性核 種を含有するRDAを前記患者の前記注目の組織に投与する。 人患者に加えて、試験対象には、ウサギ、イヌ、ネコ、サル、ヒツジ、ブタ、 ウマ、ウシ科の動物等のような動物種が含まれる。 本発明の組成物の投与の後、対象動物は、投与された組成物が対象全体に分布 し、動物の組織に入り込むのに十分な時間維持される。十分な時間は、一般に約 1時間から約2週間以上、好ましくは約2時間から約1週間である。 以下の例は本発明を更に例示するが、何れの方法においても本明細書およびク レームを制限するものと解釈してはならない。本発明の特別な態様を以下の例で 示す。 例 以下は抗体とMRP14の間の複合体を構成するための例である。これらの例 では、ING−1(キメラIgG1抗体)をこの方法に対して選択した。以下で 参照されるMRP14は、ヒト好中球由来であり、以下に概説されるように精製 される。MRP8は、同様の手順で抗体と複合体を形成しうる。 例1 ヒト好中球からのMRP14およびMRP8の精製 2種類のタンパクMRP14およびMRP8を単離し、分子的にクローニング した(Odink,K.et al.,Nature330:80-82(1987);Lagasse,F.et al., Mol.Cell.Biol.8:2402-2410(1988)。これらの材料の好ましい起源は、使 用の前にこれらの天然の異種二量体コンプレックスから分離することを必要とし ない組換え型のタンパクである。 好中球細胞質からのミリグラム量のMRP14およびMRP8を迅速に濾過す ることで次の精製法を達成した(Edgeworth,J.et al.J.Biol.Chem.266: 7706-7713(1991)。手短には、精製された好中球調製物をデキストランを通し てヒトクエン酸添加血を遠心し、次いでペレット化された細胞をパーコール密度 勾配により分離することによって得た。好中球細胞質は、窒素キャビテーション によって細胞を粉砕し、次いで非連続的なパーコール濃度勾配(1.12約1. 05g/L)上に堆積し得ないフラクションを層状に 積み重ねることによって得た。17,000gで20分遠心した後、細胞質タン パクの最上層を、MonoQカラム上でのアニオン交換タンパククロマトグラフィー およびMonoSカラム上でのカチオン交換クロマトグラフィーにかけた。最終のM RP14/MRP8コンプレックスを、0.5%2−メルカプトエタノールを含 有する9Mの尿素で処理し(Odink et al.同上)、次いで5〜7.5の範囲 のpHで両電解質を用いて分取IEF細胞のためのロート(Roto)にサンプルを 添加することによって異種二量体を構成要素に分離した。MRP14は5.5の plで溶出し、MRP8は6.7のplで溶出した。精製されたサブユニトをP D−10カラム上で迅速に脱塩し、濃縮して、−80℃で保存した。サブユニッ トの精製は、MRP14またはMRP8のいずれかに対する固定されたモノクロ ーナル抗体を含有する2つのCNBrで活性化されたセファロースイムノアフィ ニティカラムの1つを通してチェックした(Teigelkamp,S.,et al.,J.Biol .Chem.266:13462-13467(1991))。精製されたサブユニットを0.1Mグリ シンで溶出し、−80℃で保存する前に迅速にPD−10カラムで脱塩した。 例2 (2a)スルホ−SMCCをもつ抗体マレイミド(ING−1−マレイミド)の 調製 PBS中のスルホ−SMCC溶液(36nモル)を、リン酸緩衝液(pH7) 中のキメラ抗体(ING−1;6nモル) の溶液の試料に加えた。得られた混合物を時折混合しながら室温にて30分間放 置した。反応を60nモルの塩基性トリス緩衝液を用いて停止した。反応混合物 を、リン酸で緩衝された生理食塩水を用いて希釈し、前洗浄したPD−10カラ ムに加え、PBSを用いて溶出し、ING−1−マレイミドを得た。この物質を 使用するまで氷上に保存した。 (2b)メルカプトアルキル抗体の調製 0.1M炭酸塩緩衝液(pH8.8)中のキメラ抗体(ING−1;6nモル )溶液の試料を200nモルの2−イミノチオラン水溶液と混合した。得られた 混合物を時折混合しながら室温にて30分間放置した。反応混合物をリン酸で緩 衝された生理食塩水を用いて希釈し、前洗浄されたPD−10カラムに加え、P BSを用いて溶出し、メルカプトアルキル−ING−1を得た。この物質を使用 するまで氷上に保存した。 (2c)SATAを用いたメルカプト−抗体の調製 60nモルのSATA(DMSO中)を添加しながら6nモルのING−1含 むPBS溶液を撹拌した。混合し、室温で60分間放置した後、反応混合物をP BSを用いて希釈し、PBSを用いてPD−10カラムから溶出し、ING−1 −NH−CO−CH2−S−COCH3を得た。アセチルチオアセチル化された抗 体を、100mMリン酸ナトリウム、25mM EDTA、50mM NH2OHを含 むpH7.5の溶 液を30μl添加することにより脱保護した。室温で2時間反応を進行した後、 該物質をPBSを用いて溶出することにより再度PD−10カラムに通した。最 終生成物ING−1(N)−CO−CH2−SHはすぐに使用した。 (2d)125Iまたは131Iを用いたING−1の放射性標識 ING−1のアリコート(500μg)を125Iモノクロライドまたは131Iモ ノクロライド(約5mCi/mgで)を用いて、ヨードゲン(Iodogen)(ナトリウム N−クロロベンゼンスルホンアミド:Pierce Chemical Co)ビーズの存在下 、500μLの容積の100mMリン酸緩衝液(pH7.2)中で室温において標 識した。15分後、標識された抗体を前洗浄されたNAP−5カラムに通すこと によって反応を停止した。ヨウ素化されたタンパクをPBSで溶出し、使用する まで4℃で保存した。 例3 (3a)SATAを用いたメルカプト−MRP14の調製 500nモルのSATA(DMSO中)を添加しながら50nモルのMRP1 4含むPBS溶液を撹拌した。混合し、室温で60分間放置した後、反応混合物 をPBSを用いて希釈し、PBSを用いてPD−10カラムから溶出し、MRP 14(N)−CO−CH2−S−CO−CH3を得た。アセチルチオアセチル化さ れたMRP14を、100mMリン酸 ナトリウム、25mM EDTA、100mM NH2OHを含むpH7.5の溶液 を25μL添加することにより脱保護した。室温で2時間反応を進行した後、該 物質をPBSを用いて溶出することにより再度PD−10カラムに通した。最終 生成物MRP14(N)−CO−CH2−SHはすぐに使用した。 (3b)メルカプトアルキル−MRP14の調製 MRP14(50nモル)のサンプルを0.1M炭酸炎緩衝液(pH9)に溶 解し、4μモルの2−イミノチオラン水溶液を加えた。反応物を撹拌混合し、1 20時間室温に保持した。反応混合物に4μモルのエタノールアミンを加えるこ とによって反応を停止し、リン酸で緩衝された生理食塩水で希釈した。この反応 混合物を前洗浄したPD−10カラムに加え、PBSで溶出し、MRP14(N H)−C(=NH2+)CH2CH2CH2SHを得た。マレイミドで誘導体化され たING−1との複合体形成に使用するために、生成物をカラムから直接にマレ イミドで誘導体化されたING−1へ溶出した。 (3c)ジチオトレイトールを使用した還元されたMRPの調製 40nモルのMRP14を含有するのPBS溶液を撹拌し、等容積の500mM ジチオトレイトールのPBS溶液を加えた。混合し、60分氷上で放置した後、 反応混合物を、PB Sを用いて前洗浄したPD−10カラムから溶出し、MRP14−SHを得た。 マレイミドで誘導体化された抗体との複合体形成に使用するために、該生成物を マレイミドで誘導体化された抗体の溶液へ直接溶出した。この他の場合として、 最終生成物は、調製の後すぐに使用した。 (3d)スルホ−SMCCを用いるMRP14−マレイミドの調製 PBS中のスルホ−SMCC溶液(300nモル)を、リン酸緩衝液(pH7 )中のMRFP14(50nモル)の溶液の試料に加えた。得られた混合物を時 折混合しながら室温にて30分間放置した。反応を60nモルの塩基性トリス緩 衝液を用いて停止した。反応混合物を、リン酸塩で緩衝された生理食塩水を用い て希釈し、前洗浄したPD−10カラムに加え、PBSを用いて溶出し、MRP 14−マレイミドを得た。この物質を使用するまで氷上に保存した。 (3e)125Iまたは131Iを用いたタンパク若しくはタンパクサブユニットの放 射性標識 MRP14のアリコート(500μg)を、125Iモノクロライドまたは131I モノクロライド(約5mCi/mgで)を用いて、ヨードゲン(Iodogen)(ナトリウ ム N−クロロベンゼンスルホンアミド:Pierce Chemical Co)ビーズの存在 下、500μLの容積の100mMリン酸緩衝液(pH7.2)中で室温において 標識した。15分後、標識され たタンパクを前洗浄されたNAP−5カラムに通すことによって反応を停止した 。ヨウ素化されたMRP14をPBSで溶出し、使用するまで4℃で保存した。 MRP8のアリコート(500μg)を、125Iモノクロライドまたは131Iモ ノクロライド(約5mCi/mgで)を用いて、ヨードゲン(Iodogen)(ナトリウム N−クロロベンゼンスルホンアミド:Pierce Chemical Co)ビーズの存在下 、500μLの容積の100mMリン酸緩衝液(pH7.2)中で室温において標 識した。15分後、標識されたタンパクを前洗浄されたNAP−5カラムに通す ことによって反応を停止した。ヨウ素化されたMRP8をPBSで溶出し、使用 するまで4℃で保存した。 抗体、ING−1のアリコート(500μg)を、125Iモノクロライドまた は131Iモノクロライド(約5mCi/mgで)を用いて、ヨードゲン(Iodogen)(ナ トリウム N−クロロベンゼンスルホンアミド:Pierce Chemical Co)ビーズ の存在下、500μLの容積の100mMリン酸緩衝液(pH7.2)中で室温に おいて標識した。15分後、標識されたタンパクを前洗浄されたNAP−5カラ ムに通すことによって反応を停止した。ヨウ素化されたING−1をPBSで溶 出し、使用するまで4℃で保存した。 例4 TMT−NCSへのMRPの複合体形成 TMT−NCSあるいはそれらの他の適切な誘導体は、MRP14/MRP8 異種二量体のMRP14またはMRP8サブユニットの何れかと複合体を形成で きる。TMTと複合体を形成した各サブユニットは、それぞれの相補的異種二量 体サブユニットに結合する能力を示す。例1で製造されたようなMRP8(約5 .0mg/mLで)はpH7.2において、リン酸塩で緩衝された生理食塩水に透析 される。TMT−NCSへのMRP8の複合体形成は、MRP8溶液のpHが9 .0に達するまで、MRP8に1.0M炭酸塩、150mM塩化ナトリウムバッ フアー、pH9.3をまず加えることによって達成される。次いで、約250μ gのタンパクを含んでいるMRP8溶液の試料を、酸で洗浄した円錐形(conica l)のガラス反応バイアル中にピペットで加えた。TMT−NCS溶液を、10m Lの1.0M炭酸塩、150mM塩化ナトリウムバッファー、pH9.0中に、 4℃において10mg溶解することによって調製した。複合体形成反応は、MRP 8に100μLのTMT−NCS溶液を添加し、MRP8に対し4倍モル過剰( モル:モル)のTMT−NCSを供給することによって開始した。この溶液を手 短に撹拌して反応物を混合し、次いで室温で暗所に4時間、次いで4℃で一夜放 置した。16時間後、50mM酢酸ナトリウムの150mM塩化ナトリウムバッ ファー、pH5.6溶液で予備洗浄され、平衡化されているPD−10クロマト グラフィーカラムに反応混合液を添加することによって、複合体を形成し ていないTMTからMRP8/TMT複合体を分離した。純粋な複合体は同様の バッファー2.5mLを用いカラムから溶出される。 複合体溶液内のMRP8のタンパク濃度は、ウシ免疫グロブリンを標準タンパ クとして用いて、BCAタンパクアッセイ(BioRad)によって決定された。 MRP8の1分子あたりのTMTの数を計算するために、MRP8/TMTを 、TMTの金属結合能の飽和が起こるまで(これは蛍光の放出で決定される。) 塩化ユーロピウムの溶液と反応する。0.05MトリスHClバッファーpH7 .5中において2.5mlのMRP8/TMTのアリコートを、2mlの水晶キ ュベット中にピペットで取り出した。0.05MトリスHClバッファーpH7 .5中で20μM塩化ユーロピウム(塩化ユーロピウム6水和物、アルドリッチ )溶液を調製した。この塩化ユーロピウム溶液のアリコート(50μL)をMR T8/TMTを含んでいるキュベットに添加し、得られた液体を、キュベット中 に置かれた小さな磁気撹拌棒を用いて、10分間室温で磁気撹拌器でゆっくりと 撹拌した。金属−MRT8/TMTコンプレックスの蛍光を、340nmの励起 波長を用いてパーキンエルマーLS50蛍光光度計で決定した(10nmスリッ ト幅)。蛍光の放出を、10nmスリット幅、400ミリ秒の遅延時間で430 nm除去フイルターを用いて618nmでモニターした。上記の方法を繰り返し 、蛍光の読取りを各々の添加の後行った。塩化ユーロピウムのアリコートを、蛍 光強度の増加が前の読取 り値の5%以下になるまで添加した。試験溶液の容量の変化を補正するために、 希釈の補正を各々のモル比で測定された蛍光強度に対して行った。MRP8/T MT複合体上の各々のキレート部位は1つのユーロピウムイオンに結合するため 、およびユーロピウムイオンは蛍光が発生するキレート部位に存在しなければな らないため、この方法により機能的なキレート部位の数を定量化できる。この方 法を使用すると、MRP8の1分子あたりのTMT分子比は1:1から2:1の 範囲である。 例5 抗体へのMRPの複合体形成 以下の手順を例2aからの物質の例3aからの物質への複合体形成に適用した 。 複合体形成のための同様の方法論は、マレイミド基が抗体上、MRP14上ま たはMRP8上にあるか否かに関わりなく、且つ前記タンパクにスルフヒドリル 基を導入するために選択される方法に関わりなく、本発明のタンパク構成要素に 適用れる。複合体形成の間のMRPと抗体モル比は、タンパクと他のものの過剰 な反応を防止するために厳密に一定に維持される。 例3aのMRP14(N)−CO−CH2−SHのサンプル(50nモル)を 例2aに従って調製されたマレイミドの導入されたING−1(5nモル)の溶 液中にPD−10カラムから直接溶出した。手短に混合した後、溶液をセントリ 遠心し濃縮した。次に反応を室温で4時間進行させた。このように形成された抗 体/MRP複合体を新しいセントリコン によって約500μLの容積になるまで該タンパクを濃縮した後、保持物を再度 3.0mLまでPBSで希釈し、遠心によって濃縮した。複合体を形成していない MRP14と他の低分子量物質を濾液へ分離し、抗体/MRP14複合体と複合 体を形成していない抗体を保持物内に残すこの手順を、4回繰り返えすか、また は280nmにおける濾液の分光光度計によるモニターが、更にタンパクを濾過し ないことを示すまで繰り返した。次に、保持物中の物質を、1ミリリットルの溶 液あたり約1.0mgのING−1/MRP14に濃縮し、50mMリン酸ナトリウ ムおよび150mM塩化ナトリウムを含有するバッファー、pH7.2を用いて平 衡化された、2.6×60cmセファクリル5−200サイズ排除カラムにかけ、 このバッファーで溶出した。このカラムは、抗体/MRP14複合体から複合体 を形成していない抗体を分離する。複合体を含む溶出物のフラクション(これは サイズ排除HPLCで決定される。)を貯蔵し、次にセントリコン−3 G−1/MRP14の濃度まで濃縮した。複合体の溶液は、0.22μフィルタ ーを通して無菌で濾過され、使用するまで4℃で保存した。 少量の、125I−標識されたMRP14(例3e)または125 I−標識されたING−1(例3e)の何れか、または125I−標識されたM RP14および131I−標識されたING−1(例3e)の両方を反応混合物に 添加することで、複合体を形成した後に1つのタンパクと他のものの比を計算す ることができる。 例6 放射性標識された(90Y)MRP8/TMTの調製 所定容積の放射活性な塩化イットリウム(0.04M塩酸中における90Y、> 500Ci/mgの特異的活性:Amersham-Mediphysics)に2倍量の0.5M酢酸ナ トリウム、pH6.0を加えることによって緩衝させ、MRP8/TMT(例4 に従って調製した)の0.5M酢酸ナトリウム、pH6.0溶液を室温で加えた 。標識反応を1時間進行させた。次いで標識の効率を1.0μLのサンプルを取 り出し、これをGelman ITLC-SGの細片の原点にスポットして決定した。該細片 を、0.1Mクエン酸ナトリウム、pH6.0を含有するガラスビーカーで、溶 媒の先端が細片の先端までの4分の3に達するまで数分間展開した。次に該細片 を、90Yに最適化され、コンパック386/20eコンピュータで制御されるシ ステム200イメージングスキャナー(Bioscan)に挿入した。このシステムで は、遊離(キレートされていない)の90Yが溶媒の先端に移動し、90Y−標識さ れたMRP8/TMTが原点に残る。添加された90Yの97%以上がMRP8/ TMTによって取り込まれ、所望の90Y−標 識された生成物を形成する。 例7 ING−1−マレイミド−S−MRP複合体 (7a)タンパク濃度 複合体形成反応に使用するためのING−1、MRP14、およびMRP8の 濃度を、ウシ免疫グロブリンを標準タンパクとして使用してBCAタンパクアッ セイ(BioRad)によって決定した。微量の125I−標識または131I−標識された MRP14、MRP8、またはING−1(これらは全て例3eに従って調製し た。)を反応混合物に含めることによって、および該調製物の特異的活性を知る ことによって複合体形成後に、1つのタンパクと他のものの比を計算した。 放射性標識の他の方法として、MRP14またはMRP8を他の材料(例えば 、TMT(例4:90Yまたはユーロピウムの蛍光を使用するため)、またはビオ チン(Pierce)、またはフルオレセインイソチオシアネート(FITC):Pier ce)と複合体を形成し、溶液内に存在するMRP14若しくはMRP8の量、ま たは他のタンパクと複合体を形成したをMRP14若しくはMRP8の量を検出 および定量する。 (7b)フローサイトメトリーによる免疫反応性アッセイ 抗体/MRP14複合体(例えば、例5に従って調製されたING−1/MR P14)を、抗体が集まるヒト腫瘍細胞 株の表面で抗原に結合するこれらの能力に対して試験した。複合体の免疫反応性 は、修飾を受け、MRP14と複合体を形成する前に、抗体の基準調製物とフロ ーサイトメトリーによって比較した。標的HT29細胞(American Type Tiss ue Collection(ATCC)より得られるヒトアデノカルチノーマ細胞株)を、10 %胎児ウシ血清を補充したマッコイの培地を用いて、組織培養フラスコ内で密集 (confluence)するまで育成した。細胞スクレーパーを用いてフラスコ壁をこす ることによって細胞を集めた。多数の別々のフラスコから細胞を集め、ペレット になるまで遠心し、5×105/mLで、0.1%ウシ血清アルブミン(Sigma)お よび0.02%アジ化ナトリウム(フローバッファー)を補充した150mM塩化 ナトリウムバッファーpH7.4(PBS)を用いて氷冷した50mMリン酸ナト リウムの溶液に再懸濁した。細胞をこの同じバッファーで洗浄し、次いでカウン トした。ING−1の貯蔵溶液を無関係な(結合していない)、アイソタイプが 一致した対照抗体(ヒトIgG1)で希釈することによって抗体標準曲線を構築 し、ING−1含量が10%から100%の範囲である多数のサンプルを得た。 標準曲線を、各サンプルが1mL当たり1.0μgのタンパクを含有するようにフ ローバッファー内で作製した。次に、標準曲線からのサンプルとING−1/M RP14の未知サンプルを5×105個のHT29細胞と4℃で1時間インキュ ベートした。未結合の抗体を、最初に細胞をペレットに遠心し(1000×g、 4℃で5分間)、次いで2.0mLのフローバ ッファーに細胞を再懸濁することによって除去した。この手順を更に3回繰り返 し、この後、細胞ペレットを100μLのフローバッファーに再懸濁し、フルオ レセインイソシアネート(FITC)で標識されたヤギ−抗−ヒト抗体を用いて 4℃で1時間インキュベートした。フローバッファ内で更に洗浄した後、細胞ペ レットを100μLのフローバッファーに再懸濁し、これに、ヨウ化プロピジウ ム(Coulter)を加えた。次にサンプルを、Coulter EPICS 753フローサイトメ ータで、フローサイトメトリーによって分析した。フルオレセインイソシアネー トとヨウ化プロピジウム(PI)を、アルゴンレーザーの488nmの発光線を用 いて励起した。アウトプットを光調節モードで500mwにセットした。単一の細 胞を90度および前方の角度の光散乱によって同定した。凝集および細胞破砕物 から単一の細胞を分離するために、これらのパラメーターに分析ウインドウを適 用した。FITCおよびプロピジウムからの蛍光を550nmロングパス2色性フ ィルターで分離し、530nmバンドパスフィルター(FITC)および635n mバンドパスフィルター(PI)を通して集めた。光散乱パラメーターを積算さ れた信号として集め、蛍光を対数積算された信号として集めた。死んだ細胞をP I取り込み陰性細胞に対する分析ウインドウをおくことによって測定から除いた 。試料あたりの平均蛍光を(2500細胞からの平均重量)各々のヒストグラム から計算した。FITCの較正用ビーズを各々の実験で分析し、標準曲線を確立 した。次に、各々の試料に対する平均螢光強度を細胞あ たりの平均FITC等量として表した。免疫反応性は、未知試料の平均蛍光強度 と標準曲線からの値を比較することによって計算される。 (7c)ELISAによるING−1/TMT免疫反応性測定 抗体ING−1が結合する抗原を、細胞スクレーパーで培養フラスコの壁から 、集密した単層の細胞を集めることによってLS174TあるいはHT29細胞 (ATTCから入手)から調製した。多くのフラスコの細胞を一緒にし、サンプ ルを取り出し、計数して、集めた細胞の総数を決定した。このあいだ中、細胞を 氷上に保存した。続いて4℃で10分間1500rpmで細胞を遠心し、該細胞 を氷冷した150mM塩化ナトリウムを添加した氷冷の50mMリン酸ナトリウ ムバッファーpH7.4(PBS)の25mLで一度洗浄し、同様の条件下でペ レット化し、氷冷したガラス製モルタルへ10mLPBSで移した。細胞をモー ター駆動ペッスルを使用して4℃でホモジナイズし、次いで5分間3000×g で遠心した。抗原が豊富な上清を、他の細胞破砕物から除去し、4℃で一時間1 00,000×gでさらに遠心した。この最終段階からのペレット(抗原分画) を、集められた100万細胞ごとにPBS100μL中に懸濁した。続いてタン パク濃度を評価し(標準タンパクとしてウシ免疫グロブリンを使用するバイオラ ドBCAタンパク測定法)、抗原を使用するまで−20℃で保管した。 96ウェルコースターミクロタイタープレートの各々のウェルを、上述したよ うに調製された100μL/ウェルの細胞溶解物(10μg/ml)を添加する ことによって抗原でコートした。ミクロタイタープレートを37℃のインキュベ ーターで一晩乾燥した。0.05%Tween20(シグマ)でプレートを5回 洗浄した後、それらをブロッティングして乾燥した。各々のプレートのウェルを PBS中の1%BSA(ウシ血清アルブミン、シグマA−7906)溶液の12 5μL/ウェルを添加することによってブロックし、室温で1時間インキュベー トした。プレートを0.05%のTween20で5回洗浄した。ING−1/ MRP14複合体試料(同じものを2つ、50μL/ウェル)および標準ING −1抗体溶液をPBS中の1%BSAの濃度範囲に調整した。ビオチン化したI NG−1(0.1%BSA中で1.0μg/mL)を各々のウェル(50μL/ ウェル)に添加し、次いでプレートを室温で2時間インキュベートした。続いて 0.05%Tween20で5回洗浄し、該プレートをブロッティングして乾燥 し、希釈された(0.1%BSA中で1:2000)ストレプトアビジン−アル カリホスファターゼ(ターゴ;#6567)を加え1時間室温でインキュベート した。さらに5回洗浄した後、ホスファターゼ基質試薬(Sigma104ホスファター ゼの錠剤2つを10mLの蒸留水および20mLのSigma221アルカリ性バッファ ーに溶解した)を1ウェルあたり100μL添加することによって各々のウェル で発色させた。室温にて1時間後、色をタイターテックマル チスキャン ミクロプレート リーダーで405nmフィルターを用いて記録した 。 (7d) SDS PAGEゲル電気泳動 これらの複合体サンプルを、Novexの4%−20%還元および通常のポリ アクリルアミドゲル上で、SDSバッファーを用いて電気泳動にかけ、これらの 見かけ上の分子量および調製物の不均一性を評価した。分子量が既知の標準を用 いて同じゲルで電気泳動にかけ、標準曲線を移動距離(Rf)に対する分子量の 対数として作製した。この標準曲線から、各複合体調製物に関連したバンドの相 対分子量を決定した。 (7e)サイズ排除HPLCによる集塊形成物の決定 30cm×7.5mmのTSK−G3000SWサイズ排除HPLCカラム(Supe lco)(これは同じ材料のガードカラムを備えている。)を、Waters 600E HPL Cシステムを用いて、1分当たり1.0mLの流速、400〜600PSIで、12倍 のカラム容積の150mM塩化ナトリウムを補充した10mMリン酸ナトリウムバッ ファーpH6.0で平衡化した。BioRadのゲル濾過タンパク標準のサンプル( 25μL)をカラムに注入した。各標準の保持時間を280nmにセットしたWate rs490UV検出器でモニターした。カラムから最終の標準を回収した後、10 倍容積の150mM塩化ナトリウムを補充した10mMリン酸ナトリウムバッファー pH6.0で更にこれを洗浄した。天然のING−1抗体、ING−1/TMT 、ING−1/MRP14のそれぞれのサ ンプル200μg/mLをこのカラムに別々に注入し、これらの各々の保持時間を 記録した。保持されたピークの面積および保持時間から試したING−1/TM TおよびING−1/MRP14内の集塊物の量を計算した。 (7f)MRP8/TMTのING−1/MRP14への結合の決定 上記の4つの方法(7b、7c、7d、7e)を僅かに変更を加えて使用し、 二段階の輸送システムがお互いを認識し、安定に結合することを示した。 7bでは、ING−1/MRP14のサンプルを5×105個のHT29細胞 と4℃で1時間インキュベートした。念入りに洗浄し、未結合の抗体を除去した 後、FITCで標識した細胞をマウス抗−TMT抗体(標準方法に従って調製し た(Pierce Chemical Co.カタログ)と4℃で1時間インキュベートした。フ ローバッファー中で更に洗浄した後、サンプルを上記のフローサイトメトリーで 分析した。各サンプルの平均蛍光強度を細胞当たりの平均FITC等量として表 し、MRP8/TMTが細胞と結合していることを示した。 7cでは、ING/MRP14複合体のサンプル(50μL/ウェル、同じも のを2つ)を1%BSAのPBS溶液で所定範囲の濃度で調製し、これを例7c と同様に調製され、そのウェルにHT−29細胞抗原を含有するミクロタイター プレートのウェルに添加した。次に、該プレートを1時間室温でインキュベート した。0.05%Tween20で3回 洗浄した後、プレートをブロッティングして乾燥し、MRP8/TMTを室温で 更に1時間インキュベートした。念入りに洗浄し、未結合のMRP8/TMTを 除去した後、細胞をビオチン化されたマウス抗−TMT抗体(標準方法に従って 調製した(Pierce Chemical Co.カタログ)と1時間インキュベートした。0 .1%BSAで更に洗浄した後、希釈した(0.1%BSA中で1:2000) ストレプトアビジン−アルカリ性ホスファターゼ(Tago;#6567)を用いて更に 1時間インキュベートを行った。5回洗浄した後、ホスファターゼ基質試薬(Si gma104ホスファターゼの錠剤2つを10mLの蒸留水および20mLのSigma221 アルカリ性バッファーに溶解した)を1ウェルあたり100μL添加することに よって各々のウェルで発色させた。室温にて1時間後、色をタイターテックマル チスキャン ミクロプレートリーダーで405nmフィルターを用いて記録した。 結果は、MRP8/TMTがプレートのウェル内で抗原と結合したことを示した 。対照サンプルは、結合がING−1/MRP14の存在に依存することを示し た。 ナトリウム ドデシル硫酸ポリアクリルアミドゲル(例えば、例7dからのも の)も使用し、抗体/MRP14とMRP8の結合、および抗体/MRP8とM RP14の結合を明らかにした。125I−標識されたMRP8を複合体形成され たTMTを用いずにPBSまたはヒト血清中、室温、37℃。および4℃で抗体 /MRP14とインキュベートした。インキュベーションを開始した後、所定の 時間間隔を置いて、サ ンプルを混合物から採取し、ナトリウム ドデシル硫酸ポリアクリルアミドゲル 電気泳動(SDS PAGE)にかけた。ゲルをオートラジオグラフィーによっ て高分子量の抗体/MRP14コンプレックスと結合した放射性標識の存在を試 験した。他の方法として、MRP8/TMTを90Y(例6)で標識し、PBSま たはヒト血清中、上記の異なった温度でインキュベートした。再度、オートラジ オグラフィーの後、90Yで標識されたMRP8/TMTの高分子量抗体/MRP 14コンプレックスの結合は、37℃でヒト血清の存在下においても、自己会合 に対して二段階の輸送システムの能力を示している。 SDS PAGEはまた、複合体形成の進行および複合体を形成したTMTの 数が、お互いを認識し結合するサブユニットの能力に影響する程度をアッセイす るためにも使用される。 サイズ排除カラムクロマトグラフィーは、MRP8とING−1/MRP14 との間の結合を定量するために使用される。ING−1抗体単独、ING−1/ MRP14/MRP8またはING−1/MRP14とMRP8の混合物の何れ かのサンプル(200μg/mLで50μL)を、例7eで説明した30cm×7 .5mmのTSK−G3000SWサイズ排除HPLCカラム(Supelco)に別々 に注入した。サンプルの保持時間を記録した。保持されたピークの面積および保 持時間からMRP8とING−1/MRP14との結合の量を計算した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 ブラック、クリストファー・ダグラス・バ リアント アメリカ合衆国、メリーランド州 209026、シルバー・スプリング、アクエイ リアス・アベニュー 2815 (71)出願人 シャーマン、クライド・ウイリアム アメリカ合衆国、ペンシルバニア州 19382、ウエスト・チェスター、チェスタ ービル・ウエイ 607 (74)上記1名の代理人 弁理士 鈴江 武彦 (外3名 ) (72)発明者 スノー、ロバート・アレン アメリカ合衆国、ペンシルバニア州 19380、ウエスト・チェスター、クレイテ ィン・レーン 118 (72)発明者 ブラック、クリストファー・ダグラス・バ リアント アメリカ合衆国、メリーランド州 20906、 シルバー・スプリング、アクエイリアス・ アベニュー 2815 (72)発明者 シャーマン、クライド・ウイリアム アメリカ合衆国、ペンシルバニア州 19382、ウエスト・チェスター、チェスタ ービル・ウエイ 607

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下の構造によって表される部分を具備するターゲッティング免疫試薬: Z−(L1−X)n 但し、 Zは免疫反応性タンパクの残基を包含し; L1は化学結合またはスペース基を含有しうる結合基であり; Xは異種二量体分子のタンパク様サブユニットの残基であり; nは0より大きい整数である。 2.以下の構造によって表される部分を具備する放射性ターゲッティング試薬 : D−(L2−Q−M)m 但し、 Dは請求の範囲第1項のXと結合する異種二量体分子のタンパク様サブユ ニットの残基であり; L2は化学結合またはスペース基を含有しうる結合基であり; Qはキレート基の残基であり; Mは放射性核種であり; mはゼロより大きい整数である。 3.請求の範囲第1項に記載の試薬であって、Zが抗体または抗体フラグメン トである試薬。 4.請求の範囲第3項に記載の試薬であって、該抗体が、 ING−1;B72.3;9.2.27;D612;UJ13A;NRLU−1 0;NRCO−02;7E11C5;CC49;TNT;PR1A3;B174 ;C174;B43および抗HLB抗体から選択される試薬。 5.請求の範囲第3項に記載の試薬であって、該抗体がING−1である試薬 。 6.請求の範囲第1項に記載の試薬であって、Xが異種二量体対MRP14お よびMRP8;T細胞受容体のアルファ鎖およびベータ鎖;T細胞受容体のデル タ鎖およびガンマ鎖;サイトカイン、IL−2のサブユニットタンパク;シグナ ル認識粒子のサブユニットタンパク;リガンジンのサブユニットタンパク;ヘパ トポエチンAおよびBのサブユニットタンパク;ヒト血小板由来成長因子のサブ ユニットタンパク;グルタチオン S−トランスフェラーゼのサブユニットタン パク;ルシフエラーゼのサブユニットタンパク;およびガンマーグルタミルトラ ンスフェラーゼよりなる群から選択される試薬。 7.請求の範囲第1項に記載の試薬であって、XがMRP14およびMRP8 よりなる群から選択される試薬。 8.請求の範囲第2項に記載の試薬であって、Dが異種二量体対MRP14お よびMRP8;T細胞受容体のアルファ鎖およびベータ鎖;T細胞受容体のデル タ鎖およびガンマ鎖;サイトカイン、IL−2のサブユニットタンパク;シグナ ル認識粒子のサブユニットタンパク;リガンジンのサブユニットタンパク;ヘパ トポエチンAおよびBのサブユニット タンパク;ヒト血小板由来成長因子のサブユニットタンパク;グルタチオン S −トランスフェラーゼのサブユニットタンパク;ルシフェラーゼのサブユニット タンパク;およびガンマ−グルタミルトランスフェラーゼよりなる群から選択さ れる試薬。 9.請求の範囲第2項に記載の試薬であって、DがMRP14およびMRP8 よりなる群から選択される試薬。 10.請求の範囲第7項に記載の試薬であって、該Xの残基がヒト好中球から 誘導される試薬。 11.請求の範囲第9項に記載の試薬であって、該Dの残基がヒト好中球から 誘導される試薬。 12.請求の範囲第1項に記載の試薬であって、L1が異種二官能性交差結合 試薬の残基である試薬。 13.請求の範囲第12項に記載の試薬であって、該異種二官能性交差結合試 薬が、スルホスクシンイミジル 4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン −1−カルボキシレート、スルホスクシンイミジル (4−ヨードアセチル)ア ミノベンゾエート、スルホスクシンイミジル 4−(p−マレイミドフェニル) ブチレート、2−イミノチオラン、およびN−スクシンイミジル S−アセチル チオアセテートよりなる群から選択される試薬。 14.請求の範囲第1項に記載試薬であって、L1が反応性官能基を含有する 修飾された受容体部分の残基である試薬。 15.請求の範囲第14項に記載の該反応性官能基がアミノ基およびスルフヒ ドリル基よりなる群から選択される試薬。 16.請求の範囲第2項に記載の試薬であって、L2が異種二官能性交差結合 剤である試薬。 17.請求の範囲第16項に記載の試薬であって、該異種二官能性交差結合試 薬が、スルホスクシンイミジル 4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン −1−カルボキシレート、スルホスクシンイミジル (4−ヨードアセチル)ア ミノベンゾエート、スルホスクシンイミジル 4−(p−マレイミドフェニル) ブチレート、2−イミノチオラン、およびN−スクシンイミジル S−アセチル チオアセテートよりなる群から選択される試薬。 18.請求の範囲第2項に記載の試薬であって、L2が反応性官能基を含有す る修飾されたリガンド部分の残基である試薬。 19.請求の範囲第18項に記載の試薬であって、該反応性官能基がアミノ基 およびスルフヒドリル基よりなる群から選択される試薬。 20.請求の範囲第2項に記載の試薬であって、Qがポリカルボン酸基を含有 する試薬。 21.請求の範囲第2項に記載の試薬であって、QがB4A,P4A,TMT ,DCDTPA,PheMT,マクロPheMT,およびマクロTMTよりなる 群から選択される試薬。 22.請求の範囲第2項に記載の試薬であって、Mが金属の放射性同位体であ る試薬。 23.請求の範囲第22項に記載の試薬であって、該放射 性同位体が44Sc,64Cu,67Cu,111In,212Pb,63Ga,87Y,90Y,158 Sm,212Bi,99mTc,177LU,186Reおよび188Reから選択される試 薬。 24.以下の構造によって表される化合物を製造する方法であって: Z−(L1−X)n 但し、 Zは免疫反応性タンパクの残基を包含し; L1は化学結合またはスペース基を含有しうる結合基であり; Xは異種二量体分子のタンパク様サブユニットの残基であり; nは0より大きい整数である; (i)Xを用いて、共有結合コンプレックスL1−Xを形成するのに十分な条件 下および時間でL1の前駆体を派生(derivatizing)すること;および (ii)L1−Xを用いて、共有結合コンプレックスZ−(L1−X)nを形成する のに十分な条件下および時間でZを派生することを具備した方法。 25.以下の構造によって表される化合物を製造する方法であって: D−(L2−Q−M)m 但し、 Dは請求の範囲第1項のXと結合する異種二量体分子のタンパク様サブユ ニットの残基であり; L2は化学結合またはスペース基を含有しうる結合基であり; Qはキレート基の残基であり; Mは放射性核種であり; mはゼロより大きい整数である; (i)L2を用いて、共有結合コンプレックスD−L2を形成するのに十分な条件 下および時間でDの前駆体を派生(derivatizing)すること; (ii)Qを用いて、共有結合コンプレックスD−L2−Qを形成するのに十分な 条件下および時間でD−L2を派生すること;および (iii)Mを用いて共有結合コンプレックスD−(L2−Q−M)mを形成するの に十分な条件下および時間でD−L2−Qを派生することを具備した方法。 26.請求の範囲第24項に記載の方法であって、Zが抗体または抗体フラグ メントである方法。 27.請求の範囲第26項に記載の抗体であって、該抗体が、ING−1;B 72.3;9.2.27;D612;UJ13A;NRLU−10;NRCO− 02;7E11C5;CC49;TNT;PR1A3;B174;C174;B 43および抗HLB抗体から選択されるもの。 28.請求の範囲第24項に記載の方法であって、Xが異種二量体対MRP1 4およびMRP8;T細胞受容体のアルファ鎖およびベータ鎖;T細胞受容体の デルタ鎖およびガンマ鎖;サイトカイン、IL−2のサブユニットタンパク;シ グナル認識粒子のサブユニットタンパク;リガンジンのサブユニットタンパク; ヘパトポエチンAおよびBのサブユニットタンパク;ヒト血小板由来成長因子の サブユニットタンパク;グルタチオン S−トランスフェラーゼのサブユニット タンパク;ルシフェラーゼのサブユニットタンパク;およびガンマーグルタミル トランスフェラーゼよりなる群から選択される方法。 29.請求の範囲第24項に記載の方法であって、XがMRP14およびMR P8よりなる群から選択される方法。 30.請求の範囲第24項に記載の方法であって、L1が異種二官能性交差結 合試薬の残基である方法。 31.請求の範囲第30項に記載の方法であって、該異種二官能性交差結合試 薬が、スルホスクシンイミジル 4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン −1−カルボキシレート、スルホスクシンイミジル (4−ヨードアセチル)ア ミノベンゾエート、スルホスクシンイミジル 4−(p−マレイミドフェニル) ブチレート、2−イミノチオラン、およびN−スクシンイミジル S−アセチル チオアセテートよりなる群から選択される方法。 32.請求の範囲第24項に記載の方法であって、L1が反応性官能基を含有 する修飾されたヌクレオチド部分の残基である方法。 33.請求の範囲第24項に記載の方法であって、前記反応性官能基がアミン 基およびスルフヒドリル基よりなる群から選択される方法。 34.請求の範囲第28項に記載の方法であって、前記MRP14がヒト好中 球から誘導される方法。 35.請求の範囲第28項に記載の方法であって、前記MRP8がヒト好中球 から誘導される方法。 36.請求の範囲第25項に記載の方法であって、Dが、異種二量体対MRP 14およびMRP8;T細胞受容体のアルファ鎖およびベータ鎖;T細胞受容体 のデルタ鎖およびガンマ鎖;サイトカイン、IL−2のサブユニットタンパク; シグナル認識粒子のサブユニットタンパク;リガンジンのサブユニットタンパク ;ヘパトポエチンAおよびBのサブユニットタンパク;ヒト血小板由来成長因子 のサブユニットタンパク;グルタチオン S−トランスフェラーゼのサブユニッ トタンパク;ルシフェラーゼのサブユニットタンパク;およびガンマ−グルタミ ルトランスフェラーゼよりなる群から選択される方法。 37.請求の範囲第25項に記載の方法であって、DがMRP14およびMR P8よりなる群から選択される方法。 38.請求の範囲第36項に記載の方法であって、前記MRP14がヒト好中 球から誘導される方法。 39.請求の範囲第36項に記載の方法であって、前記MRP8がヒト好中球 から誘導される方法。 40.請求の範囲第25項に記載の方法であって、L2が異種二官能性交差結 合試薬の残基である方法。 41.請求の範囲第40項に記載の方法であって、該異種に官能性交差結合試 薬が、スルホスクシンイミジル 4− (N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、スルホスク シンイミジル (4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スルホスクシンイ ミジル 4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート、2−イミノチオラン、お よびN−スクシンイミジル S−アセチルチオアセテートよりなる群から選択さ れる方法。 42.請求の範囲第25項に記載の方法であって、L2が反応性官能基の残基 を含有する修飾されたリガンド部分である方法。 43.請求の範囲第25項に記載の方法であって、該反応性官能基がアミン基 およびスルフヒドリル基よりなる群から選択される方法。 44.請求の範囲第25項に記載の方法であって、Qがポリカルボン酸基を含 有する方法。 45.請求の範囲第25項に記載の方法であって、QがB4A,P4A,TM T,DCDTPA,PheMT,マクロPheMT,およびマクロTMTよりな る群から選択される方法。 46.請求の範囲第25項に記載の方法であって、Mが金属の放射性同位体で ある方法。 47.請求の範囲第46項に記載の方法であって、該放射性同位体が44Sc,64 Cu,67Cu,111In,212Pb,63Ga,87Y,90Y,158Sm,212Bi,99m Tc,177Lu,186Reおよび188Reから選択される方法。 48.薬学的に許容しうる担体に溶解若しくは懸濁された 請求の範囲第1項に記載の化合物を具備する薬学的組成物。 49.薬学的に許容しうる担体に溶解若しくは懸濁された請求の範囲第2項に 記載の化合物を具備する薬学的組成物。 50.哺乳動物内の腫瘍を治療する方法であって、前記哺乳動物に、薬学的に 許容しうる媒体中の請求の範囲第1項に記載の非放射性ターゲッティング免疫試 薬の効果的な投与量を投与し、前記非放射性ターゲッティング免疫試薬が、前記 哺乳動物内の腫瘍部位で蓄積するのに十分な時間待ち、引き続いて、薬学的に許 容しうる媒体中の請求の範囲第2項に記載の放射性ターゲッティング試薬の効果 的な投与量を前記哺乳動物に投与し、前記放射性ターゲッティング試薬が該標的 部位(該標的部位には、前記哺乳動物内の前記腫瘍部位で蓄積された前記非放射 性ターゲッティング免疫試薬が存在する。)で蓄積するのに十分な時間待つこと を具備した方法。 51.哺乳動物における診断用イメージングの方法であって、前記哺乳動物に 、薬学的に許容しうる媒体中の請求の範囲第1項に記載の非放射性ターゲッティ ング免疫試薬のイメージングに効果的な投与量を投与し、前記非放射性ターゲッ ティング免疫試薬が、前記哺乳動物内のイメージング部位で蓄積するのに十分な 時間待ち、引き続いて、薬学的に許容しうる媒体中の請求の範囲第2項に記載の 放射性ターゲッティング試薬の効果的な投与量を前記哺乳動物に投与し、前記放 射性ターゲッティング試薬が該標的部位(該標的部位には、前記哺乳動物内の前 記イメージング部位で蓄積された前記非放射性ターゲッティング免疫試薬が存在 する。)で蓄積する 十分な時間待つことを具備した方法。 52.請求の範囲第1項に記載の試薬であって、Xが受容体部分の残基であり 、ZおよびXが融合タンパクを具備する試薬。 53.請求の範囲第52項に記載の試薬であって、該受容体部分がMRP14 である試薬。 54.請求の範囲第24項に記載の試薬であって、Xが受容体部分の残基であ り、ZおよびXが融合タンパクを具備する試薬。 55.請求の範囲第54項に記載の試薬であって、該受容体部分がMRP8で ある試薬。
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