【発明の詳細な説明】
置換メチレンジオキシ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリノン
この特許出願は、ペンドラク(Pendrak)らによって1993年5月3日に出
願された米国特許出願番号第08/057,133号の一部継続出願である。
発明の範囲
本発明は、抗ウイルス性化合物、その医薬組成物、およびウイルス感染の治療
方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、抗ウイルス活性を有するある種のイ
ンドリジノ[1,2−b]−キノリニル誘導体に関する。
発明の背景
ある種の1H−ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリノ
ンは、細胞毒性および抗ウイルス活性を有することが知られている。カンプトテ
シンは、1つのかかる化合物の例である。それは、中国原産のカンプトテカ・ア
クミナータ(Camptotheca acuminata)木およびインド原産のノタポディテス・
フェチダ(Nothapodytes foetida)木によって産生される水不溶性の細胞毒性ア
ルカロイドである。カンプトテシンおよびその非常に類似しているものは、真核
生物トポイソメラーゼIを阻害することが知られている。カンプトテシンおよび
その非常に類似しているものの細胞毒性および抗腫瘍活性は、真核生物トポイソ
メラーゼIのこの阻害による[キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)1988
、48、1722;モレキュラー・ファーマコロジー(Molec.Pharmacol.)1
988、34、755]。真核生物トポイソメラーゼIを阻害しないが構造上カ
ンプトテシンに関係する化合物は、哺乳動物細胞に対して細胞毒性を有しておら
ず、抗腫瘍活性を有しない[ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(
J.Med.Chem.)1988、32、715;キャンサー・リサーチ1989、49
、1465;キャンサー・リサーチ1989、49、4358]。
カンプトテシンは、研究室環境において多くの研究者によってウイルスに対す
る効果を有することが示された。カンプトテシンは、in vitro組織培養系におい
て抗ウイルス活性を示したが、カンプトテシンおよびヒドロキシラクトン部分を
有するその非常に類似しているものは、それらが哺乳動物トポイソメラーゼIを
阻害し、宿主細胞DNA複製を阻害し、哺乳動物細胞に対して細胞毒性であるの
で、有用なin vivo抗ウイルス薬として考えることができない。さらにまた、カ
ンプトテシンは、許容されない投与量制限毒性、予想外の毒性、乏しい水溶性、
および/または許容されない棚持ち安定性のために、抗ウイルス薬としての薬物
開発について魅力あるものとは思われない。
新しい抗ウイルス薬が必要とされている。カンプトテシンのE環α−ヒドロキ
シラクトン部分を欠いているいくつかの置換1H−ピラノ[3',4':6,7]イ
ンドリジノ−[1,2−b]キノリノンは、哺乳動物細胞に対して非細胞毒性で
あり、抗腫瘍活性を欠くことを示した[Ann.Rev.Pharmcol.Toxicol.197
7、17、117;ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.C
hem.)、1989、32、715]。これは、これらの化合物が、真核生物トポ
イソメラーゼIを阻害するために必要とされる本質的な構造特徴を含まないため
である。しかし、ヒドロキシルラクトン部分を欠いているある種の7−エチル−
7−ヒドロキシ−7,8,11,13−テトラヒドロ−10H−ジオキソロ[4,5
g]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリノン−8,11
−ジオン(以下、「メチレンジオキシインドリジノ[1,2−b]キノリノン」
と記す)がカンプトテシンの望ましくない特徴を伴わずに抗ウイルス活性を有す
ることが判明した。それら自体は、ウイルス感染の治療に有用である。
発明の概要
第1の態様では、本発明は、式Iで示される化合物またはその医薬的に許容さ
れる塩の有効量を、単独で、または、担体、希釈剤もしくは賦形剤と混合して、
治療を必要とする感染宿主に投与することを特徴とするウイルス感染の治療方法
を提供するものである:
[式中、
Rは、=O、−OHおよびOR1であり;
R1は、−COR4、または−P(O)(OH)R5であり、ここで、
R3は、−Hまたは低級アルキルであり;
R4は、−CR3R6R7;
−(CH2)nCH2R7(ここで、n=0〜3);
−(CH2)nCH2COOH(ここで、n=0〜3);
−NR9R10;
−NH(CH2)nCH2R7(ここで、n=1〜3);
−NH(CH2)nCH2COOH(ここで、n=0〜3)であり;
R5は、OHまたはCH2NH2であり;
R6は、H、または、天然α−アミノ酸の側鎖であり;
であり、ここで、Xは、医薬的に許容されるアニオンであり;
R8は、低級アルキルであり;
R9およびR10は、独立して、−H、−C1-6アルキルからなる群から選択され
、R9およびR10は、一緒になって、R9およびR10が置換されている窒素を含有
する5〜7員の飽和複素環を形成し;
R11は、−CH2R12であり、ここで、
である]。
別の態様では、本発明は、式Iで示される新規化合物およびその医薬的に許容
される塩に関する。
さらに別の態様では、本発明は、許容される担体、賦形剤または希釈剤、特に
、医薬的に許容される担体、賦形剤または希釈剤と混合した式Iで示される新規
化合物からなる組成物に関する。
発明の詳細な説明
定義
以下に定義する以下の用語は、本明細書の全体にわたって本発明を説明する際
に使用される。
「脂肪族」は、飽和および不飽和の基を含むことを意図する。これは、直鎖お
よび分枝鎖、飽和またはモノもしくはポリ不飽和鎖を含む。ここで、二重結合お
よび三重結合は、共に、組み合わせて存在していてもよい。「低級アルキル」お
よび「C1-6アルキル」なる語は、いずれの異性体形であってもよく、特に、直
鎖状の、炭素原子1〜6個のアルキル基を意味する。「低級アルコキシ」は、低
級アルキル−O−を意味する。「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨ
ードを意味する。「アシル」は、末端カルボニル炭素を有する基を意味する。
「窒素を含有する5〜7員の飽和複素環」なる語は、ピペリジン、ピロリジン
、モルホリン、ピペラジンおよびN−アルキルピペラジンなどの飽和環を含むこ
とを意図する。
いずれの種類の塩も、存在する酸性基または充分に塩基性の窒素があるこれら
の化合物から製造される。特に好ましくは、当該化合物の医薬的に許容される塩
である。これらの後者の塩は、医薬的使用へのそれらの適用において許容される
ものである。これにより、該塩が親化合物の生物活性を維持すること、および、
該塩が疾患を治療する際のその適用および使用において不適切なまたは心身に有
害な影響を有しないことを意味する。
医薬的に許容される塩は、標準的な方法で調製される。好適な溶媒中の親化合
物を、塩基部分の酸付加塩の場合には過剰の有機もしくは無機酸と、または、酸
の基がある場合には有機もしくは無機塩基と反応させる。代表的な酸は、塩酸、
臭化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、マレイン酸、コハク酸、またはメタンスルホ
ン酸である。カチオン塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム
、亜鉛、銅などの金属塩基およびアンモニアから容易に調製される。有機塩基と
しては、一置換または二置換アミン、エチレンジアミン、ピペラジン、アミノ酸
、カフェインなどが挙げられる。
本明細書の全体にわたって、本発明化合物の環系は、式IIに従って番号付けさ
れる。
キラル中心または異性体中心の他の形が置換基のいくつかの組合せによって生
じる場合、本発明化合物において、かかる異性体の全ての形態は、本明細書に包
含されることを意図する。キラル中心を含有する本発明化合物は、ラセミ混合物
として使用するか、または、該混合物を分離し、個々の鏡像異性体を単独で使用
してもよい。
本発明は、前記式Iで示される化合物またはその医薬的に許容される塩の有効
量を、単独で、または、担体、賦形剤または希釈剤と混合して感染動物、好まし
くは、哺乳動物、最も好ましくは、ヒトに投与することからなるある種のDNA
ウイルスによって引き起こされるウイルス感染の治療方法を提供するものである
。
本発明は、抗ウイルス活性を示す、前記式Iで示される構造を有する化合物お
よびその医薬的に許容される塩を提供するものである。
さらに詳しくは、これらの化合物および本発明方法は、ヒトにおける以下の病
原を治療するのに特に有用である:
1型および2型単純ヘルペスウイルス(HSV−1およびHSV−2);
サイトメガロウイルス(CMV);
水痘−帯状疱疹ウイルス(VZV)。
本発明化合物を本発明に従って投与する場合、許容されない細胞毒物学的影響
は、全く予想されない。
本発明によるウイルス感染を治療するための好ましい方法は、式Iで示される
以下の化合物を使用する:
7−アセチル−8−メチルジオキソロ[4,5−g]インドリジノ[1,2−b
]キノリン−9(11H)−オン;
(±)−7−(1−ヒドロキシエチル)−8−メチルジオキソロ[4,5−g
]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン;
(±)−7−[1(アミノアセチル)オキシ]エチル]−8−メチルジオキソ
ロ[4,5−g]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン・ヒ
ドロトリフルオロ酢酸塩;
7−アセチル−12−ジメチルアミノメチル−8−メチルジオキソロ[4,5
−g]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン;および
7−アセチル−12−ヒドロキシメチル−8−メチルジオキソロ[4,5−g
]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン。
本発明の好ましい化合物としては、以下のものが挙げられる:
7−アセチル−8−メチルジオキソロ[4,5−g]インドリジノ[1,2−b
]キノリン−9(11H)−オン;
(±)−7−(1−ヒドロキシエチル)−8−メチルジオキソロ[4,5−g
]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン;
(±)−7−[1(アミノアセチル)オキシ]エチル]−8−メチルジオキソ
ロ[4,5−g]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン・ヒ
ドロトリフルオロ酢酸塩;
7−アセチル−12−ジメチルアミノメチル−8−メチルジオキソロ[4,5
−g]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン;および
7−アセチル−12−ヒドロキシメチル−8−メチルジオキソロ[4,5−g
]
インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン。
本発明化合物は、以下の方法によって製造することができる。
これらの化合物を製造するためのいくつかの方法がある。1つの一般的な方法
は、1−ケトインドリジン付加物を製造し、次いで、このフラグメントを適当に
置換されたアミノベンズアルデヒドまたはアミノアセトフェノンと縮合させるこ
とからなる。出発物質は、市販のものであるか、または、公表された方法によっ
て製造することができる。反応シーケンスは、スキームI−IIIによって説明さ
れる。市販の2−ピロリドン1を硫酸ジメチルでアルキル化して、エーテル2を
得ることができ、これをアセトンジカルボキシレートと縮合させて、インドリジ
ン3を得ることができる。不活性溶媒中、室温で、ヨウ化メチルで3をメチル化
して、4を得、これを水性塩基で加水分解して、5を得、次いで、脱炭酸反応に
より6を製造することができる。トリエチルアミンなどの塩基の存在下、DMF
中、N−フェニルトリフリミドで6をトリフレート化して、7を得ることができ
、これを、ヘック(Heck)反応を介して、パラジウム触媒および塩基の存在下、
n−ブチルビニルエーテルと反応させて、8を得ることができる。8を3N H
Clなどの酸で加水分解して、9を得ることができ、これを、エチレングリコー
ルおよび塩化水素ガスを使用してケタールとして保護して、10を得ることがで
きる。化合物10をデビス(Davis)試薬および塩基を使用して酸化して、アル
コール11を得ることができ、これを、塩化メチレン中、ピリジニウムクロロク
ロメートでさらに酸化して、ケトン−ケタール12を得ることができる。トルエ
ン中、p−トルエンスルホン酸の存在下、化合物12をアミノピペリナール13
とフリードランダー(Friedlander)縮合させ、次いで、3N HClなどの酸で
加水分解させて、標記化合物14を得ることができる(スキームII)。アミノア
セトフェノン20は、以下の四工程で製造することができる。まず、メチレンジ
オキシアセトフェノン15を硝酸でニトロ化して、化合物16を得、これを、ジ
オキサン中、臭素で臭素化して、化合物17を製造することができる。アセトニ
トリル中、17をヒドラジン18と反応させて、化合物19を得ることができ、
これを、ホウ化ニッケルで還元して、アミン20を得ることができる。前記化合
物12およ
び20を縮合させて、標記化合物21を得ることができる(スキームII)。ジメ
チルホルムアミド中、17を酢酸ナトリウムと反応させて、化合物22を製造す
る(スキームIII)。22をホウ化ニッケルで還元して、化合物23を得ること
ができ、これを化合物12と縮合し、前記に従って加水分解して、標記化合物2
4を製造することができる。
抗ウイルス活性について本発明化合物を試験するために使用したアッセイは、
よく知られている。アッセイの一般的な説明は、以下のとおりである。
10%ウシ胎児血清(FBS)および抗生性および抗真菌性溶液を含有するイ
ーグル最小必要培地(EMEM)0.5mLに懸濁させた、ウエル当たり細胞1×
105個の濃度で、適切な細胞をウエルプレートに接種する。細胞が80〜90
%集密した(24時間)後、古い培地を除去し、ハンクス緩衝生理食塩水(HB
SS)で洗浄した。次いで、細胞を、37℃で1時間、HBSS250mLに懸
濁させたウエル当たり100〜200プラーク形成単位の単純ヘルペスウイルス
で感染させる。吸着後、以下の成分を添加する:
A)ヒトIgG[ミズーリ州センルイスのシグマ・ケミカル・カンパニー(Sig
ma Chemical Co.)](約0.1mg/mL)を含有する250mL/ウエルの2×E
MEM;
B)10%FBSおよび抗生性/抗真菌性溶液を含有する250mL/ウエル
のEMEM;および
C)適当に希釈された化合物を含有する250mL/ウエルのHBSS。
24〜48時間後(顕微鏡下でのプラークの観察によって決定された最良の時
間)、古い培地を吸引除去する。各ウエルを選択された染色溶液(MeOH:H2
O 7:3中0.5%クリスタルバイオレット)で染色し、次いで、水で洗浄し、
風乾させ、プラークを計数する。化合物の効力は、未処理の感染対照と比較した
場合のプラーク減少パーセントに関して評価される。
このアッセイを使用して、試験されるウイルスと適合するように第1工程にお
いて使用される細胞型を単に変更することによって、他は前記で略述した方法に
従って、単純ヘルペス以外の多くの他のウイルスに対する化合物活性を試験する
ことができる。このアッセイで使用することができる他の細胞型は、マウス乳癌
細胞、ヒト肺線維芽細胞、ヒツジ脈絡膜叢(chorioplexus)細胞およびミドリザ
ル腎臓細胞が挙げられる。
別法としては、他のアッセイを使用して、本発明化合物の抗ウイルス活性を測
定することができる。かかるアッセイとしては、以下のタイプが挙げられる:細
胞カウント、クローン原性、細胞変性効果、皿−コロニー形成、マイクロタイタ
ー−増殖阻害、チミジン取込みおよび収率低下。これらのアッセイの各々は、よ
く知られており、文献または商業的実験研究のいずれかから入手可能である。
本発明は、式Iで示される化合物から製造された医薬組成物を提供するもので
ある。これらの組成物は、ヒトおよび獣医学的利用能の両方を持っており、所定
の医薬的最終用途について許容される賦形剤または担体および少なくとも1つの
本発明化合物からなる。例えば、獣医学的使用を意図する場合、該担体は、液体
またはスプレイであるか、または、第一胃における挿入のための固体、非分解性
または分解性形態で製剤化される。選択された賦形剤および担体を使用して、ヒ
ト用に許容されるかまたは適している組成物を調製してもよい。
本発明の医薬組成物の有効量を含有する。1個の丸剤、カプセルまたは予め測
定された静脈内投与または予め充填された注射器などの1つの組織中に含有され
てもよい。別法としては、よくある場合として、当該組成物は、丸剤などの1つ
の単位が最適下限投与量を含有するが、使用者が治療当たり2つ以上の単位投与
を行うべく指示される個々の投与形態で調製されるであろう。当該組成物がクリ
ーム剤として存在する場合、薬物のディスクリート量を含有し、使用者は、疾患
が軽減されるまで、または、有効に治療されるまで、少量のクリーム剤を1回以
上塗布する。最終消費者によって後に希釈される濃縮物も、例えば、静脈内(I
V)用製剤および多数回投与注射用製剤のために調製される。
これらの組成物用に考えられる担体または希釈剤は、一般に、製薬技術分野で
知られている。有用な物質についての言及は、レミントンズ・ファーマシューテ
ィカル・サイエンシズ(Remington's Pharmaceutical Sciences)[ペンシルベ
ニア州イーストンのマック・パブリッシング・カンパニー(Mack Publishing Co
.)]などのよく知られている編集物において見ることができる。
当該組成物および医薬的担体または希釈剤の性質は、もちろん、例えば、静脈
内および筋肉内注射によって、非経口的、局所的、経口、または、吸入によるか
などの所定の投与経路に依存する。
非経口投与については、医薬組成物は、アンプルまたは水性もしくは非水性液
体懸濁液などの無菌注射用液の形態である。
局所投与については、医薬組成物は、皮膚、眼、耳、鼻または性器への投与に
適しているクリーム剤、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤、ペースト剤、ス
プレイ剤または滴剤の形態である。
経口投与については、医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、粉末剤、ペレット剤
、トローチ剤、ロゼンジ剤、シロップ剤、液剤、または乳剤の形態である。
使用される医薬的に担体は、例えば、固体または液体である。医薬組成物が溶
液または懸濁液の形態で使用される場合、適切な医薬的担体または希釈剤の例と
しては、水性系については、水;非水性系については、エタノール、グリセリン
、プロピレン、グリコール、オリーブ油、コーン油、綿実油、落花生油、ゴマ油
、液体パラフィン、およびそれらの水との混合物;固体系については、ラクトー
ス、白土、シュークロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアガム
、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、カオリンおよびマンニトール;エ
アロゾル系については、ジクロロジフルオロメタン、クロロトリフルオロエタン
およ
び圧縮二酸化炭素が挙げられる。医薬的担体または希釈剤に加えて、本発明組成
物は、安定化剤、抗酸化剤、保存剤、滑沢剤、懸濁化剤、粘度変更剤などの他の
成分を含んでもよい。ただし、このさらなる成分は、本発明組成物の治療作用に
対する有害な影響を持たない。同様に、担体または希釈剤は、モノステアリン酸
グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの当該技術分野によく知られて
いる時間遅延物質を、単独で、または、ワックス、エチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、メチルメタクリレートなどと一緒に含んでもよい
。
種々の医薬形態が使用される。かくして、固体担体を使用する場合、調製物を
錠剤化するか、粉末またはペレット形態でゼラチン硬カプセル中に入れるか、ま
たは、トローチまたはロゼンジの形態であってもよい。固体担体の量は、幅広く
変化するが、好ましくは、約25mg〜約1gである。液体担体を使用する場合、
調製物は、シロップ剤、乳剤、ゼラチン軟カプセル、アンプルまたはバイアル中
の無菌注射用溶液または懸濁液、または、非水性液体懸濁液の形態である。安定
な水溶性投与形態を得るために、式Iで示される化合物の医薬的に許容される塩
を有機または無機酸または塩基の水溶液に溶解させる。可溶性塩形が入手可能で
ない場合、式Iで示される化合物を好適な共溶媒またはその混合物に溶解させる
。かかる好適な共溶媒の例としては、限定されないが、全容量の0〜60%の範
囲の濃度のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール300
、ポリソルベート80、グリセリンなどが挙げられる。
本発明の組成物において使用される化合物の実際に好ましい投与量は、使用さ
れる特定の複合体、製剤化された特定の組成物、投与のモードならびに治療され
る特定の部位、宿主および疾患によって変化する。これらの化合物は、2つの市
販の抗ウイルス薬、サイトヴェン(Cytovene)(ガンシクロヴィア(ganciclovi
r))およびゾヴィラックス(Zovirax)(アシクロヴィア(acyclovir))の濃
度範囲で活性であると思われる。後者は、1日5カプセルを超えずに、4時間毎
に1カプセルを摂取することによる単純ヘルペスウイルス感染の治療のための指
示を有する200mgのカプセルで製造される。
実施例
以下の合成例において、温度は、摂氏(℃)である。特記しない限り、出発物
質の全ては、商業的供給者から入手した。さらに詳述することなく、当業者は、
前記説明を使用して、本発明をその最も充分な程度に利用することができると思
われる。これらの実施例は、本発明を説明するためのものであり、その範囲を限
定するためのものではない。以下に、発明者らに保有されるものについて請求の
範囲に言及する。
実施例1
7−アセチル−8−メチルジオキソロ[4,5−g]インドリジノ[1,2−b ]キノリン−9(11H)−オンの製造
1A)2−メトキシ−ピロリン
アルゴン雰囲気下、硫酸ジメチル(1260g、945mL、10mol;オールド
リッチ(Aldrich))の攪拌溶液に2−ピロリドン(850g、760mL、10mo
l;オールドリッチ)を2時間かけて滴下した。温度が45℃に上昇した。添加
終了後、透明混合物を60℃で16時間攪拌した。次いで、氷および飽和K2C
O3上に注ぎ、エーテル(2×1L)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗
浄し、乾燥させ(Na2SO4)、加熱浴を20℃に維持しつつ、ロータリー式エ
バポレーターで溶媒を除去した。残留液体を真空下で冷却レシーバー中に蒸留し
、少量の前留分後、無色の液体635g(64%)を得た。沸点35℃/15Tor
r:1NMR(400MHz、CDCl3)δ3.8(s,3H,OCH3)、3.65(
t,2H,CH2−N)、2.45(t,2H,CH2−N)、2.1(m,2H,-CH2
-)。
1B)7−ヒドロキシ−8−エトキシカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H− インドリジン−5−オン
実施例1(A)の化合物(100g、100mL、1mol)および1,3−ジエチ
ルアセトンジカルボキシレート(202g、182mL、1.5mol、オールドリッ
チ)のトリエチルアミン(10mL)との混合物を室温で1.5週間維持した。形
成された結晶を濾過によって分離し、石油エーテルおよびエチルエーテルで洗浄
して、オフホワイト色の固体94g(41%)を得た。融点131℃:1NMR(
400MHz、CDCl3)δ5.8(s,1H,オレフィン)、4.4(m,3H,エ
チルエス
テル)、4.15(t,2H,CH2−NCO)、3.5(t,2H,CH2−オレフィ
ン)、2.25(m,2H,−CH2−)、1.4(t,3H,エチルエステル)。
1C)7−ヒドロキシ−8−エトキシカルボニル−6−メチル−2,3−ジヒ ドロ−1H−インドリジン−5−オン
アルゴン雰囲気下、実施例1(B)の化合物(10g、45mmol)の乾燥TH
F(500mL)中溶液にNaH(2g、49mmol、60%分散物)を添加した。得
られた混合物を室温で10分間攪拌した。ヨウ化メチル(2.8mL、4.5mmol)
を添加し、該混合物を室温で96時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をフラ
ッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、0〜2%メタノール:CH2Cl2)
に付して精製して、白色固体5.7g(54%)を得た:1NMR(400MHz、
CDCl3)δ11.4(s,1H,OH)、4.4(m,3H,エチルエステル)、4
.15(t,2H,CH2−NCO)、3.5(t,2H,CH2−オレフィン)、2.
25(m,2H,−CH2−)、2.01(s,3H,CH3)、1.4(t,3H,エチ
ルエステル)。
1D)7−ヒドロキシ−8−カルボキシ−6−メチル−2,3−ジヒドロ−1 H−インドリジン−5−オン
実施例1(C)の化合物(1.2g、5mmol)のメタノール(30mL)、TH
F(20mL)およびH2O(20mL)中溶液にLiOH(1g、25mmol)を添
加し、該混合物を室温で56時間攪拌した。溶媒を真空除去した。得られた混合
物をH2Oで希釈し、3N HClで(pH〜5)に酸性化した。沈殿した固体を
濾過し、H2Oで洗浄し、真空乾燥させて、黄褐色の固体0.8g(76%)を得
た:1NMR(400MHz、CD3OD)δ4.23(m,2H,CH2−NCO)
、3.5(t,2H,CH2−オレフィン)、2.35(m,2H,−CH2−)、1.
95(s,3H,CH3)。
1E)7−ヒドロキシ−6−メチル−2,3−ジヒドローインドリジン−5− オン
実施例1(D)の化合物(0.8g、3.75mmol)および2,4,6−トリクロ
ロフェノール(6g)を、二酸化炭素の発生が止むまで、220℃で加熱した。
得られた混合物を室温に冷却し、エチルエーテルで希釈した。沈殿した固体を濾
過
し、乾燥させて、固体0.62g(98%)を得た:1NMR(400MHz、CD3
OD)δ6.1(s,1H,ピリジル)、4.23(m,2H,CH2−NCO)、3
.5(t,2H,CH2−オレフィン)、2.35(m,2H,−CH2−)、1.95
(s,3H,CH3)。
1F)トリフルオロメタンスルホン酸−6−メチル−5−オキソ−1,2,3, 5−テトラヒドロ−インドリジン−7−イル−エステル
実施例1(E)の化合物(5g、30mmol)のDMF(100mL)中溶液に、
N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(16g、45mmol)と一緒に
トリエチルアミン(12.6mL、90mmol)を添加した。得られた混合物を室温
で1時間攪拌した。溶媒を真空除去し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(
シリカ、50〜100%EtOAc:ヘキサン)によって精製して、黄褐色の固体
6.15g(68%)を得た:1NMR(400MHz、CDCl3)δ6.15(s,
1H,ピリジル)、4.16(t,2H,−CH2)、3.13(t,2H,−CH2
−)、2.24(m,2H,−CH2)、2.13(s,3H,CH3)。
1G)7−(1−ブトキシ−ビニル)−6−メチル−2,3−ジヒドロ−1H −インドリジン−5−オン
実施例1(F)の化合物(6.15g、20mmol)のDMF(100mL)中溶
液にn−ブチルビニルエーテル(10.3mL、80mmol)と一緒にトリエチル
アミン(5.5mL、40mmol)を添加した。得られた混合物に、1,3−ビス(
ジフェニルホスフィノ)プロパン(0.49g、1.2mmol)と一緒にPd(OAc)2
(0.27g、1.2mmol)を添加した。得られた混合物を60℃で5時間攪拌し
た。溶媒を真空除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ
、30〜60%EtOAc:ヘキサン)に付して精製して、油状物5g(89%)
を得た:1NMR(400MHz、CDCl3)δ6.15(s,1H,ピリジル)、
4.35(d,1H,オレフィン)、4.16(m,3H,−CH2;オレフィン)、
3.79(t,2H,CH2−O)、3.1(T,2H,−CH2−)、2.2(m,5H
,−CH3;−CH2−)、1.72(m,2H,アルキル)、1.48(m,2H,ア
ルキル)、0.95(t,3H,アルキル)。
1H)7−アセチル−6−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドリジン− 5−オン
実施例1(G)の化合物(5g、20mmol)の氷酢酸(10mL)中溶液に3N
HCl(3mL)を添加し、反応混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を真空除去
し、残留物をEtOAc中に再懸濁させ、5%NaHCO3、NaClで洗浄し、乾
燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去し、残留物をフラッシュカラムクロマ
トグラフィー(シリカ、40〜100%EtOAc:ヘキサンおよび0〜5%メタ
ノール:CH2Cl2)に付して精製して、固体2.3g(52%)を得た。融点1
01〜102℃。
1I)6−メチル−7−(2−メチル−[1,3]−ジオキソラン−2−イル )−2,3−ジヒドロ−1H−インドリジン−5−オン
0℃で、実施例1(H)の化合物(2g、10.4mmol)のエチレングリコール
(50mL)中溶液にHClガスを通気させた。得られた溶液を室温に加温し、室
温で14時間攪拌した。得られた混合物をNH4OH溶液および氷に注いだ。該
混合物をCH2Cl2で抽出し、H2O、NaClで洗浄し、乾燥させた(Na2SO4
)。溶媒を真空除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ
、0〜5%メタノール:CH2Cl2)に付して精製して、固体2.13g(86%
)を得た。1NMR(400MHz、CDCl3)δ6.37(s,1H,ピリジル)
、4.14(t,2H,−CH2−)、4.02(m,2H,ケタール)、3.73(m
,2H,ケタール)、3.04(t,2H,−CH2−)、2.27(s,3H,−CH3
)、2.16(m,2H,−CH2−)、1.61(s,3H,−CH3)。
1J)1−ヒドロキシ−6−メチル−7−(2−メチル−[1,3]−ジオキ ソラン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドリジン−5−オン
−78℃で、ジイソプロピルアミン(1.89mL、13.6mmol)のTHF(
20mL)中溶液にn−ブチルリチウム(5.4mL、13.6mmol)を添加し、得
られた混合物を−78℃で10分間攪拌した。実施例1(I)の化合物(2.1
3g、9mmol)のTHF(100mL)中溶液を滴下漏斗を介して添加し、得られ
た混合物を−78℃で10分間攪拌した。THF(20mL)中のデビス試薬
(3.54g、18mmol)を一度に添加し、得られた混合物を−78℃で1時間攪
拌した。NH4Cl(20mL)の飽和溶液を−78℃で添加し、得られた混合物
をCH2Cl2で抽出した。水性層を3N HClで酸性化し、CH2Cl2で抽出した
。合わせた有機フラクションをH2O、食塩水で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4
)。溶媒を真空除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ
、0〜7%メタノール:CH2Cl2)に付して精製して、泡状物1.16g(51
%)を得た。1NMR(400MHz、CDCl3)δ6.66(s,1H,ピリジル
)、5.21(br s,1H,−CH−OH)、4.14(m,1H,−CH2−)、
4.04(br s,1H,−OH)、3.99(m,3H,ケタール,−CH2−)、
3.73(m,2H,ケタール)、2.46(m,1H,−CH2−)、2.27(s,
3H,−CH3)、2.16(m,1H,−CH2−)、1.61(s,3H,−CH3)
。
1K)6−メチル−7−(2−メチル−[1,3]−ジオキソラン−2−イル )−2,3−ジヒドロ−1H−インドリジン−1,5−ジオン
実施例1(J)の化合物(1.1g、4.3mmol)のCH2Cl2(100mL)中
溶液にピリジニウムクロロクロメート(1.89g、8.7mmol)を添加し、得ら
れた混合物を室温で12時間攪拌した。該混合物をCH2Cl2で希釈し、得られ
た残留物をセライトの支持床を介して濾過した。溶媒を真空除去し、残留物をフ
ラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、0〜3%メタノール:CH2Cl2
)に付して精製して、泡状物0.8g(74%)を得た。1H NMR(400MH
z、CDCl3):δ7.20(s,1H,ピリジル)、4.28(br s,2H,−C
H2−)、4.07(br s,2H,ケタール)、3.73(br s,2H,ケター
ル)、2.89(br s,2H,−CH2−)、2.42(s,3H,−CH3)、1.
61(s,3H,−CH3)。
1L)7−アセチル−8−メチルジオキソロ[4,5−g]インドリジノ[1, 2−b]キノリン−9(11H)−オン
実施例1(K)の化合物(0.1g、0.4mmol)のトルエン(10mL)中溶
液に、p−トルエンスルホン酸(2mg、触媒)と一緒にアミノピペリナール(7
3mg、0.44mmol)を添加した。得られた混合物をディーン−スタークトラッ
プ下で
12時間還流した。該混合物を冷却し、ヘキサンおよびEt2Oで希釈した。沈殿
した黄褐色の固体を濾過し、真空乾燥させて、ケタール65mg(43%)を得た
。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ8.1(s,1H,12−キノリル)
、7.57(s,1H,13−キノリル)、7.48(s,1H,4−キノリル)、7
.14(s,1H,6−ピリジル)、6.18(s,2H,O−CH2−O)、5.19
(s,2H,11−CH2−)、4.09(m,2H,ケタール)、3.84(m,2H
,ケタール)、2.45(s,3H,−CH3)、1.72(s,3H,−CH3)。
氷酢酸(5mL)中の前記ケタール(65mg、0.17mmol)に3N HCl(1
mL)を添加した。得られた混合物を70℃で1時間加熱した。該混合物をH2O
で希釈し、CH2Cl2で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させた(Na2
SO4)。溶媒を真空除去させて、黄色固体28mg(50%)を得た。1H NM
R(400MHz、CDCl3+CD3OD):δ8.23(s,1H,12−キノリ
ル)、7.49(s,1H,13−キノリル)、7.35(s,1H,4−キノリル)
、7.19(s,1H,6−ピリジル)、6.20(s,2H,O−CH2−O)、5.
23(s,2H,11−CH2−)、2.64(s,3H,−CH3)、2.32(s,
3H,−CH3);分析(C19H14N2O4・0.5H2O)理論値:C,66.47;
H,4.40;N,8.16、測定値:C,66.41;H,4.20;N,8.14。融
点>300℃。
実施例2
7−アセチル−12−ジメチルアミノメチル−8−メチルジオキソロ[4,5 −g]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン
2A)1−(2−ニトロ−フェニル)エタノン
冷却した65%HNO3(200mL)に3,4−メチレンジオキシアセトフェ
ノン(41g、0.25mol;オールドリッチ)を添加し、得られた混合物を、熱
の放出を伴って、40℃で1時間攪拌した。熱の放出が止んだ後、該混合物を氷
上に注いだ。水をデカントし、得られたガム状物をメタノールと一緒に粉砕した
。該生成物を固化し、濾過して、固体40g(76%)を得た。1H NMR(4
00MHz、CDCl3):δ7.55(s,1H,芳香族)、6.76(s,1H,芳
香族)、
6.19(s,2H,O−CH2−O)、2.56(s,3H,−CH3);融点112
℃。
2B)2−ブロモ−1−(2−ニトロ−フェニル)エタノン
実施例2(A)の化合物(10g、47.8mmol)のジオキサン(30mL)中
溶液に臭素(2.5mL、48.3mmol)のジオキサン(100mL)中溶液を滴下
漏斗を介して滴下した。得られた混合物を室温で4時間攪拌した。溶媒を真空除
去し、混合物をEt2Oで希釈し、5%NaHCO3、H2O、食塩水で洗浄し、乾
燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去し、フラッシュカラムクロマトグラフ
ィー(シリカ、0〜60%Et2O:ヘキサン)に付して精製して、催涙性固体8
g(58%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 7.62(s,
1H,芳香族)、6.84(s,1H,芳香族)、6.22(s,2H,O−CH2−O
)、4.23(s,2H,CH2Br)。
2C)N'−ベンジリデン−N,N−ジメチル−ヒドラジン
10℃で、ベンズアルデヒド(5g、47mmol;オールドリッチ)のエタノー
ル(250mL)中溶液に、エタノール(50mL)中のN,N−ジメチルヒドラ
ジン(5.37mL、70.6mmol;オールドリッチ)を滴下した。得られた混合
物を室温に加温し、室温で30分間攪拌し、次いで、20時間還流した。溶媒を
真空除去し、得られた混合物をH2Oで希釈し、Et2Oで抽出した。有機層を食
塩水で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去して、淡黄色油状物
5.2g(74%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 7.6(
m,2H,芳香族)、7.3(m,2H,芳香族)、7.2(m,3H,芳香族;CH=
N)、2.95(s,6H,ジメチルアミノ)。
2D)2−ジメチルアミノ−1−(2−ニトロ−フェニル)−エタノン
実施例2(B)の化合物(0.5g、1.73mmol)のCH3CN(5mL)中溶
液に実施例2(C)の化合物(0.26g、1.73mmol)を添加し、得られた混
合物を室温で24時間放置した。沈殿した生成物を濾過して、固体126mg(2
5%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3+CD3OD):δ 7.65
(s,1H,芳香族)、7.19(s,1H,芳香族)、6.27(s,2H,O−CH2
−O)、4.67(s,2H,CH2N+(CH3)2)、3.09(s,6H,ジメチ
ルアミノ+)。
2E)1−(2−アミノ−フェニル)−2−ジメチルアミノ−エタノン
実施例2(D)の化合物(0.126g、0.38mmol)のメタノール(5mL)
中溶液に、Ni2B(200mg)と一緒に1N HCl(3mL)を添加した。得ら
れた混合物を60℃で1時間加熱した。混合物をH2Oで希釈し、EtOAcで抽
出した。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去
して、固体76mg(90%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):
δ 7.28(s,1H,芳香族)、6.45(br s,2H,−NH2)、6.13(
d,1H,芳香族)、5.9(s,2H,O−CH2−O)、3.52(s,2H,CH2
N(CH3)2)、2.34(s,6H,ジメチルアミノ)。
2F)7−アセチル−12−ジメチルアミノメチル−8−メチルジオキソロ[ 4,5−g]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン
実施例1(L)の方法に従って、実施例1(K)の化合物(71mg、0.28m
mol)および実施例2(E)の化合物(71mg、0.31mmol)を反応させた。溶
媒を蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、0〜1
0%メタノール:CH2Cl2)に付して精製して、黄色固体としてケタール25m
g(25%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ7.61(s,1
H,キノリル)、7.49(s,1H,キノリル)、7.45(s,1H,ピリジル)
、6.15(s,2H,O−CH2−O)、5.23(s,2H,11−CH2)、4.
07(m,2H,ケタール)、3.82(m,2H,ケタール)、3.80(s,2H,
CH2N(CH3)2)、2.45(s,3H,−CH3)、2.29(s,6H,ジメチ
ルアミノ)、1.71(s,3H,−CH3)。
実施例1(L)の方法に従って、前記ケタールを加水分解した。得られた残留
物を凍結乾燥して、固体12mg(65%)を得た。1H NMR(400MHz、
D2O):δ 7.4(s,1H,キノリル)、7.2(s,1H,キノリル)、7.0
1(s,1H,ピリジル)、6.3(s,2H,O−CH2−O)、5.18(s,2H
,11-CH2)、3.65(s,2H,CH2N(CH3)2)、2.98(s,6H,ジ
メチルアミノ+)、2.66(s,3H,−CH3)、2.17(s,3H,−CH3)
。
実施例3
7−アセチル−12−ヒドロキシメチル−8−メチルジオキソロ[4,5−g ]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン
3A)酢酸−2−(2−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−エチルエステル
実施例2(B)の化合物(0.5g、1.73mmol)のDMF(10mL)中溶液
に酢酸ナトリウム(0.43g、5.19mmol)を添加し、得られた混合物を67
℃で1時間加熱した。得られた混合物をH2Oで希釈し、EtOAcで抽出し、
食塩水で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。該溶液をヘキサンと一緒に粉砕し
、沈殿した固体を濾過して、0.32g(74%)を得た。1H NMR(400M
Hz、CDCl3):δ7.58(s,1H,芳香族)、7.84(s,1H,芳香族)
、6.2(s,2H,O−CH2−O)、4.92(s,2H,CH2−OAc)、2.0
6(s,3H,−CH3)。
3B)酢酸−2−(2−アミノ−フェニル)−2−オキソ−エチルエステル
実施例2(E)の方法に従って、実施例3(A)の化合物(0.3g、1.2mmo
l)を還元して、泡状物0.24g(92%)を得た。1H NMR(400MHz、
CDCl3):δ6.89(s,1H,芳香族)、6.43(br s,2H,−NH2)
、6.17(s,1H,芳香族)、5.91(s,2H,O−CH2−O)、5.17(
s,2H,CH2−OAc)、2.23(s,3H,−CH3)。
3C)7−アセチル−12−ヒドロキシメチル−8−メチルジオキソロ[4, 5−g]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン
実施例1(L)の方法に従って、実施例1(K)の化合物(50mg、0.2mmo
l)および実施例3(B)の化合物(50mg、0.22mmol)を反応させた。沈殿
した固体を濾過してケタール45mg(50%)を得た。1H NMR(400MH
z、CDCl3):δ 7.50(s,1H,キノリル)、7.30(s,1H,キノリル
)、7.15(s,1H,ピリジル)、6.20(s,2H,O−CH2−O)、5.5
(s,2H,−CH2Ac)、5.30(s,2H,11−CH2)、4.07(m,2H
,ケタール)、3.82(m,2H,ケタール)、2.50(s,3H,-CH3)、2.
20(s,3H,-CH3)、1.71(s,3H,−CH3)。
実施例1(L)の方法に従って、前記ケタール(40mg、0.1mmol)を加水
分解して、固体30mg(65%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSOd 6
):δ 7.50(s,1H,キノリル)、7.40(s,1H,キノリル)、7.2
0(s,1H,ピリジル)、6.25(s,2H,O−CH2−O)、5.4(s,2H
,−CH2Ac)、5.17(s,2H,11−CH2)、2.55(s,3H,−CH3
)、2.20(s,3H,−CH3)。
実施例4
(±)−7−(1−ヒドロキシエチル)−8−メチルジオキソロ[4,5−g ]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン
4A)(±)−7−(1−ヒドロキシエチル)−8−メチルジオキソロ[4, 5−g]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン
7−アセチル−8−メチルジオキソロ[4,5−g]インドリジノ[1,2−b
]キノリン−9(11H)−オン(2mg、5μmol)の、MeOH(0.2mL)、
CH2Cl2(0.6mL)およびTHF(0.2mL)の混合物中溶液にホウ水素化
ナトリウム(2mg、55μmol)を一度に添加した。室温で1.5時間攪拌した後
、溶媒を真空除去した。得られた残留物を10%NH4Cl水溶液(150μL
)で処理し、4℃で一晩放置した。形成された固体を濾過によって回収し、H2
Oでゆるやかに洗浄し、乾燥させて、黄色固体1.7mg(89%)を得た:1H
NMR(400MHz、CDCl3):δ 8.2(s,1H,12−キノリル)、
7.4(s,1H,13−キノリル)、7.12(s,1H,4−キノリル)、7.1
(s,1H,6−ピリジル)、6.15(s,2H,O−CH2−O)、5.2(s,2
H,11−CH2−)、4.89(m,1H,CHOH)、2.3(s,3H,メチル)
、1.5(d,3H,脂肪族)。
実施例5
(±)−7−[1(アミノアセチル)オキシ]エチル]−8−メチルジオキソ
ロ[4,5−g]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン・ヒ
ドロトリフルオロ酢酸塩
5A)(±)−7−[1−[[[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル ]アミノ]アセチル]オキシ]エチル]−8−メチルジオキソロ[4,5−g] インドリジノ[1,2 −b]キノリン−9(11H)−オン
アルゴン雰囲気下、(t−ブトキシカルボニル)グリシン(2mg、10μmol
)のCH2Cl2(2mL)中懸濁液に1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(
2mg、10μmol)を添加した。室温で0.5時間攪拌した後、(±)−7−(1
−ヒドロキシエチル)−8−メチルジオキソロ[4,5−g]インドリジノ[1,
2−b]キノリン−9(11H)−オン(2mg、5μmol)を添加し、次いで、
4−ジメチルアミノピリジン1mgを添加した。得られた混合物を室温で一晩攪拌
し、次いで、濾過した。濾液を、連続して、2.5%NaHCO3水溶液(2mL
)、0.1NHCl(2mL)およびH2O(2mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2
SO4)。固体残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、0〜3
%メタノール:CH2Cl2)に付して精製して、標記化合物2.5mg(75%)
を得た:1H NMR(400MHz、CDCl3):δ8.2(s,1H,12−キ
ノリル)、7.4(s,1H,13−キノリル)、7.12(s,1H,4−キノリル
)、7.1(s,1H,6−ピリジル)、6.15(s,2H,O−CH2−O)、5.
89(m,1H,CHOH)、5.2(s,2H,11−CH2−)、5.03(br
s,1H,NH)、4.14−3.94(m,2H,CH2−NCO)、2.3(s,3
H,メチル)、1.44(s,9H,t−Bu)、1.5(d,3H,脂肪族)。
5B)(±)−7−[1(アミノアセチル)オキシ]エチル]−8−メチルジ オキソロ[4,5−g]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)− オン・ヒドロトリフルオロ酢酸塩
アルゴン雰囲気下、(±)−7−[1−[[[[(1,1−ジメチルエトキシ
)カルボニル]アミノ]アセチル]オキシ]エチル]−8−メチルジオキソロ[
4,5−g]インドリジノ[1,2−b]キノリン−9(11H)−オン(2.5m
g、4μmol)の1,3−ジメトキシベンゼン(2mL)中攪拌懸濁液にトリフルオ
ロ酢酸(2mL)を添加した。室温で1.5時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃
縮した。残留物をH2Oに溶解させ、Et2Oで抽出し、濾過し、凍結乾燥させて
、薄黄色固体として標記化合物1.8mg(79%)を得た:1H NMR(400
MHz、CD3OD)δ8.12(s,1H,12−キノリル)、7.45(s,1H
,13−キノリル)、7.13
(s,1H,4−キノリル)、7.16(s,1H,6−ピリジル)、6.15(s,
2H,O−CH2−O)、5.89(m,1H,CHOH)、5.1(s,2H,11−
CH2−)、4.02(br s,2H,CH2N)、2.25(s,3H,メチル)、
1.4(d,3H,脂肪族)。
実施例6
非経口組成物
注射による投与に適している本発明の非経口医薬組成物を調製するために、式
Iで示される化合物の水溶性塩100mgを0.9%無菌生理食塩水10mlと混合
し、該混合物を、注射による投与に適している投与単位形態に一体化させる。
実施例7
経口組成物
本発明の経口医薬組成物を調製するために、式Iで示される化合物100mgを
ラクトース750mgと混合し、該混合物を、経口投与に適しているゼラチン硬カ
プセルなどの経口投与単位形態に一体化する。
─────────────────────────────────────────────────────
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
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TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
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