【発明の詳細な説明】
シクロオキシゲナーゼ及び5−リポキシゲナーゼを阻害する
N(3−ビフェニリル−1(s)−メチル−2−プロペニル)
アセトヒドロキサム酸誘導体
本発明は、リポキシゲナーゼ及びシクロオキシゲナーゼにより媒介されるアラ
キドン酸代謝経路の阻害剤であるヒドロキサム酸誘導体、それらの製合成方法、
これらの誘導体を含有する薬学的製剤、及び薬剤におけるそれらの使用に関する
。
ヨーロッパ特許明細書0196184には、ほ乳類のアラキドン酸カスケード
における酵素である5−リポキシゲナーゼ及びシクロオキシゲナーゼを阻害し得
るヒドロキサム酸誘導体が記載されている。問題のこれら化合物には、式
(ここで、YはC2〜10アルケニレン、R1はC1〜4アルキル、アミノ、C1〜4ア
ルキルアミノ、又はジ−C1〜4アルキルアミノ、及びArはフェニルを表す。た
だし、Arは場合によって
(i)C1〜4アルキル(場合によって、それ自体が1つ以上のハロゲン原子に
より置換されていてもよい)、C1〜4アルコキシ、ハロ、ニトロ、アミノ、カル
ボキシ、C1〜4アルコキシカルボニル、及びヒドロキシ、
(ii)場合によって独立して(i)で述べたものから選択さ
れる1以上の置換基で置換されていてもよいフェニルから独立して選択される1
つ以上の置換基により置換されていてもよい。)の化合物が含まれている。
WO 90/12008、WO 92/10469及びWO 92/0168
2にも、リポキシゲナーゼ阻害活性を有する化合物が開示されている。
我々は、非常に良好な薬学的特性及び生理学的特性、特に効力のある5−リポ
キシゲナーゼ阻害活性に関して長い作用持続期間及び/又は結晶性を有するとこ
ろのEP 0196184、WO 90/12008、WO 92/10469
及びWO 92/01682の化合物に関連する化合物のクラスを今発見した。
すなわち、本発明によれば、式(I)
(ここで、Xはシアノ、フルオロ又はクロロを表す)の化合物又はその塩、溶媒
和物又は薬学的機能性誘導体(physiologically functional derivative)が提
供される。
あるいは、本発明は、(E)-N-[3-(4’-シアノ-3-ビフェニリル)-1(S)-
メチル-2-プロペニル]アセトヒドロキサム酸、(E)-N-[3-(4’-フルオロ-3-
ビフェニリル)-1(S)メチル-2-プロペニル]アセトヒドロキサム酸、(E)-N-
[3(4’-クロロ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチル-2-プロペニ
ル]アセトヒドロキサム酸から選ばれる化合物、その塩、溶媒和物及び生理学的
機能性誘導体を提供する。
薬剤における使用に適切な式(I)の化合物の塩は、対イオンが薬学的に許容
し得るものである。しかしながら、薬学的許に容し得ない対イオンを有する塩は
、式(I)の化合物並びにそれらの薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、及び生
理学的機能性誘導体の合成における中間体としての使用のために本発明の範囲内
である。
本発明の塩には、アンモニウム塩、ナトリウム及びカリウムの塩ようなアルカ
リ金属塩、カルシウム及びマグネシウムの塩ようなアルカリ土類金属塩、ジシク
ロヘキシルアミン及びN−メチル−D−グルカミンのような有機塩基との塩、並
びにアルギニン及びリジンのようなアミノ酸との塩が含まれる。
生理学的機能性誘導体とは、式(I)で表されるフリーの化合物と同じ生理学
的機能性を、例えば生体内でそれに変換されることにより有するところの式(I
)で表され得る化合物の化学的誘導体を意味する。本発明によれば、生理学的機
能性誘導体の例には、ヒドロキサム酸官能基のヒドロキシルがウレタン、アルキ
ルエーテル又はエステルに変換されたところの式(I)の化合物が含まれる。
本発明の化合物の定義では、(S)形態の式(I)の化合物が提供される。し
かしながら、本発明によれば、(R)形態及び(S)形態の混合物として式(I
)の化合物も提供される。ただし、(R)形態は、混合物の50%未満を構成す
る。
上述のように、式(I)の化合物、その塩、溶媒和物及び生理学的機能性誘導
体は、リポキシゲナーゼ又はシクロオキシキシゲナーゼにより媒介されるアラキ
ドン酸代謝経路の阻害剤が必要とされるところの臨床的状態の予防及び治療にお
ける使用を有する。そのような使用を有することは、代表的な本発明の化合物が
活性であると示されたところの5−リポキシゲナーゼ及びシクロオキシゲナーゼ
阻害アッセイにおいて以下に実証されている。例えば、リポキシゲナーゼ及びシ
クロオキシゲナーゼにより媒介されるアラキドン酸代謝経路を阻害する式(I)
の化合物の能力により、これら化合物はスパスモーゲン状態、アレルギー状態、
腫瘍形成、血小板凝集に関係する状態並びに炎症状態の予防及び治療に有用であ
る。
スパスモーゲン状態の例には、平滑筋組織、特に(特発性気管支ぜん息を含む
)ぜん息のような気道平滑筋狭窄に関係する状態、気管支炎及び冠状動脈痙攣の
ような動脈の平滑筋狭窄(心筋梗塞に伴うものを含み、これは心室不全の結果、
心臓性ぜん息を残すことを導き得ることもあるし導かないこともある)、虚血誘
発性心筋損傷、及び(中枢神経病態生理(pathophysiology)を導き得るところ
の)脳痙攣又は「脳卒中」が含まれる。他の例には、「過敏性腸症候群」、「痙
攣性結腸」及び「粘液性大腸炎」として知られる状態のような異常結腸筋収縮に
より引き起される腸疾患が含まれる。
アレルギー状態の例には、外因性ぜん息、湿疹、アレルギ
ー性腸疾患(体腔疾患(coeliac desease)を含む)のような完全な又は部分的
アレルギー性の起源を有するアレルギー性皮膚疾患、(付加的に又は代替として
上部気道に影響を及す)花粉症のようなアレルギー性眼の状態、アレルギー性鼻
炎及びアレルギー性結膜炎が含まれる。
腫瘍の例は、皮膚腫瘍、肥満細胞腫並びに良性及び悪性両者の他の細胞性増殖
の形態である。腫瘍の予防及び治療における本発明の化合物の有効性は、5−リ
ポキシゲナーゼ阻害に加え、細胞増殖も阻害する特性から生じ得ることは注意す
べきである。
血小板凝集に関係する状態の例には、完全な又は部分的血栓による起源を有す
る「脳卒中」、冠状動脈血栓症、静脈炎及び静脈血栓症(後の2つの状態は、炎
症も伴い得る)を含む血栓症から生じるものが含まれる。
炎症状態の例には、肺、関節、眼、皮膚及び心臓の炎症状態、特に炎症を起し
た組織内への白血球の侵入を伴うものが含まれる。炎症性肺状態には、ぜん息、
成人呼吸器窮迫症候群、(腸又は他の組織と付加的に又は代替として関係し得る
ところの)気管支炎及び胆嚢繊維症が含まれる。炎症性関節状態には、リューマ
チ性関節炎、リューマチ性脊椎炎、関節炎、痛風関節炎及び他の関節の状態が含
まれる。炎症性眼の状態には、(虹彩炎を含む)ブドウ膜炎及び結膜炎が含まれ
る。炎症性腸の状態には、クローン病、潰瘍性結腸炎及び末梢直腸炎が含まれる
。炎症性皮膚疾患には、(アレルギー性の起源であろうがなかろうが)乾癬、湿
疹及び皮膚炎のよう
な細胞増殖を伴うものが含まれる。心臓の炎症状態には、冠状動脈梗塞損傷が含
まれる。他の炎症状態には、慢性炎症における組織壊死、内毒素ショック、平滑
筋増殖不全(例えば血管形成後の再狭窄)、及び移植手術後の細胞拒絶が含まれ
る。
従って、本発明は、例えば5−リポキシゲナーゼ又はシクロオキシゲナーゼ阻
害剤のようなリポキシゲナーゼ又はシクロオキシゲナーゼにより媒介されるアラ
キドン酸代謝経路の阻害剤が必要とされるところの人間等ほ乳類の臨床状態の予
防又は治療方法を提供する。本発明の方法は、治療的に有効な量の式(I)の化
合物、又はその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、若しくは生理学的機能性誘導
体を投与することを包含する。本発明はさらに、人間等ほ乳類の臨床状態の予防
又は治療のための方法であって、その臨床状態がスパスモーゲン状態、アレルギ
ー状態、腫瘍形成、血小板凝集に関係する状態、又は炎症状態である方法を提供
する。この方法は、治療的に有効な量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許
容し得る塩、溶媒和物、若しくは生理学的機能性誘導体を投与することを包含す
る。
代替として、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、
若しくは生理学的機能性誘導体の医療における使用、特に、例えば5−リポキシ
ゲナーゼ又はシクロオキシゲナーゼ阻害剤のようなリポキシゲナーゼ又はシクロ
オキシゲナーゼにより媒介されるアラキドン酸代謝経路の阻害剤が必要とされる
ところの人間等ほ乳類の臨床状態、例え
ばスパスモーゲン状態、アレルギー状態、腫瘍形成、血小板凝集に関係する状態
あるいは炎症状態の予防又は治療における使用も提供される。
治療効果を十分に達成するために必要とされる式(I)の化合物、又はその薬
学的に許容し得る塩、溶媒和物、若しくは生理学的機能性誘導体の量は、もちろ
ん、特定の化合物、投与経路、治療対象、及び治療されている特定の不全又は疾
患により変化する。上述のいずれもの臨床状態に罹った、又は罹りそうなほ乳類
に対する1日の適切な投与量は、0.1μg〜50mgの化合物/体重キログラ
ムである。全身投与の場合、1日の投与量は、典型的には0.05〜50mgの
化合物/体重キログラム、最も好ましい投与量は、0.05ないし20mg/体
重Kgであり、例えば、1日当り2ないし3回の分割投与として0.1ないし1
0mg/Kg投与される。例えば、皮膚又は眼への局所投与の場合、適切な投与
量は、1キログラム当り0.1μg〜100μgの範囲であり、典型的には約0
.1μg/Kgである。
例えばぜん息又は気管支炎におけるような気道平滑筋狭窄の予防又は治療のた
めの経口投与の場合、本発明の化合物の適切な投与量は、前の段落で述べたもの
でよいが、好ましくは、0.1mgないし10mgの化合物/体重キログラムで
あり、最も好ましい投与量は、0.1mgないし5mg/体重Kgである。肺へ
の投与の場合、投与量は、典型的には2μg〜100mg/Kgの範囲であり、
好ましくは5μgないし5mg/Kg、例えば、0.01ないし1mg/Kgで
ある。
本発明は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、若
しくは生理学的機能性誘導体の、例えば5−リポキシゲナーゼ又はシクロオキシ
ゲナーゼ阻害剤のようなリポキシゲナーゼ又はシクロオキシゲナーゼにより媒介
されるアラキドン酸代謝経路の阻害剤が必要とされるところの臨床状態、例えば
、スパスモーゲン状態、アレルギー状態、腫瘍形成、血小板凝集に関係する状態
あるいは炎症状態の予防又は治療のための薬剤の製造における使用も提供する。
式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、若しくは生理学的機能性誘導体を
単独で投与することは可能であるが、薬学的製剤として提供することが好ましい
。従って、本発明は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩、溶媒
和物、若しくは生理学的機能性誘導体、及び薬学的に許容し得るキャリア又はエ
クシピエント、及び場合に応じて1つ以上の他の治療的成分を包含する薬学的製
剤をさらに提供する。
以下、「活性成分」とは、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩
、溶媒和物、若しくは生理学的機能性誘導体を意味する。
もちろん、キャリアー又はエクシピエントは、製剤内の他の成分と両立できな
ければならず、被投与者に対して有害であってはならない。活性成分は、製剤の
0.1重量%ないし99.9重量%を構成することができる。本発明の製剤の典
型的単位投与量は、0.01mgないし1gの活性成分を含有する。局所投与用
に、活性成分は、好ましくは製剤の1重
量%ないし2重量%を構成するが、活性成分は、10%w/wまでを構成するこ
とができる。鼻又は頬への投与に好適な製剤は、典型的には0.1ないし20%
w/w、例えば、2%w/wの活性成分を含有する。
本発明の製剤には、口、肺、眼、直腸、非経口(皮下、筋内及び静脈を含む)
、関節内、局所又は鼻/頬への投与に適する形態のものを含む。
本発明の製剤は、単位投与形態において簡便に提供することができ、薬学の技
術において既知のいずれもの方法によって製造することができる。全てのそのよ
うな方法には、活性成分を、1又はそれ以上の付属の成分を構成するキャリアー
と組合わせる工程を含む。場合によって、例えば、微少化により活性成分の粒子
サイズを製剤化前に減少させることができる。一般に、製剤は、活性成分を均一
にかつ密接に液体キャリアー若しくは微細に分割した固体キャリアー又は両者と
組合わせ、次いで、所望の場合は、生成物を必要とされる形態に形成することに
より製造される。
経口投与に適する本発明の製剤は、それぞれ活性成分の所定量を含有するカプ
セル、カシェ剤、錠剤若しくはロゼンジのような孤立した(discrete)ユニット
の形態、粉末若しくは顆粒の形態、溶液の形態、サスペンジョン又は水性液体若
しくは非水性液体中の微細サスペンジョン、又は水中油型若しくは油中水型エマ
ルジョンの形態であり得る。活性成分は、巨丸、舐剤又はパスタの形態にもし得
る。
錠剤は、活性成分を、場合に応じて1以上の付属成分とと
もに圧縮又は成形することにより製造することができる。圧縮された錠剤は、粉
末又は顆粒のような自由に流動する形態の活性成分を適切な機械中で圧縮し、場
合に応じて崩壊剤、圧縮エイド(compression aid)、バインダー、潤滑剤、不
活性希釈剤及び/又は界面活性剤あるいは分散剤と混合することにより製造する
ことができる。成形された錠剤は、粉末状態の活性成分及び不活性液体希釈剤に
より湿らされた適切なキャリアーの混合物を、適切な機械内で成形することによ
り製造することができる。
直腸投与用製剤は、活性成分及びココアバターのようなキャリアーを包含する
坐薬の形態、又は浣腸の形態にすることができる。
非経口投与に適する製剤には、典型的には、好ましくは被投与者の血液と等張
の、活性成分のエマルジョン、サスペンジョン、又はコロイドのような滅菌した
水性調製物又は非水性調製物が含まれる。その製剤は、凍結乾燥され、次いで投
与直前に滅菌流体の添加により再形成されることもできる。
関節内投与に適する製剤は、活性成分の滅菌水調製物の形態にし得、例えば水
性微細結晶サスペンジョンのような微細結晶の形態であってもよい。
リポソームの製剤及び生物分解性ポリマー系も、例えば、活性成分を非経口、
関節内及び眼への投与用に提供するために用い得る。
局所投与に適する製剤には、リミネント、ローション及びアプリケーションの
ような液体及び半固体調製物、クリーム、
軟膏及びパスタのような水中油型及び油中水型エマルジョン、滴下剤のような溶
液及びサスペンジョンが含まれる。例えば、眼への投与用に、活性成分は、例え
ば0.1〜1.0%w/v溶液の形態で、水性の眼滴下剤として提供することが
できる。
吸入による投与用に適する製剤には、計測された投与量(metered dose)を圧
縮したアエロゾル、ネブライザ又は注入器の各種タイプの手段により発生させ得
るところの微細粒子ダスト又はミストが含まれる。
口を経由する肺への投与用は、気管支枝(bronchial tree)内へのデリバリー
を確実にするために、粉末又は液滴の粒子サイズは、典型的には0.5〜10μ
m、好ましくは1〜5μmの範囲である。鼻への投与用は、鼻腔内における保持
を確実にするために、10〜500μmの範囲の粒子サイズが好ましい。
計測された投与量の吸入器は、典型的には液化推進剤(propellant)内に活性
成分のサスペンジョン又は溶液製剤を含有する加圧されたアエロゾルデイスペン
サーである。使用中、これら装置は、計測された体積、典型的には10ないし1
50μlをデリバーするために適応したバルブを通して製剤を放出する。好適な
推進剤には、ある種のクロロフルオロカーボン化合物、例えばジクロロジフルオ
ロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン及びその
混合物が含まれる。製剤は、1以上の共溶媒、例えば、エタノール、オレイン酸
又はソルビタントリオレエートのよ
うな界面活性剤、酸化防止剤及び好適な風味剤を付加的に含有することができる
。
噴霧器は、活性成分の溶液又はサスペンジョンを、圧縮されたガスに、典型的
には空気又は酸素を狭いベンチュリ開口部を通過させる加速手段により、又は超
音波撹拌手段のいずれかにより治療用アエロゾルミストに変換する商業的に入手
可能な装置である。噴霧器内で用いる好適な製剤は、液体キャリアー内に、製剤
の40%w/wまで、好ましくは20%w/w未満の活性成分を含有する。キャ
リアーは、典型的には、好ましくは例えば塩化ナトリウムの添加により体液と等
張にされた水又は希釈されたアルコール水溶液である。任意の添加剤には、もし
製剤が滅菌されて調製されない場合は保存剤が含まれ、例えばヒドロキシ安息香
酸メチル、酸化防止剤、風味剤、揮発性油、緩衝剤及び界面活性剤が含まれる。
注入器による投与に好適な製剤には、注入手段によりデリバーされるか又は嗅
剤の方法で鼻腔内に摂取することのできる細かく粉砕された粉末が含まれる。注
入器内で、粉末は、典型的にはゼラチン又はプラスチック製のカプセル又はカー
トリッジ内に含有される。これらカプセル又はカートリッジは、インシトゥ(in
situ)で穴が開けられるか開かれ、粉末は、吸入装置を通してもたらされる空
気により、又は手で操作されるポンプによりデリバーされる。注入器内で用いら
れる粉末は、活性成分単独、又は活性成分、ラクトースのような好適な粉末希釈
剤、及び任意の界面活性剤を含む活性成分混合物からなる。活性成分は、典型的
には製剤の0.1な
いし100%w/w含まれる。
上述の成分に加え、本発明の製剤には、1以上の付加的な成分、例えば、希釈
剤、緩衝剤、風味剤、バインダー、圧縮エイド、崩壊剤、界面活性剤、増粘剤、
潤滑剤、例えばヒドロキシ安息香酸メチルのような保存剤、酸化防止剤及び乳化
剤を含むことができる。本発明の化合物は、抗生物質(例えば、抗菌剤、抗真菌
剤又は抗ウイルス剤)、抗ヒスタミン剤(特に末梢作用性(peripherally-actin
g)抗ヒスタミン剤)、又は非ステロイド抗炎症剤(NSAID)から選択され
る1つ以上の他の治療成分と組合わせて有利に用いられ得る。
これら組合わせられた化合物は、例えば同じ製剤若しくは別の製剤で同時に、
又は所望の組合わされた治療的効果を達成するために十分に短い時間間隔内で連
続的に投与することができる。化合物が同じ製剤内に用いられる場合、本発明の
製剤は、本発明の化合物に加え、更なる成分を含有することができる。
本発明の更なる側面によれば、式(I)の化合物、その塩、溶媒和物、又は生
理学的機能性誘導体を合成する方法が提供される。この方法は、(S)エナンチ
オマー、又は(R)エナンチオマー及び(S)エナンチオマーの混合物のいずれ
かである式(II)
(ここでXは式(I)の化合物に対して定義されたとおり)の化合物を、N−水
素をN−C(O)CH3基に変換するために好適な試薬と反応させ、並びに場合
に応じて(a)そのようにして得られたエナンチオマーを分離し、及び/又は(
b)そのようにして生成された式(I)の化合物を、その対応する塩、溶媒和物
又は生理学的機能性誘導体に変換することを含む。
N−水素からN−C(O)CH3基への変換は、典型的には式(II)の化合物
を、例えば、塩化アセチルのような酸ハロゲン化物等適切な無水の又は活性化さ
れた酸のようなアシル化剤で処理することにより行われる。この反応は、例えば
、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、又は例えばトルエンのようなア
ルキルベンゼン等の不活性溶媒中で、−10℃から150℃、例えば0〜25℃
の範囲の温度で、例えばトリエチルアミンのようなトリアルキルアミン等の有機
塩基の存在下に適切に行われる。この反応のいずれものN,O−ジアシル化生成
物は、適切には例えば炭酸カリウムのような無機塩基による処理により、又はリ
パーゼのような適切な酵素による処理により、モノ−O−脱アシルされ得る。
式(II)の化合物が(S)エナンチオマーとして存在する場合、式(I)の化
合物は、(S)エナンチオマーとして得られる。式(II)の化合物が(S)エナ
ンチオマー及び(R)エナンチオマーの混合物として存在する場合、式(I)の
化合物は、以下のいずれかにより(S)エナンチオマーとして得られる。すなわ
ち、(i)いずれもの適切な方法によるア
シル化反応から得られたエナンチオマーを分離し、(ii)例えばリパーゼのよう
な(S)エナンチオマーと選択的に反応し得る酵素による処理によりモノ−O−
脱アシル化反応をさせ、(S)エナンチオマーの式(I)の化合物とN,O−ジ
アシル化された(R)エナンチオマーとの混合物を生成させる。次いでこれらは
、例えばクロマトグラフィーにより分離し得、(iii)モノ−O−脱アシル化反
応を、例えばリパーゼのような(R)エナンチオマーと選択的に反応し得る酵素
と反応させることにより行い、(s)エナンチオマーの式(I)のN,O−ジア
シル化された化合物及びN−アシル化された(R)エナンチオマーとの混合物を
生成させる。次いで、これらは、例えばクロマトグラフィーにより分離し得る。
分離されたN,O−ジアシル化されたこの反応の生成物は、次いで、上述のいず
れもの方法によって、モノ−O−脱アシル化され得、式(I)の化合物が(S)
エナンチオマーとして得られる。
式(II)の化合物及びその塩は、対応する式(III):
(ここでXは式(I)の化合物で定義したのと同じ、P’は、例えば−CO2C
H3のようなアルコキシカルボニル基、例えばテトラヒドロピランのような環状
エーテル、又はt−ブトキシカルボニル(Boc)のような保護基、及びP”は
、P’で述べた保護基又は水素を表す)の化合物から合成する
ことができる。式(II)の化合物への変換は、当業者により理解されるであろう
とおり、適切には酸加水分解又は塩基加水分解により行われる。例えば、式(II
I)の−N(Boc)O(Boc)又は−N(Boc)OH化合物が用いられる
場合、式(II)の化合物又はその塩は、例えばパラートルエンスルホン酸のよう
なアリールスルホン酸等の酸により、例えばトルエンのような非極性溶媒中で、
穏和な温度、適切には10〜100℃の範囲、例えば50〜60℃において処理
することにより合成することができる。得られた式(II)の化合物の塩は、次い
で、場合によって、例えば、シリカ上のクロマトグラフィーにより、又は例えば
炭酸ナトリウムのような炭酸塩等無機塩基による処理により加水分解され、遊離
塩基を放出する。
式(III)の化合物は、以下の(i)又は(ii)のいずれかの反応により得ら
れる。
(i)対応する式(IV)
CH2=CH-CH(CH3)-N(P’)OP’ (IV)
(ここで、P’は上で定義したとおり)の化合物を、式(V)
(ここで、Xは式(I)の化合物で定義したとおり、及びLは例えばハロゲン
(典型的にはブロモ又はヨード)のような適切な遊離基、又は例えばトリフルオ
ロメタンスルホネートのような置換されたスルホネートを表す)の化合物
と、典型的には高められた温度、例えば50〜150℃において、例えばN,N
−ジメチルホルムアミドのような極性溶媒中で、トリ(o−トリル)ホスフィン
と共にパラジウム(II)アセテートのような触媒、及び例えばトリエチルアミン
のようなトリアルキルアミン等の適切な塩基の存在下に反応させる反応、又は
(ii)式(VI)
(ここで、Xは式(I)で定義された通り)の化合物の、式HN(P’)OP
’の化合物(ここで、P’は式(III)の化合物で定義された通り)との反応。
この反応は、光延(Mitsunobu)条件下、例えば、ジエチルアゾジカルボキシレ
ート(DEAD)又はジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)及び
トリフェニルホスフィン(PPh3)の存在下、トルエンのような非極性溶媒中
、低温、すなわち−20℃ないし50℃、例えば0℃付近で行うことができる。
代替として、この反応は、例えば、典型的には酸無水物(例えば無水酢酸)又は
酸ハロゲン化物(例えば、クロロアセチルクロリド)を用い、塩基(例えば、4
−ジメチルアミノピリジン、DMAP)、及び例えばテトラキス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(O)のような触媒の存在下、デトラヒドロフラン(T
HF)のような非極性溶媒中、例えば40〜120℃の高められた温度にお
いて、ヒドロキシル基のエステル化により、式(IV)の化合物の活性化をするこ
とにより行うことができる。
式(VI)の化合物は、以下の(i)、(ii)又は(iii)のいずれかにより合
成することができる。
(i)対応する式(VII)
(ここで、Xは式(1)の化合物で定義したとおり)の化合物を還元する。還
元は、式(VI)のキラルアルコールが得られるような方法、例えば、(a)キラ
ル誘導触媒、適切にはオキサアザボロリジン(oxazaborolidine)CBS触媒(E
.J.Corey et al Tet Letters 31(5),611(1990))を還元剤、適切には、環
状エーテル(例えばTHF)又はアルキルベンゼン(例えば、トルエン)のよう
な不活性溶媒中のカテコールボランとともに、例えば−100℃ないし50℃の
範囲の低温で用いることにより、又は(b)酵素還元法により行われる。代わり
に、還元は、通常の有機化学の還元剤を用いて式(VI)のラセミアルコールが生
成されるように行うことができ、例えば、アルコール溶媒のような極性溶媒中の
水素化ホウ素ナトリウムにより、例えば−50℃ないし30℃の範囲の低温にお
いて処理することにより行える。もし所望の場合は、そのようにして得られた式
(VI)の化合物のエナンチオマー混合物をいずれもの適切な方法により、例えば
、酵素分割法
(enzymic reduction)により、個々のエナンチオマーに分離することができる
。酵素分割法は、典型的には、式(VI)のラセミ化合物を、エノールエステル(
例えば、酢酸ビニル)、活性化されたエステル(例えば、トリフルオロエチルブ
チレート)もしくは酸無水物(例えば、コハク酸無水物)のようなアシル供与体
により処理することにより行われるところの酵素触媒アシル−転換若しくは加水
分解反応である。ここで、アシル供与体による処理は、極端でない温度、例えば
−20℃ないし60℃の範囲で、芳香族溶媒(例えば、トルエン)のような不活
性溶媒中のリパーゼのような1つのエナンチオマーのみをアシル化することので
きる適切な酵素の存在下に行うか、又は次にリパーゼのような1つのアシル化さ
れたエナンチオマーを選択的に加水分解することのできる適切な酵素による処理
により行う。次いで、得られたエナンチオマーは、エナンチオマーの1つがアシ
ル化された形態で存在するため、いずれもの適切な方法、例えばクロマトグラフ
ィーにより分離され得る。所望の場合は、必要としないエナンチオマーは、例え
ばラセミ脱アシル化、適切には加水分解により「再循環」し得る。
(ii)上で定義された式(V)で表される適切な化合物を、式(VIII)
CH2=CH2CH-(CH3)-OP’ (VIII)
(ここで、P’は、前に定義したとおり)の化合物と反応させる。この反応は
、例えば、パラジウム(II)アセテー
ト/トリ−(O−トリル)ホスフィン、及び例えばトリエチルアミンのようなト
リアルキルアミン等の塩基のような適切な触媒系の存在下に行うことができる。
引き続いて、ヒドロキシル保護基P’の離脱を、例えば酸加水分解のような加水
分解等のいずれもの適切な方法により行うことができる。
(iii)上で定義された式(V)の適切な化合物を、クロトンアルデヒド(
(CH3CH=CHCHO)と反応させ、次いで、得られたアリルアルコールを
異性化し、所望の式(VI)の化合物を得る。クロトンアルデヒドとの反応は、典
型的には、式(V)の化合物のリチオ化により行うことができ、例えば、低温(
適切には−50℃以下)で、ブチルリチウムにより処理し、その後、クロトンア
ルデヒドにより処理することにより行うことができる。異性化は、例えば、塩酸
のような酸により穏やかな温度において処理することにより行うことができる。
式(VII)の化合物は、式(IX)
(ここで、Xは式(I)の化合物で定義したのと同じ)の対応するアルデヒドを
、式(X)
(ここで、R’は、C1〜4アルキル)の化合物と、又は代わりにアセトンと、炭
酸ナトリウムのような塩基の存在下に、THFのような極性溶媒内で、例えば−
50℃ないし30℃のような厳しくない温度において反応させることにより合成
することができる。
式(VIII)の化合物及びHN(P’)OP’は、対応する商業的に入手可能な
アルコール及びヒドロキシルアミンから、通常の保護基の化学方法を用いて合成
することができる。
式(IX)の化合物は、上で定義した式(V)の化合物から、典型的には、(例
えば、n−ブチルリチウムと、低温、すなわち−100℃ないし−20℃におい
て)リチオ化し、次いで、N,N−ジメヂルホルムアミド(DMF)と反応させ
ることにより合成することができる。
式(X)の化合物は、商業的に入手できるか、又は当業者に既知の方法により
、若しくは標準的な化学文献から容易に入手可能な方法により合成することがで
きる。
式(IV)の化合物は、EP0384594に記載される方法の1つ以上により
得られる。
式(V)の化合物は、商業的に入手しうるか、又は例えば、式(XI)
(ここでX’は式(I)の化合物のXと同じ又はその適切な前駆物質あるいはそ
の適切に保護された形態)の化合物を、式(XII)
(Lは式(V)で定義したとおり、L’は、Lと同じ、又は当業者により理解さ
れる異なる遊離基)の化合物とカップリングさせることにより得られる。このカ
ップリングは、適切には、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(0)のような適切な触媒、及び例えば炭酸ナトリウムのような無機塩基の
存在下に適切に行うことができる。
代替として、式(V)の化合物は、上で定義した式(XII)の化合物を、対応
ずるハロゲン化物からインシトウで金属(例えば、Mg又はZn)による処理に
より合成できるところの適切な有機金属試薬(例えば、適切に置換されたPhM
gY又はPhZnY、ここでYはハロゲン)とカップリングさせることにより合
成できる。カップリングは、例えばTHFのような不活性溶媒中で、例えば、1
,4−ビス(ジフェニルホスフィン)ブタンパラジウム(O)ジクロリド、酢酸
パラジウム又はテトラキストリフェニルホスフインパラジウム(O)のような触
媒の存在下に、例えば0〜60℃のような激しくない温度で行うことができる。
本発明のエナンヂオマー化合物は、(a)例えば、上述の
キラルクロマトグラフィーカラム、酵素分割法、若しくは適切なジアステレオ異
性体の合成及び分離により、対応するラセミ混合物の成分を分離することにより
、又は(b)適当なキラル中間体から、上述の方法により直接合成することによ
り得られる。
任意に行われる式(I)の化合物の対応する塩への転換は、適当な塩基との反
応により普通に行うことができる。任意に行われる式(I)の化合物の対応する
溶媒和物又は生理学的機能性誘導体への転換は、当業者に既知の方法により行う
ことができる。
更なる側面によれば、本発明は、式(I)の化合物の合成のための新規中間体
を提供する。この新規中間体には、例えば、
(a)上で定義した式(II)の化合物、又はその塩、特に、(E)-N-[3-(4
’-シアノ-3-ビフェニリル)-1(S)メチル-2-プロペニル]ヒドロキシルアミン
、(E)-N-[3-(4’-シアノ-3-ビフェニリル)-1(R,S)メチル-2-プロペニル
]ヒドロキシルアミン、(E)-N-[3-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-1(S)
メチル-2-プロペニル]ヒドロキシルアミン、(E)-N-[3-(4’フルオロ-3-ビ
フェニリル)-1(R,S)-メチル-2-プロペニル]ヒドロキシルアミン、(E)-N-
[3-(4’-クロロ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチル-2-プロペニル]ヒドロキシ
ルアミン、及び(E)-N-[3-(4’-クロロ-3-ビフェニリル)-1-(R,S)-メチル
-2-プロペニル]ヒドロキシルアミンから選ばれる化合物、
(b)上で定義した式(III)の化合物、特に、(E)-N,O-ビス(t-ブトキシ
カルボニル)-N-[3-(4’-シアノ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチル-2-プロペ
ニル]ヒドロキシルアミン、(E)-N,O-ビス(t-ブトキシカルボニル)-N-[3-
(4’-シアノ-3-ビフェニリル)-1(R,S)メチル-2-プロペニル]ヒドロキシル
アミン、(E)-N,O-ビス(t-ブトキシカルボニル)-N-[3-(4’-フルオロ-3-ビ
フェニリル)-1(S)-メチル-2-プロペニル]ヒドロキシルアミン、(E)-N,O-
ビス(t-ブトキシカルボニル)-N-[3-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-1(R,
S)メチル-2-プロペニル]ヒドロキシルアミン、(E)-N,O-ビス(t-ブトキシカ
ルボニル)-N-[3-(4’-クロロ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチル-2-プロペニ
ル]ヒドロキシルアミン、及び(E)-N,O-ビス(t-ブトキシカルボニル)-N-[3
-(4’-クロロ-3-ビフェニリル)-1(R,S)-メチル-2-プロペニル]ヒドロキシ
ルアミンから選ばれる化合物
(c)上で定義した式(VI)の化合物、特に、(E)-4-(4’-シアノ-3-ビフ
ェニリル)-3-ブテン-2(S)-オール、(E)-4-(4’-シアノ-3-ビフェニリル)
-3-ブテン-2(R)-オール、(E)-4-(4’-シアノ-3-ビフェニリル)-3-ブテン-
2(R,S)-オール、(E)-4-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-3-ブテン-2(S)
-オール、(E)-4-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-3-ブテン-2(R)-オール
、(E)-4-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-3-ブテン-2(R,S)-オール、(E
)-4-(4’-クロロ-3-ビフェニリル)-3-ブテン-2(S)-オール、(E)-4-(4’
-クロロ-3-ビフェニリル)-3ブテン
-2(R)-オール、及び(E)-4-(4’-クロロ-3-ビフェニリル)-3-ブテン-2(R
,S)-オールから選ばれる化合物、
(d)上で定義した式(VII)の化合物、特に、(E)-4-(4’-シアノ-3-ビフ
ェニリル)-3ブテン-2-オン、(E)-4-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-3-ブ
テン-2-オン、及び(E)-4-(4’-クロロ-3-ビフェニリル)-3-ブテン-2-オンか
ら選ばれる化合物、
(e)上で定義した式(IX)の化合物、特に3’-(4’-シアノフェニル)ベン
ズアルデヒド、3’-(4’-フルオロフェニル)ベンズアルデヒド、及び3’-(4
’-クロロフェニル)ベンズアルデヒドから選ばれる化合物
が含まれる。
本発明をよりよく理解するために、説明のために以下の例を示す。
合成例
合成例1
(E)-N-[3-(4’-シアノ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチル-2-プロペニル] アセトヒドロキサム酸の合成
(a)4−シアノフェニルホウ酸
乾燥テトラヒドロフラン(250ml,Fluka)中の4−ブロモベンゾニトリ
ル(9.10g,Aldrich)の冷却され(−100℃)、撹拌され、乾燥窒素雰
囲気下にある溶液/サスペンジョンを、ヘキサン(31.3ml,Fluka)中の
n−ブチルリチウム1.6M溶液をで20分間かけて滴下して処理した。−10
0℃でさらに10分間撹拌を継続し、
次いで、反応混合物を、冷却され(−100℃)、撹拌され、乾燥窒素雰囲気下
にあるトリ(イソ−プロピル)ボレート(23ml,Aldrich)及び乾燥テトラ
ヒドロフラン(2ml)との混合物中に15分かけて移動させた。さらに10分
間−100℃で撹拌を継続し、次いで、1.5時間かけて温度を20℃に上昇さ
せた。
反応混合物に、2M塩酸(50ml)を激しく撹拌しながら30分間添加し、
次いで、混合物をエーテル(150ml)で抽出した。有機層を分離し、水(1
00ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。混合物を濾過し、濾
液を減圧下で蒸発に供し、ベージュ色の固体を得、これは最少体積の沸騰水から
の再結晶化によりクリーム色の針状結晶(5.50g)になった。mp>300
℃。
微量分析:C7H6BNO2 %測定値(計算値)
C56.96(57.21),H4.14(4.12),N9.42(9.53
)
(b)3−ブロモ−4’−シアノビフェニル
窒素雰囲気下にある、激しく撹拌したトルエン(610ml)中の1,3−ジ
ブロモベンゼン(26.49g,Fluka)溶液に、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム(O),(1.30g,Aldrich)を添加した。いったんす
べての固体を溶解させ、最少体積のエタノール中の例1(a)の生成物(5.5
0g)の溶液を添加し、次いで、炭酸ナトリウムの2M水溶液(41ml)を添
加した。次いで、激しく撹拌した混合物を、遮光して環流下に19時間加
熱した。
反応混合物を室温に冷却し、水(100ml)で希釈し、層を分離した。水層
をフレッシュなトルエン(100ml)で抽出し、次いで、有機層を合わせ、水
(2×250ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過した。減
圧下に蒸留に供し、黄色のオイルを得、これを、まず石油エーテルbp40〜6
0℃、次いでジエチルエーテル/石油エーテルbp40〜60℃(2:1)で溶
離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色固体(4.5
0g)の純粋生成物と、わずかに不純な淡黄色固体(2.44g)を得た。
IRでは、2224cm-1(CNストレッチ)にきついピークが得られた。
質量分析(EI:257及び259に(M+1)+
微量分析:C13H8BrN %測定値(計算値)
C62.16(60.49),H3.22(3.12),N5.44(5.4
3)
(c)(E)-N,O-ビス(t-ブトキシカルボニル)-N-[3-(4’-シアノ-3-ビフ ェニリル)-1(S)-メチル-2-プロペニル]ヒドロキシルアミン
乾燥窒素雰囲気下の、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(17.5ml)中
の例1(b)の生成物(4.50g)及びEP0384594(合成例2及び3
)に記載されるように合成されたN,O−ビス(t−ブトキシカルボニル)−N
−ブ−1−テン−3(S)−イルヒドロキシルアミン
(N,O-bis(t-butoxycarbonyl)-N-but-1-en-3(S)-ylhydroxylamine)(5.
01g)の撹拌された溶液に、トリエチルアミン(3.91g,Aldrich)次いで
、トリ(o−トリル)ホスフイン(215mg,Aldrich)及びパラジウム(II
)アセテート(78g,Lancaster)を添加した。撹拌した混合物を遮光して1
1時間100℃で加熱し、次いで、室温に冷却した。
反応混合物を水(250ml)内に撹拌しながら5分間で注ぎ、次いで、混合
物を酢酸エチル(3×100ml)で抽出した。抽出物を合わせ、水(3×15
0ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下
で蒸発に供し、黄褐色の粘着性オイル(7.66g)が得られ、これを更なる精
製に供することなく用いた。
(d)(E)-N-「3-(4’-シアノ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチル-2-プロペ ニル]ヒドロキシルアミン
メタノール(120ml)中の例1(c)の粗生成物(7.66g)及びトル
エン−4−スルホン酸1水和物(4.14g,B.D.H.)の溶液を穏やかに環流さ
せながら45分間加熱し、次いで室温に冷却した。溶液を減圧下で蒸発に供し、
残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)で処理し、次いで酢酸エチル
(3×150ml)中に抽出した。合わせた抽出物を水(2×150ml)で洗
浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で蒸発に供し
、黄褐色ガム(4.60g)を得、これを更なる精製に供することなく用いた。
(e)(E)-O-アセチル-N-[3-(4’-シアノ-3-ビフェニリル)-1(S)メチ ル-2-プロペニル]アセトヒドロキサメート
例1(d)の粗生成物(4.60g)、ピリジン(3.03g)及び4−(ジ
メチルアミノ)ピリジン(50mg)の、ジクロロメタン(100ml)中の撹
拌した溶液を、水分を排除して氷浴中で冷却した。ジクロロメタン(10ml)
中の塩化アセチル(3.01g)の溶液を20分間かけて滴下し、次いで、0℃
で30分間、さらに室温で16時間撹拌を継続した。
反応混合物を減圧下で蒸発に供し、残渣を酢酸エチル(250ml)中に溶解
し、溶液を2M塩酸(2×100ml)で、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液(100ml)で、最後に水(100ml)で洗浄した。有機層を無水硫酸
マグネシウム上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で蒸発に供し、黄褐色ガムを得
た。ジエチルエーテルを溶離剤とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り、生成物(2.26g)を淡黄色のガムとして分離した。
(f)(E)-N-[3-(4’-シアノ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチル-2-プロペ ニル]アセトヒドロキサム酸
メタノール(75ml)中の例1(e)の生成物(2.26g)の溶液を、水
分を排除するとともに氷浴中で冷却し、次いで、無水炭酸カリウム(1.79g
)を0℃で撹拌しながら1時間かけて添加した。
反応混合物を減圧下で蒸発に供し、残渣を水(100ml)
で処理し、次いでクエン酸により酸性化した。混合物を酢酸エチル(3×100
ml)で抽出し、次いで、合わせた抽出物を水(2×150ml)で洗浄し、無
水硫酸マグネシウム上で乾燥した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発に供し
、薄いオレンジ色のガムを得た。これをジエチルエーテルで溶離するシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに供し、淡黄色ガムの生成物(1.18g)を分離し
た。ジエチルエーテル/石油エーテルbp40〜60℃により粉砕することによ
り、固体を得た。次いで、これを酢酸エチル/エーテル(1:4)から再結晶化
させ、クリーム色の固体として生成物(0.94g)を得た。mp127〜12
9℃。
200MHz 1H-NMR(DNMSOd6)δ:9.5(s,1H,OH),8.07.4(m,8H,ArH),6.
7-6.3(m,2H,ビニル-H),5.35.1(m,1H,メチン-H),2.05(s,3H,アセチ
ル-H),1.351.25(d,3H,メチル-H)
IRにより、鋭いピークが2222cm-1(CNストレッチ)及び1597c
m-1(COストレッチ)に得られた。
微量分析:C19H18N2O2%測定値(計算値)
C74.21(74.49),H5.90(5.92),N8.98(9.1
5)
合成例2
(E)-N-[3-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチル-2-プロペニル ]アセトヒドロキサム酸の合成
(a)4−フルオロフェニルホウ酸
窒素雰囲気下にある、乾燥テトラヒドロフラン(THF)(500ml)中の
4−フルオロブロモベンゼン(105g)の撹拌された溶液を−70℃に冷却し
、次いで、ヘキサン(375ml)中のブチルリチウム1.6M溶液を、温度を
−67℃より低く保ちながらゆっくり添加した。次いで、−70℃で10分間撹
拌を継続し、次いで、反応混合物を、−70℃で、乾燥窒素雰囲気下にあるトリ
(イソプロピル)ボレート(277ml)と乾燥THF(100ml)との撹拌
された混合物中にゆっくりと添加した。添加後、反応混合物を10分間−70℃
で撹拌し、次いで、温度を周囲の温度に上昇させた。次いで、水性2M塩酸(3
00ml)を添加し、さらに30分間反応混合物を撹拌した。
反応混合物をジエチルエーテル(125ml)で希釈し、得られた水層を分離
し、ジエチルエーテル(2×125ml)で洗浄した。合わせたエーテル溶液を
水で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。溶媒を除去し、表題の化合物をクリーム
色の固体(78.5g)として得た。
(b)3−ブロモ−4’−フルオロビフェニル
窒素雰囲気下にある、トルエン(3.0リットル)中の1,3−ジブロモベン
ゼン(397g)の撹拌した溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(O),(16.5g)を添加した。次いで、無水エタノール(500
ml)中の例2(a)の生成物(78.5g)の溶液を添加し、その後、Na2
CO3の2M水溶液(561ml)を添加し
た。
次いで、激しく撹拌した反応混合物を、窒素雰囲気下に11時間環流させた。
冷却後、分離したトルエン層を水(2×500ml)で洗浄し、MgSO4上で
乾燥た。蒸留に供し、表題の化合物を得た(85〜90℃/0.1mbar)。
(c)N,O-ビス(t-ブトキシカルボニル)-N-[3-(4'-フルオロ-3-ビフェニ リル)-1(S)-メチル-2-プロペニル]ヒドロキシルアミン
窒素雰囲気下の、例2(b)の生成物(63.49g)及びEP038459
4(合成例2及び3)に記載されるように合成されたN,O−ビス(t−ブトキ
シカルボニル)−N−ブ−3−テン−2(S)−イル]ヒドロキシルアミン(7
2.60g)、及び乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(250ml
)の撹拌された混合物に、トリエチルアミン(56.66g)、トリ(o−トリ
ル)ホスフィン(3.11g)、次いで、パラジウム(II)アセテート(1.1
4g)を添加した。撹拌した混合を9時間100℃で加熱した。
冷却後、反応混合物を水(2.5リットル)内に注ぎ、ジエチルエーテル(4
×500ml)で抽出した。次いで、合わせたエーテル抽出物を、水(3×50
0ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、チャコールで処理した。溶媒を除去
し、表題の化合物(110.2g)を得た。
(d)(E)-N-[-3-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチル-2-プ ロペニル]ヒドロキシルアミン
メタノール(1000ml)中の例2(c)の生成物(0.
253モル)の溶液を、トルエン−4−スルホン酸1水和物(60.09g)で
処理し、次いで105分間環流させた。
冷却した反応混合物を減圧下で蒸発に供し、残渣を過飽和NaHCO3水溶液
で処理し、ジエチルエーテル(3×300ml)で抽出した。合わせたエーテル
抽出物をMgSO4上で乾燥し、その後、減圧下に溶媒を除去し、表題の化合物
を黄褐色オイルとして得た。
(e)(E)-N-[3-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチル-2-プロ ペニル]アセトヒドロキサム酸
ジクロロメタン(1000ml)中の例2(d)の生成物(43.97g)の
撹拌した溶液を、水分を排除して0℃に冷却した。4−ジメチルアミノピリジン
(1.0g)を添加し、塩化アセチル(41.71g)を滴下して添加した。0
℃で45分間、次いで、室温で14時間撹拌を継続した。
反応混合物を減圧下で蒸発に供し、残渣をジエチルエーテル(750ml)と
2MのHCl(500ml)とに分けた。分離した水相をジエチルエーテル(7
50ml)で洗浄し、合わせたエーテル分画を、2MのHCl、飽和NaHCO3
及び水で続けて洗浄し、その後、MgSO4上で乾燥した。減圧下で蒸発に供し
た後、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,ジエチルエーテル/40〜6
0℃石油エーテル2:1)によりビス−アセチル化合物を得た。
無水K2CO3(32.93g)を、氷浴中で冷却しながらメタノール(600
ml)中のビス−アセチル化合物(40.68g)の溶液に添加した。反応混合
物を、水分を排除
して0℃で1時間撹拌し、減圧下で蒸発に供した。
残渣を水(500ml)で処理し、次いでクエン酸により酸性化し、ジエチル
エーテル(3×300ml)で抽出した。合わせたエーテル抽出物を水(2×5
00ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。溶媒を除去することにより、粗
製の表題の生成物(37.36g)をオレンジ色のオイルとして得た。フラッシ
ュクロマトグラフィー(SiO2,ジエチルエーテル)、及び40〜60℃石油
エーテル/ジエチルエーテルからの再結晶化により精製し、表題の化合物をふわ
ふわの固体(fluffy solid)として得た。mp72〜76℃。
微量分析:C18H18FNO20.6H2O測定値(計算値)%
C69.77(69.70),H6.12(6.24),N4.55(4.5
2)
旋光(c=1.0,EtOH):
(f)(E)-N-[3-(4’-フルオロ-3-ビフエニリル)-1(S)-メチル-2-プロ ペニル]アセトヒドロキサム酸の無水物
例2(e)の生成物(100mg)を、40℃、0.05mbarで1時間加
熱した。温度を上昇させ、さらに1時間55℃に、次いで、3時間80℃にした
。加熱をやめ、融成物(melt)を室温に戻し、その後、減圧を解放した。無色の
ガラス状残渣を2:1のジエチルエーテル及び石油エーテル
bp40〜60℃(5ml)混合物で粉砕し、無色の軟らかい(feathery)結晶
固体(70mg)を得た。mp115〜117℃。
200MHz 1H-NMR(DNMSOd6)δ:9.25(s,1H,OH),7.8-7.2(m,8H,ArH),
6.7-6.3(m,2H,ビニル-H),5.3-5.1(m,1H,メチン-H),2.0(s,3H,アセ
チル-H),1.4-1.2(d,3H,メチル-H)
FAB−質量分析:300で(M+1)+、322で(M+Na)+
微量分析:C18H18FNO2%測定値(計算値)
C72.04(72.22),H6.04(6.06),N4.54(4.6
8)
合成例3
(E)-N-[3-(4’-クロロ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチルプロ-2-ペニル] アセトヒドロキサム酸((E)-N-[3-(4’-chloro-3-biphenylyl)-1(S)-met hylprop-2-enyl]acetohydroxamic acid)の合成
(a)3−ブロモ−4’−クロロビフェニル
4−クロロベンゼンホウ酸(3.13g,20mmol)を、窒素雰囲気化に
、THF(60ml)中に1−ブロモ−3−ヨードベンゼン(5.66g,20
mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(25
0mg)を含有する溶液に添加した。次いで、脱酸素化水(60ml)、その後
、炭酸ナトリウム(4.24g)を添加し
た。混合物を窒素雰囲気化に環流させながら16時間加熱した。冷却後、エーテ
ルを添加し、2つの相を分離した。有機相を水及び飽和ブラインで洗浄し、硫酸
ナトリウム上で乾燥し、溶媒を除去した。残渣をヘキサン中に回収し、濾過し、
不溶固体を除去した。ヘキサンを蒸発させ、生成物をシリカ上のクロマトグラフ
ィーに供し、シクロヘキサンにより溶離させることにより精製し、3−ブロモ−
4’−クロロビフェニル(3.63g,68%)を無色のオイルとして得た。
(b)(E)-N,O-ビス(t-ブトキシカルボニル)-N-[3-(4’-クロロ-3-ビフェ ニリル)1(S)-メチルプロ-2-ペニル]ヒドロキシルアミン、及び(E)-N-(t- ブトキシカルボニル)-N-[3-(4’-クロロ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチルプ ロ-2-ペニル]ヒドロキシルアミン
乾燥DMF(40ml)中の例3(a)の生成物(2.68g,10mmol
)及び(S)−N,O−ビス(t−ブトキシカルボニル)−N−ブ−3−テン−
2−イルヒドロキシルアミン(3.16g,11mmol)中に、トリエチルア
ミン(3.06ml,22mmol)、次いで、トリ(o−トリル)ホスフィン
(304mg,1mmol)、最後に酢酸パラジウム(112mg,0.5mm
ol)を添加した。混合物をN2雰囲気下に110〜120℃で8時間加熱した
。冷却後、混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水(3×)で
、次いで,飽和ブラインで洗浄し、乾燥し、(Na2SO4)、溶媒を蒸発させ、
褐色ガムを得た。残渣は、TLC上に2つの主なピーク、すなわちRf150.
4
3及び0.22(EtOAc−シクロヘキサン、1:4)を示した。それらをカ
ラムクロマトグラフイーに供し、酢酸エチル−シクロヘキサン(1:6)で溶離
し、分離した。最初に溶離した成分(1.64g)がN,O−ビス(t−ブトキ
シカルボニル)生成物で、より遅く通過する成分(1.74g)がN−モノ(t
−ブトキシカルボニル)化合物であった。両化合物ともガム状で、NMR測定に
よると不純物を含有し、これらを合わせて次の工程で直接用いた。
(c)(E)-N-[3-(4’-クロロ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチルプロ-2-ペ ニル]ヒドロキシルアミン
トルエン(50ml)中に前の反応のモノ−(t−ブトキシカルボニル)化合
物及びビス−(t−ブトキシカルボニル)化合物(合計3.34g)を合わせて
溶解させ、p−トルエンスルホン酸(1.52g,9mmol)を添加した。混
合物を撹拌し、55〜60℃で3時間加熱した。冷却後、重炭酸ナトリウム水溶
液で、次いで、飽和ブラインで洗浄した。乾燥(Na2SO4)後、溶媒を除去し
、ガムを得た。これをシリカ上のクロマトグラフイーに供し、ジクロロメタン−
メタノール(20:1)により溶離した。純粋なヒドロキシルアミンが、淡黄色
オイルとして得られ、これは、ゆっくり凝固した。(0.86g)。
(d)(E)-N,O-ビス(アセチル)-N-[3-(4’-クロロ-3-ビフェニリル)-1 (S)-メチルプロ-2-ペニル]ヒドロキシルアミン
ジクロロメタン(25ml)中の例3(e)の生成物(0.
84g、3.07mmol)を、乾燥N2雰囲気下に0℃で撹拌し、ピリジン(
0.57ml,7mmol)を添加し、次いで、塩化アセチル(0.50ml,
7mmol)を滴下により添加した。混合物を16時間撹拌し、ゆっくりと室温
まで暖めた。混合物を水及び飽和ブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、溶
媒を蒸発させた。シリカ上のクロマトグラフィー(酢酸エチル−シクロヘキサン
、1:2)により精製を行い、所望の生成物を無色のガムとして得た(0.95
g,86%)。
(e)(E)-N-[3-(4’-クロロ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチルプロ-2- ペニル]アセトヒドロキサム酸
例3(d)の生成物(0.93g,2.60mml)をメタノール(25ml
)中、0℃で撹拌した。炭酸カリウム(414mg,3mmol)を添加し、混
合物を4時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチルと1MのHClとに
分画した。有機層を分離し、水(2×)、次いで飽和ブラインで洗浄し、乾燥し
(Na2SO4)、溶媒を蒸発させ、初めはガムを得た。このガムは、エーテルに
溶解し、スクラッチすると結晶化した。純粋なヒドロキサム酸を濾過(filtered
off)させ、エーテルで洗浄し、乾燥した(0.63g,77%)。mp109
〜111℃ MS M/z 315,317(M+)
微量分析:計算値:C68.46,H5.75,N4.44%
測定値;C68.33,H5.67,N4.37%
合成例4
(a)3-(4’-フルオロフェニル)ベンズアルデヒド
窒素雰囲気下にあるTHF(50ml)中の例2(b)の生成物(5.0g)
の溶液に、温度を−70℃付近に保ちながらn−ブチルリチウム(ヘキサン中の
1.6M溶液、12.5ml)を添加した。次いで、温度を−73°ないし−5
3℃の範囲に保ちながら、DMF(1.55ml)をゆっくりと添加した。
室温まで暖めた後、飽和塩化アンモニウム溶液(150ml)を添加し、混合
物をジエチルエーテル(3×50ml)で抽出した。合わせたエーテル抽出物を
水で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮し、淡黄色の
オイルとして生成物を得た。
(b)(E)-4-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-3-ブテン-2-オン
THF(60ml)中の例4(a)の生成物(4.0g)、ジメチル−(2−
オキソプロピル)ホスホネート(2.76ml)、無水炭酸カリウム(5.5g
)の混合物を、窒素雰囲気下、60℃付近で反応が完了するまで撹拌した。反応
混合物を濾過し、濃縮し、次いで、シリカ上のカラムクロマトグラフィーに供し
、酢酸エチル/ヘキサンで溶離して精製し、粗製の表題化合物を得た。酢酸エチ
ル/ヘキサンからの再結晶化により、白色結晶固体の生成物を得た。mp67〜
68℃。
微量分析:C79.77(79.98),H5.48(5.
45)
(c)(E)-4-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-3-ブテン-2-(S)-オール
窒素雰囲気下のトルエン(20ml)中の例4(b)の生成物(0.5g)及
びブチルジフェニルCBS触媒(0.066g)の溶液に、内部温度が−55℃
より低く保たれるように確保しながらカテコールボラン(トルエン中の1M溶液
、4.16ml)を添加した。完全に添加した後、得られた黄色の溶液を−55
℃で18時間撹拌した。
室温まで暖めた後、40%水酸化ナトリウム溶液(20ml)及びジエチルエ
ーテル(50ml)を添加し、混合物を40%水酸化ナトリウム溶液(3×10
ml)及び水(15ml)で洗浄した。合わせた有機物をMgSO4上で乾燥し
、濾過し、減圧下に濃縮し、迅速に固化するところの粘性オイルとして生成物(
0.38g)を得た。生成物は、キラルHPLC法により、80%エナンチオマ
ー過剰率を有することが測定された。
(d)(E)-4-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-3ブテン-2-(S)-オール
(代替法)
窒素雰囲気下に、撹拌され、冷却された(約0℃)SVM(95%エタノール
/5%メタノール)中の例4(b)の生成物(10g,0.0416mol)の
サスペンジョンに、ホウ水素化ナトリウム(1.56g,0.041mol)を
滴下により添加した。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、水(300m
l)中でクエンチした。
SVMを減圧下に除去し、水性残渣をジエチルエーテル(3.75ml)で抽
出した。合わせたエーテル抽出物を水(2.100ml)、ブライン(100m
l)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した、溶液を濃縮し、放置すると固化
するところの淡黄色オイル(10.66g)を得た。ジエチルエーテル/ヘキサ
ンからの再結晶化により、(E)-4(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-3-ブテン-
2-オールを白色結晶固体(8.12g,回収率80%)として得た。融点=53
〜54℃。
ラセミアルコール(3g,0.0124mol)、トルエン(30ml)、酢
酸ビニル(5.33g,0.0619mol)及びアマノリパーゼPS(0.3
g、Pseudomonasfluorescensから)を共に室温で72時間撹拌した。反応混合
物を、ハイフロー(Hyflo)を通して濾過し、濃縮し、黄色のオイルを得た。表
題の化合物を、対応するO−アセチル化された(R)エナンチオマーから分離す
るために、カラムクロマトグラフィーを用いた。
(E)-4-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-3-ブテン-2-(S)-オールが、白
色固体(1.39g,回収率46.3%)として得られた。Mpt=52〜53
℃。エナンチオマー過剰率99.6%.
微量分析:C78.95(79.31),H6.35(6.24),F7.9
7(7.84)
3-(R)-O-アセトキシル-1-(3’,4-フルオロビフェニリル)-ブ-2-テンが、
黄色オイル(1.63g,回収率46.
2%)として得られた。エナンチオマー過剰率99.9%。
微量分析:C75.87(76.03),H5.92(6.03),F6.8
6(6.63)
(e)(E)-4-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-3-ブテン-2-(R)-オール
メタノール(120ml)及び40%水酸化ナトリウム溶液(30ml)中の
、O−アセチル化された例4(d)の生成物(25g)の溶液を0℃に冷却し、
90分間撹拌した。メタノールを減圧下に除去し、残渣をジエチルエーテルと水
とに分画した。得られた水層をジエチルエーテル(3.150ml)で抽出し、
合わせた抽出物を水(2×100ml)、及びブライン(100ml)で洗浄し
た。溶媒を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下に溶媒を除去し、青白色オイ
ル(19.42g)を得た。オイルをジエチルエーテル/ヘキサンから結晶化さ
せ、白色固体を得た。生成物アルコールは、キラルHPLC法により97.1%
を有することが測定された。
(f)(E)-4-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-3-ブテン-2-(R)-オール のラセミ化
THF(1000)ml)及び2N塩酸(500ml)中の例4(e)のアル
コール生成物(49.1g)の溶液を室温で72時間撹拌した。反応混合物を水
(1000ml)及びジエチルエーテル(1000ml)で希釈し、得られた水
層をジエチルエーテル(500ml)で抽出した。合わせた有機層を水(500
ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾
燥した。溶媒を減圧下に除去し、黄色のオイル(51.2g)が残った。オイル
は、キラルHPLC法によりラセミ混合物であることを測定した。次いで、この
材料は、例4(d)に記載された方法において、それを用いることにより「リサ
イクル」することができる。
(g)3-(S)-O-(クロロアセトキシ)-1-(3’,4-フルオロビフェニリル)- ブ-2-テン
THF(10ml)中の例4(d)の生成物(0.5g)、ピリジン(0.3
1ml)及び4−ジメチルアミノピリジン(約1mg)を窒素雰囲気下に0℃に
冷却した。この溶液に、温度を0℃に保つような速度で、THF中のクロロアセ
チルクロリド(0.19ml)の溶液を滴下により添加した。得られた溶液を約
0℃〜−4℃で18時間撹拌した。
反応混合物を室温まで暖め、水(50ml)で希釈した。得られた有機相を水
(50ml)で洗浄し、トルエン(50ml)で希釈し、溶媒を減圧下に除去し
、無色オイルが残った。このオイルをカラムクロマトグラフィーにより精製し、
生成物(0.49g)が無色のオイルとして得られた。
(h)O-(テトラヒドロピラン-2-イル)-N-[1-(4’-フルオロ-3-ビフェニ リル)ブ-1-テン-3-(S)-イル]ヒドロキシルアミン
ビス[ジベンジリデンアセトン]パラジウム(0.181g)、塩化リチウム
(0.013g)及びトリフェニルホスフイン(0.165g)を、乾燥窒素雰
囲気下に、脱ガスされ、過酸化物を含有しないTHF/DMF(1:1,v/v
,
60ml)中に溶解した。混合物を70℃で45分間撹拌し、次いで、窒素雰囲
気下のTHF/DMF(1:1,v/v,10ml)中の例4(g)の生成物(
5g)の溶液を滴下により添加した。得られた混合物を70℃で1時間撹拌した
後、窒素雰囲気下のTHF/DMF(1:1、v/v,10ml)中のO−テト
ラヒドロピラン−2−イルヒドロキシルアミン(3.67g)の溶液を滴下によ
り添加した。反応混合物を70℃で48時間撹拌した。
混合物をジエチルエーテル(50ml)及び水(50ml)で希釈し、水層を
ジエチルエーテル(50ml)で抽出した。合わせた有機層を水(50ml)で
洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮し、黄色のオイル(5.6g)が残
った。オイルをカラムクロマトグラフィーにより精製し、生成物を粘性のある無
色オイル(2.86g)として得た。
(i)O-(テトラヒドロピラン-2-イル)N-アセチル,N-{1-4’-フルオロ-3- ビフェニリル)ブ-1-テン-3-(S)-イル]ヒドロキシルアミン
0℃の、乾燥トリエチルアミン(20ml)中の例4(h)の生成物(1.9
5g)の溶液に、温度が0℃を超えないようにしながら、ジクロロメタン(20
ml)中の塩化アセチル(0.8g)の溶液を添加した。混合物を14時間かけ
て室温に暖め、反応混合物を水(50ml)中に注いだ。水相を酢酸エチル(4
×50ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃
縮し、生成物をガム(2.1g)として得た。
(j)(E)-N-[3-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-1(S)-メチル-プロ-2 -ペニル]アセトヒドロキサム酸
無水エタノール(100ml)中の例4(i)の生成物(1.90g)の溶液
に、アムベルリスト(Amberlyst)H15(2.0g)を添加した。混合物を室
温で48時間撹拌し、アムベルリストH15を濾過により除去し、濾液を無水炭
酸カリウム(0.2g)で処理し、得られた混合物を減圧下に濃縮し、オイル状
残渣が残った。水(50ml)を添加し、水層を酢酸エチル(4×50ml)で
抽出した。合わせた抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮し、オイル状残
渣が残った。カラムクロマトグラフィーに供した後、残渣をジエチルエーテル/
石油エーテル(60〜80)から結晶化させ、生成物を白色固体(0.25g)
として得た。
合成例5
(S)-(E)-N-2-[4-(4’-フルオロ-3-ビフェニリル)-ブ-3-テニル]-O-エ トキシカルボニルメチルアミノカルボニル)アセトヒドロキサム酸の合成
例2(e)の生成物(0.299g,1mmol)を窒素雰囲気下の乾燥TH
F(5ml)中に溶解し、N−メチルモルホリン(0.202g,0.220m
l,2mmol)を一部分に添加し、次いで、エチルイソシアナートアセテート
(0.129g,0.112ml,1mmol)を添加した。混合物を室温で1
晩撹拌し、次いで、酢酸エチルと1N塩酸とに分画した。有機相を分離し、飽和
ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発に供
し
た。シリカ上で、粗生成物のクロマトグラフイーに供し、1:1酢酸エチル:シ
クロヘキサン溶離により精製し、表題の化合物(0.257g,52%)をろう
状の固体として得た。
N.m.r.スペクトル(DMSO-d6中の200MHz)δ:1.16(3H,t),1.33(3H,d)
,2.01(3H,s),3.81(2H,d),4.07(2H,m),5.23(1H,m),6.32-6.68
(2H,m),7.22-7.79(8H,m),8.35(1H,t)
薬学的製剤例
以下の製剤中の「活性成分」は上述の通りであり、好ましくは合成例1ないし
4の化合物の1つである。
例A:経口錠剤(i)
1つの錠剤当り
活性成分 50.0mg
ラクトース 61.1mg
ナトリウム澱粉グリコレート 10.0mg
ポビドン 3.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.0mg
活性成分、ラクトース及びナトリウム澱粉グリコレートを共に混合する。蒸留
水中のポビドンの溶液を用いて粉末を顆粒化する。顆粒を乾燥し、ステアリン酸
マグネシウムを添加し、圧縮して錠剤を製造する。
例B:軟膏
活性成分 1.0g
ホワイトソフトパラフィン 100.0gに
活性成分を小体積のビヒクルに懸濁させる。徐々にこれ
をバルクに取込ませ、なめらかで均一な生成物を製造する。折畳み式の金属チュ
ーブ内に充填する。
例C:局所使用のためのクリーム
活性成分 1.0g
ポラワックス(Polawax)GP 200 20.0g
ラノリン(Lanolin)無水物 2.0g
ホワイトみつろう 2.5g
ヒドロキシ安息香酸メチル 0.1g
蒸留水 100.0gに
ポラワックス、みつろう及びラノリンを共に60℃に加熱する。ヒドロキシ安
息香酸メチルの溶液を添加する。高速撹拌を用いて均一化する。温度を50℃に
低下させる。活性成分を添加し、分散させる。低速撹拌しながら冷却させる。
例D:局所投与のためのローション
活性成分 1.0g
ソルビタンモノラウレート 0.6g
ポリソルベート(Polysorbate)20 0.6g
セトステアリルアルコール
(Cetostearyl Alcohl) 1.2g
グリセリン 6.0g
ヒドロキシ安息香酸メチル 0.2g
精製水B.P. 100mlに
ヒドロキシ安息香酸メチル及びグリセリンを75℃で水70ml中に溶解させ
る。ソルビタンモノラウレート、ポリソルベート20及びセトステアリルアルコ
ールを75℃で共
に溶解させ、上記水溶液に添加する。得られたエマルジョンを均一化し、連続し
て撹拌しながら冷却させ、残りの水中のサスペンジョンとして活性成分を添加す
る。全体を均一になるまで撹拌する。
例E:経口錠剤(ii)
1つの錠剤当り
活性成分 10.0mg
ラクトース 80.0mg
微細結晶セルロース 40.0mg
ポビドン 4.0mg
ナトリウム澱粉グリコレート 15.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.0mg
活性成分及び微細結晶セルロースを共に混合し、次いで、ラクトース、ポビド
ン及びナトリウム澱粉グリコレートと混合する。ステアリン酸マグネシウムで潤
滑化し、圧縮し、錠剤を製造する(1錠剤当り150mg)。
例F:経口カプセル
活性成分 25.0mg
スターチ(Starch)1500 100.0mg
ナトリウム澱粉グリコレート 14.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.0mg
活性成分、スターチ1500及びナトリウム澱粉グリコレートを共に混合し、
次いで、ステアリン酸マグネシウムと混合する。粉末をサイズ3カプセルシェル
内に充填する(1カプセル当り140mg)。
例G:吸入のための粉末
活性成分(0.5〜7.0μm粉末) 1.0mg
ラクトース(30〜90μm粉末) 49.0mg
粉末を均一になるまで混合し、適切なサイズの硬質ゼラチンカプセル内に充填
した(1カプセル当り50mg)。
例H:吸入アエロゾル
活性成分(0.5〜7.0μm粉末) 50.0mg
ソルビタントリオレエート 100.0mg
サッカリンナトリウム(0.5〜7.μm粉末)
5.0mg
メタノール 2.0mg
トリクロロフルオロメタン 4.2g
ジクロロジフルオロメタン 10.0mlに
ソルビタントリオレエート及びメントールをトリクロロ−フルオロメタン中に
溶解した。ナトリウムサッカリン及び活性成分を上記混合物中に分散させ、次い
でこれを適切なアエロゾルキャニスターに移し、バルブシステムを通してジクロ
ロフルオロメタンを注入した。この組成物によりそれぞれ100μlの投与量中
に0.5mgの活性成分が提供される。
生物学的データ
5−リポキシゲナーゼのイン・ビトロ阻害
白血球を、正常な、アスピリンを投与されていないボランティアから献血され
た血液から、洗浄及び遠心分離により分離した。DMSO(10μl、最終濃度
0.01〜100μM)中の試験化合物溶液を、洗浄した細胞サスペンジョン
(480μl)に添加し、混合物を室温で5分間インキュベートした。試験管を
氷上に5分間置き、次いで、カルシウムイオノファーA−23187(10μl
、最終濃度2.0μM)で37℃で5分間刺激した。煮沸することにより反応を
停止させ、LTB4のプラズマ濃度をシンチレーション近接アッセイ(Scintill
ation Proximity Assay,SPA)により測定した。
このスクリーンで試験された場合、合成例1ないし4のそれぞれの化合物は、
平均IC501μM未満を有することが明らかになった。
シクロオキシゲナーゼのイン・ビトロ阻害
健康な人の献血者からラドムスキ(Radomski)らの方法(Thromb.Res.,30,383
-393,1983)に従い、洗浄された血小板サスペンジョンを調製した。血小板サス
ペンジョン(107細胞/ml)のアリクオット(0.5ml)を含有する試験
管を、試験薬剤又はビヒクルと共に室温で5分間インキュベートし、次いで、さ
らに5分間氷浴上に置いた。カルシウムイオノファーA−23187を添加し(
最終濃度2μM)、試験管を37℃で5分間インキュベートした。2分間煮沸す
ることにより反応を停止させ、細胞沈殿を遠心分離により除去した。上澄みのト
ロンボキサンB2含有量を、ラジオイムノアッセイにより測定した。
このスクリーンで試験された場合、例1ないし4のそれぞれの化合物は、平均
IC501μM未満を有することが明らかになった。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07C 33/48 C07C 33/48
49/235 49/235
239/10 239/10
239/18 239/18
255/53 255/53
255/56 255/56
255/60 255/60
271/08 271/08
// C07M 7:00
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,CA,CN,CZ,FI,GE,
HU,JP,KR,KZ,NO,NZ,PL,RU,S
I,SK,UA,US,UZ
(72)発明者 ウエイツ、ピーター・ジョン
イギリス国、ビーアール3・3ビーエス、
ケント、ベッケンハム、サウス・エデン・
パーク・ロード、ラングレイ・コート(番
地なし)、ザ・ウエルカム・ファウンデー
ション・リミテッド