JPH0850905A - りん酸型燃料電池発電装置とその製造方法 - Google Patents

りん酸型燃料電池発電装置とその製造方法

Info

Publication number
JPH0850905A
JPH0850905A JP6185694A JP18569494A JPH0850905A JP H0850905 A JPH0850905 A JP H0850905A JP 6185694 A JP6185694 A JP 6185694A JP 18569494 A JP18569494 A JP 18569494A JP H0850905 A JPH0850905 A JP H0850905A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphoric acid
reaction air
fuel cell
acid concentration
laminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6185694A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigemi Kato
茂実 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP6185694A priority Critical patent/JPH0850905A/ja
Publication of JPH0850905A publication Critical patent/JPH0850905A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】マトリックスが保持するりん酸の体積変化を抑
制することにより、ガス欠や燃料電池の損傷を防止した
りん酸型燃料電池発電装置を提供する。 【構成】燃料極1Fおよび空気極1Aと,その間に挟持
されてりん酸を保持するマトリックス1Mとを有する単
位セルの積層体からなる積層燃料電池1と、燃料極に加
圧した燃料ガスを供給する燃料改質系,および空気極に
加圧した反応空気を供給する反応空気供給系2とを備え
たものにおいて、反応空気供給系に連結されて反応空気
を加湿する加湿器3と、積層燃料電池温度センサ6,反
応空気湿度センサ4,および反応空気圧力センサ5それ
ぞれの検出値を基にりん酸濃度の補正値7Sを求めるり
ん酸濃度演算部7と、その補正値に基づいて加湿器3の
水蒸気発生量を制御する制御部8とで構成されるりん酸
濃度安定化手段9を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、りん酸型単位セルの
積層体として構成される積層燃料電池を用いたりん酸型
燃料電池発電装置と、その積層燃料電池の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来のりん酸型燃料電池発電装置
の要部を簡略化して示すブロック図であり、積層燃料電
池1は燃料極1Fおよび空気極1Aと,その間に挟持さ
れてりん酸を保持するマトリックス1Mとからなる単位
セルの積層体として構成され、図示しない燃料改質系か
ら燃料極1Fに燃料極に接して形成された燃料ガス供給
溝1fを介して水素リッチな燃料ガスを供給し、ブロワ
を含む反応空気供給系2から空気極1Aに反応空気供給
溝1aを介して加圧した反応空気を供給することによ
り、一対の電極1F,1A間で電気化学反応に基づく発
電が行われ、発生電力は図示しない電力変換器で負荷に
適合した電流,電圧に変換されて外部負荷に供給され
る。りん酸型燃料電池発電装置の制御部10は発電装置
全体を協調制御するものであり、例えば外部指令によっ
て決まる出力電力に対応して出力電流,燃料ガス流量,
反応空気流量とその圧力,積層燃料電池温度などの運転
条件を各部に指令することにより、燃料ガス流量中の水
素および反応空気流量中の酸素をほぼ一定の利用率(例
えば75〜80%)で消費して発電が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電解質として用いるり
ん酸は極めて強い吸湿性を有するために、その濃度は雰
囲気の水蒸気分圧と平衡関係にあり、雰囲気の水蒸気分
圧(湿度)が上がればりん酸濃度は低下し、その体積が
増加するという性質がある。一方、りん酸型燃料電池の
発電反応は一対の電極間で水素および酸素が反応し、電
子と水を生成する電気化学反応であり、発電量に比例し
て増加する生成水は主に空気極1Aを透過して反応空気
供給溝1a側に排出され、反応空気中の水蒸気分圧を上昇
させる。したがって、マトリックス中のりん酸濃度は反
応空気供給溝1a側の反応空気の水蒸気分圧と平衡を保
ち、水蒸気分圧の増加に逆比例してりん酸濃度が下が
り,体積が膨張する。また、積層燃料電池温度の変化お
よび反応空気圧力の変化に対応してりん酸濃度と水蒸気
濃度との平衡状態も変化するため、運転条件の変化に対
応してマトリックス中のりん酸は体積変化を繰り返すこ
とになる。例えば、積層燃料電池が運転中または停止中
に遭遇する最も低いりん酸濃度ではその体積が、最も高
いりん酸濃度(乾燥状態)のそれの1.2から1.3倍
程度にも増大することがこの発明の出願人等の検討によ
り判明している。
【0004】例えば負荷電力の急増などによって反応空
気中の酸素利用率が一時的に増加すると、これに逆比例
してりん酸濃度が低下してマトリックス中のりん酸が膨
張する。膨張したりん酸はマトリックスを挟持する一対
の電極1A,1Fの電極触媒層を透過して多孔質の電極
基材中に浸出する。このため、水素または酸素の拡散通
路であるべき電極基材の空孔が浸出したりん酸によって
閉塞状態となり、電極触媒層への水素または酸素の拡散
を阻害することになり、これが原因で単位セルがガス欠
状態となって積層燃料電池の発電性能が低下するという
問題が発生する。また、酸素利用率が低下して反応空気
中の水蒸気濃度が低下し、これに伴ってりん酸体積が減
少しても、電極基材中に浸出したりん酸は容易にマトリ
ックス中に戻らないため、りん酸が膨張,収縮を繰り返
すうちにマトリックスが保持するりん酸量が低下し、こ
れに伴ってマトリックスのガス透過性が増すため、燃料
ガスと反応空気の圧力差によってマトリックスを透過し
た燃料ガスおよび反応空気が直接反応する危険性が高ま
り、ときには直接反応が発生してりん酸型燃料電池を損
傷する事態に進展するという問題も発生する。
【0005】この発明の目的は、マトリックスが保持す
るりん酸の体積変化を抑制することにより、ガス欠や燃
料電池の損傷を防止したりん酸型燃料電池発電装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、この発明によれば、燃料極および空気極と,その
間に挟持されてりん酸を保持するマトリックスとを有す
る単位セルの積層体からなる積層燃料電池と、前記燃料
極に加圧した燃料ガスを供給する燃料改質系,および空
気極に加圧した反応空気を供給する反応空気供給系とを
備えたものにおいて、前記マトリックス中のりん酸濃度
を積層燃料電池温度および反応空気圧に対応して予め定
まる一定値に保持するよう前記反応空気を加湿するりん
酸濃度安定化手段を備えるものとする。
【0007】りん酸濃度安定化手段は、反応空気供給系
に連結されて反応空気を加湿する加湿器と、積層燃料電
池温度センサ,反応空気湿度センサ,および反応空気圧
力センサそれぞれの検出値を基にりん酸濃度の補正値を
求めるりん酸濃度演算部と、その補正値に基づいて加湿
器の水蒸気発生量を制御する制御部とを備えるよう構成
すると良い。
【0008】りん酸濃度安定化手段は、反応空気供給系
に連結されて反応空気を加湿する加湿器と、積層燃料電
池湿度センサの検出値,および発電装置全体を制御する
制御部からの積層燃料電池温度,反応空気圧力,および
反応空気流量の指令値を基にりん酸濃度の補正値を求め
るりん酸濃度演算部と、その補正値に基づいて加湿器の
水蒸気発生量を制御する制御部とを備えるよう構成する
と良い。
【0009】発電装置が運転中または停止中に遭遇する
最も低い濃度を目安に予め加湿したりん酸をマトリック
スに含浸して単位セルを製造する工程と、得られた単位
セル複数層を積層して積層燃料電池を形成する工程とを
含むよう積層燃料電池の製造方法を構成すると良い。
【0010】
【作用】この発明の第1の手段において、りん酸濃度安
定化手段を設けて反応空気を加湿し、マトリックス中の
りん酸濃度を積層燃料電池温度および反応空気圧に対応
して予め定まる一定値に保持するよう構成したことによ
り、積層燃料電池温度の変化および反応空気圧の変化に
対応して反応空気中の水蒸気分圧とマトリックス中のり
ん酸濃度との平衡関係を常に保持し、例えば反応空気中
の酸素利用率が上昇した場合には加湿量を減らしてりん
酸濃度の低下を抑制し、酸素利用率が降下した場合には
加湿量を増加してりん酸濃度の上昇を抑制する制御を行
い、酸素利用率の変化に伴うりん酸濃度の変化を抑制で
きるので、りん酸濃度の変化に伴って生ずるりん酸の体
積変化の抑制が可能となる。また、りん酸濃度の目標値
を積層燃料電池が運転中または停止中に遭遇する最も低
いりん酸濃度を目安にして決めることにより、反応空気
の加湿量を増減するだけの一方的制御によってりん酸濃
度を目標値に近づけることが可能になる。
【0011】この発明の第2の手段に示すようにりん酸
濃度安定化手段を構成すれば、りん酸濃度演算部が反応
空気湿度センサの検出値からりん酸濃度の実際値を求
め、積層燃料電池温度センサ,および反応空気圧力セン
サそれぞれの検出値に対応して決まるりん酸濃度の目標
値と実際値との差に相当する補正信号を出力するので、
制御部がこの補正信号を零にするよう反応空気供給系に
連結された加湿器の水蒸気発生量を制御し、酸素利用率
の変化による反応空気中水蒸気分圧の変化を加湿量の増
減により精度良く抑制してりん酸濃度を積層燃料電池温
度,反応空気圧に対応して予め定まる一定濃度に保持す
ることにより、りん酸濃度の変化に伴って生ずるりん酸
の体積変化を抑制する機能が得られる。
【0012】この発明の第3の手段に示すようにりん酸
濃度安定化手段を構成すれば、発電装置全体を制御する
制御部が発電装置の各部に向けて出力する積層燃料電池
温度,反応空気圧力,および反応空気流量の指令値をり
ん酸濃度演算部の入力データとして利用できるので、発
電機各部の制御と加湿量の制御を協調制御することが可
能となり、加湿量制御を迅速化する機能が得られる。
【0013】この発明の第4の手段に示すように積層燃
料電池の製造方法を構成すれば、反応空気を加湿した状
態で積層燃料電池の運転を開始することにより、予め加
湿処理したマトリックス中のりん酸濃度と反応空気の水
蒸気分圧との平衡状態を維持して運転を開始することが
可能になる。例えば、りん酸濃度の目標値を発電装置が
運転中または停止中に遭遇する最も低いりん酸濃度した
場合、運転開始以前にマトリックス中のりん酸は既に体
積膨張した状態にあり、積層燃料電池温度が上昇すると
ともに反応空気の加湿量を増加しても体積が膨張するこ
とがないので、例えば従来りん酸の体積が吸湿によって
乾燥時の1.2から1.3倍にも膨張し、膨張したりん
酸が一対の電極側に浸出して多孔質電極基材の空孔を閉
塞することを防ぎ、かつ浸出したりん酸が戻らないこと
によって生ずるマトリックスのガス透過性の低下を防止
する機能が得られる。
【0014】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施例になるりん酸型燃料電池発電装
置の構成を簡略化して示すブロック図であり、従来例と
同じ参照符号を付けた部材は従来例のそれと同じ機能を
もつので、その説明を省略する。図において、りん酸濃
度安定化手段9は反応空気供給系2のブロワの吐出側に
連結されて反応空気を加湿する加湿器3と、積層燃料電
池1の要所に設けられた積層燃料電池温度センサ6,反
応空気湿度センサ4,反応空気圧力センサ5,および反
応空気湿度センサ4の検出値を基にりん酸濃度の補正値
7Sを求めるりん酸濃度演算部7と、その補正値に基づ
いて加湿器3の水蒸気発生量を制御する制御部8とで構
成される。
【0015】このように構成されたりん酸型燃料電池発
電装置が運転中、りん酸濃度演算部7が反応空気湿度セ
ンサ4の検出値からりん酸濃度の実際値を求めるととも
に、積層燃料電池温度センサ6,および反応空気圧力セ
ンサ5それぞれの検出値に対応して決まるりん酸濃度の
目標値を求め、この目標値と実際値との差に相当する補
正信号7Sを出力する。この補正信号7Sを受けた制御
部8はこの補正信号を零にするよう反応空気供給系2に
連結された加湿器3の水蒸気発生量を制御する。いま、
りん酸濃度の目標値を発電装置が運転中または停止中に
遭遇する最も低いりん酸濃度を目安にして決めたと仮定
すると、負荷の急増などが原因で酸素利用率が一時的に
上昇した場合、酸素利用率の上昇に伴って発電生成水量
が増加して反応空気中の水蒸気分圧が一時的に上昇す
る。この水蒸気分圧の上昇は反応空気湿度センサ4で検
出され、りん酸濃度演算部7がりん酸濃度の実際値を更
新し、反応空気の加湿量の低減を求める補正信号7Sを
出力する。これを受けた制御部8は加湿器3の水蒸気発
生量を減少させる制御を行うので、酸素利用率の一時的
上昇によって増加した発電生成水はこれと同量の加湿水
蒸気が減少することによって打ち消され、反応空気中の
水蒸気分圧が予め定まる一定レベルに保持され、これと
平衡関係にあるりん酸濃度をも一定レベルに保持でき
る。従って、りん酸濃度が変化することによって従来発
生した乾燥時体積の1.2倍から1.3倍にも及ぶりん
酸の体積変化は抑制され、膨張したりん酸が電極側に浸
出することによって生ずる電極触媒層への酸素または水
素の供給障害と,これに起因する発電性能の低下を防止
できる効果と、発電生成水量が減少してりん酸体積が減
少したとき、りん酸がマトリックスに戻らないことによ
って生ずるマトリックスのガス透過量の増加を阻止し、
燃料ガスと反応空気が混触することによって生ずる燃料
電池の損傷を防止できる信頼性の向上効果とが得られ
る。
【0016】図2はこの発明の異なる実施例になるりん
酸型燃料電池発電装置の要部を簡略化して示すブロック
図であり、りん酸濃度安定化手段19が発電装置全体を
制御する制御部10が発電装置の各部に向けて出力する
積層燃料電池温度,反応空気圧力,および反応空気流量
の指令値をりん酸濃度演算部17の入力データとして利
用してりん酸濃度の目標値を求めるよう構成した点が前
述の実施例と異なっている。このように構成したりん酸
型燃料電池発電装置では、積層燃料電池温度,反応空気
圧力の指令値を利用することによってりん酸濃度の目標
値を発電装置の各部制御と同時に決められ、かつ反応空
気流量の指令値を利用することによって空気流量に対応
した補正値を出力できるので、りん酸濃度の制御を迅速
に行える利点が得られる。また、前述の実施例で必要と
した積層燃料電池温度センサ6,および反応空気圧力セ
ンサ5を省略できるので、りん酸濃度安定化手段19の
構成を簡素化し,製品コストを低減できる利点が得られ
る。
【0017】一方、積層燃料電池が運転中または停止中
に遭遇する最も低い濃度を目安に予め加湿したりん酸を
マトリックスに含浸して単位セルを製造する工程と、得
られた単位セル複数層を積層して積層燃料電池を形成す
る工程とを経て製造された積層燃料電池を用いてりん酸
型燃料電池発電装置を構成すれば、運転開始以前にマト
リックス中のりん酸は既に吸湿してその体積が2〜3割
膨張した状態にあり、運転開始に際して積層燃料電池温
度が上昇するとともに反応空気の加湿量を増加しても体
積が膨張することがないので、予め加湿処理したマトリ
ックス中のりん酸濃度と反応空気の水蒸気分圧とが平衡
状態を維持してりん酸の体積変化を抑制する機能が得ら
れる。従って、上述の製法で得られた積層燃料電池を用
いることにより、従来技術で問題となったガス欠や,燃
料電池の損傷を回避し、信頼性の高いりん酸型燃料電池
発電装置を提供できる利点が得られる。
【0018】
【発明の効果】この発明は前述のように、りん酸濃度安
定化手段を設け、発電生成水の変化に伴って反応空気側
に生ずる水蒸気分圧の変化をりん酸濃度安定化手段が発
する加湿量を増減することにより抑制し、反応空気の水
蒸気分圧と平衡関係にあるりん酸濃度を安定化するよう
構成した。その結果、りん酸濃度の変化に起因して従来
生じたりん酸の体積変化を抑制することが可能となり、
膨張したりん酸が電極側に浸出して多孔質基材の空孔を
閉塞することによるガス欠の発生とこれに起因する発電
性能の低下、および収縮したりん酸が戻らないために生
ずるマトリックスのガス透過性の低下とこれに起因する
燃料ガスと反応空気の混触による燃料電池の傷害などが
排除され、優れた発電性能および信頼性を有するりん酸
型燃料電池発電装置を提供することができる。
【0019】また、りん酸濃度安定化手段は、りん酸濃
度演算部が反応空気湿度センサ,積層燃料電池温度セン
サ,および反応空気圧力センサそれぞれの検出値からり
ん酸濃度の目標値と実際値との差に相当する補正値を求
め、制御部がこの補正信号を零にするよう加湿器の水蒸
気発生量を制御するよう構成することにより、その目的
を達成することができる。さらち、発電装置全体を制御
する制御部が発電装置の各部に向けて出力する積層燃料
電池温度,反応空気圧力,および反応空気流量の指令値
をりん酸濃度演算部の入力データとして利用するよう構
成すれば、りん酸濃度安定化手段の構成を簡素化し,製
品コストを低減する経済的メリットが得られる。
【0020】一方、積層燃料電池の製造に際して、積層
燃料電池が運転中または停止中に遭遇する最も低いりん
酸濃度を目安に予め加湿したりん酸をマトリックスに含
浸して単位セルを製造する工程を含むよう構成すれば、
予め加湿処理したマトリックス中のりん酸濃度と反応空
気の水蒸気分圧との平衡状態を維持して積層燃料電池の
運転を開始できるので、従来乾燥時に体積の1.2倍か
ら1.3倍にも達したりん酸の体積変化を初期段階から
抑制してガス欠や,燃料電池の損傷がなく、信頼性の高
いりん酸型燃料電池発電装置を提供できる利点が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例になるりん酸型燃料電池発電
装置の構成を簡略化して示すブロック図
【図2】この発明の異なる実施例になるりん酸型燃料電
池発電装置の要部を簡略化して示すブロック図
【図3】従来のりん酸型燃料電池発電装置の要部を簡略
化して示すブロック図
【符号の説明】
1 積層燃料電池 1A 空気極 1F 燃料極 1M マトリックス 1a 反応空気供給溝 1f 燃料極供給溝 2 ブロワ(反応空気供給系) 3 加湿器 4 反応空気湿度センサ 5 反応空気圧力センサ 6 積層燃料電池温度センサ 7 りん酸濃度演算部 7S 補正信号 8 制御部 9 りん酸濃度安定化手段 10 発電装置の制御部 17 りん酸濃度演算部 19 りん酸濃度安定化手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料極および空気極と,その間に挟持され
    てりん酸を保持するマトリックスとを有する単位セルの
    積層体からなる積層燃料電池と、前記燃料極に加圧した
    燃料ガスを供給する燃料改質系,および空気極に加圧し
    た反応空気を供給する反応空気供給系とを備えたものに
    おいて、前記マトリックス中のりん酸濃度を積層燃料電
    池温度および反応空気圧に対応して予め定まる一定値に
    保持するよう前記反応空気を加湿するりん酸濃度安定化
    手段を備えたことを特徴とするりん酸型燃料電池発電装
    置。
  2. 【請求項2】りん酸濃度安定化手段が反応空気供給系に
    連結されて反応空気を加湿する加湿器と、積層燃料電池
    温度センサ,反応空気湿度センサ,および反応空気圧力
    センサそれぞれの検出値を基にりん酸濃度の補正値を求
    めるりん酸濃度演算部と、その補正値に基づいて加湿器
    の水蒸気発生量を制御する制御部とを備えたことを特徴
    とする請求項1記載のりん酸型燃料電池発電装置。
  3. 【請求項3】りん酸濃度安定化手段が反応空気供給系に
    連結されて反応空気を加湿する加湿器と、積層燃料電池
    湿度センサの検出値,および発電装置全体を制御する制
    御部からの積層燃料電池温度,反応空気圧力,および反
    応空気流量の指令値を基にりん酸濃度の補正値を求める
    りん酸濃度演算部と、その補正値に基づいて加湿器の水
    蒸気発生量を制御する制御部とを備えたことを特徴とす
    る請求項1記載のりん酸型燃料電池発電装置。
  4. 【請求項4】発電装置が運転中または停止中に遭遇する
    最も低い濃度を目安に予め加湿したりん酸をマトリック
    スに含浸して単位セルを製造する工程と、得られた単位
    セル複数層を積層して積層燃料電池を形成する工程とを
    含むことを特徴とする請求項1記載のりん酸型燃料電池
    発電装置の製造方法。
JP6185694A 1994-08-08 1994-08-08 りん酸型燃料電池発電装置とその製造方法 Pending JPH0850905A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6185694A JPH0850905A (ja) 1994-08-08 1994-08-08 りん酸型燃料電池発電装置とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6185694A JPH0850905A (ja) 1994-08-08 1994-08-08 りん酸型燃料電池発電装置とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0850905A true JPH0850905A (ja) 1996-02-20

Family

ID=16175235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6185694A Pending JPH0850905A (ja) 1994-08-08 1994-08-08 りん酸型燃料電池発電装置とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0850905A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1168474A2 (en) * 2000-06-29 2002-01-02 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Method of operating a phosphoric acid fuel cell
US6562501B1 (en) * 1999-11-30 2003-05-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control system for fuel cell
JP2010218941A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Fuji Electric Systems Co Ltd りん酸形燃料電池のりん酸凍結防止方法及びりん酸凍結防止装置
KR101293961B1 (ko) * 2010-12-09 2013-08-07 기아자동차주식회사 연료전지용 상대습도 및 응축수 추정기
KR101350183B1 (ko) * 2013-02-22 2014-01-09 기아자동차주식회사 연료전지용 상대습도 및 응축수 추정기를 이용한 응축수 드레인 제어 방법
JP2016157598A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 株式会社Ihi 燃料電池発電装置と方法
CN111029622A (zh) * 2019-12-24 2020-04-17 中铁轨道交通装备有限公司 一种具有加湿功能的氢燃料电池及加湿控制方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6562501B1 (en) * 1999-11-30 2003-05-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control system for fuel cell
EP1168474A2 (en) * 2000-06-29 2002-01-02 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Method of operating a phosphoric acid fuel cell
EP1168474A3 (en) * 2000-06-29 2004-11-24 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Method of operating a phosphoric acid fuel cell
JP2010218941A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Fuji Electric Systems Co Ltd りん酸形燃料電池のりん酸凍結防止方法及びりん酸凍結防止装置
KR101293961B1 (ko) * 2010-12-09 2013-08-07 기아자동차주식회사 연료전지용 상대습도 및 응축수 추정기
KR101350183B1 (ko) * 2013-02-22 2014-01-09 기아자동차주식회사 연료전지용 상대습도 및 응축수 추정기를 이용한 응축수 드레인 제어 방법
JP2016157598A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 株式会社Ihi 燃料電池発電装置と方法
CN111029622A (zh) * 2019-12-24 2020-04-17 中铁轨道交通装备有限公司 一种具有加湿功能的氢燃料电池及加湿控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6103412A (en) Polymer electrolyte fuel cell
JP4300346B2 (ja) 燃料電池システム
JPH06132038A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池
US20100068575A1 (en) Fuel cell system
JP4379987B2 (ja) 燃料電池の制御装置
JPH0547394A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池およびその運転方法
JP6133365B2 (ja) 燃料電池システムの運転方法
JP2007103172A (ja) 燃料電池システムおよびそのガス排出方法
TWI389381B (zh) 高功率燃料電池之操作方法及高功率燃料電池系統
EP1168474B1 (en) Method of operating a phosphoric acid fuel cell
JP2003123811A (ja) 燃料電池発電システムによる発電方法及び燃料電池発電システム
JP4973138B2 (ja) 燃料電池システム
JP3141619B2 (ja) 固体高分子電解質型燃料電池発電装置
JP4815666B2 (ja) 燃料電池システム
JPH0850905A (ja) りん酸型燃料電池発電装置とその製造方法
JP5564315B2 (ja) 燃料電池システム
JPH07288136A (ja) 燃料電池システム
JP4346702B2 (ja) 燃料電池システム
JP5947152B2 (ja) 燃料電池の運転方法
JP5411901B2 (ja) 燃料電池システム
JP7076418B2 (ja) 燃料電池システム及びその制御方法
JP3601521B2 (ja) 燃料電池の発電制御装置
JP2005085537A (ja) 燃料電池システム
JP4346703B2 (ja) 燃料電池システム
JP5229523B2 (ja) 燃料電池システム