JPH08508779A - 堆肥化し得る成形体を製造するための、コーティング剤としての及び接着剤としてのポリアセタールの使用 - Google Patents
堆肥化し得る成形体を製造するための、コーティング剤としての及び接着剤としてのポリアセタールの使用Info
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Abstract
(57)【要約】
アセトアルデヒドアセタール単位を含有するポリアセタールを使用すること、及びこのポリアセタールと充填材の混合物を、堆肥化し得る成形体を製造するために、コーティング剤として及び接着剤として使用すること、並びに、堆肥化し得るフィルム又は堆肥化し得るコーティングの形状の、アセトアルデヒドアセタール単位を含有するポリアセタールから成る外層を有するダイヤパー。
Description
【発明の詳細な説明】
堆肥化し得る成形体を製造するための、コーティング剤としての及び接着剤と
してのポリアセタールの使用
本発明は、アセトアルデヒドアセタール単位を含有するポリアセタールの使用
、及び堆肥化し得る成形物を製造するための、前記ポリアセタールと充填材の混
合物のコーティング剤として並びに接着剤としての使用、及び堆肥化し得るフィ
ルム又は堆肥化し得るコーティングの形状でアセトアルデヒドアセタール単位を
含有するポリアセタールからなる外層をもつダイヤパー(diapers)に関する。
包装物を製造するために通常使用される、ポリエチレン、ポリプロピレン及び
ポリスチレンのような熱可塑性材料は、生物分解性でない。使用された包装材料
は再利用、エネルギー回収を伴う焼却、又は埋め立て用のごみとして処理される
。しかしながら、増大するごみの量のゆえに、ごみの堆肥化が益々重要になって
きている。しかしながら、上述のプラスチックは堆肥化できない。例えば、ポリ
エチレンフィルムを外層として有するダイヤパーは、容易には堆肥化できない。
最初に、このフィルムは付加的操作によりダイヤパーを構成する他の物から分離
されなければならないか、
又は、このダイヤパーを機械的に細かく砕く必要がある。しかし、機械的粉砕は
、生物性ごみにおいては、さらにその後の土中では望ましくない、比較的大きな
フィルム断片を残す。
ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス:ポリマーレターズ第18版,(1
980),293〜297は、酸触媒によるポリオールをジビニルエーテルへ付
加することによりポリアセタールを製造することを開示している。例えば、p−
トルエンスルホン酸の触媒作用の下でトランス−1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールがブタンジオールジビニルエーテルへ重付加すると、200,000の分
子量をもつポリアセタールが生成する。このポリアセタールは、活性成分を制御
して放出させるための薬物において使用される。
本出願の優先日では未公開のドイツ国特許出願第P4142130.2号明細
書は、ジビニルエーテル及びジヒドロキシ化合物及びさらに、必要に応じて、低
リン酸塩及びリン酸塩不含の洗剤及びクリーナー中のモノヒドロキシ化合物のカ
チオン的に開始される重付加によって得られるポリアセタールの使用を開示して
いる。これは、また、ジビニルエーテル及びジヒドロキシ化合物のカチオン的に
開始される重付加及びその後のポリアセタールの5〜95%のビニルエーテル基
へのモノヒドロキシ化合物の付加により得られ、この結果、形成されるポリアセ
タールはビニルエーテル基
を有することになるポリアセタールを開示している。
本発明の目的は、堆肥化が可能か、又は腐り得る成形物、コーティング剤又は
接着剤及び堆肥化し得るダイヤパーを製造するための材料を提供することである
。
この目的は、本発明によれば、アセトアルデヒドアセタール単位を含有するポ
リアセタールを使用すること、及び堆肥化し得る成形物を製造するため、このポ
リアセタールと充填材の混合物をコーティング剤として及び接着剤として使用す
ることにより達成されることが見い出された。
また、本発明は、アセトアルデヒドアセタール単位を含有するポリアセタール
から成る外層をもち、堆肥化し得るフィルム又は堆肥化し得るコーティングの形
状のダイヤパーを提供する。
好適なアセトアルデヒドアセタールポリアセタールは、二価アルコールのモノ
ビニルエーテルのカチオン的に開始される重付加により、又は、
(a)二価アルコール、これは適宜50モル%まで他のアルコールで置換されて
いてもよい、及び
(b)二価アルコールの1又は複数のジビニルエーテル、この場合前記ジビニル
エーテルは適宜50モル%まで他のビニルエーテルで置換されてもよい、
のカチオン的に開始される重付加により製造すること
ができる。
例えば、ジオールとジビニルエーテルを重付加させるとポリアセタールを生じ
、この場合、基礎をなすジオールはアセトアルデヒドアセタール単位を介して繰
り返し単位として互いに結合している。かかる高分子中のアセトアルデヒドアセ
タール単位は有力な切断箇所として作用し、ここで高分子は酵素的に又は加水分
解的に、分子量を減少させながら、容易に生物分解可能な高分子の断片又はジオ
ールに開裂され得る。これらのポリアセタールに対する酵素的攻撃は、微生物、
例えば細菌又は菌類より生ずる。加水分解による分解は、ポリアセタールの周囲
の媒質のpHを低下させることによりなし得る。もしこのpHが例えば、堆肥中
又は土壌中の生物学的工程によってか又は酸付加により7以下に減少すれば、ポ
リアセタールは堆肥化され得るか、また腐り得る。土壌雰囲気中に存在する二酸
化炭素の酸性度でさえも、酸により引き起こされるポリアセタールの加水分解を
生ずるのに十分である。ポリアセタールの加水分解は、本質的に成分(b)のジ
ビニルエーテルの基礎であり、また、成分(a)に由来するアセトアルデヒド及
びジオールを生ずる。アセトアルデヒド及びジオールは堆肥化条件下で十分に生
物分解性である。
適当なアセトアルデヒドアセタールポリアセタールは、先の引用文献に記載さ
れたポリアセタールであり
、好適には本発明の優先日ではそれぞれ公開されていない、ドイツ特許出願第P
2130428.4号、同P4142130.2号、同P4233340.7号
及び同P4237337.9号に記載されているポリアセタールである。上記出
願中に記載されたポリアセタールは本質的には低リン酸塩及びリン酸塩不含の洗
剤及びクリーナー中で又は皿洗い用組成物中で使用される。それらはさらに分散
剤として使用するのに適している。好適なポリアセタールは、
(a)二価アルコール、これは50モル%までの他のアルコールで適宜置換され
得る、及び
(b)二価アルコールのジビニルエーテル又は複数のジビニルエーテル、この場
合前記した複数のジビニルエーテルは50モル%までの他の複数のビニルエーテ
ルで置換し得る、のカチオン的に開始される重付加により、又は二価アルコール
のモノビニルエーテルのカチオン的に開始される重付加により
製造し得る。
成分(a)として使用するための適当な二価のアルコールは、2個以上の炭素
原子を有する脂肪族及び芳香族ジオールを含み、例えば、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコールのようなアルキレングリコール及びポリアルキレングリコ
ール、ポリテトラヒドロフラン、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘ
キサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、酒石酸ジエチル、ビスフェノー
ルA、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ヒドロキシフェニル)ケト
ン、ヒドロキシル化された脂肪酸エステル、ジカルボン酸のオリゴマー又はポリ
マーのエステル、及び末端アルコール基を有するジオールを含む。
末端アルコール基を有するこれらのオリゴマー又はポリマーエステルを製造す
るために、ジカルボン酸又はヒドロキシジカルボン酸をジオールと反応させるこ
とができる。適当なジカルボン酸の例は、テレフタル酸、フタル酸又はイソフタ
ル酸のような芳香族ジカルボン酸、又はC−原子数2〜10のジカルボン酸、特
に蓚酸、琥珀酸又はアジピン酸のような他の脂肪族ジカルボン酸である。しかし
ながら、グリコール酸又は乳酸を使用することも可能である。適当なジオールは
、芳香族のみならず脂肪族のジオールも含む。特に好適なものは、C−原子数が
2〜10のアルキレンジオールであり、これらの中でエチレングリコール、1,
2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールが特に適当であ
る。もちろん、シクロヘキサンジメタノールのような脂環式ジオールを使用する
ことも可能である。芳香族
ジオールの例は、ビスフェノールAである。もちろん、末端アルコール基をもつ
オリゴマー又はポリマーのエステルを製造するために異なるジカルボン酸又は異
なるジオールの混合物を使用することも可能である。
特に極めて好適な末端アルコール基のオリゴマー又はポリマーのエステルは、
以下の単量体の単位から構成される:
琥珀酸及び1,4−ブタンジオール、
琥珀酸及びエチレングリコール、
琥珀酸及び1,6−ヘキサンジオール、
アジピン酸及び1,4−ブタンジオール、
アジピン酸及びエチレングリコール、
アジピン酸及び1,6−ヘキサンジオール、
テレフタル酸及び1,4−ブタンジオール、
テレフタル酸及びエチレングリコール、
テレフタル酸及び1,6−ヘキサンジオール、
テレフタル酸、アジピン酸及び1,4−ブタンジオール、
テレフタル酸、アジピン酸及びエチレングリコール、
テレフタル酸、アジピン酸及び1,6−ヘキサンジオール、
乳酸及び1,4−ブタンジオール、
乳酸及びエチレングリコール、
乳酸及び1,6−ヘキサンジオール、
アジピン酸、乳酸及び1,4−ブタンジオール、
アジピン酸、乳酸及びエチレングリコール、
アジピン酸、乳酸及び1,6−ヘキサンジオール、
琥珀酸、乳酸及び1,4−ブタンジオール、
琥珀酸、乳酸及びエチレングリコール、
琥珀酸、乳酸及び1,6−ヘキサンジオール。
一般に、末端アルコール基を有するこれらのオリゴマー又はポリマーのエステ
ルは、3〜10,000の平均重合度を有する。典型的には、これらは100以
下、好適には1〜70のOH数を有しており、20以下、好適には10以下の酸
価を有する。
二価アルコール(a)は、ランダムポリアセタールを製造するために混合物の
形で、又はブロックポリアセタールを製造するために連続的に使用することがで
きる。また、1以外のモル比でジビニルエーテル(b)及び二価アルコール(a
)を反応させ、次いで、得られたブロック、これはアルコール基又はジビニルエ
ーテル基のどちらかを有する、を化合させてブロックポリアセタールを生成させ
ることもできる。この型のブロックコポリアセタールは、例えば、本発明の優先
日では未公開のドイツ特許出願第P4237337.9号に記載されている。
二価アルコールは、50モル%までの他のアルコールにより適宜置換し得る。
他のアルコールとして使用するのに適当なものは、一価のもののみならず、三価
及びそれ以上の多価アルコールである。この種のアセトアルデヒドアセタールポ
リアセタールは、例えばドイツ特許出願第P4142130.2号及び同出願第
P4233340.7号から既知である。多価アルコールは、例えば、トリメチ
ロールプロパン、グリセロール又は炭水化物又はポリサッカライド、例えばグル
コース、メチルグルコシド、蔗糖、澱粉及びイヌリンのようなオリゴフルクトシ
ド又はエリトリトール又はソルビトールのような水素化生成物とすることができ
る。多価アルコールは、不飽和の油及び脂肪をヒドロキシル化することにより製
造することもできる。適当な多価アルコールは、又、例えば、ブタンジオールモ
ノビニルエーテルをマレイン酸ジメチルとフリーラジカル的に共重合させること
により得られる。
ジビニルエーテル成分(b)は、アルコール成分(a)のジビニルエーテル誘
導体を含む。その例は、ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメ
タノールジビニルエーテル及びヘキサンジオールジビニルエーテルである。
ジビニルエーテルそれ自体を含む、ジビニルエーテルは、50モル%までの他
のビニルエーテルで適宜置換し得る。この目的で適当なものは、モノビニルエー
テルのみならず、成分(a)のアルコールと同様に、OH基が完全にビニル化さ
れた多価アルコールのビニルエーテル、例えば、グリセロール又はトリメチロー
ルプロパンのトリビニルエーテルである。
ポリアセタールは、上述の成分(a)のみの二価アルコールのモノビニルエー
テルを使用して、製造することもできる。例として、ブタンジオールモノビニル
エーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノール
モノビニルエーテルである。
アセトアルデヒドアセタールポリアセタールは、好適には溶剤を用いずに、か
つ好適には、カチオン性開始剤としての蓚酸、酒石酸又はクエン酸のようなカル
ボン酸を用いて、製造される。成分(a)及び(b)は、3:2〜2:3のモル
比でカチオン的に開始される重付加において好適に使用される。アセトアルデヒ
ドアセタールポリアセタールは熱可塑性の性質を有する。ポリアセタールのガラ
ス転移点は、広範囲の温度に亘り、例えば、−60〜100℃の範囲で設定し得
る。例えば、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル及びブタンジオール
又はヘキサンジオールのような脂肪族ジオールを使用するときは、−45〜0℃
の範囲である。かかるポリアセタールは、樹脂性であるか、又は、室温で遅移動
性の粘性な物質である。これらはコーティング用又はその他には接着剤として使
用することができる。
例えば、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル及びビスフェノールA
のカチオン的に開始される
重付加によるもののように、環式ジビニルエーテル及び環式ジオールから製造さ
れるポリアセタールは、10〜50℃の範囲のガラス転移点Tgを有する。
もしポリアセタールの製造時において、ジオールの1重量%以上が一層高い多
価アルコールで置換されていると、生成したポリアセタールはゴム状の特性を有
することができる。従って、これらのポリアセタールは、希釈剤中ではもはや十
分に溶解せずに、単に膨張可能なだけである。成分(a)及び(b)を変えるこ
とにより、アセトアルデヒドアセタールポリアセタールの特性を広範囲の特定の
最終用途に適合させることができる。
アセトアルデヒドアセタールポリアセタールは、好適には9〜70のK値を有
する(テトラヒドロフラン中の1%の溶液中25℃でH.フィッケンシャーの方
法により測定した)。
本発明により使用されるポリアセタールは、融解状態で、有機溶剤中の溶液と
して、又は水性の第二次分散液の形態において処理することができる。ポリアセ
タール融解物は、十分な高温、例えば100〜200℃においては低い粘度を有
する。かかる融解物は、鋳造可能であり、押し出し成形可能である。この融解物
は、例えば紙及び紙製品に対するコーティング剤として有用である。紙製品は、
例えば、ボール紙、厚紙及び貼り合わせたファイバー巻き取り紙(fiber webs)
を意味するものと理解できる。また、本発明により使用されるポリアセタールは
、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル及びポリアミドのような熱可塑
性物質から製造されたフィルム、澱粉又はセルロースのような他の堆肥化し得る
材料から製造されたフィルムをコーティングするために、及び木材、肥料及び収
穫物保護剤をコーティングするのに適している。
アセトアルデヒドアセタール単位を含む重合体は、有機溶剤に可溶である。か
かるポリアセタールの溶液も、例えば、コーティング剤を製造するために使用で
きる。適当な溶剤の例は、酢酸エチル、アセトン及びテトラヒドロフランである
。本発明により使用されるポリアセタールの水性分散液は、例えば、pH7以上
の水にポリアセタールを分散させて製造される。かかる水性第二次分散液は、例
えば、本発明により使用されるポリアセタールを水中でスラリー化し、0〜10
0℃の温度範囲で強力な剪断力作用により分散化して得られる。水中に懸濁して
いる微細に分割されたポリアセタールに対して超音波処理すると分散が促進され
る。さらに、界面活性剤、塩、保護用コロイド及び/又は乳化剤からも利益が得
られる。
アセトアルデヒドアセタールポリアセタールの溶液又は第二次分散液は、ロー
リング、はけ塗り、スプレー又はステロ化(casting)により適用することがで
きる。適当な基材は、融解コーティングと関連して上
述したとおりである。好適なものは、堆肥化でき又は腐り得るコーティング材料
である。このような原料物質は、セルロース又は澱粉から成る成形体である。
アセトアルデヒドアセタールポリアセタールは、また、堆肥化し得る成形体を
製造するために使用することができる。ここで成形体とは、単一の用途、例えば
テーブルウェア(tableware)、皿類(flatware)、ごみ袋、農業用収穫物増量
用シート(agricultural harvest advancement sheeting)、包装用フイルム及
び植物育成用容器等、使い捨て可能な物品とすることが予定されるすべての物品
を意味するものと理解される。本発明により使用されるポリアセタールから製造
される物品は、水及び微生物の存在下で、又は水だけ及び空気の接触のみにより
分解される。それゆえ、かかる材料は、一定期間後に堆肥化条件下で腐さる。
上述の成形体及びコーティング剤は、アセトアルデヒドアセタールポリアセタ
ール及び充填材の混合物からも、適宜製造し得る。これらの混合物は、例えば0
.5〜99重量%の充填材を含有してもよい。適当な充填材の例は、カーボンブ
ラック、澱粉、リグニン粉末、セルロース繊維、酸化鉄、粘土鉱物、鉱石、炭酸
カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム及び二酸化チタンである。充填材は
、一部、アセトアルデヒドアセタールポリアセタールに対する安定剤として作用
し、これらは、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム又は酸化カルシウムである。ある場合には、本発明により
使用されるポリアセタールに安定剤として同様に効果的であるような 0.1〜
30重量%のアルカリ充填材を混合することが有利であることが判明した。本発
明により使用されるポリアセタールは、無機又は有機染料を添加することにより
、いかなる所望の色とすることもできる。これらの染料は、また、最も広い意味
において充填材と考えられる。もし、本発明により使用されるポリアセタールが
依然としてビニルエーテル基を含有しているならば、これらは酸の作用により、
例えば澱粉又はセルロースのようなOH−含有のコーティング基材と共有結合し
得る。かかるポリアセタールと澱粉又はセルロースの混合物は、このように単に
物理的のみならず、化学的にも互いに結合する。澱粉又はセルロースの疎水性化
(疎水性の修飾)が生ずる。
特に興味のあるものは、ダイヤパーの外側表面として堆肥化し得るフィルム又
はコーティングの形状で、アセトアルデヒドアセタールポリアセタールを使用す
ることである。外側のダイヤパー表面は、ダイヤパーの内側において、綿毛及び
適宜、例えば架橋結合したポリアクリル酸又は架橋結合したポリアクリルアミド
に基づくスーパー吸収促進剤粒子により吸収された尿を密閉する。ダイヤパーの
内部表面は、通常、セルロース材料に基づくファイバー巻き取り紙である。前記
のダイヤパーの外側表面は、生物分解性であり、それゆえ堆肥化可能である。ポ
リエチレンで製造された外側層を有するダイヤパーは予め粉砕するか、又は費用
をかけてポリエチレンフィルムを除くことなしには堆肥化できないのに対して、
これは堆肥化時に分解し、それゆえダイヤパー全体が腐る。
本発明により使用されるポリアセタールは、複合材料を製作するために、例え
ばアルミニウムホイール又はプレートに接着剤でポリエチレンフィルム又はシー
トを接着させるために、又はポリエチレン又はポリプロピレンから構成されるポ
リオレフィンフィルム又はシート及び例えば、銅シート又はプレートから複合体
を製造するための接着剤として適当である。かかる接着性剤は、水抵抗性であり
、かつアルカリ性pH域において安定である。しかしながら、これらは酸性pH
域において徐々に分解される。ポリアセタールのK値は、H.フィッケンシャー
の方法、セルロースケミー13(1932),58〜64及び71〜74により
測定された。この測定は、25℃にてテトラヒドロフラン中のポリアセタールの
1重量%の溶液中で実施された。
実施例
ポリアセタール1の製造
シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルの異性体混合物80.11gを
無水蓚酸290mgと混合
し、撹拌しながら45℃に加熱した。蓚酸が完全に溶解したら、混合物の温度を
110℃に上昇させる。次いで、110°で1時間以上かけて、ビスフェノール
A(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)93.17gを添加す
る。その後、さらに72時間、反応混合物を90℃で撹拌すると、その途中でこ
れは重合する。その後、ガス状アンモニアをポリアセタールの融解物に通過させ
、蓚酸開始剤を中和する。
コーティング剤を製造するために、テトラヒドロフラン中のポリアセタールの
30%の溶液を製造する。
例
厚さ0.1ミリの慣用の家庭用の貼り合わせたファイバー巻き取り紙をすばや
く前記ポリアセタール溶液に浸し、両面にコーティングを行い、かつ空気乾燥し
た。コーティングされた紙におけるポリアセタールの割合は20重量%である。
コーティングされた紙を、次いでpH8に調節した水中に16時間浸し、次い
でDIN 53455−3の引張強さ試験を行った。試験片の巾は4ミリであっ
た。引張強さ及び破壊強さの測定値を下表に示す。
比較例
実施例に記載された厚さ0.1ミリの未コーティングの貼り合わされたファイ
バー巻き取り紙をpH8に調節した水中に16時間浸し、次にDIN 5345
5−3の引張強度試験を行った。引張強さ及び破壊強
さの得られた結果を、次表に示す。
上表から明らかのように、アセトアルデヒドアセタール単位を有するポリアセ
タールによるコーティングは、貼り合わせたファイバー巻き取り紙の湿潤引張強
さのみならず、湿潤破壊強さを明らかに改善する。コーティングされた巻き取り
紙は耐水性であり、即ち、これを長時間水にさらしても水を通さず、かつ水によ
る影響がない。コーティングした貼り合わせたファイバー巻き取り紙のこの特性
は、ダイヤパーの外側表面としてこの製品を使用するのに重要である。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年5月18日
【補正内容】
請求の範囲
1.アセトアルデヒドアセタール単位を含有するポリアセタール及びこのポリア
セタールと充填剤の混合物の、堆肥化可能な成形体を製造するための、接着剤と
しての使用。
2.アセトアルデヒドアセタール単位を含有し、かつ二価アルコールのモノビニ
ルエーテルのカチオン的に開始される重付加により、又は
(a)二価アルコール、これは50モル%までの他のアルコールで適宜置換さ
れていてもよい、及び
(b)二価アルコールのジビニルエーテル又は複数のジビニルエーテル、この
場合前記複数のジビニルエーテルは50モル%までの他の複数のビニルエーテル
で適宜置換されていてもよい、
のカチオン的に開始される重付加により製造可能であるポリアセタール、また
はこのポリアセタールと充填剤との混合物の、堆肥化可能な成形体を製造するた
めの、コーティング剤として又は接着剤としての使用。
3.ポリアセタールを紙及び紙生産物に対するコーティング剤として使用するも
のである、請求項2に記載の使用。
4.堆肥化可能なフィルム又は堆肥化可能なコーティングの形状のアセトアルデ
ヒドアセタール単位を含有するポリアセタールから成る外層をもつダイヤパー。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
D21H 19/24 2119−3B A41B 13/02 M
(72)発明者 シューマッハー, カール−ハインツ
ドイツ連邦共和国 D―67435 ノイシュ
タット ヴォルフスコイレ 12
(72)発明者 ヴィストゥバ, エッケハルト
ドイツ連邦共和国 D―67098 バート
デュルクハイム イム オーバーガルテン
7
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. アセトアルデヒドアセタール単位を含有するポリアセタール及びこのポリ アセタールと充填材の混合物の、堆肥化可能な成形体を製造するための、コーテ ィング剤として及び接着剤としての使用。 2. ポリアセタールが二価アルコールのモノビニルエーテルのカチオン的に開 始される重付加により、又は (a)二価アルコール、これは50モル%までの他のアルコールで適宜置換さ れていてもよい、及び (b)二価アルコールのジビニルエーテル又は複数のジビニルエーテル、この 場合前記複数のジビニルエーテルは50モル%までの他の複数のビニルエーテル で適宜置換されてもよい、 のカチオン的に開始される重付加により製造されるものである、請求項1に記 載の使用。 3. ポリアセタールを紙及び紙製品に対するコーティング剤として使用するも のである、請求項1又は2に記載の使用。 4. 堆肥化可能なフィルム又は堆肥化可能なコーティングの形状のアセトアル デヒドアセタール単位を含有するポリアセタールから成る外層をもつダイヤパー 。
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