JPH08508586A - 磁気性締結具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 磁気締結具は、永久磁石（１６，１７）を含む磁気性吸引部材（１１，１２）と、非磁気性物質から形成され、磁気性吸引部材（１２，１３）を密閉する長尺な管状の鞘（１３）からなる。２つの磁気性吸引部材は、該部材の鞘と一体で、収縮チューブの一定の長さから形成される柔軟性のヒンジ部材により連結される。

Description

【発明の詳細な説明】 磁気性締結具 本発明は磁気性締結具に関するものであり、該締結具は２つの磁気性吸引部材 を有し、これら２つの部材の間の介在物を介して、該部材は互いに引き合い、こ れにより前記介在物が保持されるか締結具がこれに保持される。 特に、しかしこれに限定されるものではないが、本発明はヒンジ部材によって 連結され、磁力によって相互に引き合う脚部からなる締結具に関するものであり 、前記２つの脚部の内少なくとも１つは磁力性吸引部材からなり、該磁力性吸引 部材は永久磁石からなる。 この種の締結具は例えばスウェーデン特許第Ｂ−４５３，６２０号、米国特許 第Ａ−４，２５８，４９３号及びヨーロッパ特許第Ａ−０，０２９，５００号に 開示されている。前記スウェーデン特許に開示された締結具のヒンジ部材は、短 い弾性プラスチック片形状でその端部が一組の平坦な円形の永久磁石の円周部に 取り付けられた靭帯状のものである。米国特許第Ａ−４，２５８，９５３号にも 類似の締結具が開示されている。ヨーロッパ特許第Ａ−０，０２９，５００号に 開示されている締結具は、ヒンジ部材が脚部の１つに取り付けられ、他の脚部に よって軸支されている。 本発明は簡単且つ製造が経済的な上述の種の締結具を提供することを目的とし ている。 本発明はさらに永久磁石の磁力を効果的に利用することができる締結具を提供 することを目的とし、これにより小型且つ軽量の永久磁石によって締結具の保持 力を高めることができる。 締結具が名札、キャンペーンバッジ及び同様に衣類に取り付けられるものであ る場合、軽量であるということは特に重要である。 本発明ではヒンジ部材によって連結された２つの磁気によって吸引される協働 脚部からなり、各脚部は磁気性吸引部材を有し、これら２つの脚部の内少なくと も１つの磁気性吸引部材は永久磁石からなる締結具を提供し、この場合ヒンジ部 材は非磁気性物質からなる長尺の管状の鞘形状であり、両脚部の磁気性吸引部材 を密閉するように構成されている。 本発明ではさらに２つの磁気性吸引部材からなり、その内少なくとも１つは永 久磁石からなる締結具を提供し、この場合前記１つの磁気性吸引部材は非磁気性 物質からなる管状の鞘によって密閉されている。 本発明ではさらに磁性の弱い材質からなるバックプレート及びこのバックプレ ートの一面に係合するように該プレートに取り付けられた少なくとも１つの永久 磁石及び前記吸引部材を密閉する非磁力性物質からなる管状の鞘を有する締結具 を提供する。 本発明の他の目的、特徴及び利点は添付の図面を参照し、以下に詳述する実施 例により明らかになる。 図１は本発明による磁気性締結具を開口状態に示した斜視図であり、該締結具 の鞘部分を一部破断して示す。 図２は図１の締結具の縦断面図であり、対向する磁気性吸引部材の間で挟まれ た介在物を保持した状態に示す。 図に示す締結具は２つの協働磁気性吸引部材（１１）（１２）及びこれら２つ の部材を密閉し相互に連結する管状鞘（１３）の形状 を呈する長尺連結部材からなる。 前記各部材（１１、１２）は磁気の弱い物質からなる長尺の長方形の磁極片ま たはバックプレート（１４）及び一組の永久磁石（１６、１７）からなり、これ ら磁石はこのプレートの一面に位置し且つプレート幅より僅かに大きい直径を有 する薄く平坦な円形ディスク形状を有する。前記２つの磁石はプレート（１４） 上で相互に近接して位置し、これら磁石の極が対向する平坦面に位置するように 磁化される。従って各磁石（１６、１７）の１極は、プレート（１４）と接触し 且つこれと面しており、他極はプレートから離れて面しており、即ち磁石（１６ ）のＮ極と磁石（１７）のＳ極はプレートから離れて面している。 鞘（１３）を形成する前記長尺の連結部材は加熱すると収縮する一定の長さの プラスチックチューブである。２つの磁気性吸引部材（１１、１２）は前記チュ ーブに挿入された後、該チューブを加熱することによってチューブの端部内で密 閉され、所定の位置に強固に保持され、これにより収縮性プラスチックチューブ がプレート（１４）と磁石（１６、１７）と強固に係合し且つ密閉する。 前記収縮チューブの磁気性吸引部材（１１、１２）間を延びる部分は、図に示 すようにバンドまたはストリップ形状になるように平坦にするのが好ましく、こ れにより図示したようなＵ字状に容易に曲げることができる。収縮チューブを前 記磁気性吸引部材の周囲で収縮するように加熱することによって、収縮チューブ の前記部分を平坦にすることができる。同時に平坦となった部分は中央で曲げら れ、ほぼ同じ長さの２つの脚部（１８、１９）は、図示の形状に予 め形成される。 磁気性吸引部材（１１、１２）が鞘（１３）を形成する所定の長さの収縮チュ ーブの端部に挿入される際、部材（１１）の磁石（１７）と部材（１２）の磁石 （１６）がチューブの各端部で対向するように部材（１１、１２）は配向される 。従って脚部（１８、１９）は図２に示すように磁気性吸引部材（１１、１２） が整列するように中央湾曲部（１３Ａ）を中心に折り曲げられる際、反対の極性 同士が向き合うことになる。 本発明の締結具は多くの方法及び目的で使用することができる。 例えば、名札（図１に仮想線Ａで示す）等の装着具として使用することができる 。この場合、２つの内１つの脚部（１９）はヒートシール（溶封）あるいは感圧 接着剤などの好適な手段で名札の裏側に固定される。前記接着剤を締結具の製造 者側で脚部に塗布し、締結具を名札に固定する際にはがされる保護シートで接着 剤を覆っても良い。予め塗布される接着剤の層を図２に符号２０にて示す。名札 は衣類の襟またはその他の部分に脚部（１８、１９）を広げた状態で襟を跨ぐよ うに位置させ、襟に対してこれらの脚部を動かすことによって磁気性吸引部材（ １１、１２）が相互の磁気による吸引力で襟を挟むことで取り付けが行われる。 図示した締結具が設けられた名札を該締結具の使用できない、例えば襟の縁部 から離れた位置に取り付けなければならない場合、鞘（１３）を形成する連結部 材を磁気性吸引部材（１１、１２）間で切断してもよく、これにより磁気性吸引 部材は互いに切り離され、衣類に名札を固定するため、所望箇所でこれらの部材 を対向させる ことができる。 当然、本発明の締結具を通知または広告シート等のホルダーとして壁、掲示板 に取り付けても良い。 締結具を開く際、脚部（１８、１９）が容易に開くようにするために磁気性吸 引部材（１１、１２）の内少なくとも１つのバックプレート（１４）は磁石（１ ６）または（１７）の最外端を僅かに越えるように延び、つまみの役割を果たし ている。図示した実施例においてつまみの役割を果たす延長部（１４Ａ）は磁気 性吸引部材（１１）のバックプレート（１４）に設けられている。 磁気性吸引部材（１１、１２）の長さは締結具の用途に応じて変化させても良 く、脚部（１８、１９）の長さに対応させても良い。磁気性吸引部材（１１、１ ２）間を延びる鞘（１３）の剛性あるいは柔軟性は、部材（１１，１２）を引き 合わせる際に使用者が特にこれらの部材を調節せずとも自然に整列位置に配され るように選択されるのが有効であり、このように選択することによって、１つの 脚部における磁気性吸引部材の磁石は、他の脚部における磁気性吸引部材の磁石 と、シートまたは布等を介して対面することになる。 上述の如く、本発明による締結具は従来の磁気性締結具にない、いくつかの利 点を有する。 例えば本発明の締結具を使用した場合、永久磁石による磁界は磁気性吸引部材 間の領域から離れた該部材の外側では非常に弱くなっている。これは前記部材の 高い透磁性によるもので、バックプレート（１４）が、プレートと係合する磁極 間での磁束を伝えるために、磁束がプレートの裏側を越えて外側に延びるのを効 果的に防ぐよう になっている。 従ってペースメーカーを使用している人でも磁石による危険に晒されること無 く、本発明による締結具が設けられた名札を使用することが可能である。さらに 磁気性吸引部材の磁界を制限したことによってクレジットカードまたはコンピュ ーターディスク等に磁気で記録された情報の損傷を著しく減少することになる。 磁石とバックプレート間の磁気による吸引力は磁石をバックプレートに強固に 保持するには十分であるので、磁気性吸引部材を収縮チューブに挿入する前にバ ックプレート（１４）に磁石（１６、１７）を固定する際、接着剤等を使用しな くても良い。 本発明は、図に示すような連結部材によって保持される２つの磁気性吸引部材 を有する締結具に限定されるものではない。従って、介在物を挟む上述した型の 一組の磁気性吸引部材の内、一方の部材は少なくとも１つの磁気性吸引部材を含 み、他方の部材は永久磁石を設ける必要のないように構成した締結具を提供する ことも本発明に包含されるものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．それぞれ磁気性吸引部材（１１，１２）を含み、ヒンジ部材（１３）によっ て連結された２つの磁力性吸引協働脚部（１８，１９）と、永久磁石（１６，１ ７）からなる少なくとも１つの脚部の磁気性吸引部材とからなる締結具において 、前記ヒンジ部材（１３）は、非磁気性物質から形成され、両脚部の磁気性吸引 部材（１１，１２）を密閉する長尺な管状の鞘を構成することを特徴とする締結 具。 ２．前記管状の鞘（１３）は収縮チューブの一定の長さから形成され、前記磁気 性吸引部材（１１，１２）は、管状の鞘の長手方向で間隔を設けて配され、前記 鞘は磁気性吸引部材の間でその長さの一部にわたって平坦化されることを特徴と する請求項１記載の締結具。 ３．少なくとも１つの前記磁気性吸引部材（１１，１２）は、磁気の弱い物質か ら形成されるバックプレート（１４）と、該バックプレートの一面と係合するよ うこれと組み合わされる少なくとも１つの永久磁石（１６，１７）からなること を特徴とする請求項１または２に記載の締結具。 ４．少なくとも２つのディスク状永久磁石（１６，１７）は、前記バックプレー ト（１４）の前記面と組み合わされ、前記管状の鞘（１３）の長手方向で相互に 隣接して位置し、各永久磁石（１７）のＮ極及びＳ極（Ｎ，Ｓ）は、前記バック プレート（１４）に面した永久磁石の面及びバックプレートから離れた面のそれ ぞれに位置し、隣接する永久磁石は前記バックプレートから離れた各面で、反 対の極性を有していることを特徴とする請求項３記載の締結具。 ５．２つの磁気性吸引部材（１１，１２）からなり、このうち少なくとも１つの 磁気性吸引部材は永久磁石（１６，１７）からなる締結具において、少なくとも １つの前記磁気性吸引部材（１１，１２）は、非磁気性物質から形成される管状 の鞘（１３）により密閉されることを特徴とする締結具。 ６．前記鞘（１３）は、収縮チューブの一定の長さから形成されることを特徴と する請求項５記載の締結具。 ７．少なくとも１つの前記磁気性吸引部材（１１，１２）は、磁気の弱い物質か ら形成されるバックプレート（１４）と、該バックプレートの一面と係合するよ うこれと組み合わされる少なくとも１つの永久磁石（１６，１７）からなること を特徴とする請求項５または６に記載の締結具。 ８．少なくとも２つのディスク状永久磁石（１６，１７）は、前記バックプレー ト（１４）の前記面と組み合わされ、相互に隣接して位置し、各永久磁石のＮ極 及びＳ極（Ｎ，Ｓ）は、前記バックプレート（１４）に面した永久磁石の面及び バックプレートから離れた面のそれぞれに位置し、隣接する永久磁石は前記バッ クプレートから離れた各面で、反対の極性を有していることを特徴とする請求項 ７記載の締結具。 ９．磁気の弱い物質から形成されるバックプレート（１４）と、該バックプレー トの一面と係合するようこれと組み合わされる少なくとも１つの永久磁石（１６ ，１７）を含む磁気性吸引部材、及び該磁気性吸引部材（１４／１６，１７）を 密閉する非磁気性物質から 形成される管状の鞘（１３）からなる磁気締結具。 １０．前記管状の鞘（１３）は収縮チューブの一定の長さから形成されることを 特徴とする請求項９記載の磁気締結具。