JPH08508439A - スペーサー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、概ね長円形の形をもっており、また長手方向の中心軸のまわりに回転対称をなしており、そして計量された投与量吸入器（MDI）および吸い口またはそれに類するものとそれぞれ連結するために上記中心軸に中心をおくように位置する開口部と両端に有する、計量された投与量吸入器と共同して用いることを主として意図する小児用スペーサーに関する。このスペーサーは50〜400mlの範囲内にある小さな全容積を有することそしてスペーサーの材料が10⁹オームより低い、望ましくは10⁶オームより小さい表面抵抗率を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 スペーサー 発明の技術分野 本発明は計量された投与量吸入器（MDI）（metered dose inhaler）と共同し て用いることを主として意図された小児用の長円形のスペーサーに関し、このス ペーサーは長手方向の中心軸のまわりに回転対称をなしており、またMDIおよび 吸い口またはそれに類するものとそれぞれ連結するために、この中心軸に中心を おくように位置する開口部を両端に有する。 発明の背景 MDIは加圧された推進剤と薬物との混合物が入った容器であり、作動時に計量 を行う弁を有する。この弁が作動される時、薬物／推進剤の混合物が空気中に噴 出され、患者による吸入が可能になる。 口腔内への著るしい付着およびMDIとの連繁の困難という問題を軽減するため に、様々な種類のスペーサー器具、つまり一端がMDIに連結する保持チャンバー が開発されてきた。スペーサーの他端は吸い口および（または）顔面マスクに連 結しあるいは（そして）これらが装備されており、これらを通じて患者が吸入す ることができる。弁を作動する時、薬物／推進剤混合物の投与量がスペーサー内 に噴霧されその結果、吸い込み可能な範囲にあるより小さな粒子の雲霧状体（エ アロゾル）がある時間にわたってこのチャンバーに閉じ込められ、その際により 大きい粒子つまり普通には口腔内に付着するであろう粒子がエアロゾル投与物か ら分離しそしてスペーサー内に付着することになる。同じ時、推進剤は蒸発する 。患者は、粒子の雲霧状体を努力することなく吸入できる。 先行技術によるこの種の器具はしかし、年長の小児および成人が使用するよう にもっぱら設計されている。この器具の容積は普通0.5〜２リットルの範囲にあ り、またほとんどがポリマー材料例えばポリカーボネートからできている。この 器具はより年少の小児が使用するようにしばしば改造される。小児を治療するた めに使用する場合のこの器具の投与量のデリバリーに関する再現精度および年令 依存度は重要であるが、未だ確証されていない。理論モデルによると、年少の小 児にあっては気道口径がより小さくまたkgあたりの呼気（ventilation）が大き いため、肺内付着が増大することが予測されているが、生体に関する文献資料は 少ない。先行技術による器具による投与量デリバリーに関して生体で得られてい る資料のほとんどは、呼吸がぜいぜいする小児がβ₂−アゴニストを吸入する際 の臨床的反応を論じている。こういう小児の場合、薬物は最低有効投与量をかな り上まわる投与量で投薬されてきた。従って反応は再現精度をもって行われるデ リバリーに臨界的に依存することはない。この薬物に関する一層の研究から得ら れる結果は、微粉化および溶解性に関して別な特性を有するステロイドのエアロ ゾルの発生に対して補外することはできない。 従って年少の小児の治療に特に適したスペーサーデリバリーシステムが必要と されている。この必要性は、ステロイドを投薬するのに使用するシステムの場合 特に強いが、これはこの薬物については再現精度および投与量の正確さに対する 要請が一層きびしいことによる。そして投与される物質の利用度の高いこともま た望ましい。 エアロゾルはチャンバーから指数関数的に排出されるので、スペーサーの容積 は臨界的である。エアロゾルの全投与量を吸入するの に必要な吸気容積はスペーサー容積の数倍であろう。粒子の沈降は、吸入のため に利用できる時間を限定する。年少の小児の吸気能力は成人のそれより小さいの で、投薬に必要な時間を減らすために、例えば小児の周期的呼吸の数回分の範囲 でスペーサー容積を減少することが指摘されよう。 しかしながら、スペーサーの容積が減少すると収容されるエアロゾルの濃度が 増大し、従って排出するのに必要な時間が一層短くなるであろう。しかしながら 、エアロゾルの密着化、吸着、沈降および凝集のため、空気に担持される粒子の 割合が減る。この傾向は、静電力が印加されるであろうポリカーボネートのよう なポリマー材料からスペーサーができているならば、顕著になるであろう。これ は、各粒子の最も近接した壁面までの距離は先行技術のスペーサーよりも小さく 、従って静電力がより大きい影響をもつであろうことによる。 従って本発明の目的は、上記の考察に基づき年少の小児の治療に十分に適合し たスペーサーを提供することである。 発明の思想の略記 上述の目的は、前置きとして述べたスペーサーを、50〜400mlの範囲内にあっ て全体容積が小さいように設計すること、およびスペーサー内の物質が10⁹オー ムより低い、望ましくは10⁶オームより低い表面抵抗率を有することで達成され る。最も好ましい態様において表面抵抗率は１より低い。好ましい別な態様は添 付の請求の範囲内に記載されている。 添付の図面の簡単な説明 図１は本発明のスペーサーの側面を示す図である。 図２はMDIを連結すべきスペーサーの細い側の末端を例示する。 図３はスペーサーの太い側の末端を例示する。 発明の好ましい態様に関する詳細な説明 図１は第１の端面３を有する円錐状の僅なテーパのある第１の部分２、中央に ある円筒状の部分４およびほとんど半球状の第２の部分５を有する、長円形の好 ましいスペーサーを示す。表面３とテーパのある部分２との間にある接続部は丸 味をおびている。スペーサーの断面は円形であり、従ってスペーサーは回転対称 をなしている。スペーサーの全長は約130mmでありまたテーパのある部分の長さ は約80mmである。端面３の直径は約40mmあり（２の部分と接続する丸味のある部 分は無視する）、円筒状部分４の直径は約55mmである。スペーサーの容積は220m lである。これらの寸法は小柄なほとんどの小児に適合しているが、別な寸法を 考慮することもできる。MDIの弁が作動している時に、吸い込み可能な範囲内に ある粒子が器具の対向する壁面へと噴霧されることを防止するようにスペーサー が十分に長いので、スペーサーの長さは標準的なMDIに適合している。 半球状部分５には標準的な吸い口または顔面マスクを取り付けるための円周に 凸出するフランジ７を有する中央開口６がある。スペーサーと吸い口／マスクと の間には２方弁が接続されてよい。 端面３には標準的なエアロゾルディスペンサーまたはMDIの標準的な吸い口取 付具に合う楕円形の中央開口８がやはりある。 スペーサーは、スペーサーが適切に機能するよう十分な導電性を有し、しかも 吸い込み可能な粒子がスペーサーの壁面へと静電的に吸引される危険が最小化さ れる最大の表面抵抗率よりも十分に小さ い表面抵抗率を有する材料であるステンレス鋼からできている。 ステンレス鋼を利用すると極めて堅牢なスペーサーが得られ、従ってそれはこ の点からみてもより年少の小児に使用するのに十分に適している。 使用に際して、MDIの吸い口取付具はスペーサーの対応する端部に連結され、 また２方弁のある吸い口は他端に連結される。２方弁は吸気使用の空気がMDIか ら吸い口へとスペーサーを通過して流れることを許すが、呼気作用の空気が吸い 口から流れるのを防止するよう設計されており、このようにしてスペーサーを通 過する整流された吸気がつくられる。吸気作用の空気は、スペーサーなしで普通 に使用するために標準的な空気開口を通過して、MDIの吸い口取付具を経由して 吸引される。 吸い込み可能な粒子への静電気による影響に関する危険が低いことと相まった 整流された空気流、および吸入される空気の容積が少いことは、小児の肺の所望 の場所に然るべき再現精度がありかつ正確な投与量を付着するのに役立ち、また 標準的な先行技術による器具で可能であるより大きな割合の薬物の利用を達成す るのにも役立つ。 発明において可能な変改 本発明は当然ながら、添付の請求の範囲に属する限り多くの方法で変改できる 。 所望とする表面抵抗率の特性はいくつかの方法で得ることができる。 従って、ほとんどの金属、所望値より低い表面抵抗率を有するポリマー材料、 所望の特性を付与する添加剤を含有するポリマーおよ び表面処理によって所望の特性を付与されているポリマーを使用することが可能 である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ)，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，Ｍ Ｘ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．概ね長円形の形をもっており、また長手方向の中心軸のまわりに回転対称を なしており、そして計量された投与量吸入器（MDI）および吸い口またはそれに 類するものとそれぞれ連結するために上記中心軸に中心をおくように位置する開 口部を両端に有する、計量された投与量吸入器と共同して用いることを主として 意図する小児用スペーサーであって、50〜400mlの範囲内にある小さな全容積を 有することそしてスペーサーの材料が10⁹オームより低い、望ましくは10⁶オーム より小さい表面抵抗率を有することを特徴とするスペーサー。 ２．表面抵抗率が１より低いことを特徴とする請求項１記載のスペーサー。