JPH08507082A - 粗製テレフタル酸、イソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸精製用触媒および精製法 - Google Patents

粗製テレフタル酸、イソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸精製用触媒および精製法

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JPH08507082A JP6519949A JP51994994A JPH08507082A JP H08507082 A JPH08507082 A JP H08507082A JP 6519949 A JP6519949 A JP 6519949A JP 51994994 A JP51994994 A JP 51994994A JP H08507082 A JPH08507082 A JP H08507082A
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Abstract

(57)【要約】 二酸化チタン担持精製触媒を使用する粗テレフタル酸、粗イソフタル酸または粗ナフタレンジカルボン酸の精製方法が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 粗製テレフタル酸、イソフタル酸またはナフタレン ジカルボン酸精製用触媒および精製法発明の背景 発明の分野 この発明は、概して、粗テレフタル酸、粗イソフタル酸または粗ナフタレンジ カルボン酸精製用触媒および該触媒の使用法に関し、さらに詳細には前記精製法 において、二酸化チタンを含む担体に担持された周期表第VIII族の少なくとも1 種の金属を含む触媒を使用することに関する。従来技術の説明 ポリマーグレードすなわち「精製した」テレフタル酸およびイソフタル酸は、 ポリエステル繊維、ポリエステルフィルム、および瓶などの容器用樹脂の製造に 用いられる主要なポリマーであるポリエチレンテレフタレートおよびイソフタレ ートのそれぞれの出発物質である。同様に、ポリマーグレードすなわち「精製」 ナフタレンジカルボン酸、とくに2,6−ナフタレンジカルボン酸は、これも繊 維、フィルムおよび樹脂の製造に用いることができるポリエチレンナフタレート の出発物質である。精製テレフタル酸、イソフタル酸またはナフタレンジカルボ ン酸は、それぞれ、比較的純粋でない、工業グレードすなわち「粗製」テレフタ ル酸、イソフタル酸または「粗製」ナフタレンジカルボン酸から、Meyerの米国 特許第3,584,039号にテレフタル酸について記載されているように、水 素および貴金属触媒を用いる粗酸の精製によって得ることができる。精製プロセ スでは、不純のテレフタル酸、イソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸を高 温において、水または他の適当な溶剤もしくは溶剤混合物に溶解し、得られた溶 液を、好ましくは、Pohlmannの米国特許第3,726,915号に記載されてい るように、通常、炭素担体に担持されたパラジウムである水素化触媒の存在下で 水素化する。この水素化工程は、比較的不純のフタル酸またはナフタレンジカル ボン酸中に存在する種々の着色物質を無色物に変える。ポリアルキル芳香族炭化 水素の液相接触酸化により生成した芳香族ポリカルボン酸の水素化による別の類 似の精製法がStechらの米国特許第4,405,809号に記載されている。 炭素は、前記精製法で用いられる触媒における貴金属の担体物質として一般に 使用されている。炭素担体を用いる場合の共通の欠点は工業操作中に炭素の微粒 子がしばしば生成するということである。この微粒子の生成をできるだけ少なく することはできるが、完全に無くすことはできない。次のエステル化操作の間に 、特定の精製酸、たとえばテレフタル酸、イソフタル酸または2,6−ナフタレ ンジカルボン酸の場合に生成した前記微粒子はフィルターをつまらせ、それによ って操作を中断させることがある。フィルターを通り抜けるような他の微粒子が 生成ポリエステル繊維またはフィルム中に混入して、繊維の破損やフィルムの変 形を生じることがある。 このために、前記精製法に使用する触媒中の担体物質として、他の物質を用い ることが極めて望ましい。しかし、前記精製が行われる条件は極めて腐食性であ るために、精製触媒に用いるのに適切な非炭素触媒担体を開発するのは難しいこ とが判明した。たとえば、Meyerの米国特許第3,584,039号の第5欄第 10−14行に示されているように、テレフタル酸の熱水溶液は天然および合成 アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、けいそう土、焼成クレー、ジルコニウム 担体ならびに、他の金属酸化物および金属塩含有担体のような担体物質を溶解す る。 N.Bankmann,R.Brand,B.H.EnglerおよびJ.Ohmerの「Forming of High Sur-fa ce Area TiO2 to Catalyst Supports」Catalysis Today, 第14巻,第225− 242頁(1992年)に、触媒担体として、表面積の大きい二酸化チタンの使 用に関する広範な考察が載っている。該論文(以前、1991年秋のAmeri-can Chemical Societyの会議においてR.Brandがほとんど同じ形式で述べた内容) は適切な触媒担体であるためには、二酸化チタンの表面積が大きくなければなら ぬことを示し、表面積が50ないし100平方メートル/グラムの二酸化チタン のみを考察している。該論文は、必要な大きな表面積を有する二酸化チタン製造 用押出法ならびに該押出法に用いられる原料、添加剤およびプロセスパラメータ が、得られる二酸化チタンの触媒としての重要な特性に及ぼす影響を検討してい る。開示されているように、押出法は(1)原料の混合および混練、(2)押出 、(3)乾燥ならびに(4)か焼の諸工程を含み、各工程が生成担体の品質 に影響を及ぼす。水、可塑剤および結合剤の濃度ならびに混合および混練工程で 用いられる二酸化チタン原料の種類と、得られる触媒担体の圧潰強さ、耐摩砕性 、細孔径および細孔容積との相関、ならびにか焼温度と、得られる触媒担体の表 面積、細孔容積、平均細孔径および細孔径分布ならびにアナターゼ結晶相からル チル結晶相への転化度との相関が論文で検討されている。より詳細には、選択水 素化のための二酸化チタンに担持されたパラジウム、白金またはロジウム成分を 含む触媒の使用が検討されている。第240−241頁には、パラ置換ベンズア ルデヒドを水素化して対応するパラ置換ベンジルアルコールまたはパラ置換トル エンとするような触媒の使用が開示されている。第241頁の表はパラ置換基が カルボン酸基、メチル基またはハロゲンでありうることを示している。該論文は 、触媒が二酸化チタン担体に担持されたパラジウムを含んだか、白金を含んだか 、またはロジウムを含んだかによって、パラ置換ベンズアルデヒドの水素化の結 果が大幅に異なることを開示しでいる。該論文は、二酸化チタンが適切な触媒担 体となるためには、大きな表面積をもたなければならないことを示し、表面積が 50ないし100平方メートル/グラムの二酸化チタンのみを検討している。さ らに、該論文は、採用する反応温度によって、パラ置換ベンズアルデヒドの還元 が、いくつかの生成物のいずれかを高選択的かつ高収率でもたらすことを開示し ている。該論文は、採用した触媒、反応温度および水素圧以外には、水素化を行 った条件を開示していない。 Schroederらの米国特許第4,743,577号には、p−キシレンの酸化に よって得られるテレフタル酸の前記精製における炭素上に微細に分散されたパラ ジウムを含む触媒の使用は、破砕強さおよび耐摩耗性が比較的小さいために、炭 素粒子の摩耗によって生じる微粒子が、得られる精製テレフタル酸を汚染させる 結果をもたらすことが開示されている。この特許は、微粒子汚染が少ないのは、 金属チタン、ジルコニウム、タングステン、クロム、ニッケルおよびこれら金属 の1種以上を含む合金の多孔質焼結担体上にパラジウム、ニッケル、ロジウム、 白金、銅、ルテニウムおよびコバルトの薄層を含む触媒の代りに用いた結果であ ることを開示している。チタン、インコネルおよびニッケルのパラジウムを被覆 した担体の表面積はそれぞれ0.22、0.55および1.21平方メートル/グ ラム と開示されており、該表面積は活性炭に担持されたパラジウム触媒の比表面積よ りも極めて非常に小さい。 1992年6月18日出願のSikkengaらの係属米国特許出願第07/900, 593号はo−、m−、もしくはp−キシレンまたは2,6−ジメチルナフタレ ンのようなアルキル置換芳香族化合物の液相接触酸化による芳香族カルボン酸の 調製法を開示している。該出願はさらに、第11頁第23−31行に、生成した 芳香族カルボン酸は、アルミナ、チタニアまたは炭素のような担体に1種以上の 第VIII族金属を付着させて成る触媒の存在下での、水素化によって精製できるこ とを開示している。この出願はチタニアについては別に言及していない。 1992年6月18日に出願されたHolzhanerらの係属米国特許出願第07/ 900,637号は第27頁第1−12行に、アルミナ、シリカ−アルミナ、シ リカ、チタニア、クレーおよびジルコニアに担持された1種以上の白金、パラジ ウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウムおよびイリジウムを含有する水素化触 媒の存在下で、2,6−ナフタレンジカルボン酸を水素で処理することによる精 製法を開示している。該出願はチタニアについては別に言及していない。 Timmlerらの米国特許第4,831,008号は、ベンゼン、トルエン、o− キシレン、テレフタル酸、テレフタル酸二ナトリウムおよびテレフタル酸ジエチ ルの芳香環を水素化する水素化用に、二酸化チタンに担持されたロジウム含有成 分を含む触媒の使用を開示している。発明の目的 したがって、この発明の一般目的は、溶剤中で、酸化触媒を存在させ、酸素含 有ガスを用いて、o−、m−、もしくはp−キシレンまたはジアルキルナフタレ ンの液相酸化によって生成した粗フタル酸または粗ナフタレンジカルボン酸を精 製する、従来技術の方法の前記問題点を克服した改良法を提供することにある。 より詳細は、この発明の1つの目的は、精製操作中に微粒子を生ぜず、さらに すぐれた触媒活性および寿命を有する触媒を用いる前記精製の改良法を提供する ことにある。 この発明の別の目的は、かなりのエージング期間後でさえも、4−カルボキシ ベンズアルデヒドおよび4−ヒドロキシメチル安息香酸の量を大幅に低いレベル に減少させる触媒を用いる前記精製の改良法を提供することにある。 この発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明および添付クレームを読 めば明らかとなるであろう。発明の要約 前記の目的は、メタまたはパラ位に二つの酸化可能なアルキルもしくはアシル 環置換基または一つの酸化可能なアルキルおよびアシル環置換基を有するベンゼ ン、または二つの酸化可能なアルキルもしくはアシル環置換基または一つの酸化 可能なアルキルおよびアシル環置換基を有するナフタレンを昇温昇圧下で、重金 属を含む酸化触媒を存在させ、溶剤中で、酸素含有ガスによって液相酸化するこ とにより生成した粗テレフタル酸、粗イソフタル酸または粗ナフタレンジカルボ ン酸を精製するこの発明の方法によって達せられ、精製は、約100℃ないし約 350℃の温度および溶液を実質的に液相中に保つのに必要な圧力で、粗テレフ タル酸、粗イソフタル酸または粗ナフタレンジカルボン酸の約5ないし約50重 量パーセントの少なくとも部分的に水性の溶液を、水素の存在下で粒状触媒床に 通すことを含み、さらに、粒状触媒は二酸化チタン担体上に元素周期表第VIII族 の貴金属を含み、該担体は精製に用いられる前記条件下で1月未満では崩壊する ことがない。この発明は、また、この発明の方法に用いられる触媒組成物にも関 する。好ましき態様の詳細な説明 この発明の方法は、メタまたはパラ位に、二つの酸化可能なアルキルもしくは アシル環置換基または一つの酸化可能なアルキルおよびアシル環置換基を有する ベンゼン、または二つの酸化可能なアルキルもしくはアシル環置換基または二つ の酸化可能なアルキルおよびアシル環置換基を有するナフタレンの、溶剤中での 接触液相酸化によって調製された粗テレフタル酸、粗イソフタル酸または粗ナフ タレンジカルボン酸の精製に用いるのに適している。適切なアルキル基は1ない し6個の炭素原子を含有し、また適切なアシル基も1ないし6個の炭素原子を含 有している。適切なナフタレン系芳香族原料化合物の例には、1,2−ジメチル ナフタレン、2,6−ジアルギルナフタレンまたは2−アシル−6−アルキルナ フタレン、2,6−ジメチル−、2,6−ジエチル−もしくは2,6−ジイソプ ロピル−、2−アセチル−6−メチル−および2−メチル−6−エチルナフタレ ンがある。精製する粗酸はp−キシレンの酸化により生成したテレフタル酸か、 m−キシレンの酸化により生成したイソフタル酸か、または2,6−ジアルキル ナフタレン(2,6−ジメチルナフタレンが好ましい)の酸化により生成した2, 6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、p−キシレンの酸化によって生成した テレフタル酸がさらに好ましい。いうまでもなく、精製する前に、粗酸、たとえ ば2,6−ナフタレンジカルボン酸を、予めエステル化しておいて、エステル、 たとえばジメチルナフタレンジカルボキシレートを生成させ、次に加水分解して 酸を生成させ、さらにこの発明の方法によって酸を精製することができることは 理解されよう。 この発明の方法によって精製する粗酸を生成させる方法中、酸化工程に用いる のに適当な溶媒には、水ならびに酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n −吉草酸、トリメチル酢酸およびカプロン酸ならびにこれらの混合物のような脂 肪族C2−C6モノカルボン酸がある。酸化反応器に導入するときの溶剤は、酢酸 と水との混合物が好ましく、その中1ないし20重量パーセントの水を含むもの がさらに好ましい。著しく発熱する液相酸化において発生した熱は、酸化反応器 中の溶剤の蒸発によって少なくとも一部分は消散されるので、若干の溶剤は蒸気 として反応器から排出され、次に凝縮して反応器にリサイクルされる。さらに若 干の溶剤は生成物流中の液体として反応器から取り出される。生成物流から粗酸 生成物を分離した後、得られた生成物流中の母液(溶剤)の少なくとも一部分は 通常反応器にリサイクルされる。 この発明の方法によって精製する粗フタル酸または粗ナフタレンジカルボン酸 生成物をつくる前記の方法の酸化工程において用いられる分子状酸素源は、空気 から酸素ガスまで、分子酸素含量がさまざまであることができる。空気は好まし い分子酸素源である。爆発性混合物の生成を避けるためには反応器に送る酸素含 有ガスは0.5ないし8容量パーセントの酸素(無溶剤のものを基準として測定 )を含有する排ガス−蒸気混合物でなければならない。たとえば、酸化されるm −もしくはp−キシレンまたはジメチルナフタレンのメチル置換基当り1.5な いし2.8モルの量の酸素を与えるだけの酸素含有ガスの供給速度は凝縮器内の ガス− 蒸気混合物中に前記0.5ないし8容量パーセントの酸素(無溶剤を基準として 測定)をもたらす。 粗テレフタル酸もしくは粗イソフタル酸または粗ナフタレンジカルボン酸生成 物を生成させる前記酸化方法に用いた触媒は重金属成分を含み、さらに業界では 公知の助触媒または促進剤を含むことができる。一般に、適当な重金属酸化触媒 には、原子番号が約21から約82(21および82を含む)の金属が含まれる 。適当な臭化物源、炭素原子が2ないし6個の低分子量ケトン、または炭素原子 が1ないし6個の低分子量アルデヒドのような助触媒を使用することができる。 触媒は、コバルト含有成分を含むのが好ましく、コバルトおよびマンガン含有成 分を含むのがより好ましく、コバルト、マンガンおよび臭素含有成分を含むのが もっとも好ましい。液相酸化におけるp−もしくはm−キシレン、またはジアル キル、ジアシルもしくはアシルアルキルナフタレンに対する触媒のコバルト成分 中のコバルト(元素コバルトとして計算)の重量比はm−もしくはp−キシレン またはジアルキルナフタレン1グラムモル当り約0.2ないし約30ミリグラム 原子(mga)の範囲にある。液相酸化における触媒のマンガン成分中のマンガ ン(元素マンガンとして計算)対触媒のコバルト成分中のコバルト(元素コバル トとして計算)の重量比はコバルト1mga当り約0.2ないし約30mgaの 範囲にある。液相酸化における触媒の臭素成分中の臭素(元素臭素として計算) 対触媒のコバルトおよびマンガン成分中のコバルトおよびマンガンの合計(元素 コバルトおよび元素マンガンとして計算)の重量比はコバルトおよびマンガンの 合計のmga当り約0.2ないし約1.5mgaの範囲にある。 コバルトおよびマンガンの各成分は、反応器内の溶剤中に、コバルト、マンガ ンおよび臭素の反応形態が得られるどのような公知のイオンまたは化合物として も与えることができる。たとえば、溶剤が酢酸媒質であればコバルトおよび/も しくはマンガンの炭酸塩、酢酸塩四水和物ならびに/または臭素を使用すること ができる。コバルトおよびマンガンの合計1.0ミリグラム原子に対して0.2な いし1.5ミリグラム原子の臭素を、適当な臭素源によって与えられる。該臭素 源には元素臭素(Br2)もしくはイオン臭化物(たとえばHBr,NaBr, KBr,NH4Br等)または酸化の操作温度において臭化物イオンをもたらす ことがわかっている有機臭化物(たとえばブロモベンゼン類、臭化ベンジル、モ ノ−およびジブロモ酢酸、ブロモアセチルブロミド、テトラブロモエタン、二臭 化エチレン等)がある。元素臭素対コバルトおよびマンガン合計の0.2:1.0 ないし1.5:1.0というミリグラム原子比を確実に達成するために、分子臭素 およびイオン臭化物の全体的臭素を使用する。酸化操作条件で有機臭化物から放 出される臭素イオンは公知の分析手段によって容易に測定することができる。た とえばテトラブロモエタンは170゜ないし225℃の操作温度において、1グ ラムモル当り約3有効グラム原子の臭素を生成することが知られている。 操作中、酸化反応器を保持する最低圧力はm−またはp−キシレンおよび少な くとも70パーセントの溶剤を実質的に液相中に保つ圧力である。気化したため に液相にないm−もしくはp−キシレンまたはジアルキルナフタレンおよび溶剤 は蒸気−ガス混合物として酸化反応器から排出され、凝縮した後、酸化反応器に 戻される。溶剤が酢酸−水混合物の場合には、酸化反応器の適当な反応ゲージ圧 力は約0kg/cm2から約35kg/cm2の範囲にあり、概して約10kg/cm2から約 30kg/cm2の範囲にある。酸化反応器内の温度範囲は概して約120℃、好ま しくは約150℃から、概して、約240℃、好ましくは約230℃までである 。酸化反応器中の溶剤滞留時間は概して約20分から約150分、好ましくは約 30分から約120分である。 酸化はバッチ、連続または半連続方式で行うことかできる。バッチ方式では、 酸化させる前記の置換したベンゼンまたはナフタレン、溶剤および触媒成分を最 初に、反応器内にバッチ式で加え、次に反応器内容物の温度および圧力を所望の 水準まで高めて酸化反応を開始させる。空気は反応器内に絶えず導入する。酸化 反応の開始後、たとえば酸化させる前記の置換したベンゼンまたはナフタレンを すべて反応器内に完全に入れた後、反応器内容物の温度を上げる。連続方式では 酸化させる前記の置換したベンゼンまたはナフタレン、溶剤および触媒をそれぞ れ絶えず酸化反応器内に導入し、かつ得られた粗酸酸化生成物および触媒成分を 溶剤に溶解せしめて成る生成物流を反応器から取り出す。半連続方式では、溶剤 および触媒を最初に反応器に導入し、次に、酸化させる前記の置換したベンゼン またはナフタレンおよび空気を絶えず反応器に送り込む。 大規模の工業操作では、連続酸化法を用いるのが好ましい。該方法では、モノ カルボン酸溶剤対酸化させる芳香族原料の重量比は約2:1ないし約12:1が 好ましく、マンガン対コバルトのmga比は約15:1ないし約0.3:1、臭 素対コバルトおよびマンガン合計のmga比は約0.3:1ないし約0.8:1お よび元素コバルトおよび元素マンガンとして計算したコバルトおよびマンガンの 合計は溶剤の重量に対して少なくとも約0.40重量パーセントであり、かつ酸 化反応温度は約180℃ないし約250℃である。酢酸は、このような好ましい 連続酸化法にもっとも適する溶剤である。 採用した酸化反応条件、選択した芳香族原料化合物、酸化触媒および選択した 触媒量によって、酸化反応中に生じた反応混合物は、所望の芳香族カルボン酸の ほかに、多数の不純物および反応副生物を含んでいる。たとえば、テレフタル酸 の不純物には数種類がある。不純なテレフタル酸中には、パラキシレンの酸化中 間生成物である化合物4−カルボキシベンズアルデヒド(4−CBA)が認めら れる。多分ベンジル、フルオレノンおよびアントラキノン構造の同定できない発 色性前駆物質および着色物質もまた通常存在する。ニトロ化合物が、パラ−キシ レンや他の適当な出発物質の液相硝酸化によって得られるテレフタル酸中の不純 物として見出される。 2,6−ジメチルナフタレンが酸化反応の芳香族原料化合物であって、コバル ト、マンガンおよび臭素成分を含む触媒を用いる場合には、酸化反応器から直接 得られる反応混合物(全反応器流出液またはTREともいう)は、一般に酢酸お よび水の混合物である反応溶剤、所望の2,6−ナフタレンジカルボン酸ならび にトリメリト酸(TMLA)、ブロモ−2,6−ナフタレンジカルボン酸(Br −2,6−NDA)、2−ホルミル−ナフトエ酸(2−FNA)、2−ナフトエ 酸(2−NA)、他の不純物の集積ならびにコバルトおよびマンガン触媒成分を 含む不純物を含有する。酸化反応混合物から蒸発または蒸留によって酢酸および 水を除去して、固形残留物を残すことができる。これら固形物の分析は酸化反応 混合物中の固体成分のすべてについて有用な評価、したがって所望の生成物およ び反応副生物の収率の評価を与える。典型的な2,6−ジメチルナフタレンの酸 化では、酸化反応混合物の固体中のトリメリト酸の量は固形物の5重量パーセン トほどもあることがあり、概して約3〜4重量パーセントである。2−ホルミル −6−ナフトエ酸の量は1重量パーセントほどもあることがあり、一般には約0 .4〜0.5重量パーセントである。ブロモ−2,6−ナフタレンジカルボン酸の 量は3重量パーセントほどもあることがあり、概して約0.2ないし1重量パー セントである。酸化反応混合物の固体成分中のコバルトおよびマンガンの合計は 4重量パーセントほどもあることがある。所望の2,6−ナフタレンジカルボン 酸は、とくに酸化反応−混合物を酸化反応温度よりも低い温度に冷却する場合に は、概して酸化反応混合物に不溶であり、したがって酸化反応混合物から容易に 分離できるけれども、回収した2,6−ナフタレンジカルボン酸には、またコバ ルトおよびマンガン酸化金属触媒のみならず、トリメリト酸、2−ホルミル−6 −ナフトエ酸、ブロモ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、他の有機不純物およ び副生物が混在している。さらに、2,6−ナフタレンジカルボン酸を高温で酸 化反応混合物から分離するときでさえも、かつ、たとえ分離した2,6−ナフタ レンジカルボン酸を高温の新しい溶剤で洗って、残留母液を除いたとしても、回 収した2,6−ナフタレンジカルボン酸には、まだ、2,6−ナフタレンジカル ボン酸から除くことが必要な副生物によるかなりの量の前記不純物が含まれてい る。 前記液相酸化によって生成した粗酸は、通常、たとえば前記米国特許第3,5 84,039号;同第3,726,915号;および同第4,405,809号 に開示されている方法によって、含まれる不純物を減少させることにより精製す る。精製テレフタル酸、イソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸を生成させ るこの発明の方法の精製工程は固定触媒層中で、高温高圧下で行われる。精製す る粗酸を水または類似の極性溶剤に溶解して、精製すべき粗酸を約5ないし50 重量パーセント含有する溶液とする。水は好ましい溶剤であるけれども、他の適 当な極性溶剤には、2ないし6個の炭素原子を含有する比較的低分子量のアルキ ルカルボン酸、典型的には単独かまたは水を添加した酢酸がある。精製すべき酸 が、テレフタル酸またはイソフタル酸である場合には、水が好ましい溶剤である 。精製すべき酸がナフタレンジカルボン酸である場合には、比較的高い精製温度 を採用し、蒸気圧が比較的低いので、酢酸のような溶剤かまたは約10ないし約 90重量パーセントの水を含有ずる酢酸および水の混合物が好ましい溶剤である 。 この精製工程に用いるのに適する反応温度は約100℃から約250℃の範囲に ある。精製工程に用いる温度は約225℃から約300℃の範囲にあるのが好ま しい。 精製工程に採用する圧力は主として該工程で採用する温度によって決まる。実 際量の精製する粗酸を前記溶剤に溶解させることができる温度は溶剤の通常の沸 点を大幅に上回るので、溶液を液相と保つためには、操作圧力は必然的に大気圧 をかなり上回る。反応器が流液で満ちているならば、反応器の圧力は原料ポンプ 輸送速度で制御することができる。反応器にヘッドスペースがあるならば、反応 器の圧力は、ヘッドスペース内の単独かまたは水蒸気および/もしくは窒素のよ うな不活性ガスを混合した水素ガスによって維持することができる。一般に、水 素化中の反応器の圧力は約200から約1,500ポンド/平方インチゲージの 範囲にあることができ、通常は、約900から約1,200ポンド/平方インチ ゲージの範囲にある。 この発明の精製法に用いる反応器はいくつかのモードで操作することができる 。たとえば、所定の液体レベルを反応器内に維持することができかつ一定の反応 器圧力に対して、所定の液体レベルを維持するのに必要な水素を送入することが できる。実際の反応器圧力と存在する粗酸溶液の蒸気圧との差は反応器の気相空 間における水素の分圧である。あるいはまた、水素を窒素のような不活性ガスと 混合して供給する場合には、実際の反応器圧力と存在する粗酸溶液の水蒸気との 差は、水素および水素に混合される不活性ガスの分圧の合計である。この場合に 、水素の分圧は、混合物中に存在する水素および不活性ガスの既知の相対量から 計算することができる。さらに別の操作モードでは、反応器の気相空間がないよ うに、反応器を酸溶液で満たすことができる。すなわち、流量調節によって溶解 水素を反応器に送り、反応器を流液で満たした系として操作することができる。 このような場合には、反応器への水素の流量を調節することによって、溶解水素 濃度を変えることができる。必要ならば、次には、反応器への水素の流量と相関 させることができる溶解水素濃度から擬似水素分圧値を計算することができる。 プロセス制御を水素分圧の調節によって行う操作モードの場合には、反応器内 の水素分圧は、反応器の使用圧力定格、前記粗酸の汚染度、使用する特定触媒の 活性および寿命、ならびに類似の加工要件によって、約10ポンド/平方インチ ゲージから約200ポンド/平方インチゲージの範囲にある。プロセス制御を原 料溶液中の水素濃度の直接調節によって行う操作モードの場合には、原料溶液は 通常、水素については決して飽和されておらず、また反応器自体が流液で満たさ れている。このように、反応器への水素の流量調節は溶液中の水素濃度の所望の 制御をもたらす。一般に、反応条件下の精製反応器へ供給する水素の量は、いう までもなく、所望の水素化を行うのに足りるだけの量である。 この発明の精製法に用いるのに適するこの発明の触媒は、精製に用いる条件で は不溶であり、かつ少なくとも1種の担持された第VIII族の貴金属(この種類に はパラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウムおよび白金があ る)を含む。貴金属はパラジウムおよびロジウムの少なくとも1種が好ましく、 パラジウムがより好ましい。貴金属成分は担体上に、触媒すなわち金属に担体を 加えた総重量に対し、かつ元素貴金属として計算して、約0.01重量パーセン トから約2重量パーセントの範囲にある濃度水準で存在する。触媒金属の配合量 は約0.5重量パーセントが好ましい。典型的な担体上のパラジウム触媒は、触 媒の総重量に対し、かつ元素金属として計算して、約0.01ないし約2重量パ ーセントのパラジウムを含む。貴金属成分は吹付けのような便利な従来法または 初期湿り度法(incipient wetness technique)によって二酸化チタン担体上 に付着させることができる。 精製工程における触媒の重量当りの毎時の粗酸溶液の重量として示される空間 速度は約1時間-1ないし約25時間-1、好ましくは約2時間-1ないし約15時間-1 である。触媒層中の溶液の滞留時間は空間速度によって異なる。 この発明の精製法に用いる触媒の担体は、精製中に支配的になる腐食条件のも とで1月未満では崩壊しない二酸化チタン担体である。該腐食条件は、精製する 粗酸の約5ないし約50重量パーセントの少なくとも部分的に水性の溶液、好ま しくは実質的に水性の溶液および約100℃ないし約350℃の精製温度である 。担体は押出法によって、充填層に使用可能な都合の良い形状に形成する。 1つの好ましい態様では、二酸化チタン担体の少なくとも約1重量パーセント 、好ましくは少なくとも約90重量パーセント、より好ましくは100重量パー セ ントがルチル結晶相をなす。 別の好ましい態様では、約600℃、好ましくは約800℃、より好ましくは 約900℃から、約1200℃、好ましくは約1100℃、より好ましくは約1 000℃までの範囲にある温度における二酸化チタンのか焼によって二酸化チタ ンを形成させる。この態様では、か焼する二酸化チタンの好ましくは少なくとも 5重量パーセント、より好ましくは少なくとも70重量パーセント、もっとも好 ましくは実質的に100重量パーセントが当初アナターゼ結晶相をなす。さらに か焼される二酸化チタンは、元素状硫黄として計算して、好ましくは約0.05 重量パーセント、より好ましくは約0.2重量パーセント、もっとも好ましくは 約0.5重量パーセントから、好ましくは約5重量パーセント、より好ましくは 約3重量パーセントまでの量の硫黄含有成分を含む。 さらに別の好ましい態様では、二酸化チタン担体は、元素状硫黄として計算し て、500重量ppm未満、好ましくは100重量ppm未満の硫黄含有成分を 含む。 さらに好ましい態様では、二酸化チタン担体は、好ましくは約40平方メート ル/グラム未満、より好ましくは約20平方メートル/グラム未満、もっとも好 ましくは約10平方メートル/グラム未満の全比表面積を有する。 別の好ましい態様では、二酸化チタン担体の平均細孔径は少なくとも約10ナ ノメートル(nm)、好ましくは少なくとも約20nmである。 とくに好ましい態様では、二酸化チタン担体の少なくとも1重量パーセントが ルチル結晶相をなし、該担体は、元素状硫黄として計算して500重量ppm未 満の硫黄含有成分を含め、全比表面積が約40平方メートル/グラム未満であり 、少なくとも約10nmの平均細孔径を有し、かつ少なくとも50重量パーセン トがアナターゼ結晶相をなし、元素硫黄として計算して少なくとも1重量パーセ ントの硫黄含有成分を含む二酸化チタンの約600℃ないし約1200℃の温度 におけるか焼によって生成する。 水素化後、処理した酸溶液を固体触媒粒子から分離する。精製した酸は、たと えば、約150℃以下、すなわち精製酸の結晶化を生じさせるほど低いが、不純 物およびその還元物は得られた母液中に溶解されたままであるほど高い温度に冷 却して、分離液から結晶化させる。その後、溶解された不純物およびその還元物 を含有する母液を結晶化精製酸から分離し、それによって、繊維および薄膜グレ ードの精製結晶を回収する。 下記の具体的実施例から、この発明はさらに明快に理解されよう。実施例1 100パーセントがアナターゼ結晶相をなす200グラムの二酸化チタン試料 の10個をそれぞれ、400℃から1000℃の範囲にある種々のか焼温度で1 時間空気でブランケットしながら、か焼を行い、それによって少なくとも一部分 はルチル結晶相に転化した。それぞれの場合に、得られたか焼生成物の該転化後 、硫黄分、BET表面積、細孔容積、細孔半径および圧潰強さを測定した。結果 を表1に示す。これらの結果を比較して、か焼温度が上がると、ルチル結晶相へ の転化度、細孔半径および圧潰強さは増大するが、硫黄分、BET表面積、およ び細孔容積は減少することがわかる。 実施例2−12 実施例2−12におけるパラジウム含有成分は、吹付けによって二酸化チタン 担体上に付着させた。実施例2では、従来の工業用の炭素に担持させたパラジウ ム触媒とこの発明の二酸化チタンに担持させたパラジウム触媒との性状の比較を 表2に示す。二酸化チタン担体の100パーセントがルチル結晶相をなし、また 元素硫黄として計算して、28重量ppmの硫黄分を有していた。二酸化チタン 担体は、100重量パーセントがアナターゼ結晶相をなし、元素硫黄として計算 して、0.62重量の硫黄含有成分を含んでいた二酸化チタンを、空気でブラン ケットしながら少なくとも700℃で1時間か焼して調製した。次に、か焼した 固形物に前記のようにパラジウム含有成分を吹付けた。炭素に担持させたパラジ ウム含有触媒は商業的に得た。 表2における結果の比較から、炭素担持触媒は、すべての表面積および細孔容 積が、二酸化チタン担持触媒よりも大幅に大きいけれども、炭素担持触媒では、 半径が最小40nmの細孔の表面積はほとんどなく、しかし二酸化チタン担持触 媒では、ほとんどすべてが半径が最小40nmの細孔の表面積であることがわか る。同様に、酸化チタン担持触媒の細孔容積は炭素担持触媒の細孔容積よりも小 さいけれども、二酸化チタン担持触媒の平均細孔半径は炭素担持触媒の平均細孔 半径よりも大幅に大きい。このように、二酸化チタン担持触媒上のパラジウムの 部位は、一酸化炭素の吸着によって求めたパラジウム表面積の比較からわかるよ うに、炭素担持触媒上のパラジウムの部位廓も容易に利用できる。さらに、二酸 化チタン担持触媒は炭素担持触媒よりも圧潰強さおよび耐摩耗性が大きい。チタ ニアは炭素のかさ密度よりも大幅に大きいかさ密度を有しているので、この2つ の触媒の等容量使用に基づいて行った比較は、実際の工業操作における性能特性 の相対的特徴をさらに細かく示すにすぎないことを認識することが重要である。 実施例3−10のそれぞれにおいては、高温高圧の同一条件下で、コバルト、 マンガンおよび臭素含有酸化触媒を用い、酢酸溶液中で、酸素を用いるp−キシ レンの液相酸化によって調製した同一粗テレフタル酸試料を精製した。いずれの 場合においても、粗テレフタル酸290グラムを、1ガロンのチタン製オートク レーブで276℃に加熱し、毎分300回転で攪拌して、1160グラムの水に 溶解した。271℃の反応温度において、オートクレーブに水素を導入して50 ポンド/平方インチの絶対の圧力とし、次に供試触媒10ミリリットルを、水が 自由に流通できる20メッシュのチタンワイヤスクリーンバスケットに入れて気 相から液相に下げ、精製反応を開始させて、攪拌速度を毎分1000回転を高め た。精製反応の開始後種々の時間に液体試料を取り出して下記不純物について分 析した:4−カルボキシベンズアルデヒド(4−CBA)、4−ヒドロキシメチ ル安息香酸(4−HMBA)、p−トルイル酸(PTOL)、および安息香酸 (BA)。結果を表3および4に示す。 実施例3−6において、この触媒に用いた二酸化チタン担体は実施例2で用い たと同じものであり、二酸化チタンに担持させたパラジウム触媒も実施例2の説 明で述べたように調製し、調製したままの新しい触媒として実施例3で使用した か、またはチタンバスケット中で水素を存在させ、テレフタル酸を20−30重 量含有した水溶液を混合し275〜280℃に加熱してエージングさせた後実施 例4−6で使用した。実施例7−10においては、従来の工業用炭素担持パラジ ウム触媒を、新しい触媒として実施例7で使用したか、または実施例4−6につ いてさきに述べたようにエージングさせた後に実施例8−10で使用した。実施 例4,5,8および9で用いた触媒はオートクレーブ内で種々の時間エージング させたもので、実施例6および10で用いた触媒はテレフタル酸を精製するため の工業用反応器でエージングさせた。 表3および4の結果を比較すると、操作2時間後に、二酸化チタン担持触媒は 、4−CBAおよび4−HMBAを転化させる点で炭素担持触媒と実質的に同様 に機能したことがわかる。別の結果から、操作6時間後に、60日間エージング させたこの発明の二酸化チタン担持触媒は、これも60日間エージングさせたパ ラジウム含有炭素担持触媒よりも4−CBAおよび4−HMBAの濃度を大幅に 低いレベルに低下させたことがわかる。 実施例11および12は、それぞれ微粒子の生成を測定するために、この発明 の精製法のシミュレーションをした実験室的流動実験である。それぞれ実施例1 1では二酸化チタン担体または実施例12では炭素担体の200立方センチメー トルの固定層を洗って、初めに存在していた微粒子を除き、次に室温、大気圧下 で水の下向流を当てた。触媒1リットル当り最初に80リットル、次に160リ ットルの水を流した後、触媒粒子層を流下した水の試料を取って微粒子含量につ いて分析した。微粒子は1.1から30ミクロンの粒径範囲にある粒子として測 定した。炭素層は最大30ミクロンの大きさの微粒子を生じた。対照的に、二酸 化チタン層は粒径が10ミクロン以上の微粒子は生成せず粒径が10ミクロン未 満の微粒子は炭素層よりもはるかに少なかった。 当業者にとっては、さきの説明から単にある種の態様や種々の変更は明らかで あるけれども、これらの代替案は等価であり、この発明の精神および範囲内にあ ると考えられることは前述の説明から明らかである。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年4月28日 【補正内容】 請求の範囲の差しかえ 請求の範囲 1.メタまたはパラ位に、二つの酸化可能なアルキルもしくはアシル環置換基 または一つの酸化可能なアルキルおよびアシル環置換基を有するベンゼン、また は二つの酸化可能なアルキルもしくはアシル環置換基または一つの酸化可能なア ルキルおよびアシル環置換基を有するナフタレンを、昇温昇圧下で、重金属成分 を含む酸化触媒を存在させ、溶剤中で酸素含有ガスによって液相酸化させること によって生成した粗テレフタル酸、粗イソフタル酸または粗ナフタレンジカルボ ン酸の精製法であって、該精製が、100℃ないし350℃の温度および溶液を 実質的に液相中に保つのに必要な圧力で、粗テレフタル酸もしくは粗イソフタル 酸または粗ナフタレンジカルボン酸の5ないし50重量パーセントの少なくとも 部分的に水性の溶液を、水素の存在下で、粒状触媒床に通し、さらに粒状触媒が 、二酸化チタン担体に担持された元素周期表第VIII族の貴金属を含み、二酸化チ タン担体の少なくとも1パーセントがルチル結晶相をなし、かつ担体が40m2 /g未満の全比表面積を有することを特徴とする方法。 2.チタン担体の少なくとも90重量パーセントがルチル結晶相をなすことを 特徴とする請求項1の方法。 3.600℃から1200℃の範囲にある温度における二酸化チタンのか焼に よって二酸化チタン担体を形成させることを特徴とする請求項1または2の方法 。 4.800℃から1100℃の範囲にある温度でか焼を行うことを特徴とする 請求項3の方法。 5.900℃から1000℃の範囲にある温度でか焼を行うことを特徴とする 請求項4の方法。 6.二酸化チタン担体が、元素状硫黄として計算して、500重量ppm未満 の硫黄含有成分を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つの項の 方法。 7.担体が少なくとも10nmの平均細孔径を有することを特徴とする請求項 1ないし6のいずれか1つの項の方法。 8.少なくとも5重量パーセントがアナターゼ結晶相をなす二酸化チタンのか 焼によって二酸化チタン担体を形成させることを特徴とする請求項1ないし7の いずれか1つの項の方法。 9.元素状硫黄として計算して、0.05ないし5重量パーセントの硫黄含有 成分を含む二酸化チタンのか焼によって二酸化チタン担体を形成させることを特 徴とする請求項1ないし8のいずれか1つの項の方法。 10.精製する粗酸が、p−キシレンを酸化して作ったテレフタル酸、m−キ シレンを酸化して作ったイソフタル酸、または2,6−ジアルキルナフタレンを 酸化して作った2,6−ナフタレンジカルボン酸であることを特徴とする請求項 1ないし9のいずれか1つの項の方法。 11.精製する粗酸がテレフタル酸であることを特徴とする請求項10の方法 。 12.第VIII族の貴金属がパラジウムまたはロジウムであることを特徴とする 請求項1ないし11のいずれか1つの項の方法。 13.担体が20m2/g未満の全比表面積を有することを特徴とする前記請 求項中いずれか1つの項の方法。 14.粗テレフタル酸、粗イソフタル酸または粗ナフタレンジカルボン酸精製 用触媒組成物であって、該触媒が二酸化チタン担体に担持された元素周期表第VI II族の貴金属を含み、さらに該担体の少なくとも1パーセントがルチル結晶相を なし、かつ該担体が40m2/g未満の全比表面積を有することを特徴とする触 媒組成物。 15.600℃から約1200℃の範囲にある温度における二酸化チタンのか 焼によって担体を形成させることを特徴とする請求項14の触媒組成物。 16.少なくとも5重量パーセントがアナターゼ結晶相をなす二酸化チタンの か焼によって二酸化チタン担体を形成させることを特徴とする請求項15の触媒 組成物。 17.元素状硫黄として計算して、0.05ないし5重量パーセントの硫黄含 有成分を含む二酸化チタンのか焼によって二酸化チタン担体を形成させることを 特徴とする請求項15または16の触媒組成物。 18.二酸化チタン担体が、元素状硫黄として計算して500重量ppm未満 の硫黄含有成分を含むことを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1つの 項の触媒組成物。 19.担体が20m2/g未満の全比表面積を有することを特徴とする請求項 14ないし18のいずれか1つの項の触媒。 20.600℃から1200℃の温度における二酸化チタンのか焼を行なうこ とを特徴とする請求項14の触媒の製造法。 21.元素状硫黄として計算して、0.05ないし5重量パーセントの硫黄含 有成分を含む二酸化チタンのか焼を行なうことを特徴とする請求項20の方法。 22.少なくとも5重量パーセントがアナターゼ結晶相をなす二酸化チタンの か焼によって触媒を形成させることを特徴とする請求項20または21の方法。 【手続補正書】 【提出日】1995年12月27日 【補正内容】 I.請求の範囲を以下の通り補正する。 『1.メタまたはパラ位に、二つの酸化可能なアルキルもしくはアシル環置換基 または一つの酸化可能なアルキルおよびアシル環置換基を有するベンゼン、また は二つの酸化可能なアルキルもしくはアシル環置換基または一つの酸化可能なア ルキルおよびアシル環置換基を有するナフタレンを、昇温昇圧下で、重金属成分 を含む酸化触媒を存在させ、溶剤中で酸素含有ガスによって液相酸化させること によって生成した粗テレフタル酸、粗イソフタル酸または粗ナフタレンジカルボ ン酸の精製法であって、該精製が、100℃ないし350℃の温度および溶液を 実質的に液相中に保つのに必要な圧力で、粗テレフタル酸もしくは粗イソフタル 酸または粗ナフタレンジカルボン酸の5ないし50重量パーセントの少なくとも 部分的に水性の溶液を、水素の存在下で、粒状触媒床に通すことを特徴とし、さ らに粒状触媒が、二酸化チタン担体に担持された元素周期表第VIII族の貴金属を 含み、二酸化チタン担体の少なくとも1パーセントがルチル結晶相をなし、かつ 担体が40m2/g未満の全比表面積を有することを特徴とする方法。 2.粗テレフタル酸、粗イソフタル酸または粗ナフタレンジカルボン酸精製用 触媒組成物であって、該触媒が二酸化チタン担体に担持された元素周期表第VIII 族の貴金属を含み、さらに該担体の少なくとも1パーセントがルチル結晶相をな し、かつ該担体が40m2/g未満の全比表面積を有することを特徴とする触媒 組成物。 3.600℃から1200℃の温度における二酸化チタンのか焼を行うことを 特徴とする請求項2の触媒の製造法。』 II.明細書を以下の通り補正する。 (1)明細書21頁13行の「前述の説明から明らかである。」の後に新段落 にて以下の文を挿入する。 『本発明の各種実施態様は以下の通りである。 1.メタまたはパラ位に、二つの酸化可能なアルキルもしくはアシル環置換基 または一つの酸化可能なアルキルおよびアシル環置換基を有するベンゼン、また は二つの酸化可能なアルキルもしくはアシル環置換基または一つの酸化可能なア ルキルおよびアシル環置換基を有するナフタレンを、昇温昇圧下で、重金属成分 を含む酸化触媒を存在させ、溶剤中で酸素含有ガスによって液相酸化させること によって生成した粗テレフタル酸、粗イソフタル酸または粗ナフタレンジカルボ ン酸の精製法であって、該精製が、100℃ないし350℃の温度および溶液を 実質的に液相中に保つのに必要な圧力で、粗テレフタル酸もしくは粗イソフタル 酸または粗ナフタレンジカルボン酸の5ないし50重量パーセントの少なくとも 部分的に水性の溶液を、水素の存在下で、粒状触媒床に通すことを特徴とし、さ らに粒状触媒が、二酸化チタン担体に担持された元素周期表第VIII族の貴金属を 含み、二酸化チタン担体の少なくとも1パーセントがルチル結晶相をなし、かつ 担体が40m2/g未満の全比表面積を有することを特徴とする方法。 2.チタン担体の少なくとも90重量パーセントがルチル結晶相をなすことを 特徴とする上記第1項の方法。 3.600℃から1200℃の範囲にある温度における二酸化チタンのか焼に よって二酸化チタン担体を形成させることを特徴とする上記第1項または第2項 の方法。 4.800℃から1100℃の範囲にある温度でか焼を行うことを特徴とする 上記第3項の方法。 5.900℃から1000℃の範囲にある温度でか焼を行うことを特徴とする 上記第4項の方法。 6.二酸化チタン担体が、元素状硫黄として計算して、500重量ppm未満 の硫黄含有成分を含むことを特徴とする上記第1項ないし第5項のいずれか1つ の項の方法。 7.担体が少なくとも10nmの平均細孔径を有することを特徴とする上記第 1項ないし第6項のいずれか1つの項の方法。 8.少なくとも5重量パーセントがアナターゼ結晶相をなす二酸化チタンのか 焼によって二酸化チタン担体を形成させることを特徴とする上記第1項ないし第 7項のいずれか1つの項の方法。 9.元素状硫黄として計算して、0.05ないし5重量パーセントの硫黄含有 成分を含む二酸化チタンのか焼によって二酸化チタン担体を形成させることを特 徴とする上記第1項ないし第8項のいずれか1つの項の方法。 10.精製する粗酸が、p−キシレンを酸化して作ったテレフタル酸、m−キシ レンを酸化して作ったイソフタル酸、または2,6−ジアルキルナフタレンを酸 化して作った2,6−ナフタレンジカルボン酸であることを特徴とする上記第1 項ないし第9項のいずれか1つの項の方法。 11.精製する粗酸がテレフタル酸であることを特徴とする上記第10項の方法 ° 12.第VIII族の貴金属がパラジウムまたはロジウムであることを特徴とする上 記第1項ないし第11項のいずれか1つの項の方法。 13.担体が20m2/g未満の全比表面積を有することを特徴とする上記第1 項ないし第12項のいずれか1つの項の方法。 14.粗テレフタル酸、粗イソフタル酸または粗ナフタレンジカルボン酸精製用 触媒組成物であって、該触媒が二酸化チタン担体に担持された元素周期表第VIII 族の貴金属を含み、さらに該担体の少なくとも1パーセントがルチル結晶相をな し、かつ該担体が40m2/g未満の全比表面積を有することを特徴とする触媒 組成物。 15.600℃から約1200℃の範囲にある温度における二酸化チタンのか焼 によって担体を形成させることを特徴とする上記第14項の触媒組成物。 16.少なくとも5重量パーセントがアナターゼ結晶相をなす二酸化チタンのか 焼によって二酸化チタン担体を形成させることを特徴とする上記第15項の触媒 組成物。 17.元素状硫黄として計算して、0.05ないし5重量パーセントの硫黄含有 成分を含む二酸化チタンのか焼によって二酸化チタン担体を形成させることを特 徴とする上記第15項または第16項の触媒組成物。 18.二酸化チタン担体が、元素状硫黄として計算して500重量ppm未満の 硫黄含有成分を含むことを特徴とする上記第14項ないし第17項のいずれか1 つの項の触媒組成物。 19.担体が20m2/g未満の全比表面積を有することを特徴とする上記第1 4項ないし第18項のいずれか1つの項の触媒。 20.600℃から1200℃の温度における二酸化チタンのか焼を行うことを 特徴とする上記第14項の触媒の製造法。 21.元素状硫黄として計算して、0.05ないし5重量パーセントの硫黄含有 成分を含む二酸化チタンのか焼を行うことを特徴とする上記第20項の方法。 22.少なくとも5重量パーセントがアナターゼ結晶相をなす二酸化チタンのか 焼によって触媒を形成させることを特徴とする上記第20項または第21項の方 法。』

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.メタまたはパラ位に、二つの酸化可能なアルキルもしくはアシル環置換基 または一つの酸化可能なアルキルおよびアシル環置換基を有するベンゼン、また は二つの酸化可能なアルキルもしくはアシル環置換基または一つのアルキルおよ びアシル環置換基を有するナフタレンを、昇温昇圧下において、重金属成分を含 む酸化触媒を存在させ、溶剤中で酸素含有ガスによって液相酸化させることによ って生成した粗テレフタル酸、粗イソフタル酸または粗ナフタレンジカルボン酸 の精製法であって、該精製が、粗テレフタル酸もしくは粗イソフタル酸または粗 ナフタレンジカルボン酸の約5ないし約50重量パーセントの少なくとも部分的 に水性の溶液を、約100℃ないし約350℃の温度および溶液を実質的に液相 中に保つのに必要な圧力で、水素を存在させて、粒状触媒床に通し、さらに該粒 状触媒が、精製に用いられる前記条件下で1月未満では崩壊を生じない二酸化チ タン担体に担持された元素周期表第VIII族の貴金属を含むことを特徴とする方法 。 2.二酸化チタン担体の少なくとも1重量パーセントがルチル結晶相をなすこ とを特徴とする請求項1の方法。 3.二酸化チタン担体の少なくとも約90重量パーセントがルチル結晶相をな すことを特徴とする請求項2の方法。 4.約600℃から約1200℃の範囲にある温度における二酸化チタンのか 焼によって二酸化チタン担体を形成させることを特徴とする請求項1の方法。 5.約800℃から約1100℃の範囲にある温度でか焼を行うことを特徴と する請求項4の方法。 6.約900℃から約1000℃の範囲にある温度でか焼を行うことを特徴と する請求項5の方法。 7.二酸化チタン担体が、元素状硫黄として計算して、500重量ppm未満 の硫黄含有成分を含むことを特徴とする請求項1の方法。 8.担体が約40平方メートル/グラム未満の全比表面積を有することを特徴 とする請求項1の方法。 9.担体が少なくとも約10nmの平均細孔径を有することを特徴とする請求 項1の方法。 10.少なくとも5重量パーセントがアナターゼ結晶相をなす二酸化チタンの か焼によって二酸化チタン担体を形成させることを特徴とする請求項1の方法。 11.元素状硫黄として計算して、約0.05ないし約5重量パーセントの硫 黄含有成分を含む二酸化チタンのか焼によって二酸化チタン担体を形成させるこ とを特徴とする請求項1の方法。 12.精製する粗酸が、p−キシレンの酸化によって生成したテレフタル酸、 m−キシレンの酸化によって生成したイソフタル酸、または2,6−ジアルキル ナフタレンの酸化によって生成した2,6−ナフタレンジカルボン酸であること を特徴とする請求項1の方法。 13.精製する粗酸がテレフタル酸であることを特徴とする請求項12の方法 。 14.第VIII族の貴金属がパラジウムまたはロジウムであることを特徴とする 請求項1の方法。 15.約600℃から約1200℃の範囲にある温度における二酸化チタンの か焼によって形成した二酸化チタン担体に担持させた元素周期表第VIII族の貴金 属を含む触媒組成物。 16.少なくとも5重量パーセントがアナターゼ結晶相をなす二酸化チタンの か焼によって二酸化チタン担体を形成させることを特徴とする請求項15の触媒 組成物。 17.元素状硫黄として計算して、約0.05ないし約5重量パーセントの硫 黄含有成分を含む二酸化チタンのか焼によって二酸化チタン担体を形成させるこ とを特徴とする請求項15の触媒組成物。 18.二酸化チタン担体の少なくとも1重量パーセントがルチル結晶相をなす ことを特徴とする請求項15の触媒組成物。 19.二酸化チタン担体が、元素状硫黄として計算して500重量ppm未満 の硫黄含有成分を含むことを特徴とする請求項15の触媒組成物。 20.担体が約40平方メートル/グラム未満の全比表面積を有することを特 徴とする請求項15の触媒組成物。
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