【発明の詳細な説明】
硬化性複合材料
発明の属する技術分野
本発明は、硬化性複合材料に関する。
連続的な繊維で強化された熱硬化性樹脂複合材料は多くの用途に使用されてお
り、比強度が特に重要な宇宙産業で特に使用されている。これらの用途において
は、複合材料から製造される部品はかなりの熱サイクルを受ける場合がある。例
えば、飛行中においてエンジン部品が経験する周囲温度と比較的高温の連続使用
温度(CUT)の間の熱サイクルにその部材が暴露されるジェットエンジン部品
の製造に複合材料は使用されてきた。概して130〜150℃のCUTを有する
炭素繊維/エポキシ樹脂複合材料はエンジン中の比較的低いCUT状況下におか
れる部材として使用されている。
そして、より高いCUT状況下用のこのような複合材料を開発するための努力
が現在までのところなされている。熱硬化性ポリイミド樹脂は、CUTに重大な
改良をもたらした。NASAは大気圧において316℃以下のCUTを有するこ
のような熱硬化性ポリイミド樹脂を開発した。この樹脂はPMR−15という名
称のものとして市販入手可能である。PMR−15樹脂の開発によって、非常に
高いCUTを有する樹脂を得た。PMR−15及びその開発は、例えば、T.T.
Serafini,Proceedings of 5th International Conference on Composite Mater
ials,1007-1023,Metal Soc.1985,AIME,D.Wilson,British Polymer Jouna
l,20(5),405-416,1988 and D.A.Scola and J.H.Vontell,Chemtech,1
12-121,February 1989に記載されている。
しかしながら、ジェットエンジンのような用途においてPMR複
合材料はいくつかの問題を示す。例えば、一つの問題は熱サイクルに起因するマ
イクロクラックの発生に対してこれらが弱い抵抗性を有することであり、このこ
とは例えば、M.Simpson,P.M.Jacobs and F.R.Jones,Composites,22(2
),89-98,99-104 and 105-112,1991に記載されており、また、F.Jones and
Z.XiangによりThird European Conference on Composite Materials,March 19
89において発表された”Aspects of the Thermal Degradation of PMR-15 Based
Composites”およびD.Wilson,J.K.Wells,J.N.Hay,D.Lind,G.A.Owe
ns and F.Johnson,SAMPE Journal,35-42,May/June 1987に記載されている。
前記マイクロクラックは、硬化温度(一般にPMR樹脂の場合には300〜3
30℃)からの冷却によって複合材料中に発生する熱歪によって生じる。この熱
歪は、繊維とマトリックス樹脂との熱膨張係数の違いのために一方向性ラミネー
ト内に生じる。アングル層ラミネート(angle ply laminates)の場合には、熱
膨張に関するこの影響は様々な層の異方性により拡大される。従って、例えば(
0,90)ラミネート、すなわち織物が連続的な繊維で強化された複合材料のか
なりの割合を構成する場合には、熱歪およびこれによるマイクロクラックの発生
する可能性は最大になる。例えば、ジェットエンジン部品におけるように、複合
材料が経験する連続的な熱サイクルによって、熱歪が部品に繰り返し加わり、こ
の結果、部品中のマイクロクラックが進展する。熱硬化性樹脂に特徴的な脆性に
よって、マイクロクラックは、いくら良い場合であっても部品の機械的特性を弱
くし、また、最悪の場合には、部品の劇的な崩壊をもたらす。
このような複合材料中のマイクロクラックの問題を解決するための様々な提案
がなされてきた。例えば、Wilson et al.(SAMPE
Journa1,35-42,May/June 1987)によると、PMR−15/(0,90)炭素
繊維複合布用の硬化温度の効果が調べられてきた。前記複合布は、−196〜2
80℃の熱サイクルを20サイクル加えられた。その結果、280〜290℃で
硬化させた複合材料においては、その機械的特性に著しい影響を与えることなし
に実質的にマイクロクラックが減少した。しかしながら、複合材料の熱硬化安定
度(TOS)は、複合材料に加わる通常のCUTをかなり下回る300℃のみに
おいて試験したにもかかわらず僅かに低下した。さらに、前記複合材料のガラス
転移温度Tgは、より高い温度で硬化させた複合材料に比べて非常に低下した。
熱可塑性樹脂を用いてPMR−15樹脂マトリックスを混合強化するにとも提
案されており、例えば、R.H.Pater and C.D.Morgan,SAMPE Journal 24(5
),25-32,1988に記載されているこのような強化された複合材料は、−156
〜288℃の温度範囲で1500サイクルの熱サイクルを加えた後において優れ
た、すなわち、低度の横断マイクロクラツク(transverse microcrack)(TV
M)密度/インチを示した。しかしながら、このようなマトリックスは、化学的
に、また、基本的にPMR−15と異なることから、宇宙空間での用途に使用す
るための材料として再び認定試験を要するであろう。さらに、このような複合体
の加工の容易さ、すなわち多量の熱可塑性ポリマーの存在による残留溶剤を除去
することは問題を含む場合がある。上記のWilsonによる記載(British Polymer
Journal,20(5),405-416,1988)は、複合材料の特性に影響を及ぼす繊維サ
イズ剤の効果を論じている。前記記載は、明らかに熱硬化性サイズ剤であるポリ
イミドサイズ剤がエポキシサイズ剤と同様な効果を有することを示している。
英国特許出願公開第2086444号も複合材料中にサイジング
してよい繊維を引用している。これは、拡げられた繊維に熱硬化性又は熱可塑性
の樹脂マトリックスを溶融含浸させるために繊維の一方向性のトウの効果的な拡
がりを達成することに関する。この中で、このような繊維のトウは、一般に、凝
集性の束としてまとめられたトウ中の繊維を固定する傾向のある繊維上のサイズ
剤と共に提供され、効果的な繊維の拡がりを達成するためにはサイズ剤を除去す
る必要があることが教示されている。この結果、繊維からサイズ剤を溶解する溶
剤槽にトウを通過させることにより繊維からサイズ剤を除去し、次に、この繊維
を拡げ、そして溶剤を除去するために乾燥させる。この処理の次に、拡げられた
繊維は熱硬化性又は熱可塑性樹脂を用いて溶融含浸に施される。任意に、各々の
拡げられたトウ中の繊維をひとまとめに束ねるのに十分な量のサイズ剤を繊維に
再び塗布することにより、繊維を拡げられた状態に固定することができることが
提案されている。繊維に溶剤を含浸させること又は溶剤/サイズ剤槽に繊維を浸
漬させること又は拡げられた繊維にサイズ剤を吹付けることのいずれかによって
繊維にサイズ剤が再度塗布される。エポキシサイズ剤がこの方法に使用可能であ
ることが例示されているが、使用可能なサイズ剤は非常に多種存在し、熱硬化性
及び熱可塑性樹脂の両方が本方法に使用可能である。
熱的に誘発されるマイクロクラックの問題は、エポキシ樹脂(130〜150
℃のCUT)、シアネート及びシアネートエステル樹脂(約180℃のCUT)
、ビスマレイミド樹脂(約215℃のCUT)、及びフェノール樹脂(約150
℃のCUT)のような他の熱硬化性樹脂マトリックス複合材料においても起こる
であろうことは理解されるであろう。しかしながら、このような樹脂はCUTが
低いために、前記問題は高CUT樹脂複合材料におけるように深刻ではない。
他の問題は複合材料のTOSである。多くの複合材料はそのCUTにおいて優
れたTOSを示すが、多少の材料の崩壊が起こりうる。従って、高性能材料に対
する要求が非常に増大してきているために、好ましくはTOSはそのまま保たれ
るか、さらに改良されねばならない。上記のように、マイクロクラックのような
他の問題の解決によってTOSに悪影響を及ぼす可能性がある。
複合材料の機械的特性を維持又は好ましくは強化しつつこのような問題を解決
する必要がある。
従って、連続的な繊維で強化された熱硬化性樹脂の複合材料を改良するために
は、材料の他の特性を維持しつつ又は他の特性に重大な影響を少なくとも及ぼさ
ずに一種類以上の材料の特性を改良するためのバランスが要求される。
発明の開示
本発明の目的は、機械的特性のような複合材料の他の特性に重大な影響を与え
ずに、又はより好ましくは他の特性に改良を与えつつ、改良されたTOS及び/
又は熱的に誘発されるマイクロクラック特性を有する連続的な繊維で強化された
熱硬化性樹脂複合材料を提供することである。
本発明の目的は、熱硬化性樹脂マトリックス及び前記マトリックスを含浸した
連続的な繊維強化材を含む硬化性複合材料を提供することによって与えられ、前
記強化材の繊維は芳香族熱可塑性樹脂、好ましくはアモルファスの芳香族熱可塑
性樹脂によってサイジングされている。
前記繊維は、ガラス繊維、炭素繊維又は有機ポリマー繊維のような適切な繊維
であればいずれでもよく、好ましくは前記繊維は炭素繊維であり、特にグラファ
イト繊維である。前記強化材は一方向性
に処理された繊維を含んでよく、又は代わりに織布を含んでよい。
前記熱硬化性樹脂マトリックスは適切な熱硬化性樹脂から選ばれる。例えば、
有用な熱硬化性樹脂は、アクリル樹脂、ビニル樹脂、及び不飽和ポリエステルの
ような付加重合樹脂;尿素、メラミン、又はフェノールとホルムアルデヒドの重
縮合樹脂;シアネート樹脂;シクロブテン樹脂;シアネートエステル樹脂;官能
化ポリエステル、官能化ポリアミド又は官能化ポリイミド;エポキシ樹脂;及び
これらの二種類以上の混合物である。
特に、熱硬化性樹脂マトリックスは、エポキシ、シアネート、シアネートエス
テル、ビスマレイミド、フェノール−ホルムアルデヒド及びポリイミドからなる
群より選ばれる。
エポキシ樹脂の場合には、硬化剤又は触媒も用いて樹脂前駆体を少なくとも部
分的に硬化させた生成物が適切である。エポキシ樹脂前駆体の例は一般に、芳香
族ジアミン、芳香族単第一級アミン、アミノフェノール、多価フェノール、多価
アルコール、ポリカルボン酸の一種以上のモノ又はポリグリシジル誘導体である
。
このような化合物の例は、周囲温度において液体であり、以下:
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、例えば、Ciba-Geigy社から市販
されている50℃においてその粘度が10〜20パスカル・秒の「MY 720」又は
「MY 721」;(MY 721は、その粘度がMY 720よりも小さく、より高い温度での用
途に意図されている);
p−アミノフェノールのトリグリシジル誘導体(例えば、Ciba-Geigy社から市
販されている25℃におけるその粘度が0.55〜0.85パスカル・秒の「MY
0510」;
2,2−ビス(4,4’−ジヒドロキシフェノール)プロパンのジグリシジル
エーテル(例えば、Shell社から市販されている「
Epikote 828」)、好ましくは25℃において8〜20パスカル・秒の粘度を有
するもの;
エポキシ・ノボラック(例えば、Dow社から市販されている「DEN 431」)、本
発明に係る組成物を製造するのに好ましい低粘度クラスの種類のもの;
ビスフェノールF、低粘度クラスのもの;
3’,4’−エポキシシクロヘキシル−3−4−エポキシシクロヘキサンカル
ボキシレート(例えば、Ciba-Geigy社から市販されているCY 179)のような環式
脂肪族及びUnion Carbide Corporationから入手可能な「Bakelite」類を含む他
のエポキシ樹脂前駆体;のようなものである。
エポキシ樹脂前駆体用の硬化剤は、好ましくはアミノ基当たり500以下の分
子量を有するアミノ化合物であり、例えば、芳香族アミン又はグアニジン誘導体
である。特定の例は、3,3’−及び4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、
メチレンジアニリン、並びにジシアンジアミドである。前記硬化剤のアミンの合
計量は、エポキシ樹脂前駆体に対して必要とされる化学量論的量の70〜110
%の範囲である。所望であれば、脂肪族ジアミン、アミド、カルボン酸無水物、
カルボン酸、及びフェノールのような他の標準的なエポキシ硬化剤を使用するこ
とが可能である。
触媒を使用する場合には、触媒は一般にルイス酸であり、例えばフッ化ホウ素
であり、ピペリジン又はメチルエチルアミンのようなアミンとの誘導体が都合よ
い。代わりに、例えばイミダゾール又はアミンのような塩基を使用することもで
きる。
熱硬化性樹脂前駆体の少なくとも一成分に低粘度(100以下、例えば25℃
において0.3〜50パスカル・秒)のエポキシ樹脂前駆体を選ぶと都合よいこ
とが見いだされた。高粘度(25℃にお
いて100パスカル・秒以上)のエポキシ樹脂前駆体が存在していてもよい。粘
度を低く又は比較的低く保つことによって、連続的な繊維のプレプレグ時におい
て好ましい流動性を確かにすること並びにプレプレグにタック性及びドレープ性
を与えることが容易になる。
シアネート及びシアネートエステルの場合には、ヨーロッパ特許出願公開第0
412827A号中に開示されているタイプの重合性シアネートエステルの使用
が好ましく、そして下記の群からなる化合物の一種類以上又はオリゴマー成分か
ら選ばれる:
i)一般式、
NCOArZArOCN
(ここで、上式中Arは二価の芳香族基であり、そしてzは−O−、−S−、−
SO−、−SO2−、及び−CR1R2−からなるクラスより選ばれる基であり、
但しR1及びR2は全部で12個以下の炭素原子を含む炭化水素基であって任意に
環状構造を形成するように結合されている。)
で表される化合物;及び
ii)一般式、
(ここで、上式中mは3以下であり且つ分数であることも可能である。)で表さ
れる化合物。
シアネートエステル樹脂を硬化させるための触媒には、例えば銅、
亜鉛、コバルトのような金属の化合物が含まれる。
BMIの場合には、下式Iの化合物が適切である。
但し上式中R3、R4、R5及びR6は独立に−H−、−CH3−、又はハロゲン
原子、好ましくはClであり;及び
YはR7又はAr1である;
但しR7はC1〜C12の直鎖又は枝分かれ鎖のアルキレン基であり、例えば、−
CH2C(CH3)2CH2CH(CH3)CH2CH2−であり;及びAr1はアルキ
ル置換体であり、例えば、メチル、1,3−もしくは1,4−フェニレン又はP
h(X−Ph)mlである;
但しPhはフェニレンであり;mlは0〜3の整数であり;及びXは独立に−
O−、−S−、−CO−、−SO2−、−CH,−、−C(CH3)2−、又は−
C(CF3)2−であるか;又は式IのBMI化合物と下式II、
H2N−Ph(X−Ph)mlNH2 II
(ここで、上式中ml及びXは前記と同様に定義される。)
で表されるジアミン又はアミノ酸ヒドラジドとのマイケル付加反応(Michael ad
dition reaction)によるオリゴマー又は重合反応生成物であってよい。
市販入手可能なマイケル付加生成物の例は、
Kerimide 601(Rhone Poulenc社から入手可能)
Compimide 796(Technochemie社から入手可能)
である。
上記BMI化合物の混合物を使用してもよい。
式Iで表される好ましいBMI化合物は、YがAr1であり、Ar1がPh(X
−Ph)ml、ml>0、及びXが−SO2−である。好ましい化合物は、3,3
’−ビスマレイミドジフェニルスルフォン及び4,4’−ビスマレイミドジフェ
ニルスルフォンである。ヨーロッパ特許出願公開第0391549A号中に開示
されているように、反応性希釈剤をBMI化合物と共に使用してよく、このよう
な反応性希釈剤はアリル基、イソプロペニル基、ビニル基、アクリル基、シアネ
ート基及び/又はエポキシド基を含む化合物である。同じくヨーロッパ特許出願
公開第0391549A号中には、BMI化合物の早期ゲル化を防止し、ヒドロ
キノン、ベンゾキノン、2,6−ジ第3ブチルフェノール、メトキシヒドロキノ
ン及び他のフェノールからえらばれる阻止剤の使用が開示されており;また、例
えば、tert−ブチル過安息香酸及びジクミルペルオキシドのような過酸化物
のラジカル開始型の触媒又は例えばジアゾビシクロオクタンのようなイオン性の
型の触媒のような適切な架橋剤が開示されている。
このような反応性希釈剤、阻止剤及び触媒並びにこれらの使用時の態様の特定
の例は、ヨーロッパ特許出願公開第0391549A号中に参照される。
フェノールーホルムアルデヒド(P−F)樹脂の場合には、フェノールとホル
ムアルデヒドの適切な反応生成物である。前記フェノールは、例えばフェノール
それ自体、レゾルシノール、ヒドロキノン、カテコール、クレゾール及びアルキ
リデンビスフェノールのよ
うなアルキル化フェノール、ナフトール、並びにヒドロキシビフェニルであって
よい。芳香族アミン、尿素、メラミン及びグアナミンのような他のホルムアルデ
ヒド反応性物質が存在してよい。
しかしながら、ホルムアルデヒド反応性物質は少なくとも80モル%単環式一価
フェノールであることが好ましい。
公知のP−F樹脂技術によると、P−F樹脂は「レゾール」、「レジトール」
、又は「ノボラック」反応生成物として存在してよい。それぞれ反応生成物のA
段階及びB段階の型である「レゾール」及び「レジトール」は、ホルムアルデヒ
ドとフェノールをアルカリ触媒の存在下で反応させることにより形成される。酸
触媒を使用する場合には、A段階は容易に区別できず、そしてB段階生成物は「
ノボラック」反応生成物である。
ポリイミドの場合には縮合重合及び付加重合前駆体を用いてよい。しかしなが
ら、特にPMR型樹脂には付加重合前駆体が用いられることが好ましい。特に、
前駆体は以下、
a)一般式、
(ここで、上式中R8は四価のアリール基、R9はアルキル基または水素であり、
少なくとも二個のR9はアルキル基である。)
で表される化合物;
b) H2N−R10−NH2
(ここで、上式中R10は二価のアリール基である。);及び
c)一般式、
(ここで、上式中R9は上記a)において定義したのと同一であるが、少なくと
も一個のR9はアルキル基であり、そしてR11は下式、
(ここで、上式中R12は水素又は低級アルキルである)
で表される二価の基である);
但し上記a:b:cのモル比はn:(n−1):2に等しく、前記nは1〜2
0、より詳細には1〜5、特に1.5〜3の範囲の値である;及び
任意にc)の少なくとも幾分かが、d)ビニル又はエチニル官能性を有するモ
ノ芳香族アミン、と置き換えられる;
の混合物である。
一般に、前段落のa)にて定義される化合物はa)中の式に対応する酸二無水
物から容易に誘導される。例えば、a)にて定義される化合物は、ピロメリト酸
二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2
,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフル
オロイソプロピリデン)ビス(無水フタル酸)、2,2−ビス[4−(4−アミ
ノ−フェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,2,5,6−ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、及びビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフォン酸二無水物から製造される。一
般に、前段落のb)にて定義されるジアミンは、4,4’−ジアミノビフェニル
、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−チオジアニリン、4,4’−オキ
シジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、m−フェニレンジア
ミン、及びp−フェニレンジアミンから選択してよい。同様に、、前段落のa)
にて定義される化合物及びc)にて定義される化合物は、モノ又はジエステルの
どちらの場合でも、対応する酸無水物から容易に製造されるだろう。例えば、c
)にて定義される化合物は、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、5−ノル
ボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、及びメチル−5−ノルボルネン−2,
3−ジカルボン酸無水物から製造される。化合物d)は、3−アミノスチレン、
4−アミノスチレン、3−エチニルアニリン又は4−エチニルアニリンであって
よい。
a)b)c)及びd)の特に有用な組み合わせは以下の通りである:
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸のジメチ
ルエステル(BTDE)/4,4’−メチレンジアニリン(MDA)/5−ノル
ボルネン−2,3−ジカルボン酸のメチルエステル(NE)、
4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(フタル酸無水物)のジ
メチルエステル/p−フェニレンジアミン/5−ノルボルネン−2,3−ジカル
ボン酸のジメチルエステル、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸のジメチルエステル/
4,4’−メチレンジアニリン/5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸のメ
チルエステルの組み合わせにおいて50モル%以下の5−ノルボルネン−2,3
−ジカルボン酸のメチルエステルが4−アミノスチレンで置き換えられたもの(
反応混合物の加工性を改良するために少量のN−フェニルナドイミドが加えられ
る)、
である。
発癌性である可能性を有するメチレンジアニリンの使用を防止する他の有用な
PMR型の樹脂は、以下の前駆体混合物を含む:
a)少なくとも一種類の芳香族テトラカルボン酸、その酸二無水物又はアルキ
ルジエステル;
b)p−フェニレンジアミン及びm−フェニレンジアミンからなる群より選ば
れるジアミンであって、p−フェニレンジアミンとm−フェニレンジアミンのモ
ル比が0:100〜95:5の範囲になるように選ばれるジアミン;
c)一般式、
(ここで、上式中R13はアルキル又は水素であって、少なくとも一つのR13はア
ルキルであり、そしてR14は下式、
(ここで、上式中R15は水素又は低級アルキルである。)
で表される二価の基である。);及び任意に、
d)粘度調製剤;
但し上記a:b:cのモル比はn:(n+1):2に等しく、前記nは1〜2
0、より詳細には1〜10、特に1.5〜6.5の範囲の値であり、任意にc)
の少なくとも幾分かが、
e)ビニル又はエチニル官能性を有するモノ芳香族アミン、酸、エステル、又
は酸無水物からなる群より選ばれる成分;
と置き換えられるが、前記成分e)及びアミンが存在する場合には、成分e)と
反応するのに十分な成分a)を与えるようにa:bのモル比が調整される。
好ましくは、MDAを含まない前駆体組成物の成分a)は、少な
くとも一種類の芳香族テトラカルボン酸、その酸二無水物、又は3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロ
ピリデン)ビス(フタル酸)及び2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボ
ン酸からなる群より選ばれるアルキルジエステル、これらの酸二無水物又はアル
キルジエステル、好ましくはメチルジエステル;並びに特に、テトラカルボン酸
に対応するジアルキルエステルである。
好ましくは、MDAを含まない前駆体組成物の成分c)は、5−ノルボルネン
−2,3−ジカルボン酸のモノアルキルエステル、好ましくはメチルエステルで
ある。
好ましいMDAを含まない前駆体組成物の一つは:
a)3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸及び4,4’−(
ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(フタル酸)からなる群より選ばれる芳
香族テトラカルボン酸のC1〜C4アルキルジエステル、好ましくはメチルジエス
テルの少なくとも一種類、並びに任意に低濃度の2,2’,3,3’−ジフェニ
ルテトラカルボン酸;
b)p−フェニレンジアミン及びm−フェニレンジアミンからなる群より選ば
れるジアミンであって、p−フェニレンジアミンとm−フェニレンジアミンのモ
ル比が0:100〜95:5、好ましくは5:95〜60:40、より好ましく
は10:90〜55:45の範囲、特に実質的には20:80になるように選ば
れるジアミン;及び、
c)5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸のモノアルキルエステル、好ま
しくはメチルエステル;及び任意に、
d)粘度調整剤;
但し上記a:b:cのモル比はn:(n+1):2に等しく、前
記nは1〜20、より詳細には1〜10、特に1.5〜6.5の範囲の値である
、任意にc)の少なくとも幾分かが、
e)ビニル又はエチニル官能性を有するモノ芳香族アミン;
と置き換えられるが、前記成分e)が存在する場合には、成分e)と反応するの
に十分な成分a)を与えるようにa:bのモル比が調整される、
を含む。
他の好ましいMDAを含まない前駆体組成物は、
a)少なくとも10モル%濃度の4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデ
ン)ビス(フタル酸)のC1〜C4アルキルジエステル、好ましくはメチルジエス
テル、並びに任意に、少なくとも一種類の3,3’,4,4’−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸及び2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸からな
る群より選ばれる芳香族テトラカルボン酸のC1〜C4アルキルジエステル、好ま
しくはメチルジエステル;
b)そのモル比が95:5〜70:30、好ましくは90:10〜75:25
、より好ましくは85:15〜75:25の範囲、特に実質的には20:80に
なるように選ばれるp−フェニレンジアミンとm−フェニレンジアミンの混合物
;
c)5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸のモノアルキルエステル、好ま
しくはメチルエステル;及び任意に、
d)粘度調整剤;
但し上記a:b:cのモル比はn:(n+1):2に等しく、前記nは1〜2
0、より詳細には1〜10、特に1.5〜6.5の範囲の値である、任意にc)
の少なくとも幾分かが、
e)ビニル又はエチニル官能性を有するモノ芳香族アミン;
と置き換えられるが、前記成分e)が存在する場合には、成分e)
と反応するのに十分な成分a)を与えるようにa:bのモル比が調整される、
を含む。
好ましくは、MDAを含まない前駆体組成物の成分d)は、モノ、未置換又は
ハロゲン置換アミン、及び式 H2N−Ph−(X−Ph)a−NH2(ここで、
Phは1,3−フェニレン又は1,4−フェニレンであり、Xは直接結合、−C
O−、−SO−、−SO2−、−O−、−CR6であり、前記R6は−H、−CH3
又は−CF3であり、そしてaは0〜5、好ましくは0〜2、特に0又は1の整
数である。)で表される未置換ジアミンからそれぞれ誘導されるモノ又はビスナ
ドイミドからなる群より選ばれる。
より詳細には、MDAを含まない前駆体組成物の成分d)は下式、
(ここで、上式中R16はビス(フェニル)メタン及び1,3−フェニレンからな
る群より選ばれ、R17はフェニル及び4−フルオロフェニルからなる群より選ば
れる。)
で表される化合物の少なくとも一種類である。好ましくは、成分a)、b)及び
c)の重量を基準にして10重量%以下、好ましくは5重量%以下、特に実質的
には2重量%以下の量の成分d)が硬化性組成物中に存在する。好ましくは、成
分a)、b)及びc)の重量を基準にして少なくとも1重量%の量の成分d)が
硬化性組成物中に存在する。
好ましくは、MDAを含まない前駆体組成物の成分e)は、3−アミノスチレ
ン、4−アミノスチレン、3−エチニルアニリン、4−エチニルアニリン、及び
3−又は4−アリル置換又はエチニル置換フタル酸モノアルキル、好ましくはメ
チル、エステル又は無水物からなる群より選ばれる。より好ましくは、成分e)
は4−アミノスチレンである。
好ましいPMR型の硬化性組成物は1200〜6000、より好ましくは12
00〜3500の分子量を有する。
本発明の好ましい態様において、前記強化材の繊維は炭素繊維であり、そして
熱硬化性樹脂マトリックスは、特に上記において定義したような付加重合ポリイ
ミド前駆体を含む。
前記強化材の繊維上のアモルファスの芳香族熱可塑性樹脂サイズ剤は、繊維を
有意に収束することなしに実質的に均一に繊維を被覆している。このような均一
な被覆を達成するために、熱可塑性樹脂は、1500〜30000、より詳細に
は3000〜20000、そして特に3000〜15000の範囲の数平均分子
量(Mn)を有するものから選ばれる。この結果、適切な低濃度、すなわち0.
25%w/v以下の濃度の熱可塑性樹脂の溶液をサイジング作業に使用すること
が可能となる。この値よりも高い濃度又は高分子量の樹脂に由来する粘性のより
高い溶液を用いた場合には、トウの含浸及びトウ中の個々の繊維のぬれとは対照
的に、被覆される繊維トウは熱可塑性樹脂で被覆される傾向を有する事が見いだ
された。さらに、トウ中に大量の溶剤が残留しないように、サイジングされた繊
維を溶剤の沸点以上の温度で乾燥する必要がある。サイジング作業において使用
される熱可塑性樹脂の溶液にどのような適切な溶剤を用いてよいが、N−メチル
ピロリドン(NMP)のような強溶剤が好ましい。代わりになるべきものとして
ジクロロメタン/メタノール溶剤系を使用することができる。
例えば、繊維上の熱可塑性樹脂の量は繊維の重量を基準として6.0重量%以下
、好ましくは1重量%を越える。
最終的な複合材料のCUTが熱可塑性樹脂によって重大な悪影響を受けないよ
うに、熱可塑性樹脂は硬化後の熱硬化性樹脂マトリックスのCUTと一致するT
gを有するように選ばれる。従って、熱可塑性樹脂は少なくとも80℃、より好
ましくは少なくとも100℃、さらに好ましくは150℃のTgを有するものが
好ましい。好ましいポリイミド複合材料において、熱可塑性樹脂は少なくとも2
00℃、より好ましくは少なくとも240℃のTgを有するものが特に好ましい
。
熱可塑性樹脂は、複合材料の硬化時において熱硬化性樹脂マトリックスと架橋
するような反応性官能価を有するものが好ましい。熱可塑性樹脂は、式−R−Z
(ここで、式中Rは二価の炭化水素基、好ましくは芳香族基を表し、Zは熱硬化
性樹脂マトリックスもしくは硬化剤又は他のポリマー分子内の同様の基と反応性
の基を表す。)で表される末端基及び/又は側基を有するものが好ましい。例え
ば、熱硬化性樹脂がエポキシ、シアネート、又はシアネートエステルである場合
には、Zはヒドロキシ、アミン、シアネート、シアネートエステル、エポキシ、
ビニル又はエチニルであり、熱硬化性樹脂がBMI、フェノール−ホルムアルデ
ヒド又はポリイミドである場合には、Zはナドイミド、マレイミド、アミン、酸
無水物、ビニル又はエチニルである。
好ましい熱可塑性樹脂はポリスルホン、イミド化ポリスルホン及びポリイソイ
ミドである。
前記ポリスルホンは、好ましくはエーテル基及び/又はチオエーテル基に結合
された反復単位
(PhSO2Ph)n1
及び、任意に、
(Ph)a
(ここで、上式中Phはフェニレン、特に1,4−フェニレンであり、a及びn
1は独立に1〜2の範囲の値であって、その平均値(すなわち、様々なn1又は
aの値を有する単位を含む与えられたポリマー鎖についての平均値)は分数であ
ってよく、但しn1又はaが1を越える場合には、(Ph)a中のフェニレンは
単化学結合により結合されているか又は−SO2−を除く二価の基、例えば−C
O−により結合されている。)
を含むものが好ましい。n1の値は各々のポリマー鎖内において直接相互に連続
する少なくとも2つの(PhSO2Ph)n1単位の平均値であるような値である
ことが好ましい。好ましくはn1は約1.5である。
前記ポリスルホンは、低濃度の、例えば25モル%以下の他の繰り返し単位を
含んでよい。
好ましくは、前記ポリスルホンはナドイミド、マレイミドアミン、酸無水物、
ビニル又はエチニル、特にアミンからなる群より選ばれる末端基を有する。
前記イミド化ポリスルホンは好ましくは下式、
(ここで、上式中R19は下式、
で示される群より選ばれる芳香族基を示すが、但し上式Aは、直接結合、−O−
、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CH2−、−C(CH3)2−、又
は−C(CF3)2−であり;又
Ar2は下式、
からなる群より好ましくは選ばれる芳香族スルホン含有基であり、ここで上式中
Ar3はアミノフェノール残基であるが、例えば、
を表す。)
で表される。
好ましいイミド化ポリスルホンは下式、
で表される。
好ましくは、前記イミド化ポリスルホンは、ナドイミド、マレイミド、アミン
、酸無水物、ビニル、又はエチニル、特にアミンからなる群より選ばれる末端基
を有する。
前記ポリイソイミドは好ましくは下式、
(ここで、上式中R20は好ましくは下式、
で表される群より選ばれる芳香族基であるが、上式中Alは、直接結合、−O−
、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CH2−、−C(CH3)2−、又
は−C(CF3)2−であり;又Ar4は芳香族基であるが、例えば、
を表す。)
で表される。
好ましいポリイソイミドは下式、
で表される。
好ましくは、前記ポリイソイミドは、ナドイミド、マレイミド、アミン、酸無
水物、ビニル、又はエチニル、特にエチニルからなる群より選ばれる末端基を有
する。
本発明は、上記のようにアモルファスの芳香族熱可塑性樹脂でサイジングされ
た繊維も含む。任意に、熱可塑性樹脂に加えてエポキシ相溶性サイズ剤のような
常用のサイズ剤でサイジングしてよい。
本発明に係る複合材料は、一般にその平均繊維長が20mm以下、例えば6m
mの短繊維又は細断繊維のような他の充填材;反応性の
基を有する液状のゴムのような強化材;ガラスビーズ、ゴム粒子及びゴムで被覆
されたガラスビーズのような骨材;ポリテトラフルオロエチレン、グラファイト
、窒化硼素、マイカ、タルクおよびひる石、顔料、核剤、並びにリン酸のような
安定剤を含んでもよい。このような材料及び繊維強化材の合計量は、複合材料が
少なくとも20体積%の強化繊維及びポリマー組成物の充填材を含むようになる
べきである。繊維及びこのような他の材料の百分率は硬化後の組成物の合計量を
基準として計算される。
本発明に係る複合材料は、例えば熱硬化性樹脂マトリックスの硬化温度以上の
温度で圧縮成形又は熱ローラーにより熱及び圧力を加えることによって、未硬化
の複合材料の層を重ね合わせることも含む。
強化材の繊維が一方向性である場合において、結果としてえられる多層のラミ
ネートは、繊維が互いに本質的に平行に配向している異方的であるか、又はほと
んどの準等方的なラミネートにおけるように層に対して都合よくは45°の角度
、あるいは例えば30°又は60°又は90°又はこれらの中間の角度に繊維が
配向しているような準等方的であってよい。
異方的と準等方的の中間の配向、及びこれらの組み合わせの配向のラミネートを
用いてよい。好適なラミネートは、少なくとも4個、好ましくは8個の層を含む
。層の数はラミネートの用途、例えば必要とされる強度に依存し、32個以上、
例えば数百個の層を含むラミネートが望ましいであろう。上記記載のように、こ
れらは層間領域内で凝結されていてよい。
強化材の繊維が織布の形態である場合には、その構造は準等方的であるか又は
異方的と準等方的の中間であるだろう。
本発明はアモルファスの芳香族熱可塑性樹脂で繊維をサイジング
する方法も含み、この方法は、数平均分子量が1500〜30000、より詳細
には3000〜20000、特に3000〜15000の範囲の前記熱可塑性樹
脂の0.25%w/v以下の濃度の溶液で前記繊維を濡らすために、前記繊維を
前記熱可塑性樹脂の溶液中に通過させること、及び前記溶液を構成する溶剤の沸
点よりも高い温度でこの濡れた繊維を乾燥することを含む。
さらに、本発明に係る複合材料を製造する方法を含み、この方法は、数平均分
子量が1500〜30000、より詳細には3000〜20000、特に300
0〜15000の範囲の前記熱可塑性樹脂の0.25%w/v以下の濃度の溶液
で前記繊維を濡らすために、前記繊維を前記熱可塑性樹脂の溶液中に通過させる
こと、前記溶液を構成する溶剤の沸点よりも高い温度でこの濡れた繊維を乾燥す
ること、及びこの結果としてサイジングされた繊維に熱硬化性樹脂を含浸させる
ことを含む。
任意に、前記熱可塑性樹脂に加えて常用のサイズ剤、例えばエポキシ相溶性サ
イズ剤で前記繊維をサイジングしてよい。この場合には、通常にサイジングした
繊維に熱硬化性樹脂を含浸する前に熱可塑性樹脂でサイジングする。
図面の簡単な説明
本発明は以下の例及び添付図により例示されるであろう:
図1は、例1以降に記載される本発明に係る熱可塑性樹脂で繊維をサイジング
するための装置の略図である;
図2は、例1に記載のサイズ剤Cでサイジングした例1の表1中に示したNo
.4の繊維の顕微鏡写真である;
図3〜11は、表1中の1〜9の各々の繊維に関する表2〜5のデータのグラ
フをそれぞれ表す;
図12(a)、(b)及び(c)は、例3に係るラミネートを製造するのに用
いたイミド化、硬化及び後硬化サイクルのグラフである;
図13及び14は、例3のラミネート試料のTVM密度/インチ及び離層度%
の棒グラフである;
図15及び16は、例3で明らかになった選ばれた試料のTOS結果のグラフ
である;
図17及び18は、例3で明らかになったラミネート試料の顕微鏡写真である
;
図19(a)及び(b)は、例5に係るラミネートを製造するのに用いたイミ
ド化、硬化及び後硬化サイクルのグラフである;
図20及び21は、例5で明らかになった試料のTOS結果のグラフである;
図22は、例5のラミネート試料のTVM密度/インチの棒グラフである;
図23は、例5の製造したままのラミネート試料のTFS(MPa)データの
棒グラフである;及び
図24及び25は、それぞれ例5のラミネート試料の製造したままの時と35
0℃及び371℃においてエージング後のTFS(MPa)データのグラフであ
る。
実施例
例1
初期TOSを調べるための表1に示される炭素繊維の種類をサイジングするた
めに以下の3種類のサイズ剤、
アミン末端基を有し、Tg=260℃及びMn=12900であ
る下式、
で表されるサイズ剤A;
アミン末端基を有し、Tg=240℃及びMn=11000である下式、
で表されるサイズ剤B;
エチニル末端基を有し、Tg=160℃及びMn=10000である下式、
で表されるサイズ剤C;
を使用した。
表1に示した装置を用いて、約1.61m/分のライン速さで各々の繊維型の
単一のトウ(12K)10をスプール12から引張り、サイジングポリマーのN
MP溶液槽14の中に通過させた。溶液の濃度はA及びCに関しては0.125
%w/vであり、Bに関しては0.0625%w/vであった。次に、トウを乾
燥トンネル16の中に通過させ、210℃±5℃の温度において繊維を乾燥し、
溶剤を除去し、そしてテークオフスプール18で巻き上げた。目視によりトウに
はもし存在していたとしても非常に少量の溶剤が存在しているであろうことが推
測された。図2に示されるように、これらの条件においては、優れた質のサイジ
ングを個々の繊維に与える。繊維表面の被覆が僅かにしわになっている様子から
分かるように、個々の繊維の表面には実質的に均一な被覆が存在しており、トウ
の周囲の熱可塑性樹脂の析出又は個々の繊維が一つに粘着する証拠は存在しなか
った。繊維の外観が高光輝であったことは、このような繊維に塗布される市販の
エポキシサイズ剤よりも優れているであろう熱可塑性樹脂によって繊維が良く濡
れていることを示すものである。さらに、繊維トウの取扱特性は、エポキシサイ
ズ剤を施したものと同等であり、選択した繊維のその後の含浸において、繊維の
破損率はエポキシサイズ剤を施したものよりも減少した。
例2
1mの長さのトウを取り出し、この1mの長さのトウをそれ自体に重なるよう
にコイル状に巻き、コイル状にしたものをアルミニウム製コップの中に置き、こ
れを孔をあけたアルミニウム箔で覆い、そして空気循環炉中の350℃における
等温エージング中の減量を定期的に測定することにより例1のサイジング後の繊
維トウのTOSを評価した。等温エジングを約500時間以上行った。この結果
を表2〜5に作表したが、表2は熱可塑性樹脂サイズ剤が施されていない繊維に
関するものであり、表3〜5は本発明に係る熱可塑
性樹脂サイズ剤A、B及びCをそれぞれ施したものである。
この結果も表1の繊維のタイプによって図3〜11中のグラフによって示され
る。表2のデータは正方形、表3のデータは三角形、表4のデータは円、そして
表5のデータは星形を用いてプロットした。図3〜11に示されるように、サイ
ズ剤Aは熱可塑性樹脂サイズ剤が施されていない繊維に対して改良を一貫して与
え、サイズ剤Bもサイズ剤Aほど優れてはいないが改良を一貫して与え、そして
サイズ剤Cは、試験の終了時に幾つかの繊維に対して幾らかの改良を与え、試験
の初期には全ての繊維に対して改良があることを示した。
この結果は、TOS性能が繊維のタイプに影響されることも示している。表2
〜5の500時間経過した時の結果を用いることにより、繊維の性能を評価した
結果を表6に示す。
例3
サイジングされていない及びサイジングされた繊維のTOS性能並びに利用可
能性及び費用を考慮することによって、マトリックス樹脂の含浸及びその後のラ
ミネートに適する4種類の繊維のタイプを選択した。これらは表1の繊維1、3
、5、及び9である。エポキシサイズ剤を有しない繊維1及び9も用いた。製造
したプレプレグ試料を表7に要約した。
試料A2及びD2はPMR複合材料に広範囲に使用されているPMR−15/
繊維複合体を表す。
プレプレグを形成するための通常の方法を用いて、選択した繊維にPMR−1
5樹脂[分子量1500に対応する比BTDE:MDA:NE=2.087:3
.087:2](ICI Composites Inc,Temp,USAから入手可能なFiberite 966D
)を含浸した。各々のプレプレグを145g/m2の繊維面重量及び40重量%
の樹脂含有
量になるよう二次加工した。
次に、横断マイクロクラック試験及び横方向の曲げ強さ(TFS)試験を行う
ために、プレプレグを[0,90]4s及び[0]16の150mm×100mmの
ラミネートにレイアップした。
適用したイミド化、硬化及び後硬化のサイクルはそれぞれ図12(a)、(b
)及び(c)に示したのと同様である。硬化サイクルに要した6.895MPa
の団結圧力は、ラミネートが圧縮成形により製造されるためにのみ必要とされる
。マトリックスとして標準のPMR−15を用いる場合には、このような試料の
1.397MPaの団結圧力における常用のオートクレーブ硬化が可能である。
全てのラミネートを超音波Cスキャンを用いて調べた結果、気孔率は非常に小さ
いことが分かった。試料A2、C1及びD3は、約8のTVM密度/インチを有
し、その他の試料にはマイクロクラックが存在しないことが分かった。
そのへりが繊維方向に平行な[0,90]4sの25mm×25mmのラミネー
トの試料を−196〜350℃の温度範囲の熱サイクル(20サイクル)に暴露
した。試料を45°の角度に沿って切断し、この切断面を走査型電子顕微鏡を用
いて調べる前に研磨することによりTVM密度/インチを調べた。マイクロクラ
ックに加えて時々検知された離層を全ラミネート内部域長の百分率として定量し
た。TVM密度/インチ及び離層の結果を図13及び14にそれぞれ示す。
製造したままの試料及び調製後の試料、すなわち空気循環炉内において350
℃の温度で150、310及び387時間加熱した試料の両方の高モジュラス複
合材料のために改良された三点曲げ試験
法(three line bending test method)を用いて[0]16のラミネートのTFS
をASTMのD−790により試験した。この結果を表8に示す。
選択した試料のTOSは、A2、A3、B1、C2及びD3については350
℃で500時間行い、A2及びB1については316℃で2500時間以上行う
ことにより例2記載の方法により決定した。TOSの結果を図15及び16にそ
れぞれ示すが、ここで図15においてA2は円、A3は三角形、B1は星形、C
2は棒及びD3は正方形を用いてそれぞれのデータをプロットし、図16におい
てA2は正方形及びB1は三角形を用いてそれぞれのデータをプロットした。
例3のデータに示されるように、サイズ剤Aが施された試料B1は一貫して優
れた結果を示した。このTVM密度/インチは比較的
小さく離層は存在しなかったが、このことは熱サイクルに暴露されたB1の顕微
鏡写真である図17と熱サイクルに暴露されたA2の顕微鏡写真である図18を
比較から分かる。ここで上記のようにA2は主に商業的に使用されているPMR
−15/繊維複合材料であり、このTFSは上記のように商業的に使用されてい
るPMR−15/繊維複合材料の一種であるD2と少なくとも同等であり、そし
てこのTFSは調製後の試料においてかなりの程度保持され、さらに、500時
間及び2500時間以上行ったときのTOSデータは共にA2に対して非常に改
良が与えられたことを示している。
サイジングされていない繊維にサイズ剤Bが施された試料C2は、比較的劣っ
たTVM密度/インチ、離層度及びTOS結果を与えたが、非常に優れたTOS
結果を与えた。
サイジングされていない繊維にサイズ剤Cが施された試料D3も比較的劣った
TVM密度/インチ、離層度及びTOS結果を与えたが、優れたTOS結果を与
えた。サイジングされた繊維にサイズ剤Cが施された試料A3は一貫して優れた
結果を与えた、すなわち、比較的小さなTVM密度/インチ及び離層度、A2に
比べて改良されたTOS並びに非常に優れたTFS及びTFS保持結果を与えた
。
幾つかの試料について、短梁剪断強さ(short beam shear strength;SBS
S)、離層強さ(interlaminar toughness)(層の間の)、及び離層強さ(inte
rlaminar toughness)(層に対して90°の繊維間の)を決定した。これらの試
料及びその結果を表9に示す。
前記SBSSは1mm/分のクロスヘッド速度でASTMのD2344−84
に従って決定した。試験片を三点曲げ掴み具に取り付け有意な荷重降下(load d
rop)を調べた。最大荷重及び破砕のタイプを記録し、そして見かけの離層強さ
を計算した。
幅20mm及び長さ125mmの二重片持ばり試験片を用いて離層強さを調べ
た。成形した試験片の層中央部(mid-plies)に15μm以下の厚さの亀裂発生
箔(crack initiating foil)を設置し、亀裂が発生する試験片の端から少なく
とも50mmのところまこれをで拡げた。1mm/分のクロスヘッド速度でIn
stron 6025試験機を用いて試験片の試験を行った。
分裂した離層強さの試験片から切り出した試料を用いて離層強さを決定したが
、この試験片の幅は試験片の厚さの少なくとも2倍であった。1μm以下のノッ
チ先端半径を与えるために、機械加工によって試験片にノッチを施し、新しい剃
刀の刃で軽く叩くことによりノッチを鋭角にした。この試験片を1mm/分のク
ロスヘッド速度で再び試験した。
例4
NMP中に様々な濃度の熱可塑性樹脂を用いること並びに繊維トウをNMPの
沸点よりも高い温度及び低い温度で乾燥することによ
って熱可塑性樹脂で繊維をサイジングするためのパラメータを決定した。これら
の実験から繊維の効果的なサイジング、溶液の濃度が0.25%w/v以下であ
るべきこと及びNMPの沸点以上の温度においてトウを乾燥すべきことが示され
た。これらの範囲以外の条件を用いる場合には、個々の繊維が均一にサイジング
されるよりもむしろその外部周囲が選択的に熱可塑性樹脂で被覆された繊維トウ
を与える結果になった。
例5
熱可塑性ポリマーでのサイジング及びマトリックス樹脂の含浸並びにその後の
ラミネートためにサイジングされておらず、その直径が6.8μの繊維T650
−35を選択した。調製したプレプレグ試料を表10に要約する。
0.125%w/vの濃度の溶液を用いて例1に記載のように繊維トウをサイ
ジングした。例1に記載のサイジングされた繊維について観察されたように、熱
可塑的にサイジングされた繊維の加工性はサイジングされていないものに比べ非
常に改良された。さらに、その後の含浸の間に熱可塑的にサイジングされた繊維
はサイジングされていない繊維よりも非常に容易に濡れるようであった。
次に、145g/m2の面密度及び40重量%の樹脂含有量を達成するために
、2重量%のN−フェニルナドイミドと1500の分子量を与えるために2.7
88:3.788:2のモル比の3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸のジメチルエステル、p−フェニレンジアミン/m−フェニレンジアミ
ン(20:80)及び5−ノルボルネンのモノエチルエステルをベースとするP
MR型樹脂を例3に記載のように熱可塑的にサイジングされた繊維トウに含浸さ
せた。
次に、横断マイクロクラック及び横曲げ強さ(TFS)試験をそれぞれ行うた
めに、プレプレグを[0,90]4s及び[0]16の150mm×100mmのラ
ミネートにレイアップした。
適用したイミド化/硬化及び後硬化のサイクルを図19(a)及び(b)に示
す。
試料G1は成形サイクル時に離層したために、試験を行うことのできる試料を
得ることができなかった。
例2に記載のように、350℃及び371℃において試料E1、F1、H1及
びJ1のTOSを調べた。この結果を表11及び12に示し、また図20及び2
1にグラフとして表すが、これらの図においてE1は白抜きの正方形、F1は黒
塗りの菱形、H1は黒塗りの正方形、J1は黒塗りの三角形を用いてそれぞれの
データを表した。
試料E1、F1、H1及びJ1を例3に記載のTVM試験にもかけた。この結
果を図22に示す。サンプリングの前後においていずれの試料についても離層が
確認されなかったことは注目すべき事柄である。
試料E1、F1、H1及びJ1のTFSも例3に記載のように決定した。この
結果を%TFS保持として図13に示し、製造したままの試料から得たTFSを
棒グラフとして表し(図23)、また、製造したままの試料並びに350℃及び
371℃(それぞれ図24及び25)に暴露した後の試料から得たTFSを図2
3〜25に表す。図24及び25において、E1は星形、F1は白抜きの三角形
、H1は白抜きの正方形、及びJ1は白抜きの円を用いてそれぞれのデータを表
した。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年4月26日
【補正内容】
請求の範囲(請求の範囲翻訳文第47頁〜第48頁)
請求の範囲
1.熱硬化性樹脂マトリックス及び前記マトリックスを含浸した連続的な繊維
強化材を含んでなり、前記強化材の繊維は式−R−Z(式中、Rは二価の炭化水
素基を表し、Zは熱硬化性樹脂マトリックスと反応性であるか、又は硬化剤もし
くは他のポリマー分子内の式−R−Zと同様の基と反応性の基を表す。)で表さ
れる末端基及び/又は側基を有するポリスルホンを含むアモルファスの芳香族熱
可塑性樹脂でサイジングされ、そして前記ポリスルホンは、
(PhSO2Ph)n1
及び、
(Ph)a
(ここで、上式中Phはフェニレンであり、前記ポリスルホン中に反復単位(P
hSO2Ph)n1が少なくとも存在する場合には、a及びn1は独立に1〜2の
範囲の値であって、その平均値は分数であってよく、但しn1又はaが1を越え
る場合には、(Ph)a中のフェニレンは単化学結合により結合されているか又
は−SO2−を除く二価の基により結合されている。)
からなる群より選ばれるエーテル基及び/又はチオエーテル基に結合された反復
単位から本質的になる硬化性複合材料。
2.Phが1,4−フェニレンである請求項1記載の硬化性複合材料。
3.n1の値が各々のポリマー鎖内において連続する少なくとも2つの(Ph
SO2Ph)n1単位の平均値であるような請求項1又は2記載の硬化性複合材料
。
4.n1の値が約1.5である上記請求項のいずれか一項記載の硬化性複合材
料。
5.繊維が炭素繊維である上記請求項のいずれか一項記載の硬化性複合材料。
6.繊維がグラファイト繊維である上記請求項のいずれか一項記載の硬化性複
合材料。
7.前記マトリックスがエポキシ、シアネート、シアネートエステル、ビスマ
レイミド、フェノルーホルムアルデヒド及びポリイミドからなる群より選ばれる
上記請求項のいずれか一項記載の硬化性複合材料。
8.強化材の繊維が炭素繊維であり、且つ前記マトリックスが付加重合ポリイ
ミド前駆体を含む請求項1記載の硬化性複合材料。
9.前記熱可塑性樹脂が1500〜30000の範囲の数平均分子量を有する
ものから選ばれる上記請求項のいずれか一項記載の硬化性複合材料。
10.前記熱可塑性樹脂が3000〜20000の範囲の数平均分子量を有す
るものから選ばれる上記請求項のいずれか一項記載の硬化性複合材料。
11.前記熱可塑性樹脂が3000〜15000の範囲の数平均分子量を有す
るものから選ばれる上記請求項のいずれか一項記載の硬化性複合材料。
12.前記熱可塑性樹脂が少なくとも80℃のTgを有する上記請求項のいず
れか一項記載の硬化性複合材料。
13.前記熱可塑性樹脂が少なくとも100℃のTgを有する上記請求項のい
ずれか一項記載の硬化性複合材料。
14.前記熱可塑性樹脂が少なくとも150℃のTgを有する上記請求項のい
ずれか一項記載の硬化性複合材料。
15.前記熱可塑性樹脂が少なくとも200℃のTgを有する上記請求項のい
ずれか一項記載の硬化性複合材料。
16.前記熱可塑性樹脂が少なくとも240℃のTgを有する上記請求項のい
ずれか一項記載の硬化性複合材料。
17.熱硬化性樹脂マトリックスがエポキシ、シアネート、又はシアネートエ
ステルである場合には、Zはヒドロキシ、アミン、シアネート、シアネートエス
テル、エポキシ、ビニル又はエチニルからなる群より選ばれ、そして前記熱硬化
性樹脂マトリックスがビスマレイミド、フェノール−ホルムアルデヒド又はポリ
イミドである場合には、Zはナドイミド、マレイミド、アミン、酸無水物、ビニ
ル又はエチニルからなる群より選ばれる上記請求項のいずれか一項記載の硬化性
複合材料。
18.上記請求項のいずれか一項記載のアモルファスの芳香族熱可塑性樹脂サ
イズ剤を含む複合材料中に使用される連続的な繊維。
19.請求項1〜13のいずれか一項に定義される硬化後の複合材料を含む造
形品。
20.アモルファスの芳香族熱可塑性樹脂で繊維をサイジングする方法であっ
て、前記熱可塑性樹脂は式−R−Z(式中、Rは二価の炭化水素基を表し、Zは
熱硬化性樹脂マトリックスと反応性であるか、又は硬化剤もしくは他のポリマー
分子内の式−R−Zと同様の基と反応性の基を表す。)で表される末端基及び/
又は側基を有するポリスルホンを含み、そして前記ポリスルホンは、
(PhSO2Ph)n1
及び、
(Ph)a
(ここで、上式中Phはフェニレンであり、前記ポリスルホン中に反復単位(P
hSO2Ph)n1が少なくとも存在する場合には、a及びn1は独立に1〜2の
範囲の値であって、その平均値は分数であってよく、但しn1又はaが1を越え
る場合には、(Ph)a中のフェ
ニレンは単化学結合により結合されているか又は−SO2−を除く二価の基によ
り結合されている。)
からなる群より選ばれるエーテル基及び/又はチオエーテル基に結合された反復
単位から本質的になり、数平均分子量が1500〜30000の範囲の前記熱可
塑性樹脂の0.25%w/w以下の濃度の溶液で前記繊維を濡らすために、前記
繊維を前記熱可塑性樹脂の溶液中に通過させること、及び前記溶液を構成する溶
剤の沸点よりも高い温度でこの濡れた繊維を乾燥することを含む方法。
21.請求項1〜17のいずれか一項に記載の複合材料を製造する方法であっ
て、数平均分子量が1500〜30000の範囲の熱可塑性樹脂の0.25%w
/w以下の濃度の溶液で繊維を濡らすために、前記繊維を前記熱可塑性樹脂の溶
液中に通過させること、前記溶液を構成する溶剤の沸点よりも高い温度でこの濡
れた繊維を乾燥すること、及びこの結果としてサイジングされた繊維に熱硬化性
樹脂を含浸させることを含む方法。
22.前記熱可塑性樹脂が3000〜20000の範囲の数平均分子量を有す
る請求項20又は21記載の方法。
23.前記熱可塑性樹脂が3000〜15000の範囲の数平均分子量を有す
る請求項20又は21記載の方法。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),CA,JP,US
(72)発明者 ジェンキンス,スティーブン デレク
イギリス国,クリーブランド ティーエス
8 0ティーワイ,ミドルスブロー,クー
ルビー ニューハム,ビーチフィールド
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