JPH08506470A - マルチフェーズ成分のダウンコンバージョンのための方法および装置 - Google Patents

マルチフェーズ成分のダウンコンバージョンのための方法および装置

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JPH08506470A JP7515598A JP51559895A JPH08506470A JP H08506470 A JPH08506470 A JP H08506470A JP 7515598 A JP7515598 A JP 7515598A JP 51559895 A JP51559895 A JP 51559895A JP H08506470 A JPH08506470 A JP H08506470A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はマルチフェーズ変調信号をダウンコンバートするダウンコンバータ方法および装置を提供する。該ダウンコンバータは直角位相受信機のようなマルチフェーズ受信機において実施できる。アナログ−デジタル変換器(103)が中間周波信号をあるサンプリングレートでデジタル信号に変換する。ヒルバート変換フィルタ(104)および遅延要素(105)が並列に接続され前記デジタル信号のそれぞれパスバンド直角位相成分および同相成分を提供する。デジタルトランスレータ(107)が所定のパターンに基づきパスバンド直角位相成分および同相成分を変えることによりベースバンド直角位相信号およびベースバンド同相信号を提供する。デジタルトランスレータ(107)は符号分割多元接続(CDMA)信号を復調するための擬似ランダムシーケンス復調器とすることができる。種々のタイプのDCエスティメーションもまた自動利得制御に加えて設けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 マルチフェーズ成分のダウンコンバージョンのための 方法および装置 発明の背景 1.発明の技術分野 本発明はデジタルダウンコンバージョンに関し、かつ、より特定的には、マル チフェーズ成分のダウンコンバージョンのための方法および装置に関する。 2.関連技術の説明 無線送信システムにおいては、送信機はデジタルデータからデジタルシンボル を発生しかつそのようなシンボルを受信機の利益のために送信する。チャネルは 無線または有線とすることができる。もしチャネルが無線周波(RF)無線チャ ネルであれば、受信機で受信する前に信号に時間的散乱(time dispe rsion)が導入され得る。フェーディング、同一チャネルおよび隣接チャネ ル妨害およびノイズもまた信号に導入され得る。 送信機はデジタルシンボルS(n)のような出力を発生する。受信された信号 はろ波されかつサンプルされて受信デジタル信号y(n)を生成し、これは復調 器(例えば、 チャネルイコライザ)に送られる。信号の直交(quadrature)表現が 望まれる任意のタイプの信号変調(例えば、FM,QPSK,OQPSK,π/ 4−DQPSK,GMSK,DS−CDMA)に対して、受信機において直交ダ ウンコンバージョンを提供しかつ受信機およびチャネルによって引起こされる信 号の損傷の除去を行うことが必要である。 TDMA(時分割多元接続)無線送信は別個のタイムスロット1〜Nによる時 分割(time−shared)送信である。TDMA無線送信は単一の周波数 キャリアによって行うことができる。同期シーケンスSOおよび送信されるべき 情報を有するデータシーケンスDOを含む、異なる信号シーケンスSSがおのお ののタイムスロットで送信できる。前に述べたシンボルS(n)は、例えば、Q PSK符号によって符号化できるが、前記信号シーケンスSSは2進信号を含ん でいる。IおよびQで表される軸を有する、複素数平面において、前記シンボル S(n)の4つの可能な値がおのおのの象限に2進数00,01,10または1 1をもってマーク付けられる。 スペクトル拡散DS−CDMA(ダイレクトシーケンス−符号分割多元接続: Direct Sequence−Code Division Multip le Access)無線送信システムはおのおののユーザの信号シーケンスS Siを擬似ノイズ(PN)シーケンスPNi* (*は複素共役を示す)によって拡散することによりすべてのユーザに対し同時 にかつ同じチャネル周波数によって送信する。各ユーザの信号シーケンスは、お のおのの信号が対応する同期PNシーケンス、PNi、を使用することにより受 信機において独自的に逆拡散(despread)することができ、一方同時に 他のユーザの信号(妨害)を低減しそれによって信号品質が損傷されないように 拡散される。PNシーケンスに加えて、あるいはPNシーケンスに代えて、ウォ ルシュシーケンス(Walsh sequences)からなる信号セットを使 用してさらにユーザの信号の間を弁別(拡散および逆拡散)することができ、こ れについては、例えば、デュアルモード広帯域スペクトル拡散セルラシステム( Dual−Mode Wideband Spread Spectrum C ellular System)のためのTIA/EIA IS−95移動ステ ーション−ベースステーション互換性標準に記述されている。 受信機においては、直流(DC)またはキャリヤエラー項が所望の信号に導入 され得る数多くの仕方がある。ベースバンド回路においては、DC項は演算増幅 器のオフセット、復調器のオフセット電圧、および/またはアナログ−デジタル 変換器の特性により導入される。同様にコヒーレントなローカル発振器(L.O .)が所望の信号をベースバンドに復調するのに必要とされるから、何らかのロ ーカ ル発振器のリーケージの自己復調があり、これが次にベースバンドのDCエラー 項を生成する。もし受信された信号が中間周波数(IF)に変換されかつ次にデ ジタル化されれば、ローカル発振器の周波数または中間周波数がビットレートに 対しコヒーレントなまたは関連するよう選択されたときに特に(しばしば、信号 のサンプリングおよび処理を簡単化するために行われる)同じ現象がエラーを導 入し得る。大部分のシステムに対して、DCエラー項(ならびに所望の信号の一 部であるDC項)は所望の信号の内容に大きな影響を与えないように十分に低い カットオフ周波数を備えた交流(A.C.)結合によって除去できる。しかしな がら、もし受信機が自動利得制御されれば、前記A.C.結合はほとんど効果的 でないことが分かり、それはDCオフセットは動的でありかつほとんど前記A. C.結合のカットオフ周波数より高いレートであるからである。これはTDMA システムの場合である。符号分割多元接続(CDMA)システムでは、前記DC オフセットは特に厄介なものとなり得るが、それはベースバンド信号は信号を首 尾よく復調するために存在しなければならない固有のDC項を有し、他のDC項 の付加は大幅に復調性能を劣化させるからである。 自動利得制御(AGC)は受信機において受信機の必要とされるダイナミック レンジを制限するために使用することができる。とりわけ、自動利得制御は必要 とされるアナ ログ−デジタル変換器のビットの数を制限する。通常、TDMAシステムにおい ては、レーリー(Rayleigh)フェーディング(高速フェーディング)よ りもむしろ対数正規(lognormal)フェーディング(シャドウイング) による信号減衰を追跡することが望まれる。CDMAシステムにおいては、自動 利得制御(AGC)はアナログ−デジタル変換器によって見られるような複合信 号に類似した、結果として生ずるホワイトノイズの変動を整える。 受信機は典型的には複素平面において変調された受信信号に対し直交ダウンコ ンバージョンを行う。直交ダウンコンバージョンはTDMAおよびCDMA受信 機のようなデジタル受信機またはアナログ受信機において行うことができる。中 間周波(IF)からの直交ダウンコンバージョンは伝統的には、例えば、アナロ グ受信機において、パスバンドアナログ信号を、2倍周波数信号成分を除去する ためにローパスフィルタが引続く並列的な2つのアナログミキサに入力すること によって行われる。アナログ−デジタル変換器は結果として生ずるアナログの同 相および直交または直角位相ベースバンド信号をサンプルするために使用される 。 種々のタイプのデジタル直交ダウンコンバータもまた実施できる。アナログの ダウンコンバータに対するこれらのデジタルダウンコンバータの1つの利点は必 要とされるアナログ−デジタル変換器の数が低減されることである。例 えば、第1のタイプのデジタルダウンコンバータは1つの高速アナログ−デジタ ル変換器とこれに続く2つのデジタルミキサおよびデシメーションフィルタを必 要とする。そのような構成は、例えば、ハリスの部品番号第HSP50016( Harris Part NO.HSP50016)において与えられている。 第2のタイプのデジタルダウンコンバータもまた1つのアナログ−デジタル変換 器を使用する。サンプリング周波数(fs)および最終中間周波数(fIF)は 所望の同相および直角位相ベースバンド信号を得るために信号のサンプルが交互 に対応する符号変化とともに2っのデジタルローパス補間フィルタに供給される ように選択される。そのようなデジタルダウンコンバータは、例えば、Harr is Part No.43216またはL.E.Pellonによる“A D ouble Nyquist Digital Product Detect or for Quadrature Sampling”,IEEE Tra nsactions on Signal Processing、1992年 7月、pp.1670−1681に与えられている。 他のタイプのデジタルダウンコンバージョンは複素ダウンコンバータ状態とと もに離散時間ヒルバートフィルタを使用する。そのようなタイプのヒルバートダ ウンコンバータは“Quadrature sampling with hi gh dynamic range”,IEEE Transactions Aerospace Electronic S ystems,vol.AE8−18,no.4,pp.736−739、19 82年11月、に記載されており、この文献は参照のため本明細書に導入される 。そのようなタイプのヒルバートダウンコンバータもまたアナログダウンコンバ ータより少ない1つのアナログ−デジタル変換器を使用する。1つ少ないアナロ グ−デジタル変換器は1つ少ない受信機分岐を可能にし同相および直角位相信号 の間でのより良好なゲインバランスを提供する。同相および直角位相信号成分の 間のヒルバートダウンコンバータの位相の精度およびゲインバランスもまたより 正確でありかつ温度変化またはエージング(部品のドリフト)に敏感ではない。 上に述べた第1のデジタルダウンコンバータはアナログダウンコンバータより もずっと高速度のアナログ−デジタル変換器を必要とする。また、前記第1のデ ジタルダウンコンバータは同相および直角位相ベースバンド信号を抽出するため に信号をミキシングダウンするのに真に高速度の乗算を必要とする。前記第2の デジタルダウンコンバータは高速度のアナログ−デジタル変換器または高速度の 乗算を必要とせず、その理由はそれが乗算なしの最終ダウンコンバージョン段を 使用するからである。しかしながら、前記第2のデジタル手法は必要とされるサ ンプリングレートのため高価なA/D変換器を必要とする。前記ヒルバート ダウンコンバータはダウンコンバージョンを行うのに複素ミキシング段を必要と する。複素数を乗算するために高価なハードウエアまたは高価なプロセッサ時間 を使用しなければならない。 発明の概要 本発明はこれらおよび他の問題をマルチフェーズ成分ダウンコンバージョンの ための方法および装置を提供することによって解決する。中間周波信号を受けか つあるサンプリングレートでデジタル信号を提供するためにアナログ−デジタル 変換器が提供される。ヒルバート変換ネットワークが前記アナログ−デジタル変 換器から与えられたデジタル信号に基づきパスバンド直角位相成分を提供する。 遅延要素がアナログ−デジタル変換器からのデジタル信号に基づきパスバンド同 相成分を提供する。デジタル変換器(デジタル translator)が前記 ヒルバート変換ネットワークおよび遅延要素からのパスバンド直角位相および同 相成分を所定のパターンに基づき変更し(alters)ダウンコンバートされ たベースバンド直角位相および同相信号を提供する。異なる実施例によれば、前 記デジタルトランスレータは擬似ランダムシーケンス復調器によって提供される 。前記デジタルトランスレータはまた符号分割多元接続(CDMA)信号をダウ ンコンバートするための早期(early)および後期(late)トランスレ ータを伴うことができる。ダウンコンバータのゲイン制御のために自動利得制御 回路が提供できる。直流(DC)エスティメータも設けられて前記ベースバンド 直角位相および同相信号に対してDCエスティメーシヨン調整を行うことができ る。 本発明のこれらおよび他の構造および特徴は添付の図面とともに以下の詳細な 説明を参照することによりさらに明らかになるであろう。 図面の詳細な説明 図1は、本発明に係わるマルチフェーズ成分ダウンコンバージョンのための第 1の実施例の方法および装置を示す概略的ブロック図である。 図2は、本発明に係わる1つのタイプのDCエスティメーションおよび自動利 得制御を備えたデシメータを使用するマルチフェーズ成分ダウンコンバージョン のための方法および装置の第2の実施例を示す概略的ブロック図である。 図3は、本発明に係わる他のタイプのDCエスティメーションの概略的ブロッ ク図を示す。 図4は、本発明に係わる1つのタイプの自動利得制御の詳細を示す概略的ブロ ック図である。 図5は、本発明に係わる符号分割多元接続(CDMA)信号のダウンコンバー ジョンのために使用される付加的な早期および後期トランスレータの概略的ブロ ック図を示す。 図6は、本発明に係わる符号分割多元接続(CDMA)ダウンコンバータにお けるトランスレータの1つの例を示す説明図である。 好ましい実施例の詳細な説明 本発明は乗算器のないダウンコンバージョン段を有しかつ1つのアナログ−デ ジタル変換器のみを必要とする直交ダウンコンバータを提供する。アナログダウ ンコンバータの2つのアナログ受信機の分岐に対して使用された2つのアナログ −デジタル変換器よりも1つ少ないアナログ−デジタル変換器が必要とされる。 該アナログ−デジタル変換器に対してはより低い周波数のサンプリングレートも 使用できる。本発明においては前記第1のデジタルダウンコンバータにおいて必 要とされた乗算器もまた不必要である。サンプリングレートfBAUDは中間周 波数fIFの整数倍にセットされてこれらの利益を提供する。本発明により同相 および直角位相信号の間のより良好なゲインバランスおよび低い振幅リップルも また達成される。さらに、温度またはエージングに対する敏感さなしに同相およ び直角位相信号成分の間の位相精度およびゲインバランスが改善される。 本発明はさらにヒルバートフィルタを使用して他の知られたデジタル手法に対 し付加的な利点を有するものとすることができる。本発明は90°の位相精度、 帯域幅および フィルタタップの数の間でのトレードオフを活用する。本発明においては、前記 フィルタは出力ポイント対ごとに4タップ(4x オーバサンプリング)によっ て実施することができ、あるいはヒルバートフィルタのオーダを奇数となるよう 選択することによりデシメータを備えてクロック速度の半分(2x オーバサン プリング)で動作できる。さらに、サンプリングレートおよび最終中間周波数f IFはデシメータが信号をT間隔の(T−spaced)サンプルにデシメート するのに必要とされる計算量を最小にするよう選択でき、ここで1/T=fBA UDはボー(シンボル)レートである。すなわち、前のようにfs=4fIFで あるが、fIF=fBAUDの付加的な制約を与え、それによってデシメーショ ンがデシメーションフィルタを必要とすることなく単にサンプル選択プロセスと なる。 図1は、最終の中間周波数(IF)段102の後にダウンコンバータを含む受 信機100を示す。該ダウンコンバータは受信機のダイナミックレンジを取扱い 量子化ノイズの要求に合致するのに十分な分解能(ビット)を有するアナログ− デジタル変換器103を含む。該アナログ−デジタル変換器103には変換ネッ トワーク104、セレクタ106およびデジタルトランスレータ107が続く。 デジタルトランスレータ107は一対の符号変換装置125,120および13 0,135をおのおのの分岐に対し1つずつ備えて構成される。符号変換装置は 符号情報を含む巡 回シフトレジスタ120および該巡回シフトレジスタのマスキングレジスタの出 力に基づき符号変換125を対応するパスバンド成分に適用する符号変換装置を 含んでいる。デジタルトランスレータ107の出力は直角位相および同相ベース バンド信号成分114および115である。該直角位相および同相ベースバンド 信号成分114および115はDCエスティメータ/排除回路(DC esti mator/rejection circuit)108に供給される。DC エスティメータ108の出力はDCのないベースバンド直角位相および同相信号 成分である。 受信機100は信号110を受け、該信号110は任意の変調(例えば、QP SK)を受けたアナログ信号とすることができる。この信号はまた有線により送 信することもでき、あるいは送信は無線とすることもできる(例えば、RF信号 )。いったん受信されると、信号110は最終IF段102によって処理され、 該最終IF段102は初期または中間周波数(IF)からの信号を他の所望の最 終中間周波数(IF)へと変換しかつろ波するよう動作する。前記信号はまた不 所望の周波数成分を除去しかつノイズおよび妨害を低減するためにろ波される。 前記最終IF周波数(fIF)は信号のボーレートの倍数(fBAUD=1/T 、ここでTはシンボル期間)として選択される。この場合、前記fIFは必要と されるアナログ−デジタル変換器のサンプリングレートおよび必要とざれるハー ドウエア のクロック速度のさらなる低減のためにfBAUDに等しくセットされる。IF 段102から出力されるアナログ信号は次にアナログ−デジタル変換器103に よってサンプルされ、該アナログ−デジタル変換器103ではサンブリングレー ト(fs)は前記最終のIF周波数の4倍となるよう選択される。すなわち、f s=4fIFであり、これはfIF=fBAUDであるから、信号は4xオーバ サンプルされる。すなわち、ベースバンドのT間隔のシンボルごとに4つのサン プルがある。サンプルされた実信号(real signal)111は次に直 角位相パスバンド信号成分112を得るため変換ネットワーク104に入力され る。変換ネットワーク104はヒルバート変換フィルタとして実施できる。ある いは、変換ネットワーク104はローパスフィルタおよび他のローパスフィルタ としての遅延回路として実施できる。2つのローパスフィルタはHarris Part No.43216にあるもの、またはL.E.Pellonによる、 “A Double Nyquist Digital Product De tector for Quadrature Sampling”,IEEE Transactions on Signal Processing、1 992年7月、pp.1670−1681のものとすることができ、これらは参 照のためここに導入される。 前記サンプルされた実信号111はまた遅延回路105 に送られ、該遅延回路105の遅延は変換ネットワーク104のグループ遅延( group delay)と等しくなっている。遅延回路105の遅延は、例え ば、ヒルバート変換フィルタが変換ネットワーク104に対して奇数次(奇数の フィルタタップ)に選択されたとき、変換ネットワーク104によって処理され るサンプルの総数(integral number)に等しい。遅延回路10 5の出力はパスバンドの同相信号成分113である。セレクタ106は次に交互 に直角位相112および次に同相113のパスバンド信号成分サンプルを選択し デジタルトランスレータ107の直角位相分岐へと供給しかつ同時に交互に同相 113および次に直角位相パスバンド信号成分サンプルを選択しデジタルトラン スレータ107の同相分岐へと入力する。 直角位相分岐サンプルはそれらの符号が直角位相変換シーケンスを含む巡回バ ッファ120におけるマスキングレジスタ(図1における太線内のレジスタ)に おける現在のエントリに基づき符号変換装置125によって符号変換される。同 様に、同相分岐サンプルはそれらの符号を同相変換シーケンスを含む巡回バッフ ァ130におけるマスキングレジスタの現在のエントリに基づき符号変換装置1 35によって符号変換される。これらの符号変換装置は単にデジタルゲートまた はマイクロプロセッサまたはデジタル信号プロセッサにおける簡単な操作を使用 して2進ビットの 反転を必要とするのみである。単に符号変換を行うために複素乗算アルゴリズム または回路は不必要であり、従ってハードウエアまたはプロセッサの時間を節約 する。 これらのシーケンスは最終IF周波数およびサンプリング周波数の関係fs= 4fIFによりパスバンド信号成分をベースバンド信号成分に変換するのに必要 な複素プロセスexp(−jπk/2)から得られる。ある複素パスバンド信号 d(kT)=I′(kT)+jQ′(kT)がfIFを中心として与えられたも のとする。この信号をベースバンドに変換するにはそれを複素プロセスexp( −j2πkfIF/fs)によって乗算することが必要である。fIF/fs= 1/4であるから、前記プロセスはexp(−jπk/2)となる。従って、z (kT)=d(kT)*exp(−jπk/2)の場合z(kT)はk=0,3 に対し(I(0),Q(0)),(−Q(1),I(1)),(−I(2),− Q(2)),(Q(3),−I(3))と書くことができ、符号およびIおよび Qの順序付けのこのパターンは4のこの周期で反復される。すなわち、 (I(0),Q(O)),(-Q(1),I(1)),(-I(2),-Q(2)),(Q(3),-I(3))(I(4),Q(4)),(-Q(5),I( 5)),(-I(6),-Q(6)),(Q(7),-I(7))(I(8),Q(8)),(-Q(9),I(9)),(-I(10),-Q(10)),( Q(11),-I(11)) 交互のサンプルに対し1つの符号変換のみを必要とするプロセスexp(−j πk/2)の効率的な構成が巡回バッファ120および130によって提供でき る。巡回バッファ120および130はそれぞれ符号変換トランスレーションシ ーケンス(1,−1,−1,1)および(1,1,−1,−1)を含む。 セレクタ106は交互に変換ネットワーク104から出力されるサンプルおよ び遅延回路105から出力されるサンプルを選択する。デジタルトランスレータ 107の直角位相分岐は直角位相ベースバンドサンプル信号成分114であり、 かつデジタルトランスレータ107の同相分岐の出力は同相ベースバンドサンプ ル信号成分115である。 前記DCエスティメータ108は次に前記直角位相ベースバンドサンプル信号 成分からDC(ゼロ周波数)信号成分を有効に評価(estimates)し、 かつそれらを減算してDC成分のない直角位相ベースバンドサンプル信号116 を生成する。DCエスティメータブロック108は同時に同相ベースバンドサン プル信号成分からDC(ゼロ周波数)信号成分を有効に評価しかつそれらを減算 してDC成分117のない同相ベースバンドサンプル信号を生成する。DCエス ティメータ108は図3を参照して後に説明する。 本発明のダウンコンバータは内部または外部アナログ−デジタル変換器を備え たデジタル信号プロセッサ(DSP) によって動作するファームウェアによって容易に実施でき、あるいは単一のアプ リケーション特定集積回路(ASIC)またはプログラマブルゲートアレイ(F PGA)回路に容易に集積することができる。本発明のダウンコンバータはTD MAまたはCDMA受信システムに適用可能である。CDMAシステムに対して は、トランスレータ回路107は図5のトランスレータ回路によって置き換える ことができる。 図2は、出力サンプル毎に必要な操作の数を低減するためデシメータ201を 含むダウンコンバータの他の実施例を示す。デシメータ201は変換ネットワー ク(transformation network)104,105に先行し 、かつ4fIFサンプリングレートを2fIFに低減する。自動利得制御(AG C)およびDCエスティメーションはまた本発明の種々の実施例において得られ る他の特徴的機能の例として示されている。 受信機は信号110を受信する。IF段102は信号をろ波しかつ前記信号の ボーレート(fIF=fBAUD)に等しい最終IFに変換する。前記信号は次 にデジタル減衰器242によって所望のレベルを達成するためゲイン調整され、 該デジタル減衰器242は自動利得制御(AGC)アルゴリズムまたは回路24 4によって制御される。デジタル減衰器242から出力されるアナログ信号は次 にアナログ−デジタル変換器103によってサンプルされ、この 場合サンプリングレート(fs)は前と同様に最終IF周波数の4倍となるよう 選択され、それによって前記信号が4倍(4x)オーバサンプルされる。 デシメータ201は偶数サンプルを変換ネットワーク104にかつ奇数サンプ ルを遅延回路105に送る。この場合、変換ネットワーク104はヒルバート変 換フィルタである。これは、奇数次のヒルバートフィルタが使用されこれは中央 タップを持たないからである。得られるパスバンド直角位相112および同相1 13サンプル信号成分は時間整列されかつ2xオーバサンプルされている。した がって、ベースバンドのT間隔のシンボル毎に2つのサンプルがあることになる 。 パスバンド直角位相112および同相113サンプル信号成分は直接デジタル トランスレータ107に入力される。直角位相信号成分は直角位相変換シーケン スを含む巡回バッファ220におけるマスキングレジスタの現在のエントリに基 づき符号変換装置225によってデジタルトランスレータ107においてそれら の符号が変更される。同様に、同相信号成分は同相変換シーケンスを含む巡回バ ッファ230におけるマスキングレジスタの現在のエントリに基づき符号変換装 置235によってそれらの符号が変換されている。これらのシーケンスは最終の IF周波数およびサンプリング周波数関係fs=2fIFにより前記パスバンド 信号成分をベースバンド信号成分に変換するのに必要とさ れる複素プロセスexp(−jπk)から得られる。1つの符号変換のみを必要 とする該プロセスexp(−jπk)の効率的な実施は巡回バッファ220およ び230によって提供することができる。該巡回バッファ220および230は それぞれ変換シーケンス(−1,+1)および(−1,+1)を含む。該巡回バ ッファはクロックドJ−Kフリップフロップによって置き換えできることに注目 すべきである。デジタルトランスレータ107の直角位相分岐の出力は直角位相 ベースバンドサンプル信号成分であり、かつデジタルトランスレータ107の同 相分岐の出力は同相ベースバンドサンプル信号成分115である。 図2の実施例のDCエスティメータブロック108はDCエスティメーション フィルタ205および206を含み、これらはそれらのの入力を図1の実施例に おけるデジタルトランスレータ107の代わりにデシメータ201から取ってい る。デシメータ201からの同相および直角位相パスバンドサンプルはまた交互 に符号が変わる交互のベースバンド同相および直角位相信号成分サンプルと見る ことができる。したがって、デシメータ201はベースバンド同相および直角位 相サンプルを次の形式でDCエスティメーションフィルタに供給する。 …,I(8T),-I(6T),I(4T) ,−I(2T) ,I(0)→ …,-Q(7T),Q(5T),-Q(3T),Q(T),O 前記DCエスティメーションブロック108の遅延215は同相信号を1サン プル期間(Ts)だけ遅延させてデシメータ201からのパスバンド同相および 直角位相信号サンプルを時間整列する。前記ベースバンド同相および直角位相信 号サンプルは符号変換装置212および213を介してデシメータの出力サンプ ルに巡回バッファ214における符号変換情報を供給することによって作製され る。DCエスティメーションフィルタ205および206は直角位相ベースバン ド214および同相ベースバンド207のサンプル信号成分に対し有効にDC( ゼロ周波数)信号成分を評価し、かつそれらを加算器210および211によっ て減算してDC成分のない直角位相ベースバンド116および同相ベースバンド 117サンプル信号を生成する。遅延ブロック209および208は主にDCエ スティメーションフィルタのグループ遅延を補償するために設けられる。遅延ブ ロック209および208はDCフィルタのグループ遅延から変換ネットワーク 104の遅延および遅延回路105のグループ遅延を減算したものに等しい遅延 を有する。この構成によって図1に関してダウンコンバータを通してのより小さ な総合遅延が得られる。このタイプのDCエスティメーションはまた図1に示さ れたDCエスティメーション形式の代わりに使用することもできる。図1のDC エスティメーション形式は図2に示されたものの代わりに使用することができる 。 前記自動利得制御(AGC)回路244はアナログ−デジタル変換器103に おける一定の信号レベルまたは信号変動を維持するためにデジタル減衰器242 に供給する必要がある信号を評価するために信号116および117を使用する 。TDMAシステムにおいて使用するための1つの例示的な構成の自動利得制御 (AGC)回路244が図4に示されている。CDMAシステムに対しては、自 動利得制御AGC回路244は与えられた時間インターバルにわたり同相および 直角位相サンプルの2乗の和の平方根を加算しかつこれをデジタル積分器が続く 所望の基準信号から減算することにより電力を計算するための装置から構成され る。積分器の出力はAGCルックアップ線形化テーブルへの入力として使用する ことができ、該テーブルの出力は次に減衰器に供給される。もし該減衰器がアナ ログ入力を受け入れれば、デジタル−アナログ変換回路(D/A)も必要になる 。自動利得制御(AGC)回路244はまた同様に信号116および117を入 力として用いることにより図1に示されたダウンコンバータの実施例においても 使用できることに注目すべきである。 図3は、図1または図2のDCエスティメータ回路108の別の構成を示す。 フィルタ205,206および遅延ブロック208,209が設けられ、これら に続きそれらのそれぞれの加算ノード500,501があり、結果として最終的 にDCのないベースバンド直角位相および同相信 号成分が得られる。サンプルされた直角位相信号112はDCエスティメーショ ンフィルタ205および遅延バッファ209の双方に入力され、該遅延バッファ 209の長さはフィルタ205のグループ遅延に等しい。DCエスティメーショ ンフィルタの出力は加算器500において遅延された信号から減算され、その結 果ろ波された直角位相信号116が得られる。同様に、サンプルされた同相11 3信号がDCエスティメーションフィルタ206および遅延バッファ208の双 方に入力され、該遅延バッファ208の長さはフィルタ206のグループ遅延に 等しい。DCエスティメーションフィルタの出力は加算器501において遅延さ れた信号から減算され、その結果ろ波された同相信号117が得られる。他の代 わりのタイプのDCエスティメーションフィルタもまた本発明の実施例において 使用できる。 図4は、本発明に係わる自動利得制御(AGC)回路244のブロック図を示 す。図示された対数正規トラッキング(lognormal tracking )またはレーリーフェーディング排除自動利得制御(AGC)回路244は初期 信号強度推定または評価値を与えるために信号強度指示器(SSI)回路610 を含む。不連続送信検出器625および対応するフィルタスイッチ630,63 5が設けられ、さらに2つの短時間信号電力平均エスティメータ615および6 20が設けられている。対応するフィル タ係数更新アルゴリズム645を備えた適応フィルタまたは長時間平均エスティ メータ640には線形化および/または減衰器マッピングの目的のためのルック アップテーブルが続いている。この自動利得制御(AGC)回路244はまた図 1の受信機と共に使用できる。 直角位相116および同相117信号サンプルはダウンコンバータのDC排除 段108から受信される。信号強度指示回路610は該直角位相116および同 相117信号サンプルを受け入れかつある与えられた時間インターバル(例えば 、もし4xオーバサンプルされる場合は64サンプルが16シンボル期間となる )にわたり直角位相および同相サンプルの平方の和の平方根を加算することによ り信号強度指示サンプル612を生成する。この信号は次に対数ルックアップテ ーブル610を使用して対数ベース10単位に変換される。平方根を取ることは 必要ではなくかつ、もし望むならば、加算の外側に移すこともでき、あるいはさ らに前記対数ルックアップテーブルの一部を構成することもできることに注意を 要する。前記短時間平均エスティメータ615は短時間平均信号を計算するため に信号強度指示器サンプル612を使用する。この実施例では、短時間平均エス ティメータ615は5タップ有限インパルス応答(FIR)直交フィルタ(これ は5ポイント移動平均と等価である)である。前の平均ロックエスティメータ6 20は前の平均ロック信号(previous avera ge lock signal)を生成するために前記信号強度指示器信号61 2を使用する。この実施例では、前の平均ロックエスティメータ620は単一ポ ールの無限インパルス応答(IIR)フィルタである。フィルタスイッチ630 および635は前記FIRフィルタ615から現在の短時間平均信号を選択する かあるいはIIRフィルタ620から前の平均ロック信号を選択して短時間平均 信号637を提供する。 不連続送信(DTX)選択回路625は現在の信号強度指示器サンプル612 (RSSI)および短時間平均信号637(SMEAN)を調べかつその差をし きい値(DTXTHR)と比較して不連続送信が以下の関係で示されるように生 じているかを判定する。 SMEAN>RSSI+DTXTHR すなわち、不連続送信によるRF信号の低下(drops)を追跡するのを避 けるため、自動利得制御アルゴリズムは深い負のフェードを他の負および正のフ ェードよりもゆっくりと追跡する。これは短時間平均を変更することによって達 成され、したがってそれは低速のトラッキングのために1に非常に近いポールを 有する単一ポールのIIRフィルタを使用して更新される。 もし不連続送信が前記不連続送信選択回路625によっ て検出されれば、前記不連続送信選択回路625はフィルタスイッチ630およ び635をセットし、それによって(単一ポールのIIRフィルタによる)前の 平均ロック信号が短時間平均信号637(SMEAN)として選択される。そう でなければ、フィルタスイッチ630および635はFIRフィルタ615にセ ットされ、それによって現在の短時間平均信号が短時間平均信号637(SME AN)として選択される。前記不連続送信選択回路625はスイッチ630およ び635の制御を行なうためにカウンタを含むことができる。与えられたタイム スロットに対し上の関係が真になるたびごとに、該カウンタ(DTXCNTR) (始めはゼロにセットされる)が増分されて不連続送信を有する与えられたユー ザのタイムスロットの総数をカウントする。前記カウンタ(DTXCNTR)は 上の関係が真でないとき毎に(ゼロまで)減分される。前記カウンタ(DTXC NTR)は不連続送信が近い過去において発生しているかを判定するために使用 されかつ収束を早めるために使用される。FIRフィルタが短時間平均信号63 7(SMEAN)を更新するために使用される通常の動作への戻りもまた上の関 係が真でない場合に生じる。 この自動利得制御(AGC)回路の他の特徴はRF信号レベルの大きな正の変 化に対するその感度である。もしRF信号レベルがジャンプし、それによって短 時間平均信号637(SMEAN)が固定量INITTHR(典型的に は6dBにセットされる)だけ長時間平均(LMEAN)を超えれば、あるいは もし不連続送信が以下の2つの関係で示されるようにちょうど終了すれば、 SMEAN>LMEAN+INITTHR または RSSI>LMEAN および DTXCNTR>4 自動利得制御アルゴリズム全体が現在の信号強度指示器サンプル(RSSI)6 12としての短時間平均信号(SMEAN)とともに前記フィルタスイッチ62 0により再初期化される。これは自動利得制御アルゴリズムを初期化するために 信号強度履歴がない場合にフェーディングによらないあるいは移動に起因する大 きなRF信号レベル変化を追跡する場合に収束を早めるために行なわれる。短時 間平均信号(SMEAN)は主として適応フィルタ640およびフィルタ係数更 新アルゴリズム645によって長時間平均エスティメーションのために使用され る。適応フィルタ640およびフィルタ係数更新アルゴリズム645は長時間平 均信号642(LMEAN)を計算し、かつルックアップテーブル650がフィ ードバックゲイン制御信号246を生成するために使用される。このフィードバ ックゲイン制御信号246はフェーディング成分がろ波除去された推定信号強度 を表わす。 その代わりとしてレーリー成分を追跡しないいくつかの理由があることに注意 を要する。1つの理由はフェーディング周波数が非常に高くしたがって信号をそ のような高い速度でサンプルして信号強度を推定しあるいは該フェーディングを 補償するのに充分高速度のフィードバックループを自動利得制御に与えることが 実際的でないことである。また、数多くの受信機はフェーディングを、しばしば チャネルイコライザと共に、各タイムスロットにおいてほとんど全てのTDMA システムによって送信される同期ワードによって修正する。 本発明の適応フィルタ640は単一ポールIIRフィルタであり、その係数は kを時間インデクスとしかつalphaおよびbetaは適応フィルタ640の 時変係数としたとき次のようなフィルタ係数更新アルゴリズムによって更新され る。 LMEAN(k)=alpha(el(k),k)*LMEAN(k-1)+beta(k)*SMEAN(k) beta(k)=(1-alpha(el(k),k)) このアルゴリズムは短時間平均信号637から長時間平均信号642を減算す ることにより計算されたエラー信号を使用する。これらの信号値は発散するから (エラー信号の振幅が増大する)、前記係数はフィルタのポールが単位円の原点 へと規定された方法でより近く移動するように調 整される。例えば、1つの方法は前記係数alpha(el(k),k)をエラ ー信号の|el(k)|が何らかの発散しきい値DIVTHRより大きいかまた は小さいかに応じて固定されたステップサイズCSTEP(例えば、0.005 )だけ変えることである。 if |el(k) |>DIVTHR alpha(el(k),k) =MIN(alpha(el(k),k-1)+CSTEP,Max Allowed alpha) else alpha(el(k),k) =MAX(alpha(el(k),k-1)-CSTEP,Min Allowed alpha) 他の代替方法は係数を含むルックアップテーブルへのポインタを増分および減 分することである。 発散は適応フィルタ640が長時間平均の次の値を計算する上で長時間平均信 号642(LMEAN)の前の値よりもより強く入力637を重み付けるように する。すなわち、長時間平均の変化はより迅速に追跡され得る。これを調べる他 の方法はIIRフィルタは平均推定値を構成する古いサンプルを新しいサンプル よりも指数関数的に少なく重み付ける順次的指数平均器(sequential exponential average)であることである。これらのサン プルが重み付けされる程度はフィルタ係 数(またはポールがゼロまたは1にどれだけ近いか)に依存する。適応フィルタ 640のポールがゼロに近ければ近いほど、前の長時間平均信号値に対して現在 の短時間平均信号をより強く重み付けし、したがって対数正規フェーディングに よる信号強度平均においてより大きな変動が追跡できる。適応フィルタ640の ポールは原点にあまりにも近く移動することを許容されてはならず、さもなけれ ば推定値は悪化し、すなわち、推定または評価値は長時間平均信号(LMEAN )のフェーディング成分を追跡し始めるであろう。また、もし適応フィルタ64 0のポールがユニティにあまりも近く留まっていれば、それはまた長時間平均信 号(LMEAN)を悪化させるが、それは長時間平均信号強度の推定値の対数正 規フェーディング成分における変動を追跡しないからである。短時間平均信号( SMEAN)および長時間平均信号(LMEAN)が互いに規定された距離内に 留まっている各隣接サンプルに対しては、適応フィルタ640のポールはある規 定された方法で1により近く移動し、その結果指数関数的に重み付けされた平均 ウィンドウの定常的な拡張を生じる。システムをダイナミックに(適応可能に) 保つためには、ポールはまたゼロより上の何らかの固定値より小さくなることを 許容されない。最後に、長時間平均推定信号642はルックアップテーブル65 0に供給されて受信機の非線形性および/または減衰器のマッピングの目的のた めに補償されたフィードバッ ク利得制御信号246を生成する。 図5は、符号分割多元接続(CDMA)信号に向けられた本発明の一実施例に おいて使用される変換回路107を示すブロック図である。この変換回路は図1 に示されたデジタルトランスレータ107の代わりに使用されるか、あるいは図 2において使用することもできるが、デシメーション段を除いて使用する。この トランスレータ回路は早期(early)トランスレータブロック300、後期 (late)トランスレータブロック302、およびオン時間(推定)トランス レータブロック301とそれに続く選択およびインテグレータブロック304を 備え、該選択およびインテグレータブロック304の出力は各トランスレータブ ロックに同期フィードバック信号入力を発生する補間器ブロック303へのフィ ードバック信号入力を含んでいる。パスバンド同相113および直角位相112 信号は前記早期トランスレータブロック300、後期トランスレータブロック3 02、およびオン時間トランスレータブロック301に入力される。これらのブ ロックにおいて、前記信号はベースバンドに変換されかつ図6を参照して後に説 明するように逆拡散(despread)される。前記信号は同相擬似ランダム (PN)シーケンス401および直角位相擬似ランダムシーケンス402からの および所定の同相シーケンス400および所定の直角位相シーケンス403から の符号情報を組合わせることによって同時に次の ようにして変換および逆拡散される。 前記所定のシーケンス400および403はトランスレーションまたは周波数 シフトシーケンスとすることができる。 前記符号変換装置404および405は得られた符号変換をそれぞれパスバン ド同相113および直角位相112信号に供給する。一般に、逆拡散シーケンス は各々のトランスレータブロックにおいて異なる数の擬似ランダムチップサンプ ルがシフトされる。前記「早期(early)」トランスレータブロック300 においては、擬似ランダムシーケンスは1チップサンプルだけ遅延され、かつ前 記「後期(late)」トランスレータブロック302においては擬似ランダム シーケンスは「オン時間(on−time)」 トランスレータブロック301 の擬似ランダムシーケンスに関して1チップサンプルだけ前にシフトされる。1 つのチップは擬似ランダムシーケンスによって信号を拡 散することから生じるサンプルである。(1チップサンプル=1/Mチップ、こ の場合Mはチップ毎のサンプル数であり、かつfs=4fIFおよびfIF=チ ップレート(fCHIP)であるからM=4である)。擬似ランダムシーケンス への全体のエントリポイントは補間器303から各々のトランスレータブロック への前記同期フィードバック信号によって管理される。補間器303は選択/積 分ブロック304からのフィードバック信号に基づきかつ必要な逆拡散の量に基 づき擬似ランダムエントリポインタを進ませるかあるいは遅らせるかを決定する 。 逆拡散は1つのシンボルチップを作製するために統合されなければならない擬 似ランダムチップの数(例えばK)として定義することができる。例えば、IS −95仕様によるセルラ無線機のベースステーション受信機に対しては、4つの 擬似ランダムチップが1つのウォルシュシンボルチップを形成する(K=4)。 例えば、IS−95仕様による移動受信機については、64のウォルシュチップ が1つのシンボルを形成する。デジタル信号プロセッサについて述べたエントリ ポインタは(DSP)の構成に対するものであることに注意を要する。ハードウ ェア構成に対しては、余分のクロックパルス(アドバンス)またはクロックパル ス禁止(リタード)が使用されて擬似ランダム発生器を更新することができる。 前記選択/インテグレーションブロック304は各々の トランスレータブロックから出力のベースバンド逆拡散直角位相および同相信号 を受け取りかつそれらをNチップにわたり組合せて逆拡散されたシンボルチップ を生成し、この場合NはKの擬似ランダムチップに対して取られたサンプルの数 である。各々のトランスレータブロックからの結果として得られるシンボルチッ プの振幅が計算されかつ補間器303に送られ、そこでこれらは移動する移動無 線機の位置変化による擬似ランダム同期ポイントが変わるのに必要な時間より小 さなグループ遅延をもってローパスろ波される。 補間器303において、これらのろ波された振幅は比較されて1つの擬似ラン ダムチップサンプルだけ進めるかまたは遅らせるかを決定する。通常、補間器3 03は同期フィードバック信号によってKサイクル(サンプル期間)に対し与え られた擬似ランダムチップを指示し、かつ次にポインタを次の擬似ランダムチッ プに進める。さらに、もし前記早期トランスレータのろ波された振幅が最大であ れば、同期フィードバック信号は3つ全てのトランスレータのポインタを1チッ プサンプルだけ後退させる。もし「オン時間」トランスレータのろ波された振幅 が最大であれば、前記同期フィードバック信号はエントリポインタを不変とする 。もし「後期」トランスレータのろ波された振幅が最大であれば、前記フィード バック信号はエントリポインタを1チップサンプルだけ進める。 このCDMA変換手順は早期および後期トランスレータブロックの数を増大す ることにより改善することができ、したがってより多くのチップサンプルがカバ ーできる。より多くのチップサンプルに対応するろ波された振幅の間の補間によ って同期フィードバック信号の精度を改善する(前進/後退決定)。オン時間ト ランスレータブロックからのベースバンド統合(逆拡散)直角位相および同相信 号は前記選択/インテグレーションブロック304によって図5に示されるよう にベースバンド逆拡散直角位相信号116および同相信号117として出力され る。 図6は、本発明の他のCDMA実施例または図1、図2または図5のトランス レータ回路のためのトランスレータ回路の詳細を示すブロック図である。パスバ ンド直角位相および同相入力112および113は符号変更装置405および4 04への入力として示されている。符号変更装置は変換のための所定のシーケン スを含む現在の符号情報を巡回バッファ403および400から供給される。巡 回バッファ403および400からの符号情報は次に対応する擬似ランダムシー ケンス402または401から得られる符号情報によって変更される。図面には また適切な擬似ランダムシーケンスの符号ビットの選択を適用するために前進/ 後退信号の供給が示されている。この前進/後退信号は、図5の例では、補間器 303から供給できる。 符号分割多元接続(CDMA)信号の擬似ノイズ(PN) 逆拡散のための別の実施例はまたは次のように構成することができる。図6にお ける前の説明は同相および直角位相信号を擬似ノイズ逆拡散するために別個の実 (real)操作が使用されるものと仮定した。これはガウスチャネル(Gau ssian channel)または信号のランダムな位相シフトを生じないチ ャネルを使用する場合にのみ最も見込みがありそうなものである。より現実的な チャネル(例えば、RFチャネル)については信号を逆拡散するのに複素操作が 必要である。例えば、IS−95仕様は信号が疑似ノイズシーケンスの複素共役 によって逆拡散されることを要求し、したがって複雑な数学的操作が行なわれる 。複素擬似ランダムシーケンスは、1つの複素数、すなわち、a+jbで表わさ れる、同相および直角位相擬似ランダムシーケンスによって形成される。 受信信号に適用される擬似ランダムシーケンスの複素拡散(0から1および1 から−1への論理−算術マッピングの後の)は1組の4つの複素数値(1+j1 ,−1+j1,−1−j1,1−j1)の内の1つをとる。送信の前に情報信号 を拡散するために使用される送信擬似ランダムシーケンスは受信機において使用 される複素擬似ランダムシーケンス(例えば、図6のシーケンス402および4 01)から発生される。前記送信擬似ランダムシーケンスは単に前記複素擬似ラ ンダムシーケンスの直角位相成分(例えば、402)を否定する(すなわち、論 理的に反転する)こと により発生される。 この単純な数学的操作が可能なのは、前記擬似ランダムシーケンスは復調プロ セスに影響を与えることなく一定の、しかしながら任意の、複素位相回転によっ て回転できるからである。この回転は+π/4ラジアンに選択することができ、 それによって擬似ランダムシーケンスが1組の4つの複素数値(1+j0,0+ j1,−1+j0,0−j1)からとることができる可能な値をマッピングする 。コヒーレントなシステムにおいてのみ前記回転は復調プロセスにおいて考慮さ れなけばならなず、これは判断境界を変更するほど簡単でありその結果付加的な 操作は生じない。 デジタルダウンコンバージョンおよび直角位相擬似ランダム逆拡散の双方を行 っている受信機においては、ダウンコンバータおよび逆拡散器は図6において上 に述べたものと異なる効率的な複合装置を形成するよう組合わせることができる 。そのような装置は今や擬似ランダムシーケンスおよび所定のシーケンスが1つ のデコードブロックへの入力として作用し得る点で異なっている。該デコードブ ロックはルックアップテーブルまたは単純な論理的機能の最小化によって実施で きる。前記デコードブロックの出力は、例えば、図1のセレクタ106の動作を 制御する。そのような制御はいつ同相および直角位相サンプルを交換するかを決 定することになる。前記デコードブロックの出力はさらに符号変換装置、例えば 、図1の125および135、 図3の225および235、または図6の405および404の動作を制御する 。そのような構成における信号は以下の表によって要約される。 一般に、本発明はデジタル信号のダウンコンバージョンおよび直角位相復調の ための方法および装置を提供する。これは4/T Hz(Tは変調機構のシンボ ル期間)のサンプリングレートで動作する単一のアナログ−デジタル変換器によ って達成される。該アナログ−デジタル変換器は1/T Hzを中心とする実数 値のパスバンド変調波形をサンプルする。サンプルされたデータストリームはヒ ルバート変換器(フェーズスプリッタ)を通りもとの信号の上部周波数側帯波を 含む分析的(analytic)パスバンド信号を得る。ヒルバート変換器の直 角位相部分は4つぐらいの別個の非ゼロタップを備えたフィルタであり、一方該 変換器の同相または実数部は単に遅延である。ヒルバート変換器に続くダウンコ ンバージョン処理は複素プロセスexp(−jπk/2)による乗算を必要とす るが、それは最終のIF周波数およびサンプリング周波数の関係はfs=4fI Fであるためである。該プロセスはセレクタによる乗算およびパスバンド同相お よび直角位相信号成分サンプルの多重化を行いかつ符号変換を行うデジタルトラ ンスレータ回路なしに効率的に行われベースバンド同相および直角位相信号成分 サンプルを得る。DCエスティメーションおよび除去は同時にあるいはこのプロ セスならびにAGCの後に行われる。そのような方法および装置により、同相お よび直角位相成分を別個にデジタル化することなしに実質的にデジタルダウンコ ンバータを得ることができ、 該ダウンコンバータ回路は計算機的に効率のよい方法でかつ何らかの受信機のた めの除去または補償(DC除去)およびチャネル損傷の除去または補償(フェー ディング排除を備えたAGC)の能力を備えて動作する。前記DCエスティメー ション回路はまた計算機的に効率よくなるよう設計され、それによってそれらが 非常に少しの演算操作を必要とするのみとなる。 本発明が以上の記述および図面において説明されかつ図示されたが、この説明 は実例によるのみでありかつ当業者により本発明の真の精神および範囲から離れ ることなく変更をなすことができることが理解される。例えば、異なる形式のD Cエスティメーションを種々のTDMAおよびCDMA実施例を含む本発明の任 意の実施例に適用することができる。さらに、本発明はデシメータを備えてある いはデシメータなしに実施することができる。CDMAシステムにおける異なる タイプの擬似ノイズ逆拡散も可能である。異なる自動利得制御(AGC)回路も またTDMAまたはCDMAシステムに適用できる。さらに、前記ダウンコンバ ーターはデシメータを備えてあるいはデシメータなしに実施することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラパラ・ブライアン アメリカ合衆国イリノイ州 60056、マウ ント・プロスペクト、サウス・オーエン・ ストリート 611

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ダウンコンバータであって、 中間周波信号を受信しかつあるサンプリングレートでデジタル信号を提供する よう動作可能に結合されたアナログ−デジタル変換器、 前記アナログ−デジタル変換器に動作可能に結合されて前記デジタル信号のパ スバンド直角位相成分を提供するヒルバート変換ネットワーク、 前記アナログーデジタル変換器に動作可能に結合されて前記デジタル信号のパ スバンド同相成分を提供する遅延要素、そして 前記ヒルバート変換ネットワークおよび前記遅延要素に動作可能に結合され少 なくとも1つの所定のパターンに基づき前記パスバンド直角位相およびパスバン ド同相成分を変更しベースバンド直角位相信号およびベースバンド同相信号を提 供するデジタルトランスレータ、 を具備するダウンコンバータ。 2.さらに、前記ヒルバート変換ネットワークおよび前記遅延要素に動作可能 に結合され前記パスバンド直角位相成分および前記パスバンド同相成分を交替的 に選択して前記パスバンド直角位相成分およびパスバンド同相成分の内の選択さ れた成分を前記デジタルトランスレータに提供するセレクタを具備する、請求項 1に記載のダウンコンバー タ。 3.前記デジタルトランスレータは、 前記セレクタから前記選択されたパスバンド直角位相成分を受信しかつ第1の 所定のパターンに基づき前記選択されたパスバンド直角位相成分を変更して前記 ベースバンド直角位相信号を提供する直角位相トランスレータ、そして 前記セレクタからの前記選択されたパスバンド同相成分を受信しかつ第2の所 定のパターンに基づき前記パスバンド同相成分を変更してベースバンド同相信号 を提供する同相トランスレータ、 を具備する、請求項2に記載のダウンコンバータ。 4.さらに、前記アナログーデジタル変換器からデジタル信号を受信しかつ該 デジタル信号を前記変換ネットワークおよび前記遅延要素に交替的に提供するデ シメータを具備する、請求項1に記載のダウンコンバータ。 5.前記デジタルトランスレータは、 前記ヒルバート変換ネットワークに動作可能に結合され第1の所定のパターン に基づき前記パスバンド直角位相成分を変更して前記ベースバンド直角位相信号 を提供する直角位相トランスレータ、そして 前記遅延要素に動作可能に結合され第2の所定のパターンに基づき前記パスバ ンド同相成分を変更して前記ベースバンド同相信号を提供する同相トランスレー タ、 を具備する、請求項4に記載のダウンコンバータ。 6.前記デジタルトランスレータはさらに前記変換ネットワークおよび前記遅 延要素に動作可能に結合され前記所定のパターンおよび擬似ランダムシーケンス の双方に基づき前記パスバンド直角位相成分およびパスバンド同相成分を変えて ベースバンド直角位相信号およびベースバンド同相信号を提供する擬似ランダム シーケンス復調器を具備する、請求項1に記載のダウンコンバータ。 7.さらに、 前記ヒルバート変換ネットワークおよび前記遅延要素に動作可能に結合されて 所定のパターンに基づき前記パスバンド直角位相成分およびパスバンド同相成分 を変えて早期ベースバンド直角位相信号および早期ベースバンド同相信号を提供 する早期トランスレータ、 前記ヒルバート変換ネットワークおよび前記遅延要素に動作可能に結合されて 所定のパターンに基づき前記パスバンド直角位相成分およびパスバンド同相成分 を変えて後期ベースバンド直角位相信号および後期ベースバンド同相信号を提供 する後期トランスレータ、そして 前記早期トランスレータ、前記後期トランスレータおよび前記デジタルトラン スレータに動作可能に結合され前記選択された信号の品質に基づき前記早期、後 期およびデジタルトランスレータの内の1つからベースバンド直角位相信号およ びベースバンド同相信号を選択するセレクタ、 を具備する、請求項1に記載のダウンコンバータ。 8.前記成分は2進数からなりかつ前記デジタルトランスレータは前記所定の パターンに従って該2進数の符号を変更する、請求項1に記載のダウンコンバー タ。 9.さらに、前記ベースバンド直角位相信号および前記ベースバンド同相信号 から実質的にDCを除去するよう動作可能に結合されたDCエスティメータを具 備する、請求項1に記載のダウンコンバータ。 10.信号をダウンコンバートする方法であって、 (a)中間周波信号をあるサンプリングレートでサンプリングしてデジタル信 号を生成する段階、 (b)前記デジタル信号を変換してパスバンド直角位相成分を生成する段階、 (c)前記デジタル信号を遅延させてパスバンド同相成分を生成する段階、そ して (d)少なくとも1つの所定のパターンに基づき前記パスバンド直角位相成分 およびパスバンド同相成分を変えてベースバンド直角位相信号およびベースバン ド同相信号を提供する段階、 を具備する信号をダウンコンバートする方法。
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