【発明の詳細な説明】
誘導体化カルシトニン
発明の背景
骨は、動的な組織であり、そして大人の骨格における恒常性は、新たな骨の形
成と先に形成された骨との間の平衡を要求する。カルシトニン、すなわち、哺乳
動物の甲状腺及び胸腺から分泌されるペプチド・ホルモンは、骨の恒常性の維持
において重要な役割を演じている。カルシトニンは、破骨細胞、すなわち、骨再
吸収を仲介する骨組織内の細胞、上にあるレセプタに結合する。カルシトニンは
、その破骨細胞を固定化し、このようにその血清中へ骨により放出されるカルシ
ウムの量における結果として生じた減少により骨再吸収を阻害する。骨再吸収の
この阻害は、骨粗しょう症のための治療としてのカルシトニンの使用により行わ
れてきた。
カルシトニンは、哺乳動物の胸腺及びより下等な脊椎動物の鯉後部(ultimobr
anchial)腺内で生じる。公知の天然カルシトニンは、アミド化カルボキシ末端
を、そしてその1と7位にあるシステイン残基間に分子内ジスルフィド結合もつ
全32アミノ酸ポリペプチドである。
現在、サケ・カルシトニンが、骨粗しょう症の治療のためにヒト・カルシトニ
ンを超えて好まれている。サケ・カルシトニンのための全世界マーケットは、年
間$500百万を超えている。サケ・カルシトニンは、カルシトニンのヒト形態より
も骨再吸収を休止することにおいてかなり有効であることが示されている。なぜ
サケ・カルシトニンが骨粗しょう症の治療においてヒト・カルシトニンよりも有
効であるかについての幾つかの仮説が存在する。これらの仮説は:1)
サケ・カルシトニンが分解に対してより抵抗性である;2)サケ・カルシトニン
がより低い代謝的クリアランス速度(MCR)をもつ;3)サケ・カルシトニンが
僅かに異なる立体配置をもつことができ、骨レセプタ部位についてのより高いア
フィニティーをもたらす、を含む。
ヒトにおける骨粗しょう症の治療のためのサケ・カルシトニンの使用に関連す
る利点にもかかわらず、欠点もまた存在する。サケ・カルシトニンは、注射によ
り投与され、この方法は、多くの患者がいやがるものである。さらに、いくらか
の患者は、非ヒト・カルシトニンに対する抗体を顕出する。それ故、より安価で
、投与するのにより便利で且つ非免疫原性である骨再吸収の有効な阻害剤である
サケ、ヒト又は他のカルシトニンの新たなアナログが必要である。
発明の要約
本発明の目的は、低カルシウム血症活性を強化され、そして/又はインビボに
おける半減期を延長された新規のカルシトニン誘導体を提供することである。
本発明のさらなる目的は、新規のカルシトニン誘導体を含んで成る医薬組成物
、並びにその医薬組成物の投与により患者における血清カルシウムを減少する方
法を提供することである。
1つの態様においては、本発明は、
から成る群から選ばれた化合物{ここで、Rが場合により環当たり1又は2の環
窒素原子を含む置換又は非置換ビアリール;N、S及びOから成る群から選ばれ
た環当たり1又は2の複素原子を含む置換又は非置換複素環アルキル;N、S及
びOから成る群から選ばれた環当たり1又は2の環複素原子を含む置換又は非置
換bis-複素環アルキル;又はN、S及びOから成る群から選ばれた環当たり1〜
4の複素原子を含む置換又は非置換複素アリールである。}、及び医薬として許
容されるそれらの塩を提供する。
他の態様においては、本発明は、式R-N-CT{式中、CTがヒト、サケ、ウナギ、
ラット、ブタ、ウシ、ヒツジ及びニワトリのカルシトニン及び生物学的に活性な
誘導体並びにそれらの変異体からなる群から選ばれたカルシトニン、又はそれら
の医薬として許容される塩であり;Nがアミド結合であり;そしてRが場合によ
り環当たり1又は2の環窒素原子を含む置換又は非置換ビアリール;N、S及び
Oから成る群から選ばれた環当たり1又は2の環複素原子を含む置換又は非置換
複素環アルキル;N、S及びOから成る群から選ばれた環当たり1又は2の複素
原子を含む置換又は非置換bis-複素環アルキル;又はN,S及びOから成る群か
ら選ばれた環当たり1〜4の複素原子を含む置換又は非置換複素アリールである
。}により表される化合物を提供する。
第三の態様においては、本発明は、式X-(R-N-CT)n{式中、Xが遷移金属の
イオンであり;Rが複素環アルキル又は複素アリール基であり;CTがヒト、サケ
、ウナギ、ラット、ブタ、ウシ、ヒツジ及びニワトリのカルシトニン及び生物学
的に活性な誘導体並びにそれらの変異体からなる群から選ばれたカルシトニン;
Nがアミド結合であり;そしてn=2又は3である。}により表される化合物を
提供する。これらの化合物の医薬として許容される塩も提供する。
先に開示した化合物は、医薬組成物を製造するために医薬として許容される担
体と併合される。これらの組成物は、とりわけ、患者における血清カルシウムを
減少するために有用である。
略号のリスト
DMSO ジメチルスルホキシド
BHA ベンズヒドリルアミン
MBHA 4ーメチルベンズヒドリルアミン
FMOC 9-フルオレニルメトキシカルボニル
BOC t-ブチルオキシカルボニル
Trit トリチル
But t-ブチル
PMC 2,2,5,7,8-ペンタルメチルクロマン-6-スルホニル
BOP ベンゾトリアゾールイル-N-オキシトリスジメチルアミノホスホ
ニウム・ヘキサフルオロホスフェート
PyBOP ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ・ホスホ
ニウム・ヘキサフルオロホスフェート
PyBOrP ブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウム・ヘキサフルオロホス
フェート
HBTU [2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)1,1,3,3-テトラメチル・
ウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
DIEA ジイソプロピルエチル・アミン
Bt3N トリエチルアミン
DMF ジメチルスルホキシド
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
AAA アミノ酸分析
DCM 塩化メチレン
SCT サケ・カルシトニン
TFA トリフルオロ酢酸
DIC ジイソルプロピル-カルボジイミド
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
FAB-MS Fast Atom Bombardment-質量分析
図面の簡単な説明
図1、2及び3は、本発明の代表である化合物を使用した血清カルシウム・レ
ベルを測定する検定の結果を表している。BP4,4-CT(ZP-1)は、誘導体化カルシ
トニン化合物であり、SCTはサケ・カルシトニンである。
発明の詳細な説明
本発明は、新規の誘導体化されたカルシトニン分子を提供する。これらの分子
は、モノマー及びマルチマーの両方の形態で提供される。本発明の誘導体化され
たカルシトニンは、より高い特異的な活性、増加された半減期、増加された安定
性及び減少された免疫原性を含む、現在入手可能なカルシトニンを超える様々な
利点を提供する。
本発明の誘導体化カルシトニンは、誘導体化されたヒト、サケ、ウナギ、ラッ
ト、ブタ、ヒツジ及びニワトリのカルシトニンである。サケ及び、特に、ヒト・
カルシトニンが好ましい。これらのカルシトニンは、生来の野性型分子から誘導
されることができ、又は生物学的活性をもつカルシトニンの修飾された形態から
誘導されることができる。様々な修飾されたカルシトニンが本分野において公知
であり、アミノ酸の置換(例えば、米国特許第4,824,936号;第4,76
4,589号;第4,663,309号及び第4,658,014号)、欠失(例えば、米国特許第4,820
,804号;第4,764,591号;第4,669,511号;第4,605,514号及び第4,537,716号)を
もつカルシトニン並びにD-アミノ酸置換を含むカルシトニン(米国特許第4,652,
627号)を含む。用語”生物学的に活性”を、本明細書中、骨再吸収阻害活性を
示すカルシトニンを意味するために使用する。低カルシウム血症活性及びcAMPの
レセプタ−仲介刺激は、カルシトニンの骨再吸収阻害活性の指標である。
本発明に係る分子は、カルシトニンを、場合により環当たり1又は2の環窒素
原子を含む置換又は非置換ビアリール;N、S及びOから成る群から選ばれた環
当たり1又は2の環複素原子を含む置換又は非置換複素環アルキル;N、S及び
Oから成る群から選ばれた環当たり1又は2の複素原子を含む置換又は非置換bi
s-複素環アルキル;及びN、S及びOから成る群から選ばれた環当たり1〜4の
複素原子を含む置換又は非置換複素アリールから成る群から選ばれた環式、多環
式又は複素環式部分であってアミド結合を介してそのカルシトニンのN-末端シ
ステイン残基に結合されているものと、併合することにより形成される誘導体化
されたアミノ末端を特徴とする。従って、本発明の1の態様においては、カルシ
トニンは、N-末端誘導体化カルシトニンを作るために上記の部分の中の1のカ
ルボン酸と反応する。
本明細書中に使用するとき、用語、環式、多環式、複素環式、複素環式アルキ
ル及びその均等物は、環当たり3以上の原子をもつ環構造を意味するために使用
される。一般的に、これらの構造は、環当たり9以下の原子、好ましくは環当た
り5、6又は7原子をもつであろう。但し、12以上の環原子を含む構造を使用す
ることもできる。用語ビアリール、複素アリール及びその均等物は、環当たり5
以下の原子、好ましくは環当たり5〜8の環原子、より好ましくは5又は6の環
原子をもつ芳香族環構造を意味するために使用される。
本発明においては、環式、多環式、及び複素環式部分は、縮合環基当たり2〜
3環を含む縮合環構造を含む。好ましい縮合環構造は、以下の構造:
{構造中、X、X1、X2、X3、Y、Y1、Y2及びY3が個々にC又はNであり、
そしてR’が直鎖状C1-C8アルキル、分枝C1-C12アルキル、ニトロ、ヒドロ
キシ、カルボキシ、トリフルオロメチル、カルボキシアミド、スルフヒドリル、
シアノ、ハロ、アルコキシ、エステル又はHである。}をもつビアリール部分を
含む。
第二群の好ましい縮合環構造は、以下の構造:
{構造中、X,及びY4が個々にC、N、O又はSであり、X5、X6、Y5、Y6
が個々にC又はNである。但し、X4がS又はOであるとき、X5はCでなければ
ならず、そしてY4がS又はOであるとき、Y5はCでなければならず、そしてR
’が先に定義したものと同じである。}を含む。第三群の好ましい縮合環構造は
、以下の構造:
{構造中、XがN、O又はSであり;YがC又はNであり;n=1又は2;そし
てR’が先に定義したものと同じである。}をもつ複素環式アルキル部分を含む
。第四群の好ましい縮合環構造は、以下の構造:
{構造中、X、X1、Y及びY1が個々にN、O又はSであり、そしてR’が先に
定義したものと同じである。}をもつbis-複素環式アルキル部分を含む。第五群
の好ましい縮合環構造は、以下の構造:
又は以下の構造:
{構造中、XがC、O、S又はNであり;Y、Z及びAが個々にC又はNであり
、そしてR’が先に定義したものと同じである。}をもつ複素アリール部分を含
む。
カルシトニン誘導体の好ましいクラスは、以下の式:
{式中、X1及びY1が個々にC又はNであり、そしてR’が直鎖状C1−C8アル
キル、分枝C1−C12アルキル、ニトロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、カ
ルボキシ、カルボキシアミド、スルフヒドリル、シアノ、ハロ、アルコキシ、エ
ステル又はHである。}により表される化合物の付加により修飾されたものを含
む。このクラスの特に好ましいメンバーは、以下の化合物:
の付加により修飾されたものを含む。
カルシトニン誘導体の第二の好ましいクラスは、以下の式:
{式中、n=1又は2;X2がN、O又はSであり;Y2がC又はNであり;そし
てR’が先に定義したものと同じである。}により表される化合物の付加により
修飾されたものを含む。このクラスの特に好ましいメンバーは、以下の化合物:
の付加により修飾されたものを含む。
カルシトニン誘導体の第三の好ましいクラスは、以下の式:
{式中、X3及びY3が個々にN、O又はSであり、そしてR’が先に定義したも
のと同じである。}により表される化合物の付加により修飾されたものを含む。
このクラスの特に好ましいメンバーは、以下の化合物:
の付加により修飾されたものを含む。
カルシトニン誘導体の第四の好ましいクラスは、以下の式:
{式中、Y4がO、S又はNであり、X4、Z及びAが個々にC又はNである。但
し、Y4がO又はSのときX4がNではなく;そしてR’が先に定義したものと同
じである。}により表される化合物の付加により修飾されたものを含む。このク
ラスの特に好ましいメンバーは、以下の化合物:
の付加により修飾されたものを含む。
カルシトニン誘導体の第五の好ましいクラスは、以下の式:
{式中、X5がNであり、Y5がC又はNであり、そしてR’が先に定義したもの
と同じである。}により表される化合物の付加により修飾されたものを含む。こ
のクラスの特に好ましいメンバーは、以下の化合物:
の付加により修飾されたものを含む。
カルシトニン誘導体の第六の好ましいクラスは、以下の式:
{式中、X5がNであり、Y5がC又はNであり、そしてR’が先に定義したもの
と同じである。}により表される化合物の付加により修飾されたものを含む。
上記の化合物においては、式中、R’がCO2H又はHであるものが特に好ま
しい。
本発明に係るカルシトニン誘導体は、ペプチドの合成のために慣用に使用され
る固相又は溶液相の方法により合成されることができる(例えば、Merr1field,
R.B.J.Amer.Chem.Soc.85:2149-2154,1963;Birr,C.Aspects of the Me rrifield Peptide Synthesis
,Springer-Verlag,Heidelberg,1978;Carpino,
L.A.,Acc.Chem.Res.6:191−198,1973;Kent S.B.,Ann.Rev.Biochem.5
7:957-989,1988;Gregg et al.Int.J.Peptide ProteinRes.35:161-214,1
990;The Peptides,Analysis,Synthesis,Biology,Vol.1,2,3,5:Gross
,E and Meinhofer,J.eds.,Acad.Press,New York,1979;及びStewart et a
l.,Solid Phase Peptide Synthesis,2nd.ed.Pierce Chem.Co.,Rockford,
11,1984;(これらを、引用により本明細書中に取り込む。)を参照のこと。)
固相方法論の使用が好ましい。簡単に言えば、N-保護されたC-末端アミノ酸残
基は、不溶性支持体、例えば、ジビニルベンゼン架橋ポリスチレン、ポリアクリ
ルアミド樹脂、Kieselguhr/ポリアミド(ペプシンK)、制御細孔ガラス、セル
ロース、ポリプロピレン膜、アク
リル酸コート・ポリエチレン棒、等に結合される。順番に保護されたアミノ酸誘
導体の脱保護、中和(BOC化学の場合、下を見よ。)及びカップリングのサイク
ルを、そのアミノ酸配列に従ってそのC-末端からアミノ酸を結合するために使
用する。好ましい固体支持体は、ジビニルベンゼン架橋ポリスチレン樹脂であっ
て、これは、様々な官能化形態で商業的に入手可能なものであり、クロロメチル
樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、パラアセトアミドメチル樹脂、ベンズヒドリル・
アミン(BHA)樹脂、p-メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂、オキシム樹
脂、4-アルコキシベンジル・アルコール樹脂、4-(2',4'-ジメトキシフェニルア
ミノメチル)-フェノキシメチル樹脂、2,4-ジメトキシベンズヒドリルアミン樹
脂、及び4-(2',4'−ジメトキシフェニル-FMOC-アミノメチル)-フェノキシアセ
トアミドノルロイシル-MBHA樹脂(RinkアミドMBHA樹脂)を含む。BHA、MBHA及び
RinkアミドMBHA樹脂が特に好ましい。なぜなら、それらは、その樹脂からのその
ペプチド鎖の解裂後にC-末端アミドを直接的に提供するからである。本発明にお
ける使用のために特に好ましいのは、(NovaBiochem,La Jolla,CAから入手可
能な)RinkアミドMBHA樹脂である。上記アミノ酸のα−アミノ基のための好まし
い保護基は、酸に不安定なt-ブチルオキシカルボニル(BOC)である。BOCは、
好適な溶媒、例えば、塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸(TFA)を使用して脱
保護される。得られたTFA塩は、塩基、例えば、ジイソプロピルエチル・アミン
(DIEA)又はトリエチルアミン(Et3N)により中和され、次にその保護されたア
ミノ酸誘導体により結合される。α-アミノ酸のための他の好ましい保護基は、
塩基に不安定な9-フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)である。BOC及びFM
OC基と化学的に適合性のアミノ酸の側鎖官能基のための好適な保護基は、本分野
においてよく知られている。FMOC化学を使用するとき、以下の保護
アミノ酸誘導体が好ましい:FMOC-Cys(Trit)、FMOC-Ser(But)、FMOC-Asn(T
rit)、FMOC-Leu、FMOC-Thr(Trit)、FMOC-Val、FMOC-Leu、FMOC-Gly、FMOC-Ly
s(Boc)、FMOC-Gln(Trit)、FMOC-Glu(OBut)、FMOC-His(Trit)、FMOC-Tyr
(But)、FMOC-Arg(PMC)、及びFMOC-Pro。これらのアミノ酸残基は、本分野に
おいて公知の様々なカップリング剤及び化学物質を使用して、例えば、DIC、DCC
又はBOPによる直接カップリングにより;前形成対称無水物を介して;活性エス
テル、例えば、ペンタフルオロフェニル・エステルを介して;又は前形成HOBt活
性エステルを介して、結合されることができる。ヒドロキシベンゾトリアゾール
(HOBt)の存在中のHBTU([2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル),1,1,3,3-テ
トラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスホネート])による活性化が好まし
い。
固相法を主動で行うことができるが、商業的に入手可能なペプチド合成装置(
例えば、Applied Biosystems 431A等)上の自動化合成が好ましい。典型的な合
成においては、FMOC-Rink-アミドMBHA樹脂をNMP中の20%ピペリジンにより処理
してそのFMOC基を除去する。その樹脂をNMPにより洗浄した後、第一アミノ酸(C
-末端FMOC-Pro)をHBTU/HOBt法を使用してその樹脂上にロードする。(20%ピペ
リジン/NMPによる)その後の脱保護及びABI FastMocプロトコール(ABIユーザー
報32及び33、Applied Biosystems Inc.)に従ったカップリング・サイクルを全
ペプチド配列を構築するために使用する。
N-末端修飾基を付着する前に、ペプチドの同定及び完全性を、例えば、Reagen
t K(0.75 g結晶フェノール、0.25 mlエタンジチオール、0.5mlチオアニソール
、0.5ml脱イオン水、10 ml TFA)等によるFMOC-ペプチド樹脂の小部分の解裂に
より、確立する。ペプチドを沈殿させ、そしてエーテルにより洗浄し、逆相HPLC
により精製し、そしてアミノ酸分析及び質量分析により特徴付けする。
カルシトニンのアミノ末端を次に誘導体化する。FMOC化学を使用するとき、そ
のペプチド樹脂のN-末端FMOC基を典型的にはDMF中の20%ピペリジンにより20〜3
0分間脱保護する。樹脂を濾過し、DMF及びDCMにより完全に洗浄し、そして乾燥
させる。(R基を導入するための)N−末端修飾のために使用されるべきカルボ
キシル誘導体は、ペプチド合成において使用される同一活性化手順、例えば、カ
ルボジイミド-仲介カップリング;混合無水物;不斉無水物;前形成活性エステ
ル;塩化アシル;HOBtを伴うか又は伴わないBOP、PyBOP若しくはPyBrOP-仲介カ
ップリング;あるいは、本分野において公知のそれらの変法及び改良法(例えば
、Coste et al.,Tetrahedron Lett.31: 669,1990及びCoste et al.,Tetrahe dron Lett
.31:205,1990を参照のこと。)により、その樹脂−結合ペプチドのN
-末端アミノ基に結合されることができる。カップリングは、手動又は自動化手
段により行われることができる。特に好ましい方法は、そのカルボン酸誘導体の
HOBtエステルを作るために、室温においてDCMとDMFの混合物中でHPBtとHPBtとDI
Cとそれを反応させることによりそのカルボン酸誘導体を最初に前活性化するこ
とである。この混合物を次に、脱保護されたペプチド樹脂に添加し、そしてその
懸濁液を室温において振とうする。反応の後にKaiserテストを行う。次に樹脂を
濾過し、DMFとDCMにより洗浄し、そして乾燥させる。
誘導体化しペぺプチドを樹脂かあら解裂させ、そして適当なスキャベンジャー
を含むTFAによる処理により脱保護する。多くのこのような解裂試薬、例えば、
試薬Kその他を使用することができる。
修飾されたペプチドをエーテル沈殿により濾過及び単離することにより樹脂から
分離する。さらなる精製を慣用の方法、例えば、ゲル濾過及び逆相HPLCにより達
成することができる。
カルシトニンの1と7位における2つのシステインの間のジスル
フィド結合を慣用の方法に従って、例えば、空気酸化又はフェリシアン化カリウ
ム又はDMSOによる酸化により、形成する(Tam et al.J.Am.Chem.Soc.113:66
57-6662,1991)。特に好ましい方法は、DMSOによる酸化である。HPLC又はE11ma
n's試薬によりモニターするとき、その酸化反応が終了した後、そのペプチドを
単離し、そしてHPLCにより精製し、そして分析的HPLC及び質量分析により精製に
ついて分析する。
本発明の他の態様において、マルチマー・カルシトニンを提供する。複素環式
アルキル又は複素アリール基により誘導体化されたカルシトニンを、遷移金属の
イオンと併合して錯体を形成する。これに関して好ましいカルシトニン誘導体は
、2つの環窒素原子を含む直鎖状2環式部分、例えば、ビピリジン又はビピリジ
ン-様部分の付加により修飾されたものである。例えば、ジカルボキシ-ビピリジ
ンにより誘導体化されたサケ・カルシトニンは、Fe2+との3:1モル錯体を形
成する。これに関して有用な他の金属は、Cr3+、Fe3+、Mn2+、Co2+、
Co3+、Ni2+、Cu2+、Cu+及びZn2+を含む。錯体の好ましい調製方法は
、適当な金属塩の水溶液による修飾されたカルシトニンの滴定による。
本発明に係るカルシトニン誘導体は、医薬として許容される塩、特に有機酸及
び無機酸の塩を含む酸付加塩の形態にあることができる。このような塩の例は、
有機酸、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸
、シュウ酸、琥珀酸、リンンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、サリシル酸、
等の塩を含む。塩基性アミノ酸残基の酸付加塩は、そのペプチドを、当業者によ
く知られた手順に従って適当な酸又は鉱物により処理することにより調製され、
又は所望の塩を、その適当な酸からの凍結乾燥により直接的に得ることができる
。
本発明に係る化合物は、低カルシウム血症活性をもち、そして血清カルシウム
の減少及び骨代謝の調節のためのヒト及び脊椎動物の医薬として有用である。本
発明に係る化合物を、例えば、骨粗しょう症、パジェット病、上皮小体穴進症、
骨軟化症、小児の特発性抗カルシウム血症、及び他の症状の治療において、使用
することができる。本カルシトニン誘導体は、急性膵臓炎及び胃腸失調の治療に
おける胃の分泌を阻害するために使用することもできる。
医薬組成物は、毎日〜1週間の間隔で投与される。このような医薬組成物の”
有効量”は、血清カルシウムにおける臨床的に有意な減少、骨再吸収の阻害、胃
の分泌の阻害又は他の効果を提供する量である。このような量は、部分的に、患
者の、治療されるべき特定の症状、年齢、体重、一般的な健康、並びに当業者に
自明な他の要因に依存するであろう。本カルシトニン誘導体の治療的に有効な投
与量の濃度は、その指示に広く依存して変化することができ、そして本分野にお
いてよく知られている。例えば、骨粗しょう症の治療のための治療的投与量は、
一般的に50〜150国際単位(I.U.)の範囲内にある。効力は、ラットにおけるそ
の低カルシウム血症化効果と標準的な調製物のその低カルシウム血症化効果とを
比較することにより推定され、そしてNational Institute for Biological Stan
dards and Control,Holly Hill,Londonにより配付されたInternational Refer
ence of Preparation中に記載されたように、国際単位において表される。有意
に強化された半減期をもつ化合物は、より低い濃度において投与されることがで
きる。
カルシトニン誘導体及びそれらの医薬として許容される塩は、慣用の方法に従
って非経口、経口、経鼻、直腸又は経皮投与のために、医薬として許容される担
体と配合される。配合物は、さらに、1以上の希釈剤、増量剤、乳化剤、保存剤
、バッファー、賦形剤、等を
含むことができ、そして液体、粉体、エマルジョン、座剤、リポソーム、経皮パ
ッチ、錠剤、等のような形態で、提供されることができる。当業者は、適用なや
り方で、そして許可された慣行、例えば、Remington'sPharmaceutical Science
,Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1990(これを、引用によ
りその全体として本明細書中に取り込む。)中に開示されたものに従って、本発
明に係る化合物を配合することができる。
以下の実施例を限定ではなく、説明のために提供する。実施例1 A. サケ・カルシトニンの合成
:
直鎖状の保護されたサケ・カルシトニン(SCT)を、FMOC化学及びHOBt及びHBT
U活性化方法論を使用してApplied Biosystems,Inc.(Foster City,CA)431Aペ
プチド合成装置により合成した。0.43mM置換(580mg)によるRinkアミドMBHA
樹脂(Nova Biochem,La Jolla,CA)を使用した。すべてのカップリングは〉98
.5%であった。この合成の終わりに、樹脂をNMP及びCH2Cl2により十分に洗浄し
、そして乾燥させた。樹脂-結合FMOC-SCTの小部分(27mg)を脱保護し、そして1
0mlの試薬K中で2.5時間にわたり解裂させた。樹脂を濾過し、そして溶液を蒸発
させた。樹脂を40分間の0-60%Bのグラジエント(溶媒A:水中0.1%TFA及び溶
媒B:アセトニトリル中0.1% TFA)を使用してVydac C-4(2.2x25cm)HPLCカラム
上でクロマトグラフィーにかけて純粋なFMOC-SCTを提供した。このペプチドの保
持時間は、36.38分であった。ペプチドをアミノ酸分析及び質量分析(ms3656.33
)により特徴付けして樹脂へのサケ・カルシトニン結合の完全性を確立した。B.ビピリジン-修飾カルシトニン(ZP-1又はBP4,4-CT)の調製
:
2,2'-ビピリジン-4,4'-ジカルボン酸(0.2mM)を攪拌バー及び乾燥チューブを
備えたフラスコ内でCH2Cl2中の5%ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の3ml中
に溶解した。N-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(O.5mM)及びジイソプ
ロピルカルボジイミド(DIC)(0.5mM)を添加してHOBtジエステルを形成し;45
分間攪拌した後、溶液は清澄になり、そして僅かに黄色に変わった。SCT-樹脂(
100mg)をDMF中の20%ピペリジンにより処理してN-末端保護基を除去した。脱保
護されたSCT-樹脂を2,2'-ビピリジン・カルボン酸HOBtジエステルの溶液に添加
した。この混合物を、一夜攪拌維持した。遊離NH2基についての陰性Kaiserテス
トは、カップリングが完全であることを示した。このSCT-樹脂をDMF及びCH2Cl2
により洗浄した。
ビピリジン-修飾SCTの還元形態を試薬Kによりその樹脂から解裂させ、そして
逆相HPLCにより精製した。0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルと水の
混合物をHPLC溶媒として使用した。線型グラジエント(20%CH3CN/水〜80%CH3CN
/水20分間)をそのペプチドを溶出するために使用した。主要ピークを集め、そ
して凍結乾燥した。得られたペプチドを、5mg/mlのペプチド濃度において、15%
DMSOを含む1%水性重炭酸アンモニウム溶液中に最初にそのペプチドを溶解する
ことにより酸化した。その混合物を室温において一夜放置した後、その生成物を
単離し、そして逆相HPLCにより精製した。収量は15mgであった。精製されたペプ
チドを、質量分析及びAAAを使用して特徴付けした。FAB-MSは、m/e=3660(MH+
)を与えた。AAAは、Asx2.20(2),Glx3.43(3),Ser4.16(4),Gly3.38(3
),His0.98(1),Arg1.19(1),Thr4.96(5),Pro 2.24(2),Tyr1.21(1
),Val 1.00(1),Cys0.86(2),Leu4.54(5),Lys2.22(2)を与えた。
円偏光二色性分光分析を、水性バッファー溶液中のカルシトニン誘導体及びそ
れらのFe(II)錯体の立体配置を研究するために使用した。ビピリジン修飾カル
シトニンの見かけの分子量をFe(II)の存在及び非存在中ゲル濾過及び沈殿平
衡実験により測定した。トリマーのカルシトニン-Fe(II)錯体の会合定数及
び季離速度をUV分光光度計により測定した。C.ニコチン酸−修飾カルシトニンの調製(ZP-5又はNic-SCT)
ニコチン酸(3.7x10-5mol)を数滴のDMF中に溶解した。DIC(3.7x10-5mol)
を次に添加した。混合物を約10分間、室温において振とうし、その後、脱保護し
たSCT-樹脂を添加した。カップリング反応を上記Kaiserテストを使用してその後
行った。その懸濁物を一夜振とうした。
Nic-SCTを、Nic-ACT樹脂と試薬K(1.65ml TFA)0.112ml 88%フェノール、0.09
8ml H2O、0.1mlチオアニソール、0.05mlエタンジオール)とを混合することによ
りその樹脂から解裂させた。反応混合物を室温において2.5時間振とうし、そし
て次にその混合物を濾過して樹脂を除去した。ペプチドを冷エーテル中で沈殿さ
せ、そして遠心分離により回収した。この沈殿をエーテルにより3回洗浄し、そ
して約1時間デシケーター内で乾燥させた。乾燥ペプチドを0.5ml H2O中で溶解
させ、そして次にSephadex G-15カラムに適用した。このカラムを5%酢酸により
溶出した。ペプチドを270nmにおける吸光により検出した。このペプチドを含む
画分をプールし、そして凍結乾燥した。
Nic-SCTをC4−分析用カラム(Vydac,Hesperia,CA)を使用して逆相HPLCによ
り分析した。このHPLCを270nmにおいてモニターした。溶出液は、1%TFAを含むア
セトニトリル及び水であった。20分
間の20%から80%までのアセトニトリルのグラジエントをNic-SCTを溶出させる
ために使用した。主要ピーク(55%アセトニトリル)を集め、そして凍結乾燥し
た。ペプチドの全量は、約18 mgであった。
Nic-SCT(18mg)をDMSOにより酸化して分子内ジスルフィド結合を形成させた
。Nic-SCTの還元形態の消失の後にE11man's試薬が続いた。開始濃度は、10%DMSO
を含むバッファー溶液(2%NH4HCO3、pH8.0)中2mg/mlであった。この混合物を
一夜攪拌した。酸化されたNic-SCTのHPLCは単一ピークを示し、そしてその保持
時間(59%アセトニトリル)は、その還元形態(55%アセトニトリル)のものよ
りも長かった。酸化されたNic-SCTは、HPLCに基づき〉95%純粋であることが判
明した。純粋なペプチドの全量は、17mgであった。D.ピコリニル−修飾カルシトニン(ZP-6又はPiC-SCT)の調製
Pic-SCTをNic-SCTについて記載した手順と同様の手順により合成した。ピコリ
ン酸(Picolinic acid)(3.7x10-5mol)を先に記載したように脱保護されたSC
T-樹脂(100mg)に結合させた。Pic-SCTを脱保護し、そして先に記載したような
試薬Kを使用してその樹脂から解裂させた。Pic-SCTを、20分間の20%から80%ま
でのアセトニトリルの線型グラジエントを使用してHPLCにより精製した。主要ピ
ーク(60%アセトニトリル)を集め、そして凍結乾燥させた。ペプチドの全量は
約20mgであった。次に精製したPic-SCTをNic-SCTのために一般的に記載したよう
に酸化した。酸化された形態のHPLCは単一ピークを示し、そしてその保持時間(
61%アセトニトリル)は、その還元された形態のものとほとんど同じであった。
酸化されたpic-SCTは、HPLCに基づき90%純粋であることが判明した(17mg)。
このPic-SCTをさらに追加のHPLCランにより精製した。E.2-ピラジノイル−修飾カルシトニン(ZP-7又は2-Pyr-SCT)の調製
2-Pyr-SCTをNic-SCTについて記載した手順と同様の手順により合成した。2-ピ
ラニジンカルボン酸(3.7x10-5mol)を先に記載したように脱保護されたSCT-樹
脂(100mg)に結合させた。2-Pyr-SCTを脱保護し、そして先に記載したような試
薬Kを使用してその樹脂から解裂させた。2-Pyr-SCTを、20分間の20%から80%
までのアセトニトリルの線型グラジエントを使用してHPLCにより精製した。主要
ピーク(59%アセトニトリル)を集め、そして凍結乾燥させた。ペプチドの全量
は約20mgであった。次に精製した2-Pyr-SCTをNic-SCTのために一般的に記載した
ように酸化した。酸化された形態のHPLCは単一ピークを示し、そしてその保持時
間(61%アセトニトリル)は、その還元された形態のものより僅かに長かった。
酸化された2-Pyr-SCTは、HPLCに基づき〉95%純粋であることが判明した(18mg
)。F.追加の修飾されたカルシトニンの調製
2,2’-ビピリジン-5,5’-ジカルボン酸(ZP-2又はBP5,5-SCT)、4,4’-ビフェ
ニルジカルボン酸(ZP-3又はBPhe-SCT)、イソニペコチン酸(isonipecotic aci
d)(ZP-8又はisonip-SCT)、DL-ピペコリン酸(DL-pipecolinic acid)(ZP-9
又はpip-SCT)及びニペコチン酸(nipecotic acid)(ZP-10又はnip-SCT)修飾
サケ・カルシトニンをNic-SCTについて記載したものと本質的に同一の手順によ
り合成した。これらの化合物を、先に記載したようにHPLCにより精製し、そして
以下に記載するように検定した。実施例2 BP4,4-CTについての特徴付け:カルシトニン・レセプタに結合す る能力
カルシトニン・レセプタに結合する誘導体化されたBP4,4-CT分子の能力を、組
換えヒト・カルシトニン・レセプタ又は内因性ハムスター・カルシトニン・レセ
プタのいずれかを発現する哺乳類細胞におけるサイクリックAMPのレベルを増加
させるその分子の能力を測定することにより検定した。
ヒト・カルシトニン・レセプタを以下にように調製した:ヒト・カルシトニン
・レセプタの発現を指令することができるDNA構築物を含む(寄託番号69067の下
で1992年9月1日にAmerican Type Culture Collection(12301 Parklawn Dr.,
Rockville,MD)にE.coli株XL-1青形質転換体として寄託された)pHOLLEXと命
名されたプラスミドを、同時係属中の米国特許出願逐次番号第07/954,804号(こ
れを、引用によりその全体として本明細書中に取り込む。)中に開示されたよう
に)細胞系BHK/KZ10-20-48をトランスフェクトするために使用した。BHK/KZI0-2
0-48は、サイクリックAMPの存在中下流のコーディング配列の発現を誘導するサ
イクリックAMP応答要素(CRE)にその発現が従属するところのルシフェラーゼ遺
伝子を含むプラスミドによりトランスフェクトされたBHK細胞系である。従って
、例えば、カルシトニン・レセプタへのリガンドの結合による、サイックリック
AMP経路の剌激は、ルシフェラーゼ遺伝子の発現をもたらす。カルシトニン・レ
セプタをもたないベクターは、陰性対照のために細胞系BHK/ZK10-20-48をトラン
スフェクトするために使用された。トランスフェクト体を、500μg/ml G418-ネ
オマイシン及び250 nMメトトレキセートの両方を含む選択的成長培地(5%血清
を含むDulbecco'sModified Eagle Medium(DMEM))中で成長させた。
内因性ハムスター・カルシトニン・レセプタを発現するBHK細胞系を、プラス
ミドKZ10-20-48によりトランスフェクトして先に記載
したCRE-誘導性ルシフェラーゼ・レセプタを提供した。トランスフェクトされた
細胞を、500μg/ml G418-ネオマイシン及び250nMメトトレキセートの両方を含む
選択的成長培地中で培養した。
カルシトニン・レセプタを発現する細胞を、10-13M〜10-6Mのレンジ内にある
濃度においてサケ・カルシトニン(SCT)及び誘導体化カルシトニンに対するCRE
-結合ルシフェラーゼ応答の誘導について3連で検定した。MICROLITE平底組織培
養プレート(Baxter Scientific Products,Chicago,IL)を、各ウェルが100μ
lの選択培地中2x104細胞を含むように設定し、そして細胞を一夜成長させた。S
CT及びGF43を2Xの最終検定濃度において調製して成長培地中10-13〜10-6Mを与え
た。誘導を、そのウェルから古い培地を除去することにより開始させ、そして10
0μlの新たな成長培地及び100μlの3連サンプル・ウェル内のいずれかの2X溶液
を添加した。非誘導ルシフェラーゼ・レベルを3連ウェル内で測定し、それに10
0μlの10%胎児ウシ血清含有DMEMを添加した。プレートを37℃、5%CO2において
4時間インキュベートしてルシフェラーゼの誘導を許容した。誘導後、培地を除
去し、そしてウェルを、200μl/ウェルPBSにより1回洗浄した。洗浄後、20μl
の、保存Cell Culture Lysis Reagent(Luciferase Assay System,Promega Cor
p.,Madison,WI)の(滅菌水中)1:5希釈物を各ウェルに添加し、そしてプレー
トを室温において15分間インキュベートした。プレートを、40μlのLuciferase
Assay Substrate(Luciferase Assay System,Promega)を添加したLabsystems
Luminoskanマイクロタイター発光計(Labsystems Inc.,Morton Grove,IL)に
移し、3秒間その反応物を混合し、そしてウェル当たり2秒間そのルシフェラー
ゼ・シグナルを積分した。各化合物についてのルシフェラーゼの倍誘導を以下の
ように計算した:
検定結果を下表に要約する。
これらのデータは、誘導体化カルシトニンZP-1、ZP-2、ZP-5、ZP-6、ZP-7、ZP
-8、ZP-9及びZP-10が、サケ・カルシトニンと同様のEC50(半最大活性)をもち
、そしてヒト・カルシトニンよりも大きな活性をもつことを示している。ZP-3は
、ヒト・カルシトニンと同様の効力をもつ。実施例3 血清カルシウム・レベルに対するBP-CTのインビボにおける効果
インビボにおけるビピリジン−カルシトニンの生物学的活性を、サケ・カルシ
トニンの作用と比べてマウスにおいてより低い血清カルシウムに対するBP4,4-CT
の能力として測定した。6週齢Swiss-Webster雄マウス(12〜18グラム)に、BP4 ,4
-CT、サケ・カルシトニン又は媒質の単一の皮下注射を与えた。血清カルシウ
ム測定のための血液サンプルを注射後0、1及び4時間の時間間隔において
眼窩洞穿剌から採取した。血清カルシウムをDacos Excel Analyzer(Coulter El
ectronics Company,Hialeah,Fla.)を使用して分析した。化合物は、以下の群
のそれぞれにランダムに指定された8マウスに以下の投与量において与えられた
。
図1、2及び3は、BP4,4-CTとサケ・カルシトニンの等量が投与量依存のやり
方で血清カルシウム・レベルを等しく減少させたことを示している。
本発明の特定の態様を説明の目的のために詳細に説明してきたけれども、本明
細書中に記載した組成物及び方法が本発明の本質及び範囲から外れずに修正され
ることができることは当業者に容易に明らかとなるであろう。従って、本発明は
、添付クレーム以外によっては限定されない。
配列リスト
(1)一般情報:
(i)出願人:ZymoGenetics,Inc.
4225 Roosevelt Way N.E.
Seattle
WA
US
98105
University of Washington
Seattle
WA
US
98105
(ii)発明の名称:誘導体化カルシトニン
(iii)配列の数:2
(iv)宛て先:
(A)宛て名:ZymoGenetics,Inc.
(B)街:4225 Roosevelt Way N.E.
(C)市:Seattle
(D)州:WA
(E)国:USA
(F)郵便番号:98105
(v)コンピュータ読み込み形態:
(A)媒質タイプ:フロッピー・ディスク
(B)コンピュータ:IBM PC互換性
(C)オペレーティング・システム:PC-DOS/MS-DOS
(D)ソフトウェア:PatentIn Release #1.0,Version #1.25
(vi)現出願データ:
(A)出願番号:
(B)出願日:
(C)分類:
(viii)アトーニー/エージェント情報:
(A)氏名:Sawislak,Deborah A.
(B)登録番号:37,438
(C)参照/書類番号:92-20PC
(ix)遠距離通信情報:
(A)電話:(206)547-8080内線427
(B)ファクス:(206)548-2329
(2)配列番号1についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:32アミノ酸
(B)タイプ:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ix)特徴:
(A)名称/キー:修飾-部位
(B)位置:32
(D)他の情報:/標識=アミド化
/注=”C-末端プロリン残基がアミド化されている”
(xi)配列:配列番号1:
(2)配列番号2についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:32アミノ酸
(B)タイプ:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ix)特徴:
(A)名称/キー:修飾−部位
(B)位置:32
(D)他の情報:/標識=アミド化
/注=”C-末端プロリン残基がアミド化されている”
(xi)配列:配列番号2:
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フロントページの続き
(72)発明者 ラブロー,ビレンダー
アメリカ合衆国,ワシントン 98012,ミ
ル クリーク,ワンハンドレッドシックス
ティサード プレース サウス イースト
2814
(72)発明者 佐々木 富和
アメリカ合衆国,ワシントン 98109,シ
アトル,ヘイエス ストリート #16
762