JPH08504592A - 水痘−帯状疱疹ウイルス(vzv)に対するワクチン - Google Patents

水痘−帯状疱疹ウイルス(vzv)に対するワクチン

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JPH08504592A JP6514805A JP51480594A JPH08504592A JP H08504592 A JPH08504592 A JP H08504592A JP 6514805 A JP6514805 A JP 6514805A JP 51480594 A JP51480594 A JP 51480594A JP H08504592 A JPH08504592 A JP H08504592A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、水痘−帯状庖疹ウイルス即時型蛋白175(IEP 175)およびその誘導体の組み換え法による製造方法を開示する−DNAおよびアミノ酸配列は、IEP 175、構造的または機能的相同物ならびに融合蛋白および真核宿主細胞に適合したベクター用に提供される。該蛋白およびその誘導体はVZVに対するワクチンとして使用される。

Description

【発明の詳細な説明】 水痘−帯状庖疹ウイルス(VZV)に対するワクチン 本発明は、水痘−帯状庖疹ウイルス(VZV)の即時型蛋白175ならびにそ の誘導体、およびVZV感染の予防ならびに治療に使用するかかる蛋白からなる ワクチンに関する。 水痘−帯状庖疹ウイルス(VZV)は、水痘(varicella)および帯状庖疹(z oster)の病因学的要因であるヒト・ヘルペスウイルスである。水痘は、初期感 染または初感染から生じ、通常は、子供である間に獲得される比較的良性のもの である。しかしながら、子供のころに水痘にかからなかった成人、および時折、 免疫を有している個体に対して、VZVは生命を脅かすことがありうる。同様に 、VZV感染は、ウイルスが胎盤を通過しうるために、新生児に対してもVZV は生命を脅かすことがありうる。直接接触することにより、水痘は、非常に伝染 性の高いことが知られている。 大部分のへルペスウイルスと同様に、VZVは、増殖が停止しているいくつか の細胞に感染する傾向がある。種々の潜伏期の後、水痘−帯状庖疹(VZ)ウイ ルスは遊離されて他の細胞に感染しうる。このVZウイルスの再活性化は、年間 推定500万件の帯状庖疹を引き起こす(プロトキン(Plotkin)ら,ポストグ ラジュエイティッド・メディシン・ジャーナル(Postgrad Med J)第61巻:1 55〜163頁(1985年))。帯状庖疹は、大脳神経節および末梢神経の炎 症により特徴づけられ、急性の痛みを伴う。現在、該ウイルスを再活性化する因 子は病的であると定義されている。 VZVの弱毒化株て予防接種されたヒトは、VZV感染に対して防御的な免疫 性を獲得していることが示されている(アーベータ(Arbeter)ら,ジャーナル ・オブ・ぺディアトリクス(J.Pedlatr.)第100巻.886〜893頁(19 82年)およびブルネル(Brunell)ら,ランセット(Lancet)第ii巻:106 9〜1072頁(1982年))。この方法は、有効ではあるが、増殖している 水痘 −帯状庖疹ウイルスに対する困難性による限界がある。VZウイルスに対する抗 原性化合物を同定するためにかなりの努力がなされてきた。改良されたVZワク チン、特に、サブユニットワクチンを開発するためには、VZV外套蛋白を単離 することが必要である。フォーガニ(Forghani)ら(ジャーナル・オブ・ウイロ ロジー(J Virol.)第52巻:55〜62頁(1984年))、オークボ(Okub o)ら(ウイロロジー(Virol.)第129巻:357〜3658頁(1983年 ))およびケラー(Keller)ら(ジャーナル・オブ・ウイロロジー第52巻:2 93〜297頁(1984年))は、VZV感染細胞およびVZウイルス粒子か ら、多くのウイルス特異的糖蛋白を同定した。 現在に至るまで、有効な糖蛋白としての外部外套糖蛋白に関して、VZVに対 する組み換え型サブユニットワクチンを製造する努力が集中している。本発明は 、このアプローチとは有意に異なり、引き続いて起こるVZVの攻撃に対する防 御を提供するための、VZVの即時型非構造蛋白の使用に関する。 細胞障害性Tリンパ球(CTL)による抗原認識の機構は、ネイティブな抗原 のペプチドへの分解、MHCへの蛋白分解フラグメントの結合およびその複合体 の細胞表面への輸送を必要とするので、糖蛋白のような必須の膜蛋白だけでなく 、ウイルスによりコードされたポリペプチドはいずれも、T細胞により媒介され る応答の有効な標的でありうる。しかしながら、VZVゲノムはいくつかの非構 造蛋白および内部ウイルス粒子蛋白、さらに外部糖蛋白をコードしているので、 このことにより、多くの有効なCTL標的を生じることとなり、どの蛋白が最も 重要であるかがわからなくなる。 VZV感染は、遊離ウイルスの最小限の存在により特徴づけられる。潜伏期お よび再活性化の間、ウイルスは主に細胞内にある。したがって、再発性疾患は、 高レベルの中和抗体によってさえも防止されず、ウイルスに対するコントロール は細胞により媒介される免疫性に依存する。それゆえ、予防接種により防御を行 うためには、抗体応答のみならずCTL応答を誘導することが望ましい。有効な ワクチンは、潜伏しているウイルスの再活性化の兆候が現れたらできるだけすみ やかに行動することのできる感作CTLを活性化すべきである。 ワクチン目的の予防または治療用の最も重要なCTL標的抗原を同定するため に、本発明は、VZVの複製可能な生活環を考慮した。ウイルスゲノムを有する 細胞内部でのウイルス蛋白合成の開始は、細胞表面でMHC分子により表される ウイルス蛋白フラグメントを発生させ、これを適切な特異性を有するCTLの標 的とする。VZVの複製生活環は約24時間継続し、αまたは即時型(IE)β もしくは初期(E)およびγまたは後期(L)遺伝子産物の定序的発現を含む。 それゆえ、後期の構造遺伝子の発現に先立つ感染細胞に対する初期のCTL攻撃 およびその結果起こる溶解は、新たなウイルス粒子の生成を防止し、それゆえ、 近隣細胞へのウイルス拡散を防止しうる。最も有用であるためには、CTLは、 感染および再活性後に細胞内部に出現するきわめて初期のウイルス蛋白を検出す べきである。 IE蛋白であるIEP 175は、ORF62と命名されたオープンリーティ ングフレームによりコードされており、その蛋白自体、時々IE62と呼ばれる 。 該蛋白は、相対分子量175kDaのリン蛋白であるように思われるが(キン チントン(Kinchlnton)ら,ジャーナル・オブ・ウイロロジー第66巻(1): 359〜366頁(1992年)、予想分子量は140kDaである。該蛋白は 、ヒト・T細胞により認識され(バージェン(Bergen)ら,ウイラル・イミュノ ロジー(Viral Immunol.)第4巻(3):151頁(1991年))、重要な免 疫標的であることが示唆された(バージェンら,ジャーナル・オブ・インフェク シャス・デイジージズ(J.Infectious Diseases)第162巻:1049頁(1 990年))。 当業者に利用可能な、組み換えDNA法を用いて蛋白を製造するための多くの 系があるが、これらの大部分は、IEP 175全長の製造においては成功しな いことが証明されている。例えば、昆虫細胞において該蛋白は分解される。 しかしながら、本発明者らは、ネイティブなIEP 175に対する機能的等 価物および構造的等価物(すなわち、ちょうど同じ大きさのもの)が、CHO細 胞における発現により産生されることを見いだした。 本発明の具体例によれば、ネイティブな蛋白に対する機能的等価物であるVZ V汚染のないIEP 175が提供される。 さらに本発明は、生理学的に機能的なIEP 175の誘導体を包含する。 本発明の1の態様において、本明細書に添付した図1に示す配列と実質的に相 同なアミノ酸配列を有するVZV汚染のないIEP 175蛋白が提供される。 実質的に相同とは、図1に示すアミノ酸配列と、少なくとも75%、好ましく は80%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも 95%の相同性を有するIE175と機能的に等価な蛋白を、本発明が提供する ことを意味する。 IEP 175の好ましい誘導体は、イー・コリ(E.coli)またはCHO細胞 中での発現において分泌されるものである。詳細には、アミノ酸226ないし2 57、およびアミノ酸648ないし733が欠失している分泌性誘導体が提供さ れる。 他の免疫原性誘導体の典型的なものは、例えばgpI、gpII、gpIII、g pIVまたはgpV(時々、gcI、gcII、gcIII等としても知られる)のごと きVZV糖蛋白、他のVZV抗原、あるいはB型肝炎表面抗原のような他の非V ZV抗原由来の1種またはそれ以上のエピトープを有するさらなる配列を含む融 合ポリペプチドであろう。これとは別に、本発明の免疫原性誘導体を、アジュバ ントの場合と同様に免疫剌激特性を有する、あるいはVZV蛋白に対する免疫応 答を高める、またはVZV蛋白の発現、精製もしくは処方に有用なキャリアポリ ペプチドに融合させることができる。 好ましい融合蛋白は、上記のごとく、IEP 175の分泌可能形態に融合し たアンカーレスgpIIからなる。 さらなる態様において、本発明は、異種宿主中で機能しうる調節配列の支配下 にあるIEP 175をコードしている発現可能なDNA分子またはその誘導体 を提供する。詳細には、本明細書に添付した図1に示すDNA配列と実質的に相 同なDNA分子が提供される。実質的に相同とは、図1に示すDNA配列と、少 なくとも75%、好ましくは80%、より好ましくは少なくとも90%、そして 最も好ましくは少なくとも95%の相同性を有するDNA配列を意味する。 IEP 175またはその誘導体をコードしているDNA配列を、当該分野で 知られている塩基の付加、欠失、置換または転移により製造することができる。 図1において、最初のATGはN−末端メチオニンをコードし、最後のTGAは 翻訳終止(すなわちストップ)シグナルである。 本発明のさらなる態様において、水痘−帯状庖疹ウイルスのIEP 175も しくはその誘導体をコードしており、真核宿主細胞、最も好ましくはCHO細胞 中で機能する調節領域に作動するように連結したDNA配列からなる、組み換え 型DNA分子またはべクターが提供される。本発明の別の態様において、水痘− 帯状庖疹誘導体のIEP 175蛋白またはその誘導体の製造方法であって、該 DNA配列を宿主細胞中で発現させ、次いで、その蛋白産物を回収することから なる方法が提供される。 関連した態様において、本発明は、組み換え型DNA分子で形質転換された組 み換え型CHO細胞系を提供する。 さらなる態様において、本発明は、本発明VZV IE175蛋白またはその 誘導体の製造方法であって、該蛋白またはその誘導体をコードしているDNA配 列を組み換え型宿主細胞中で発現させ、次いで、得られた蛋白産物を回収するこ とからなる方法を提供する。 マニアティス(Maniatis)ら,モレキュラー・クローニングーア・ラボラトリ ー・マニュアル(Molecular Cloning-A Laboratory Manual);コールド・スプ リング・ハーバー(Cold Spring Harbor),1982年およびDNAクローニン グ(DNA Cloning)第I、IIおよびIII巻(ディー・エム・グローバー(D.M.Glov er)ら編,IRLプレス・リミテッド(IRL press Limited)に記載のごとき、 慣用的な組み換え法により本発明方法を実施することができる。 かかる暗号配列からなるDNA分子を、既知方法(例えば、mRNA鋳型から 相補的もしくはcDNAを調製)を用いてVZV mRNAから誘導することが でき、あるいはVZVゲノムDNAから単離することができる。エッカー(Ecke r)ら,プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン シズ・ユーエスエイ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)第79巻:156〜160 頁(1982年)、ストラウス(Straus)ら,プロシーディングス・オブ・ナシ ョナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユーエスエイ第79巻:993〜9 97頁(1982年)、ストラウスら,ジャーナル・オブ・ジェネラル・ウイロ ロジー(J.Gen.Virol.)第64巻:1031〜1041頁(1983年)および ダビソン(Davison)ら,ジャーナル・オブ・ジェネラル・ウイロロジー第64 巻:1811〜1814頁(1893年)参照。別法として、gpI、gpIIお よびgpIIIコードしているDNA分子を、標準的なDNA合成法により合成す ることもできる。 よって、さらに本発明は、適当なモノー、ジーまたはオリゴマーヌクレオチド 単位の縮合によりDNA配列を製造する方法を提供する。 上記製造を、化学的、酵素的、あるいはこれら2方法を組み合わせることによ り、適宜、インビトロまたはインビボで行うことができる。よって、バイオケミ ストリー(Biochemistry)第24巻:5090〜5098頁(1985年)にお いてディー・エム・ロバーツ(D.M.Roberts)ら,により記載されたような慣用 的方法によって適当なDNAフラグメントの酵素的ライゲーションを行うことに より、DNA配列を合成することができる。 適当な制限酵素で所望ヌクレオチド配列を含むDNAを消化することにより、 化学合成により、あるいはこれらの方法の組み合わせにより、DNAフラグメン トを得ることができる。 制限酵素での消化を、適当なバッファー中、20〜70℃の温度において、通 常は、0.1〜10μgのDNAとともに50μlまたはそれ以下の体積中で行 うことができる。 DNAの酵素的ポリマー化を、所望のヌクレオチドトリホスフェートdATP 、dCTP、dGTPおよびdTTPを含有するバッファー中、10〜37℃の 温度において、通常は、50μlまたはそれ以下の体積中で、DNAポリメラー ゼI(クレノウフラグメント)のごときDNAポリメラーゼを用いて行うことが できる。 DNAフラグメントの酵素的ライゲーションを、適当なバッファー中、4℃な いし室温において、通常は、50μlまたはそれ以下の体積中で、T4 DNA リガーゼのごときDNAリガーゼを用いて行うことができる。 「ケミカル・アンド・エンザイマティック・シンセシス・オブ・ジーン・フラ グメンツーア・ラボラトリー・マニュアル(Chemical and Enzymatic Synthesis of Gene Fragments-A Laboratory Manual)」(エイチ・ジー・ガッセン(H.G. Gassen)およびエイ・ラング(A.Lang)編),ワインハイム(Weinheim)のフェ ァラーク・ヘミー(Verlag Chemie)、または他の科学出版物、例えば、エム・ ジェイ・ゲイト(M.J.Gait)、エイチ・ダブリュ・ディー・マテス(H.W.D.Matt es)、エム・サイン(M.Singh)、ビー・エス・スプロウト(B.S.Sproat)およ びアール・シー・チトマス(R.C.Titmas),ヌクレイック・アシッズ・リサーチ (Nucleic Acids Research)第10巻:6243頁(1982年);ビー・エス ・スプロウトおよびダブリュ・バンワース(W.Bannwarth),テトラヘドロン・ レターズ(Tetrahedron Letters)第24巻:5771頁(1983年);エム ・ディー・マテウチ(M.D.Matteucci)およびエム・エイチ・カルサーズ(M.H.C aruthers),テトラヘドロン・レターズ第21巻:719頁(1980年);エ ム・ディー・マテウチおよびエム・エイチ・カルサーズ,ジャーナル・オブ・ザ ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(Journal of the American Chemical S ociety)第103巻:3185頁(1981年);エス・ピー・アダムス(S.P. Adams)ら,ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー第1 05巻:661頁(1983年);エヌ・ディー・シンハ(N.D.Sinha)、ジェ イ・ビエルナト(J.Biernat)、ジェイ・マクマナス(J.MacMannus)およびエイ チ・ケスター(H.Koester),ヌクレイック・アシッズ・リサーチ第12巻:4 359頁(1984年);ならびにエイチ・ダブリュ・ディー・マテスら,EM BOジャーナル第3巻、801頁(1984年)に記載のごとき固相法を用いて 、慣用的なホスホトリエステル、ホスファイトまたはホスホラミダイト化学によ り、DNA配列またはフラグメントの化学合成を行うことができる。好ましくは 、自動DNA合成装置を用いる。 好ましくは、DNA配列を、一緒になって蛋白をコードしているDNA配列か らなる、2個またはそれ以上のDNA分子をライゲーションすることにより調製 する。 所望配列を有するベクターを適当な制限酵素で消化することにより、DNA分 子を得ることができる。 正確なDNAの構造およびそれが得られる方法は、所望蛋白産物の構造に依存 する。上記蛋白をコードしているDNA分子を構築するのに適した方法の設計は 、当業者が常に行うことである。 宿主細胞と両立可能なベクターを開裂して線形DNAセグメントを得、ライゲ ーション条件下でIE175蛋白または誘導体をコードしている1つまたはそれ 以上のDNA分子と該線形セグメントとを結合することにより、本発明に従い、 発現べクターを調製することができる。線形セグメントと1つ以上のDNA分子 とのライゲーションを、所望により、同時にまたは引き続いて行ってもよい。か くして、ベクター構築を行っている間に、DNA配列を前以て形成あるいは形成 することができる。 ベクターの選択は、一部には、宿主により決定されるであろう。より詳細には 、本発明の好ましい宿主細胞はCHO細胞である。本発明宿主細胞に適したベク ターとしては、プラスミドおよびコスミドが挙げられる。 DNAの制限的切断、ポリマー化およびライゲーション用の適当な酵素を用い 、例えば、マニアティスら(上で引用)記載の方法により、慣用的にIE175 発現ベクターの調製を行うことができる。ポリマー化およびライゲーションを、 DNAポリマーの調製に関して上に記載したようにして行うことができる。制限 酵素での消化を、適当なバッファー中、20〜70℃の温度において、通常は、 0.1〜10μgのDNAとともに50μlまたはそれ以下の体積中で行うこと ができる。 形質転換条件下で、本発明発現ベクターで宿主細胞を形質転換することにより 、組み換え宿主細胞を調製することができる。適当な形質転換条件は慣用的であ り、例えば、マニアティスら(上で引用)または「DNAクローニング」第II巻 ,ディー・エム・グローバー編、IRLプレス・リミテッド(1985年)に記 載され ている。 ベクターDNAの細胞上へのカルシウム共沈またはエレクトロポレーションに より、培養中の哺乳動物細胞を形質転換することができる。 DNA配列を発現できる条件下での形質転換宿主細胞の培養を、例えば、上記 マニアティスおよび「DNAクローニング」記載のごとく、慣用的に行う。よっ て、好ましくは、細胞に栄養を供給し、45℃未満の温度で培養する。 VZV IE175蛋白発現産物を、宿主細胞に応じた慣用的方法により回収 し、化学的または酵素的に産物を分泌もしくは放出させ、得られる溶解物から蛋 白産物を単離する。産物が分泌可能である場合には、通常、産物を栄養培地から 単離する。 IEP 175蛋白を発現する安定な形質転換哺乳動物細胞系からの単離用に 設計されたベクター、例えば、ウシ・乳頭腫ウイルスベクターまたはチャイニー ズハムスター卵巣細胞中で増幅されたベクター中にDNA配列を組み入れる(「 DNAクローニング」第II巻,ディー・エム・グローバー編、IRLプレス・リ ミテッド(1985年);カウフマン,アール・ジェイ(Kaufman,R.J.)ら,モ レキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー(Molecular and Cellular Biolo gy)第5巻:1750〜1759頁(1985年);パブラキス,ジー・エヌ( Pavlakis,G.N.)およびハマー,ディー・エイチ(Hamar,D.H.)プロシーディン グス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユーエスエイ第8 0巻:397〜401頁(1983年);ゲデル,ディー・ブイ(Goeddel,D.V .)ら,欧州特許出願第0093619号(1983年))。 本発明の1の具体例において、VZV IEP 175蛋白がCHO細胞にお いて発現される。IEP 175蛋白の発現のためには、Tdn発現が好ましい 。かかる系において、VZV蛋白暗号領域からなる発現カセットは、ラウス・肉 腫ウイルス(RSV)プロモーターに作動可能に連結されている。かかるベクタ ーは、イー・コリ(E.coli)または他のある種の適当な原核細胞において増殖す る十分量の細菌DNAを含んでいる。かかるシャトルベクターはさらにVZV暗 号領域に隣接した十分量の真核細胞DNAを含んでおり、真核宿主のゲノム中で の 組み換えおよび選択薬剤としてメトトレキサートを用いる組み込みDNAの増幅 を可能にする。 他のプロモーターと比較すると転写プロモーション効率が高いため、RSVの プロモーターが好ましい。 メトトレキサートに対する感受性のため、CHO DHFR細胞が好ましい。 慣用的な蛋白単離法、例えば、選択的沈殿、吸着クロマトグラフィー、および モノクローナル抗体カラムをはじめとする親和性クロマトグラフィーにより、細 胞培養物からのVZV IPE175蛋白または誘導体の精製を行う。 本発明はさらに、免疫防御量の本発明VZV IEP 175蛋白を含有する ワクチンに関する。「免疫防御」なる語は、ヒトに投与した場合に、引き続いて 起こるVZV感染に対する、疾患を防止または緩和するに十分な量の防御抗体ま たは免疫応答を誘導する十分量のVZV IEP 175蛋白をいう。 したがって、本発明は、医薬担体、賦形剤または希釈剤と混合されたVZVI EP 175もしくはその誘導体からなるワクチン処方を提供する。 本発明ワクチンが、さらに、VZV gpI、gpII、gpIII、gpIVまた はgpVもしくはそれらの切形された誘導体のごとき他の抗原性成分を含有して いてもよい。特に、欧州特許出願公開第0405867に開示されたような切形 されたgpI、gpIIまたはgpIIIが好ましい。 本発明の好ましい具体例において、IEP 175またはIEP 175誘導 体と混合されたアンカーレスgpIIからなるワクチン組成物が提供される。 アンカーレス(anchorless)は、哺乳動物細胞中で発現された場合、分泌を可 能にするC−末端のアンカー領域のすべてを実質的に欠いているVZV糖蛋白誘 導体を意味する。かかる蛋白は、EP−A−0405867に記載されている。 もう1つの具体例において、IEP 175または誘導体を表すアミノ酸配列 およびgpI、gpII、gpIII、gpIVまたはgpVもしくはそれらの誘導体の うちの1つを表すアミノ酸配列からなる融合蛋白よりなるワクチン組成物が提供 される。 さらなる具体例において、VZV感染の治療または予防のためのワクチンの製 造のためのVZV IEP 175またはその誘導体の使用がある。 本発明はさらに、医薬に使用するためのVZV IEP 175またはその誘 導体を提供する。本発明のさらなる態様において、VZV感染に感受性のある、 あるいはVZV感染に苦しんでいるヒトの治療方法であって、安全かつ有効量の 本発明ワクチンを投与することからなる方法を提供する。 各ワクチン投与量中の蛋白量は、典型的なワクチンにおける有意で不利な副作 用なしに免疫応答を誘導する量として選択される。かかる量は、特異的免疫原が 使用され、どの程度それが存在するかによって変更されるであろう。一般的には 、各投与量は1〜1000μg、好ましくは2〜100μg、最も好ましくは4 〜40μgの蛋白からなる。個々のワクチンの最適量は、対象における適当な免 疫応答の観察をはじめとする標準的研究により確認されうる。最初のワクチン接 種の後、十分に間隔をあけて、対象に1回または数回の追加免疫を与える。 VZV感染に感受性のあるヒトへのワクチン接種のほかに、帯状庖疹の再発、 頻度、重さまたは期間を防止あるいは有意に軽減するために、本発明医薬組成物 を用いて、VZV感染に苦しんでいる患者を免疫療法的に治療することができる 。 本発明ワクチンにおいて、VZV IEP 175蛋白の水溶液を直接使用す ることができる。別法として、前以て凍結乾燥された、またはされていないVZ VIEP 175蛋白を、種々のいかなる既知アジュバントとも混合することが できる。かかるアジュバントには、水酸化アルミニウム、ムラミルジペプチドお よびキルA(Quil A)、特にQS21または3デアシレーティッドリピドA(3D -MPL)のごときサポニン類が包含されるがこれらに限定されない。さらなる典型 的別法としては、蛋白をリポソームのごとき微粒子中に封入することもできる。 さらに別の典型的別法としては、VZV IEP 175蛋白を、死ボルデテラ (Bordetella)または破傷風トキソイドのごとき免疫刺激性高分子に抱合させる こともできる。 ワクチン標品は、一般的には、ニュー・トレンズ・アンド・ディベロップメン ツ・イン・ワクチンズ(New Trends and Developments in Vaccines),ボラー (Voller)ら編,メリーランド州ボルチモア(Baltimore)のユニバーシティー ・パ ーク・プレス(University Park Press),1978年に記載されている。リポ ソーム中への封入は、フラートン(Fullerton),米国特許第4,235,87 7号に記載されている。高分子への蛋白の抱合は、例えば、リクハイト(Likhit e),米国特許第4,372,954号およびアーマー(Armor)ら,米国特許第 4,474,757号により開示されている。キルAの使用は、ダルスガード( Dalsgaard)ら,アクタ・ベテリナリア・スカンジナビカ(Acta Vet Scand)第 18巻:349ページ(1977年)に記載されている。3D−MPLは、米国 リビ・イミュノケム(Ribi immunochem)から市販されており、英国特許出願第 2,220211号および米国特許第4912094号に開示されている。QS 21は、米国特許第5057540号に開示されている。 以下の実施例は説明的であるが、本発明を限定するものではない。制限酵素お よび他の試薬を、実質的には販売者の説明書にしたがって使用した。 実施例1 組み換え型種痘ウイルスに感染した細胞におけるIEP 175の発現 VZVゲノムDNAを水痘に苦しむ患者から回収したウイルスから抽出した( 材料は、べルギー国リエージュ(Liege)のサルーティルマアン(Sart-Tilman) のアンスティトゥ・ド・パトロジ・ウニベルシテ・ド・リエージュ(Institute de Pathologie,Universite de Liege)のランティエ博士(Dr.Rentier)から提 供された)。 ウイルスDNAをEcoRIで消化し、塩基100441から117034( デイビソン(Davison)ら,ジャーナル・オブ・ジェネラル・ウイロロジー(J.G en.Vlrol.)第67巻,1759〜1816頁(1986年))に対応する〜1 6.6k塩基対のフラグメントを単離し、次いで、プラスミドpUc9のEco RI部位中にクローン化した。このプラスミドから〜7キロベースのSspIフ ラクメント(102241から109293)を単離し、pUC19のincil部 位中にクローン化してプラスミドpNIV2017を作成した。このプラスミド は、IEP 175蛋白に加えて5’および3’非翻訳DNAをコード している。 次いで、プラスミドpNIV2017を、制限酵素のセットで消化して3つの フラグメント:蛋白のN末端部分をコードする2199塩基対のBstXI−Ba mHIフラグメント;蛋白のC末端部分をコードする1002塩基対のBamH I−Ppumエフラグメントおよび728塩基対のPpumI−MaeIIIフラ グメントを得た。合成オリゴヌクレオチドをこれらのフラクションに添加して単 一制限部位に隣接した暗号カセットを得た。暗号カセットを保存のためにpUC 19中に導入した(プラスミドpNIV2020)。オリゴヌクレオチド配列お よびそのジャンクション(junction)を確認した。IEP 175暗号カセット をpNIV2020から回収し、次いで、チャクラバルティ(Chakrabarti)ら ,モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー(Molecular and Cellular B iology)第5巻,3403〜3409頁(1985年)記載のプラスミドpSC 11の誘導体である転移ベクターpULB5213中に挿入した。最終構築物p NIV2026を図2に示す。 組み換え型転移プラスミドpNIV2026を種痘に感染したCV−1細胞中 に転移させ、ブロモウリジン選択およびX−gal存在下でのその青色によるプ ラーク精製後、組み換え型ウイルスを単離した。それをVV2026と呼ぶ。プ ラークアッセイ用に、好ましくはRAT2細胞に対してヒト・H143線維芽細 胞TK−株を用いた。細胞に感染させるのに用いた種痘ウイルスは、WR型(ボ リシエビッツ・エル・ケイ(Borysiewicz L.K.)が出所)のものであった。方法 は、組み換え型種痘ウイルスの獲得についてすでに記載されている方法に従った (マケット,エム(Mackett,M)およびスミス,ジー・エル(Smith,G.L.),ジ ャーナル・オブ・ジェネラル・ウイロロジー(J Gen Virol)第67巻,206 7〜2082頁(1986年),マケット,エム、スミス,ジー・エルおよびモ ス,ビー(Moss,B.),ジャーナル・オブ・ウイロロジー(J.Virology)第49 巻,857〜864頁(1984年))。 感染の多重度1(moi 1)の培養において組み換え型種痘ウイルスVV2 026を用いてCV−1細胞を感染させた。感染16ないし17時間後に感染細 胞(アッセイあたり約3x105個)および培養後の培地(約2ml)を集めた 。IEP 175蛋白の存在をウェスタンブロッティング実験により確認した。 蛋白を12%SDSポリアクリルアミドゲル上で分離し、ニトロセルロースフィ ルター上に移し、IEP 175蛋白のアミノ酸配列(アミノ酸1299から1 310)由来の合成ぺプチドに対して生じたマウス・血清でプローブした。標準 的方法により、アルカリ性ホスファターゼに抱合したヤギ・抗マウスIgGおよ び適当な発色基質を用いて複合体を検出した。 結果は、VV2026に感染した細胞は、有効にIEP 175蛋白を細胞質 内に蓄積したが、培地中に放出することはできなかったことを示す。該組み換え 型蛋白のサイズは約150Kであった。 a)pNIV2026のDNA挿入物の構造を図2に示す。 実施例2 組み換え型バキュロウイルスに感染した昆虫細胞におけるIEP 175の発現 大量の組み換え型IEP 175蛋白を製造する観点において、我々は、バキ ュロウイルスおよび培養昆虫細胞に基づく発現系を用いた。 プラスミドpVIV2020から出発して、EcoRIおよびXbaIでの消 化によりIEP 175をコードしているカセットを回収し、次いで平滑末端化 したものを、前以てBamHIで切断され平滑末端化されているバキュロウイル ス転移プラスミドpAcYM1中に挿入した。かくして得られた組み換え型プラ スミドpNIV2038は、ポリヘドリンプロモーターの支配下にあり、正しい 方向のIEP 175をコードしている配列を有している(図3)。 プラスミドpAcYM1は、ポリヘドリン遺伝子プロモーター(ポリヘドリン 遺伝子ではない)を含むAcMNPVゲノム由来の配列、および高コピー細菌プ ラスミドpUC8由来の配列を含むバキュロウイルスシャトルベクターである。 マタウウラ(Matauura)ら,ジャーナル・オブ・ジェネラル・ウイロロジー(J. Gen.Virol.)第68巻,1223〜1250頁(1987年)参照。 公表されたプロトコール(サマーズ(Summers)ら,TAES・ビュレチンN R 1555(TAES Bulletin NR1555),1987年5月;テキサス・アグリカルチ ュラル・イクスペリメンタル・ステイション(Texas Agricultural Experimenta l Station))に従い、組み換え型バキュロウイルス転移プラスミドpNIV2 038を、野生型DNAバキュロウイルスをスポドプテラ・フルギペドラ(Spod optera frugipedra)(Sf9)昆虫細胞中に、1μgに対してそれぞれ50の 割合でトランスフェクションさせることにより導入した。スポドプテラ・フルギ ペドラ細胞(Sf9)は、ATCC(米国メリーランド州ロックビル(Rockvill e))から入手できる。 上清を集めることにより、生じたウイルス粒子を得た。次いで、プラークアッ セイにおいて、ウイルス含有培養基を用いてSf9細胞に感染させた。数種の組 み換え型バキュロウイルスが単離され精製された。次いで、それらを用いて培養 Sf9細胞に感染させた。感染後、異なる時期において、感染細胞の全蛋白を回 収し、IEP 175に特異的なマウス・抗ぺプチド血清を用いてウェスタン・ ブロッティングによりIEP 175の存在をアッセイした(上記参照)。この 系においては、完全なIEP 175の発現が示された場合はなかった。しかし ながら、我々は、該蛋白の多数の切形された形態の発現を観察し、このことは、 程度の進んだ蛋白分解が細胞内で起こったことを示すものであった。 組み換え型バキュロウイルス転移プラスミドpNIV2038を図3に示す。 実施例3 CHO細胞におけるIEP 175の発現 さらなる発現系を試験して大量のIEP 175を得るために、我々は、CH O系に戻った。 プラスミドpNIV2020から出発して、PstI(平滑末端)−PvuII の3946塩基対のフラグメントを単離し、プラスミドTDNのBg1II(平滑 末端)とEcoRVとの間に挿入してpNIV2042を得た。プラスミドTD Nは、コナーズ(Connors)ら,DNA第7巻,651〜661頁(1988年 )に記載されている。プラスミドTDNは、RSV LTRプロモーター、G4 1 8選択マーカーおよび増幅のDHFRカセットを有している。pNIV2042 は、性質上IEP 175の開始メチオニンに続く成熟プラスミノーゲンアクテ ィベ一ター(tPA)のN末端アミノ酸残基に対応する4個のアミノ酸残基に続 く組織tPAのシグナルペプチドおよびIEP 175の完全配列をコードして いる(図1)。 エレクトロポーレーションによりプラスミドpNIV2042をCHO dhf r-細胞中に導入した。ジェネティシン(G418)を用いて組み換え細胞系の 選択を行い、メトトレキサートを用いて増幅を行った。用いたすべての方法は、 モグイレフスキー(Moguilevsky)ら,ヨ一ロピアン・ジャーナル・オブ・バイ オケミストリー(Eur.J.Biochem.)第197巻,605〜614頁(1991年 )記載の方法に従った。 G418Rクローンを得、上記系を用いて全サイズのIEP 175蛋白の産 生をアッセイした。組み換え型蛋白を産生することが示されたクローンを、異な る濃度(5ないし50nM)のメトトレキサートとともに増幅し、産生にっき再 試験した。結果は、IEP 175が有効にCHO細胞において産生され、それ が細胞質に蓄積すること、その見かけ上の分子量が約175kダルトンであるこ とを示す。昆虫細胞系で観察されたのとは対照的に、CHO発現系においては、 蛋白分解が観察されなかった。最も良く産生するクローン18.5.22を50 nMメトトレキサートでの増幅後に得た。IEP 175の産生を、当該蛋白( ペプチト1299ないし1310およびペプチド175〜436)に特異的な2 種のマウス・抗ペプチド血清を用いてELISAを用いてモニターした。上記の ごとく行ったウェスタンブロット分析により、組み換え型IEP 175の構造 上の完全性が確認された。意外なことに、組み換え型IEP 175は、IEP 175に関するDNA上にシグナルペプチドが存在するにもかかわらず、CH O細胞の培地中に分泌されなかった。 CHO細胞のための発現プラスミドpNIV2042を図4に示す。 組み換え型IEP蛋白が、構造的に適したものであることのみならず、それが 天然蛋白の既知調節機能を示すことを証明するために、我々は、以下の実験を行 っ た(参考文献:ジャッカーズ(Jackers)ら,1992年;リニー(Liny)ら, 1992年)。 IEP 175蛋白を発現するCHO細胞である18−5−22および対照C HO細胞を、リポーター遺伝子であるクロラムフェニコールアシルトランスフェ ラーゼ(CAT)の暗号配列の上流に種々のVZVプロモーターDNA配列を有 するプラスミドのセットとともにエレクトロポーレーションした。これらのプラ スミドを、べルギー国リエージュ(Liege)のサルーティルマア(Sart-Tilman )のアンスティトゥ・ド・パトロジ・ウニベルシテ・ド・リエージュ(Institut e de Pathologie,Universite de Liege)のランティエ博士(Dr.Rentier)から 得た。次いで、得られたトランスフェクションされた細胞系を、酵素活性につき アッセイした(CATアッセイ)。該アッセイは、VZVプロモーターに対する 潜在的なIEP 175の活性化効果を測定するものである。 表1に、これらの実験結果をまとめてある。CHO細胞中で産生されたIEP 175蛋白は、いくつかの場合において、そのプロモーター活性を剌激しうる ことが理解できる。このことは、組み換え型IEP 175蛋白は、この点にお いて、その天然等価物のように挙動することを示す。 +++ 強力なCAT活性 − CAT活性なし MDBP 主要DNA結合蛋白 Pol RNAポリメラーゼ 実施例4 親核モチーフ(karyophilic motifs)を欠く分泌可能なIEP 175蛋白をコ ードしているDNAの構築 4a.プラスミドNIV2020(実施例1参照)は、2種の親核モチーフを 含む完全なIEP 175蛋白をコードしている配列を有する。これらのモチー フは以下のアミノ酸配列を有する。モチーフ1は、アミノ酸残基226と254 との間からなり、親核アミノ酸ストレッチKSPKKKTLKVKを含み;モチ ーフ2は、アミノ酸残基648と733との間からなり、親核アミノ酸ストレッ チPRKRKSを含む。 a)AatIIおよびSphI;b)PpumIおよびBstEIIでのpNIV 2020の消化物を、適当に平滑末端化し、ライゲーションして親核モチーフを 含むDNA配列を欠くプラスミドを再構築する(図5)。 4b.生じた切形されたIEP 175をコードするカセットを回収し、実施 例3記載のやりかたで、プラスミド中、tPAシグナルを特徴づけている配列の 下流に挿入する。 生じたプラスミドでCHO細胞を形質転換して分泌型のIEP 175を発現 させる。 実施例5 IEP 175gcH融合体の構築 4bに記載したフラグメントを、gcIIをコードしている配列(EP−A−4 05867)の下流へ、融合体として挿入する。生じたプラスミドを用いてCH O細胞を形質転換し、IEP 175切形物gcII切形物融合蛋白の発現を可能 ならしめる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI //(C12P 21/02 C C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV,MG ,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SK,UA,US,UZ,VN (72)発明者 マッサール,マール ベルギー国ベー―1440ニーベル、リュ・デ ュ・ランディストリ24番、セルヴィス・デ ュ・ジェネティク・アプリケ、ファキュル テ・デ・スィヤンス、ユニベルシテ・リブ レ・デュ・ブリュッセル (72)発明者 オモン,ミッシェル ベルギー国ベー―1440ニーベル、リュ・デ ュ・ランディストリ24番、セルヴィス・デ ュ・ジェネティク・アプリケ、ファキュル テ・デ・スィヤンス、ユニベルシテ・リブ レ・デュ・ブリュッセル (72)発明者 ボラン,アレックス ベルギー国ベー―1440ニーベル、リュ・デ ュ・ランディストリ24番、セルヴィス・デ ュ・ジェネティク・アプリケ、ファキュル テ・デ・スィヤンス、ユニベルシテ・リブ レ・デュ・ブリュッセル

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ネィティブなVZV IEP 175およびその生理学的に機能的な誘導 体に対して機能的に等価であるVZV汚染のないVZV IEP 175。 2.図1に示す配列と実質的に相同的なアミノ酸配列を有する請求項1記載の VZV IEP 175。 3.適当な宿主からの発現の際に分泌可能である請求項1記載のVZV IE P 175の生理学的に機能的な誘導体。 4.アミノ酸226ないし257および648ないし733が欠失された請求 項3記載の誘導体。 5.その一部が請求項1ないし4記載のVZV IEP 175または生理学 的に機能的な誘導体からなる融合蛋白。 6.その一部がVZV由来のアンカーレスgpII蛋白誘導体からなる請求項5 記載の融合蛋白。 7.真核宿主細胞中で機能する調節領域に作動するように連結した、請求項1 ないし6のいずれか1つに記載の蛋白をコードしているDNA配列からなるべク ター。 8.請求項7記載のベクターで宿主細胞を形質転換し、次いで、得られた産生 蛋白を回収することがらなる請求項1ないし6のいずれか1つに記載の蛋白の製 造方法。 9.医薬上許容される希釈剤、賦形剤または担体と混合された請求項1ないし 6のいずれか1つに記載の蛋白からなるワクチン組成物。 10.請求項1ないし6のいずれか1つに記載の医薬用途のVZV IEP 175またはその生理学的に機能的な誘導体。 11.VZV感染に感受性のある対象を予防的に処置するためのワクチンの製 造のための請求項1ないし6のいずれか1つに記載のVZV IEP 175ま たはその生理学的に機能的な誘導体の使用。 12.無毒で有効な量の請求項1ないし6記載の蛋白を混合することからなる VZV感染に感受性の対象を予防的に処置する方法。
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