JPH08503456A - 自由官能性を有する特異的に架橋されたヘモグロビン - Google Patents

自由官能性を有する特異的に架橋されたヘモグロビン

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JPH08503456A JP6511549A JP51154994A JPH08503456A JP H08503456 A JPH08503456 A JP H08503456A JP 6511549 A JP6511549 A JP 6511549A JP 51154994 A JP51154994 A JP 51154994A JP H08503456 A JPH08503456 A JP H08503456A
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Abstract

(57)【要約】 ヘモグロビンが三官能性の試薬との反応によってその四量体の形態の中にサイト特異的に架橋され、その試薬は静電効果と立体化学的効果と官能基の存在を組み合わせ、その結果、官能基の二つはヘモグロビン上の特定のサイトと反応するが、三番目のサイトは内因性の求核化合物との反応のために自由に残されている。そのような架橋剤の具体例はトリメソイル=トリス(3,5−ジブロモサルチレート)、TTDSであり、これは各々のβサブユニット上の82番のリジンのアミノ基の間の特異的な架橋をもたらす。架橋剤TTDSは架橋反応のために三つの利用可能なカルボキシル基を持っているが、二つだけがそのように反応し、一つの遊離のカルボキシルを外因性の求核試薬のために、例えば、ヘモグロビン産物を身休の循環系を通過する求核性化合物のキャリアとして有用なものにするために残している。

Description

【発明の詳細な説明】 自由官能性を有する特異的に架橋されたヘモグロビン 技術分野 本発明は改良されたヘモグロビン、およびヘモグロビンの改良を行なうための 方法と試薬に関する。より具体的に説明すると、本発明は架橋反応を生じさせる ためにヘモグロビンのサブユニット上の特定の一級アミノ基を利用するヘモグロ ビンの架橋、および特異的で、しかも前もって決められた方法で他の反応性の化 合物と化学反応し得るそのような架橋ヘモグロビンに関する。 背景技術 ヘモグロビンは自然界に存在する蛋白質である。赤血球中に含まれるときは、 ヘモグロビンは二つのαサブユニットと二つのβサブユニットからなる四つのサ ブユニットの四量体の形で存在する。各サブユニットは蛋白質鎖とヘム分子を持 っており、αサブユニットの蛋白質鎖は既知の配列順序を持つ141個のアミノ 酸を含んでおり、βサブユニットの蛋白質鎖は既知の配列順序を持つ146個の アミノ酸を含んでいる。自然の、生物受容性で、しかも良く研究された蛋白質と して、ヘモグロビンは、生物活性物質、薬剤および他の種に属する物を、それら の種をヘモグロビンへ結合させることによって、多分、生休内で移動させ、また それらの種を循環系へ導入するための物質として興味をそそるものである。しか しながら、自然の赤血球以外の溶液中のヘモグロビンは四量体の形から二量体へ 、さらにはサブユニットの単量体へ解離する傾向がある。これらは分子量が低過 ぎるので、体内で循環して適 切に維持されることはできない。したがって、ヘモグロビンがそのような移動系 として発達する前に、ヘモグロビンをその自然の四量体の形に安定化するために 、ヘモグロビンのサブユニットの間に化学的な架橋を形成し、かくして循環系に ヘモグロビンが適切に維持されるのを確実にすることが必要である。 ヘモグロビン産物を生物医学的な用途に正しく受け入れられるようにするため には、その正確な化学的な性質についてのコントロールが必要である。したがっ て、ヘモグロビンのサブユニットの間で行なわれる全ての架橋はヘモグロビン分 子上の特定のサイトまたは化学的な基の間の特異的で、しかも再現可能な化学的 な連結によるのが望ましい。例えば、各々が実質的な数の反応性アミノ基を含む ヘモグロビンのサブユニットのような大きさを持つ蛋白質については、これを達 成することはむつかしい。 本発明の一つの目的はサブユニット上の二つの特定のサイトの間で架橋されて おり、しかも薬剤のような他の化学的な構成要素が化学的に結合することができ る反応サイトを供給するヘモグロビンを提供することである。 本発明の次の目的はそのような架橋されたヘモグロビンを作るための方法と試 薬を提供することである。 発明の開示 本発明の一つの態様によれば、三つまたはそれ以上の反応性サイトを含む化学 的試薬をヘモグロビン上の二つの特定のサイトで反応させ、その試薬の三番目の 反応性サイトは他の化合物との次の反応に利用できるように残しておく。この三 番目の反応性サイト は、そのサイトがその試薬の他の二つの基と化学的に類似しているという事実に 拘らず、如何なるヘモグロビン鎖上の活性サイトとも反応しない。このようなこ とを達成する試薬は、ヘモグロビン鎖上の一級アミノ基と反応する離脱基を構成 する少なくとも三つのかさばった求電子性の陰イオン基を有するコアの炭化水素 または置換炭化水素を持っている。しかしながら、実際問題としては、二つの離 脱基のみが反応し、三番目の離脱基は他の化合物との反応に利用できるようにな っている。そのような有用な試薬は次の一般式に相当する: 式中、Rは脂肪族、芳香族または脂環族炭化水素基を表し;X、YおよびZは 同じでも良いし、または異なっていても良く、各々はかさ高で、芳香族の求電子 性陰イオン離脱基を表わす。 本発明は何らかの特定の理論または作用のメカニズムに制限または拘束される べきであることを意図しているものではないが、本明細書に記述されている試薬 はヘモグロビンの架橋に高度の選択性と効率を与える静電性と立体化学的かさ高 性と官能基の組み合わせを持っていると考えられる。 本発明による試薬はヒトのデオキシヘモグロビンと反応してβサブユニットを 各サブユニットの82番のリジンの位置で架橋する。この試薬上の三番目の反応 性基は外来性求核試薬と反応するのに利用できる。 添付の図面において、 第1図は典型的な試薬トリメソイル=トリス(3,5−ジブロモサルチレート )(trimesoyl tris(3,5−dibromo salicyl ate)、TTDSの直接的な合成ルートを示す反応計画(reaction scheme)であり; 第2図はTTDSを作るための好ましい反応計画であり; 第3図は35℃で2時間反応させた、TTDSとデオキシヘモグロビンからの 反応産物、下記の実施例3、のAX−300イオン交換HPLCクロマトグラム である。未変性のヘモグロビンは“ααββ”である。ヘモグロビンの修飾によ ってピークが示されている。“ααβ−82−82β”は三量体の官能性(tr imeric functionality)によって架橋されており、しかも 遊離酸に加水分解された三番目のサルチル酸エステル(salicylate) を持っている。“DBS”はサルチル酸のエステルが三番目のカルボキシル基で はいまだに無傷であるが、(他の二つの基はヘモグロビンとアミドを形成してい る)ことを示している。ピークの同定はグロビン鎖分離とペプチド分析によって いる; 第4図は35℃におけるTTDSと一酸化炭素ヘモグロビン(carbonm onoxyhemoglobin)の反応の2時間後における、下記実施例3、 のAX−300プロフィールである; 第5図は60℃で、2時間のTTDSとデオキシヘモグロビンの反応、下記実 施例3、のAX−300プロフィールである; 第6図は60℃で、2時間のTTDSと一酸化炭素ヘモグロビンCOHbの反 応、下記実施例3、のAX−300プロフィールである; 第7図は35℃で、2時間TTDSとデオキシヘモグロビンを反応させ、次い で0℃で15日後に分析した、下記実施例3、のAX−300プロフィールであ る; 第8図は35℃で、2時間TTDSと一酸化炭素ヘモグロビンを反応させ、次 いで0℃で15日後に分析した、下記実施例3、のAX−300プロフィールで ある。 第9図はTTDSで架橋した一酸化炭素ヘモグロビン(DBST−Hb)とビ オチンヒドラジド(biotin hydrazide)の反応からの分離され たサブユニット、下記実施例7の、HPLCである。 第10図はDBST−Hbとビオチンヒドラジドの反応から形成された無傷の 四量体、下記実施例7、の陰イオン交換クロマトグラム(AX−300)である 。 かくして、本発明で使用される架橋剤(crosslinking rege nts)は炭化水素、好ましくは芳香族炭化水素である、コアになる基Rと少な くとも三つの求電子性の陰イオン離脱基から成っている。これらの離脱基はアシ ル−(置換芳香族)基であるのが好ましく、この基の中では置換基はアシル基の 求電子性を高めるためにハロゲンおよびカルボキシレートのような電子求引性基 であり、このアシル基を通して離脱基がコアの基Rに連結している。かくして、 好ましい架橋剤は次の一般式に相当す る: 式中、X′とY′とZ′は同じでも良いし、または異なっていても良く、各々は 少なくとも二つの電子求引性の基を持っている芳香族基から必須的に成る求電子 性の陰イオン離脱基を表わしている。適当な電子求引性基の例としてはハロゲン 、特に臭素とカルボキシレートが含まれる。 本発明による具体的な、最も好ましい架橋剤はトリメソイル=トリス(3,5 −ジブロモサルチレート)、以下ではTTDSとして引用する、である。 かくして、本発明の具休的な態様によれば、各々のβ鎖の82番のリジンの間 で、次式のトリメソイル=トリス(3,5−ジブロモサルチレート)から必須的 に構成されている架橋剤によって、架橋されたヘモグロビンが提供される: 便宜上、この架橋剤を特に引用して本発明を更に説明する。 本発明にしたがってトリメソイル=トリス(3,5−ジブロモサルチレート) をヘモグロビンと反応させると、架橋されたヘモグロビン産物は次に示すように 表わすことができる: 式中、Lys−82′と82−Lysは架橋したヘモグロビンのβ鎖を表す。外 因性求核試薬との反応に利用できるが、少なくともいくらかの実質的な程度には ヘモグロビン上の基と反応しない遊離のカルボキシル基がTTDS残基上に保持 されている。 TTDSによるヘモグロビンの架橋の選択性と効率は静電効果と立体化学的効 果と追加の官能基の存在の関数であると考えられている。 アミノ基は架橋剤を向ける良い目標であるが、ヘモグロビンの場合は、各α、 β二量体は反応することができる24個の一級アミノ基を持っており、架橋剤が それ以上の特異性を持っていない限りさまざまな異なった産物を生成する。陰イ オンアシル化剤はヘモグロビン中のある種のアミノ基、特にポリアニオン調節剤 、2,3−ジホスホグリセラート(2,3−diphosphoglycera te)を結合するサイトにあるアミノ基に対する選択性を示すことが知られてい る。そのようなアシル化剤の電荷がアシル化剤を蛋白質上の陽イオンサイトに向 かわせ、これは蛋白質結合サイトにおける会合(association)につ いて既に知られている静電的コントロールの重要性と一致している。 静電効果に加え、立体化学的効果と付加的な官能基の存在を利用することによ って、選択性と効率を高めることができる。立体化学的効果は有機試薬の位置選 択性(regioselectivity)を決定するのに重要な役割を果し、 そのような効果は蛋白質試薬の選択性を増加することができる。もしも望ましい 産物が最も接近できるサイトでの反応から生じるのならば、単一の試薬TTDS における電荷−方位(charge−direction)と立体化学的なかさ と多官能性の組み合わせが選択性と収率の改良につながる。 トリメソイル=トリス(3,5−ジブロモサルチレート)、TTDSは上で説 明した全ての特徴を組み合わせた試薬であり:それは陰イオン性で、かさ高で、 しかも三官能性である。TTDSはデオキシ−および一酸化炭素−ヒトヘモグロ ビンの両者と反応し て、反応が試薬の電荷と立体化学的なかさの両方によって効率的にコントロール されることを示す産物を生成する。付加的な官能基は初期の反応における統計的 な利点と架橋を形成する際のエントロピーの利点を与える。 TTDSとヘモグロビンの反応は各々のβサブユニットの82番−リジン残基 のイプシロンアミノ基に対して高度に選択的である。反応産物のクロマトグラム の積分(integration)はこれらの残基の架橋から生じる約85%の 産物の収率を示している。これらは通常はポリアニオンエフェクター、2,3− ジホスホグリセラート(DPG)を結合するサイトにある。その残基は、残基の イプシロンアミノ基が蛋白質四量体の大きな空洞中にある一級アルキル鎖の末端 にあるので、かさ高な試薬に非常に接近しやすい。デオキシヘモグロビン中では 、DPG結合サイトは一酸化炭素およびオキシの形に比べて拡大されており、β 鎖を分離し、82番−リジン残基を移動させる。もしも三番目のジブロモサルチ ル酸エステル基がデオキシ架橋した種(species)の中で移動しにくいな らば、そのエステル基は、残基がよりフレキシブルである一酸化炭素の形にある よりも、加水分解のために接近することもむつかしい。他の可能性は、一酸化炭 素ヘモグロビン中では、三番目のカルボキシルは立体化学的な制限によってDP Gサイトの外に保たれるかも知れないということである。 二官能性架橋剤、フマリルビス(3,5−ジブロモサルチレート)、FBDS はオキシヘモグロビンと反応し、おもな産物として、イプシロン−アミノ基の間 で架橋している(β82番リジン−フマ リル−β′82番リジン)ヘモグロビンを生じる。デオキシヘモグロビンとFB DSの反応は主要な産物の混合物を生成する。かくして、TTDSの三官能性は 同じ離脱基を有する関連した二官能性物質を越えた特異性を付加する。 トリメソイル=トリス(3,5−ジブロモサルチレート)(TTDS)はヘモ グロビンDPGサイトを特異的に攻撃し、αサブユニットを修飾することなく、 一つのβサブユニット上の82番リジンを他のβサブユニット上の82′番−リ ジンに架橋させて主要な産物3,5−ジブロモサルチル=トリメシル−((82 番−β−リジン)−(82番−β−リジン))ヘモグロビン、(DBST−Hb )を約95%の収率で生成する。修飾された蛋白質の残りの5%は三重に連結さ れた物質(トリメシルβ−1番−バリンとβ−82番−リジン)から成っている 。後者はデオキシヘモグロビンと、より小さな離脱基を持っている陰イオン性ア シル化剤であるトリメソイル=トリス(メチルホスフェート)の反応における主 要な産物である。これらの構造はHPLCパターンの比較によって同定されてい る。DBST−Hbの場合は、三番目のジブロモサルチル酸エステル基は、多分 二つの初期の連結が作られた後に生じる立体化学的で、しかも配座的な制限の結 果として、未反応の状態で残る。DBST−Hb中の残存エステルは、HPLC でモニターすると低温での水性貯蔵(cold aqu 中にゆるやかな加水分解を受ける。 試薬TTDSは二つの方法の中の一つで作ることができる。添 付図面第1図に説明されている、試薬の直接的な合成においては、トリエチルア ミンを3,5−ジブロモサルチル酸と反応させ、次いでトリメソイルトリクロリ ドと反応させる。この方法はTTDSを比較的に低い収率で製造する。添付図面 の第2図に説明されている、改良された合成法はカリウムt−ブトキシドをt− ブチル−3,5−ジブロモサルチレートと反応させ、次いでトリメソイルクロリ ドを添加することによってトリメソイル=トリス−(1−t−ブトキシカルボニ ル−3,5−ジブロモサルチレート)を製造するDelaney他、Arch. Biochem.Biophys.,1984,228,627の一般的な手法 にしたがっている。TTDSはそれからカルボキシル基を、例えばトリフルオロ 酢酸で脱保護(deprotect)することによって形成される。TTDSの 非常に改良された収率がこの手法によって得られる。 DBST−Hbを形成するためのヘモグロビンとTTDSの反応は、通常は2 ,3−ジホスホグリセラートを結合するヘモグロビン中の高度に陽イオン性のサ イトにおけるアミノ基の陰イオン性求電子体に対する特有の求核反応性を利用す る。TTDSによる各βサブユニットからの二つのアミノ基のアシル化によって 蛋白質それ自身の上に陰イオン性の求電子サイトが発生する。かくして、その領 域における蛋白質の反応性は求核的であることから求電子的へ、また局所電荷は 正から負へ変化する。蛋白質は通常はエステル結合を含まないので、導入された エステルは独特の反応点(point of reaction)を提供する。 この方 法によって、全ての求核試薬のアシル化が効率的になる。 説明のために、本発明を次の具体例において更に記述する。 物質および方法 化学試薬は追加の精製をすることなく使用した。溶媒は使用前に乾燥した。重 水素溶媒はMSD Isotopes Ltd.とAldrich Chemi cal Companyからのものであった。有機試薬と溶媒はFisher Scientificから購入した。新しく合成した試料の純度はNMR分光学 、質量分析法、分析用薄層クロマトグラフィーおよび元素分析の組み合わせで評 価した。後者はGalbraith Laboratories,Knoxvi ll,Tenn.で行なわれた。 分子力学 混合−傾斜最適化(mixed−gradient optimizatio n)を使用して、TTDSのいくつかの初期に推定した構造に基づく反復的な配 座摂動(conformational perturbations)のため のエネルギー最小値(energetic minima)を得るために、48 6コンピュータ(MS−DOS)で作動するHyperChem(Autode sk,Inc.のHyperCube部門からの、バージョン1.9)を使用し た。それはBrookhaven蛋白質データバンクからの情報に基づいてデオ キシヘモグロビンの構造を視覚化するのにも使用された。 スペクトルおよび運動力学 プロトンおよび炭素NMRスペクトルをVarian Gemi ni(200MHx)分光計に記録した。赤外スペクトルはNicolet 5 DX FTIR分光計に記録した。紫外スペクトルと運動力学はMS−DOS 386コンピュータにインターフェースで接続されたPerkin−Elmer Lamda 2分光計で行なった。スペクトルをPerkin−Elmer PECSSプログラムで集め、GraFit(Erithacus Softw are,Ltd.)を用いて運動力学を解析した。 生化学的物質 HPLCグレードのアセトニトリルと水はMallinckrodtから入手 し、トリフルオロ酢酸(TFA)はPierce Chemical Co.( Rockford Ill.)から入手した。Worthington Bio chemical Co.(Freehold,N.J)から入手したトリプシ ンとBoehringer Mannheim Biochemical(In dianapolis,IN)から入手したブドウ球菌(黄色)V*エンドプロ ティナーゼ=Glu−Cをグロビン鎖の酵素消化に使用した。セファデックスG −25、DEAE−セファセル(Sephacel)およびCM−セファデック スをPharmacia Fine Chemicals AB(Uppsal a,Sweden)から入手した。ヘモグロの修飾とクロマトグラフィー用の緩 衝液と発生剤(developer)を作るための他の試薬は全て分析グレード またはそれ以上であった。 ヘモグロビンは、例えばKavanaugh他によって“Biochemis try”1988,27,1804に記述されてい るような手法を用いて作った。溶液を50mLの丸底フラスコに入れ、このフラ スコを水浴に浸漬し、凝縮器の代りに(気体を流すための)排出管と注入管が通 過している隔壁が取り付けられている回転式蒸発器に連結した。一酸化炭素ヘモ グロブリンの貯蔵液を回転フラスコ中、増湿された酸素の流れの下で、0℃で6 0分間、光照射することによってオキシヘモグロビンに変換した。オキシヘモグ ロビンを、回転フラスコ中のオキシヘモグロビン溶液の上を35℃で2時間、増 湿した窒素の流れを通過させることによって、デオキシヘモグロビンに変換した 。 実施例1 TTDSの直接的な合成 トリエチルアミン(1.45g、15mmol)を室温で無水THF(25m L)中の3,5−ジブロモサルチル酸(2.00g)6.76mmol)に加え た。10分撹拌した後に、トリメソイルトリクロリド(0.6g、2.3mmo l)の溶液を反応混合物に滴下した。溶液を室温で2時間撹拌した。沈殿を濾別 し、溶媒を真空内で除去した。残渣を酢酸エチル(60mL)と0.1N塩酸( 100mL)の間で分配した。分離した後、有機相を0.1N塩酸(2×100 mL)で洗浄し、Na2SO4の上で乾燥し、真空内で濃縮して白色の固体(2. 25g)を生成した。この固体は1HNMRによってTTDSを含む混合物であ るとみなされた。この産物の一部(28mg)をHPLC(C−18逆相カラム 、アセトニトリル(0.1%酢酸)溶媒)によって精製した。少量の純粋なTT DSが単離された(7.0mg、25%回収)。IR(KBr)3416(br .,S)、2355(s)、174 3(s)、1002(s)cm-11HNMR(アセトン−d6)δ9.25(s ,3H,ArH)、8.25(AB,6H,ArH)、4.40(br,s,3 H,CO2H)。13CNMR(アセトン−d6)δ164.01(s)、163. 02(s)、148.59(s)、140.64(s)、137.20(s)、 135.16(s)、132.18(s)、128.17(s)、120.69 (s)、120.50(s);MS(負FAB)1043(M−1)。 6当量の塩基(base)の存在下におけるトリメソイルクロリドと3当量の 3,5−ジブロモサルチル酸の直接的な反応は不完全な反応をもたらす。逆相H PLCを使用する混合物の精製は産物を低収率で提供する。 実施例2 TTDSの改良された合成 Delaney、Klotzおよび共同研究者が前掲引用書に記述した一般的 な手法にしたがって、カルボキシル−保護サルチレート、トリメソイル=トリス (1−t−ブトキシカルボニル−3,5−ジブロモサルチレートを作った。カリ ウムt−ブトキシド(0.30g、2.69mmol)を無水THF(30mL )中のt−ブチル3,5−ジブロモサルチレート(0.95g)2.69mmo l)に加えた。混合物を室温で15分間撹拌した。テトラヒドロフラン(10m L)中のトリメソイルトリクロリド(0.24g、0.90mmol)を15分 にわたって滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。エーテル(60mL) を加え、混合物を水(2×100mL)で洗浄した。有機相をNa2SO4 の上で乾燥し、真空内で濃縮して産物を白色の固体(0.98g、収率:90% )として生成した。1H NMR(CDCl3)δ9.32(s,3H,ArH) 、δ8.01(AB,6H,ArH)、1.42(s,27H,(CCH33) 。FAB−MS 1213(M+1)。IR(kBr)2980(m)、177 1(s)、1772(s)、1185(s)。 このようにして作ったトリメソイル=トリス(t−ブトキシカルボニル−3, 5−ジブロモナルチレート)(0.88g、0.73mmol)を無水トリフル オロ酢酸(20mL)中に溶解し、室温で1時間保った。ジエチルエーテル(2 0mL)を加えて結晶化させた。溶液を5℃に一晩保った。濾過して産物を集め た(白色結晶、0.62g、収率:82%)。この経路で合成された産物の性質 は直接的な経路で作られた化合物を精製したものと同じである。C301212B r6:C34.52、H1.16、Br45.93として計算して分析:結果は C34.26、H1.43、Br45.58であった。 この実験の手法にはt−ブチルエステルとしての3,5−ジブロモサルチル酸 のカルボキシル基の保護、カップリングおよび脱保護が含まれている。トリメソ イルトリクロリドとカリウムt−ブチル3,5−ジブロモサルチレートの反応は カルボキシルを保護したカップリング産物を高い収率(90%)で提供する。t −ブチル基は無水トリフルオロ酢酸によって容易に除去されて、82%の収率で 分析的に純粋なTTDSを生じる。 実施例3 TTD Sとヘモグロビンの反応 緩衝液中のTTDSの溶液を、0.1M pH7.2 MOPS緩衝液中のT TDSとヘモグロビンの最終濃度がそれぞれ1.0mMと0.5mMになるよう に、上述した1mMヘモグロビン溶液に加えた。反応は回転フラスコ中でデオキ シまたは一酸化炭素の何れかの形のヘモグロビンを用いて35℃または60℃で 2〜3時間行なった。デオキシヘモグロビンを用いる反応に対しては、TTDS を窒素下の反応容器に導入した。ヘモグロビンをデオキシの状態に保つために、 反応中、窒素を回転フラスコ中のヘモグロビン溶液の上に連続的に流した。一酸 化炭素ヘモグロビンの反応に対しては、ヘモグロビン溶液を一酸化炭素で飽和さ せ、それ以上の気体を加えることなく反応を行なった。反応は試薬の添加完了後 、さらに2時間続けた。 反応後、各試料中のヘモグロビンを4℃でPharmaciaPD−10セフ ァデックスG−25Mのカラムを通過させることによって未反応の試薬から分離 し、次いで一酸化炭素を加えて一酸化炭素ヘモグロビンに変換した。無傷の四量 体のポリアクリルアミドゲル電気泳動とイオン交換HPLC、分離したグロビン 鎖の逆相HPLC、およびペプチドマッピングを目的としたグロビン鎖のトリプ シン/Glu−C消化の組み合わせによって産物を分析した。 デオキシヘモグロビンと一酸化炭素ヘモグロビンをTTDSで35℃および6 0℃で処理した。(無傷のヘモグロビン四量体と修飾された四量体を示す)、2 時間反応させた後の(試薬を除いた)反応産物のAX−300イオン交換HPL Cクロマトグラムを第 3〜第6図に示す。その上、35℃で続けられたデオキシヘモグロビンおよび一 酸化炭素ヘモグロビン反応混合物を氷の上に15日間貯蔵し、1週間後にクロマ トグラフで、15日後にAX−300のカラムを用いて分析した(第7図と第8 図は15日後の産物のクロマトグラムである)。ピークをC−4逆相カラムでの グロビン鎖分離とペプチドパターン解析によって同定した。全ての場合に、産物 は、アミノ酸分析を含めて、ヘモグロビンとトリメソイル=トリス(メチルホス フエート)の反応から得られたものと比較することによって同定された。 TTDSを持ったデオキシヘモグロビンからの産物分布の分析は、最初の架橋 した産物はリジンβ82を他のβ鎖の相当する残基に橋かけするトリメソイル基 を持っており、三番目の基は未反応であることを示している。 TTDSは35℃で一酸化炭素ヘモグロビンよりもより容易にデオキシヘモグ ロビンと反応するが、両者は産物としては同一の修飾されたヘモグロビンを形成 する。主な違いは、デオキシヘモグロビンは三番目のジブロモサルチレート基を なお存在させて、ずっと多くのβ82−82架橋ヘモグロビンを作り出すことで ある。しかしながら、0℃で15日後は、デオキシヘモグロビンからの産物も遊 離酸として三番目のジメソイルアシル基を持っている。蛋白質の他のアミノ基と の反応よりも、むしろこの間に完全な加水分解が起る。60℃でのTTDSの一 酸化炭素ヘモグロビンおよびデオキシヘモグロビンとの反応は最初の2時間の反 応期間の後には完了している。 実施例4 TTDSをヘモグロビン(0.1M MOPS、pH7.2)を架橋するのに 使用する条件でTTDSの加水分解速度を測定した。最初のエステル加水分解は 7.1h(Kobs=3.2×10-5-1)の半減期を持つ一次速度則にしたが う。二番目と三番目のエステル基の加水分解はずっと遅い。ヘモグロビンのアミ ノ基に対するTTDSの反応性を推定するために、n−ヘキシルアミンとの反応 を測定した(0.1M pH7.2 緩衝液中、k2=32-1sec-1)。例え ば、もしもヘモグロビンが1mMで、TTDSが2mMの濃度で存在するとすれ ば、アミノ基のアシル化に対する見掛けの初期一次速度定数は3.2×10-2-1 と思われ、約20秒の半減期に相当する。架橋を形成するための他のアミノ基 とのその後の反応は結合される試薬の並進エントロピーの低下のために早いはず である。それ故、ヘモグロビン中の接近できるアミノ基とTTDSの反応は混合 の数分の内に完了し、加水分解は重要な競争プロセスではない。 実施例5 生物学的接合手法 1〜2当量の求核種、すなわちリジンを修飾されたヘモグロビンの緩衝溶液に 加え、溶液を35℃で2時間撹拌した。産物をゲル濾過で単離し、クロマトグラ フィーとイオン−スプレイ質量分析法で分析した。残存TTDS上の遊離のカル ボキシル基に対するリジンの化学結合が明確に立証された。 実施例6 生物学的接合 次の一般的な実験条件を用いて他の化合物を架橋Hbに結合させ ることができる。 架橋反応直後、架橋Hb(CO形態、0.3〜1.4mM、2.0〜20mL 、0.10M MOPS緩衝液中、pH7.2)の溶液と導入されるべき化合物 (30〜500mM)を0〜25℃で2〜72時間インキュベートした。必要に 応じ、インキュベーション溶液のpHを5.5〜9.5の範囲内に調節した。反 応の推移はHPLCクロマトグラフィー(Vydac c4カラム)で追跡する ことができる。反応終了後、未反応低分子を除くために反応溶液をセファデック スカラムを通過させた。望みどおりのHb接合物の純粋な試料が得られた。 この手法によって次の種類の分子が架橋Hbにうまく接合された: 1)次のようなポリヒドロキシルアミン 2)次のようなアミノ酸 3)次のようなペプチド 4)次のような酵素共同因子類似物 5)次のようなホルモン 実施例7 架橋Hbによるビオチンヒドラジドのアシル化 ビオチンヒドラジド(17mg)を0.5N塩酸(0.5mL)と1.0M MOPS緩衝液(pH7.2、0.4mL)中に溶解した。溶液を5%重炭酸ナ トリウム(0.4mL)で中性にした。上記実施例3に記述された、TTDSで 架橋された一酸化炭 素ヘモグロビン(一酸化炭素DBST Hb)(3.0mL、1.0〜1.2m M)を導入し、溶液を4℃で10日間インキュベートした。次いで過剰のビオチ ンヒドラジドと他の低分子を除くために、溶液をセファデックスG−50カラム 中を通過させた。接合された産物を、分離されたグロビン鎖の逆相HPLCと無 傷の四量体のイオン交換HPLCの組み合わせによって分析した。トリメシル− ビオチン−ヘモグロビン接合物を分取イオン交換HPLCで分離し、濃縮した。 ビオチンヒドラジドとDBST−Hbの反応はアシル化されたビオチンヒドラ ジドを含む単一の修飾された蛋白質を生成する。アシル化反応の推移を、ヘモグ ロビンのグロビン鎖を分離する条件下で、逆相HPLC分析で追跡した(第9図 )。ビオチンヒドラジド誘導体に対する新しいピークは増加するが、架橋された βサブユニットに相当するピークは減少する。第9図に示されているように、D BST−Hbの加水分解産物に対するピークも増加する。 トリメシル−Hb−ビオチンヒドラジド産物の形成も、無傷のヘモグロビン四 量体を分離する条件下で、陰イオン交換クロマトグラフィーで認めることができ る。DBST−Hbの加水分解産物のピークと共に、接合体が第10図に示され ているクロマトグラム中にピークとして現れる。逆相HPLCカラムでアシル化 されたビオチンヒドラジドに割りあてられたピークに溶出する物質のリクロマト グラフィーは既に分析された物質と一致した。ビオチン付加物SDS−PAGE は架橋されたβ鎖のピークだけでなく、 未修飾のα鎖のピークも示した。 イオンスプレイ質量分析法によれば、架橋されたβ鎖については、ααβ82 −β′82:ビオチンヒドラジド接合体によって与えられるピークは32,15 2.29±2.10(計算値 32153)であり、未修飾α鎖に対しては15 ,127.85±0.62(計算値15,126)である。 ビオチンヒドラジド付加物(ααβ82−β′82:ビオチンヒドラジド)、 加水分解されたDBST−Hb(ααβ82−β′82:OH)および自生の、 未修飾HbのCDおよびUVスペクトルは実質上同じであり、架橋され、接合さ れたHbの三次構造は未修飾の自生の蛋白質の三次構造と著しくは異なっていな いことを示唆している。 実施例8 架橋Hbによるグルコサミンのアシル化 D(+)−グルコサミン塩酸(150mg)を1.0mLの0.1M MOP S(pH7.2)中に溶解した。実施例3に記述されたTTDSで架橋された一 酸化炭素ヘモグロビン(2.5mL、1.0〜1.2mM)を添加し、生成する 溶液を4℃で7日間インキュベートした。トリメシル−ビオチン−ヘモグロビン 接合体について上述した方法によって分析と産物の単離を行なった。イオンスプ レイ質量分析法で分子の質量を測定した。また接合によって引き起こされる構造 の摂動は最小である。 イオンスプレイ質量分析法によって、DBST−Hbとグルコサミンの反応か らのアミド(ααβ82−β′82:グルコサミン)は架橋されたβ鎖について は32,073.41±1.27の質 量(計算値32,074)および未修飾のα鎖については15,128.45± 1.12の質量を示した。 実施例9 TTDS−架橋Hb(DBST Hb)の他のアシル化反応 リジン、グリシン(gly)−グリシン−グリシン、ノルエピネフリンおよび α−(1−ニコチンアミド)アセチルヒドラジドをTTDS−架橋Hbと反応さ せ、次いで上記実施例7でビオチン誘導体について記述した手法にしたがって、 生成するアミドのクロマトグラフによる分析と単離を行なった。アシル化反応の 速度は添加される種の求核性と濃度に依存する。求核性試薬の高い固有の反応性 と高い濃度がヘモグロビン付加物の競争加水分解反応の程度を最小限度にする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,MG,MN ,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SK,UA,VN (72)発明者 ザ ユニバーシティー オブ トロント イノベーションズ ファウンデーション カナダ国、エム5 ジー 2エル3、オン タリオ、トロント、ユニバーシティ アベ ニュー 525

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ヘモグロビンを次の一般式に相当する架橋剤 式中、Yは脂肪族、芳香族または脂環族の炭化水素基を表わし、X、YおよびZ は同じでも良いし、または異なっていても良く、各々はかさ高で、芳香族の求電 子性陰イオン離脱基を表わす、と反応させることから成る、それそれのβサブユ ニット上の82番のリジンの一級アミノ基の間に架橋を有する特異的に架橋され た四量体であるヘモグロビンの製造方法。 2. 架橋剤が次の一般式に相当する請求の範囲第1項記載の方法 式中、X′、Y′およびZ′は同じでも良いし、または異なっていても良く、各 々は少なくとも二つの電子求引性の基を持っている芳香族の核から必須的に成る 求電子性陰イオン離脱基を表わす。 3. 電子求引性の基がハロゲンおよびカルボキシレート並びに それらの組み合わせより成る群れから選ばれる請求の範囲第2項記載の方法。 4. 橋剤がトリメソイル=トリス(3,5−ジブロモサルチレート)である 請求の範囲第3項記載の方法。 5. ヘモグロビンがヒトのデオキシヘモグロビンとヒトの一酸化炭素ヘモグ ロビンより成る群れから選ばれる請求の範囲第4項記載の方法。 6. 形成される特異的に架橋されたヘモグロビンがトリメソイル=トリス( 3,5−ジブロモサルチレート)の残基から導かれる遊離のカルボキシル基を含 んでいる請求の範囲第5項記載の方法。 7. 遊離のカルボキシル基を外因性の求核性試薬と反応させる次の工程をさ らに含んでいる請求の範囲第3項記載の方法。 8. 外因性の求核性試薬がアミンである請求の範囲第7項記載の方法。 9. ヘモグロビンが動物のデオキシヘモグロビンと動物の一酸化炭素ヘモグ ロビンより成る群れから選ばれる請求の範囲第4項記載の方法。 10. それぞれのβサブユニット上の予定された一級アミノ基の間を伸張し 、しかもそれらに共有結合している架橋基を有し、該架橋基はさらに外因性の求 核性試薬との反応に利用できるカルボキシル基を含んでいる特異的に架橋された 四量体であるヘモグロビン。 11. 架橋基がそれぞれのβサブユニット上の82番のリジン の一級アミノ基の間を伸張し、しかもそれらに共有結合している請求の範囲第1 0項記載の特異的に架橋された四量体であるヘモグロビン。 12. 架橋基がトリメソイル=トリス(3,5−ジブロモサルチレート)と 該一級アミノ基の反応の残基である請求の範囲第11項記載の特異的に架橋され た四量体であるヘモグロビン。
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