JPH08502655A - 受動的オイルロスコントロールのために固体ポリグリセロールエステル粒子を含有した非消化性脂肪組成物 - Google Patents

受動的オイルロスコントロールのために固体ポリグリセロールエステル粒子を含有した非消化性脂肪組成物

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JPH08502655A JP6511179A JP51117993A JPH08502655A JP H08502655 A JPH08502655 A JP H08502655A JP 6511179 A JP6511179 A JP 6511179A JP 51117993 A JP51117993 A JP 51117993A JP H08502655 A JPH08502655 A JP H08502655A
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Abstract

(57)【要約】 食品でトリグリセリド油脂の代替物として有用な非消化性脂肪組成物が開示されている。その組成物は典型的室温〜体温で比較的平坦な固体脂肪含有率(SFC)分布勾配を有している。非消化性脂肪組成物は液体非消化性油と、受動的オイルロスをコントロールするために十分な量でその油中に分散された非消化性固体ポリグリセロールエステル粒子を含んでいる。固体ポリグリセロールエステル粒子のエステル基は長鎖(C16-C24)脂肪酸基を含み、その長鎖脂肪酸基のうち少くとも約40%は飽和して少くとも18の炭素原子を有している。これらの非消化性脂肪組成物を含有した食用脂肪含有製品は、受動的オイルロスコントロールに要する固体分の低いレベルのせいで低ロウ状味覚である。

Description

【発明の詳細な説明】 受動的オイルロスコントロールのために固体ポリグリセロールエステル粒子を含 有した非消化性脂肪組成物 技術分野 本発明は、食品でトリグリセリド油脂の全又は一部代替物として有用である非 消化性脂肪組成物に関する。更に詳しくは、本発明は過度なロウ状の味覚なしに 受動的オイルロス(passive oil loss)コントロールを示すこのような非消化性 脂肪組成物を提供する。 発明の背景 あるポリオール脂肪酸ポリエステルは、食品で用いられるトリグリセリド油脂 の低カロリー代替物として示唆された。例えば、少くとも4つの脂肪酸エステル 基を有して、各脂肪酸が8〜22の炭素原子を有する、非吸収性非消化性糖脂肪 酸エステル又は糖アルコール脂肪酸エステルは、低カロリー食品組成物で部分又 は全脂肪代替物として用いられてきた(Mattson & Volpenhein、米国特許第3, 600,186号、1971年8月17日付発行参照)。これらのポリオールポ リエステルがトリグリセリド油脂の一部又は完全代替物として特に有用である食 品には、フライ揚げで使用に適した製品がある。残念ながら、完全液体形のこれ らポリオールポリエステル の中〜高レベルの日常的摂取は望ましくない受動的オイルロス、即ち肛門括約筋 からのポリエステルの漏出を生じることがある。対照的に、完全固体形のこれら ポリエステルは口内温度(例えば、92°F、33.3℃)で十分に高い固体含 有分を有するため、それらは摂取時に口内でロウ状味覚又は印象を示す。 これらの完全液体又は完全固体非消化性/非吸収性ポリオールポリエステルの 代わりに、受動的オイルロスコントロールと同時に口内で低いロウ性を示すある 中間融点ポリオール脂肪酸ポリエステルが開発された(Bernhardt、欧州特許出 願第236,288号及び第233,856号、各々1987年9月9日及び8 月26日付公開参照)。これらの中間融点ポリオールポリエステルは、残留液体 部分と結合する最少レベルの固体分(例えば、約12%以下)を含んだマトリッ クスをそれらが有するために、体温で独特なレオロジーを示す。結果として、こ れらの中間融点ポリオールポリエステルは受動的オイルロスコントロールを示す 上で体温で十分に粘稠であり、しかも十分に高い液体/固体安定性を有している 。このような中間融点ポリオールポリエステルの例は、完全に水素付加された( ハードストック)及び部分的に水素付加された大豆油脂肪酸メチルエステルの5 5:45混合物でスクロースを実質上完全にエステル化することにより得られる エステルである(上記欧州特 許出願の例1及び2参照)。 これらの中間融点ポリオールポリエステルは、調理及びフライ油を含めた様々 な食品で、他の油脂の全又は一部代替物として使用できる。しかしながら、実質 レベル、特に約40%を超えるレベルでこれら非消化性中間融点ポリオールポリ エステルを含有したフライ脂肪で揚げられたポテトチップのようなある食品は、 非消化性ポリオールポリエステルが一部置き代わった消化性トリグリセリド油脂 で揚げられたポテトチップと比較して、有意に高いロウ性印象を示すことがわか った(物理的性質に関して、“ロウ性”とは脂肪組成物が口内でどのように感じ られるかに関し、特に比較的高レベルの固体分を有した製品の感覚に一部関する )。実際に、これらの中間融点ポリオールポリエステルに関するこの高ロウ性印 象は前記欧州特許出願第233,856号で認識されており、その出願では中間 融点ポリオールポリエステルの溶媒として作用するトリグリセリドと置換モノ及 びジグリセリドのような消化性食品物質を含有した脂肪組成物について開示して いる。しかしながら、低いロウ性を付与するようにトリグリセリドの割合が中間 融点ポリオールポリエステルに対して増加されると、フライ脂肪のカロリー分も それに応じて増加してゆく。加えて、約40%以上のこれら中間融点ポリオール ポリエステルを含有したフライ脂肪は得られるフライド食品、特にポテトチップ の フレーバー発現に悪影響を与えることがわかった。 上記欧州´288及び´856出願の場合のような中間融点ポリオールポリエ ステルで示されるロウ性印象は、特に典型的室温(即ち、70°F、21.1℃ )〜体温(即ち、98.6゜F、37℃)で固体脂肪含有率(SFC)に関する それらの変化に少くとも一部起因していると考えられる。例えば、欧州特許出願 第233,856号及び第236,128号明細書の例2の中間融点スクロース ポリエステルは室温〜体温で約−1.3のSFC分布勾配(以下で定義される) を有する。換言すれば、これら中間融点ポリオールポリエステルのSFC分布勾 配は比較的急である。この比較的急なSFC分布勾配のために、これら中間融点 ポリオールポリエステルの固体含有分の変化は十分大きく、その結果このような 室温物質が最初に口内に置かれたとき高レベルの固体分が感じられ、それにより 高いロウ性感覚を出している。 好ましくはC10‐C22飽和脂肪酸でエステル化された完全に固体のポリオール ポリエステルハードストック(例えば、スクロースオクタステアレート)と完全 に液体のポリオールポリエステルとのブレンドも、受動的オイルロスコントロー ルを示すために提案された(例えばJandacek、米国特許第4,005,195号 ;Jandacek/Mattson、米国特許第4,005,196号;双方とも1977年1 月25日付発行参照)。これら液体ポリオ ールポリエステル及び固体ポリオールポリエステルハードストックのブレンドは 、典型的室温〜体温で比較的平坦なSFC分布勾配、即ち0〜約−0.3、更に 典型的には0〜約−0.1の勾配を有している。換言すれば、室温〜体温でこれ らブレンドの固体含有分にほとんど又は全く変化がない。 少くとも一時的な受動的オイルロスコントロールを示すが、上記米国´195 及び´196特許による液体ポリオールポリエステル及び固体ポリオールポリエ ステルハードストックのブレンドは必ずしも長期間にわたり受動的オイルロスコ ントロールを示さない。これらの固体ポリオールポリエステルハードストックは 液体ポリオールポリエステル中で大きな球晶粒子(典型的には約3〜約32ミク ロンの大きさ)を通常形成しがちであることがわかった。これらの大きな球晶粒 子は、このようなブレンドの貯蔵中に液体ポリオールポリエステルから相分離す る傾向がある。結果的に、2相系がその液体部分で生じて、最少でしか又は全く 受動的オイルロスコントロールを示さなくなる。 加えて、上記米国特許第4,005,195号及び第4,005,196号に よる液体ポリオールポリエステル及び固体ポリオールポリエステルハードストッ クのブレンドは必ずしも低ロウ状味覚製品にならない。これらの特許明細書で示 されるように、比較的高レベルの固体 ポリオールポリエステルハードストックが受動的オイルロスコントロールを示す 上で要求される。例えば、ハードストックは液体ポリオールポリエステルの約2 0〜約50重量%の量で用いられることが好ましい(米国特許第4,005,1 95号明細書の第9欄、65〜68行目参照)。体温で受動的オイルロスコント ロールのために用いられるこのようなレベルの固体ポリオールポリエステルハー ドストックは、口内温度でも存在する比較的高レベルの固体分のせいで、ロウ状 味覚製品になることがある。 上記からみて、液体ポリオールポリエステル及び固体ポリオールポリエステル ハードストック粒子のブレンドを含んで、このようなブレンドが液体ポリオール ポリエステルからのハードストック粒子の相分離をほとんど又は全く示さない非 消化性脂肪組成物を提供することが望まれる。加えて、低ロウ状味覚製品を提供 するために、有効な受動的オイルロスコントロールに要求される固体ポリオール ポリエステルハードストックのレベルを減少できることが望まれる。 液体非消化性油と組み合わされたときに受動的オイルロスコントロール剤とし て有用であることに加えて、約25℃以上の温度で固体であるあるポリオールポ リエステルは慣用的消化性トリグリセリド油用の増粘剤としても用いられてきた 。例えば、これらの固体ポリオールポ リエステルは、ショートニングのような処方と、脂肪及び無脂肪成分の組合せを 含有した他の食品、例えばマーガリン、マヨネーズ、冷凍乳デザートにおいて、 液体消化性又は非消化性油とブレンドするための“増粘剤”として用いられてき た(例えば、Jandacek及びLetton、米国特許第4,797,300号;1989 年1月10日付発行参照)。しかしながら、これら従来の増粘剤は10〜25% のレベルで用いられねばならなかった。したがって、低ロウ状味覚製品を提供す るためにこのタイプの増粘剤のレベルを減少させることも望まれる。 発明の要旨 本発明は食品でトリグリセリド油脂の代替物として有用な非消化性脂肪組成物 に関する。このような組成物は室温(70°F)〜体温(98.6°F)で0〜 約−0.75%固体分/°Fの固体脂肪含有率(SFC)分布勾配を有している 。このような組成物は更に、非消化性脂肪組成物の摂取時に受動的オイルロスを コントロールするために十分な量で非消化性固体ポリオールポリエステル粒子を 分散させた液体非消化性油成分を含んでいる。 本組成物の液体非消化性油成分は、約37℃以下の完全融点を有するものであ る。本組成物でオイルロスコントロール剤として用いられる非消化性固体ポリグ リセロールエステル粒子を形成するために使用できるポリグリ セロールエステルは約37℃以上の完全融点を有するものであり、その中のエス テル基は長鎖(C16‐C26)脂肪酸基を含み、これら長鎖脂肪酸のうち少くとも 約40%は少くとも18の炭素原子を有している。本組成物の液体非消化性成分 中に分散された非消化性固体ポリグリセロールエステル粒子は、本脂肪組成物に 少くとも約10kPa/secのチキソトロピー面積値(後で定義されている)を付与 するものとして更に特徴付けできる。 本発明の非消化性脂肪組成物は、公知の中間融点ポリオールポリエステルより も、また、液体ポリオールポリエステルとポリオールポリエステルハードストッ クとの従来のブレンドよりも大きな利点を示す。比較的小さな非消化性粒子は、 特に効率的な受動的オイルロスコントロールを示す。結果的に、受動的オイルロ スコントロールに要求される体温での固体分レベルは比較的低レベル(例えば、 非消化性脂肪の約20%以下、好ましくは15%以下)まで減少させることがで きる。加えて、本発明の非消化性脂肪は比較的平坦なSFC分布勾配を有し、こ のため典型的室温〜体温で固体含有分の変化率を最少にするか又は消失させる。 受動的オイルロスコントロールに要求される比較的低い固体分レベルと、室温〜 体温で最少/無固体含有分変化率とのこの組合せで、これらの非消化性脂肪を含 有した低ロウ状味覚製品を得ることができる。 本発明は増粘剤として前記の非消化性ポリオールポリエステル物質の粒子を利 用した消化性脂肪組成物にも関する。このような組成物は約85〜約99%の消 化性食用油と約1〜約15%の非消化性固体ポリオールポリエステル粒子を含ん でいる。 図面の簡単な説明 図1はポテトチップの冷却プロフィルを示したテンプレート(template)であ る。 図2は液体スクロースポリエステル中に分散された固体ポリグリセロールエス テルの粒子を示した顕微鏡写真(倍率1000×)である。 発明の具体的な説明 A.定義 “非消化性”とは、物質の約70%以下、好ましくは20%以下、更に好まし くは1%以下だけが、後の分析セクションで記載されるリパーゼ試験において、 酵素でトリグリセリドについて加水分解できることを意味する。 本明細書で用いられる粒子の“厚さ”という用語は、所定粒子の三寸法(長さ 、幅、高さ)のうち最少の慣用的意味で用いられる。 本明細書で用いられる“球晶”という用語は、実質上球形又は丸形で本質的に 三次元の粒子に関する。 本明細書で用いられる“小板様”という用語は、厚さよりも寸法が実質上大き い非折りたたみ平面的立体配置 で長さ及び幅を有した、実質上平坦で本質的に二次元タイプの粒子に関する。 本明細書で用いられる“フィラメント様”及び“棒様”という用語は、細長い 本質的に一次元の粒子に関する。 本明細書で用いられる“完全融点”という用語は、全固体成分が溶融する温度 に関する。本明細書で言及されるすべての融点は、下記のような示差走査熱量測 定(DSC)で測定される。 本明細書で用いられる“含む”という用語は、様々な成分又はステップが本発 明の非消化性脂肪、組成物及びプロセスで一緒に使用できることを意味する。し たがって、“含む”という用語は更に制限的な用語“から本質的になる”及び“ からなる”を包含している。 “ポリオール”とは、少くとも4つ、好ましくは4〜12、更に好ましくは4 〜8、最も好ましくは6〜8のヒドロキシル基を有する多価アルコールを意味す る。このため、ポリオールには糖(即ち、単糖、二糖及び三糖)、糖アルコール (即ち、アルデヒド又はケトン基がアルコールに還元された糖の還元産物)、他 の糖誘導体(例えば、アルキルグリコシド)、ポリグリセロール、例えばジグリ セロール及びトリグリセロール、ペンタエリトリトールとポリビニルアルコール がある。適切な糖、糖アルコール及び糖誘導体の具体例にはキシロース、アラビ ノース、リボース、キシリトール、エリトリトール、 グルコース、メチルグルコシド、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソ ルビトール、マルトース、ラクトース、スクロース、ラフィノース及びマルトト リオースがある。好ましいポリオールにはエリトリトール、キシリトール、ソル ビトール及びグルコースがあり、スクロースが特に好ましいポリオールである。 “ポリオールポリエステル”とは、少くとも4つのエステル基を有する前記の ようなポリオールを意味し、即ち少くとも4つのヒドロキシル基が脂肪酸又は他 の有機酸でエステル化されている。3以下の脂肪酸エステル基を有するポリオー ルエステルは常用トリグリセリド油脂と同様に腸管でかなり消化される(消化産 物はそこから吸収される)が、一方4以上のエステル基を有するポリオールエス テルは人体にとり実質上非消化性であり、そのため非吸収性である。ポリオール のすべてのヒドロキシル基がエステル化されることは不要であるが、二糖分子は 、それらが非消化性とされるためには、3以下の非エステル化ヒドロキシル基を 有することが好ましく、2以下の非エステル化ヒドロキシル基を有することが更 に好ましい。典型的には、ポリオールの実質上すべて(例えば、少くとも約85 %)のヒドロキシル基がエステル化される。液体ポリオールポリエステルの場合 には、好ましくはポリオールのヒドロキシル基の少くとも約95%がエステル化 される。スクロースポリエステルの場合 には、典型的には、ポリオールのヒドロキシル基のうち約7〜8がエステル化さ れる。 “エステル基”とはヒドロキシル基と有機酸又は酸誘導体との反応から形成さ れる部分を意味し、その部分は少くとも2つの炭素原子、典型的には少くとも8 つの炭素原子、更に典型的には少くとも12の炭素原子、最も典型的には少くと も16の炭素原子を有する脂肪酸及び/又は他の有機酸基を含んでいる。このよ うな脂肪酸及び他の有機酸基の代表例には酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル 酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸 、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リシノール酸 、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、アラキドン酸 、ベヘン酸、リグノセリン酸、エルカ酸及びセロチン脂肪酸基と、他の有機酸基 として安息香酸又はトルイル酸のような芳香族エステル形成基;イソ酪酸、ネオ オクタン酸又はメチルステアリン酸のような分岐鎖基;トリコサン酸又はトリコ セン酸のような超長鎖飽和又は不飽和脂肪酸基;シクロヘキサンカルボン酸のよ うな環状脂肪族基;ポリアクリル酸又はダイマー脂肪酸のようなポリマー酸エス テル形成基がある。脂肪酸又は他の有機酸基は天然又は合成酸から誘導すること ができる。酸基は飽和でも又は不飽和でもよく、位置又は幾何異性体、例えばシ ス又はトランス異性体を含み、 直鎖又は分岐鎖芳香族又は脂肪族であり、すべてのエステル基について同一でも 、又は異なる酸基の混合物であってもよい。 本明細書で用いられるすべてのパーセンテージ、比率及び割合は、他で指摘さ れないかぎり重量による。 B.液体非消化性油 本発明の非消化性脂肪組成物の主要成分は、約37℃以下の完全融点を有した 液体非消化性油である。本発明で使用に適した液体非消化性食用油には、液体ポ リオールポリエステル(Jandacek、米国特許第4,005,195号、1977 年1月25日付発行参照);トリカルバリル酸の液体エステル(Hamm、米国特許 第4,508,746号、1985年4月2日付発行参照);マロン及びコハク 酸の誘導体のようなジカルボン酸の液体ジエステル(Fulcher、米国特許第4, 582,927号、1986年4月15日付発行参照);α-分岐鎖カルボン酸 の液体トリグリセリド(Whyte、米国特許第3,579,548号、1971年 5月18日付発行参照);ネオペンチル部分を有する液体エーテル及びエーテル エステル(Minich、米国特許第2,962,419号、1960年11月29日 付発行参照);ポリグリセロールの液体脂肪ポリエーテル(Hunterら、米国特許 第3,932,532号、1976年1月13日付発行参照);液体アルキルグ リコシド脂肪酸ポリエステル(Meyerら、 米国特許第4,840,815号、1989年6月20日付発行参照);2つの エーテル結合ヒドロキシポリカルボン酸(例えば、クエン又はイソクエン酸)の 液体ポリエステル(Huhnら、米国特許第4,888,195号、1988年12 月19日付発行参照);エポキシド伸長ポリオールの液体エステル(Whiteら、 米国特許第4,861,613号、1989年8月29日付発行参照);液体ポ リジメチルシロキサン(例えば、ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手で きる液体シリコーン)がある。液体非消化性油について言及する上記特許すべて が参考のため本明細書に組み込まれる。 好ましい液体非消化性油は、液体糖脂肪酸ポリエステル、液体糖アルコール脂 肪酸ポリエステル及びそれらの混合物を含めた液体ポリオールポリエステルであ る。これらの液体ポリオールポリエステルを製造する上で好ましい糖及び糖アル コールにはエリトリトール、キシリトール、ソルビトール及びグルコースがあり 、スクロースが特に好ましい。これらの液体ポリオールポリエステル用の糖又は 糖アルコール出発物質は、好ましくは8〜22の炭素原子、最も好ましくは8〜 18の炭素原子を有する脂肪酸でエステル化される。このような脂肪酸の適切な 天然源にはコーン油脂肪酸、綿実油脂肪酸、ピーナツ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、 カノーラ油(即ち、低エルカ酸菜種油に由来する脂肪酸)、ヒマワリ種子油脂肪 酸、ゴマ種子油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、分別パーム油脂肪酸、パーム核油 脂肪酸、ココナツ油脂肪酸、獣脂脂肪酸及びラード脂肪酸がある。 液体である非消化性ポリオール脂肪酸ポリエステルとは、体温(即ち、98. 6°F、37℃)で最少又は無固体分を有するものである。これらの液体ポリオ ールポリエステルは、典型的には高割合でC12以下の脂肪酸基又は高割合でC18 以上の不飽和脂肪酸基を有するエステル基を含む。高割合で不飽和C18以上脂肪 酸基を有する液体ポリオールポリエステルのケースにおいて、ポリエステル分子 中に組み込まれた脂肪酸の少くとも約半分は典型的には不飽和である。このよう な液体ポリオールポリエステルで好ましい不飽和脂肪酸はオレイン酸、リノール 酸及びそれらの混合物である。 以下は本発明で使用に適した具体的な液体ポリオールポリエステルの非制限例 である:スクローステトラオレエート、スクロースペンタオレエート、スクロー スヘキサオレエート、スクロースヘプタオレエート、スクロースオクタオレエー ト、不飽和大豆油脂肪酸、カノーラ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、コーン油脂肪酸、 ピーナツ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸又はココナツ油脂肪酸のスクロースヘプタ 及びオクタエステル、グルコーステトラオレエート、ココナツ油又は不飽和大豆 油脂肪酸のグルコーステトラエステル、混合大豆油脂肪酸のマンノーステト ラエステル、オレイン酸のガラクトーステトラエステル、リノール酸のアラビノ ーステトラエステル、キシローステトラリノレエート、ガラクトースペンタオレ エート、ソルビトールテトラオレエート、不飽和大豆油脂肪酸のソルビトールヘ キサエステル、キシリトールペンタオレエートとそれらの混合物。 本組成物で使用に適した液体ポリオールポリエステルは当業者に知られる様々 な方法により製造できる。これらの方法には:様々な触媒を用いる、望ましい酸 基を有したメチル、エチル又はグリセロール脂肪酸エステルによるポリオール( 即ち、糖又は糖アルコール)のエステル交換;脂肪酸クロリドによるポリオール のアシル化;脂肪酸無水物によるポリオールのアシル化;及び望ましい酸自体に よるポリオールのアシル化がある(例えば、米国特許第2,831,854号、 第3,600,186号、第3,963,699号、第4,517,360号及 び第4,518,772号明細書参照;それらすベてが参考のため組込まれる。 これら特許すべてがポリオール脂肪酸ポリエステルを製造する適切な方法につい て開示している。) C.固体ポリグリセロールエステル成分 本発明の非消化性脂肪組成物の第二主要成分は、受動的オイルロスをコントロ ール又は防止するために、液体非消化性油に分散されたあるポリグリセロールエ ステル の比較的小さな非消化性固体粒子を含んでいる。これらの粒子は球晶、小板様、 フィラメント様、棒様又はこれら様々な形状の組合せを含めて様々な形態及び形 状をとるが、典型的には球晶又は小板様である。これら粒子の厚さは典型的には 約1ミクロン以下である。しかしながら、薄い粒子の方が、本組成物の液体非消 化性油成分のより効率的な受動的オイルロスコントロールを示す観点からは好ま しい。したがって、これらの粒子は好ましくは0.1ミクロン以下、更に好まし くは0.05ミクロン以下の厚さを有している。これらの粒子は約37℃以上、 好ましくは約50℃以上、更に好ましくは約60℃以上の完全融点を更に有して いる。 これらの非消化性粒子を形成するポリオールポリエステル物質は分析方法セク ションで記載された示差走査熱量測定(DSC)で測定されるような完全融点を 有しているべきであり、これは非消化性粒子が液体非消化性油に分散されたとき にこのような粒子自体が前記された特定の融点特徴を有するほど十分に高い。例 えば、37℃ちょうどの完全融点を有するポリオールポリエステル物質は、この ような粒子が液体非消化性油に分散されたときに、約37℃以上の完全融点を有 する固体粒子を形成しないことがある。このため、一部のケースでは、ニートな ポリオールポリエステル物質の完全融点は、このような粒子が液体非消化性油と 混合されたときに37℃の 完全融点を有する固体粒子を形成する上で、37℃よりやや高い、例えば約40 ℃以上でなければならない。 これらの非消化性粒子は液体非消化性油中で個別の非凝集物として通常分散す ることができる。しかしながら、これらの非消化性粒子は液体非消化性油に分散 されたかなり大きな凝集物を形成するように一緒に集合することもできる。これ は形態が小板様である非消化性粒子のときに特に該当する。小板様非消化性粒子 の凝集物は典型的には特性上多孔質である球晶形状をとり、このため有意量の液 体非消化性油を捕捉することができる。多量の液体非消化性油を捕捉するこの多 孔質構造とその付随能力が、これらの凝集小板様粒子が非凝集形態の粒子ほど効 率的でないが非常に有効で効率的な受動的オイルロスコントロールを示す理由で あると考えられる。 本発明の脂肪組成物を形成するために用いられるポリグリセロールエステルは 、少くとも約2つのグリセロール部分、更に好ましくは約3〜10のグリセロー ル部分、更に一層好ましくは4〜8のグリセロール部分、最も好ましくは4〜6 のグリセロール部分を含んでいる。典型的には、用いられるポリグリセロールエ ステルの混合物は、後の分析方法セクションで記載されるような、約2〜10、 好ましくは約3〜8、更に好ましくは約3〜6の平均グリセリン重合度(n-bar )を有する。このようなポリグリセロールエステル混合物中におけるグリセロ ール部分の数の分布は狭くても又は広くてもよい。典型的には、ポリグリセロー ルエステルのヒドロキシル基のうち少くとも約30%は脂肪酸でエステル化され ている。好ましくは、ヒドロキシル基の少くとも約50%がエステル化されてい る。本発明で用いられるポリグリセロールエステル物質のエステル化率は、後の 分析方法セクションで記載されたようにして決定できる。 本発明の固体ポリグリセロールエステル成分を形成するエステル基は長鎖(C16 -C26)脂肪酸基を含み、これら長鎖脂肪酸のうち少くとも40%は飽和して 、少くとも18の炭素原子を有している。好ましくは長鎖脂肪酸のうち少くとも 約50%は飽和して、少くとも18の炭素原子を有し、更に好ましくは長鎖脂肪 酸のうち少くとも約75%は飽和して、少くとも18の炭素原子を有し、最も好 ましくは長鎖脂肪酸のうち少くとも約85%は飽和して、少くとも18の炭素原 子を有している。 本発明のポリグリセロールエステル成分上でエステル基を形成する脂肪酸基は 飽和でも又は不飽和であってもよい。ポリグリセロールエステル成分は、エステ ル基を形成する脂肪酸の不飽和度の尺度であるヨウ素価を特定することで、実際 上更に特徴付けできる。本発明の固体ポリグリセロールエステルは、50以下、 好ましくは約20以下、更に好ましくは約10以下、最も好ましくは約5以下の ヨウ素価を有することが好ましい。 望ましい脂肪酸を含有する供給源油(例えば、大豆油、綿実油、サフラワー、 菜種油、カノーラ、コーン油、ヒマワリ油及び獣脂)からの混合脂肪酸が、本発 明で用いられるポリグリセロールエステル物質のエステル基の脂肪酸基を形成す るために使用できる。例えば、硬化(即ち、水素付加)高エルカ酸菜種油脂肪酸 が純粋ベヘン脂肪酸の代わりに使用できる。脂肪酸は“そのまま”でも及び/又 は水素付加及び/又は異性化及び/又は精製後でも用いることができる。好まし くは、ベヘン酸(又はその誘導体、例えばメチルエステル)は例えば蒸留により 濃縮される。 本発明で用いられる固体ポリグリセロールエステル物質は、ポリオールポリエ ステルを製造する上で公知の方法に従い製造できる。1つのこのような製造法で は、望ましいエステル形成酸の酸塩化物又は酸無水物あるいは酸自体をポリグリ セロールと反応させる。これは、すべての脂肪酸が一緒に混合されて一度に加え られる連続エステル化プロセスを用いて行える。Letton、欧州特許第311,1 54号、1989年4月12日付公開参照(参考のため本明細書に組み込まれる )。 これらの固体ポリグリセロールエステルを製造するもう1つの方法は、脂肪酸 石鹸及び炭酸カリウムのような塩基性触媒の存在下で、各望まれる酸のメチルエ ステルをポリグリセロールと反応させるプロセスによる。例え ば、Rizziら、米国特許第3,963,699号、1976年6月15日付発行 ;VolPenheln、米国特許第4,518,772号、1985年5月21日付発行 ;Volpenhein、米国特許第4,517,360号、1985年5月14日付発行 参照;それらすべてがポリオールポリエステル合成に関し、参考のために組み込 まれる。 D.最少受動的オイルロスを示す非消化性脂肪組成物の 製造 改善された受動的オイルロスを示す本発明の非消化性脂肪組成物を製造するた めに、液体非消化性油は前記の固体ポリグリセロールエステルの粒子と組み合わ される。ポリグリセロールエステル粒子は受動的オイルロスをコントロール又は 防止するために十分な量で用いられる。所定の脂肪組成物について“受動的オイ ルロスをコントロール又は防止するために十分な量”を構成するものには、そこ で利用される具体的なポリグリセロールエステル、望まれる具体的な受動的オイ ルロスコントロール効果と、処方される非消化性脂肪組成物の具体的な最終製品 使用にとり許容されうるロウ性口内印象のレベルに依存している。典型的には、 こうして形成される非消化性脂肪組成物は約60〜約99%の液体非消化性油と 約1〜約40%の固体ポリグリセロールエステル粒子を含む。好ましくは、この 混合物は約80〜約99%の液体非消化性油と約1〜約20%の固体ポリグリセ ロールエステ ル粒子、更に好ましくは約85〜約99%の液体非消化性油と約1〜約15%の 固体ポリグリセロールエステル粒子、更に一層好ましくは約90〜約99%の液 体非消化性油と約1〜約10%の固体ポリグリセロールエステル粒子、最も好ま しくは約95〜約99%の液体非消化性油と約1〜約5%の固体ポリグリセロー ルエステル粒子を含む。より高レベルの液体非消化性油(即ち、より低レベルの 固体ポリグリセロールエステル粒子)の使用が、本発明の非消化性脂肪組成物の 固体成分により残されるロウ性印象を減少させる観点から望ましい。しかしなが ら、より高レベルの固体ポリグリセロールエステル粒子(即ち、より低レベルの 液体非消化性油)は、このような液体非消化性油を含有した組成物の摂取に伴う 受動的オイルロスをコントロール又は防止する観点から望ましい。 液体非消化性油及び固体ポリグリセロールエステル粒子の組合せは、典型的に は液体及び固体成分を単純に一緒にミックスし、固体ポリグリセロールエステル 物質が油中に溶解するまで混合物を加熱し、その後適切な結晶化温度、例えばポ リグリセロールエステル粒子を形成させる室温まで混合物を冷却することにより 形成される。 本発明の脂肪組成物で形成されるポリグリセロールエステル粒子の具体的大き さは、油及び溶解固体の加熱混合物が冷却される速度に依存する。本明細書で用 いられ る冷却速度とは、(a)加熱された油/溶解固体組合せと(b)冷却された結晶液 体/固体粒子組合せとの温度差を、この温度差を作る上で要した時間で割ったも のとして定義される。通常、本発明の脂肪組成物を形成する上で用いられる冷却 速度が大きくなるほど、このような組成物中に分散される固体ポリグリセロール エステル物質の粒子は小さくなる。本発明の脂肪組成物を形成する上で使用上望 ましい冷却速度は、典型的には0.6℃/min(1°F/min)以上、好ましくは2 .8度/min(5°F/min)以上、更に好ましくは5.6℃/min(10°F/min) 以上、最も好ましくは27.8℃/min(50°F/min)以上である。本発明の非 消化性脂肪組成物がその場で、例えばそれらが一部を形成している食品内で形成 されるとき、脂肪組成物成分のタイプ及び濃度は、食品による冷却プロフィルが 食品内で固体ポリグリセロールエステル粒子の望ましい量及び大きさを形成でき るように選択されるべきである。 本発明による薄い非消化性粒子の形成は、得られた脂肪組成物で特に効率的な 受動的オイルロスコントロールを示す。このような効率化のおかげで、非消化性 脂肪の固体含有分を比較的低いレベル(例えば、約1〜約15%)まで減少させ ることができる。典型的室温〜体温における固体分の最少/無変化と一緒に、受 動的オイルロスコントロールに要求される固体レベルのこの減少のお かげで、低ロウ状味覚印象を有する非消化性脂肪を得ることができる。 液体非消化性油及び固体非消化性ポリグリセロールエステル双方の成分と各濃 度は、ある物理的特徴を有する非消化性脂肪組成物を提供するために選択される 。第一に、本発明の非消化性脂肪は、典型的室温〜体温、即ち70°F〜98. 6°Fの温度範囲にわたり、比較的平坦な固体脂肪含有率(SFC)分布勾配を 示すべきである。これら2つの温度間のSFC分布勾配は0〜約−0.75%固 体分/゜F、好ましくは0〜−0.5%固体分/゜F、更に好ましくは0〜約− 0.3%固体分/°F、最も好ましくは0〜−0.1%固体分/°Fであるべき である。本脂肪組成物のSFC分布勾配を決める方法は、後の分析方法セクショ ンで記載されている。 本発明の非消化性脂肪組成物は特定のチキソトロピー面積値も示すべきである 。これらのチキソトロピー面積値は、脂肪が所定最終使用食品で用いられたとき に出会う冷却プロフィルに従い冷却して非消化性脂肪組成物が結晶化されるとき におけるその見掛け粘度及びチキソトロピーを反映する操作により決定される。 例えば、本発明の非消化性脂肪の場合に、これはポテトチップの冷却プロフィル に類似させることができ、このような冷却プロフィルは他のディープフライド塩 味スナック製品に典型的である。本発明の非消化性脂肪組成物は、典型的に は約10キロパスカル/秒(kPa/sec)以上、好ましくは約25kPa/sec以上、更 に好ましくは約45kPa/sec以上、更に一層好ましくは約70kPa/sec以上、最も 好ましくは約80kPa/sec以上のチキソトロピー面積値を示すべきである。チキ ソトロピー面積値は後の分析方法セクションで記載された方法により決定される 。 E.非消化性脂肪組成物を含有した食品 本発明の非消化性脂肪組成物は、単独であるいは非消化性又は消化性油脂のよ うな他の物質と組合せて、食品、飲料及び医薬品を含めた様々な食用脂肪含有製 品で使用できる。特に、本発明の非消化性脂肪は、場合により消化性トリグリセ リド油脂と共に処方することができる。通常、これらの処方物は約10〜100 %の非消化性脂肪と0〜約90%の消化性トリグリセリド油脂を含む。好ましく は、これらの処方物は35〜100%、更に好ましくは約50〜約100%、最 も好ましくは約75〜約100%の非消化性脂肪と0〜約65%、更に好ましく は0〜約50%、最も好ましくは0〜約25%の消化性トリグリセリド油脂を含 む。これらトリグリセリド油脂で生じうるカロリーインパクトのために、それら が本発明の非消化性脂肪と組み合わされるレベルを最少にすることが望ましい。 本明細書で用いられる“トリグリセリド油”という用語は約25℃以上で流体 又は液体であるトリグリセリド 組成物に関する。必要性はないが、本発明で有用なトリグリセリド油には25℃ 以下で流体又は液体であるものも含む。これらのトリグリセリド油はトリグリセ リド物質から主になるが、モノ及びジグリセリドのような他の成分も残留レベル で含むことができる。25℃以下の温度で流体又は液体性を留めるために、トリ グリセリド油はそのトリグリセリド油が冷却されたときに固体分増加を制限する ように約25℃より高い融点を有するグリセリドを最少量で含有する。トリグリ セリド油は化学的に安定でかつ耐酸化性であることが望ましい。 適切なトリグリセリド油は綿実油、大豆油、サフラワー油、コーン油、オリー ブ油、ココナツ油、パーム核油、ピーナツ油、菜種油、カノーラ油(即ち、エル カ酸が少ない菜種油)、ゴマ種子油、ヒマワリ種子油及びそれらの混合物のよう な天然液体植物油から誘導することができる。例えば粒状化又は特定エステル交 換、しかる後油の分離によりパーム油、ラード及び獣脂から得られる液体油分画 も適切である。不飽和酸のグリセリドで主要な油はフレーバーを維持するために 一部又はわずかな水素付加を要するが、25℃以上で溶融するグリセリドの量を あまり増加させない注意が払われるべきである。望みよりも多量に融点25〜4 0℃の固体分を有する油が選択されるときには、固体分を分離することが必要に なることがある。例えば、精製してやや水素添加された濾過 大豆油と、精製された綿実油が適切である。 本発明で用いられる“トリグリセリド脂肪”という用語は約25℃以上で固体 又は可塑性であるトリグリセリド組成物に関する。これらの固体又は可塑性脂肪 は植物又は動物に由来しても、あるいは食用合成油脂であってもよい。例えば、 室温で固体であるラード、獣脂、オレオ油、オレオストック、オレオステアリン 等のような動物脂肪が利用できる。トリグリセリド油、例えば不飽和植物油も、 液体油の易流動性を妨げる堅くからみ合った結晶構造を形成するために、油の脂 肪酸成分の不飽和二重結合の部分的水素付加、その後慣用的冷却及び結晶化技術 によるか、又は室温で固体である十分なトリグリセリドとの適正な混合により、 可塑性脂肪に変換できる。固体又は可塑性脂肪の追加例に関して、Purvesら、米 国特許第3,355,302号、1967年11月28日付発行;Darraghら、 米国特許第3,867,556号、1975年2月18日付発行(双方とも参考 のため本明細書に組み込まれる)明細書参照。固体又は可塑性脂肪はかなりなレ ベルの固体分を加えるため、それらの含有は本発明の食用脂肪含有製品の官能的 性質、特にロウ性に悪影響を与えることがある。 本発明の非消化性脂肪で有用なトリグリセリド油脂には、グリセロール分子の 1、2又は3つのOH基がアセチル、プロピオニル、ブチリル、カプロイル、カ プリリ ル又はカプリル基で置換され、グリセロール分子の残りのOH基(もしあれば) が12〜24の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪酸のアシル基で置換された あるトリグリセリドがある。 本発明の非消化性脂肪物質は、Ehrmanら、米国特許第4,888,196号、 1989年12月19日付発行及びSeiden、欧州特許出願第322,027号、 1989年6月28日付公開(双方とも参考のため本明細書に組み込まれる)明 細書で開示されるような、低カロリー中鎖及び混合中/長鎖トリグリセリドと組 合せて用いてもよい。 本発明の非消化性脂肪組成物はショートニング及び油製品中で又はとして使用 することもできる。これらのショートニング及び油製品はフレンチフライドポテ ト、ポテトスライス又は加エポテトピースからのポテトチップ、ポテトスティッ ク、コーンチップ、トルチラチップ、ドーナツ、チキン、フィッシュ及びフライ ドパイ(例えば、ターンオーバー)の製造のようなフライ適用に用いることがで きる。ショートニング及び油製品はミックス、貯蔵安定性ベークド品及び冷凍ベ ークド品のようないずれかの形態でベークド品を製造する上でも使用でき、これ にはケーキ、グラノーラバー、ブラウニー、マフィン、バークッキー、ウェハー ス、ビスケット、ペストリー、パイ、パイ皮と、サンドイッチクッキー及びチョ コレー トチップクッキーを含めたクッキー、特にHongら、米国特許第4,455,33 3号、1984年6月19日付発行明細書で開示されたような貯蔵安定性二重質 感クッキーがあるが、それらに制限されない。これらのベークド品はフルーツ、 クリーム又は他のフィリングを含有することができる。他のベークド品にはロー ルパン、クラッカー、プレッツェル、パンケーキ、ワッフル、アイスクリームコ ーン及びカップ、酵母ふくらませベークド品、ピザ及びピザ皮、ベークド澱粉質 スナック食品と他のベークド塩味スナックがある。 本発明の非消化性脂肪組成物を含有した他の食用脂肪含有製品にはアイスクリ ーム、冷凍デザート、チーズ、チーズスプレッド、肉、模造肉、チョコレー卜菓 子、サラダドレッシング、マヨネーズ、マーガリン、スプレッド、サワークリー ム、ヨーグルト、コーヒークリーマー、ピーナツバター、コーンカールのような 押出スナック、コーンパフ、ペレットスナック、半製品、コーン又は小麦、米等 のような他の穀物に基づく他の押出スナック、ローストナッツと、ミルクシェー クのような飲料がある。 本発明による食用脂肪含有製品は、単独で又は増量剤と組合せて無カロリー又 は低カロリー甘味料も含有することができる。これらの無カロリー又は低カロリ ー甘味料にはアスパルテーム、サッカリン、アリテーム、タウマチン、ジヒドロ カルコン類、アセスルフェーム及びシ クラメート類があるが、それらに限定されない。 本発明の非消化性脂肪組成物を含有した食用脂肪含有製品で有用である増量又 は増粘剤には、部分的又は全体的非消化性炭水化物、例えばポリデキストロース 及びセルロース又はセルロース誘導体、例えばD,L-糖、カルボキシメチルセ ルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチ ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び微結晶セルロースがあ る。他の適切な増量剤にはガム類(親水コロイド)、デンプン、デキストリン、 醗酵乳清、豆腐、マルトデキストリン、糖アルコールを含めたポリオール、例え ばソルビトール及びマンニトールと、炭水化物、例えばラクトースがある。 本発明の非消化性脂肪組成物を含有した食用脂肪含有製品は食物繊維も含有で きる。“食物繊維”とは、植物細胞壁及び海草でみられる炭水化物のような哺乳 動物酵素による消化に抵抗性の複合炭水化物と、微生物醗酵により生産されるも のを意味する。これら複合炭水化物の例はフスマ、セルロース、ヘミセルロース 、ペクチン、ガム類及び粘滑物、海草抽出物と生合成ガム類である。セルロース 繊維源には植物、果実、種子、穀物及び人造繊維(例えば、細菌合成による)が ある。精製植物セルロース又はセルロース粉のような市販繊維も使用できる。オ オバコのような天然繊維と全シトラス果皮、シトラス アルベド、テンサイ、シトラス果肉及び小胞固形分、リンゴ、アプリコット及び スイカ外皮からの繊維も使用できる。 これらの食物繊維は粗製又は精製形である。用いられる食物繊維は、単一タイ プ(例えば、セルロース)、複合食物繊維(例えば、セルロース及びペクチンを 含有したシトラスアルベド繊維)又は繊維のある組合せ(例えば、セルロース及 びガム)である。繊維は当業界で知られる方法により加工処理できる。 本発明の非消化性脂肪はビタミン及びミネラル、特に脂溶性ビタミンで強化す ることができる。脂溶性ビタミンにはビタミンA)ビタミンD及びビタミンEと それらの前駆物質がある。ポリオール脂肪酸ポリエステルを強化する上で有用な 脂溶性ビタミンについて開示するMattson、米国特許第4,034,083号、 1977年7月5日付発行明細書参照(参考のため本明細書に組込まれる)。 脂肪製品中に典型的に存在する様々な他の成分も本発明の非消化性脂肪組成物 中に含有させることができる。これら他の成分には高温で酸化劣化から保護する 安定剤がある。シリコーン油、特にメチル及びエチルシリコーン油が、この目的 にとり有用である。メチルシリコーンはフライ時の油重合速度を減少させる上で 有効であることもわかった。少量の任意香味剤、乳化剤、抗飛散剤、 抗粘着剤、酸化防止剤等のような脂肪製品中で典型的に含有される他の添加剤も 存在できる。 F.固体ポリグリセロールエステル粒子の別の有用性 本非消化性脂肪組成物で受動的オイルロスコントロール剤として有用な固体ポ リグリセロールエステル粒子は、常用消化性トリグリセリド油又は油含有製品で 増粘剤としても使用上有効であることがわかった。したがって、これらの固体ポ リオールポリエステル粒子は、調理及びサラダ油、又はショートニングのような 半固体食品と、脂肪及び無脂肪成分の組合せを含有した他の食品、例えばマーガ リン、マヨネーズ、冷凍乳デザート等の処方において、液体消化性油と約1〜約 40%(典型的には1〜15%、更に典型的には1〜10%、最も典型的には1 〜8%)の量でそれらをブレンドすることにより“増粘剤”又は“ハードストッ ク”として使用できる。これら組成物のための油は綿実、コーン、カノーラ又は 大豆のような常用消化性トリグリセリド油、あるいは中又は中及び長鎖トリグリ セリドである。 G.分析方法 本発明の要素を特徴付けるために用いられるいくつかのパラメーターが実験分 析操作で定量される。これら操作の各々は下記のように詳細に記載される: 1.ポリオールポリエステルの脂肪酸組成 ポリオールポリエステルの脂肪酸組成(FAC)は、 炎イオン化検出器及びヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)モデル7 671A自動サンプラーを装備したヒューレット・パッカードモデルS712A ガスクロマトグラフを用いて、ガスクロマトグラフィーで調べられる。用いられ るクロマトグラフィ一方法はOflicial Methods and Recommended Practices of TheAmerican Oil Chemists Society,4th Ed.,1989,Procedure 1-Ce62で記載さ れている(参考のため本明細書に組み込まれる)。 2.スクロースポリエステルのエステル分布 スクロースポリエステルの個々のオクタ、ヘプタ、ヘキサ及びペンタエステル と包括的なテトラ〜モノエステルの相対的分布は、標準相高性能液体クロマトグ ラフィー(HPLC)を用いて調べることができる。シリカゲル充填カラムがポ リエステルサンプルを上記各エステル群に分けるためにこの方法で用いられる。 ヘキサン及びメチルt-ブチルエーテルを移動相溶媒として用いる。各エステル群 は質量検出器(即ち、蒸発光散乱検出器)を用いて定量する。検出器応答を測定 し、その後100%に対して換算する。各エステル群は相対率として表示する。 3.°Fで測定された非消化性脂肪の固体脂肪含有率 (SFC)分布の勾配 SFC値を決定する前に、非消化性脂肪のサンプルは 少くとも30分間又はサンプルが完全に溶融されるまで140°F(60℃)以 上の温度に加熱される。次いで溶融サンプルは下記のようにテンパリングされる :80°F(26.7℃)で15分間、32°F(0℃)で15分間、80°F (26.7℃)で30分間、32°F(0℃)で15分間。テンパリング後、5 0°F(10℃)、70°F(21.1℃)、80°F(26.7℃)、92゜ F(33.3℃)及び98.6゜F(37℃)の温度におけるサンプルのSFC 値が、各温度で30分間の平衡後にパルス核磁気共鳴(PNMR)で調べられる 。SFC分布の勾配%固体分/°F、98.6゜F(37℃)のSFC値から7 0°F(21.1℃)のSFC値を差し引き、その後28.6で割ることにより 計算される。PNMRでSFC値を決定する方法はJ.Amer.Oil Chem.Soc.,V ol.55(1978),pp.328-31(参考のため本明細書に組み込まれる)及びA.O. C.S.Official Method Cd.16-81,OfficialMethods and Recommended Practic es of The AmericanOil Chemists Society,4th Ed.,1989(参考のため本明細 書に組み込まれる)で記載されている。 4.示差走査熱量測定(DSC)によるポリオール ポリエステルの完全融点 本発明で用いられるポリオールポリエステル物質又はポリオールポリエステル 含有粒子の完全融点は下記のようにDSCで決定できる:装置: コネチカット州,ノーウォークのパーキン-エルマー(Perkin-Elmer)により 製造されたパーキン−エルマー7シリーズ熱分析システム、モデルDSC7操作: 1.ポリオールポリエステル物質又はポリオールポリエステル含有ブレンドの サンプルをすべての目に見える固体分が溶融する温度より少くとも10℃高くま で加熱し、十分にミックスする。 2.サンプル10±2mgを秤量してサンプルパンにいれる。 3.走査はすべての目に見える固体分が溶融する温度より約10℃上から−6 0℃まで5℃/minで行う。 4.サンプルの温度を−60℃で3分間維持し、−60℃から原出発温度(即 ち、すべての目に見える固体分が溶融する温度より約10℃上)まで5℃/minで 走査する。 5.完全融点とはベースライン(即ち、特定のヒートライン)と最終(例えば 、最高温度)吸熱ピークの後縁に正接するラインとが交わる温度である。 5.チキソトロピー面積値 本発明の非消化性脂肪組成物は、このような組成物が示す受動的オイルロスコ ントロールの程度と相関しているあるレオロジー特徴(即ち、見掛け粘度及びチ キソト ロピー)を示す。本明細書で記載された方法は、固体成分が最終使用製品の冷却 プロフィルで結晶化して三次元固体様構造を形成した脂肪組成物のチキソトロピ ー面積値を決定するために用いられる。 チキソトロピー面積は剪断されるサンプルの単位容量当たりのエネルギーの大 きさについて表示でき、これは物質の三次元固体様構造を破壊するためにエネル ギーが要求される指標である(Schram,G.Introduction to Practical Viscome try,(1981),pp.17-19,Gebruder Haake,West Germany 参照)。このため 、チキソトロピ一面積は剪断前に存在する脂肪組成物の三次元固体様網状構造の 相対的尺度として考えられる。この方法において、剪断応力はコーン及びプレー トレオメーターを用いて0〜800s-1の剪断速度の関数として測定される。剪 断速度は37.8℃で最初に7.5分間増加させ、その後7.5分間減少させる 。チキソトロピー面積は上昇及び下降流動曲線間のヒステリシスの面積である。 少くとも約10kPa/secのチキソトロピー面積値を有する非消化性脂肪組成物は 、摂取されたときに受動的オイルロスコントロールを示す。 a)レコーダーの設定 冷却プロフィルテンプレート(図1参照)を時間がX軸になるようにX-Yレ コーダー〔ヒューストン・インストルメンツ(Houston Instruments)モデル2 00〕に おく。用いられる冷却プロフィルは最終使用製品の場合と類似しているべきであ る。このケースにおいて、用いられる冷却プロフィルはポテトチップの冷却プロ フィルの類似であり、すべてのディープ脂肪フライド塩味スナック製品に典型的 である。レコーダースイッチをテンプレートに書き込まれたパラメーターにセッ トし、その後下記のように設定する: 1.カリブレーターを50mVにセットする。 2.ゼロ電位差計をペンがレコーダーで50°Fを示すまで調整する。 3.カリブレーターを190mVにセットする。 4.スパン電位差計をペンがレコーダーで190°Fを示すまで調整する。 上記ステップ1〜4はペンが調整せずに適正な温度を示すまで繰返す。次いでス トリップチャートレコーダーを熱電対リーダー〔オメガ(Omega)#199A〕 のアナログアウトプットに接続する。 b)サンプル調製 非消化性脂肪サンプルを完全溶融するまで180°F以上に加熱し、その後十 分にミックスする。次いでサンプル8gをアルミニウム秤量パン〔VWRサイエ ンティフィック(Scientific)#25433-008〕にいれて秤量する。熱電対(オメガ #5TC-T-36-36 0.005インチタイプT)をパンのほぼ中央でサンプルに浸漬 し、熱電対チップが パンの底に触らないように注意を払う。次いでパンをホットプレート上におき、 約240°Fに加熱する(240°Fはポテトチップがフライヤーから取り出さ れた後におけるその推定表面温度である)。この温度は試験される脂肪組成物が 最終的に取り込まれる具体的最終使用製品の冷却プロフィルと類似するように調 整されねばならない。大体の温度に達したら、レコーダーを始動させ、パンをホ ットプレートから除き、ラボベンチ(lab bench)の上におく。サンプルの温度 はテンプレートで示される冷却曲線を大体たどる(±5゜)ようにコントロール する。これは、パンを静かに振動させて冷却を促進し、ラボベンチ上からパンを 除いて冷却速度を遅くすることにより行う。この冷却プロセスは終了まで約3分 間要し、その後熱電対を除く。次いで非消化性脂肪サンプルを、チキソトロピー 面積の測定前に、非消化性脂肪サンプルが最終的に取り込まれる最終使用製品で 通常出会う貯蔵温度に典型的な温度(例えば、ポテトチップの場合70°F)で 少くとも30分間テンパリングする。 c)レオメータ一調整 レオメーター〔2、5及び7cmコーン装備のコントレーブス・レオマット(Co ntraves Rheomat)115A;2゜角度〕をコンピューターに接続し、下記条件 下で調整する: プログラム設定 感度 1.0 第一最少剪断速度(s-1) 0.000 最小剪断速度の時間(s) 120.0サンプル温度を平衡化 させる保持時間 上昇傾斜時間(s) 450.0 7.5分間走査0〜800s-1 最大剪断速度(s1) 800.000 保持時間(s) 1.0 第二最少剪断速度(s-1) 0.000 下降傾斜時間(s) 450.0 データ出力条件 測定ポイント1〜15のプリントアウト チキソトロピー面積計算 プリントアウト結果 d)コーン選択 CP‐8(2cm)コーンを用いて、この方法に従いサンプルのチキソトロピ ー面積を測定する。チキソトロピー面積値が200kPa/sより大きければ、最大 精度に達した。チキソトロピー面積値が50〜200kPa/sであれば、その方法 はCP-6(5cm)コーンを用いて繰返すべきである。チキソトロピー面積値が 0〜50kPa/sであれば、その方法はCP-10(7cm)コーンを用いて繰返すべ きである。 e)トルク設定 レオメーターは、測定ヘッドをプレートから持上げ、その後調節ノブの左にあ るトルクメーターが“+000”になって“+”フラッシングするまで、レオメ ーターのコントロールパネルにあるトルク設定ノブを調節することにより、トル クについて設定する。 f)温度設定 分析中におけるサンプルの温度は37.8±0.1℃で維持するべきである。 約37.8℃に達するように再循環浴を調整した後、少量の油をプレートに塗り 、コーンをプレート上におき、熱電対プローブをコーンとプレートとの間に挿入 し、その後その温度で数分間平衡化させることにより、プレート温度をチェック する。次いで温度をプレート温度が37.8±0.1℃になるまで浴温を調節し ながら読取る。 g)サンプル分析 テンパリング非消化性脂肪サンプル約4gをレオメータープレートに適用する 。次いでコーンアセンブリーをサンプル上にゆっくりと下降させ、プレート上に しっかりと設置する。この時点で、流動曲線プログラムを開始する。ランの終了 時に、レポートは流動曲線及び計算チキソトロピー面積について最初の15デー タポイントをリスト化してプリントアウトする。チキソトロピー面積は上昇及び 下降流動曲線間のヒステリシス面積であり、 チキソトロピー面積値(kPa/sec)として報告する。 6.平均グリセロール重合度 “平均グリセロール重合度”(n-bar)とは、ポリグリセロールエステル混合 物を含んだポリグリセロールエステル種におけるグリセロール部分の平均数を表 すモル量である。平均グリセロール重合度は、ポリグリセロールエステルの所定 混合物を構成する個別ポリグリセロールエステル種の重量%の実験決定分布から 計算される。 ポリグリセロールエステルサンプル中におけるポリグリセロールエステル種の 分布は下記のように決定できる:ポリグリセロールエステルサンプルを還流メタ ノール中ナトリウムメトキシドでエステル交換する。ナトリウムメトキシドを得 られた溶液から陰イオン交換樹脂処理により除去する。ポリグリセロール及び得 られたメチルエステルのメタノール溶液をヘキサンで抽出して、メチルエステル を除去する。最後に、メタノールを蒸発させて、未エステル化ポリグリセロール の混合物を得る。こうして得られたポリグリセロールをピリジン中でトリメチル シリルイミダゾール及びビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドの 5/1(容量)混合物で誘導して、トリメチルシリルエーテルを形成させる。サ ンプルは短い〔18インチ×1/8インチ(約46cm×0.3cm)ID〕充填カ ラム(100/120メッシュガスクロム(Gas Chrom)Qで3%JXR)を用 いてカラム注入 及び炎イオン化検出するGCにより分析する。GC法はJAOCS,58,(1981)pag es 215-227で記載されたモノ、ジ及びトリグリセリドの完全混合物の分離に用 いられる方法と本質的に同様である。 平均グリセロール重合度(n-bar)は下記式に従いサンプルでポリグリセロー ル種の測定分布から計算することができる: 上記式中Wt%Gn=n反復単位を有するポリグリセ ロール種のサンプル中重量% MWGn=n反復単位を有するポリグリセロール エステル種の分子量=n(74)+18 7.ポリグリセロールエステル混合物のエステル化% ポリグリセロールエステルサンプルのエステル化%とは、モル%ベースで表示 される平均ポリグリセロールエステル化度である。エステル化%はポリグリセロ ールエステルサンブルのケン化価、酸価及び平均グリセロール重合度から間接的 に計算される。ポリグリセロールエステルサンプルのケン化価及び酸価を決定す る分析方法は下記のとおりである: ケン化価 固体ポリグリセロールエステルサンプルは、Official Methods and Recommend ed Practices of The AmericanOil Chemists Society,4th Ed.,1989,Procedu re Cd 3-25で記載された操作に従い、還流アルコール性KOHでケン化すること ができる。得られた脂肪酸石鹸を標準化HCIでフェノールフタレイン終点まで 滴定する。ブランク(添加サンプルなし)も操作でランし、滴定する。 次いでケン化価が下記式に従い計算できる: SV=((B−S)×N×56.1)/W 上記式中B=ブランク滴定に要するHCl容量(ml) S=サンプル滴定に要するHCl容量(ml) N=HClの規定度 W=サンプル重量g 酸価 固体ポリグリセロールエステルサンプルは、標準化KOHでフェノールフタレ イン終点まで滴定することができる。操作はOfficial Methods and Recommended Practices of The American Oil Chemists Society,4thEd.,1989,Procedure Cd 3a-63で記載されている。ブランク(添加サンプルなし)も滴定する。 次いで酸価が下記式に従い計算できる: AV=((A−B)×N×56.1)/W 上記式中A=サンプル滴定に要するKOH容量ml B=ブランク滴定に要するKOH容量ml N=KOHの規定度 W=サンプル重量g 次いでケン化価及び酸価から、ポリグリセロールエステルサンプルの“エステ ル価”(EV)が計算できる。所定ポリグリセロールエステルサンプルのエステ ル価はサンプルのケン化価(SV)と酸価(AV)との差異である。 エステル価から、補正エステル価が計算できる。所定ポリグリセロールエステ ルサンプルの“補正エステル価”(EVcor)とは、ポリグリセロールエステル のみを含有した(即ち、遊離脂肪酸を含有しない)純粋サンプルの計算エステル 価である。補正エステル価は下記式に従い計算される: 上記式中%ffa=AV(0.503) 次いで平均エステル化度(i-bar)が補正エステル価及びポリグリセロールの 平均分子量(MWGn-bar)から計算される。平均エステル化度(i-bar)とは脂 肪酸でエステル化されたポリグリセロールエステルサンプルのヒドロキシル基の 平均数を表すモル量である。したがっ れ、 上記式中MWGn-bar=n-bar(74)+18 aVg.MWfa=下記式に従い前記GCFAC法で測定されるような、様々 な種の脂肪酸重量%から計算されたポリグリセロールエステルサンプル中に存在 する脂肪酸エステル基(fa)の平均分子量: 最後に、エステル化%が下記式に従い計算される: 8.脂肪組成物の消化率(リパーゼ試験) 非消化性脂肪組成物約0.5gを溶融し、125mlエルレンマイヤーフラスコ 中のトリス緩衝液25ml(脱イオン水で1lに希釈され、濃HClでpH8.0 に調整されたNaCl(1.0M)58.4g、CaCl2×2H2O(36mM) 5.3g、トリズマ(Trizma)(0.5M)67.7g)に加える。この混合液 に 1.0%タウロコール酸ナトリウム溶液(シグマケミカル)1.0ml及び45. 0%CaCl2×2H2O溶液0.5mlを加える。約5個のガラスビーズを加え、 フラスコに栓を取付け、リストアクション(wrist action)シェーカーを装備し た37℃制御水浴にいれる。サンプルを1時間振盪し、その後リパーゼ溶液1ml 〔上記トリス緩衝液で50mlに希釈されたリパーゼ(シグマケミカルタイプII )、ブタ膵臓からの粗製物〕を加える。混合液を37℃で1時間振盪する。 反応を濃HCl10ml、脱イオン水25ml及びエタノール10mlの添加により 終結させる。放出された遊離脂肪酸を100mlずつのジエチルエーテル/石油エ ーテル(1:1容量)で3回抽出する。合わせた抽出液を100mlずつの脱イオ ン水で3回洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ワットマン#41 濾紙で濾過する。エーテル溶媒を55℃でロータリー蒸発により除去する。 残渣を30mlずつの加温イソプロピルアルコール/水(85/15v/v)で2 回150mlビーカー中に洗い流す。混合液を標準化0.1N NaOH溶液でフ ェノールフタレイン終点まで滴定する。ブランク(添加サンプルなし)も全操作 でランし、滴定する。“リパーゼエステル価”(LEV)は下記式から計算され る: LEV=(((S−B)×N×56.1)/W)+AV 上記式中S=サンプル滴定に要するNaOH容量ml B=ブランク滴定に要するNaOH容量ml N=NaOHの規定度 W=サンプル重量g AV=サンプルの酸価(前記) 加水分解率は下記式から計算される: 加水分解%=(LEV)×100/(EV) 上記式中LEV=リパーゼエステル価(前記) EV=エステル価(前記) これらの条件及びこの酵素品を用いて、一級ヒドロキシル基のエステルのみを 加水分解する。例えば、純粋トリオリアン(3つのオレイン酸エステルを有する トリグリセリド)のLEVは126.9、SVは190.4、加水分解%は66 .7%である。しかしながら、トリオリアンは一級ヒドロキシル基以外のヒドロ キシル基も有しており、これはこれら他のヒドロキシル基がこの方法の条件下で たとえ加水分解されないとしてもトリオリアンの消化率を決める上で考慮されね ばならない。したがって、常用トリグリセリドのトリオリアンは100%消化さ れるとすれば、この方法に従いトリオリアンサンプルに関して得られた66.7 %加水分解の値が100%に換算される。定義セクションで前記された非消化性 の定義によれば、サンプルの約70%のみがこのリパーゼ 試験で酵素によりトリグリセリドについて加水分解できる。したがって、非消化 性と考えられる脂肪組成物の場合に、加水分解%がこの方法に従いサンプルにつ いて得られる。 9.ポリグリセロールエステル粒子の厚さ (光学顕微鏡検査) 本発明の非消化性脂肪組成物で形成される固体ポリオールポリエステル粒子の 厚さは、下記方法に従い、ホフマン・モジュレーション・コントラスト(Hoffma n Modulation Contrast)(HMC)光学機器を用いて、ニコン・マイクロフォ ト(Nikon Microphot)ビデオ画質向上光学顕微鏡(VELM)により室温で評 価される: 1.少量(即ち、1〜10mg)の非消化性脂肪サンプルをその中に分散された 固体ポリグリセロールエステル粒子と共に顕微鏡スライド上にのせ、カバーする 。スライドを顕微鏡下におく。 2.サンプルは10X接眼レンズと組合せて標準レンズとしてHMC100X オイル対物レンズを用いて検査する。 3.顕微鏡取付けビデオカメラ及び関連コントローラーを、サンプルとバック グラウンドとの差異を明確にする上で、ビデオ画質向上のために用いる。 4.固体ポリオールポリエステル粒子の厚さをμmで測定する。 この方法により、VELMの解像度(約0.2〜0.5μm)内の厚さを有す る粒子を識別できる。小さな寸法を有する粒子の粒子厚さは、後記のフリーズフ ラクチャー法により決定できる。 (注意:特別なサンプル製造は、代表的サンプルを得ること以外、不要である 。サンプルは環境中で溶融及び冷却させるべきである。) 参照:Robert Hoffman,″The Modulation Contrast Microscope: Principle a nd Performances″(モジユレーション・コントラスト顕微鏡:原理及び性能), Journalof Microscopy,Vol.110,Pt 3,August 1977,pp.205-222 10.固体ポリオールポリエステル粒子の厚さ- フリーズフラクチャー透過型電子顕微鏡検査 ポリオールポリエステル粒子の三次元トポグラフィー及びそれらの大きさは、 フリーズフラクチャー透過型電子顕微鏡検査(ff-tem)法により決定できる。 このフリーズフラクチャー法は下記のように実施される: 1.凍結容器の外腔を液体窒素で満たし、凍結容器の内部デュワーを液体エタ ン(−172℃の標準融点)で満たす。エタンを凍結させる。 2.少量(1〜2μl)の非消化性脂肪サンプルをその中に分散された固体ポ リオールポリエステル粒子と共に金メッキバルザーズ(Balzers)試料ホルダー のウェル にいれる(注意:全く液体のサンプルの場合、1〜2μlのサンプルを金プラン チェット(planchet)(バルザーズ)上におき、もう1つのプランチェットを最 初のものの上においてサンドイッチを形成する)。 3.デュワー中ほとんどの凍結エタンは金属ヒートシンク(例えば、ピンセッ ト)をデュワー中に挿入することで溶融させる。 4.エタンの溶融直後に、非消化性脂肪サンプル含有の試料ホルダーをピンセ ットで摘み上げ、直ちに液体エタン中に投入する。 5.数秒後、試料ホルダーをエタンから取出し、ラクダ毛ブラシの先端に素早 く触れさせて過剰のエタンを除去し、直ちに液体窒素に浸漬してサンプルを冷却 させておく。 6.サンプルを液体窒素下でJEOL JFD-9000Cサンプルホルダーに移し、その後 JEOL JFD-9000Cフリーズフラクチャーユニットの室内に移す。そのユニットの温 度は約−175℃であるべきである。真空度は少くとも8×10-7torrであるべ きである。 7.ナイフを約−165℃の温度に冷却する。 8.サンプルは前冷却ナイフを用いてJEOL室内で分割する。 9.白金-炭素を分割サンプル上に角度45°で4.5秒間付着させ、その後 炭素を角度90゜で25秒 間付着させて、分割サンプルのレプリカを形成する。高電圧は2500V、電流 は70mAである。 10.サンプルをフリーズフラクチャーユニットから取出し、その後3回のク ロロホルム洗浄で洗い落とす。 11.レプリカを300メッシュ銅EMグリッド上に摘み上げ、透過型電子顕 微鏡で調べる。 12.画像はネガフィルムに記録し、ポジプリントをネガから作る。 13.ポリオールポリエステル粒子の厚さをnmで測定する。 参考文献: Rash,J.E. 及びHudson,C.S.,Freeze-Fracture: Methods,Artilacts and Inte rpretations(フリーズフラクチヤー:方法、技術及び解釈),New Haven Press, New York,1979 Stolinski及びBreathnach,Freeze Fracture Replication of Biological Tiss ues(生物組織のフリーズフラクチャー複製),Academic Press,London,1975 Ste inbrect及びZierold,Cryotechniques in Biological Electron Microscopy(生 物学的電子顕微鏡検査における低温技術),Springer-Verlag,Berlin,1987 H.具体例 本発明の非消化性脂肪組成物の具体的な製造法は下記例で説明されている: 例I 固体ポリグリセロールエステル製造 ジ〜ヘプタグリセロールを有する広域分布ポリグリセロール(平均n-bar=3 .35)200gをBabayan、米国特許第3,637,774号、197 2年1月25日付発行明細書(参考のため本明細書に組み込まれる)で記載され た操作を用いて工業規模プロセスで製造する。次いでポリグリセロールを実験規 模ポープ(Pope)ワイプド(wiped)フィルムエバポレーターで分別して、水、 グリセリン、ジグリセロール及びトリグリセロールを除去 する。分別されたポリグリセロールをエバポレーターにおいて0.8〜1.2g/ minの速度で190〜191℃、0.15〜0.8mmHgの圧力でランする。蒸留 物約74g及び生成物約106gを単離する(ほとんどの水は留出して、真空系 に失われる)。最終ポリグリセロール生成物は痕跡量の水及びグリセリンを含有 するだけであり、n-bar 4.76で低いジグリセロール及びトリグリセロール レベルを有する。平均重合度は4.76、平均分子量は370.2である。 反応は窒素入口及び磁気スターラーを装備した100ml球形ガラス反応容器中 で行う。温度は油浴、温度計及び温度コントローラーで制御する。上記最終ポリ グリセロール約5.00g(13.5mM)をピリジン150ml及び乾燥ジメチル ホルムアミド75mlと一緒に反応器に加える。ポリグリセロールを室温で溶解さ せ、その後パルミトイルクロリド(3.30g、12.0mM)及びステアロイル クロリド(24.2g、80.0mM)の混合物を加える。透明でやや黄色の反応 混合液を乾燥窒素雰囲気下で攪拌しながら約50〜52℃で約4.0時間加熱す る。 次いでほとんどのピリジン及びジメチルホルムアミドを70〜80℃、約15 mmHgの圧力でロータリー蒸発により反応混合液から除去する。粗製生成物をジク ロロメタン200mlに溶解し、500ml分液漏斗に移す。溶液 を200mlずつの10%水性HClで2回及び200mlずつの蒸留脱イオン水で 2回洗浄する。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒をロータリ ー蒸発により除去する。 得られた固体ポリグリセロールエステルは下記特徴を有する: ケン化価: 179.8 酸価: 32.0 補正エステル価: 176.2 融点: 54.8 n-bar: 4.97 i-bar: 6.66 エステル%: 95.6 aVg.MWfa: 278.5 脂肪酸組成: C14 0.1 C16 11.4 C17 0.2 C18:0 86.3 C18:1 0.6 C20 0.6 脂肪組成物製造 この固体ポリグリセロールエステル生成物4gと、スクロースが綿実油の脂肪 酸群で実質上完全にエステル化された液体スクロースポリエステル96gを混合 し、すべての固体物が溶解するまで加熱する。次いで混合液を室温まで33.3 ゜F/minの速度で逆冷却する。得られた脂肪組成物は食品脂肪として使用に適す る。脂肪組成物は19.0のチキソトロピー面積値を有するため、液体スクロー スポリエステルのみが用いられたときに生じる受動的オイルロスを起こさない。 しかも、これらの脂肪組成物中の固体レベルはそのように低いため、これらの脂 肪組成物を含有した食品はロウ状味覚ではない。 上記液体スクロースポリエステルは、表Iで示された特徴を有している。 例II 固体ポリグリセロールエステル製造 ポリグリセロール製造 ポリグリセロールをBabayan、米国特許第3,637,774号、1972年 1月25日付発行明細書で記載された操作を用いて工業規模プロセスで製造する 。ポリグリセロールを分別して、水、グリセリン及び一部のジグリセロールを除 去する。得られた狭い分布のポリグリセロールは3.16のn-barを有し、ほと んどのジ、トリ及びテトラグリセロールと少量のペンタ〜ヘプタグリセロールを 含有している。平均重合度は3.16、平均分子量は251.8である。 ベヘンメチルエステル製造 ベヘンメチルエステルをベヘン酸モノ及びジグリセリドから作る。ベヘン酸グ リセリド3950lb(約1800kg)(モノグリセリド27.5%、ジグリセリ ド67.5%及びトリグリセリド5.0%)、メタノール660lb(約300kg )及びナトリウムメチレート溶液70lb(約32kg)(メタノール中25%)を 750ガロン(約2800l)反応器に加える。混合液を65℃で約2時間反応 させ、その間にメタノールを還流する。攪拌を止め、グリセリンを約2時間かけ て沈降させる。グリセリンは底に沈降し、底出口から除去する。メタノール60 lb(約27kg)及びナトリウムメチレート溶液11lb(約5kg)(メタノール中 25%)を反応器に追加し、混合液を約65℃で1時間反応させる。攪拌を止め 、グリセリンを2時間かけて沈降させ、底出口から除去する。水1500lb(約 680kg)を混合液に加え、10分間攪拌し、1時間沈降させる。次いで水を反 応器の底出口から除去する。次いでメチルエステルを5〜10mmHgの真空度下6 5℃の温度で乾燥させる。メチルエステルを反応器からコンデンサーを介してリ ザーバー中にフラッシュ蒸留する。蒸留条件は300〜440゜Fで1〜5mmHg である。蒸留物純度は95%C22、2%C24及び2.2%C20である。モノグリ セリド及びグリセリンは蒸留物中で検出できない。ポリグリセロールエステル化 エステル化反応は窒素入口、真空出口及び磁気スターラーを装備した1l球形 ガラス反応容器中で行う。温度は加熱マントル、温度計及び温度コントローラー で制御する。上記最終ポリグリセロール27.4g(0.109モル)をベヘン 酸メチル263.0g(0.743モル)及び炭酸カリウム1.4g (0.010モル)と一緒に反応器に加える。系中の圧力を約6.0mmHgに減少 させ、同時に温度を135℃に上昇させる。反応混合液をこの温度で合計7時間 にわたり攪拌しながら加熱すると、その間に圧力は0.4mmHgに下がる。 生成物は粗製反応混合液を1%シリカゲルでスラリー化し、その後濾過して固 体物を除去することにより精製する。過剰のメチルエステルを210℃の温度及 び0.05mmHgの圧力で操作されるポープワイプドフィルムエバポレーターによ り除去する。 得られた固体ポリグリセロールエステルは下記特徴を有する: ケン化価: 145.7 酸価: 0.1 補正エステル価: 145.7 n-bar: 3.11 i-bar: 3.87 融点: 72.2℃ エステル化度: 75.7% aVg.MWfa: 338.9 脂肪酸組成: C16 0.2 C18:0 0.5 C18:1 0.1 C18:2 0.1 C20 2.1 C22:0 94.7 C22:1 0.2 C24 2.0脂肪組成物製造 この固体ポリグリセロールエステル生成物4gと、例Iで記載された液体スク ロースポリエステル96gを混合し、すべての固体物が溶解するまで加熱する。 次いで混合液を室温まで33.3゜F/minの速度で逆冷却する。得られた脂肪組 成物は44.3のチキソトロピー面積値を有し、このため食品脂肪として用いら れたときに受動的オイルロスを示さない。しかも、この脂肪組成物中の固体レベ ルはそのように低いため、この脂肪組成物を含有した食品はロウ状味覚ではない 。 例III 固体ポリグリセロールエステル製造 市販の狭い分布(n-bar3.19)PGE〔トリオダン(Triodan)55、ロ ット#00202、グリンステッド・デンマーク(Grinsted Denmark)〕を分別 してほとんどのモノエステルと一部のジエステルを除去したところ、ほとんどの ジ、トリ及びテトラエステルと少量のペンタ〜ヘプタエステルを残した。出発ポ リグリセロールエステルは1.30のi-barと25%のエステル化度 を有している。 得られた固体ポリグリセロールエステルは下記特徴を有する: ケン化価: 159.4 酸価: 0.6 補正エステル価: 159.3 n-bar: 3.54 i-bar: 2.83 融点: 56.2℃ エステル化度: 51.1% MWfa: 271.2 LEV 1.8 脂肪酸組成: C12 0.1 C14 1.2 C15 0.1 C16:0 41.2 C16:1 0.2 C17 0.3 C18:0 55.6 C18:1 0.2 C18:2 0.2 C20 0.7脂肪組成物製造 この固体ポリグリセロールエステル生成物6gと、例Iで記載された液体スク ロースポリエステル94gを混合し、すべての固体物が溶解するまで加熱する。 次いで混合液を室温まで33.3゜F/minの速度で逆冷却する。その冷却は、液 体非消化性油中に分散された小さな二次元粒子の形で固体ポリグリセロールエス テル物質の結晶化を起こす。図2は固体ポリグリセロールエステル粒子の二次元 構造を表した顕微鏡写真である。これらの粒子は、分析方法セクションで前記さ れたフリーズフラクチャー透過型電子顕微鏡検査により測定したところ、約10 0nm以下の厚さを有していた。 液体スクロースポリエステル中に分散されたポリグリセロールエステルの固体 粒子を含んだ脂肪組成物は38.0のチキソトロピー面積値を有し、このため液 体非消化性油のみが食品脂肪として用いられたときに生じる受動的オイルロスを 示さない。しかも、非消化性脂肪組成物のSFC分布勾配は−0.1%固体分/ ゜Fである。この比較的平坦なSFC分布勾配と低固体レベルの結果として、こ の脂肪組成物を含有した食品はロウ状味覚ではない。 例IV 約0.052インチ(0.13cm)の厚さにスライスされたノーチップ(Norc hip)ポテトを用いる。スライス ポテトを5ポンドバッチフライヤー中365゜F(185℃)の温度で約3分間 かけて揚げる。約225のポテトチップを例I、II及びIIIの脂肪組成物の各々 で揚げる。 非消化性脂肪組成物を含有したこれらポテトチップの摂取は受動的オイルロス を起こさず、ポテトチップは許容されないロウ状味覚ではない。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 食品でトリグリセリド油脂の代替物として有用な非消化性脂肪組成物で あって、21.1〜37℃で0〜−1.26%固体分/℃の固体脂肪含有率分布 勾配を有し、 A.37℃以下の完全融点を有する液体非消化性油; 及び B.上記組成物の摂取による受動的オイルロスをコントロールするために十分 な量で上記油中に分散されたポリグリセロールエステルの非消化性固体粒子(こ の非消化性固体粒子は37℃以上の完全融点を有し、上記ポリグリセロールエス テルを形成するエステル基は長鎖脂肪酸基から形成され、上記長鎖脂肪酸のうち 少くとも40%、好ましくは少くとも50%、更に好ましくは少くとも75%は 飽和して少くとも18の炭素原子を有しており、上記非消化性粒子は上記組成物 に10kPam/sec以上、好ましくは25kPa/sec以上、更に好ましくは45kPa/sec 以上のチキソトロピー面積値を付与するように働く)を含んだ非消化性脂肪組成 物。 2. 60〜99%、好ましくは85〜99%の液体非消化性油、好ましくは 液体スクロース脂肪酸ポリエステルと、1〜40%、好ましくは1〜15%の固 体ポリグリセロールエステル粒子を含んだ、請求項1に記載の 非消化性脂肪組成物。 3. 固体ポリグリセロールエステルが少くとも2つ、好ましくは3〜10の グリセロール部分を有し、固体ポリグリセロールエステルのヒドロキシル基のう ち少くとも30%、好ましくは少くとも50%がエステル化されている、請求項 2に記載の非消化性脂肪組成物。 4. ポリグリセロールエステルにおいて、平均グリセリン重合度が2〜10 )好ましくは3〜6である、請求項3に記載の非消化性脂肪組成物。 5. 固体ポリグリセロールエステルを形成するエステル基が(i)C22基か ら形成されるエステル基、 (ii)50:50〜0.1:99.9範囲のC1618のモル比でC16びC18の混 合から形成されるエステル基、又は(iii)それらの組合せを含んでいる、請求 項4に記載の非消化性脂肪組成物。 6. 食用物質、好ましくはポテトチップと、請求項1に記載の非消化性脂肪 組成物10〜100%を含んだ食品。 7. A.消化性食用油85〜98%;及び B.固体ポリグリセロールエステルの非消化性固体粒子1〜15%(上記非消 化性固体粒子は37℃以上の完全融点を有し、上記ポリグリセロールエステルを 形成するエステル基は長鎖脂肪酸基から形成され、上記長鎖脂肪酸のうち少くと も40%は飽和して少くとも18の炭 素原子を有しており、上記非消化性粒子は上記組成物に10kPa/sec以上のチキ ソトロピー面積値を付与するように働く) を含んだ増粘化消化性油製品。
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