JPH08502417A - ヘモフィルス外膜タンパク質 - Google Patents

ヘモフィルス外膜タンパク質

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JPH08502417A JP6512608A JP51260894A JPH08502417A JP H08502417 A JPH08502417 A JP H08502417A JP 6512608 A JP6512608 A JP 6512608A JP 51260894 A JP51260894 A JP 51260894A JP H08502417 A JPH08502417 A JP H08502417A
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Abstract

(57)【要約】 へモフィルスのD15外膜タンパクの少なくとも一部をコード化したインフルエンザ菌の特定株からの精製および単離した核酸を提供する。この核酸は、診断および医療目的に、へモフィルスに関連した汚染物を含まないペプチド、ボリペプチドおよびタンパクの製造に使用される。さらに、この核酸は、へモフィルス感染の診断にも使用される。D15外膜タンパクまたはペプチドの免疫投与により得られる免疫血清も診断および医療の目的に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】 ヘモフィルス外膜タンパク質 発明の分野 本発明は、分子遺伝学の分野に関し、詳しくはヘモフィルスの外膜タンパクD 15のクローニングに関する。 発明の背景 インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型(Hib)は、5才以下の 幼児の細菌性髄膜炎の主要な原因である。この疾病に対する防御抗体は、生物体 の莢膜多糖類により誘発され、また精製したポリリボシルリビトールホスフェー ト(PRP)を抗原として用いるワクチンが開発された。このワクチンは成人お よび24カ月齢以上の幼児に対して90%以上の防御を与えるが、24カ月齢以 下の幼児に対しては効果がない〔ザングウイルら(Zangwill et al)](引用文 献は、本明細書の末尾にある参考文献表に記載してある)。 他の多糖類抗原と同様に、PRPはTヘルパー細胞の増殖を誘発せず、再免疫投 与してもブースター反応も記憶細胞の増加も起こさない。PRP多糖類をタンパ クキャリヤーと複合させると、ワクチンにT細胞依存特性を与え、PRP抗原に 対する免疫反応を著しく高める。最近では4種のPRPキャリヤー複合ワクチン が入手できる。これらは、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイドまたは髄膜 炎菌外膜タンパクと複合さ せたb型インフルエンザ菌莢膜多糖類を基とするワクチンである。〔ザングウイ ルら(Zangwill et al)1993が総説〕。 しかし、最近のヘマトフィルス複合ワクチンは、b型インフルエンザ菌により 起きる髄膜炎に対してのみ防御性がある。これらは、その他の侵入性型別可能の 株(a型およびc型)に対して、またさらに重要なことには、産後および新生児 セプシス、肺炎および中耳炎の共通の原因となる型別不能性(NTHi)株に対 して防御性がない。米国内だけでも、中耳炎の処置のために、抗生物質および外 科処理、例えば扁桃摘出、アデノイド切除および鼓室管の挿入に一年間に10〜 20億ドルが費やされている。2〜6月齢グループおよびある程度危険性の高い グループにおけるインフルエンザ菌に関連した疾病に対して共通した高い防御性 を得るために、保存性があり交差反応性の非莢膜性インフルエンザ菌免疫原が望 ましい。疾病に対する免疫を誘発する方法は常に改善されており、現在ではサブ ユニットおよび性質のよく分かっている物質を抗原として利用する傾向にある。 このために、ある種の未変性免疫原により起きる可能性がある副作用を低下ある いは除去し、一方、疾病に対する防御性を与えるためにその免疫原性を保存する 方法が試みられている。従って、交差反応性外膜タンパク、フラグメント、類似 体および/またはこれらに関連するペプチドを防御性抗原として用いるヘモフィ ルスに対する共通ワクチンの開発に非常に関心が持たれている。この抗原は、通 常のb型インフルエンザ菌複合ワクチンに追加免疫原として組み込んでも、イン フルエンザ菌莢膜多糖類に対する自己由来キャリヤーとして用いてもよい。イン フルエンザ菌の型別不能およびb型株中に存在する高分子量外膜タンパクD15 が、交差反応性抗原として同定されている 〔トーマスら(Thomas et al.,199 0)〕。D15は、自然の状態で細胞表面露出性と考えられ、SDS−PAGE 分析から判断して約80kDaの分子量を有している。診断、免疫投与および診 断用および免疫学的試薬のためには、このD15外膜タンパクおよびその部分に 相当するペプチドをコード化したDNA分子の配列を与えることが望ましい。ヘ モフィルスにより起きる疾病は重く、中耳炎、喉頭蓋炎、肺炎および気管支炎な どの疾病の予防、検出および処置のための改善された方法が要求されている。 発明の概略 本発明は、ヘモフィルス属のD15外膜タンパクをコードする部分を少なくと も有する精製および単離した核酸分子の提供を目的とする。ヘモフィルス属のD 15外膜タンパクをコードする部分を少なくとも有する核酸分子は、ヘモフィル ス株の特異的検出およびヘ モフィルス感染の診断に使用される。D15外膜タンパクをコードする部分を少 なくとも有するDNAのような精製および単離した核酸分子は、精製および単離 したD15外膜タンパクを経済的な方法で提供する組換えDNA手段によるD1 5遺伝子の発現にも使用される。 D15外膜タンパクまたはそのフラグメントまたはその類似体は、ヘモフィル スにより起きる疾病に対するワクチンの製造、ヘモフィルス感染の診断および免 疫学的試薬の生成のための手段として用いられる。本発明の態様に従って製造さ れたD15外膜タンパクに対して生成するモノーおよびポリクロナール免疫血清 (抗体)は、ヘモフィルス感染の診断、ヘモフィルスの特異的検出(例えばイン ビトロおよびインビボ検査の場合)およびヘモフィルス感染により起きる疾病の 処置に使用される。 D15外膜タンパクの部分に相当するペプチドまたはその類似体は、ヘモフィ ルスにより起きる疾病に対するワクチンの製進 ヘモフィルス感染の診断および 免疫各的試薬の生成のための手段として用いられる。本発明の態様により製造さ れたこれらのペプチドに対して生成したモノーおよびポリクロナール免疫血清は 、ヘモフィルス感染の診断、ヘモフィルスの特異的検出(例えばインビトロおよ びインビボ検査の場合)およ びヘモフィルス感染により起きる疾病の処置として受動免疫投与に用いられる。 従って、本発明の一つの態様では、その分子がD15外膜タンパクをコードす る部分を少なくとも有する精製および単離した核酸分子を提供する。この核酸分 子は、下記のいずれかのDNA配列を有する。 (a)DNA配列が、図1A〜1E(以下に説明)またはその相補ストラン ドのいずれかである。 (b)厳しい条件下でハイブリッド化して(a)に定義したDNA配列とな るDNA配列。(b)に定義したDNA配列は、(a)に定義したDNA配列を 少なくとも90%有することが好ましい。(b)に定義したDNA配列は、図1 Fに記載した共通配列から成っていてもよい(以下に説明)。 本発明の他の態様では、精製および単離したD15外膜タンパクまたはその一 部を提供する。D15外膜タンパクは、ヘモフィルスD15外膜タンパク、なか でもインフルエンザ菌D15外膜タンパクであってもよく、そのインフルエンザ 菌株は、インフルエンザ菌b型株、例えばインフルエンザ菌b型 Caまたはイ ーガン(Eagan)またはMinnA(MinnA)株または型別不能インフルエンザ菌 株、例えばPAK12085またはSB33である。 別の態様では、本発明は、ホストの形質変換に適応 する組換えプラスミドを含み、その組換えプラスミドはその中に本発明で提供す る精製および単離したDNA分子から成るDNAセグメントを挿入したプラスミ ドベクターから成る。このような組換えプラスミドは、上記のDNA分子から選 択した少なくとも一種の18bpフラグメントから成るDNAセグメントが挿入 されているプラスミドベクターから成る。組換えプラスミドは、1993年11 月4日に寄託したATCC受入番号75604のプラスミドDS−712−2− 1および1993年11月4日に寄託したATCC受入番号75006のプラス ミドJB−1042−5−1でもよい。 本発明の別の態様の場合には、組換えベクター中への組み込みにより、異種で も同種でもよいホストのホスト細胞中のコード化した15外膜タンパクの発現に 適応させてもよい。組換えベクターは、上記のようなDNA分子のいずれかの少 なくとも一個の18bpフラグメントから成る少なくとも一個のDNAセグメン トおよびホスト細胞中にこれによりコード化した生成遺伝子の発現のためのDN Aセグメントに人為的に結合させる発現手段から成ってもよい。コード化したD 15外膜タンパクの発現のためのプラスミドは、大腸菌(E.coli.)内でD1 5外膜タンパクにおいて発現するように適応させた1993年11月4日に寄託 し たATCC受入番号75605のプラスミドDS−880−1−2でもよい。選 定したDNAセグメントは、残基少なくとも6個のポリペプチドをコード化して もよく、特には表2(下記)のポリペプチドをコード化するいずれかのセグメン トであってもよい。さらに、DNAセグメントはホストから生成遺伝子を送りだ すためのリーダー配列をコード化する核酸配列から成っていてもよい。発現のた めのホストは、例えば大腸菌、バシラス(Bacillus)、ヘモフィルス、真菌、酵 母菌のいずれかであってよく、あるいはバクロウイルス発現システムを利用して もよい。 本発明の他の態様には、D15外膜タンパク、このタンパクのフラグメントま たは機能的な類似体をコードする部分を少なくとも有するDNA分子によりコー ド化されるタンパク、予防接種または診断におけるタンパクまたは類似体の使用 および免疫学的試薬の生成を含んでいる。また本発明は、D15外膜タンパクを コードする部分を少なくとも有するDNA分子によりコード化されるD15外膜 タンパクに対して生成する免疫血清(抗体)およびD15外膜タンパクの部分に 相当する精製ペプチドも含んでおり、また受動的免疫投与およびヘモフィルスに より起きる疾病の処置も含む。 本発明の別の態様によると、D15外膜タンパクま たは免疫原性を保存している変異体または突然変異体の少なくとも一部分のアミ ノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有する生成および単離したペプチドを含む。 ペプチドは、組換え法またはペプチド合成により製造しもよく、これにより精製 したペプチドはD15外膜タンパクに通常含まれる細菌による汚染を防止するこ とができる。このような合成ペプチドは、表2に示したいずれかのアミノ酸配列 を有することが好ましい。 本発明の別の態様によると、D15外膜タンパク、そのフラグメント、その機 能的な類似体または上記のペプチドおよび生理学的に許容できるこれらのキャリ ヤーから成る免疫原性組成物が提供される。この免疫原性組成物は、特にヘモフ ィルスにより起きる疾病に対して防御するためにin vivo投与するためのワクチ ンとして配合される。この目的には、免疫原性組成物は、微粒子調剤、カプセル 調剤またはリポソーム調剤として配合される。さらにこのような免疫原性組成物 は、免疫系の特定の細胞にまたは粘膜表面に投与するための標的分子と一緒に供 給してもよい。 本発明のさらに別の態様では、ヘモフィルスにより起きる疾病に対する防御を 誘発する方法が提供され、これはヘモフィルス感染に対する防御的免疫を得るた めの上記の免疫原性組成物または核酸分子の有効量の哺乳類例えばヒトを含む患 者への投与の手段から成る。 さらに本発明は、他のポリペプチドまたはタンパクまたは多糖類とリンクさせ た本発明で提供するD15タンパクまたはこれに相当するペプチドから成るキメ ラ分子も含む。リンクしたポリペプチドまたはタンパクは、インフルエンザ菌の P1、P2またはP6外膜タンパクであってもよい病原性細菌からの表面タンパ クまたはこれに相当するペプチドから成っていてもよい。リンクした多糖類は、 インフルエンザ菌からのPRP分子からなると好ましい。 図の簡単な説明 本発明は、下記の図を参照して説明するとさらに良く理解されるであろう。 図1Aは、インフルエンザ菌b型Ca株からのD15遺伝子のヌクレオチド配 列(配列番号1)およびこれに由来するアミノ酸配列(配列番号2)である。 図1Bは、インフルエンザ菌b型イーガン株からのD15遺伝子のヌクレオチ ド配列(配列番号3)およびこれに由来するアミノ酸配列(配列番号4)である 。 図1Cは、インフルエンザ菌b型MinnA株からのD15遺伝子のヌクレオ チド配列(配列番号5)およびこれに由来するアミノ酸配列(配列番号6)であ る。 図1Dは、インフルエンザ菌型別不能SB33から のD15遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号7)およびこれに由来するアミノ 酸配列(配列番号8)である。 図1Eは、インフルエンザ菌型別不能PAK12085からのD15遺伝子の ヌクレオチド配列(配列番号9)およびこれに由来するアミノ酸配列(配列番号 10)である。 図1Fは、種々のインフルエンザ菌単離株(型別可能、Ca,イーガンおよび MinnA;型別不能、SB33およびPAK12085)から得たD15遺伝 子のヌクレオチド配列(配列番号1、3、5、7および9)のアラインメントで ある。 図2は、クローンpUC19/D15(Ca)、DS−712−2−1(イー ガン)、DS−691−1−5(MinnA)、JB−1042−5−1(SB 33)およびJB1042−9−4(PAK12085)の制限酵素切断地図で ある。H=HindIII;R=EcoRI;S=Sau3A I;およびXb =XbaI。 図3は、種々のインフルエンザ菌単離株(型別可能、Ca,イーガンおよびM innA;型別不能、SB33およびPAK12085)から得たD15外膜タ ンパクのアミノ酸配列(配列番号2、4、6、8および10)のアラインメント である。アミノ酸は通常の1 文字コードで表す。Ca D15配列を対照標準として使用し、CaのD15外 膜タンパクのアミノ酸と一致するアミノ酸残基を点で示す。 図4は、強力な誘発T7プロモーターからの完全長SB33 D15(rD1 5)を発現するプラスミド(DS−880−1−2)の構造である。 図5は、インフルエンザ菌株30から親和精製した未変性D15のSDS−P AGE分析である。 図6は、プラスミドDS−880−1−2を含む大腸菌内に発現した全長rD 15の精製の間に得た配列フラクションのSDS−PAGE分析である。 図7は、完全長rD15に対するモルモットIgG抗体反応である。矢印は免 疫投与スケジュールを示す。0、2、4、6および8週目に採血した。棒印は、 標準偏差を示す。 図8は、完全長rD15に対するマウスIgG反応である。矢印は免疫投与ス ケジュールを示す。0、1、4、5および7週目に採血した。棒印は、標準偏差 を示す。 図9は、GST−(D15フラグメント)融合タンパクから精製したN末端r D15フラグメントのSDS−PAGE分析である。レーン:1.染色前低分子 量マーカー(14kDa、21kDa、31kDa、45kDa、68kDa、 97kDa);2.GST 標準;3.GST−(D15フラグメント)融合タンパク;4.トロンビンで切 断した融合タンパク;5.N末端rD15フラグメント;6.GST;7.低分 子量マーカー 図10は、N末端rD15フラグメントに対するモルモットIgG抗体反応で ある。矢印は免疫投与スケジュールを示す。2、4、6および8週目に採血した 。棒印は標準偏差を示す。 図11は、ホープ(Hope,1986)に従って7残基のウインドウ平均を用いて確 立したD15の親水性プロットである。 発明の詳細な説明 D15遺伝子を有するあらゆるヘモフィルス株は、本発明の態様により代表さ れるD15外膜タンパクをコードする部分を少なくとも有する精製および単離し た核酸分子(これはDNA分子の形であってもよい)を得るために用いると都合 がよい。これらの株は、病院、または細菌培養コレクション、例えばAmerican T ype Culture Collectionから入手できる。インフルエンザ菌株には、a型、b型 よびc型株、型別不能株およびD15タンパクを生成する他の細菌、フラグメン トまたはその類似体を含んでいる。適合するヘモフィルス株は、下記である。 インフルエンザ菌b型 Ca株 インフルエンザ菌b型 MinnA株 インフルエンザ菌b型 イーガン株 インフルエンザ菌型別不能b株SB33;または インフルエンザ菌型別不能b株PAK12085 この用途では、例えばヘモフィルスの各種の株中に存在するようなアミノ酸配 列中に自然的に起きる変異を有するタンパクを含むD15タンパクの一群を定義 するために、D15外膜タンパクの用語を用いる。本発明のD15外膜タンパク をコードする部分を少なくとも有する精製および単離したDNA分子は、例えば ヘモフィルスの各種の株中に存在するような核酸配列中に自然的に起きる変異を 有するDNA分子も、またD15外膜タンパクの機能的類似体をコード化するD NA分子も含む。この用途では、第一のタンパクが第二のタンパクと免疫学的に 関連および/または同じ機能を有する場合には、第一のタンパクは第二のタンパ クの機能的類似体とする。機能的類似体は、例えばタンパクのフラグメントまた はその置換、付加または欠失突然変異体であってもよい。 本発明の態様では、D15遺伝子は、インフルエンザ菌b型株Ca、図1A: インフルエンザ菌b型株イーガン、図1B;インフルエンザ菌b型株MinnA 、図1C;型別不能インフルエンザ菌SB33、図1D;型別不能インフルエン ザ菌PAK12085、図1 Eである。これらのインフルエンザ菌株からのD15遺伝子の核酸配列の比較お よびD15外膜タンパクの誘導アミノ酸配列の比較から、遺伝子およびタンパク は高度に保存されていることが認められる(図1Fおよび3)。D15遺伝子の 共通配列(配列番号55)を図1Fに示す。 本明細書に記載した態様により代表されるヘモフィルスの種のD15外膜タン パクをコードする部分を少なくとも有する精製および単離したDNA分子は、下 記に有利である。 −インビトロおよびインビボにおけるヘモフィルス株の特異的識別のための核 酸プローブ。 −DNA分子にコード化された精製物は、診断用試薬、ヘモフィルス特異的免 疫血清の製造のため、ヘモフィルスの種により起きる疾病に対する予防接種のた めおよびヘモフィルス感染の検出のための抗原として用いられる。 −本明細書に記載した態様で代表されるD15外膜タンパクの部分に相当する ペプチドは、診断用試薬、ヘモフィルス特異的免疫血清の製造のため、ヘモフィ ルスの種により起きる疾病に対する予防接種のためおよびヘモフィルス感染の検 出のための抗原として有利である。 本発明の現在の好ましい態様は、下記の実施例と一 緒にして詳細に参照すると、本発明の原理が説明されるであろう。開示を明確に するために、本発明の説明を以下の部分に分割するが、これは本発明を制限する ものではない。 (i)インフルエンザ菌b型Ca株からの外膜タンパクD15をコードするDN A配列 バーンズとトーマス(Burns and Thomas 1965)およびトーマスとロッシ(Tho mas and Rossi,1986)がすでに記載している方法により、D15と表記するイ ンフルエンザ菌b型(Hib)の外膜タンパクを生成するクローンを、インフル エンザ菌b型OMP特異性ポリクロナール抗体を用いてゲノムライブラリーをス クリーニングして単離した。D15タンパクをコード化するDNAフラグメント を単離し、pUC19中にサブクローン化してpUC19/D15を得て(図2 )、実施例1に記載の方法により大腸菌HB101を形質変換した。pUC19 /D15プラスミドを含む大腸菌HB101の個別のコロニー2個からプラスミ ドDNAを製造した。色素ターミネーター化学およびABI DNAシンヤサイ ザーモデル380Bを用いて合成しクロマトグラフィーで精製したオリゴヌクレ オチドプライマーを用いたABI DNAシンセサイザーモデル370Aを用い て配列決定した。D15遺伝子のヌクレオチド配列解析から、これが推定プロモ ータ ーおよび789個のアミノ酸をコード化するオープン読み枠を含むことが認めら れた(図1A)。 翻訳したオープン読み枠の最初の19個のアミノ酸残基は、他のインフルエン ザ菌b型外膜タンパク、例えばP1およびP2に存在するような典型的なリーダ ー配列を形成する。免疫親和性の精製未変性D15抗原のN末端配列は、ABI 477Aタンパクシーケンサーを用いる自動式エドマン(Edman)分解法により 測定し、Ala−Pro−Pheであることが分かったが、これは図1Aに示し たD15遺伝子の配列の解析から予想されるようにN末端アミノ酸配列Ala− Pro−Phe−Val−Ala−Lys−(配列番号11)と同一である。 (ii)他のインフルエンザ菌株からのD15遺伝子の配列 インフルエンザ菌b型株イーガン、MinnAおよび型別不能インフルエンザ 菌(NTHi)株SB33およびPAK12085のクロモソームライブラリー をスクリーニングして他のインフルエンザ菌株からのD15遺伝子を単離したが 、これは実施例2、3および4に記載してある。ハイブリッド形成陽性クローン を塗布して、二回目のスクリーニングを行った。得られたクローンの制限酵素切 断地図は図2である。S15遺伝子のヌクレオチド配列をこれらのクローンすべ てについて決定し(図1B〜1E)、これらから得たアミノ酸配列を比較した( 図3)。3種のインフルエンザ菌b型株のD15アミノ酸配列は同一であり、型 別不能株のD15タンパクのアミノ酸配列とは数個のアミノ酸が相違するだけで あった(図3)。 (iii)大腸菌内におけるD15およびそのフラグメントの発現 D15はインフルエンザ菌株では発現量が少ないので、この抗原は、異種系、 例えば大腸菌内で組換えタンパクとして発現させるか、またはインフルエンザ菌 生物体を変性して未変性D15発現を増加させると有利である。D15タンパク 完全長をコード化するインフルエンザ菌b型Ca株DNAのHind III/ Eco RIフラグメントは、pUC19中では発現したが、pUC18中では 発現せず、未変性15遺伝子プロモーターが存在するにもかかわらず、 lac プロモーターが大腸菌内のD15遺伝子発現を助けることを示唆している。T7 発現系は、厳密に制御され誘導可能な系であり、これは大腸菌内の異種タンパク の発現に非常に役立つ。T7発現系は、米国特許(USP)第4,952,49 6号に記載されている。従って、T7系を用いて、アミノ末端にに追加のメチオ ニン残基を有する成熟D15タンパクを発現させるようにクローンを構成した。 この構成プロセスの間にD 15シグナル配列は除かれた。完全長組換えD15(rD15と表示)は、15 タンパクを容易に精製させるような封入体中で発現させた。インフルエンザ菌b 型Caおよびインフルエンザ菌型別不能SB33株からのD15遺伝子は、T7 系を用いて大腸菌内に大量に発現し、rD15タンパクの大量生産が可能となっ た。SB33 D15遺伝子を発現するクローンDS−880−1−2の構成を 記載する(図4および実施例5参照)。rD15タンパクは、型別可能および型 別不能株インフルエンザ菌から単離した未変性の対応物と免疫学的に類似してい る(下記参照)。従って、rD15は、D15外膜タンパクまたはその類似体を 精製するインフルエンザ菌および他の細菌の全部ではなくても多数を検出するた めの診断キットに用いる交差反応性抗原として使用できる。あるいは、rD15 は、試料中のインフルエンザ菌の存在を特異的に検出する抗原としても使用でき る。 トランケートD15フラグメントは、実施例6に記載するようにグルタチオン S−転移酵素(GST)に用いて融合タンパクとして大腸菌内に発現した。その 構造はD15タンパクのN末端フラグメントを発現するように設計した。融合タ ンパクは、pGEX−2T構造から高レベルで発現し、N末端フラグメントはト ロンビンで処理してGSTキャリヤータンパクから切 断した。この方法によりD15タンパクのアミノ酸63〜223に相当するN末 端rD15フラグメントと呼ばれる分子が生成する。このN末端rD15フラグ メントは、免疫原性が高く、生きているインフルエンザ菌の攻撃を防御する抗体 を誘導した。 (iv)インフルエンザ菌細胞ペーストからの未変性D15の精製 本発明は、またインフルエンザ菌からの精製未変性D15タンパクの製造法も 提供する。界面活性剤水溶液中にタンパクを溶解させることを含む方法により、 型別可能または型別不能インフルエンザ菌単離物の細胞ペーストから抽出してこ のタンパクを親和精製する(実施例13参照)。型別不能インフルエンザ菌株3 0からの未変性D15タンパクを50mMトリスHC1/0.5%トリトン(Tr iton)X−100/10mM EDTA緩衝液、pH8.0を用いて可溶化させ、D15特異性モノクロナー ル抗体親和性カラムを用いてさらに精製した(図5A)。50mMジエチルアミ ン、pH12.0を用いて80kDaタンパクがカラムから溶出し、免疫ブロッ ト分析でD15特異性モノクロナール抗体と反応することを確認した(図5B) 。未変性D15は、実験用動物に対しても高度に免疫原性があった。ウサギ抗D 15免疫血清は、免疫ブロット分析によるとすべてのインフルエンザ菌単離物と 反応 した。 (v)大腸菌内に発現した完全長組換えD15タンパクの精製 完全長組換えD15(rD15)タンパクは大腸菌内の封入体中に発現した。 図6に示すように、rD15封入体は、50mMトリスHCl、pH8.0、次 いで0.5%トリトンX−100および10mM EDTAを含む50mMトリ スHCl、pH8.0を用いて、大腸菌溶解菌を逐次抽出して精製した。遠心分 離の後、SDS−PAGE分析によると得られたペレット中のタンパクの95% 以上が80kDaタンパクであり、イムノブロット法によるとこれらはD15特 異性モノクロナール抗体と反応した。rD15のN末端配列は、Met−Ala −Pro−Phe−Val−Lys−Asp−(配列番号54)であることが分 かり、これは予想したアミノ酸配列と同一である。 PBS、0.5%トリトンX−100、10mM EDTAおよび8M尿素の 混合物を用いて、rD15封入体を可溶化した(実施例8参照)。PBSに対し て透析して尿素を除去すると、80%以上のD15タンパクが可溶性で残った。 この可溶性rD15抗原は、下記の免疫原性試験に使用した。フラスコ振とう試 験から推定すると、大腸菌培地1リットルから、可溶性rD15タンパク約10 mgが得られた。最適化した 発酵条件下における組換え大腸菌株の増加は、rD15生成のレベルを著しく高 めることは明らかである。 (vi)完全長組換えD15タンパク(rD15)の免疫原性 モルモットおよびマウスを用いて完全長D15タンパクの免疫原性を試験した 。図7に記載した免疫投与プロトコールにより、フロイント(Freund)アジュバ ントまたはAlPO4の存在下で、15μgのrD15を投与すると、モルモッ ト内に高いIgGタイターが誘発された。マウスの投与反応試験では、このタン パクは5μgの低い投与量でもフロイントアジュバント中(図8A)でもはAl PO4中(図8B)でも免疫原性であった。 b型インフルエンザ菌感染に対するrD15の防御能力は、実質的にローブ( Loeb,1987)の記載に従って、菌血症の未成熟ラットモデルを用いて試験した。 これによると、モルモット抗rD15免疫血清を用いて免疫投与した未成熟ラッ トは、プレブリード血清を注射した対照マウスよりも、菌血性が著しく低く、こ れはトーマスら(Thomas et al.,1990)の以前の報告と一致した。 (vii)N末端rD15フラグメントの精製と特性検討 実施例6に記載したD15タンパクのN末端(残基 22〜223)に相当するトランケートrD15フラグメントは、GSTに融合 させた可溶性タンパクとして大腸菌内に発現した。この融合タンパク(46kD a)は、リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)を用いて容易に抽出された。GST −D15フラグメント融合タンパクの精製は、グルタチオン−セファロース4B カラム(図9、第3レーン)上の一段親和精製プロセスにより行った。トロンビ ンを用いて46kDa融合タンパクを切断すると、2個のフラグメントとなり( 図9、第4レーン)、26kDaタンパクは精製GST標準(図9、第2レーン )に相当し、20kDaポリペプチドはN末端rD15フラグメント(アミノ酸 残基63〜223)に考えられる大きさである。これら2個のタンパクの分離は 、再度のグルタチオン−セファロース4Bクロマトグラフィーにより行った。フ ラスコ振とう実験から、大腸菌培養基1リットルから精製N末端Rd15フラグ メント約1mgが回収されたと推定した。最適化した発酵条件下における大腸菌 株の増加は、N末端Rd15フラグメントの生成レベルを著しく高めることは明 らかである。 20kDaポリペプチドおよび26kDaタンパクの同定は、免疫ブロッティ ングおよびタンパク配列決定により確認された。20kDaポリペプチドのN末 端配列は、NH2−Ser−Leu−Phe−Val −Ser−Gly−Arg−Phe−Asp−Asp−Val−Lys−Ala −His−Gln−Glu−Gly−Asp−Val−Leu−Val−Val −Ser(配列番号12)であり。これはD15の一次配列の残基63〜85に 相当することが分かった。この結果は、D15配列内に疑似トロンビン切断サイ トが存在し、rD15フラグメントの始めの42個のアミノ酸がトロンビン消化 の間に切断されたことを示している。従って、最後のN末端rD15フラグメン トは、D15の一次配列の残基63〜223に相当する161のアミノ酸の長さ であった。26kDaタンパクから得られたN末端配列(NH2−Met−Se r−Pro−Ile−Leu−Gly−Tyr−Trp−Lys−配列番号13 )から、これがGSTであることを確認される。 (viii)N末端rD15フラグメントの免疫原性 N末端rD15フラグメントの免疫原性は、各種のアジュバントを用いてモル モットで試験した。図10に記載した免疫投与プロトコールにより、N末端rD 15フラグメントを10μg投与すると、試験したほぼすべてのアジュバントに 対して、モルモット中に良好なブースター反応を誘発した。最高の抗−D15タ イターは、フロイトアジュバント中のN末端rD15フラグメントを用いて免疫 投与したモルモットの群で 認められた。次に良かったアジュバントは、タイターマックス(Titermax,CytR x Inc.)であった。その他の二種のアジュバント、TPAD4(トリパルミチ ル−Cys−Ser−Glu4)およびAlPO4の効力は同等であった。 (ix)b型インフルエンザの菌攻撃誘発に対するN末端rD15フラグメント の防御能力 ヘモフィルスにより起きる疾病に対する抗原の防御能力を評価するためのin v ivo攻撃誘発モデルとして、ローブ(Loeb,1987)が記載した菌血症のラット新 生仔モデルを用いた。b型インフルエンザ菌の攻撃誘発に対するN末端rD15 フラグメントの防御能力をこのラットモデルで試験した。表1の記載のように、 ウサギ抗N末端rD15フラグメント免疫血清を用いて受動免疫投与したラット 新生仔は、プレブリード血清を注射したラットと比較して、菌血性の程度が著し く低かった。 N末端rD15フラグメントに対する受動転移免疫血清は、菌血症のラット新 生仔モデルにおいて防御性があることが分かったので、このN末端rD15フラ グメントの防御性エピトープの同定を試みた。インフルエンザ菌b型 Caから のD15遺伝子の配列(図1)から得たアミノ酸配列を基にして、表2に記載し たD15タンパクの最初の9個のオーバーラップペプ チドを化学的に合成した。ELISAによる精製N末端rD15フラグメントに 対して生成したウサギまたはモルモット免疫血清を用いて、これらの合成ペプチ ドの反応性を試験した。図3に示すように、モルモットとウサギのいずれの血清 も、D15一次配列の93〜209残基に相当するD15−P4からD14−P 8までのペプチドを含むD15ペプチドのクラスターと反応した。 さらに、新生仔ラットにウサギ抗D15免疫血清を用いて観察されたb型イン フルエンザ菌に対する防御性がD15ペプチドにより中和されるか否かを決める ための実験を行った。一回目の実験では、9種のペプチド(D15−P2〜D1 5−P10)の混合物が存在または存在しない新生仔ラット7匹の群にウサギ抗 N末端rD15フラグメント免疫血清を注射した。陽性対照群の動物には、精製 D15フラグメントを混合したウサギ抗N末端rD15フラグメント免疫血清を 注射し、陰性対照群には、9種のペプチドのみを注射した。表4に記載のように 、ウサギ抗N末端rD15フラグメント免疫血清を用いて受動免疫投与した新生 仔ラット(群1)は、陰性対照群の値(群4、100%)と比較すると、有意に 低い菌血性レベル(3%、p=1.2x10-7)を示し、以前に得られた結果と 一致する。ウサギ抗N末端rD15フラグメント免疫 血清による防御作用は、精製N末端rD15フラグメントを添加すると大幅に中 和され(群3、64%)、これは群3と群4との間の菌血性レベルに有意差がな いこと(p=0.09)から明らかである。9種のD15ペプチドの添加により 、群1(3%)と比較して免疫血清により得た防御は僅かに中和されただけであ ったが(群2、13%)、この2群間の菌数の差異は、統計学的に有意であった 。(p=0.0037)。 N末端rD15フラグメントの防御エピトープをより明瞭に決定するために、 ウサギ抗N末端rD15フラグメント免疫血清との強い反応性から選択した5種 のペプチド(ペプチドD15−P4〜D15−P8)を用いて上記の実験を反復 した。この二回目の実験から得た結果から、ウサギ抗N末端rD15フラグメン トを用いて得られた防御(表5、群1)は、5種のペプチドを加えると完全にブ ロックされることが分かった(表5、群2、106%、p=0.53x10-8) 。これらの結果から、D15合成ペプチドの反応溶液はインフルエンザ菌に対す る防御抗体を誘発する免疫原として使用できることが明らかになった。 (x)エピトープの推定およびペプチドの合成 免疫優性のD15のT細胞またはB細胞エピトープの位置を決めるために、実 施例15に記載するように、t−Boc固相ペプチド合成を用いて、D15タン パ クの全配列をカバーするオーバーラッピング合成ペプチド(表2、配列番号14 〜49)を合成した。このペプチドは、二次構造予想解析により想定した親水性 βターンの指数が高いことから選択した(図11)。このペプチドは、表面暴露 性で抗原性と考えられる。変性エピトープとの類似性が高いことから、長さが2 5残基以上のペプチドを選択した。 (xi)合成ペプチドを用いたD15の免疫優性エピトープの識別および特性検 討 D15の線型B細胞エピトープの位置を決めるために、D15の全配列と同じ オーバーラッピング合成ペプチドをELISAプレート上に個別に被覆し、実施 例19の記載のように数種の抗rD15免疫血清を用いて試験した。その結果を 表6に総括した。rD15に対して生成したマウス免疫血清は、すべてのD15 ペプチドと反応したが、主要なエピトープはそれぞれペプチドD15−P8(残 基180〜209、配列番号21)、D15−P10(残基219〜249、配 列番号23)、D15−P11(残基241〜270、配列番号24)およびD 15−P26(残基554〜582、配列番号39)内に位置していた。ウサギ 抗D15免疫血清は、ペプチドD15−P4(残基93〜122、配列番号17 )、D15−P14(残基304〜333、配列番号27)およびD15−P3 6 (残基769〜798、配列番号49)のみを認識した。rD15に対して生成 したモルモット免疫血清は、ペプチドD15−P2(残基45〜72、配列番号 25)、D15−P4(残基93〜122、配列番号17)、D15−P6(残 基135〜164、配列番号19)、D15−P8(残基180〜209、配列 番号21)、D15−P14(残基304〜333、配列番号27)、D15− P27(残基577〜602、配列番号40)と反応した。これから、3種の動 物すべてのrD15免疫血清により認識されたのは、2種のペプチドのみであっ たので、D15の免疫優性直線型B細胞エピトープは、ペプチドD15−P4( 残基93〜122、配列番号17)およびD15−P14(残基304〜333 、配列番号27)内に位置することが分かった。この結果から、上記の直線型B 細胞エピトープ配列を有するペプチドは、例えば、試料中の抗D15および抗イ ンフルエンザ菌抗体の存在を検出する診断キット中の標的抗原として使用できる ことが明らかとなった。 (xii)合成ペプチドを用いたD15の免疫優性T細胞エピトープの識別と特 性検討 免疫および感染における免疫性および感染性反応におけるシトカインネットワ ークおよび病理学におけるその交代の重要性は、新しいシトカイン族が識別され 特性検討されたために、いよいよ明らかになっている。最近、ミルら(Mill et al.,1993)は、細菌、呼吸器感染の後6週間の危険性について、または全細胞 百日咳ワクチンの2回の免疫投与の後のマウスの肺からの百日咳菌(B.Perutus sis)の迅速なクリアランスについて報告している。百日咳抗原(百日咳トキソ イド、糸状血球凝集素(FHA)およびペルタクチン(pertactin))が存在す ると、これらの免疫投与マウスからの牌臓細胞は、高レベルのIL−2およびI FN−γおよび低レベルのIL−5を分泌することが分かった。この結果は、T h1細胞(高レベルのIL−2およびIFN−γを生成するT細胞)増殖は、呼 吸器感染からの回復に非常に重要であることを示唆する。Th1およびTh2細 胞サブセットの生成は、種々のシトキン類の群、主としてIL−12およびIL −4の間のバランスにより調節される 〔トリンキエリ(Trinchieri)1993〕。 IL−2およびIL−4は、それぞれTh1およびTh2細胞の分化に影響を与 える。免疫系内におけるTh2の役割の一つは、免疫投与の後に高レベルの抗原 特異性抗体を誘出するためのヘルパー作用を与えることである。Th1エピトー プを含む抗原は、エピトープ刺激抗原特異性T細胞を刺激して高レベルのIL− 2およびIL−4を生成させ、一方、Th2エピトープは、高レベルのIL−4 発現を誘発す る。Th0エピトープは、IFN−γおよびIL−4の合成を促進する。 インフルエンザ菌の外膜タンパクに対する細胞免疫反応およびインフルエンザ 菌感染および疾病に対する防御におけるその役割に関してほとんど知られていな い。この目的で、本発明者は、rD15免疫投与の後のマウス内で起きる細胞反 応の試験を実施した。rD15を用いて免疫投与したBALB/cマウス5匹か ら得たD15ペプチドおよびT細胞系統を用いて、D15特異性T細胞エピトー プを決定した。(実施例23参照)。オーバーラップするD15ペプチドに対す るD15特異性T細胞系統のリンパ球増殖反応は、実施例24に記載のように通 常のシトキン中で測定した。表7に記載した結果から、ある種の合成ペプチドを 用いる刺激のみが増殖性反応および特定のシトキンの放出を誘出することが明ら かになった。残基114〜143(D15−P5、配列番号18)、282〜3 12(D15−P13、配列番号26)および577〜602(D15−P27 、配列番号40)、および219〜249(D15−P10、配列番号23)、 262〜291(D15−P12、配列番号25)、390〜416(D15− P18、配列番号31)、410〜435(D15−P19、配列番号32)、 554〜582(D15−P26、配列番号39)、5 96〜625(D15−P28、配列番号41)、725〜750(D15−P 34、配列番号47)および745〜771(D15−P35、配列番号48) に相当する合成ペプチドは、それぞれD15特異性BALB/C Th0細胞お よびTh1細胞に対して高い刺激性があることが分かった。従って、これらの免 疫優性T細胞エピトープは、それらの免疫原性を高めるために、PRPおよび/ またはOMP B細胞の自己由来キャリヤーとして使用できる。上記で識別され たTh1細胞エピトープは、インフルエンザ菌特異性細胞免疫反応を誘発するた めのインフルエンザ菌ワクチン配合に用いることができる。 (xiii)D15ペプチドの免疫原性 合成D15ペプチドが免疫原性か否かを決定するために、遊離ペプチドの免疫 原性を個別に試験した。ELISAおよび免疫ブロッティングによる免疫投与ペ プチドならびに未変性D15およびrD15に対する反応性について、ウサギお よびモルモット抗ペプチド免疫血清を試験した。図8に示すように、D15−P 26(配列番号39)、D15−P29(配列番号42)、D15−P30(配 列番号43)およびD15−P31(配列番号44)に対して生成したものを除 くすべてのモルモット抗D15ペプチド免疫血清は、ELISAにより免疫原性 であることが分かった。遊 離ペプチドによるペプチド特異性IgG抗体の高タイターの誘発は、大部分のペ プチドが機能性Tヘルパー決定因子およびB細胞エピトープのいずれも含んでい ることを明らかに示している。さらに、これらの抗ペプチド免疫血清は、免疫ブ ロット試験でD15を認識した。大部分のペプチドは、強力な機能性Tヘルパー 決定因子を含み、強いIgG抗体反応を哺乳類内で誘発するので、これらは、イ ンフルエンザ菌ワクチン調製の際の成分の候補となる。D15ペプチド特異性免 疫血清は、免疫ブロッティングの判断によるとインフルエンザ菌の型別不能株か らのD15と交差反応を示した。この所見は、免疫原性D15ペプチドは、イン フルエンザ菌の型別可能および型別不能中で強く保存されるエピトープを含むこ とを示している。その上、これらのエピトープに対するポリクロナール抗体は、 生物学的試料中でインフルエンザ菌の検出に使用できる。 従って、これらの保存されたD15エピトープは、個別にまたは組み合わせて 、インフルエンザ菌の型別可能および型別不能およびD15を生成する他の細菌 、フラグメントまたはその類似体に対する交差反応性合成免疫原の製造に使用で きる。上記のペプチドは、さらに異なるワクチンを製造するために、重合、リポ ペプチドとしての脂質を用いて変性、または合成糖ペプ チドまたはリポ糖ペプチドとしてのPRPを含む多糖類とリンクさせることがで きる。これらのワクチンは、例えば筋肉内または非経目経路による哺乳類への投 与、または微粒子、カプセル、リポソームおよび標的分子、例えばトキシンまた はそのフラグメント、および抗体を用いて、免疫系の細胞または粘膜表面に投与 することにより、インフルエンザ菌により起きる疾病に対する免疫投与に使用で きる。 (xiv)配糖体の製造のためのキャリヤータンパクとしてのD15の利用 D15が防御抗原およびキャリヤーの両方の役割を持っているか否かを決定す るために、実施例14に記載したD15−PRP抱合化実験を実施しLD15− PRP抱合体は、D15特異性ELSAおよびPRP−BSA免疫アッセイによ る判断では、ウサギにおいて免疫原性が高く、抗D15および抗PRP IgG 抗体反応を誘発することができることが分かった(図9)。これらの結果は、配 糖体形成技術のキャリヤータンパクとしてD15が利用できることを明らかに証 明している。 本発明の好ましい態様では、D15のキャリヤー機能は、被包性細菌を含む病 原菌に対するキメラ分子および複合ワクチン製造に一般的に使用できる。従って 、本発明の配糖体は、多糖類抗原を有するあらゆる細菌、 例えばインフルエンザ菌、肺炎双球菌、大腸菌、髄膜炎菌、チフス菌、ストレプ トコッカス・ムタンス、クリプトコッカス・ネオフォルマンス、クレブシエラ属 細菌、黄色ブドウ球菌、および緑膿菌を含む細菌による感染に対する防御のため の接種に使用できる。 他の態様では、ガン細胞の異常多糖類に対する免疫を誘発するため、または化 学療法または生物活性薬剤と複合できる抗ガン性抗体の製造に、D15のキャリ ヤー機能が利用できる。 従って、本発明は、ヘモフィルスにより起きる疾病の予防および診断に使用で きるインフルエンザ菌の抗原(D15)の一次配列および調製物を提供する。な かでも、本発明者らは、組換えD15またはそのフラグメントが、生きているb 型インフルエンザ菌の攻撃誘発に対する防御抗体反応を誘発することを発見した 。このように、本発明はワクチンとしての用途がある。また、本発明はインフル エンザ菌のb型株および型別不能単離体の双方から単離されたD15遺伝子のヌ クレオチド配列も開示する。D15をコード化したDNAセグメントを開示し、 これらのヌクレオチドおよび誘導アミノ酸配列中に僅かな多型性を示す(図1F および3)。これらのDNAセグメントは、組換えDNA技術を適用して、他の インフルエンザ菌抗原(例えばPRPおよびリポオリゴ糖類(LOS))を実質 的 に含まない免疫原の提供に利用できる。本開示は、さらに実質的に純粋なD15 またはそのフラグメントならびに機能的類似体の製造に使用できる技術を提供す る。組換えD15タンパク、そのフラグメントまたは類似体は、適当な発現系、 例えば大腸菌、ヘモフィルス属細菌、ボルデテラ属細菌、バシラス属細菌、真菌 、酵母、バクロウイルス、ポックスウイルス、ワクシニアまたは哺乳類発現系中 で製造できる。 ある態様では、本発明は、未変性D15と免疫学的に交差反応性がある精製組 換えD15(rD15)またはrD15フラグメントを含むワクチン組成物の製 造プロセスに関する。なかでも、全D15タンパクをコードする遺伝子およびグ ルタチオン−S−転移酵素遺伝子に融合したN末端rD15フラグメントをコー ド化しているDNAセグメントを構築し、大腸菌内で発現させた。発現したrD 15タンパクおよびそのフラグメントは、型別可能および型別不能インフルエン ザ菌単離体の双方から単離された未変性D15抗原と交差反応し、従って、イン フルエンザ菌により起きる疾病に対するワクチン中に封入するための交差反応免 疫原である。さらに、ヘモフィルスの回復期の血清は、本明細書に記載するよう にインフルエンザ菌から精製したD15、rD15およびN末端rD15フラグ メントを識別する。 他の態様では、本発明は、他のポリペプチドまたはタンパクまたは多糖類、例 えばインフルエンザ菌外膜タンパク、例えばP1、P2またはP6またはPRP に融合するD15フラグメントを含むハイブリッドまたはキメラタンパクを遺伝 子組換えにより製造するために、本明細書に記載する特異性ヌクレオチド配列を 有するインフルエンザ菌からの外膜タンパクD15をコードする遺伝子、または これと実質的に同族の遺伝子(すなわち、この配列に厳しい条件下でハイブリッ ド化させる)を提供する。その結果、そのハイブリッド、キメラタンパクまたは 配糖体は、D15、またはP1、またはP2、またはP6、またはPRP単独よ りもインフルエンザ菌に対して高い防御性を有する。 このように、D15外膜タンパクは、防御性抗原および自己由来T細胞開始を 与えるための複合ワクチン中でキャリヤーとして機能し、その際、抱合体のハプ テン部は、インフルエンザ菌の莢膜多糖類部分(PRP)である。このD15炭 水化物抱合体は、PRPおよびD15の双方に対する抗体を誘発することができ 、従って、インフルエンザ菌に関連した疾病、特に幼児に対する防御のレベルを 高める。 他の態様では、本発明には、少なくとも一種のD15の抗原決定因子に相当す るアミノ酸配列を含む少なくとも一種のタンパクまたはペプチドの実質的に純粋 な形も含まれ、そのぺプチドは哺乳類内でインフルエンザ菌に対するポリクロナ ール抗体を誘発することができる。これらのD15特異性抗体は、生物学的試料 中に存在するインフルエンザ菌を検出するための試験キットに用いられる。この ペプチドは、例えば下記の表2に記載したインフルエンザ菌b型Ca株のD15 タンパクの残基20〜49、45〜74、68〜99、93〜122、114〜 143、135〜164、157〜187、180〜209、199〜228、 219〜249、241〜270、262〜291、282〜312、304〜 333、325〜354、346〜375、367〜396、390〜416、 410〜435、430〜455、450〜477、471〜497、491〜 516、511〜538、532〜559、554〜582、577〜602、 596〜625、619〜646、641〜666、662〜688、681〜 709、705〜731、725〜750、745〜771、769〜798( 配列番号14〜49)、または免疫原性を有するあらゆる部分、変異体またはそ の突然変異体のアミノ酸配列を有してもよい。 さらに別の態様では、本発明は型別可能または型別不能インフルエンザ菌単離 物の培養基から抽出し、クロマトグラフィーにより精製した純粋の未変性D15 タンパクを提供する。この新規の方法は、他の外膜タンパクについての公知の技 術により、界面活性剤水溶液を用いる細胞ペーストからのD15タンパクの抽出 、引き続く遠心分離またはクロマトグラフィーによる精製を含む。精製未変性D 15抗原は、例えば、筋肉内または非経口経路により、または微粒子、カプセル 、リボソームおよび標的分子、例えばトキシンまたはそのフラグメントおよび抗 体を用いて投与することにより、インフルエンザ菌により起る疾病に対して哺乳 類を免疫投与するために用いることができる。 本発明の他の態様では、D15外膜タンパク、そのフラグメントまたは類似体 またはD15の部分に相当するペプチドは、中耳炎に対する多価ワクチンの成分 とすることができる。この多価ワクチンは、本明細書に記載したD15の免疫原 性決定因子少なくとも一種と、肺炎双球菌、ブランヘメラ(モロクセラ)カタル ハリス、スタフィロコッカス・アウレウスまたはアジュベントを含む呼吸器合胞 性ウイルスから単離した少なくとも一種の防御性抗原との混合物またはこれらの 混合物から成る。 D15タンパク(表2)またはそのいかなる部分、変異体、突然変異体は、手 作業または市販されているペプチド合成装置、例えばアプライド・バイオシステ ムズ・モデル430A合成装置(Applied Biosystems Model 430A Synsesizer)を用いて容易に合成できる。 当該分野の専門家にとっては、本発明の種々の態様は、予防接種、診眺、およ びヘモフィルス感染により起る疾病の処置、および免疫学的試薬調製の分野に多 くの用途があることは明らかである。これらの用途に関する考察を以下に記載す るが、これらに限るものではない。 1.ワクチンの調製および使用 ワクチンへの使用に適する免疫原性組成物は、本明細書に開示するように、免 疫原性D15外膜タンパク、そのフラグメントまたは類似体および/またはD1 5の部分に相当するペプチドから製造することができる。ワクチンは抗D15外 膜タンパク抗体およびオプソニン作用性または殺菌性のD15に対する抗体を含 む抗体を生成する広範な反応を誘発する。接種した対象がヘモフィルスの危険に 曝された場合には、抗体はD15外膜タンパクに結合し、これにより細菌を不活 性化する。オプソニン作用性または殺細菌性抗体は、疾病に対する防御の例であ る。 ペプチドを含むワクチンは、本分野では例えば米国特許第4,601,903 、第4,599,231号、第4,599,230号および第4,596,79 2号から一般に公知であり、これらのすべての引用文献は、参考文献として添付 してある。本明細書中の その他の引用特許および引用文献は、その効果をあらためて述べなくても参考文 献に含まれている。ワクチンは、注射用として、溶液または乳液として調製して もよい。D15外膜タンパク、そのフラグメントまたは類似体および/またはD 15の部分に相当するペプチドは、D15外膜タンパク、そのフラグメントまた は類似体またはペプチドと相容性がある生理学的に許容できる付形剤と混合する こともできる。付形剤には、水、生理食塩水、デキストロース、グリセリン、エ タノール、およびこれらの組合せが含まれる。ワクチンはさらに少量の助剤、例 えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤またはワクチンの効果を高めるアジュバン トを含んでいてもよい。ワクチンに対するアジュバントの効果を得るための方法 には、アルミニウムの水酸化物またはリン酸塩(ミョウバン)のような薬剤を通 常リン酸緩衝生理食塩中に0.05〜0.1%になるように添加して使用する方 法が含まれる。ワクチンは、皮下または筋肉注射により非経口投与することがで きる。あるいは、座薬または経口配合等の投与方法も可能である。座薬には、バ インダーおよびキャリヤー、例えばポリアルキレングリコールまたはトリグリセ リドが含まれる。経口配合剤には、通常用いられる付形剤、例えば医薬級のサッ カリン、セルロース、炭酸マグネシウムなどが含まれる。これらの組成物は、溶 液、 懸濁液、錠剤、ピル、カプセル、徐放性配合剤または粉剤の形を取り、D15外 膜タンパク、そのフラグメントまたは類似体および/またはペプチドを10〜9 5%含む。 ワクチンは、投与配合に適した方法で、また治療的に有効で、防御性および免 疫原性がある量を投与する。投与する量は、処置する対象、例えば個体の免疫系 の抗体合成能力、必要ならば細胞仲介免疫反応誘発能力に関係する。投与すべき 有効成分の正確な量は、現場の医者の判断による。しかし、適切な投与レベルは 、この分野の専門家には容易に決定でき、D15外膜タンパク、そのフラグメン トまたは類似体および/またはペプチドとしてμgの範囲内にある。最初の免疫 投与および追加免疫投与の適当な治療法も種々あるが、最初の免疫投与を行った 後に引き続き投与してもよい。ワクチンの投与は、投与経路にも依存し、ホスト の大きさによっても異なる。 本発明のD15外膜タンパクをコード化する核酸分子は、DNAの直接投与、 例えば遺伝子的免疫投与のための注射、または活ベクター、例えばサルモネラ菌 、BCG、アデノウイルス、ポックスウイルスまたはワクシニア等を構成するこ とによる直接免疫投与に使用してもよい。免疫系に異種抗原を保持させるために 使用されているある種の活ベクターについては、例えば オヘーゲン(O'Hagen,1992)が総説している。遺伝子的免疫投与のための試験 対象へのDNAの直接注射のプロセスは、例えばウルマンら(Ulamn et al.,19 93)によって記載されている。 ペプチドのin vivo使用には、ペプチド自身の血清および/または組織の半減 期が十分長くないために、先ずその化学的修飾が必要となる。このような化学修 飾ペプチドは、ペプチド類似体として本特許に記載する。ペプチド類似体の用語 は、本発明の実施に関してin vivoまたはin vitroにおける高い安定度および/ または効率が特徴であるペプチドと等価であるすべての機能性化学薬品にも拡大 して用いる。またペプチド類似体の用語は、本明細書に記載したペプチドのすべ てのアミノ酸誘導体にも拡大して用いる。ここで考えているペプチド類似体は、 側鎖の修飾、ペプチド合成過程における修飾アミノ酸および/またはそれらの誘 導体の組み込み、架橋剤の使用およびペプチドまたはこれらの類似体に形状的制 約となるクロスリンク剤および他の方法を含む方法により製造さるれが、これに 限定されるものではない。 本発明で対象とする側鎖修飾の例は、例えばアルデヒドと反応させた後NaB H4で還元する還元性アルキル化によるアミノ基の修飾、メチルアセトイミダー トを用いるアミド化、無水酢酸を用いるアセチル化、 シアン酸塩を用いるアミノ基のカルバミル化、2,4,6−トリニトロベンゼン スルホン酸(TNBS)を用いるアミノ基のトリニトロベンジル化、無水コハク 酸および無水テトラヒドロフタル酸を用いるアミノ酸のアルキル化、およびピリ ドキサ−5’−ホスファートを用い、その後NaBH4で還元するリジンのピリ ドキシル化である。 アルギニン残基のグアニジノ基は、2,3−ブタンジオン、フェニルグリオキ サールおよびグリオキサール等の試薬を用いる複素環式縮合物の形成により修飾 することができる。 カルボキシル基は、o−アシリソ尿素形成を経由し、引き続き、例えば相当す るアミドへの誘導体化によるカルボジイミド活性化により修飾することができる 。 スルフヒドリル基は、例えばヨード酢酸またはヨードアセトアミドを用いるカ ルボキシメチル化、システイン酸への過ギ酸酸化、その他のチオール化合物を用 いる混合二硫化物の形成、マレイミド、無水マレイン酸またはその他の置換マレ イミドとの反応、4−クロロメルクリ安息香酸、4−クロロメルクリフェニルス ルホン酸、塩化フェニル水銀、2−クロロメルクリ−4−ニトロフェノールおよ びその他の水銀化合物の形成、アルカリ性pHにおいてシアン酸塩を用いるカル バミル化の方法により修飾することができる。 トリプトファン残基は、例えばN−ブロモスクシンイミドを用いる酸化または 臭化2−ヒドロキシ−5−ニトロベンジルまたはハロゲン化スルホニルを用いる インドール環のアルキル化により修飾することができる。チロシン残基は、テト ラニトロメタンを用いるニトロ化により3−ニトロチロシン誘導体を形成して修 飾することができる。 ヒスチジン残基のイミダゾール環は、ヨード酢酸誘導体を用いるアリキル化ま たはジエチルピロカーボネートを用いるN−カルボエトキシル化により修飾する ことができる。 天然に存在しないアミノ酸の組み込みおびペプチド合成過程での誘導体の例は 、ノルロイシン、4−アミノ酪酸、4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−フェニル ペンタン酸、6−アミノヘキサン酸、t−ブチルグリシン、ノルバリン、フェニ ルグリシン、オルニチン、サルコシン、4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチ ルヘプタン酸、2−チエニルアラニンおよび/またはアミノ酸のD−異性体があ るが、これに限られるものではない。 2.免疫アッセイ 本発明のD15外膜タンパク、類似体、フラグメントおよび/またはペプチド は、免疫アッセイに用いられるが、これには酵素リンク免疫ソルベントアッセイ (ELISA)、RIAおよびその他の非酵素リンク抗体結合アッセイ、または 抗菌性、ヘモフィルス、D15および/またはペプチド抗体の検出のために従来 から公知の方法が含まれる。ELISAアッセイでは、D15外膜タンパク、そ のフラグメントまたは類似体および/またはD15外膜タンパクの部分に相当す るペプチドを、所定の表面、例えばタンパク親和性を有する表面、例えばポリス チレンマイクロタイタープレートのウエル上に固定化する。吸着が不完全なD1 5外膜タンパク、類似体、フラグメントおよび/またはペプチドを洗浄除去した 後に、試験試料に対して抗原的に中性であるこが分かっている非特異性タンパク 、例えばウシ血清アルブミン(BSA)またはカゼインを所定の表面に結合させ てもよい。これは固定化表面上の非特異性吸着部位をブロックし、免疫血清の表 面への非特異的結合によるバックグラウンドを低下させる。通常、これに用いる ペプチドは、12残基から好ましくは14〜30残基の範囲までである。 次いで、免疫錯体(抗原/抗体)を形成させるために、試験しようとする臨床 または生物学的物質などの試料を固定化表面と接触させる。このためには、試料 を希釈剤、例えばBSA、ウシガンマグロブリン(BGG)および/またはリン 酸塩緩衝食塩水(PBS)/ツイン(Tween)を用いて希釈する。次いで温度2 5 〜37℃の程度で2〜4時間試料をインキュベーシヨンする。インキュベーショ ンの後、試料と接触した表面を洗浄して免疫錯体を形成しなかった物質を除去す る。洗浄手順には、PBS/ツインまたはホウ酸塩緩衝液などの溶液を用いる洗 浄も含まれる。 試験試料とD15外膜タンパク、類似体、フラグメントおよび/またはペプチ ドとの特異性免疫錯体の形成および引き続く洗浄に続き、最初の抗体に特異性を 有する第二の抗体を免疫錯体に作用させて、免疫錯体生成の発生およびその量を 測定しもよい。ヒト由来の試験試料の場合には、第二の抗体は、ヒト免疫グロブ リンおよび一般にはIgGに対して特異性を有する抗体を用いる。検出手段とす るために、第二の抗体は、例えば色素を生成する適当な基質を用いてインキュべ ーションすることにより発色する酵素活性のような副次活性を有していてもよい 。これにより、例えば可視スペクトル分光光度計を用いて発色の程度を測定する ことにより定量することができる。 3.ハイブリッド化プローブとしての配列の使用 D15外膜タンパクの配列から成る本発明のヌクレオチド配列は、D15外膜 タンパクをコード化するいかなるヘモフィルスまたは他種の細菌からでも、その D15外膜タンパク遺伝子の識別およびクローニングを可能とする。 本発明のD15外膜タンパクをコード化する配列から成るヌクレオチド配列は 、他のD15遺伝子の相補部分をと共に二重鎖分子を選択的に形成する能力に利 用される。用途によっては、他のD15遺伝子に対するプローブに種々の程度の 選択性を与えるために、種々のハイブリッド化条件を用いることができる。高度 の選択性に対しては、二重鎖形成のために厳しい条件、例えば0.02〜0.1 5M NaCl、温度50〜70℃のような低い塩濃度および/または高温条件 を用いる。ある種の用途には、例えば0.15〜0.9M NaCl、温度範囲 20〜50℃のような温和な条件が必要となる。また、ハイブリッド二重鎖の安 定度を低下させるために、ホルムアルデヒドを大量に加えて、ハイブリッド化条 件をさらに厳しくすることもできる。このように、特定のハイブリッド化条件を 容易に設定することができ、一般に目的に従って方法を選択することができる。 臨床診断の態様では、本発明のD15外膜タンパクの核酸配列は、ハイブリッ ド化を測定するための標識付与等の適当な手段と組み合わせて使用することもで きる。放射能、酵素またはその他のリガンド、例えばアビジンやビオチンなど、 検出可能な信号を発生する多数の適当な指示薬が以前から知られている。ある診 断の態様では、酵素標識、例えばウレアーゼ、アルカ リホスファターゼまたはペルオキシダーゼが放射能標識の代わりに使用できる。 酵素標識の場合に、D15遺伝子配列を含む試料を用いた特定のハイブリッド化 を識別するために、比色指示基質が、肉眼的または分光光度計で測定できる手段 として使用できることは公知である。 本発明のD15遺伝子の核酸配列は、溶液ハイブリッド化および固相法を用い る態様におけるハイブリッド化プローブとして使用できる。固相法を用いる態様 では、滲出液、体液(例えば血清、羊水、中耳滲出液、痰、気管支肺胞洗浄液) または組織などの臨床試料からの試験用DNA(またはRNA)を所定のマトリ ックスまたは表面に吸着または固定させる。次いで、所望の条件下で本発明のD 15遺伝子またはそのフラグメントの核酸配列から成る所定のプローブを用いて 、固定した単一ストランド核酸を特異的にハイブリッド化させる。所定の条件は 、G+C含有量、標的核酸のタイプ、核酸の出所、ハイブリッド化プローブの大 きさなどに関連して要求される特定の判断基準に基づく特定の環境に依存する。 非特異的に結合したプローブ分子を除去するためにハイブリッド化表面を洗浄し た後に、標識を利用して特定のハイブリッド化を検出または定量する。所定のプ ローブは、少なくとも18bpであるが、30bp〜90bpの範囲の長さであ っ てもよい。 4.D15外膜タンパク遺伝子の発現 ホスト細胞と相容性がある種から得られたレプリコンおよびコントロール配列 を含むプラスミドベクターは、発現系内にD15外膜タンパク遣伝子を発現させ るために使用することができる。このベクターは複製部位の他にも、形質転換細 胞中に表現型選択を与えることができるマーキング配列を有する。例えば、大腸 菌は、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性の遺伝子を含むpBR322を 用いて形質転換してもよく、これは形質転換細胞を容易に識別できる手段を与え る。pBR322プラスミドまたはその他の微生物プラスミドまたはファージは 、微生物体によりそれ自身のタンパクを発現させるために使用できるプロモータ ーを含むか、または含むように修飾しなければならない。 その上、ホスト微生物体と相容性のあるレプリコンおよびコントロール配列を 含むファージベクターは、これらのホストにおける形質転換ベクターとして使用 することができる。例えば、ラムダGEMTM−11は、大腸菌LE392のよう なホスト細胞を形質転換させるための組換えファージベクターを作るために利用 できる。 組換えDNA構造中に通常用られるプロモーターには、β−ラクタマーゼ(ペ ニシリナーゼ)およびラク トーゼプロモーターシステムおよび他の微生物プロモーター、例えばT7プロモ ーターシステムも含まれる。プロモーターのヌクレオチド配列に関する詳細は公 知であり、当該分野の専門家は、これらとプラスミドベクターを機能的に容易に 結合させることができる。一般的に使用される特定のプロモーターは、目的に応 じて選択することができる。大腸菌、バチルス、ヘモフィルス、ボルデテラ、真 菌、酵母またはバクロウイルスおよびボックスウイルス発現系を含むトランスフ ェリンレセプター遺伝子、そのフラグメント、類似体または変異体の発現に適し たホストを使用することができる。 本発明の態様によると、組換え法によりD15外膜タンパク、これのフラグメ ントまたは類似体を製造すると有利であるが、これは特にヘモフィルスの種の培 養培地から精製した天然に存在するD15タンパクは、痕跡量の毒性物質などの 望ましくない汚染物を含んでいる場合があるからである。この問題は、精製物質 中の毒素を最小にするようにホストから単離できる非相同システム中における組 換え法により製造されたD15外膜タンパクを用いることにより避けることがで きる。この観点から表現に特に望ましいホストは、リポ多糖(LPS)を有さず 、従ってエンドトキシンを含まないグラム陽性菌である。このようなホストには バ チルス種があり、非発熱原性D15外膜タンパク、そのフラグメントまたは類似 体の製造に特に有用である。 生物学的寄託 本明細書に記載および言及した少なくともインフルエンザ菌株からのD15外 膜タンパクをコード化した部分を有するいくつかのプラスミドは、ブタペスト条 約に準拠し、また本発明の出願の前に、米国メリーランド州ロックビル(Rockvi lle,Maryland,USA)にあるアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション( ATCC)(American Type Culture Collection)に寄託した。寄託したプラス ミドの試料は、米国特許出願に基づく特許付与の後、一般に公開される。寄託し た態様は本発明の説明を目的とするのみであるので、本明細書に記載し特許請求 する発明は、寄託したプラスミドの範囲により制限するものではない。本出願の 記載と類似または等価の抗原をコード化した等価または類似のプラスミドは、本 発明の範囲内に含まれる。 上記の開示は本発明内の一般的な説明である。下記 のそれぞれの実施例を参照すると、より完全に理解できる。これらの実施例は、 説明のためであり、本発明の範囲を制限するものではない。この中で特定の用語 を用いるが、この用語は説明を意図するものであって、制限するためのものでは ない。本公開中には免疫学的および組換えDNAの方法をあらためて記載しなか ったが、この分野の専門家には公知のものである。 実施例 利用したが本公開中にはあらためて記載していない分子遺伝学、タンパク生化 学および免疫学の方法およびこれらの実施例は、科学的文献中に広く報告されて おり、この分野の専門家には公知のものである。 実施例1 本実施例はD15遺伝子のクローニングおよび配列決定を説明する。 バーンズとトーマス(Burns and Thomas,1965)に従って、プロナーゼおよび ドデシル硫酸ナトリウムを用いて細菌を溶解させ、次いでフェノール抽出および イソプロパノール沈殿を行ってインフルエンザ菌b型株CaからゲノムDNAを 精製した。次いでEcoRIを用いてDNAを部分的に消化させ、低融点アガロー ズ中の電気泳動により6〜10フラグメントを含むDNAフラクションを単離し た。これらのフラグメントをラムダgtll Amplベクター〔トーマスとロ ッ シ(Thomas and Rossi),1986〕に結合させ、溶原として大腸菌BTA282株中にク ローン化した。ベクターにより与えられるアピシリン耐性により、組換えクロー ンを選別した。インフルエンザ菌b型抗原を生成するクローンを識別するために 、ニトロセルロース上にクローンをレプリカ塗布し、2反復のコロニーを42℃ 、2時間の温度スイッチにより表現させた。1%ドデシル硫酸ナトリウム(SD S)を用いてフィルターを濡らして、コロニーを溶解した。次いでクロロホルム 飽和雰囲気中にフィルターを15分間置いた。次いで、大腸菌溶解物に吸着させ た高度免疫性ウサギ抗インフルエンザ菌b型免疫血清を用いてコロニーのラジオ 免疫アッセイにより、フィルターを分析抗原表現を検査した。オートラジオグラ フィーによりインフルエンザ菌b型抗原を生成していると認められたクローンを さらに精製し、その複製物の高度免疫性抗インフルエンザ菌b型免疫血清との反 応性を再度試験した。1010個の無傷のインフルエンザ菌b型(Ca株)に吸着 させた免疫血清を陰性対照として使用した。 非吸着免疫血清とは反応し、吸着免疫血清とは反応しない多数のクローンを識 別し、さらに分析を続けた。D15のクローンの一種を精製、増殖させると、Mr 約80kDaのドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル中を移動する インフルエンザ菌b型抗原が 生成したことが認められLD15クローンからの溶解物をセファロース(Sephar oseTM)4Bゲルと結合させ、抗D15抗体のアフィニティー精製に使用した。 この方法はトーマス(Thomas,1990)が記載しているが、最初のMrが約103 kDaであった点が異なっている。アフィニティ−精製したD15に対する抗体 は、次いでインフルエンザ菌b型の外膜タンパク調製物中のMr80kDaタン パク〔サルコシル不溶性フラクション、カーロンら(Carlone et al.,1986〕と 反応することが認められた。インフルエンザ菌b型および型別不能からの膜調製 物のラジオイミノドットブロットおよびウエスタンブロット法から、アフィニテ ィー精製抗D15抗体はすべての単離体と反応することが認められた。これらの 抗体は、生インフルエンザ菌b型を腹腔内注射しても、菌血症から新生仔ラット を防御する能力があることが認められた。防御の特異性は、セファロースに結合 させたD15を発現する大腸菌溶解物を用いて、抗D15抗体の防御活性を吸収 除去して確認した。この防御試験は、トーマスら(Thomas etal.,1990)が詳し く報告している。 ラムダgtll Ampl D15ファージからのDNAを単離し、EcoR I消化により5.7kbpフラグメントを放出させた。このフラグメントをpU C19中にサブクローン化し、得られたプラスミドで 大腸菌HB101を形質転換させた。組換え細菌をウエスターンブロッティング で試験すると、期待していたMr80kDaインフルエンザ菌b型抗原が生成し ていることが認められた。次いで、制限エンドヌクレアーゼマッピングにより挿 入DNAの特性を検討した。2.8kbHindIII−EcoRIフラグメン トをpUC19中にサブクローン化して、プラスミドpUC19/D15を生成 させ、これを大腸菌HB101に形質転換させた。この組換え細菌は溶解大腸菌 のウエスターンブロット分析でD15特異性抗体により認識されるMr80kD aタンパクを表現した。 プラスミドDNAは、標準的な方法を用いてpUC19/D15プラスミドを 含む組換え大腸菌HB101の2個の個別コロニーから製造した。長さ17〜2 5塩基のオリゴヌクレチオド配列決定プライマーは、ABIモデル380Aシン セサイザーを用いて合成し、アプライドバイオシステムズ社(Appalied Biosyst ems Inc.)から入手したOPCカートリッジを用い、メーカーの推奨する方法 に従って使用して、クロマトグラフィーを行って精製した。ABIモデル370 A DNAシーケンサーを用い、メ−一カーのプロトコールに従って色素ターミ ネーター化学によって試料の配列を決定した。この配列決定から、D15遺伝子 は推定シグナル配列を含む789アミノ酸をコード化したオー プンリーディングフレームを含むことが認められた(図1)。誘導されたアミノ 酸配列は、未修飾D15のトロンビン消化により得られた内部ペプチドの配列を 含むことが化学的に認認された。 アミノ酸分析によると、D15遺伝子配列か ら誘導したD15のアミノ酸組成は、未修飾タンパクの配列と同様(実験誤差の 範囲内)であった。 実施例2 本実施例は、インフルエンザ菌のイーガン、MinnA、SB33およびPA K12085株からの染色体DNAの製造を説明する。 インフルエンザ菌は、ミュラー−ヒントン(Mueller-Hinton)寒天上またはハ ークネスら(harkness et al.,1992)が記載している脳−心臓浸出物ブイヨン 中で培養した。 イーガン染色体DNA 4℃、5,000rpmで、20分間遠心分離を行い、培養液50mLから細菌 をペレット化した。25mLのTE(10mMトリス、1mM EDTA、pH 8.0)中にペレットを懸濁させ、5mLを2点採って染色体DNAを調製した 。各試料に10%サルコシル0.6mLおよび20mg/mLプロテナーゼK0 .15mLを加え、37℃で1時間インキュベーシヨンした。トリス飽和フェノ ール(pH8.0)を用いて一回、 クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)を用いて3回、溶解物を抽出 した。水相をプールして、最終体積7mLとした。次いで、3M酢酸ナトリウム (pH5.2)0.7mLおよびイソプロパノール4.3mLを加えてDNAを 沈殿させ、これをスプールし、70%エタノールで洗浄し、乾燥して、水1mL 中に再懸濁した。 MinnA、SB33およびPAK12085染色体DNA ソルボール(Sorvall)RC−3B遠心分離機を用いて、4℃、5,000r pmで、15〜20分間遠心分離し、培養法50mLから細菌をペレット化した 。25mLのTE(10mMトリス、1mM EDTA、pH7.5)中にペレ ットを再懸濁させ、プロナーゼを500μg/mL、SDSを1%となるように 加えた。透明な溶解物が得られるまで、37℃で約4時間インキュベーションし た。トリス飽和フェノールを用いて一回、トリス飽和フェノール/クロロホルム (1:1)を用いて1回、クロロホルムを用いて1回溶解物を抽出した。最終の 水相を、4℃で1M NaClの2x500mLに対して24時間透析し、緩衝 液を一回交換し、2x500mLのTEに対して24時間透析し、緩衝液を一回 交換した。以後の試験のために最終の透析物を採取した。 実施例3 本実施例は、インフルエンザ菌染色体ライブラリーの調製を説明する。 インフルエンザ菌イーガンおよびPAK12085染色体DNAを37℃で1 5分間Sau3A I(0.5単位/10μgDNA)を用いて消化し、アガロ ースゲル電気泳動により大きさを分画した。15〜23kbのDNAフラグメン トに相当するゲルスライスを切除し、TAE(40mMトリス−酢酸、1mM EDTA、pH8.0)3mLを含む透析管中で14Vにおいて一晩電気溶出し た。DNAを2回沈殿させ、水に再懸濁させ、次いでEMBL3 Iアーム(Pr omega)を用いて一晩結紮させた。ラムダin vitroパッキングキット(Amersham )を用いて、メーカーの指示に従って結紮混合物をパッケージし、大腸菌NM5 39細胞上に塗布した。ライブラリーを滴定し、次いで増殖させ、0.3%クロ ロホルム中、4℃で保管した。 MinnA染色体DNA(10μg)はSau3A I(40単位)を用いて 、2、4および6分間消化し、次いでTNE(20mMトリスHCl、5mMN aCl、1mL EDTA、pH8.0)中で10〜30%スクロースでグラジ エントを行って分画した。5kb以上のDNAフラグメントを含むフラクション をプールし、沈殿させた。第二の実験では、染色体D NA(2.6μg)をSau3A I(4単位)で、1、2および3分間消化し 、分取アガロースゲル電気透析により大きさを分画した。10〜20kbのDN Aフラグメントを含むゲルスライスを切除し、DNAを標準的なの冷凍/解凍法 により抽出した。2回の実験で得られた大きさを分画したDNAをプールして、 EMBL3 I(Promega)のBamHIアームを用いて結紮した。結紮混合物 をギガパックIIパッケージングキット(Gigapack II packaging kit (Amersha m))を用いてパッケージし、大腸菌LE392細胞上に塗布した。ライブラリー を滴定し、次いで増殖させ、0.3%クロロホルム中、4℃で貯蔵した。 SB33染色体DNA(20μg)はSau3AI(40単位)で、2、4お よび6分間消化し、次いでTNE(20mMトリス−HCl、5mM NaCl 、1mM EDTA、pH8.0)中で10〜30%スクロースでグラジエント を行い分画した。5kb以上のDNAフラグメントを含むフラクションをプール した。第二の実験では、SB33染色体DNA(2μg)をSau3A I(4 単位)で、2、4および6分間消化し、分取アガロースゲルにより大きさを分画 した。10〜20kbのDNAフラグメントを含むゲルスライスを切除し、DN Aを標準的な冷凍/解凍法により抽出した。2回の実験で得られた大きさを分 画したDNAをプールして、EMBL3 Iアーム(Promega)のBamHIア ームを用いて結紮した。結紮混合物をギガパックIIパッケージングキットを用 いてパッケージし、大腸菌LE392細胞上に塗布した。ライブラリーを滴定し 、次いで増殖させ、0.3%クロロホルム中、4℃で貯蔵した。 実施例4 本実施例は、DNAライブラリーのスクリーニングを説明する。 イーガン、MinnA、SB33およびPAK12085DNAライブラリー を、NZCYMプレート上のLE392細胞に塗布し、NZCYM中の0.7% トップアガロースを重ねた。標準的方法に従って、ニトロヤルロースフィルター 上ヘプラークリフトを行い、メーカー(Bohringer Mannheim)の仕様に従って調 製したジゴキシゲニン標識D15プローブを用いてフィルターを処理し、ハイブ リッド化した。このプローブは、Ca D15遺伝子をすべて含むpUC19/ D15からのEcoR I/Hind IIIフラグメントであった(図2)。 推定プラークを塗布し、同じ手順による2回目のスクリーニングを実施した。フ ァージDNAは、標準的技術を用いて培養液500mLから調製し、挿入DNA はSal I消化により切除し、pUCにクローン化して、クローンDS712 − 2−1(イーガン)、DS−691−1−5(MinnA)、JB−1042− 5−1(SB33)、およびJB−1042−9−4(PAK12085)を生 成させた。これを図2に記載する。 インフルエンザ菌b型株イーガンおよびMinnA、型別不能インフルエンザ 菌株SB33およびPAK12085からのD15遺伝子のヌクレオチド配列を 決定し、Ca株のものと比較して、図1B、1C、1Dおよび1Eに示す。目的 とするアミノ酸配列は、図1B、1C、1Dおよび1Eに示し、またインフルエ ンザ菌b型CaからのD15タンパクのアミノ酸配列と比較した(図3)。 実施例5 本実施例は、大腸菌中のrD15タンパクの表現について説明する。 2.8kbフラグメントHindIII−EcoR1をpUC19にサブクロ ーンし、このpUC19/D15プラスミドで大腸菌HB101を形質転換した 。誘導後、陽性クローンは80kDaタンパクを表現し、これはウエスタンブロ ット分析でD15特異性免疫血清により識別された。HindIII−PstI フラグメントもpUC19にサブクローン化すると、67kDaタンパクを表現 した。制限酵素切断地図によると、この67kDaタンパクはC末端切除D15 タ ンパクに相当した。ウエスタンブロット分析では、この切除D15タンパクもま だD15特異性免疫血清により識別された。 型別不能株SB33のD15遺伝子を大腸菌中に表現するプラスミドを構築し た。EcoRIおよびHindIIIを用いて、SB33 D15遺伝子を含む プラスミド1042−5−1およびの隣接領域を消化し、D15インサートを3 kb pUCにサブクローンし、プラスミドpRY−60−1を得た(図4)。 表現プラスミドpT7−7のATGコドンとD15遺伝子中のBsrF Iサイ トの間の未修飾D15配列を回復させるために、適当なオリゴヌクレチオドを合 成した。このオリゴヌクレチオドは下記の配列を有していた。 Nde 5’− TATGGCACCTTTTGTGGCAA AAGATATTCGTGTGGATGGTGTTC AAGGTGACCGTGGAAAACACCGTT TTCTATAAGCACACCTACCACAAG TTCCACTGAATCTACTTAGAATCA ACAAACCGAGCAAGTTTACCTGTT CGTG− 配列番号50 TGGTTGTTTAGGCTCGTTCAAATG GACAAGCACGGCC−5’一配列番号51 BsrF IEcoR IおよびBsrF Iを用いてプラスミドpRY60−1を消化し、 大部分のD15遺伝子を含むDNAフラグメントを精製した。EcoR Iおよ びNde Iを用いてpUCを消化し、ベクターフラグメントを精製した。pU CおよびD15フラグメントおよびオリゴヌクレオチドの間の多成分結紮により 、プロモーターを含まないS15配列を含むプラスミドDS−860−1−1を 生成した。Nde IおよびEcoR Iを用いてpT7−7を消化し、ベクタ ーフラグメントを精製した。Nde IおよびEcoR Iを用いてDS−86 0−1−1を消化し、D15インサートを精製し、T7−7と結紮するとプラス ミドDS−880−1−2が生成した(図4)。 プラスミドの構築は、ホストとして大腸菌JM109を用いて行った。表現さ せるために、プラスミドDS−880−1−2を大腸菌BL21/DE3、BL 21/DE3/pLysSまたはJM109/DE3細胞に形質転換させた。細 胞の形質変換は、塩化カルシウムで処理したコンピテント細胞またはBioRa dエレクトロポレーターを用いるエレクトロポレーションを用いて行った。形質 転換細胞をYT、M9またはNZCYM媒体中で増殖させ、IPTGまたはその 他の誘発剤を用いて誘発させた。 実施例6 本実施例は、大腸菌中のGST−D15フラグメントハイブリッド遺伝子の構 成および発現を説明する。 前進プライマー(プライマー1)5’−GGGGAATTCCAAAAGAT GTTCGT(配列番号52)および後退プライマーCACGAATTCCCT GCAAATC−5’(プライマー7、配列番号53)を用いて、ポリマーゼ連 鎖反応により、D15タンパクの一次配列のN末端アミノ酸残基22〜223を コード化したD15遺伝子の2.8kbフラグメントHindIII−EcoR Iを増殖させた。609bp増殖フラグメントのヌクレチオド配列は、DNA配 列決定により確認した。増殖遺伝子フラグメントをGST遺伝子の下流のpGE X−2Tベクターに結紮し、大腸菌TG−1を形質転換させた。ウサギ抗インフ ルエンザ菌b型免疫血清を用いたコロニーラジオ免疫アッセイにより、インフル エンザ菌b型抗原を表現するコロニーをスクリーニングし、単離した。形質転換 大腸菌から製造したグルアチオン−S−トランスフェラーゼ−D15フラグメン ト融合タンパクを、グルタチオンアガロース上のアフィニティー精製により単離 した 実施例7 本実施例は、別のrD15のための別の表現システ ムを説明する。 D15遺伝子およびそのフラグメントは、他の制御されたプロモーターの制御 の下で大腸菌中に表現される。D15遺伝子およびそのフラグメントは、リーダ ーペプチドが存在しないように、またはD15表現によるホストに対する毒性が 問題とならない別のクローン化系に表現させる。遺伝子およびそのフラグメント は、de novoあるいは適当なプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応により合 成する。これらの遺伝子を大腸菌内の適当なクローニングベクター、またはバク テリオファージベクターまたは毒性が避けられる場合には他のホストに直接クロ ーン化する。表現系は、グラム陽性細菌(例えばバチルス種)、ポックスウイル ス、アデノウイルス、バクロウイルス、酵母、真菌、BCGまたは哺乳類表現系 である。 実施例8 本実施例は、大腸菌表現系からのrD15の抽出および精製のプロトコールを 説明する。 250mL培養液から、実施例5に記載した方法で調製した細胞ペレットを、 50mLトリス、pH8.0、40ml中に再懸濁し、音波処理(3x10分、 70%デューティサークル)により破壊した。抽出液を20,000xgで遠心 分離し、得られたペレットを保存した。50mMトリス、0.5%トライトンX −100、10mM EDTA、pH8.0、40mlを用いて、最初のペレッ トを再抽出した。次いで懸濁液を10分間70%デューティサークルで音波処理 した。抽出液を300xgで5分間遠心分離した。得られた上清を再び20,0 00xgで30分間遠心分離し、得られたペレットを保存した。50mMトリス 、0.5%トライトンX−1000.5、10mMEDTA、pH8.0に得ら れたペレットを再懸濁した。次いで懸濁液をPBS/8M尿素を混合して最終尿 素濃度6Mとした。溶液をPBSに対して透析して尿素を除いた。透析の後、溶 液を300xgで10分間遠心分離し、上清を分取し、4℃で保管した。 実施例9 本実施例は、グルタチオン−セファロース4Bアフィニティークロマトグラフ ィーを用いるGST(D15フラグメント)融合タンパクの精製を説明する。 実施例6に記載した方法により製造したGST(D15フラグメント)融合タ ンパク5mgを、1%トライトンX−100を含むリン酸塩緩衝生理食塩水(P BS)5mLに溶解した。次いで、1%トライトンX−100を含むPBSと平 衡化させたグルタチオン−セファロース4Bカラム(2mL)にこの溶液を注入 した。カラムの通過物は廃棄した。PBS20mLを用いてカラムを洗浄すると 、5mMグルタチオンを含 む50mMトリス−HCl緩衝液、pH8.0によりGST(D15フラグメン ト)融合タンパクが溶出した。溶出は280nmの吸収でモニターした。タンパ ク含有フラクション(2mL/フラクション)を集めてプールした。タンパクの 純度はSDS−PAGEで試験した(図9、レーン3)。精製融合タンパクの最 終体積は6mLであった。 実施例10 本実施例は、末端切断D15分子を放出するタンパクのチオンビン消化に使用 したプロトコールを説明する。 実施例9からのGST(D15フラグメント)融合タンパク試料(0.1〜0 .5mgタンパク/mL)を、50mMトリス−HCl緩衝液(pH8.5) 1Lに対して3回、少なくとも2間間隔で4℃において透析してプロテアーゼ阻 害物質を除いた。透析後、トロンビン25単位に対して溶液1mLの割合でヒト トロンビン(Sigma)を用いて処理した。切断反応は37℃で2時間行い、SD S−PAGEで分析した(図9、レーン4)。溶液を氷内に入れて反応を停止さ せた実施例11 本実施例は、グルタチオン−セファロース4Bアフィニティークロマトグラフ ィーを用いるGSTからのN末端rD15フラグメントのフラグメント精製手順 を説明する。 実施例10の記載のようにして製造したトロンビン消化GST(D15フラグ メント)試料を、1%トライトンX−100を含むPBSと平衡しているグルタ チオン−セファロース4Bカラム(2mL)にこの溶液を注入した。N末端rD 15フラグメントを含むカラムの通過物を保存した。PBS20mLを用いてカ ラムを洗浄した後、グルタチオン5mLを含む50mMトリス−HCl緩衝液、 pH8.0を用いてGSTを除去してアフィニティーカラムを再生した。rD1 5フラグメントの純度は、SDS−PAGEにより分析した(図9、レーン5) 。このN末端rD15フラグメントは、図1Aに示す広いトロンビンサイトの切 断の結果、D15タンパクのアミノ酸63〜223を含む。 実施例12 本実施例は、GST(D15フラグメント)融合タンパクを用いるアフィニテ ィークロマトグラフィーによるD15特異性ポリクロナール抗体の精製に使用し たプロトコールを説明する。 実施例9に記載の方法で製造した組換えGST(D15フラグメント)融合タ ンパクを、臭化シアン活性化ファロースに共役させた。次いで、ウサギ高度免疫 性抗インフルエンザ菌b型免疫血清から抗体を精製し た。免疫ブロッティングにより、このアフィニティー精製抗体は、pUC/D1 5を用いて形質転換した大腸菌の溶解物中および数種の型別可能および未型別可 能インフルエンザ菌単離物の溶解物中に存在する80kDa成分と反応すること が認められた。この結果から、融合タンパクのD15フラグメントをコード化す るDNAフラグメントが、D15遺伝子のオープンリーディングフレームの一部 であることが確認された。 同様に、組換え融合タンパク(実施例9)または精製N末端rD15フラグメ ント(実施例11)に対して生成した免疫血清は、インフルエンザ菌株により生 成したD15タンパクと反応する(実施例13)。 実施例13 本実施例は、インフルエンザ菌の未修飾D15の精製に使用したプロトコール を説明する。 パネツッティら(Panezutti et al.,1993)が報告したNAD(2μg/mL )およびHEMIN(2μg/mL)を補充した脳−心臓浸出物培地中で増殖し た培養液から調製した型別不能インフルエンザ菌SB33株の細胞ペーストを、 0.5%トリトンX−100および10mM EDTA(細胞ペースト1g当た りに20mL)を含む50mMトリス−HCl緩衝液、pH8.0中に再懸濁さ せた。この混合物を室温で2時間撹拌し、次いで20,000xgで30分間遠 心 分離した。D15は上清中に存在し、さらに精製した。 D15特異性モノクロナール抗体を用いるアフィニティークロマトグラフィー により未修飾D15を精製した(実施例24参照)。D15抽出液(25mL) を室温で2時間アフィニティーマトリックス(1mL)と混合させた。この混合 物をカラム内に装入し、通過フラクションは廃棄した。カラムを下記の緩衝液で 順次洗浄した。0.5%トリトンX−100および10mM EDTAを含む5 0mMトリス−HCl、pH8.0;1M HEPS緩衝液、pH6.8;0. 5%トライトンX−100および10mM EDTAを含む50mMトリス−H Cl、pH8.0;および10mMリン酸塩緩衝液、pH8.0。次いで、50 mMジエチルアミン、pH12.0の3mLを用いてカラムからD15を溶出さ せ、IM HEPES、pH6.8(1/10体積)によりタンパク溶液を中和 した。アフィニティ一精製未修飾D15をSDS−PAGEにより分析し、−2 0℃で保管した。 実施例14 本実施例はD15−PRP抱合体の製造に使用した手順を説明する。 制御した酸加水分解により製造したインフルエンザ菌b型オリゴ糖(PRP) を、米国特許4,356,170号に記載の過ヨード酸塩酸化法を用いて、精製 未修飾(実施例13)または組換えD15(実施例8)ならびにそのフラグメン ト(実施例11)と共役させたが、その詳細は実施例17に述べる。複合に用い たPRP分子の平均した分子の大きさは、約20,000ドルトンと測定された 。リンカー分子を用いないで共役を行ったが、リンカー分子を用いても実施でき る。過剰のPRPハプテンを得るために、モル比率約7のPRP/D15を用い た。 PRP/rD15共役体は。、ウサギの免疫原性にする実施例18のプロトコ ールに従って試験し、一次および二次抗PRP IgGおよび抗D15抗体反応 を誘出した(表9)。免疫ブロット法によると、ウサギ抗rD15PRP免疫血 清は、未修飾D15およびrD15のいずれとも強く反応した。これらのデータ は、rD15が共役ワクチン中のキャリヤータンパクとして使用できることを示 している。さらに、rD15−PRP共役ワクチンは、D15タンパクに対する 抗体により与えられる追加の単型予防の結果として、インフルエンザ菌b型疾病 、特に幼児に対して一様に防御を確保するであろう。 実施例15 本実施例は、D15ペプチドの製造を説明する。 D15ペプチド(表2)は、ABI430Aペプチドシンセサイザーを用いて 合成し、メ一カーの記載の ようにしてt−Boc化学を最適化し、次いでフッ化水素酸(HF)によ樹脂か ら切断した。このペプチドは、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)中で15〜 55%アセトニトリルグラジエントを行い、40分間、流量2mL/分でバイダ ック(Vydac)C4半分取カラム(1x30cm)を用いた逆相高速液体クロマ トグラフィー(RP−HPLC)により精製した。生化学および免疫学的試験に 用いたすべての合成ペプチド(表2)は、分析用HPLCで判断して純度95% 以上であった。ウオーターズ・パイコータグ・システム(Waters Pico-Tag Syst em)を用いて行ったこれらのペプチドのアミノ酸組成分析は、その理論組成と良 く一致した 実施例16 本実施例は、D15ペプチド特異性免疫血清製造に用いたプロトコールを説明 する。 フロイントの完全アジュバントで乳化した個別のペプチド(50〜200μg )を筋肉内注射して、モルモットおよびウサギを免疫投与した。14日および2 8日後に不完全フロイントアジュバント中の等量のペプチドを2回追加免疫投与 した後、抗ペプチド免疫血清を42日目に採取し、ELISAおよび免疫ブロッ ティングにより試験した。ペプチド特異性ELISAによると、ウサギおよびモ ルモットのいずれの免疫血 清も、それぞれの免疫ペプチドに対して単一特異性であることが認められた(表 6)。その上、免疫ブロット分析では、D15ペプチドに対して生成したモルモ ットおよびウサギのいずれの免疫血清も、インフルエンザ菌b型および型別不能 D15と反応した。少なくとも一種の動物内で、大部分のD15ペプチドは強い ペプチド抗体反応を誘発したので、これらはワクチン調剤を含む免疫原性組成物 中に含むべき適当な免疫原である。 実施例17 本実施例は、PRP−BSA共役体調製に用いた手順を説明する。 過ヨード酸水溶液〔カーローンら(Carlone et al)1986〕を用いて処理した 未修飾PRPから調製した過ヨード酸塩酸化PRP(0.1Mリン酸ナトリウム 緩衝液、pH6.0、1mL中に25mg)0.5mLに、0.2Mリン酸ナト リウム緩衝液、pH8.0、0.5mL中のウシ血清アルブミン(BSA)(1 .32mg;0.02μモル)を加え、次いでシアノホウ水素化ナトリウム(1 4μg,0.22μモル、BSAの10当量)を加えた。37℃で5日間インキ ュベーションした後、0.1Mリン酸塩緩衝液、pH7.5、に対して透析した 。得られた溶液を0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.2、と平衡化した 分析 用スペロース(Superose)12カラム〔15x300mm、ファルマシア(Phar macia)〕に注入し、同じ緩衝液を用いて溶出した。フラクシヨンは、230n mの吸収によりモニターした。最初の大きいタンパクピークをプールし、セント リプレップ(Centriprep)30中で2.2mLまで濃縮した。タンパクの量は、 バイオラド(Bio Rad)タンパクアッセイを用いて測定し、300μg/mLで あった。タンパク抱合フラクション中のPRPの存在は、オルシノール試験によ り確認した。 実施例18 本実施例は、rD15−PRPを用いる動物中の抗PRP免疫血清の製造に用 いたプロトコールを説明する。 mL当たり3mgのAlPO4を混合したrD15−PRP共役体(実施例1 4)(5〜50gPRP当量)を用いて、ウサギに筋肉内免疫投与し、次いで2 週間間隔で2回追加免疫(同じ免疫原の半分量)投与した。最初の注射の後、2 週間毎に免疫血清を採取し、56℃、30分間で熱不活性化し、−20℃で保管 した。 実施例19 本実施例は、D15特異性およびペプチド特異性ELISAを用いるD15ペ プチドおよび抗ペプチドお よびD15特異性免疫血清の間の反応性を説明する。 コーティング緩衝液(15mM Na2CO3、35mM NaHCO3、pH 9.6)50μL中の精製rD15 200ngまたはそれぞれのペプチド50 0ngを用いて、マイクロタイターウエル(Microtiter well,Nunc-Immunoplat e,Nunc,Denmark)を16時間室温で被覆した。次いでリン酸緩衝塩水(PBS 中の0.1%(w/v)BSAを用い、30分間、室温でプレートをブロックし た。逐次希釈した免疫血清をウエルに加え、1時間、室温でインキュベーション した。免疫血清を取り出した後に、0.1%(w/vツイン20および0.1% (w/v)BSAを含むPBSを用いてプレートを5回洗浄した。ホースラディ シュペルオキシダーゼ(Jackson ImmunoResearch Labs Inc.,PA)に共役させた ヤギ抗ウサギ、モルモット、マウスたはヒトIgG抗体からのフラグメントを洗 浄用緩衝液で希釈し(1/8000)、マイクロタイタープレート上に加えた。 室温で1時間インキュベーションした後に、洗浄用緩衝液を用いてプレートを5 回洗浄した。次いでH22中の中の基質テトラメチルベンジジン(TMB)(AD I,Toronto)を用いてプレートを展開した。反応を1N H2SO4を用いて停止 し、タイターテックマルティスカンII(Titretek Multiskan II,Flow Labs,Vi rginia)を用い450nm で吸光度を測定した。2種の無関係のタンパクをペプチド特異性ELISA中の 陰性対照とした。試験は3回行い、各免疫血清の反応性力価は、陰性対照から得 た値に対して吸光度が常に2倍となる希釈度と定義した。得られた結果を表3、 6および8および上記の発明の詳細な説明の項に記載した。 実施例20 PRP特異性ELISAを用いるウサギ抗PRP−D15共役免疫血清中の抗 PRPIgGタイターの測定を説明する。 コーティング緩衝液(15mM Na2CO3、35mM NaHCO3、pH 9.6)中の精製PRPーBSA(実施例17参照)200ngを用いて、マイ クロタイターウエル(Nunc-Immunoplate,Nunc,Denmark)を被覆して16時間 室温に置いた。次いでリン酸緩衝塩水(PBS)中の0.1%(w/v)BSA を用いて、30分間室温でプレートをブロックした。PRP−D15に対して生 成し逐次希釈したウサギ免疫血清をウエルに加え、1時間、室温でインキュベー ションした。免疫血清を除いた後に、0.1%(w/v)ツイン−20および0 .1%(w/v)BSAを含むPBSを用いてプレートを5回洗浄した。ホース ラデイシュペルオキシダーゼ(Jackson ImmunoResearch Labs Inc.,PA)に共役 させたヤギの抗ウサギIgG 抗体からのF(ab’)2フラグメントを洗浄用緩衝液で希釈し(1/8000 )、マイクロタイタープレート上に加えた。室温で1時間インキュベーションし た後に、洗浄用緩衝液を用いてプレートを5回洗浄した。次いでH22中の基質 テトラメチルベンジジン(TMB)(ADI,Toronto)を用いてプレートを展開し た。反応を1N H2SO4中で停止し、タイターテックマルティスカンII(Flow Labs,Virginia)を用い450nmで吸光度を測定した。力価既知の標準抗P RP免疫血清を陽性対照として含めた。試験は3回行い、各免疫血清の反応性力 価は、前免疫血清から得たO.D.値に対して定常的に2倍となる希釈度の逆数 として定義した(表9)。 実施例21 本実施例は、精製D15、rD15またはN末端rD15フラグメントを用い るD15特異性免疫血清の製造に用いたプロトコールを説明する。 フロイントの完全アジュバント(Difco)中で乳化したアフィニティー精製未 修飾D15(実施例13)、組換えD15(実施例8)またはN末端rD15フ ラグメント(実施例11)のいずれかを10μgの用量で、ニュージーランド白 色種ウサギ(Maple Lane)およびモルモット(Charles River)の筋肉内に免疫 投与(IM)した。28日目にフロイントの不完全アジュ バント中で乳化したアフィニティー精製D15またはrD15またはrD15フ ラグメントを10μgの用量で追加免疫投与し、42日目に耳の末梢血管から採 血した。D15特異性ポリクロナール抗体は、実施例12に記載のようにしてこ の物質から精製した。 実施例22 本実施例は、菌血症の新生仔ラットモデルを用いるインフルエンザ菌b型の攻 撃誘発に対するD15特異性免疫血清の防御活性を説明する。 2種の異なるウサギ抗N末端rD15フラグメント0.15mLを用いて、5 日齢のラット新生仔の背面に皮下(SC)接種した。前免疫血清を陰性対照とし て使用した。免疫投与後1日目に、補因子を補充した脳−心臓浸出物(BHI) 培地中で新しく増殖し、0.5mM MgCl2および0.15mM CaCl2 を含むPBSで希釈したインフルエンザ菌b型MinnA(0.1ml)200 コロニー形成単位を腹腔内に注射した。1日後、メトキシフルラン麻酔し、心臓 穿刺により採血し、チョコレート寒天プレート上に塗布した。血液mL当たりの 細菌数を24時間後に定量した。対照と比較した菌血症のレベルの統計学的有意 差をスチューデントのt検定により解析した。結果を表1に総括した。 実施例23 本実施例は、D15特異性T細胞系の生成に使用するプロトコールを説明する 。 リン酸アルミニウム(ミョウバン)1.5mgに吸着させた20μgのrD1 5を用い1、チャールズ・リバー ・アニマル・ファーム(Charles River Anim al Farm.Montreal,Canada)から購入したBALB/c(H−2d)系マウスの 皮下に免疫投与した。3週間間隔で、同量の免疫原を2回迫加免疫投与した。最 後の追加免疫投与10日後に、免疫投与したマウスの牌臓を取り出した。10% 熱不活性化子牛胎児血清(Gibco)、2mML−フルタミン(Flow Lab.)、1 00U/mLペニシリン(Flow Lab.)および5x10-5M2−メルカプトエタ ノール(Sigma)を補充して最終体積200μLとしたPRMI1640培地(F low Lab.)を含む96ウエルプレート(nunc,Denmark)中に各D15ペプチド (表2)を種々の濃度(1、10および100μg/mL)で添加し、ウエル当 たり5.75x105個の牌臓細胞を加えて培養した。5%CO2/空気の存在下 の加湿インキュベーター中で培養した。各ペプチドの各濃度毎に3個ウエルを用 いた。5日後に、培地で希釈した10%ラットコンカナバリンA培地上清150 μLを、マイクロタイタープレートウエルに加え、ペプチド特異性T細胞を増殖 させるためのインターロイキン−2(IL−2)の原料とした。6 日後、各マイクロカルチャーから上清150μLを取り除き、ペプチド特異性T 細胞の高い生存率を維持するために、培地上清を含む新しいIL−2の150μ Lを加えた。さらに6日インキュベーションした後、それぞれ培地200μLを 用いて、細胞を3回洗浄した。 最終体積200μL中2x105個の照射(1,500rad)BALB/c 牌臓細胞の存在下で、相当濃度(mL当たり1、10およびμg)のペプチドで 、各培養細胞を刺激した。次いで、上清60μLを各マイクロカルチャーから取 り除いた。次いで、各3反復の培地上清をプールした。すべての上清について、 IL−2、インターロイキン−4およびインターフェロンγ(IFN−γ)を試 験した。IL−2およびIL−4の検出は、それぞれエンドゲン社(Endogen In c.,MA,USA)から購入したマウスIL−2およびIL−4ELISAキットを 用いて行った。IFN−γの試験は、ジェンチーム社(Genzyme Corporation, MA,USA)が供給するマウスIFN−γELISAキットを用いて行った。試 験培地上清は、メーカーの指示に従って1対5に希釈して試験した。得られた結 果は、表7に記載する。 実施例25 本実施例は、マウスD15特異性モノクロナール抗 体の製造に使用した一般的手順を説明する。 フロイントの完全アジュバント中で乳化させたN末端rD15フラグメント( 実施例11)20〜50μgを、BALB/c系マウスの腹腔内に免疫投与した 。2週間後に、さらに不完全フロイントアジュベント中(IFA)の同量の免疫 原を注射した。融合3日前に、IFA中の同量の免疫原を迫加免疫投与した。す でにハンメルら(Hammel et al.,1987)により記載されている方法に従って、 非分泌性Sp2/0骨髄腫細胞を免疫投与マウスからの牌臓リンパ球に融合させ て雑種細胞を製造した。D15特異性雑種細胞を逐次限界希釈によりクローンし 、抗D15モノクロナール抗体製造のためにスクリーニングした。8種のD15 特異性雑種細胞細胞系を識別し、増殖し、液体窒素中に冷凍保存した。雑種細胞 の1種の6C8−F6−C6は、部分的に特性が検討されている。モノクロナー ル抗体(6C8−F6−C6)は、ペプチドD15−P8と反応する。このMA b 6C8−F6−C6は、D15特異性MAbアフィニティー性カラムの製造 およびインフルエンザ菌細胞ペーストからの未修飾D15の生成に使用される( 実施例13)。 開示の要約 本開示を要約すると、本発明は、D15外膜タンパクをコード化した遺伝子を 含む精製および単離した核酸分子、これらの遺伝子の配列およびこれから誘導さ れるアミノ酸配列を提供する。本発明は、またD35外膜タンパクの部分に相当 するペプチドも提供する。さらに、本発明は、D15外膜タンパク、フラグメン トおよびペプチドに対して生成する抗体も提供する。この遺伝子、DNA配列、 抗体およびペプチドは、診断、免疫投与および診断および免疫学的試薬の生成に 使用される。表現した組換えD35、その部分または提供した配列から誘導され るペプチドは、インフルエンザ菌疾病の防御に使用できる。本発明の範囲内で、 改良も可能である。 参考文献 1 5日齢のラット新生仔に0.15mlのウサギ抗N−末端rD15フラグメ ントを皮下注射して、受動的免疫投与を行った。1日後に、H.influen zae b型MinnA株200cfu(0.1ml腹腔内注射)で攻撃誘発を 行った。攻撃誘発24時問後に各ラットから血液を採取し、細菌数を測定した。 2 括弧内の数値は、分母が攻撃誘発を行ったラット数、分子が菌血症を発症し たラット数 ウサギ抗N−末端rD15フラグメント抗血清(抗rD15フラグメントAb) 1.5mlを9種類のD15ペプチドのいずれか(ペプチドD15−P2〜D1 5−P10,100μg、表2参照)または600μgのN−末端rD15フラ グメントを室温で1時間混合した。PBSで混合した抗血清とペプチドを対照と した。7日齢のラット新生仔に各調製物0.2mlを皮下注射した。24時問後 に、H.influenzae b型MinnA株200cfuを腹腔内注射し て攻撃誘発を行った。攻撃誘発24時間後に血液を採取した。括弧内の数値は、 分母が攻撃誘発を行った動物数、分子が菌血症を発症した動物数を表す。菌血症 のレベルは、供試した6匹の新生仔の平均±1SDで示す。 ウサギ抗−rD15フラグメント抗血清(rD15Ab)1.5mlを5種類の D15ペプチドのいずれか(ペブチドP4〜P8,250μg)を室温で1時間 混合した。PBSで希釈した抗血清とペプチドを対照とした。7日齢のラット新 生仔に各調製物0.2mlを皮下注射した。24時問後に、H.influeh zae b型MinnA株200cfuを腹腔内注射して攻撃誘発を行った。攻 撃誘発24時問後に血液を採取した。括弧内の数値は、分母が攻撃誘発を行った 動物数、分子が菌血症を発症した動物数を表す。菌血症のレベルは、供試した6 匹の新生仔の平均±1SDで示す。 1 反応性力価は、ペプチド特異性ELISAの測定値。+、++、+++およ び++++は、それぞれ1/300、1/1000、1/2000および1/5000希釈で測定した動 物の反応性抗血清の力価を示す。−は反応性のないことを意味する。 2 2匹のウサギにおけるrD15に対する抗血清力価の平均値 3 2匹のモルモットにおけるrD15に対する抗血清力価の平均値 4 5匹のマウスにおけるrD15に対する抗血清力価の平均値 1 結果は3回培養の平均で表示。標準偏差は、いずれも15%以下であった。 免疫優勢Th1−細胞エピトープは太字で表示し、Th0細胞エピトープはイタ リック体で表示する。 1 反応性力価はペプチド特異性ELISAで測定。力価が500以下の場合、 ペプチドは免疫原性を有さない。 2 2匹のウサギにおけるD15ペプチド抗血清の平均値 3 2匹のモルモットにおけるD15ペプチド抗血清の平均値 4 NT:試験せず 1 3mg/mlのALPO4と混合したrD15−PRP抱合体(PRPとし て5〜50μg相当量)を筋肉内に免疫投与し、2週間間隔で2回追加免疫投与 した(同じ免疫原を半量。) 2 反応性力価はPRP特異性およびD−15特異性ELISAで測定。
【手続補正書】 【提出日】1995年8月2日 【補正内容】 請求の範囲 1 少なくともヘモフィルス属のD15外膜タンパクをコードした部分,および (a)図1Aないし1Eのいずれかに記載のDNA配列(配列番号1、3、5 、7または9) 、 (b)図1Aないし1Eのいずれかに記載のアミノ酸配列をコードするDNA 配列(配列番号2、4、6、8または10)、および (c) (a)または(b)に定義した配列の90%の配列同一性を有するD NA配列 からなる群から選ばれる一のDNA配列 を有することを特徴とする精製単離した核酸分子。 2 (c)で定義したDNA配列が、図1Fに記載の共通配列(配列番号55) であることを特徴とする 請求の範囲1に記載の分子。3 請求の範囲1または2のいずれかに記載の核酸分子が挿入されていることを 特徴とする、ホストの形質転換に適応した組替えプラスミド。 4 請求の範囲1または2のいずれかに記載の核酸分子の少なくとも18bpフ ラグメントが挿入されていることを特徴とする、請求の範囲3に記載の組替えプ ラスミド。 5 請求の範囲1または2のいずれかに記載の核酸分子の少なくとも18bpフ ラグメントが挿入されてい て、表現のための手段がヘモフィルス属のD15外膜タンパクまたはそれのポリ ペプチドフラグメントよリなる遺伝子生成物の表現のためにその少なくとも18 bpフラグメントに人為的に結合されている、ホストの形質転換に適応した組替 えベクター。 6 1993年11月4日にATCC受託番号75605として寄託されたプラ スミドDS−880−12であり、インフルエンザ菌SB33のD15遺伝子を コード化することを特徴とする請求の範囲5に記載の組替えベクター。 7 DNAのセグメントが少なくとも残基6個のポリペプチドをコード化するこ とを特徴とする請求の範囲5に記載の組替えベクター。 8 ポリペプチドが、表2に記載のものから選択されたことを特徴とする請求の 範囲7に記載の組替えベクター。 9 核酸分子の少なくとも18bpフラグメントがヘモフィルス属のD15遺伝 子をコード化する配列以外のものであることを特徴とする請求の範囲項5ないし 8のいずれかに記載の組替えベクター。 10 DNAフラグメントが、更に上記のホストから上記の遺伝子生成物の送り 出しの為のリーダー配列をコード化している核酸の配列であることを特徴とする 請求の範囲9に記載の組替えベクター。 11 請求の範囲9または10のいずれかに記載の組み替えベクターに含まれて いるDNAフラグメントでコード化されたことを特徴とする精製され及び単離さ れたタンパク。 12 精製され及び単離されたD15外膜タンパクまたはそれの一部分。 13 D15外膜タンパクがヘモフィルス属のDl5外膜タンパクであることを 特徴とする請求の範囲12に記載のタンパク 。 14 D15外膜タンパクがインフルエンザ菌のD15外膜タンパクであること を特徴とする 請求の範囲13に記載のタンパク。15 インフルエンザ菌がb型インフルエンザ菌または型別不能インフルエンザ 菌株であることを特徴とする請求の範囲14に記載のタンパク 。 16 b型インフルエンザ菌がCa MinnAおよびイーガン株から,型別不 能インフルエンザ菌株がPAK12085およびSB33株から選ばれたことを 特徴とする 請求の範囲15に記載のタンパク。17 請求の範囲11から16の一で請求されたタンパクのアミノ酸配列のみの 部分に対応するアミノ酸配列を持つ合成ペプチド,またはそれらの変株または突 然変異体。 18 表2に含まれるアミノ酸配列を持つ請求の範囲 17に記載のペプチド19 他のポリペプチドまたはタンパクまたは多糖類にリンクしている,請求の 範囲11から16の一で請求されたタンパクまたは請求の範囲17または18の 一で請求されたペプチドであることを特徴とするキメラ分子。 20 他のポリペプチドまたはタンパクが病原性微生物の表面タンパク叉はこれ に相当するペプチドであることを特徴とする請求の範囲19に記載のキメラ分子 21 他のポリペプチドまたはタンパクがインフルエンザ菌のP1,P2または P6外膜タンパクであり,他の多糖類がインフルエンザ菌のPRP分子よりなる ことを特徴とする請求の範囲19に記載のキメラ分子 。 22 請求の範囲または2で請求された核酸分子,請求の範囲11から16の 一で請求されたタンパク,請求の範囲17または18の一で請求された合成ペプ チド,または請求の範囲19から21の一で請求されたキメラ分子および生理学 的に許容される担体で特徴づけられる 免疫原性組成物。 23 請求の範囲11から22のいずれかで請求されたタンパク,ペプチドまた は免疫原性組成物に特異的な抗血清または抗体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI // C12P 21/02 C 9282−4B (C12P 21/02 C12R 1:19) G01N 33/569 L 8310−2J (72)発明者 ヤン、ヤン−ピン カナダ国、エム2アール 3エヌ7 オン タリオ州、ウィロウデイル、トレスデイル アヴェニュー 120 アパートメント 1709 (72)発明者 ルースモア、シーナ カナダ国、エル4ジー 4アール4 オン タリオ州、オーロラ、クロフォード ロー ズ ドライヴ 70 (72)発明者 シア、ドゥオー、ユアン、チャールズ カナダ国、エル4ジェイ 2ゼット7 オ ンタリオ州、ソーンヒル、マブリー クレ セント 189 (72)発明者 クライン、マイケル カナダ国、エム2ピー 1ビー9 オンタ リオ州、ウィロウデイル、マンロー ブル ヴァード 16 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.少なくともD15外膜タンパクをコードした部分を有し、(a)図1A〜1 Eのいずれかに記載のDNA配列またはその相補ストランド、および(b)厳し い条件下で(a)に定義したDNA配列にハイブリッド化するDNA配列のいず れかを有する精製および単離した核酸分子、 2.(b)に定義した上記のDNA配列が、(a)に定義した配列と同じ配列を 少なくとも90%有する請求項1に記載の分子 3.(b)に定義した上記のDNA配列が、図1Fに記載する共通配列を含む請 求項1記載の分子。 4.ホストの形質転換に適応する組換えプラスミドであって、組換えプラスミド は請求項1、2または3に記載のDNA分子の少なくとも18bpフラグメント を含むDNAフラグメントを挿入したプラスミドベクターを含む。 5.1993年11月4日に寄託したATCC受入番号75604を有するプラ スミドDS−712−2−1および1993年11月4日に寄託したATCC受 入番号75606を有するプラスミドJB−1042−5−1のいずれかである 請求項4に記載の組換えプラスミド。 6.ホスト細胞の形質転換に適応する組換えベクター であって、組換えベクターは、少なくとも請求項1、2または3に記載のDNA 分子の少なくとも18BPフラグメントを含むDNAフラグメントおよびこれに よりホスト細胞中にコード化した遺伝子生成物の表現のためのDNAフラグメン トに人為的に結合させた表現手段を含む。 7.1993年11月4日に寄託し、ATCC受入番号75605を有するプラ スミドDS−880−1−2であり、インフルエンザ菌SB33のD15遺伝子 生成物をコード化した請求項6に記載の組換えベクタ。 8.上記のDNAフラグメントが少なくとも残基6個のポリペプチドをコード化 している請求項6に記載の組換えベクター。 9.上記のポリペプチドが、表2に記載したもののいずれかである請求項8に記 載の組換えベクター。 10.上記のDNAフラグメントが上記のD15外膜タンパクのコード配列より も大きくない、請求項6、7、8または9に記載の組換えベクター。 11.DNAフラグメントが、さらに上記のホストからの上記の遺伝子生成物の 送り出しのためのリーダー配列をコード化している核酸配列を含む請求項10に 記載の組換えベクター。 12.請求項10または11に記載の組換えベクター 中に含まれるDNAフラグメントによりコード化された精製および単離したタン パク。 13.精製および単離したD15外膜タンパクまたはその部廷 14.D15外膜タンパクがヘモフィルスD15外膜タンパクである請求項13 に記載のタンパク。 15.D15外膜タンパクがインフルエンザ菌D15外膜タンパクである請求項 14に記載のタンパク。 16.インフルエンザ菌がb型インフルエンザ菌株である請求項15に記載のタ ンパク。 17.b型インフルエンザ菌株が、Ca、MinnAおよびイーガン株のいずれ かである請求項16に記載のタンパク。 18.インフルエンザ菌が型別不能インフルエンザ菌株である請求項15に記載 のタンパク。 19.型別不能インフルエンザ菌株が、PAK12085およびSB33株のい ずれかである請求項18に記載のタンパク。 20.請求項11〜19のいずれかに記載のタンパクまたはその部分のアミノ酸 配列または免疫原性を保存している変異体または突然変異体に相当するアミノ酸 配列を有する合成ペプチド。 21.表2に記載のアミノ酸配列のいずれかである請求項20に記載のペプチド 。 22.請求項1〜5のいずれかに記載の核酸分子と、請求項12〜14のいずれ かに記載のタンパクと、請求項20または21に記載のペプチドおよび生理学的 に許容されるキャリヤーとを含む免疫原性組成物。 23.ヘモフィルスにより起きる疾病に対する防御のためにin vivo投与するた めのワクチンとして配合した請求項22に記載の免疫原性組成物。 24.微粒子状調剤、カプセル調剤またはリポソーム調剤として配合した請求項 23に記載の免疫原性組成物。 25.免疫系の所定の細胞または粘液面に投与するために標的分子と組み合わせ る請求項23に記載の免疫原性組成物 26.ヘモフィルス疾病に対する防御的免疫を得るために、請求項22〜25の いずれかに記載の免疫原性組成物の有効量を対象に投与することを含むヘモフィ ルスにより起きる疾病に対する防御を誘発する方法。 27.請求項12〜25のいずれかに記載のタンパク、ペプチドまたは免疫原性 組成物に特異的な免疫血清または抗体。 28.その他のポリペプチドまたはタンパクまたは多糖類にリンクしている請求 項12〜19のいずれかに記載のタンパク、または請求項20または21に記載 のペプチドを含むキメラ分子。 29.上記のその他のポリペプチドまたはタンパクが、病原菌からの表面タンパ クまたはこれに相当するペプチドを含む請求項28に記載のキメラ分子。 30.上記のその他のポリペプチドまたはタンパクが、インフルエンザ菌のP1 、P2またはP6外膜タンパクを含む請求項29に記載のキメラ分子。 31.上記の多糖類がインフルエンザ菌からのPRP分子を含む請求項28記載 のキメラ分子。
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