JPH08502343A - 空調システム内の冷却剤の量を診断する方法および装置 - Google Patents

空調システム内の冷却剤の量を診断する方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 冷却剤を循環させるための閉じた回路内で蒸発器(10)、液体分離アキュムレータ(11)、コンプレッサ(12)、コンデンサ(13)および遮断装置(14)がこの順に互いに直列に接続されている空調システム内の冷却剤の量を診断する方法である。冷却剤の圧力をコンデンサ(13)と遮断装置(14)との間で測定する。冷却剤の温度をコンプレッサ(12)後および蒸発器(10)前に測定する。冷却剤の量が基準範囲内か基準範囲外かを決定するために、測定値を記憶されている設定値と比較する。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 空調システム内の冷却剤の量を診断する方法および装置 技術分野 本発明は、空調システム内の冷却剤の量を診断する方法および装置に関し、冷 却剤を循環のための閉回路内で蒸発器、液体分離アキュムレータ、コンプレッサ 、コンデンサおよび遮断装置がこの順に互いに直列に接続されている。 発明の背景 車内の空調システムは、例えば周囲温度および大気湿度のように大幅に変化す る条件のもとで正常に機能し得なければならない。また、空調システムの機能は 、クローズドシステム(closed system)内の冷却剤の量によって決まる。 空調システム内の機能不良の最も一般的な原因は、冷却剤の量が多すぎたりあ るいは少なすぎたりすることである。空調システムでの少量の漏れを発見するこ とが、非常に困難になり得る。コンプレッサは、少なすぎる量の冷却剤で非常に 長時間にわたって機能させられると故障し得る。 冷却剤が少しでも少なければ、以下のよくない結果がもたらされる。 ‐ コンデンサの後の過冷却(undercooling)が低くなる。 ‐ 蒸発器の後の過熱(overheating)が高くなる。 ‐ 蒸発圧力が常圧より低くなる。および ‐ コンプレッサの出力温度は常圧よりも高くなる。 一方、冷却剤が過剰であると、以下の否定的な結果がもたらされる。 ‐ コンデンサの後の過冷却が高くなる。 ‐ 蒸発圧力が常圧より高くなる。 ‐ コンプレッサの出力温度は常圧よりも低くなる。 ‐ 蒸発圧力が常圧よりも高くなる。および ‐ 蒸発器の後の過熱が低くなる。 実際問題として、冷却剤が過剰であるときだけではなく冷却剤が不足するとき は、コンプレッサは冷却剤が適量であるときよりもより頻繁により長時間にわた って機能しなければならなくなる。 今までのところ、毛細管を遮断手段として有し、蒸発器の後に液体分離アキュ ムレータを有するクローズドシステム内における冷却剤の量を測定するための適 切な装置はない。このため、空調システムを備えた自動車のサービスおよび維持 は、通常、冷却剤の量を測定するときにシステムから液体を排出しなければなら にことを意味する。システムは狭い通路を有するかなり長い流体ラインを備えて いるので、この排出は多くの時間を必要とする。また、冷却剤を排出したり充填 したりすることにより、環境に有害な物質を排出する危険が生じる。 米国特許第4757693号には、例えば、不正確な冷却剤の量に よる機能不良を検出するための電子回路を有する空調システムが記載されている 。しかし、この空調システムは、コンデンサとエキスパンション・バルブとの間 に冷却剤用のタンクを備えている。 米国特許第4308725号には、そのような貯蔵タンク内における冷却剤のレベル を指示する検出器が記載されている。 発明の要約 従って、本発明の目的は、冷却剤用のタンクを有さない空調システム内の冷却 剤の量を迅速かつ容易に診断するための方法および装置を提供することである。 この目的は、本発明による方法において以下の点で解決される。冷却剤の圧力 をコンデンサと遮断装置との間で測定し、冷却剤の温度をコンプレッサの後、か つ蒸発器の前において測定し、冷却剤の量が基準範囲(reference interval)の 内か外かを決定するために測定値を記憶されている設定値と比較する。本発明に よる装置は、コンデンサと遮断装置との間の冷却剤の圧力を検出する圧力感知手 段と、コンプレッサの後および蒸発器の前に冷却剤の温度をそれぞれ検出する温 度感知手段と、圧力感知手段および温度感知手段からの入力データと、記憶され ている設定値とを比較するように構成されている分析ユニットとによって特徴づ けられている。 本発明の有益な実施態様は、以下の従属クレームから明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 本発明の実施態様は、添付図面を参照しながらさらに詳細に説明される。 図1は、本発明の第1の実施態様による診断システムを有する空調システムを 示す概略図である。 図2は、本発明の第2の実施態様による診断システムを類似の方法で示す図で ある。 図3は、作業場での使用に適した診断システムを示す図である。 図4は、周囲温度と大気湿度との関数としてシステム内の冷却剤の量を示す図 である。 好ましい実施態様の詳細な説明 図1および図2に示される空調システムは、蒸発器10、液体分離アキュムレ ータ11、コンプレッサ12、コンデンサ13および遮断装置14を備え、これ らは冷却剤の循環のための閉路内で互いに直列に接続されている。 図1に示されている本発明の第1の実施態様によれば、独立監視ユニット15 は、コンプレッサ12を制御するための制御リレー16によって、またコンデン サ13と遮断装置14との間の冷却剤の圧力を検出するための圧力監視手段17 を介して、空調システムに接続されている。さらに、監視ユニットは、コンプレ ッサ12後および蒸発器10前の冷却剤 温度を検出するための温度感知手段18および19をそれぞれ備えている。 監視ユニット15は、デュアルリレー(dual relay)20によって区画ファン の半速モードおよび全速モードを制御する。これに加えて、ユニット15はエン ジン速度センサ21を介してエンジンの動作に関する入力信号と、センサ22を 介してオン/オフ状態に関する入力信号と、センサ23によって区画ファンに関 する情報とを受け取る。 ユニット15は、圧力感知手段および温度感知手段17〜19からの入力デー タを記憶されている設定値と比較するように構成され、入力データがこれらの値 からずれていると、車のダッシュボードに警報灯24によって警報指示が出され る。 図2は、本発明の別の実施態様を示している。この実施態様では、前に記載し た実施態様と同様に、コンプレッサ12の周期的な制御をおこない、冷却剤の量 が少なくなったときに自動的に遮断するための自動空調システムに、監視ユニッ ト25が一体化されている。機能的には、周囲温度およびエンジン温度に関する 情報が得られ、スイッチオフ状態のより正確な診断だけでなくコンプレッサをタ イマーで制御して開始させるために用い得るという点で、本実施例は前の実施例 と異なる。 図3は、作業場(workshop)で使用することを意図された診断ユニット27を 示している。診断ユニットは、車のケー ブル29と診断ユニット15;25との通常の接続の間に実装されているTコネ クタ(T-connection)28を備えている。温度センサ30は、蒸発器10とアキ ュムレータ11との間の適切な場所に手で取り付けられる。周囲温度の値は診断 計器31に入力される。アイドリング状態で、かつ室内ファン(compartment fa n)が全速で作動している時に診断が行われる。 図4に示される図から、コンプレッサ内の圧力上昇に対するコンプレッサ内の 温度上昇は、冷却剤の量にどのように依存するかが明らかである。この関係は、 凝縮温度と蒸発温度との差の関数として表され得る。図のY軸はコンプレッサ後 の温度、蒸発器前の温度およびコンプレッサ後の飽和圧力と蒸発器前の温度との 差に基づいている。4つのグラフは、周囲温度および大気湿度に対する様々な動 作状態を示している。 冷却剤の充填が不足する場合は、過熱が増加し、それによってコンプレッサの 入口温度が上昇し、出力温度も上昇する。 冷却剤の充填が過剰な場合は、蒸発器内で過沸騰(overboiling)が起こり、 それによって液体の水滴がコンプレッサに入りこむ。その結果、液体の冷却効果 によって出力温度が低下する。 本発明は上記の実施態様に限定されず、他の変形も以下の請求項の範囲内で可 能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,MG,MN ,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SK,UA,US,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.冷却剤の循環のための閉じた回路内において、蒸発器(10)、液体分離ア キュムレータ(11)、コンプレッサ(12)、コンデンサ(13)および遮断 装置(14)がこの順に互いに直列に接続されている空調システム内の冷却剤の 量を診断する方法であって、該冷却剤の圧力は該コンデンサ(13)と該遮断装 置(14)との間で測定され、該冷却剤の温度は該コンプレッサ(12)後およ び該蒸発器(10)前に測定され、該冷却剤の量が基準範囲内か基準範囲外かを 決定するために、該測定値は記憶されている設定値と比較されることを特徴とす る方法。 2.冷却剤の基準量が、前記コンプレッサ(12)の後の冷却剤の温度と前記蒸 発器(10)の前の温度との差を、前記コンデンサ(13)と前記遮断装置(1 4)との間における冷却剤の圧力に対応する冷却剤の温度から該蒸発器(10) の前の温度を引いた差によって割る計算で得られることを特徴とする、請求項1 に記載の方法。 3.冷却剤を循環させるための閉じた回路内で蒸発器(10)、液体分離アキュ ムレータ(11)、コンプレッサ(12)、コンデンサ(13)および遮断装置 (14)がこの順に互いに直列に接続されている、空調システム内の冷却剤の量 を診断する装置であり、該コンデンサ(13)と該遮断装置(14)との間の冷 却剤の圧力を検出する圧力感知手段(17) と、該コンプレッサ(12)後および該蒸発器(10)前に冷却剤の温度をそれ ぞれ検出する温度感知手段(18、19)と、該圧力感知手段および該温度感知 手段(17−19)からの入力データと記憶されている設定値とを比較するよう に構成されている分析ユニット(15;25;27)とによって特徴づけられて いる装置。 4.前記分析ユニット(25)が自動空調システム(26)と一体化されている ことを特徴とする、請求項3に記載の装置。
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