JPH08500521A - 内燃機関の排ガスから粒子を除去する方法および装置 - Google Patents

内燃機関の排ガスから粒子を除去する方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、内燃機関の排ガスから粒子、特に煤粒子を除去する方法と装置に関するものである。本発明によれば粒子は電極 (４) を介して静電的に帯電される。粒子ないし粒子の凝集は金属の微細フィルタ (５) によって分離される。好ましくは微細フィルタ (５) の導電性のフィルタ材料 (５ａ) 、好ましくはフェライトの焼結金属自体が沈澱電極として用いられる。電極には高圧 (６) が印加される (７、１０) 。ときどき、好ましくは周期的に、微細フィルタに電流が流され (１１、１２) 、この電流によって粒子の点火温度を越えて微細フィルタ (５) のフィルタ材料 (５ａ) の加熱がもたらされる。好ましくは円筒形状、円錐台形状および／または円錐形状のフィルタ面 (５ａ) が使用される。

Description

【発明の詳細な説明】 内燃機関の排ガスから粒子を除去する方法および装置 本発明は、内燃機関の排ガス流から粒子、特に煤粒子を除去する方法と装置に関 するものである。 内燃機関の排ガスによる環境汚染を大幅に減少させる努力において、特にディー ゼルエンジンの場合には排ガス内の粒子放出を削減させることが大きな役割を果 たす。従って排ガス流内に含まれる粒子、大体において煤粒子を除去するために 多数の技術的な試みがなされてきた。 刊行物「都市定期バスの煤フィルタ技術(Russfiltertechinik fuer Stadtlinien busse,Intenationales Verkehrswesen40(1988))」、第１分冊１月／２月には従 来技術の概観が示されている。粒子を分離するためにセラミックモノリスフィル タ、セラミック又はワイヤニットからなるフィルタ手段を有するスパークプラグ フィルタ、ないしセラミックヤーンを有するロールフィルタ又は電気的な凝固装 置とその後段に接続されたサイクロンとの組合せが使用される。 最後に挙げた分離システムにおいては電気的な凝固装置内で粒子の凝集が行われ 、それによって後段に接続されたサイクロンにおいてサイクロンの収集容器内で 粒子に作用する遠心力を利用して粒子を分離することができ、ガス流はサイクロ ンの逃がし管を通して清浄ガスとして排気管内に放出される。この分離システム においてはもちろん分離された粒子を別に廃棄することが必要である。 フィルタを使用する場合には、フィルタの回復または交換が必要である。という のは分離された粒子がフィルタを塞ぎ、ないしはフィルタの付着が増大するにつ れてフィルタの圧力損失が上昇するからである。回復は煤の点火温度を越える温 度における焼切りによって行われる。この温度は内燃機関の排ガス内では得られ ず、ないしは全負荷駆動においてのみ得られるので、エンジン手段によって排ガ ス温度を上昇させ、または燃料、吸気または排ガス自体内に添加される触媒的に 有効な添加剤によって、またはフィルタを触媒コーティングすることによって煤 の点火温度を低下させることが必要である。他の方法は熱、例えばバーナーによ る熱の供給による強制回復によって提供される。 ワイヤニットからなるフィルタなど金属的なフィルタは、温度耐性の減少という 欠点を有し、上述の排ガスから粒子を除去するのに充分でない。これは特に熱的 な回復には適していない。 本発明の課題は、内燃機関、特に内燃機関によって駆動される陸上及び海上車両 用内燃機関の排ガスから簡単な方法で効果的に粒子を除去することができ、その 場合に車両の可動性が損なわれることのない、冒頭で述べた種類の方法と装置を 提供することである。 この課題は本発明の方法によれば、粒子が少なくとも１つの電極を介して静電的 に帯電され、部分的に凝集を形成し、かつ粒子ないしは粒子の凝集が１つまたは 多数の焼結金属の微細フィルタと微細フィルタ内の少なくとも１つの沈澱電極に よって分離されることにより解決する。 本発明による方法は、微細フィルタの高い分離能力を利用している。更に凝集に よって分離が著しく容易になる。それによって本発明の方法はディーゼルの煤な ど排ガス内の粒子や滴の分布の全領域にわたって安全を守る。その場合に上述の 微細フィルタシステムは排ガスの副流内にではなく、主流内に組み込まれる。原 理的には多数のフィルタを（異なる分離度を有するものでもよい）カスケード形 状に組み込むことができる。しかし、好ましくは唯一の微細フィルタが使用され る。沈澱電極としての対電極は１つ又は複数の微細フィルタ内に設けられる。フ ィルタによる純粋に機械的な分離の他に帯電された粒子の静電的な分離も行われ る。微細フィルタの領域における排ガス温度が粒子の点火温度を越えると、粒子 の焼切りとそれに伴って微細フィルタの回復が行われる。 好ましくは微細フィルタのフィルタ材料自体が沈澱電極として用いられる。それ によって微細フィルタ内への対電極の組み込みを省くことができる。また、フィ ルタの分離能力をさらに向上させることができる。 好ましくはフィルタ材料としてフェライト系焼結金属が使用される。この材料は 極めて高い静的及び動的な機械的安定性を有する。その温度耐性は非常に高く、 例えば９００℃まで達する。しかし、フェライト系焼結金属はまた温度変化に対 する耐性によっても優れている。しかし、使用されるフェライト系焼結金属は、 化学的にも安定であって、例えばフィルタ駆動と回復の際に存在するような酸化 と還元が交互に行われる雰囲気に対して安定である。 本発明の方法においては、好ましくは、電極の間ないしは電極とフィルタ材料の 間に２から１５ｋＶの高圧が印加される。 本発明の実施例においては、付着のある微細フィルタを回復させるために、時々 微細フィルタに電流が流される。その場合に抵抗加熱の原理に従ってフィルタ材 料が加熱または灼熱される。それによって粒子の点火温度 (約４５０℃から６０ ０℃) を越える微細フィルタの制御された加熱が行われ、それによって粒子の焼 切りとそれに伴って微細フィルタの回復が得られる。そのために好ましくは２０ 秒より少ない時間の間、３００Ａより小さい電流が２０から１４０Ｗの電力で微 細フィルタに流される。上述の値を維持することによってボード独自の給電を有 する車両において、制御された回復が可能になる。また、回復の間も粒子の分離 が保証される。本発明による制御された回復は、内燃機関を有する車両のための 柔軟性と独立性における大きな利点をもたらす。というのは回復時点の選択によ って、微細フィルタの付着程度を定めることができるからであり、かつ本発明の 方法においては点火温度を低下させるための添加剤などの付加的な補助手段を使 用する必要がなく、かつ回復のための停止時間を完全に回避することができるか らである。特に好ましくは電流供給は周期的に行われる。また、微細フィルタの 付着程度に従った電流供給も考えられ、それは例えば排ガス内の圧力損失の測定 を介して制御することができる。 上述の課題は本発明の方法によれば、装置に排ガス流の供給および搬出パイプを 有するハウジングと、電圧源と接続された少なくとも１つの電極と、フィルタ本 体が設けられており、その場合にフィルタ本体はハウジング内に密着して組み込 まれており、かつ少なくとも１つの焼結金属のフィルタ面を有することによって 解決される。 供給パイプを通してハウジング内へ導入される排ガス流は、まず少なくとも１つ の電極を通過し、電極は、静電的に 排ガス内の粒子を帯電させる。その場合に電極の形状は任意である。しかし好ま しくはディスクまたはリング状の電極が使用される。多数の電極を使用すること ができる。対電極はフィルタ本体内に配置される。しかし好ましくは唯一の電極 が対電極と共に使用される。フィルタ本体はハウジング内に密着して組み込まれ るので、全排ガス流が焼結金属のフィルタ本体を通過しなければならない。好ま しくは焼結金属のフィルタ本体はハウジングを介して、あるいは電気的導線を介 して電圧源と導電接続される。 好ましくはフィルタ本体はフェライト系焼結金属から形成される。好ましくはフ ィルタ面はフィルタフリースから形成される。フィルタ面の幾何学形状は公知の フィルタ形状に従って形成することができる。好ましくはフィルタ面は円筒、円 錐台および円錐形のフィルタ面であって、あるいは円筒、円錐台および／または 円錐形の部分片を組み合わせて１つまたは複数のフィルタ面とされる。 本発明の装置の実施例においては、フィルタ面は電気的な導線を介して電流源と 接続される。上述したように、時々、すなわち非連続的に電流がフィルタ面に通 され、その電流は本発明により使用される焼結金属のフィルタ材料の固有の電気 的抵抗によってフィルタ面の灼熱ないしは煤粒子の点火温度を越える加熱をもた らし、それによって粒子の焼切りをもたらす。 以下、２つの実施例を用いて本発明を詳細に説明する。 第１図は、 円筒形状のフィルタ面を有する本発明による装置を示し、 第２図は、 円筒形状の部分片と円錐台形状の部分片から組み立てられたフィル タ面を有する本発明による装置を示すものである。 第１図と第２図において同様な部分には同一の参照符号が付されている。排ガス の流れ方向は図では矢印で示されている。 第１図に示す装置においては、処理すべき粒子を導く排ガスはパイプ２を介して 本発明による粒子分離装置のハウジング１内に達する。排ガスはハウジング内部 でディスク形状のコロナ電極４を通過する。電極４は電気的導線７を介して高圧 源６と接続されている。高圧導線７はハウジング１に対して絶縁体９によって電 気的に絶縁されている。帯電された粒子ないしは形成された粒子凝集を有する排 ガス流は電極４からフィルタ本体５に達し、フィルタ本体は本来のフィルタ面５ ａとフィルタホルダ５ｂから形成されている。粒子の分離はフィルタ面５ａで実 施されるので、粒子のない排ガスがパイプ３を介して粒子分離装置を出て行く。 フィルタ面５ａにおける粒子分離は機械的にも静電的にも行われる。その場合に フェライト系焼結金属から形成され、それ自体電気的に導通するフィルタ面５ａ は沈澱電極として作用する。高圧源６への導電接続は、同様に電気的に導通する フィルタホルダ５ｂを介してハウジング１へ、そしてそこから電気的な導線１０ を介して高圧源６へ接続されている。回復に必要な電流源への導電接続は電気的 な導線１１と１２を介して保証され、その場合に導線１２は絶縁されて (１３) ハウジング１を通して案内されている。 第１図とは異なり第２図においては円筒形状のフィルタ面５ａではなく、円筒状 の部分片と円錐台形状の部分片とから組み立てられたフィルタ面５ａが組み込ま れている。さらに第２図においては、電極４から高圧源６へ至る電気的接続先７ は、先ずフィルタ本体５の中央を通り、次に初めてハウジング１を通して案内さ れる。高圧導線７をこのように特殊に配線することによって、導線７上への粒子 の堆積とそれによってもたらされる電極４とは異なる電位に接続されたハウジン グ１との間の弧絡が防止される。フィルタ本体５並びにハウジング１に対する必 要な電気的絶縁は絶縁体８と９を介して行われる。さらに第１図とは異なり第２ 図に示す粒子分離装置においてはハウジングは供給パイプ２および搬出パイプ３ 方向へ斜めになっている。それによって分離装置の貫流が改良される。
【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９４年１月２７日 【補正内容】本発明の装置においては、フィルタ面は電気的な導線を介して電流源と接続され る。上述したように、時々、すなわち非連続的に電流がフィルタ面に通され、そ の電流は本発明により使用される焼結金属のフィルタ材料の固有の電気的抵抗に よってフィルタ面の灼熱ないしは煤粒子の点火温度を越える加熱をもたらし、そ れによって粒子の焼切りをもたらす。 好ましくはフィルタ本体はフェライト系焼結金属から形成される。好ましくはフ ィルタ面はフィルタフリースから形成される。フィルタ面の幾何学形状は公知の フィルタ形状に従って形成することができる。好ましくはフィルタ面は円筒、円 錐台および円錐形のフィルタ面であって、あるいは円筒、円錐台および／または 円錐形の部分片を組み合わせて１つまたは複数のフィルタ面とされる。 以下、２つの実施例を用いて本発明を詳細に説明する。 第１図は、 円筒形状のフィルタ面を有する本発明による装置を示し、 第２図は、 円筒形状の部分片と円錐台形状の部分片から組み立てられたフィル タ面を有する本発明による装置を示すものである。 第１図と第２図において同様な部分には同一の参照符号が付されている。排ガス の流れ方向は図では矢印で示されている。 第１図に示す装置においては、処理すべき粒子を導く排ガスはパイプ２を介して 本発明による粒子分離装置のハウジング１内へ達する。排ガスはハウジング内部 でディスク形状のコロナ電極４を通過する。電極４は電気的導線７を介して高圧 源６と接続されている。高圧導線７はハウジング１に対して絶縁体９によって電 気的に絶縁されている。帯電された粒子ないしは形成された粒子凝集を有する排 ガス流が電極４からフィルタ本体５に達し、フィルタ本体は本来のフィルタ面５ ａとフィルタホルダ５ｂから形成されている。粒子の分離はフィルタ面５ａで実 施されるので、粒子のない排ガスがパイプ３を介して粒子分離装置を出て行く。 フィルタ面５ａにおける粒子分離は機械的にも静電的にも行われる。その場合に フェライト系焼結金属から形成され、それ自体電気的に導通するフィルタ面５ａ は沈澱電極として作用する。高圧源６への導電接続は、同様に電気的に導通する フィルタホルダ５ｂを介してハウジング１へ、そしてそこから電気的な導線１０ を介して高圧源６へ接続されている。回復に必要な電流源への導電接続は電気的 な導線１１と１２を介して保証され、その場合に導線１２は絶縁されて（１３） ハウジング１を通して案内されている。 第１図とは異なり第２図においては円筒形状のフィルタ面５ａではなく、円筒状 の部分片と円錐台形状の部分片とから組み立てられたフィルタ面５ａが組み込ま れている。さらに第２図においては、電極４から高圧源６へ至る電気的接続先７ は、先ずフィルタ本体５の中央を通り、次に初めてハウジング１を通して案内さ れる。高圧導線７をこのように特殊に配線することによって、導線７上への粒子 の堆積とそれによってもたらされる電極４とは異なる電位に接続されたハウジン グ１との間の弧絡が防止される。フィルタ本体５並びにハウジング１に対する必 要な電気的絶縁は絶縁体８と９を介して行われる。さらに第１図とは異なり第２ 図に示す粒子分離装置においてはハウジングは供給パイプ２および搬出パイプ３ 方向に斜めになっている。それによって分離装置の貫流が改良される。 請求の範囲 ２．微細フィルタ (５) のフィルタ材料 (５ａ) 自体が沈澱電極 (５ａ) として 用いられていることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の方法。 ３．微細フィルタ材料 (５ａ) としてフェライト系焼結金属が使用されることを 特徴とする請求の範囲第１項または第２項に記載の方法。 ４．電極 (４；１、５) 間に高圧、好ましくは２から１５ｋＶが印加されること を特徴とする請求の範囲第１項から第３項までのいずれか１項に記載の方法。５．３００Ａより小さい電流が２００から１４０Ｗの電力で２０秒より少ない時 間の間、微細フィルタ (５) に流される (１１、１２) ことを特徴とする請求の 範囲第１項から第４項までのいずれか１項に記載の方法。 ６． 電流供給 (１１、１２) が周期的に行われることを特徴とする請求の範囲第 １項から第５項までのいずれか１項 に記載の方法。８．焼結金属のフィルタ面 (５ａ) が高圧源 (６) と、場合によってはハウジン グ (１) を介して、導電接続されていることを特徴とする請求の範囲第７項に記 載の装置。 ９ ．フィルタ面 (５ａ) がフェライト系焼結金属からなることを特徴とする請求 の範囲第７項または第８項に記載の装置。１０ ．フィルタ面 (５ａ) がフィルタフリースから形成されることを特徴とする 請求の範囲第７項から第９項までのいずれか１項に記載の装置。１１ ．フィルタ面 (５ａ) が好ましくは円筒形状、円錐台形状および／または円 錐形状に形成されていることを特徴とする請求の範囲第７項から第１０項までの いずれか１項に記載の装置。 【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９４年７月１３日 【補正内容】 明細書 内燃機関の排ガスから粒子を除去する方法と装置 本発明は、内燃機関の排ガス流から粒子、特に煤粒子を除去する方法に関するも のであって、その場合に粒子は少なくとも１つの電極を介して帯電され、部分的 に凝集を形成し、かつ粒子ないし粒子の凝集は１つまたは複数のフィルタによっ て分離され、かつ本発明は内燃機関の排ガス流から粒子特に煤粒子を除去する装 置に関するものであって、その場合に装置には排ガス流の供給パイプおよび搬出 パイプを有するハウジングと、粒子を静電的に帯電させるための、高圧源と接続 された少なくとも１つの電極とフィルタ本体とが設けられてい る。 内燃機関の排ガスによる環境汚染を大幅に減少させる努力において、特にディー ゼルエンジンの場合には排ガス内の粒子放出を削減させることが大きな役割を果 たす。従って排ガス流内に含まれる粒子、大体において煤粒子を除去するために 多数の技術的な試みがなされてきた。 刊行物「都市定期バスの煤フィルタ技術(Russfiltertechinik fuer Stadtlinien busse,Internationales Verkehrswesen 40(1988))」、第１分冊１月／２月には 従来技術の概観が示されている。粒子を分離するためにセラミックモノリスフィ ルタ、セラミック又はワイヤニットからなるフィルタ手段を有するスパークプラ グフィルタないしセラミックヤーンを有するロールフィルタ又は電気的な凝固装 置とその後段に接続されたサイクロンとの組合せが使用される。 最後に挙げた分離システムにおいては電気的な凝固装置内で粒子の凝集が行われ 、それによって後段に接続されたサイクロンにおいてサイクロンの収集容器内で 粒子に作用する遠心力を利用して粒子を分離することができ、ガス流はサイクロ ンの逃がし管を通して清浄ガスとして排気管内に放出される。この分離システム においてはもちろん分離された粒子を別に廃棄することが必要である。 フィルタを使用する場合には、フィルタの回復または交換か必要である。という のは分離された粒子がフィルタを塞ぎ、ないしはフィルタの付着が増大するにつ れてフィルタの圧力損失が上昇するからである。回復は煤の点火温度を越える温 度における焼切りによって行われる。この温度は内燃機関の排ガス内では得られ ず、ないしは全負荷駆動においてのみ得られるので、エンジン手段によって排ガ ス温度を上昇させ、または燃料、吸気または排ガス自体内に添加される触媒的に 有効な添加剤によって、またはフィルタを触媒コーティングすることによって煤 の点火温度を低下させることか必要である。他の方法は熱、例えばバーナーによ る熱の供給による強制回復によって提供される。 ワイヤニットからなるフィルタなど金属的なフィルタは、温度耐性の減少という 欠点を有し、上述の排ガスから粒子を除去するのに充分でない。これは特に熱的 な回復には適していない。米国特許第４，４０６，１１９号明細書(US-A-4,406,119)からは内燃機関の排ガ ス流から粒子を除去する方法が知られており、その場合に粒子は電極を介して１ ０−２０ｋＶの高圧でマイナスに帯電され、部分的に凝集を形成し、かつフィル タ並びに後段に接続されたサイクロンまたは加熱部材によって分離される。フィ ルタは多孔のセラミックまたは金属のメッシュあるいは織物からなる。 ヨーロッパ特許第０４５２４３３号公報(EP-A-0 452 433)からは、帯電された煤 粒子を反対方向の極性を有する少なくとも１つのフィルタ名で濾過することが知 られている。フィルタ材料は繊維からなる孔のあいたネット構造、あるいは温度 耐性の大きい基台からなり、その場合にネット構造は泡、多孔の焼結ボディ、繊 維織物、繊維ニット、繊維編物、繊維フリースまたはゆるい繊維ひもの形式で形 成されており、かつ電気的に導通するまたは電気的に導通するコーティングを有 する繊維またはこの種の基台からなる。フィルタ材用の電気的に導通する繊維ま たは基台は金属、例えば特殊鋼から形成することができる。 日本国特開昭５９−１４５３１４号(JP-A-59 145314)からは静電場を発生するた めの高圧電極と電気的に帯電された粒子を分離する対電極としての発泡されたス チールからなるコレクタとを有する装置が知られている。 ヨーロッパ特許第０２４４０６１号公報(EP-A-0 244 061)にはディーゼルエンジ ン排ガスの燃焼可能な粒子が付着したフィルタを回復させる方法が記載されてお り、その場合に付着のあるフィルタを通して電流が流され、それによってフィル タが粒子の点火温度を越えて加熱される。排ガス流内には多数のフィルタが並列 に挿入されている。回復の間フィルタには排ガスは流れない。 本発明の課題は、内燃機関、特に内燃機関によって駆動される陸上及び海上車両 用内燃機関の排ガスから簡単な方法で効果的に粒子を除去することができ、その 場合に車両の可動性が損なわれることのない、冒頭で述べた種類の方法と装置を 提供することである。特に、 化学的にも安定であって、例えばフィルタ駆動と回復の際に存在するような酸化 と還元が交互に行われる雰囲気に対して安定である。 本発明の方法においては、好ましくは、電極の間ないしは電極とフィルタ材料の 間に２から１５ｋＶの高圧が印加される。好ましくは回復のために２０秒より少ない時間の間、３００Ａより小さい電流が ２０から１４０Ｗの電力で微細フィルタに通される。上述の値を維持することに よってボード独自の給電を有する車両において、制御された回復が可能になる。 また、回復の間も粒子の分離は保証される。本発明による制御された回復は、内 燃機関を有する車両のための柔軟性と独立性における大きな利点をもたらす。と いうのは回復時点の選択によって、微細フィルタの付着程度を定めることができ るからであり、かつ本発明の方法においては点火温度を低下させるための添加剤 などの付加的な補助手段を使用する必要がなく、かつ回復のための停止時間を完 全に回避することができるからである。特に好ましくは電流供給は周期的に行わ れる。また、微細フィルタの付着程度に従った電流供給も考えられ、それは例え ば排ガス内の圧力損失の測定を介して制御することができる。 上述の課題は本発明の装置によれば、対電極として用いられるフィルタ本体がハ ウジング内に密着して組み込まれ、少なくとも１つの焼結金属のフィルタ面を有 し、かつフィルタ面が電気的な導線を介して電流源と接続されていることによっ て解決される。 供給パイプを通してハウジング内へ導入される排ガス流は、まず少なくとも１つ の電極を通過し、電極は、静電的に排ガス内の粒子を帯電させる。その場合に電 極の形状は任意である。しかし好ましくはディスクまたはリング状の電極が使用 される。多数の電極を使用することができる。対電極はフィルタ本体内に配置さ れる。しかし好ましくは唯一の電極が対電極と共に使用される。フィルタ本体は ハウジング内に密着して組み込まれるので、全排ガス流が焼結金属のフィルタ本 体を通過しなければならない。好ましくは焼結金属のフィルタ本体はハウジング を介して、あるいは電気的導線を介して電圧源と導電接続される。７．内燃機関の排ガス流から粒子、特に煤粒子を除去する装置であって、装置に は排ガス流の供給パイプ (２) と搬出パイプ (３) を有するハウジング (１) と 、高圧源 (６) に接続された粒子を静電的に帯電させる少なくとも１つの電極 ( ４) とフィルタ本体 (５) が設けられているものにおいて、 対電極として用いられるフィルタ本体 (５) がハウジング (１) 内に密着して 組み込まれており、少なくとも１つの焼結金属のフィルタ面 (５ａ) を有し、か つフィルタ面 (５ａ) が電気的な導線 (１１、１２) を介して電流源に接続され ていることを特徴とする内燃機関の排ガス流から粒子を除去する装置。 【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９４年９月５日 【補正内容】粒子を除去する際に、内燃機関の駆動の間にフィルタの回復が可能でなければな らない。 この課題は本発明の方法によれば、少なくとも１つの沈澱電極を有する焼結金属 の微細フィルタが回復の間も排ガスによって貫流され、かつ回復のために付着の ある微細フィルタにときどき電流が通されて、それによってフィルタが粒子の点 火温度を越えて加熱されることによって解決される。 本発明による方法は、微細フィルタの高い分離能力を利用している。更に凝集に よって分離が著しく容易になる。それによって本発明の方法はディーゼルの煤な ど排ガス内の粒子や滴の分布の全領域にわたって安全を守る。その場合に上述の 微細フィルタシステムは排ガスの副流内にではなく、主流内に組み込まれる。原 理的には多数のフィルタを (異なる分離度を有するものでもよい) カスケード形 状に組み込むことができる。しかし、好ましくは唯一の微細フィルタが使用され る。沈澱電極としての対電極は１つ又は複数の微細フィルタ内に設けられる。フ ィルタによる純粋に機械的な分離の他に帯電された粒子の静電的な分離も行われ る。微細フィルタの領域における排ガス温度が粒子の点火温度を越えると、粒子 の焼切りとそれに伴って微細フィルタの回復が行われる。微細フィルタの領域における排ガス温度が粒子の点火温度を越えると、粒子の焼 切りとそれに伴って微細フィルタの回復が行われる。本発明によれば付着のある 微細フィルタを回復させるために、とぎどき微細フィルタに電流が通される。そ の場合に抵抗発熱の原理に従ってフィルタ材料が加熱または灼熱される。それに よって粒子の点火温度 (約４５０から６００℃) を越える微細フィルタの制御さ れた加熱が行われ、それによって粒子の焼切りとそれに伴って微細フィルタの回 復が得られる。 好ましくは微細フィルタのフィルタ材料自体が沈澱電極として用いられる。それ によって微細フィルタ内への対電極の組み込みを省くことができる。また、フィ ルタの分離能力をさらに向上させることができる。 好ましくはフィルタ材料としてフェライト系焼結金属が使用される。この材料は 極めて高い静的及び動的な機械的安定性を有する。その温度耐性は非常に高く、 例えば９００℃まで達する。しかし、フェライト系焼結金属はまた温度変化に対 する耐性によっても優れている。しかし、使用されるフェライト系焼結金属は、 請求の範囲 １．内燃機関の排ガス流から粒子、特に煤粒子を除去する方法であって、粒子は 少なくとも１つの電極 (４) を介して静電的に帯電され、部分的に凝集を形成し 、かつ粒子ないし粒子凝集は１つまたは多数のフィルタ (５) によって分離され るものに おいて、 少なくとも１つの沈澱電極 (５ａ) を有する焼結金属の微細フィルタ (５) が 回復の間も排ガスによって貫流され、かつ 回復を行うためにときどき付着のある微細フィルタ (５) に電流が流されて、 それによって微細フィルタ (５) が粒子の点火温度を越えて加熱されることを特 徴とする内燃機関の排ガス流から 粒子を除去する方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ Ｆ０１Ｎ 3/02 ３４１ Ｓ 9150−3Ｇ Ｊ 9150−3Ｇ (72)発明者 ボルト、ハインツ ドイツ連邦共和国、デー82515 ヴェルフ ラートシャウゼン、シーシュスタットシュ トラーセ 12ベー (72)発明者 ヴァルザー、フランツ ドイツ連邦共和国、デー82418 ムールナ ウ、シュトゥッツェンプラッツ ６ (72)発明者 シェーネボルン、アクゼル ドイツ連邦共和国、デー63517 ローデン バッハ、アルツェナウアー・シュトラーセ 21

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 １．内燃機関の排ガス流から粒子、特に煤粒子を除去する方法において、 粒子が少なくとも１つの電極を介して静電的に帯電され、部分的に凝集を形成 し、かつ粒子ないし粒子凝集が１つまたは複数の焼結金属の微細フィルタと微細 フィルタ内の少なくとも１つの沈澱電極によって分離されることを特徴とする粒 子を除去する方法。 ２．微細フィルタのフィルタ材料自体が沈澱電極として用いられることを特徴と する請求の範囲第１項に記載の方法。 ３．微細フィルタ材料としてフェライト系焼結金属が使用されることを特徴とす る請求の範囲第１項または第２項に記載の方法。 ４．電極間に高圧、好ましくは２から１５ｋＶが印加されることを特徴とする請 求の範囲第１項または第２項に記載の方法。 ５．回復させるためにときどき付着のあるフィルタに電流を通し、それによって 粒子の点火温度を越えて微細フィルタが加熱されることを特徴とする請求の範囲 第１項から第４項までのいずれか１項に記載の方法。 ６．３００Ａより小さい電流が２００から１４０Ｗの電力で２０秒より少ない時 間の間フィルタを流れることを特徴とする請求の範囲第５項に記載の方法。 ７．電流供給が周期的に行われることを特徴とする請求の範囲第５項または第６ 項に記載の方法。 ８．内燃機関の排ガス流から粒子、特に煤粒子を除去する装置において、 装置に排ガス流の供給パイプ (２) および搬出パイプ (３) を有するハウジン グ (１) と、電圧源 (６) と接続された少なくとも１つの電極 (４) と、フィル タ本体 （５) が設けられており、その場合にフィルタ本体 (５) はハウジング (１) 内に密着して組み込まれており、かつ少なくとも１つの焼結金属のフィル タ面 (５ａ) を有することを特徴とする粒子を除去する装置。 ９．焼結金属のフィルタ面 (５ａ) が、場合によってはハウジング (１) を介し て電圧源 (６) と導電接続されていることを特徴とする請求の範囲第８項に記載 の装置。 １０．フィルタ面 (５ａ) がフェライト系焼結金属からなることを特徴とする請 求の範囲第８項または第９項に記載の装置。 １１．フィルタ面 (５ａ) がフィルタフリースから形成されることを特徴とする 請求の範囲第８項から第１０項までのいずれか１項に記載の装置。 １２．フィルタ面 (５ａ) が好ましくは円筒形状、円錐台形状および／または円 錐形状に形成されていることを特徴とする請求の範囲第８項から第１１項までの いずれか１項に記載の装置。 １３．フィルタ面 (５ａ) が電気的な導線 (１１、１２) を介して電流源と接続 されていることを特徴とする請求の範囲第８項から第１２項までのいずれか１項 に記載の装置。
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