JPH08500260A - 複合シャフトを有する管内カテーテル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 固定ワイヤー拡張カテーテル及び案内及び血管造影カテーテル等の管内カテーテルのための複合管状エレメントであって、該エレメントは、比較的低融点を有する繊維、及び比較的高融点を有する高強度補強繊維等の重合マトリックス材料の完全な混合物から形成されたストランドを、管状エレメントに網目状とし、網目状管状エレメントを加熱して低融点マトリックス材料を融解し、補強繊維の周囲に流してマトリックスを形成することによって形成される。次に、網目状管状エレメントの外面に、熱可塑性ジャケットつまりコーティングが押出し成形又は他の方法によって塗布されてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】 複合シャフトを有する管内カテーテル発明の背景 本発明は一般に、経皮経管冠動脈形成術（ＰＴＣＡ）において使用される案内 カテーテル及び固定ワイヤーバルーン付き拡張カテーテル等の、管内カテーテル に関する。 ＰＴＣＡ処置においては、予め成形された遠位先端部を有する案内カテーテル が、患者の心臓血管系内へと経皮的に導入され、案内カテーテルの予め成形され た遠位先端部が所望の冠動脈の口に隣接する大動脈内に配置されるまで、その内 を前進する。案内カテーテルの遠位先端部を回転させるために、案内カテーテル は患者から外方へと延長する近位端からねじられるか又は回転させられ、その結 果所望の冠状口内へと案内され得る。米国特許第４，５８２，１８１号（現在、 再発行特許第３３，１６６号）に記載及び請求されるように、ＰＴＣＡ処置にお いて固定ワイヤー拡張カテーテルを使用する場合、固定ワイヤー拡張カテーテル は、案内カテーテル内に導入され、その中を遠位先端部まで前進する。固定ワイ ヤー拡張カテーテルを案内カテーテル内に導入する前に、拡張カテーテルの遠位 先端部は、通常医師又は助手の一人によって、手で成形（湾曲）される。固定ワ イヤー拡張カテーテルは、案内カテーテルの遠位先端部から外方へ、拡張カテー テ ルの遠位端上の膨張可能部材が、拡張されるべき病変部を横切って延長するまで 、前進する。一旦病変部を横切って適当に位置されると、膨張可能部材は、比較 的高圧（例えば約４−２０気圧）の放射線不透過性液体で膨張させることによっ て、所定寸法まで膨張され、病変動脈の狭窄領域を拡張する。狭窄の拡張を完了 するためには、一つ以上の膨張が必要であろう。同一のカテーテルで一人の患者 におけるいくつかの狭窄の拡張を行なうことができる。拡張の完了時には、バル ーンは収縮され、それにより固定ワイヤー拡張カテーテルは拡張された狭窄から 除去され得、拡張された動脈中の血流が再開する。 案内カテーテル、固定ワイヤー拡張カテーテル及び血管形成術処置のための他 の装置の詳細は、米国再発行特許第３３，１６６号(Samson)、米国特許第４，４ ３９，１８５号(Lund-quist)、米国特許第４，４６８，２２４号(Enzmann et at .)、米国特許第４，５１６，９７２号(Samson)、米国特許第４，４３８，６２２ 号(Samson et al.)、米国特許第４，５５４，９２９号(Samson et al.)、米国特 許第４，５８２，１８５号(Samson)、米国特許第４，６１９，２６３(Frisbie e t al.)、米国特許第４，６３８，８０５号(Powell)、米国特許第４，６４１，６ ５４号(Samson et al.)、米国特許第４，６６４，１１３号(Frisbie et al.)、 米国特許第４，７４８，９８６号(Morrison et al.)、米国特許第４，７７１， ７７８号(Mar)、米国特許第４，７９３，３５０号(Mar et al.)、米国特許第４ ，８２７，９４３号(Taylor et al.)、米国特 許第４，８９８，５７７(Badger et al.)、米国特許第４，９６６，１６３号(Kr aus et al.)、及び米国特許第４，９９８，９２３号(Samson et al.)中に見られ 、これらは参照により本明細書中に完全に組み込まれる。 冠動脈形成術のための固定ワイヤー拡張カテーテルは、一般に、バルーンを上 昇された圧力まで膨張して狭窄を拡張することができる、膨張可能バルーンをそ の遠位部分上に有する外側管状部材と、拡張されるべき狭窄の位置する所望の分 枝動脈までカテーテルを導くのを補助する、バルーンの遠位端を通って外方へ延 長する成形可能案内部材とを有する。固定ワイヤーカテーテルは通常内側管状部 材を有さず、よって通常同じ膨張バルーン寸法を有するワイヤー上拡張カテーテ ルよりも、より低いプロフィール、つまりより小さい横方向寸法を有する。更に 、固定ワイヤーカテーテルは、固定されているか若しくは長手方向の動きについ て少くともいくらか制限されたガイドワイヤーつまり案内部材を有するので、こ れらのカテーテルは一般に同様の寸法のワイヤー上形式のカテーテルよりも大き な押圧性を有する。固定ワイヤー拡張カテーテルのより低いプロフィールとより 大きな押圧性により、該カテーテルは、同様の寸法のワイヤー上拡張カテーテル よりも、より堅い病変部を横切ることができ、又患者の冠状動脈構造のよりずっ と奥深くまで前進させることができる。 バルーン拡張カテーテル等の管内カテーテルのための材料及び構造の開発の主 な趣旨は、カテーテルのプロフィールつまり外側直径を減少させることであった 。現在入手可能な拡 張カテーテルの部品は、通常同質の材料から作成され、カテーテル部品に適当な 入手可能な同質の材料の性質は、大部分がこれらの材料の限度まで押圧されてい る。米国特許第４，９８１，４７８号(Evard et al.)には、カテーテルの性質に 実質的な改良を提供する複合カテーテル構造が記載される。しかしながら、管内 カテーテル、特に冠状動脈に使用するための固定ワイヤー拡張カテーテル及び案 内カテーテルに適切な材料の性質について、改良がなされたにもかかわらず、現 在得られない性質の組合せにおける、より大幅な改良への必要性が残っている。 本発明の複合カテーテル構造は、性質の実質的な改良と、横方向の寸法の実質的 な減少とを提供し、よって前述の必要性に応答する。発明の要約 本発明は、広範囲に渡る管内カテーテル、特に血管形成術処置において使用さ れる案内カテーテル及び拡張カテーテルに使用され得る、改良されたカテーテル シャフト構造に関する。 本発明のカテーテルシャフトは、内部に延長する内側管腔を有する複合構造の 細長い管状部材を一般に含む。複合管状構造は、網目状の管状部材の外面上に設 けられる、好ましくは熱可塑性ポリマー製のジャケットコーティングを有する、 低融点ポリマーマトリックス中の網目状のマルチフィラメント高強度ポリマース トランドを含む。重合ストランドはマルチフィラメントで、半径方向に圧縮でき る。ストランドを成 形するために現在好ましい繊維は、アラミド（例えばE.I.duPont, deNemours & Co.販売の Kelvar４９）、ポリエステル（例えば Hoechst-Celanese 販売の Vec tran）、及びナイロン等の重合繊維である。好ましいマトリックスポリマー材料 は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコール及び ポリエステル（例えば Hoechst-Cela-nese Corp.の Trevira）を含む。 マトリックス材料は、繊維が網目状とされる前に、好ましくは補強繊維と完全 に混合される。ある一つの好ましい実施態様においては、繊維としてのマトリッ クス材料が補強繊維に組み込まれる。他の方法においては、微細に分割された粉 末の形態の補強繊維内にマトリックス材料が分散される。マトリックス材料の量 は、約４０から約８０％、好ましくは約５０から約７０％の範囲に渡ってもよく 、残りは高強度繊維である。ここで使用されるように、特別に表示しない限り、 すべてのパーセント表示は重量パーセントを表わす。マトリックス材料の融点は 、補強繊維の融点または分解温度よりも低くなければならないが、材料が後に付 される例えば梱包、滅菌、及び使用における温度よりも充分に高くなければなら ない。適当なマトリックス材料の融点は、一般に１２０℃よりも高く、２７０℃ 未満であり、一方適当な補強繊維は、３００℃より高い融点、もしくは材料が融 解しない場合には分解温度を有するであろう。 粉末状形態のマトリックスを組み込む例は、米国特許第４，７７３，４０６号 (Muzzy)及び米国特許第５，０５７，３３ ８号(Baucom et al.)に記載され、これらは参照によって本明細書中に組み込ま れる。かようなマトリックス粉末／補強ストランドは、ジョージア州アトランタ のCustom CompositeMaterials のＴＯＷＦＬＥＸ（登録商標）の商標名のもとの 広範囲に渡るポリマーの組合せにおいて入手可能である。粉末状のマトリックス 材料は一般に、最大粒径５０ミクロン未満、好ましくは１０ミクロン未満の別個 の粒子を有する。繊維状ストランド中にマトリックス材料の非凝集性ディスパー ジョンを形成するために、他の方法を用いることもできる。 カテーテルシャフトを形成するための現在好ましい方法は、マトリックス材料 の繊維と補強繊維を所望の割合で完全に混合し、完全な混合物からストランドを 形成し、次に適当なマンドレル（例えば銅線）の周囲に、所望の位置及び配向に て、補強繊維を有する管状形式に複数のストランドを網目状とする。網目状の管 状構造体は、次に加熱された室中に通され、マトリックス繊維を融解し、融解し たマトリックス材料が補強繊維の周囲に流れてマトリックスを形成するようにす る。用いられる温度は、マトリックス繊維材料の融点によって決定される。複合 管状部材は、次に押出しダイ中を通され、そこで複合管状部材上に熱可塑性ジャ ケットつまりコーティングが押し出される。ジャケットを付けられた複合管状部 材は、例えば押出しダイの出口に位置される水トラフ中に複合管状材料を沈める こと等によって冷却される。冷却後、銅製マンドレルが除去される。案内カテー テルのシャフトを形成する際に、フッ素化されたエチレンプロプレンつまりポリ テトラ フルオロエチレン（例えばE.I.duPont,deNemours & Co.販売のＴｅｆｌｏｎ（登 録商標））等の適当な潤滑材料で形成される薄い内側管状部材を、マンドレルと して使用してもよいが、この場合、内側管状部材はシャフトの一部となり、除去 されない。潤滑材料で形成される管は、非常に低い摩擦特性を有する内側管腔を 提供し、この特性は、案内カテーテルにおいて、その内部にガイドワイヤー及び 拡張カテーテルを前進させるのを容易にするために非常に望ましい。 繊維内に分散された粉末状マトリックス材料を有する補強重合繊維でカテーテ ルシャフトを形成する方法は、低融点マトリックス繊維が高強度繊維中に組み込 まれる場合、基本的に上述と同様である。 可撓性に不利益に影響することなく押圧性を改良するためには、ステンレス鋼 、及び一般にＮｉｔｉｎｏｌ（商標）と呼ばれるＮｉＴｉ（ニッケル−チタン） 合金等の超弾性材料等の適当な材料のワイヤー又はリボンを、複合カテーテルシ ャフトの壁内に配置することができ、直線状に延長するか又はシャフトの軸の周 囲に螺旋状に配置されてもよい。現在好ましいＮｉＴｉ合金から超弾性ワイヤー 及びリボンを形成するための組成及び方法に関する詳細は、同時係属中の１９９ ０年１２月１８日出願の米国特許願第０７／６２９，３８１号「超弾性案内部材 （SUPERELASTIC GUIDING MEMBER）」に見られ、この出願は参照によって本明細 書に完全に組み込まれる。 固定ワイヤー拡張カテーテルに関する、本発明の一つの好 ましい実施態様は、内部に延長する内側管腔を有する複合構造の細長いカテーテ ルシャフトと、複合シャフトの遠位端上の、シャフトの内側管腔と流体連通した 内部を有する非弾性バルーン等の膨張可能部材と、複合カテーテルシャフトの遠 位端に固定され、膨張可能部材の遠位端から遠位に延長する可撓性形成可能遠位 先端部とを含む。可撓性遠位先端部は、芯部材を含み、形成リボンをまた含んで もよい。膨張可能部材の遠位端は、複合シャフトの遠位端に固定され、膨張可能 部材の近位端は、遠位端よりも近位の位置において複合シャフトに固定される。 複合カテーテルシャフトの近位端上にはアダプターが載置され、該アダプターは 、膨張流体をカテーテルシャフトの内側管腔を通して膨張可能部材の内部へと向 け、その膨張を行なうように適合される。 外側管状部材と、外側管状部材内に配置され、外側管状部材と共に環状膨張管 腔を形成する内側管状部材とを、少くとも遠位部分において有する、ワイヤー上 形式カテーテルの外側管状部材として、複合シャフト及び膨張可能部材を使用し てもよい。内側管状部材には、内側管腔の遠位端のガイドワイヤー口まで延長す るガイドワイヤー受理内側管腔が設けられる。 固定ワイヤー拡張カテーテルに関する別の好ましい実施態様において、膨張可 能部材の近位端が複合シャフトの遠位端に固定され、膨張可能部材の遠位端が可 撓性遠位先端部に固定され、該先端部は複合シャフトの遠位端に固定されて膨張 可能部材の遠位端から外方に延長する。複合カテーテルシャ フトの遠位端に開口つまり口が設けられ、カテーテルシャフトの内側管腔からの 膨張流体が膨張可能部材の内部へと入るのを許容する。 本発明のさらに別の現在好ましい実施態様において、案内カテーテルは、内部 に延長する内側管腔を有する、上述の複合構造の細長いシャフトを含む。カテー テルの遠位部分は、所望の冠状動脈口内での前進及び配置を容易にするために、 形状（例えばジャドギンズ(Judkins)又はアンプラッツ(Am-platz）形状）を与え られ、遠位先端部には、同時係属中の１９９１年６月６日出願の米国特許願第０ ７／７１１，０４５号「非外傷的遠位先端部を有する管内カテーテル(INTRA-VAS CULAR CATHETER WITH A NONTRAUMATIC DISTAL TIP)」 に記載されるような 、柔らかい先端部構造が設けられ、この出願は参照により本明細書に組み込まれ る。 本発明の固定ワイヤー拡張カテーテルは、非常に低い収縮されたバルーンプロ フィールと優れた押圧性及び長手方向の可撓性を有する。案内カテーテルは優れ た押圧性及びねじれ性を有する。本発明のこれら及び他の利点は、添付された説 明用図面と組み合わせて、以下の発明の詳細な説明によって、より明らかとなる 。図面の簡単な説明 図１は、本発明の特徴を具体化する固定ワイヤー拡張カテーテルの一部断面概 略立面図である。 図２は、図１に示される拡張カテーテルの２−２線に沿っ た横方向横断面図である。 図３は、下部の網目状構造を露出させるためにジャケットを一部除去した、図 １に示される管状シャフトの斜視概略図である。 図３Ａは、図３に示される円で囲まれた領域の拡大図である。 図４は、図１に示される拡張カテーテルと同様の、シャフトの壁に補強リボン が組み込まれた、拡張カテーテルの横方向横断面図である。 図５は、図１に示されるものと同様の、本発明の別の実施態様の、コイルの遠 位先端部へと延長する芯部材を有するが、別個の形成リボンを有しない遠位部分 の長手方向の横断面図である。 図６は、複合シャフトが膨張可能部材の近位端で終止する、本発明の別の実施 態様の、遠位部分の長手方向の横断面図である。 図７は、本発明の特徴を具体化する案内カテーテルの概略立面図である。 図８は、図７に示される案内カテーテルの８−８線に沿った横方向横断面図で ある。発明の詳細な説明 本発明の特徴を具体化する固定ワイヤー拡張カテーテル１０を概略的に図示す る図１及び図２を参照する。カテーテル１０は複合構造の細長いカテーテルシャ フト１１と、シャフ ト１１の遠位端上に載置される膨張可能バルーン１２と、シャフト１１の遠位端 に固定される可撓性遠位先端部１３とを含む。カテーテルシャフト１１の遠位部 分は、膨張可能部材１２の内部に配置され、カテーテルシャフト内に延長する内 側管腔１５からバルーンの内部へと膨張流体を向け、これを膨張させるための、 複数の膨張口１４が設けられる。 可撓性遠位先端部１３は、遠位先端部の遠位端上の円形栓１８から離れて終止 する遠位区域１７を有する芯エレメント１６を含む。螺旋状コイル２０が芯エレ メント１６の周囲に配置され、その遠位端にて溶接又は他の適当な手段によって 円形栓１８に固定され、その近位端にてハンダ、ブレイズメント、又は溶接２１ によって芯エレメント１６に固定される。成形リボン２２は、遠位先端部１３の 成形を容易にするために設けられ、その近位端にてハンダまたはブレイズメント ２１によって芯エレメント１６に固定され、その遠位端にてコイル２０の遠位先 端部を成形リボン２２の遠位先端部に溶接することによって、好ましく形成され た円形栓１８に固定される。バルーン１２の遠位端及び複合管状シャフト１１の 遠位端は、接着剤２３によって芯エレメント１６及びリボン２２の近位端へと連 結される。複合シャフト１１の近位端は、アダプター２４を通して延長し、ねじ りノブ２５に固定され、それにより、カテーテルを所望の動脈分枝内に向けるこ とを容易にするために、ノブを回転させることによりシャフトを、最終的には可 撓性遠位先端部１３をねじる。シャフト１１はアダプター２４内で回転可能であ る。膨張流体は、アダプタ ー２４の側腕２６を通して内側管腔１５内へと導入され、該アダプター２４は流 体をバルーン１２の内部へと向ける。 図２は、熱可塑性ポリマーのマトリックス２９中の高強度補強繊維のストラン ド２８で形成される網目状の管状構造２７を図示する、複合シャフト１１の横方 向横断面図である。網目状管状構造２７の外面には、好ましくは熱可塑性ポリマ ーで形成される外側コーティングつまりジャケット３０が設けられる。ジャケッ ト３０は熱によって収縮させるか、又は他の方法で網目状管状構造２７の外側に 適当に固定される。 図３は、マルチフィラメント圧縮可能繊維で形成されるストランド２８を有す る、下部の網目状構造を示すためにジャケット３０一部除去した、シャフト１１ を示す。図３Ａは、図３において円で囲まれた網目状管状区域２７の編み合わさ れた状態を拡大したスケールで示す。 別のカテーテルシャフト構造が図４に示され、該構造においては、カテーテル シャフト１１内に補強リボン３１が設けられ、可撓性をほとんど損なうことなく 、より高度な押圧性及びねじれ性を提供する。 図５は、図１に示されるカテーテルの遠位先端部の改変を示し、該改変におい ては、芯部材１６の成形可能部分がコイル２０の遠位端まで延長し、溶接によっ て形成される円形栓１８によってそこに固定される。 図６は、本発明の別の実施態様を示し、該態様においては、膨張可能部材１２ の近位端を、例えば接着剤によって複合力テーテルシャフト１１の遠位端に適当 に結合し、膨張可能部 材の遠位端を接着剤２３によって、膨張可能部材の内部を通りその遠位端から外 方へと延長する芯部材１６に適当に結合する。芯部材１６の近位端は、接着剤３ ４によってシャフト１１の遠位端に結合され、可撓性遠位先端部１３内の中間位 置まで延長する。成形可能リボン２２はバルーンの遠位端から可撓性遠位先端部 １３の遠位端まで延長し、そこで適当に円形栓１８に固定される。シャフト１１ の遠位端を通して一つ以上の管腔３４及び３５が設けられ、膨張液体を内側管腔 １５からバルーン１２の内部へと向ける。この実施態様はまた図５に示される遠 位構造を有してもよく、該構造においては、芯部材１６は、円形栓１８に固定さ れる成形可能遠位部分を有する。図６に示される固定ワイヤーカテーテルは、そ の他の部分については図１及び図２に示されるものと同様で、対応する部分には 同じ番号が付されている。 図１、図５又は図６に示される固定ワイヤーカテーテルの形式の本発明の代表 的な実施態様において、網目状管状構造２７は、約０．００３インチ（０．０７ ６mm）の壁厚を有し、外側ジャケット３０は、約０．００１インチ（０．０２５ mm）の壁厚を有する。複合カテーテルシャフト１１の外側直径は、約０．０２５ から約０．０４０インチ（０．６−１．０mm）の範囲であってもよい。カテーテ ル１０の全長は、通常約１３０cmから約１５０cmであが、ワイヤー上拡張カテー テルの交換が予想される場合には、長さは代表的には約１７５cmである。 網目状管状構造２７を形成するのに使用されるマルチフィ ラメント繊維ストランド２８は、好ましくは約５０から約２５０デニールであり 、アラミド（例えばＫｅｖｌａｒ４９）及びＶｅｃｔｒａｎ（商標）等のポリエ ステルを含む繊維質の高強度ポリマー材料から形成されてもよい。他の適当な重 合材料を使用してもよい。熱可塑性繊維又は粉末を高強度繊維質ストランド２８ に組み込み、それにより繊維質ストランドが網目状管状構造２７中に編み込まれ た後に、加熱によって組み込まれた熱可塑性繊維又は粉末が融解し、高強度繊維 ２８の周囲に流れ、引き続いて行なわれる冷却によってポリマーマトリックス２ ９が形成され、その中に高強度ポリマーストランドが埋入されるようにすること が好ましい。適当な熱可塑性重合マトリックス材料は、ポリエチレン、ポリエチ レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコール、及びポリエステ ルを含む。 カテーテルの膨張可能部材は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、 ポリ塩化ビニル、及びＳｕｒｌｙｎ（登録商標）等の種々の比較的非弾性の重合 材料から形成されるバルーンであってもよい。膨張可能部材は、同時係属中の１ ９９１年９月１２日出願の米国特許願第０７／７５８，６３０号「血管カテーテ ルのためのバルーン（BALOON FOR VAS-CULAR CATHERTERS)」 に記載されるよ うに形成されてもよく、この出願は参照により本明細書中に完全に組み込まれる 。 図７及び図８は、本発明の案内つまり血管造影カテーテル５０を概略的に示し 、該カテーテルは一般に、近位区域５２、より可撓性の遠位区域５３、その中に 延長する内側管腔５４、 シャフトの近位端上のルーアーハブ５５、及び同軸的に配置された二つの比較的 短いエラストマー管状エレメント５７及び５８を含む非外傷的遠位先端部５６を 有する、細長いカテーテルシャフト５１を含む。シャフト５１の遠位区域５３は 、所望の冠状動脈口内へのその導入を容易するように形成される。当業者に理解 されるように、図７に示されるカテーテルの遠位区域５３のＪ字形状は、概略的 表示であり、所望の冠状動脈口内への案内カテーテルの遠位先端部の導入を容易 にするために、左右両方の冠状動脈のための公知のジャドキンス(Judkins)及び アンプラッツ(Amplatz)形状等の種々の形状を使用してもよい。比較的柔らかく 、非外傷的な遠位先端部５６は、動脈組織との外傷的係合を最小限とするための ものである。 図８は、カテーテル５０のシャフト５１の複合構造を示す。網目状管状エレメ ント６１内に、任意の薄壁潤滑内側ライニング６０が配置され、内側管腔５４を 規定する。網目状管状エレメント６１は、好ましくは熱可塑性重合材料から形成 される、コーティングつまりジャケット６２を有する。網目状管状エレメント６ １は、上記で他の実施態様について記載されたように、マトリックス６４中の繊 維質マルチフィラメント重合ストランド６３の複数の組から形成され、網目状と される際に内側ライナー６０に対して半径方向に圧縮される。内側ライナー６０ が使用されない場合には、管状エレメントが、除去可能なマンドレル上に網目状 とされる。 図７に示されるように、カテーテル５０の非外傷的遠位先 端部５６は、近位エレメント５７と遠位エレメント５８との二つの比較的短い可 撓性管状エレメントを含み、溶融解によって、又は例えばコネチカット州ニュー イントンの LoctiteCorporation 販売のＬｏｃｔｉｔｅ（商標）４０５等の公知 のシアノクリレート系接着剤等の適当な接着剤によって、シャフト５１の遠位端 に突き合せ結合される。管状エレメント５７及び５８の両方は、エラストマー又 はゴム状の材料で形成されるが、遠位区域５８は、近位区域５７よりも柔らかく 、より可撓性がある。好ましくは、近位区域５７は、患者の体内において遠位先 端部がＸ線透視法によって観察できるようにするために、その中に三酸化ビスマ ス等の放射線不透過性充填材材料が組み込まれる。案内カテーテル、特に非外傷 的遠位先端部を有するものの更なる詳細は、同時係属中の１９９１年６月６日出 願の米国特許願第０７／７１１，０４５号に見られ、この出願は参照により本出 願に完全に組み込まれる。 案内つまり血管造影カテーテルの形式の、本発明の現在好ましい実施態様の一 つにおいて、内側潤滑ライニング６０は、約０．００２インチ（０．０５１mm） の壁厚を有し、マトリックス６４を有する網目状管状部材６３は、約０．００３ インチ（０．０７６mm）の壁厚を有し、外側ジャケット６２は、約０．００５イ ンチ（０．１３mm）の壁厚を有する。内側ライニング６０内に延長する内側管腔 ５４の直径は、約０．０６から約０．０９インチ（１．５−２．３mm）の範囲で あってもよい。冠状動脈血管形成のためのカテーテルの全長は、 約８０から約１２５cmの範囲であってもよい。 一例として、案内カテーテルに関する実施態様のための本発明のカテーテルシ ャフトは、Hoechist-Celanese Corp.が商標Ｔｒｅｖｉｒａで販売する２００デ ニールのポリエステル繊維と混合した２００デニールのＶｅｃｔｒａｎ高強度繊 維を、ポリテトラフルオロエチレンで形成される直径０．０８インチ（２．０３ mm）のマンドレル上に、編組角度４５゜で網目状とすることによって作成される 。約５００フィートの網目状管状製品が作成された。この網目状管状材料のリー ルが、引張り／押出し（pultrusion／extrusion）ライン上に位置されて、毎秒 数フィートの速度、約２５０℃の温度で、加熱管中を通され、ポリエステル繊維 を融解させてＶｅｃｔｒａｎ繊維に接着させ、それにより複合マトリックス材料 が形成された。加熱された材料は、クロスヘッド式押出しダイまで処理ライン中 を連続し、そこで融解したポリウレタン製熱可塑性物質、Dow Chemical Compa ny 販売のＰｅｌｌｅｔｈａｎｅ ５５Ｄが網目状繊維複合構造物の上に被覆さ れ、約５５ ショアー Ｄ デュロメーターの硬度の平滑な外側表面を形成した 。押出し成形の後、被覆された複合構造物は冷却水槽内に向けられる。冷却され た複合構造物は、管状複合物を例えば約５フィート等の所望の長さに切断するカ ッター中を通され、次に管状複合材料からマンドレルが引き抜かれる。複合管状 部材の一端は、加熱されて、例えばジャドキンス(Judkins)又はアンプラッツ（A mplatz）形状等の所望の形状に形成され、他端には、慣用のアダプターが接続さ れる。結果 として作成される複合シャフトは、約０．０８インチ（２．０３mm）の内側直径 と、約０．１０５インチ（２．６７mm）の外側直径を有する。 本明細書において、本発明が主に、案内つまり血管造影カテーテル及び固定ワ イヤー拡張カテーテル等の管内カテーテルに関して説明されてきたが、本発明の 複合シャフトはワイヤー上及び迅速交換形式カテーテル、及び半可動性ガイドワ イヤー付き拡張カテーテルに使用され得ることが、当業者に理解されるであろう 。更に、例えば前立腺炎をおこしている尿道拡張のためのバルーンカテーテル等 の、広範囲に渡る体内管腔に使用するように適合されたカテーテルに使用するこ ともできる。また、本明細書中に詳細に記載されていない程度まで、本発明のカ テーテルを形成するために、慣用の材料及び製造方法が用いられ得る。本発明の 範囲から逸脱することなく、改変及び改良がなされてもよい。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェイコブソン，デイビッド・ティー アメリカ合衆国カリフォルニア州95125, サン・ノゼ，カミノ・リカルド・1087

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．患者の動脈系内において血管形成処置を行なうための固定ワイヤー拡張カテ ーテルであって、該カテーテルは、 ａ）その遠位部分に膨張口を有する網目状複合構造のカテーテルシャフトと、 ｂ）カテーテルシャフトの遠位端に固定された成形可能な案内部材と、 ｃ）近位端と遠位端とを有し、該近位端は、膨張口に対して近位の位置におい てカテーテルシャフトに接合され、該遠位端は、その中に延長する成形可能案内 部材の周囲に封止される、膨張可能部材とを含むことを特徴とする、患者の動脈 系内において血管形成処置を行なうための固定ワイヤー拡張カテーテル。 ２．複合シャフトが、シャフトの壁内において互いに平行に延長する複数の補強 リボンを有することを特徴とする、請求の範囲第１項に記載の拡張カテーテル。 ３．少くとも三本の補強リボンが、複合シャフトの壁内において螺旋状に配置さ れ、ステンレス鋼及び超弾性ＮｉＴｉ合金からなる群より選択されることを特徴 とする、請求の範囲第２項に記載の拡張カテーテル。 ４．複合シャフトの外面上に、約０．０００５から約０．００２インチの厚さを 有する熱可塑性コーティングつまりジャケットが設けられることを特徴とする、 請求の範囲第１項に記載の拡張カテーテル。 ５．可撓性遠位先端部が、カテーテルシャフトの遠位端に固定された芯部材を含 むことを特徴とする、請求の範囲第１項に記載の拡張カテーテル。 ６．成形可能リボンがその近位端において複合シャフトの遠位端に固定されるこ とを特徴とする、請求の範囲第５項に記載の拡張カテーテル。 ７．可撓性遠位先端部が、芯部材の周囲及びリボンの周囲に配置される螺旋状コ イルを有し、該リボンがその遠位端においてコイルの遠位端に固定されることを 特徴とする、請求の範囲第６項に記載の拡張カテーテル。 ８．可撓性遠位先端部に、芯部材の周囲に配置された螺旋状コイルが設けられ、 該芯部材がその遠位端においてコイルの遠位端に固定されることを特徴とする、 請求の範囲第５項に記載の拡張カテーテル。 ９．カテーテルシャフトが、低融点熱可塑性ポリマーマトリックス中の網目状高 強度重合繊維で形成されることを特徴とする、請求の範囲第１項に記載の拡張カ テーテル。 10．小直径可撓性複合シャフトを形成する方法であって、該方法は、 ａ）中に比較的低融点の重合マトリックス材料を分散した複数の圧縮可能なマ ルチフィラメントストランドを、管状構造中に網目状とする工程と、 ｂ）網目状管状構造を充分な熱に付して、マルチフィラメントストランド中に 分散された低融点重合マトリックス材料から、融解したポリマーマトリックスを 形成する工程と、 ｃ）融解したポリマーマトリックスをその融点未満の温度まで冷却する工程と を含むことを特徴とうする、小直径可撓性複合シャフトを形成する方法。 11．マトリックス材料の量が、約４０％から約８０％（重量％）の範囲であるこ とを特徴とする、請求の範囲第１０項に記載の方法。 12．重合マトリックス材料が、繊維又は粉末の形態の高強度繊維中に分散される ことを特徴とする、請求の範囲第１０項に記載の方法。 13．補強繊維が、アラミド、ナイロン、及びポリエステルからなる群より選択さ れることを特徴とする、請求の範囲第１０項に記載の方法。 14．重合マトリックス材料が、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート及び ポリエチレンテレフタレートグリコール、及びこれらの混合物、並びにその他の ポリマー材料との混合物からなる群より選択される低融点熱可塑性ポリマーであ ることを特徴とする、請求の範囲第１０項に記載の方法。 15．比較的低融点の熱可塑性ポリマーマトリックスを含み、該マトリックス中に 網目状高強度重合補強ストランドが配置される、複合可撓性小直径管状構造。 16．含まれる重合マトリックス材料の量が、管状構造の総重量の約４０から約８ ０％であることを特徴とする、請求の範囲第１５項に記載の複合可撓性管状構造 。 17．患者の動脈系内で診断又は治療の処置を行なうための案 内つまり血管造影カテーテルであって、該カテーテルは、比較的低融点の熱可塑 性重合マトリックスで形成される網目状複合構造のカテーテルを含み、該マトリ ックス中に網目状の高強度補強重合ストランドが配置されることを特徴とする、 患者の動脈系内で診断又は治療の処置を行なうための案内つまり血管造影カテー テル。 18．複合シャフトの壁中に、互いに平行に延長する複数の補強リボンが配置され ることを特徴とする、請求の範囲第１７項に記載の案内つまり血管造影カテーテ ル。 19．複合シャフトの壁中に、補強リボンが螺旋状に配置されることを特徴とする 、請求の範囲第１８項に記載の案内つまり血管造影カテーテル。 20．補強リボンが、ステンレス鋼及び超弾性ＮｉＴｉ合金からなる群より選択さ れる材料で形成されることを特徴とする、請求の範囲第１８項に記載の案内つま り血管造影カテーテル。 21．複合シャフトの外面上に、約０．０００５から約０．００２インチの厚さを 有する熱可塑性コーティングつまりジャケットが設けられることを特徴とする、 請求の範囲第１７項に記載の案内つまり血管造影カテーテル。 22．その遠位端が、患者の冠状動脈口内への前進及び侵入を容易にするように形 成されることを特徴とする、請求の範囲第１７項に記載の案内つまり血管造影カ テーテル。 23．血管ライニングとの外傷的係合を防止または最小限とするための柔らかい遠 位先端部を含む、請求の範囲第１７項 に記載の案内つまり血管造影カテーテル。 24．患者の体内管腔内において診断及び治療の処置を行なうためのバルーンカテ ーテルであって、該カテーテルは、 ａ）近位端と遠位端とを有し、その遠位部分に膨張口を持つ網目状複合構造を なす外側管状部材を有する、細長いカテーテルシャフトと、 ｂ）カテーテルシャフトの遠位端に固定された成形可能案内部材と、 ｃ）近位端と遠位端とを有する膨張可能部材であって、該膨張可能部材の該近 位端は、膨張口に対して近位の位置においてカテーテルシャフトに接合され、該 遠位端は、そこを通って延長する成形可能案内部材の周囲に封止されることを特 徴とする、患者の体内管腔内において診断及び治療の処置を行なうためのバルー ンカテーテル。 25．複合シャフトが、シャフトの壁中にて互いに平行に延長する複数の補強リボ ンを有することを特徴とする、請求の範囲第３３項に記載の拡張カテーテル。 26．少くとも三本の補強リボンが、複合シャフトの壁中に螺旋状に配置されるこ とを特徴とする、請求の範囲第２４項に記載の拡張カテーテル。 27．補強リボンが、ステンレス鋼及び超弾性ＮｉＴｉ合金からなる群より選択さ れる材料で形成されることを特徴とする、請求の範囲第２４項に記載の拡張カテ ーテル。