JPH084982Y2 - ピッチ可変テーブル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は例えば多軸ボール盤のように、多数のテーブ
ルを使用する際に、そのテーブルの間隔を一定のピッチ
距離で変更することのできる作業テーブルに関するもの
である。

［従来の技術］ 従来多数の穴等を同時に開けるための多軸ボール盤
や、多数の被工作物を同時に切削するための多軸形自動
旋盤の被工作物を保持するテーブルは大型のものになる
と当然広くなり、軸間隔の狭い被加工物では、このテー
ブルの広さのために作業性が悪くなっていた。

また、一般の作業テーブルにおいても、丈の長い被加
工物を固定する場合には、通常被加工物を均等間隔で固
定するのであるが、被加工物に応じた長さのテーブルで
は、使用していない場合には、不要な場所を占拠してい
た。また、幾つものテーブルを使用する場合にも、高さ
調節や等間隔に配置することに必要以上に注意を払わな
ければならず、問題となっていた。

幅が可変のテーブルもあるが、等ピッチに変移するも
のは、作用機構が複雑となり、誤差の発生や故障の多発
等の問題があった。

［考案が解決しようとする課題］ そこで本考案は、複数のテーブルを備え、各テーブル
間の距離が可変であり、しかも変移ピッチ精度が良好
で、小さなスペースにまとめられる作業テーブルを得る
ことを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本願請求項１に記載の考案に係るピッチ可変テーブル
では、移動すべき方向に沿って配列された複数の可動テ
ーブルと、前記各テーブルに独立して設けられたテーブ
ル駆動機構と、前記各テーブルの配列方向に延在する回
転駆動軸と、前記各テーブル駆動機構を互いに近接状態
で保持する保持手段とを備え、前記テーブル駆動機構
は、前記テーブルに対して固定された取付けブロック
と、前記取付けブロックと螺合して回転可能な調節ネジ
ブロックと、隣り合うテーブル駆動機構の調節ネジブロ
ックと接するように前記テーブルに対して固定された当
接部とを有し、前記駆動軸は、前記各テーブル駆動機構
の調節ネジブロックを共通に貫通し、且つ、前記各調節
ネジブロックに対して回動方向には互いに咬合し、軸方
向については相対移動を許容する咬合機構を有し、前記
保持手段は、前記テーブル駆動機構の調節ネジブロック
と、その隣接するテーブル駆動機構の当接部とを近接状
態に保持するものである、ことを特徴とするものであ
る。

請求項２に記載の考案は、請求項１に記載したピッチ
可変テーブルであって、前記複数のテーブルのいずれか
一つの位置が固定され、前記保持手段が他のテーブルの
テーブル駆動機構を前記固定されたテーブルのテーブル
駆動機構に向かって押圧する押圧機構を含む、ことを特
徴とするものである。

［作用］ 本考案は上記のように構成されているため、例えば、
調節ネジブロックが取付けブロックに螺合されて最も短
くなっている場合には、駆動軸を一方向に回転させるこ
とにより、調節ネジブロックが回転する。調節ネジブロ
ックと取付けブロックとが互いに螺合しているで、この
ネジ機構により互いに相対移動してテーブルの位置が変
化する。

この際に、隣り合うテーブル駆動機構の調節ネジブロ
ックと当接部とは、保持手段により近接状態が保持され
ているので、伸長した調節ネジブロックは隣のテーブル
駆動機構の当接部を押圧する。よって、隣のテーブル駆
動機構は自らの相対移動と共に隣の調整ネジブロックの
移動が伝達されて移動する。

即ち、駆動軸の回転によって変移した調節ネジブロッ
クと取付けブロックとの距離（相対移動量）は、螺合の
ネジピッチに従って定まるが、各テーブル駆動機構自体
が他のテーブル駆動機構と連動して変移することによ
り、各テーブル間の距離並びに各テーブルの位置が定ま
ることとなる。

［実施例］ 第１図は本考案の一実施例の構成を示す上面説明図、
第２図は第１図の側面説明図である。

図において、２本のガイドレール８上の長手方向に移
動可能な３つのテーブル11〜13があり、各々のテーブル
には長手方向に開口を有した筒状のテーブル取付ブロッ
ク２が接続されている。

テーブル取付ブロック２の内壁には前面に亙って、雌
ネジが加工されており、各々のテーブル取付ブロック２
の一方の開口部には、前記雌ネジに螺合した雄ネジ加工
された調節ネジブロック３が螺合している。

各々のテーブル取付ブロック２の他方の開口には当て
板４が開口を覆うように取りつけられている。

テーブル取付ブロック２と調節ネジブロック３と当て
板４との組は長手方向に渡された長手軸５により貫通さ
れており、各々の組は長手軸５上を摺動自在に貫通され
ている。

各々の調節ネジブロック３と長手軸５との貫通部分は
長手軸５にスプライン溝51が形成され、この溝に咬合す
る断面形状のスプライン溝31が調節ネジブロック３にも
形成されている。

一端のテーブル13は固定されており、他端のテーブル
11の調節ネジブロック３の端面は押え板６を介して、シ
リンダー７により内側（図矢印）に押えられている。

テーブル11,12,13間のピッチ寸法を変えるには、調節
ネジブロック３とスプライン溝により互いに咬合した長
手軸５を回転させる。長手軸５の回転により、咬合した
調節ネジブロック３も回転する。この回転によって、調
節ネジブロック３と調節ネジブロック３に螺合されたテ
ーブル取付ブロック２との距離が伸長する。伸長した調
節ネジブロック３は、シリンダー７により隣りのテーブ
ル駆動機構の当て板４方向に押圧されているので、その
当て板４を押す。テーブル11,12は、ガイドレール８の
上をスライドする。

即ち、長手軸５の回転によって変移した調節ネジブロ
ック３とテーブル取付ブロック２との螺合のネジピッチ
に従って、各テーブル間の距離が変移することとなる。
以上により、テーブル11〜13間のピッチ寸法を段階なし
にスムーズに変えることができる。

また、本実施例では、３つのテーブルのものを開示し
たが、必要に応じてテーブル数を増やしても同様の操作
により、自由にピッチを変移させることができる。

また、テーブル取付ブロック２を雌ネジ機構、調節ネ
ジブロック３を雄ネジ機構としたが、雄ネジの一端部を
当て板に設けて当て板をテーブルに取付け、調節ネジブ
ロックを雌ネジ機構とした構成にしても同様の操作によ
り、自由にピッチを変移させることができる。

また、本実施例では長手軸５をスプライン溝51を形成
した軸としたが、滑りキー機構とした構成にしても同様
の操作により、自由にピッチを変移させることができ
る。

また、第３図は他の実施例の構成を示す説明図であ
る。前記実施例ではテーブル取付ブロック２の内壁前面
に亙って雌ネジ機構を形成したが、第３図に示す通り、
端縁部分に一本の溝９を配した簡単な構成でもよい。

以上説明した通り、本考案は、変移ピッチ精度が、ネ
ジ機構の精度で決まり、他の部品精度の影響が少ない。
また構造が簡単であり、小さなスペースにまとめられ
る。更に各テーブルが連結していないので、一部のテー
ブル間ピッチをスペーサーを挾むことにより異ったピッ
チ寸法に容易に変更可能である等の効果がある。

［考案の効果］ 本考案は以上説明した通り、駆動軸の回転によって変
移する調節ネジブロックと取付けブロックとの螺合のネ
ジピッチに従って各テーブル間の距離が変移することと
なるため、多数のテーブル間のピッチをどのピッチも同
様にしかも無段階に変更可能となる。このため、変移ピ
ッチ精度が、ネジ機構の精度で決まり、他の部品精度の
影響が少ない。また構造が簡単であり、小さなスペース
にまとめられる。更に各テーブルが連結されていないの
で、一部のテーブル間ピッチをスペーサーを挾むことに
より異ったピッチ寸法に容易に変更可能である等の効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の構成を示す上面説明図、第
２図は第１図の側面説明図、第３図は他の実施例の構成
を示す説明図である。 図において、11,12,13はテーブル、２はテーブル取付ブ
ロック、３は調節ネジブロック、４は当て板、５は長手
軸、31,51はスプライン溝である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】移動すべき方向に沿って配列された複数の
   可動テーブルと、 前記各テーブルに独立して設けられたテーブル駆動機構
   と、 前記各テーブルの配列方向に延在する回転駆動軸と、 前記各テーブル駆動機構を互いに近接状態で保持する保
   持手段とを備え、 前記テーブル駆動機構は、 前記テーブルに対して固定された取付けブロックと、前
   記取付けブロックと螺合して回転可能な調節ネジブロッ
   クと、隣り合うテーブル駆動機構の調節ネジブロックと
   接するように前記テーブルに対して固定された当接部と
   を有し、 前記駆動軸は、 前記各テーブル駆動機構の調節ネジブロックを共通に貫
   通し、且つ、前記各調節ネジブロックに対して回動方向
   には互いに咬合し、軸方向については相対移動を許容す
   る咬合機構を有し、 前記保持手段は、 前記テーブル駆動機構の調節ネジブロックと、その隣接
   するテーブル駆動機構の当接部とを近接状態に保持する
   ものである、 ことを特徴とするピッチ可変テーブル。
2. 【請求項２】前記複数のテーブルのいずれか一つの位置
   が固定され、 前記保持手段が、他のテーブルのテーブル駆動機構を前
   記固定されたテーブルのテーブル駆動機構に向かって押
   圧する押圧機構を含む、 ことを特徴とする請求項１に記載したピッチ可変テーブ
   ル。