JPH084918B2 - 複合ロ−ルの鋳造方法およびその装置 - Google Patents

複合ロ−ルの鋳造方法およびその装置

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JPH084918B2
JPH084918B2 JP14700087A JP14700087A JPH084918B2 JP H084918 B2 JPH084918 B2 JP H084918B2 JP 14700087 A JP14700087 A JP 14700087A JP 14700087 A JP14700087 A JP 14700087A JP H084918 B2 JPH084918 B2 JP H084918B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は芯材と外殻層材の化学組成が異なる複合ロー
ルの製造において、強靱な芯材を有しかつ外殻層材と芯
材とが冶金的に完全に接合されたロールを鋳造する方法
およびその装置に関する。
〔従来の技術〕
薄鋼板の熱間圧延等に使用されるワークロールでは、
圧延使用層に耐摩耗性が要求され、ロール芯部には耐事
故性が要求される。そのため外殻層(圧延使用層)には
高硬度材を使用し、芯部には強靱な材料を使用した、い
わゆる複合ロールが多用されている。このような複合ロ
ールの外殻層には、ニハード鋳鉄系、高Cr鋳鉄系等の材
料が使われており、芯材には球状黒鉛鋳鉄等が使用され
ている。
従来は、複合ロールの鋳造方法として、遠心鋳造法が
一般的な製造方法であった。
第2図を用いて、従来の遠心鋳造法の概略を説明す
る。第2図(a)に示すように、金型内に砂型2を内張
りしてロール形状の鋳型1を形成し、この鋳型1をモー
タ3によって高速回転し、鋳型1に外殻層を形成する溶
湯4を注入し、遠心力を利用して、円筒状の外殻層5を
形成させる。外殻層5が凝固完了した直後に第2図
(b)に示すように鋳型1を直立させ、芯材6を形成す
る溶湯7を注入し、外殻層5と芯材6とが冶金的に接合
した複合ロールを得る。
従来技術では、外殻層5と芯材6とを冶金的に接合さ
せるために、芯材溶湯7の注入時に、外殻層5の内面を
一部再溶解させている。
この再溶解量は芯材溶湯7を注入するタイミングと鋳
込温度によって変化するが、再溶解量が少ないと、外殻
層5と芯材6との境界部における冶金的接合が不十分な
ため、圧延使用中にロールがスポーリングを起こす危険
性がある。
逆に、再溶解量が多い場合には、外殻層5の成分が芯
材溶湯7に過剰に混入する。その結果、芯材6が球状黒
鉛鋳鉄の場合には外殻層5側からCrが混入し、黒鉛の球
状化を阻害するため芯材6の強度が劣化し、圧延中にロ
ールが折損する等の恐れがあった。
圧延設備や圧延技術の進歩に伴ない、ロールは径小と
なり、ロールへの負荷が高まる中で、従来のロール製造
技術では冶金的接合と芯材の強靱性とを同時に満足させ
ることが困難になりつつある。すなわち従来方法では、
芯材溶湯に外殻層の成分の一部が混入するため、芯材の
靱性が劣化する。
従って、先に芯材を作り、その周囲に外殻層を形成す
れば、芯材の靱性劣化の問題点が解決することは容易に
想像することができる。しかしながら、先に芯材を作り
その周囲に外殻層を形成する従来の技術、すなわち焼ば
め法や鋳ぐるみ法は、外殻層の形成方法に問題が残る。
従来から使用されている焼ばめ方式では、外殻層と芯
材とが冶金的に接合していないため、径大のロールには
適用されているものの、径小、胴長のロールでは外殻層
が焼ばめ応力と圧延時に印加される応力の合計応力に耐
えることができない。
芯材の周囲に冶金的に接合した外殻層を形成する方法
として、クラッド鋼等の製造に使用されている鋳ぐるみ
方式が考えられる。しかし、例えばφ600mm×2000mm長
さの芯材6に厚さ100mmの外殻層を鋳ぐるむ場合、第3
図に示すように外殻層5の凝固は芯材6との境界および
鋳型1に接する外表面から肉厚中央に向って、半径方向
に両側から進行し、その結果、最終凝固部は外殻層5の
半径方向肉厚中央近傍となるが、肉厚に比べて長さが長
いため、通常の押湯8は効果がなく、第3図のA−A矢
視を第4図に示すように、外殻層5内に収縮巣欠陥9が
発生する。
鋳鉄系の外殻層は鋳造することができないため、この
ような収縮巣欠陥9を解消させることができない。従っ
て従来の鋳ぐるみ方式では、前述の問題点を解決するこ
とができない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明はこのような従来の問題点を解決し、外殻層と
芯材との境界が健全で、かつ強靱な芯材を備えた複合ロ
ールの鋳造方法およびその装置を提供することを目的と
する。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、上記問題解決の技術的手段として、回転自
在なロール鋳型内に芯材を同心に回転自在に保持し、該
鋳型と該芯材を回転させながら、前記鋳型内に溶湯を注
入してロールの外殻層を鋳造することを特徴とする。
さらに本発明の第2発明では、回転自在なロール鋳型
内に芯材を同心に回転自在に保持し、該鋳型と該芯材を
速度差をもたせて回転させながら、前記鋳型内に溶湯を
注入し、次いで前記芯材および鋳型を同期回転させてロ
ールの外殻層を鋳造することを特徴としている。
さらに上記方法を好適に実施することのできる本発明
の装置は、 (1) 鋳型内に同心に装入した芯材を回転させる芯材
回転装置と、 (2) 鋳型回転装置または芯材回転装置の回転抵抗を
検出する検出装置と、 (3) この検出装置の検出値により鋳型および芯材を
同期回転させる制御装置、 を備えたことを技術的特徴とする。
〔作用〕
本発明では、強靱な芯材を予め製作しておき、これを
外殻層溶湯で鋳ぐるむもので、最終凝固部の凝固収縮巣
欠陥の発生を防止するため、遠心鋳造を利用して押湯効
果を数十倍に高めることによって、健全な境界を有する
強靱な芯材を備えた複合ロールの製造を可能とするもの
である。
以上の目的を達成するために必要不可欠な要件は、次
の技術手段である。
外殻層鋳造用鋳型内に同心に回転自在に芯材を配
し、両者を同一軸上で回転させる。
鋳型と芯材との間隙に溶湯を満たして外殻層を形成
する。
さらに第2の発明では第1の発明に、 当初は速度差をもたせて芯材と鋳型を回転させてお
き、次いで同期回転させてロールの外殻層を形成する。
という手段を付加した。この付加手段により、芯材6と
外殻層との相対速度差による未凝固溶湯の撹拌効果が最
大となり、一層強固な結合が得られる。
次に本発明の装置は、鋳型回転装置または芯材回転装
置の回転抵抗を検出する装置を備えたことにより、注入
溶湯の凝固を検出し、最も適切なタイミングで鋳型回転
装置または心材回転装置を同期回転させ、強固で欠陥の
ない理想的な結合部を得る上記方法を自動的に実施する
ことができる。
本発明の構成と作用を第1図を参照しながらさらに詳
細に説明する。
外殻層を鋳造するための円筒状の鋳型1をモータ13、
ロール14で駆動し回転させる。鋳型1の内部に、芯材6
と鋳型1が同心になるように円柱状の芯材6を配設し、
芯材6をモータ15により回転させる。モータ15には、制
御装置20が付属しており、この制御装置20は、モータ15
の回転抵抗を検出する装置とモータ15の回転数を変化さ
せる制御装置とを含んでいる。
外殻層5の鋳造に当っては、芯材6と鋳型1との間隙
に、注入管10を介して、外殻層溶湯4を必要量注入す
る。
外殻層溶湯4は鋳型内で遠心力を受けて中空円筒状と
なり、芯材6と鋳型1との間隙を満たして外殻層5を形
成する。このとき間隙が溶湯で十分に満たされ、かつ押
湯11が必要量確保され、この押湯11が最終凝固位置とな
ることが肝要である。
溶湯4は鋳型1および芯材6に接する両面から半径方
向に凝固が進行する。凝固の進行に伴ない凝固収縮が起
こるが、遠心鋳造では100〜150G(G:重力加速度)の加
速度を発生させることが可能なため、例えば高さ5cmの
押湯でも、静置状態に換算すると、高さ5m〜7.5mの押湯
に相当する静鉄圧を得ることができる。その結果、その
優れた給湯性から、最終凝固部の収縮巣欠陥の発生を防
止することができ、健全な外殻層5を得ることができ
る。
外殻層5と芯材6との境界については、外殻層溶湯4
の鋳込時および鋳込直後に溶湯と接する芯材6の表層部
が再溶解された後、そこから凝固が進行するため、外殻
層5と芯材6とは冶金的に接合される。芯材6の表層部
の再溶解量の制御が重要であり、再溶解量が小さいと、
冶金的接合が不十分となる。逆に再溶解量が大きい場合
には、外殻層溶湯に芯材の成分が多量に混入する結果、
外殻層の材質が変化する恐れがある。
芯材の再溶解量には、外殻層溶湯および芯材の温度、
比熱、融点、融解熱が関与している。例えば単位面積の
芯材をΧmmだけ溶融させるには、 を満足するように外殻層溶湯の鋳込温度を設定する。た
だし、 η :経験から求まる効率(0<η<1) d :外殻層溶湯の厚み C :外殻層溶湯の比熱 C′:芯材の比熱 TC:外殻層溶湯の鋳込温度 H :芯材の凝固潜熱 TL:芯材の融点 T0:芯材の初期温度 である。
上式におて、ηは溶湯流動等が考慮されたパラメータ
であり、流動が激しいほどηは大きくなる。高融点の芯
材あるいは外殻層溶湯が少ない場合には、芯材の再溶解
量を確保するために、鋳型1と芯材6の回転速度に差を
つけることが有効である。これによって溶湯を強制撹拌
し、ηの値を大きくすることができる。
なお、鋳造後に熱膨張差による外殻層の割れを防止す
るために芯材は予熱しておくことが望ましい。
以上の構成によって、外殻層と芯材との境界が冶金的
に接合し、かつ強靱な芯材を有する複合ロールの製造が
可能になった。
〔実施例〕
実施例1 本発明による具体的実施例として、外殻層にニッケル
・グレン鋳鉄を用い、芯材に球状黒鉛鋳鉄を用いた複合
ロールに本発明を適用した結果を述べる。外殻層および
芯材の化学成分を第1表に示した。
ロールのサイズは胴径φ760mm、胴長2000mm、全長470
0mm、目標外殻層厚80mmである。
あらかじめ鋳造した球状黒鉛鋳鉄の芯材を胴径φ610m
mに加工し、鋳型内の所定位置にセットした。
鋳型内径と芯材外径との間隙は芯材の再溶解量と鋳造
後の外殻層加工代を考慮して85mmとした。
外殻層溶湯約3.6tを温度1350℃で鋳込んだ。鋳込時の
鋳型の回転速度は600rpm(約120G)、芯材の回転数は70
0rpmとした。鋳型と芯材の回転方向は同じ方向である。
鋳込から5分後に芯材の回転速度を600rpmに落とし、鋳
型と芯材の回転を同期させた。
胴部の溶湯厚みが85mmであるのに対し、押湯部の溶湯
厚みを約130mmにして凝固収縮に対して溶湯補給を行っ
た。この際の芯材の再溶解量は5〜7mmであった。
鋳込から40分後に鋳型、芯材の回転を停止し、型抜き
後、粗加工、熱処理、仕上げ加工を経てロールを作成し
た。胴端部におけるミクロ組織観察および胴外周からの
超音波探傷から外殻層内および外殻層と芯材との境界に
欠陥がないことが確認された。
実施例2 本発明を適用した他の例として、外殻層に高クロム鋳
鉄を用い、芯材に球状黒鉛鋳鉄を有する複合ロールに本
発明を適用した結果を述べる。
外殻層および芯材の化学組成は第2表に示す通りであ
る。ロールの形状は先の実施例1と同じである。鋳造方
法は、外殻層の鋳込温度を1430 ℃とした点を除いて、先に述べた実施例1の場合と同様
とした。その結果、外殻層と芯材との境界に欠陥のない
強靱な複合ロールを得ることができた。
〔発明の効果〕
以上のように本発明の複合ロール鋳造方法によれば、
次の効果がある。
1)芯材と外殻層を冶金的に接合することができる。
2)芯材に強靱な材料を使用することができる。
3)外殻層内に凝固収縮欠陥がない。
4)外殻層の凝固形態を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を好適に実施する装置の断面図、第2図
は従来の遠心鋳造による複合ロールの製造方法を示す説
明図、第3図は従来の鋳ぐるみ鋳造方法をロール製造に
適用した例を示す鋳型の縦断面図、第4図は第3図のA
−A矢視図である。 1……鋳型 4……外殻層溶湯 10……注入管 5……外殻層 6……芯材 11……押湯 13,15……モータ 9……凝固収縮巣 12……保温材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転自在なロール鋳型内に芯材を同心に回
    転自在に保持し、該鋳型と該芯材を回転させながら、前
    記鋳型内に溶湯を注入してロールの外殻層を鋳造するこ
    とを特徴とする複合ロールの鋳造方法。
  2. 【請求項2】回転自在なロール鋳型内に芯材を同心に回
    転自在に保持し、該鋳型と該芯材を速度差をもたせて回
    転させながら、前記鋳型内に溶湯を注入し、次いで鋳型
    及び芯材を同期回転させてロールの外殻層を鋳造するこ
    とを特徴とする複合ロールの鋳造方法。
  3. 【請求項3】回転自在な円筒形鋳型を備えた複合ロール
    の鋳造装置において、該鋳型内に同心に該装入した芯材
    を回転させる芯材回転装置と、鋳型回転装置または芯材
    回転装置の回転抵抗を検出する検出装置と、該検出装置
    の検出値により鋳型および芯材を同期回転させる制御装
    置とを備えたことを特徴とする複合ロールの鋳造装置。
JP14700087A 1987-06-15 1987-06-15 複合ロ−ルの鋳造方法およびその装置 Expired - Fee Related JPH084918B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105195704A (zh) * 2015-02-04 2015-12-30 镇江市丹徒区环宇轧辊厂 离心铸型复合式端盖及用其进行复合轧辊离心铸造的方法

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CN105195704A (zh) * 2015-02-04 2015-12-30 镇江市丹徒区环宇轧辊厂 离心铸型复合式端盖及用其进行复合轧辊离心铸造的方法

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