JPH084889A - 自動変速機の変速制御油圧回路 - Google Patents

自動変速機の変速制御油圧回路

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JPH084889A
JPH084889A JP13284494A JP13284494A JPH084889A JP H084889 A JPH084889 A JP H084889A JP 13284494 A JP13284494 A JP 13284494A JP 13284494 A JP13284494 A JP 13284494A JP H084889 A JPH084889 A JP H084889A
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JP
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friction element
pressure
circuit
flow path
path resistance
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JP13284494A
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Yoshiaki Kato
芳章 加藤
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 共通回路からの油圧で両摩擦要素の掛け替え
により行う変速に際し、締結側摩擦要素の排油弁が高回
転域で閉じ遅れを生じても、開放側摩擦要素の開放圧が
上昇遅れを生ずることのないようにする。 【構成】 ブレーキB/Bを圧力PR で開放させると共
に、クラッチH/Cを圧力PH で締結させることにより
行う2→3変速に際し、コントローラ22は、排油弁を
内蔵したクラッチH/Cの回転数をエンジン回転数Ne
から検出し、これが設定回転数以上の時、差分に応じた
駆動デューティDにより電磁弁21を介しバイパス弁1
8を開度増大させる。かくて回路14の流路抵抗が、上
記排油弁の高回転時の閉じ遅れ分を含む回路15の流路
抵抗よりも小さくされ、ブレーキB/BがクラッチH/
Cの締結に対し遅れるのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の変速制御を
司どる変速制御油圧回路の改良に関するものである。
【0002】自動変速機は、例えば、特開昭55−13
5255号公報に記載されているように、複数のクラッ
チやブレーキ等の摩擦要素を選択的に油圧作動により締
結させて対応する変速段を選択し、締結する摩擦要素の
変更により他の変速段への変速を行うよう構成するのが
普通である。
【0003】従って、自動変速機にあっては、締結状態
の或る摩擦要素を開放圧の供給により開放させると共
に、開放状態の他の摩擦要素を締結圧の供給で締結させ
ることにより、つまり2個の摩擦要素の掛け替えにより
発生する変速が存在し、上記文献に記載の自動変速機に
おいては、締結状態のバンドブレーキを開放圧の供給に
より開放させると共に、開放状態のハイクラッチを締結
圧の供給により締結させて行う、2速から3速への2→
3アップシフト変速が当該変速に相当する。ここで、バ
ンドブレーキが上記の或る摩擦要素に、またハイクラッ
チが上記他の摩擦要素にそれぞれ対応する。
【0004】ところで、かかる両摩擦要素の掛け替えに
よる変速においては、上記のハイクラッチがそうである
ように、上記他の摩擦要素がそれ自体全体的に回転し、
この回転に伴いクラッチ作動ピストンの油室内に発生し
た遠心圧を排除するために排油弁を内蔵している場合、
この排油弁が図6に示す以下の如きものであることか
ら、また上記開放圧および締結圧を共通回路からの分岐
回路を経由して供給するようにするのが常套であること
から、後述の問題を生ずる。
【0005】ここで、図6におけるハイクラッチH/C
およびこのハイクラッチに内蔵させた排油弁1を概略説
明する。ハイクラッチH/Cは、クラッチ作動ピストン
2の油室3内に締結圧が供給されない間、クラッチ作動
ピストン2がリターンスプリング4により図示の非作動
位置にされて、クラッチ板5間を押圧しないため、開放
状態となる。油室3内に締結圧が供給されると、クラッ
チ作動ピストン2がリターンスプリング4に抗して図示
の非作動位置から右行され、クラッチ板5間を押圧する
ため、ハイクラッチH/Cは締結状態となる。
【0006】ところでハイクラッチH/Cは、それ自体
が全体的に回転しており、油室3内の残油に遠心力が作
用してこれにともなう遠心圧が発生する。この遠心圧は
ピストン2をしてリターンスプリング4に抗する方向へ
付勢し、遂にはピストン2をリターンスプリング4に抗
してストロークさせることとなり、ハイクラッチH/C
の油室3に締結圧が供給されていないにもかかわらず、
ハイクラッチH/Cを引き摺り状態にし、その耐久性を
低下させる。
【0007】排油弁1はこの問題を解消することを狙っ
て、ハイクラッチH/Cの回転に伴う遠心力により開か
れるようピストン2に内蔵されたもので、以下の如くに
作用する。つまり排油弁1は、油室3内に締結圧が供給
されない間、ハイクラッチH/Cの回転に伴う遠心力に
より開かれて、油室3内の残油を排除し、これにより遠
心圧の発生を抑制することで、遠心圧によるハイクラッ
チH/Cを引き摺り状態を回避することを狙いとする。
しかして油室3内に締結圧が供給される間は、排油弁1
はハイクラッチH/Cの回転に伴う遠心力を受けても、
締結圧により閉状態を保ち、ハイクラッチH/Cの締結
を基本的には妨げない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、排油弁1に作
用する遠心力は、排油弁1を構成するボール弁体の質量
をm、該弁体の回転半径を図6に示すようにR、ハイク
ラッチH/Cの回転角速度をωとすると、mRω2 で表
され、従ってこの遠心力に抗してなされる排油弁1の閉
弁に必要な閉弁圧はハイクラッチH/Cの回転数(ここ
ではエンジン回転数Neに等しい)に関して図7に示す
ごとく2次曲線的に上昇する。このことから、バンドブ
レーキを開放圧の供給により開放させると共にハイクラ
ッチH/Cを締結圧の供給により締結させる、いわゆる
摩擦要素の掛け替えによって行うべき前記2→3変速に
際し、上記開放圧および締結圧を共通回路からの分岐回
路を経由して供給する回路構成にするのが常套であるこ
ととも相俟って、以下の問題を生ずる。
【0009】つまり、ハイクラッチH/Cにおけるリタ
ーンスプリングばね力の油圧換算値を図7に併記すると
Psで示す如くに表され、これに対応するハイクラッチ
回転数(エンジン回転数)をN1 とすると、当該N1
満の低回転域では排油弁1の閉弁圧がPs未満の小さな
値であるため、ハイクラッチ作動油室3への締結圧が上
昇過渡期においてPsに達する前に排油弁閉弁圧を越
え、排油弁1を閉じた後にハイクラッチH/Cを締結さ
せることとなって、問題はない。しかし、N1 以上の高
回転域では排油弁1の閉弁圧が図7に示すようにPs以
上の大きな値であるため、ハイクラッチ作動油室3への
締結圧が上昇過渡期においてPsに達し、ハイクラッチ
H/Cを締結させる時に、未だ排油弁閉弁圧に到達せ
ず、従って排油弁1がこの時まだ閉じ得ないこととな
る。このことは、バンドブレーキの開放圧およびハイク
ラッチH/Cの締結圧を共通回路からの分岐回路を経由
して供給する回路構成に起因して、排油弁1がバンドブ
レーキ開放圧の上昇を遅らせることに繋がり、結果とし
てバンドブレーキの開放遅れを惹起する。
【0010】かかる高回転域での現象を図8のタイムチ
ャートにより説明する。瞬時t1 での2→3変速指令に
呼応してハイクラッチ締結圧PH の上昇によるハイクラ
ッチH/Cの締結は通常通りになされるものの、上記し
た理由でバンドブレーキ開放圧PR の上昇が図8の破線
で示すように遅れ、その結果としてバンドブレーキの開
放が遅れると、バンドブレーキが開放する前にハイクラ
ッチH/Cが締結され、これら双方が締結する期間が長
くなる。この期間中は、自動変速機が所謂インターロッ
ク状態となり、同図の変速機出力トルク波形から明らか
なようにトルクの大きな引き込みT2 を生じ、変速ショ
ックが大きくなるといった問題を発生する。加えて、上
記の現象はハイクラッチH/Cのクラッチ板5を激しく
摺動させ、耐久性の点でも甚だ不利益をもたらす。
【0011】本発明は、高回転域で排油弁が閉じ遅れを
生じても、開放すべき摩擦要素の開放圧が上昇遅れを生
ずることのないよう、上記型式の変速制御油圧回路を改
良して、上述の問題を解消することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
による自動変速機の変速制御油圧回路は、締結状態の或
る摩擦要素を開放圧の供給により開放させると共に、遠
心力により開かれる遠心圧排除用の排油弁を内蔵した、
それ自体が回転する他の摩擦要素を、締結圧の供給によ
り締結させることにより、特定の変速を行うようにし、
前記開放圧および締結圧を共通回路からの分岐回路を経
由して供給するようにした自動変速機において、前記他
の摩擦要素の回転数に応じ、この回転数が設定回転数以
上である間、前記或る摩擦要素に係わる開放圧供給分岐
回路の流路抵抗を、前記他の摩擦要素に係わる締結圧供
給分岐回路の流路抵抗よりも小さくさせる流路抵抗変更
手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】また第2発明による自動変速機の変速制御
油圧回路においては、前記流路抵抗変更手段を、前記或
る摩擦要素に係わる開放圧供給分岐回路に並列的に設け
た開度制御可能なバイパス弁と、このバイパス弁を前記
他の摩擦要素の回転数に応じて電子制御する電子制御系
とで構成する。
【0014】更に第3発明による自動変速機の変速制御
油圧回路においては、前記流路抵抗変更手段を、前記或
る摩擦要素に係わる開放圧供給分岐回路に並列的に設け
た開度制御可能なバイパス弁で構成し、このバイパス弁
は車速対応のガバナ圧に応動して、このガバナ圧が前記
他の摩擦要素の前記設定回転数以上の高回転に対応した
圧力である間、前記或る摩擦要素に係わる開放圧供給分
岐回路の流路抵抗を、前記他の摩擦要素に係わる締結圧
供給分岐回路の流路抵抗よりも小さくする開度制御を行
うよう構成する。
【0015】また第4発明による自動変速機の変速制御
油圧回路においては、前記他の摩擦要素に係わる設定回
転数は、前記排油弁の閉弁圧が前記他の摩擦要素に係わ
るリターンスプリング力の油圧換算値になる時の回転数
であるよう決定する。
【0016】第5発明による自動変速機の変速制御油圧
回路においては、前記他の摩擦要素の回転数の増加に応
じて前記或る摩擦要素に係わる開放圧供給分岐回路の流
路抵抗減少度合いを大きくするよう構成する。
【0017】
【作用】第1発明において自動変速機は、共通回路から
の分岐回路を経由して或る摩擦要素に開放圧を、また他
の摩擦要素に締結圧をそれぞれ供給し、これらにより、
締結状態の或る摩擦要素を開放させると共に、他の摩擦
要素を締結させて、特定の変速を行う。なお、他の摩擦
要素に内蔵させた排油弁は、該摩擦要素の締結前の非作
動中、当該摩擦要素の回転に伴う遠心力により開かれ、
遠心圧を排除することにより、該摩擦要素の引き摺りを
防止する作用をなす。
【0018】ここで流路抵抗変更手段は前記他の摩擦要
素の回転数に応じ、この回転数が設定回転数以上である
間、前記或る摩擦要素に係わる開放圧供給分岐回路の流
路抵抗を、前記他の摩擦要素に係わる締結圧供給分岐回
路の流路抵抗よりも小さくする。これにより、当該高回
転域で上記の排油弁が前記の理由で閉じ遅れを生じて
も、開放すべき摩擦要素の開放圧が上昇遅れを生ずるこ
とがなくなり、従って上記の両摩擦要素が共に締結する
期間が長くなって、自動変速機がインターロック状態に
よりトルクの大きな引き込みを生ずるといった弊害をな
くすことができると共に、上記両摩擦要素の激しいスリ
ップにより耐久性が悪くなるいった弊害もなくし得る。
【0019】なお第2発明のように、上記流路抵抗変更
手段を、上記或る摩擦要素に係わる開放圧供給分岐回路
に並列的に設けた開度制御可能なバイパス弁と、このバ
イパス弁を前記他の摩擦要素の回転数に応じて電子制御
する電子制御系とで構成する場合、電子制御故に制御の
自由度を高めて汎用性を向上させることができる。
【0020】また第3発明のように、上記流路抵抗変更
手段を、上記或る摩擦要素に係わる開放圧供給分岐回路
に並列的に設けた開度制御可能なバイパス弁で構成し、
このバイパス弁は車速対応のガバナ圧に応動して開度制
御を行い、当該ガバナ圧が上記他の摩擦要素の上記設定
回転数以上の高回転に対応した圧力である間、上記或る
摩擦要素に係わる開放圧供給分岐回路の流路抵抗を、上
記他の摩擦要素に係わる締結圧供給分岐回路の流路抵抗
よりも小さくするような構成とする場合、電子制御に頼
らない安価な構成で同様の作用効果を奏し得ることとな
り、コスト上有利である。
【0021】更に第4発明ように、上記他の摩擦要素に
係わる設定回転数をして、前記排油弁の閉弁圧が前記他
の摩擦要素に係わるリターンスプリング力の油圧換算値
になる時の回転数であるよう決定する場合、上記或る摩
擦要素に係わる開放圧供給分岐回路の流路抵抗減少開始
域を、排油弁の実際の前記閉じ遅れに符合させることと
なって、前記の作用効果を一層確実なものにすることが
できる。
【0022】また第5発明のように、上記他の摩擦要素
の回転数の増加に応じて上記或る摩擦要素に係わる開放
圧供給分岐回路の流路抵抗減少度合いを大きくする構成
にする場合、当該流路抵抗減少度合いが実情にマッチし
た過不足のないものとなり、前記の作用効果を一層確実
なものにすることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は、前記文献に記載された前進4速の自
動変速機に対して本発明の改良をなした変速制御油圧回
路の一実施例を示し、この図では、当該自動変速機にお
ける摩擦要素のうち、フォワードクラッチF/C、本発
明の要部に係わって或る摩擦要素に相当するバンドブレ
ーキB/B、および本発明の要部に係わって他の摩擦要
素に相当する図6に明示したハイクラッチH/Cの油圧
回路部分のみを示す。
【0024】ここで、上記の油圧回路部分は自動変速機
のコントロールバルブ11に内蔵され、フォワードクラ
ッチ締結圧回路12と、バンドブレーキ締結圧回路13
と、バンドブレーキ開放圧回路14と、ハイクラッチ締
結圧回路15とを具える。そして、フォワードクラッチ
締結圧回路12中には通常通りにワンウエイオリフィス
16を挿入し、バンドブレーキ開放圧回路14中には、
これに挿入したオリフィス17に並列的にバイパス弁1
8を接続し、ハイクラッチ締結圧回路15中には通常通
りにオリフィス19を挿入する。なお、バンドブレーキ
開放圧回路14およびハイクラッチ締結圧回路15は、
共通回路20から夫々分岐させ、従ってバンドブレーキ
開放圧回路14は開放圧供給分岐回路に相当し、ハイク
ラッチ締結圧回路15は締結圧供給分岐回路に相当す
る。
【0025】バイパス弁18は、本発明における流路抵
抗変更手段の要部を構成するもので、スプール18aを
具え、このスプール18aは常態でばね18bにより図
示の位置に弾支されてポート18c,18d間を完全に
連通させ、室18eにばね18bと対抗する制御圧PC
を供給される時この圧力が高くなるのにつれてポート1
8c,18d間の連通度合いを減少させるものとする。
【0026】ここで制御圧PC は、以下の電子制御系に
より決定するものとする。つまり、電磁弁21を室18
eに接続して設け、この電磁弁21は入力ポート21
a、出力ポート21b、ドレンポート21cを有し、入
力ポート21aに一定のパイロット圧Pp を常時供給
し、出力ポート21b を18eに接続する。電磁弁21
にはボール弁体21dを内蔵させ、このボール弁体21
dはポート21aからのパイロット圧Pp による図中下
向きの動圧と、ソレノイド21eの付勢による図中上向
きの電磁力とを対抗して受けることにより位置を決定さ
れ、結果としてソレノイド21eの電磁力に応じ、これ
が大きくなるほど低くなる制御圧PC をポート21bか
ら室18eに供給させるよう機能するものとする。
【0027】ソレノイド21eの上記電磁力は、該ソレ
ノイドの駆動デューティDが大きくなるほど大きくな
り、駆動デューティDはコントロールバルブ11用の変
速制御コントローラ22により決定する。ここで、コン
トローラ22には、通常の変速制御用に車速Vを検出す
る車速センサ23からの信号、およびエンジンスロット
ル開度THを検出するスロットル開度センサ24からの
信号を入力するが、その他に本発明の目的のために、エ
ンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ25か
らの信号を入力する。
【0028】上記実施例の作用を次に説明する。まず通
常の変速制御を説明するに、コントローラ22は上記の
入力情報のうち、車速Vおよびスロットル開度THをも
とに図示せざる制御プログラムを実行して好適変速段を
決定し、これが達成されるようコントロールバルブ11
内の図示せざるシフトソレノイドを選択的に付勢させ
る。ここで好適変速段が第1速である場合、回路12を
経て締結圧が供給され、フォワードクラッチF/Cを締
結させるが、それ以外の摩擦要素が締結されないため、
自動変速機は第1速を選択した状態になる。
【0029】好適変速段が第2速になった場合、回路1
3にも締結圧が供給されるようになり、この回路を経て
締結圧がバンドブレーキB/Bのサーボアプライ室S/
Aに供給されて、このバンドブレーキB/Bを締結させ
る。ここでフォワードクラッチF/Cが締結状態を保つ
ため、自動変速機は第1速から第2速を選択した状態に
切り換わり、1→2変速を行う。
【0030】好適変速段が第3速になった場合、共通回
路20にも圧力が供給されるようになり、この圧力は、
一方で回路15およびオリフィス19を経てハイクラッ
チH/Cに至り、ハイクラッチ締結圧PH を発生させて
このハイクラッチH/Cを締結させ、他方で回路14お
よびオリフィス17を経てバンドブレーキB/Bのサー
ボレリーズ室S/Rに至り、バンドブレーキ開放圧PR
を発生させてこのバンドブレーキB/Bを開放させる。
ここでフォワードクラッチF/Cが締結状態を保ってお
り、自動変速機はバンドブレーキB/Bからハイクラッ
チH/Cへの掛け替えにより第2速から第3速を選択し
た状態に切り換わり、2→3変速を行うことができる。
【0031】なお、第4速への変速に関しては、この発
明と関係ないため、説明を省略することとする。
【0032】かかる摩擦要素の掛け替えにより行う2→
3変速に際し、ハイクラッチH/Cが図6につき前述し
た通りそれ自体回転し、且つ排油弁1を内蔵するため、
自動変速機はハイクラッチH/Cの高回転時に本来なら
図7および図8につき前述した問題、つまりハイクラッ
チH/Cの締結に対しバンドブレーキB/Bの開放が遅
れて、大きなトルクの引き込みに起因した変速ショッ
ク、およびハイクラッチH/Cの耐久性に関する問題を
生ずるが、この問題が本例では以下のように解消され
る。
【0033】この目的のため本例では、コントローラ2
2が図2の制御プログラムを実行して電磁弁21の駆動
デューティDを決定するようになす。ステップ31で2
→3変速か否かを、またステップ33で、ステップ32
における読み込みエンジン回転数Neが図7につき前述
した設定回転数N1 以上か否かを判別する。2→3変速
以外であったり、Ne<N1 であれば、上記の問題を生
ずることがないから、ステップ34で駆動デューティD
を0%にする。この場合、電磁弁21は制御圧PC をパ
イロット圧Pp と同じ最高値にし、これをバイパス弁1
8の室18eに供給する。この時バイパス弁18は、ス
プール18aがばね18bに抗して図1の左半部により
示す限界位置までストロークされることから、遮断状態
となり、回路14の連通度をオリフィス17のみにより
決定された通常通りのものとする。
【0034】ステップ31で2→3変速であると判別
し、且つステップ33でNe≧N1 であると判別する場
合、前記の問題を発生することから、ステップ33にお
いて図3のテーブルデータに基づき、差値Ne−N1
応じた電磁弁駆動デューティDをテーブルルックアップ
方式により求め、これをステップ36で電磁弁ソレノイ
ド21eに出力する。これにより電磁弁21は、バイパ
ス弁18の室18eへの制御圧PC を、Ne−N1 で表
される差値が大きくなるにつれて低下させる。かくてバ
イパス弁18は、Ne−N1 が大きくなるにつれて、ス
プール18aをばね18bにより図1の左半部位置から
右半部位置へと戻されることとなり、ポート18C およ
び18d 間の連通度を大きくする。これにより回路14
の連通度が、オリフィス17の開口面積とバイパス弁1
8の開度との和値により決定されることとなり、結果と
して回路14の流路抵抗を、閉じ遅れた排油弁1の開度
を含む回路15の流路抵抗よりも小さくすることができ
る。
【0035】図7にN1 で示す設定回転数以上の高回転
時の2→3変速に際し、上記の制御を実行すれば、図7
につき前述した如くハイクラッチH/Cの締結時に未だ
排油弁1(図6参照)が閉じ得ていなくても、この開い
たままの排油弁1を含む回路15の流路抵抗よりも回路
14の流路抵抗を確実に小さくすることができることか
ら、回路14の流路抵抗で決まるバンドブレーキB/B
の開放を速やかに行わせ得て、この開放が遅れていたた
め生じていた前記の問題を解消することができる。
【0036】この事実を図4のタイムチャートにより付
言する。瞬時t1 での2→3変速指令に呼応してハイク
ラッチ締結圧PH の上昇によるハイクラッチH/Cの締
結は通常通りになされる。ここで電磁弁21には図4に
示す如くに駆動デューティDが供給され、これにより回
路14の流路抵抗が回路15に係わる流路抵抗よりも小
さくされることから、バンドブレーキ開放圧PR の上昇
が従来のように遅れることがなく、バンドブレーキ開放
圧PR を図4の破線で示すように、速やかに上昇させる
ことができる。その結果として、バンドブレーキB/B
およびハイクラッチH/Cの双方が締結されているイン
ターロック期間が短くなり、同図の変速機出力トルク波
形から明らかなようにトルクの引き込みをT1 で示す如
き小さなものにして、前記変速ショックの問題を解消す
ることができる。加えて上記の制御は、ハイクラッチH
/Cにおけるクラッチ板5(図6参照)の摺動を減じ、
その耐久性を向上させることにもなる。
【0037】なお上述の例では、ハイクラッチH/Cの
回転数(エンジン回転数Ne)が設定回転数N1 以上で
あるのを検出して、上記の制御を電子的に行う構成とし
たが、ハイクラッチH/Cの回転数(エンジン回転数N
e)と車速Vとの間には変速機のギヤ比を介して一定の
関係が成立することから、車速をモニタして上記の制御
を行うようにすることも可能である。
【0038】ところでこの場合、自動変速機においては
車速Vに対応したガバナ圧PG を作り易いため、または
当該ガバナ圧PG が既に存在していることから、バイパ
ス弁18の室18eに直接ガバナ圧PG を印加して上記
の作用が得られるようにするのが有利である。この場
合、前述の例におけるような高価な電子制御系が不要と
なり、低廉化を実現することができる。
【0039】
【発明の効果】かくして第1発明による自動変速機の変
速制御油圧回路は、請求項1に記載の如く、締結状態の
或る摩擦要素を開放圧の供給により開放させると共に、
回転する他の摩擦要素を締結圧の供給で締結させること
により行う変速に際し、上記他の摩擦要素の回転数が設
定回転数以上の高回転域である間、流路抵抗変更手段に
より上記或る摩擦要素に係わる開放圧供給分岐回路の流
路抵抗を、上記他の摩擦要素に係わる締結圧供給分岐回
路の流路抵抗よりも小さくする構成としたから、当該高
回転域で上記他の摩擦要素における排油弁が前記の理由
で閉じ遅れを生じても、開放すべき上記或る摩擦要素の
開放圧が上昇遅れを生ずることがなくなり、従って上記
の両摩擦要素が共に締結する期間が長くなって自動変速
機のインターロック状態によりトルクの大きな引き込み
を生ずるといった弊害をなくすことができると共に、上
記両摩擦要素の激しいスリップにより耐久性が悪くなる
いった弊害もなくし得る。
【0040】なお請求項2に記載された第2発明のよう
に、上記流路抵抗変更手段を、上記或る摩擦要素に係わ
る開放圧供給分岐回路に並列的に設けた開度制御可能な
バイパス弁と、このバイパス弁を前記他の摩擦要素の回
転数に応じて電子制御する電子制御系とで構成する場
合、電子制御故に制御の自由度を高めて汎用性を向上さ
せることができる。
【0041】また請求項3に記載された第3発明のよう
に、上記流路抵抗変更手段を、上記或る摩擦要素に係わ
る開放圧供給分岐回路に並列的に設けた開度制御可能な
バイパス弁で構成し、このバイパス弁は車速対応のガバ
ナ圧に応動して開度制御を行い、当該ガバナ圧が上記他
の摩擦要素の上記設定回転数以上の高回転に対応した圧
力である間、上記或る摩擦要素に係わる開放圧供給分岐
回路の流路抵抗を、上記他の摩擦要素に係わる締結圧供
給分岐回路の流路抵抗よりも小さくするような構成とす
る場合、電子制御に頼らない安価な構成で同様の作用効
果を奏し得ることとなり、コスト上有利である。
【0042】更に請求項4に記載された第4発明よう
に、上記他の摩擦要素に係わる設定回転数をして、前記
排油弁の閉弁圧が前記他の摩擦要素に係わるリターンス
プリング力の油圧換算値になる時の回転数であるよう決
定する場合、上記或る摩擦要素に係わる開放圧供給分岐
回路の流路抵抗減少開始域を、排油弁の実際の前記閉じ
遅れに符合させることとなって、前記の作用効果を一層
確実なものにすることができる。
【0043】また請求項5に記載された第5発明のよう
に、上記他の摩擦要素の回転数の増加に応じて上記或る
摩擦要素に係わる開放圧供給分岐回路の流路抵抗減少度
合いを大きくする構成にした場合、当該流路抵抗減少度
合いが実情にマッチした過不足のないものとなり、前記
の作用効果を一層確実なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動変速機の変速制御油圧回路を
例示する要部の油圧回路図である。
【図2】同例における変速制御コントローラが実行する
バンドブレーキ開放圧供給回路に関した流路抵抗制御プ
ログラムのフローチャートである。
【図3】同制御において用いる電磁弁駆動デューティの
特性図である。
【図4】同制御による動作タイタイムチャートである。
【図5】本発明の他の例を示すバイパス弁の断面図であ
る。
【図6】排油弁を内蔵したハイクラッチを示す自動変速
機の要部断面図である。
【図7】排油弁の閉弁圧変化特性を示す線図である。
【図8】従来の変速制御油圧回路による動作タイタイム
チャートである。
【符号の説明】
B/B バンドブレーキ( 或る摩擦要素) H/C ハイクラッチ( 他の摩擦要素) 1 排油弁 2 ピストン 4 リターンスプリング 5 クラッチ板 11 コントロールバルブ 13 バンドブレーキ締結圧回路 14 バンドブレーキ開放圧回路 15 ハイクラッチ締結圧回路 17 オリフィス 18 バイパス弁 19 オリフィス 20 共通回路 21 電磁弁 22 変速制御コントローラ 23 車速センサ 24 スロットル開度線センサ 25 エンジン回転センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締結状態の或る摩擦要素を開放圧の供給
    により開放させると共に、遠心力により開かれる遠心圧
    排除用の排油弁を内蔵した、それ自体が回転する他の摩
    擦要素を、締結圧の供給により締結させることにより、
    特定の変速を行うようにし、前記開放圧および締結圧を
    共通回路からの分岐回路を経由して供給するようにした
    自動変速機において、 前記他の摩擦要素の回転数に応じ、この回転数が設定回
    転数以上である間、前記或る摩擦要素に係わる開放圧供
    給分岐回路の流路抵抗を、前記他の摩擦要素に係わる締
    結圧供給分岐回路の流路抵抗よりも小さくさせる流路抵
    抗変更手段を設けたことを特徴とする自動変速機の変速
    制御油圧回路。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記流路抵抗変更手
    段は、前記或る摩擦要素に係わる開放圧供給分岐回路に
    並列的に設けた開度制御可能なバイパス弁と、このバイ
    パス弁を前記他の摩擦要素の回転数に応じて電子制御す
    る電子制御系とで構成したものであることを特徴とする
    自動変速機の変速制御油圧回路。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記流路抵抗変更手
    段は、前記或る摩擦要素に係わる開放圧供給分岐回路に
    並列的に設けた開度制御可能なバイパス弁で構成し、こ
    のバイパス弁は車速対応のガバナ圧に応動して、このガ
    バナ圧が前記他の摩擦要素の前記設定回転数以上の高回
    転に対応した圧力である間、前記或る摩擦要素に係わる
    開放圧供給分岐回路の流路抵抗を、前記他の摩擦要素に
    係わる締結圧供給分岐回路の流路抵抗よりも小さくする
    開度制御を行うよう構成したことを特徴とする自動変速
    機の変速制御油圧回路。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記他の摩擦要素に係わる設定回転数は、前記排油
    弁の閉弁圧が前記他の摩擦要素に係わるリターンスプリ
    ング力の油圧換算値になる時の回転数であるよう決定し
    たことを特徴とする自動変速機の変速制御油圧回路。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前記他の摩擦要素の回転数の増加に応じて前記或る
    摩擦要素に係わる開放圧供給分岐回路の流路抵抗減少度
    合いを大きくするよう構成したことを特徴とする自動変
    速機の変速制御油圧回路。
JP13284494A 1994-06-15 1994-06-15 自動変速機の変速制御油圧回路 Pending JPH084889A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6270273B1 (en) 1998-03-02 2001-08-07 Suzuno Kasei Kabushiki Kaisha Liquid cosmetic container
CN112413110A (zh) * 2019-12-30 2021-02-26 盛瑞传动股份有限公司 一种自动变速器快速充油阶段充油时间的控制方法

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