JPH0848136A - 自動車用空気調和装置 - Google Patents

自動車用空気調和装置

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JPH0848136A
JPH0848136A JP18590594A JP18590594A JPH0848136A JP H0848136 A JPH0848136 A JP H0848136A JP 18590594 A JP18590594 A JP 18590594A JP 18590594 A JP18590594 A JP 18590594A JP H0848136 A JPH0848136 A JP H0848136A
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JP
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cooling water
pipe
port
heater core
air
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JP18590594A
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English (en)
Inventor
Tomoko Hosoi
智子 細井
Toshiharu Watanabe
年春 渡辺
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアーミックスドアを用いずに、いわゆるバ
イレベルモードで車室内空調を行う。 【構成】 冷却水の流路を三方弁を用いて選択すること
により、ヒータコア内における冷却水の流動領域を変化
させている。例えば、領域bの部分のみに冷却水を流す
ようにすると、領域aにはエンジン冷却水系Eから新た
な冷却水が送り込まれることがないので、この領域を通
過しても空気は暖められない。このように、ヒータコア
を通過した空気には、その通過位置によって、冷たいも
のと暖かいものとが存在する。このうち冷たい空気をベ
ント口に、そして暖かい空気をフット口に導くと、いわ
ゆるバイレベルモードの空調となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファンにより導入され
た空気を、エンジン冷却水が循環するヒータコアに導
き、このヒータコアにおいて熱交換により所定温度にす
る自動車用空気調和装置に関し、詳しくは、ヒータコア
内の冷却水路長およびヒータコア内を流れる冷却水の流
れの向きを、必要に応じて可逆させるものに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用空気調和装置には、空気の温度
を制御する方式として、エアーミックス方式とリヒート
方式がある。エアーミックス方式は、図4に示すよう
に、エバポレータ1により冷却された空気をエアーミッ
クスドア2により適宜配分し、その全部あるいは一部を
高温のエンジン冷却水(以下、冷却水)が内部を流れる
ヒータコア3に導き、ここで熱交換して加熱し、エアー
ミックスチャンバ4においてミックスして所望の温度に
調整した後に、いわゆるデフロスト口5、フット口6あ
るいはベント口7から各ダクトを介して車室内に配風す
る方式である。
【0003】また、図4において実線で示される位置に
エアーミックスドア2を位置させ、ヒータコア3側のフ
ット口6とバイパス通路8側のベント口7を図示されな
いドアにより適度に開口させると、ヒータコア3を通過
する空気は所定の温度に暖められ、バイパス通路8を通
り抜ける空気はエバポレータ1において冷やされた状態
のままであるので、暖かい空気を足元つまりフット口6
に配風すると共に冷たい空気をベント口7に配風するこ
とにより、いわゆるバイレベルモードと呼ばれるモード
で車室内の空調を行うことができる。
【0004】他方、リヒート方式は、図5に示すよう
に、エバポレータ1により冷却された空気全部をヒータ
コア3に導き、ここで高温のエンジン冷却水と熱交換し
て加熱し、前記同様にして車室内に配風する方式であ
る。このリヒート方式の温度制御は、ヒータコア3内を
流れるエンジン冷却水の流量を制御する方式とエンジン
冷却水の温度を制御する方式がある。このリヒート方式
は、エアーミックス方式に比し、エアーミックスチャン
バ4を必要としない分スペース的に有利となり、ヒータ
コア3の大型化により通気抵抗も低減できるという利点
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リヒー
ト方式では、エンジン冷却水の流量を制御する方式とエ
ンジン冷却水の温度を制御する方式のいずれの方式であ
っても、いわゆるバイレベルモードを設定できない。し
たがって、バイレベルモードで車室内空調を行おうとす
ると、基本的にはエアーミックス方式を採用せざるを得
なかった。
【0006】また、前述したリヒート方式やエアーミッ
クス方式のいずれを使用しても、ヒータコアの特性上、
ヒータコアから吹き出される空気の温度が、常に安定し
た状態とはならないというのが実情である。
【0007】つまり、前記いずれの方式であっても、冷
却水はヒータコア3内を一方向的に流しつつ空気と熱交
換するようになっているので、ヒータコア3内に流入し
た当初の冷却水のように高温であれば、ヒータコアと熱
交換した後に吹き出される空気はかなり高温の空気とな
るが、この冷却水は、ヒータコア内を流通している間に
次第に温度低下するので、ヒータコアの出口部分では相
当温度低下した冷却水と熱交換することになる。したが
って、ヒータコアの入口部分と出口部分を流通する空気
では、熱交換した後の温度が相違し、ヒータコアから吹
き出される空気の温度がヒータコアの全体で安定しない
ことになる。
【0008】この結果、例えば、ヒータコアで熱交換し
た後の空気を左右に分けて配風すれば、左右の座席で温
度差が生じるという不具合がある。
【0009】特に、Uターン式のヒータコア、つまり、
ヒータコア内を流通する高温冷却水が、入口側部分から
出口部分に至る間で1回あるいは複数回Uターンして流
れるようにしたものでは、冷却水が流れる経路が長くな
る分、冷却水は長時間にわたり空気と熱交換作用を行な
うことになるので、ヒータコアから吹き出される空気の
温度の不均一性はさらに助長されることになる。ただ、
冷却水がヒータコア内を流れる流量によっては、空気温
度の不均一性がある程度緩和されるものの、流量を増加
させるには、エンジンのポンプを大型化するか別途循環
用のポンプを設置しなければならず、構造が複雑化する
虞れがある。
【0010】そこで、本願発明者らは、リヒート方式の
構造を採用したままいわゆるバイレベルモードで車室内
空調を行い得るよう研究すると共に、方式の如何を問わ
ず、また冷却水の流量あるいは温度状態等のような種々
の条件如何を問わず、ヒータコアから吹き出される空気
の温度が常に安定した状態となるように鋭意研究した。
【0011】この結果、ヒータコアとして実質的に機能
する面積を適宜変化させることにより、いわゆるバイレ
ベルモードを有するリヒート方式の本発明に係る自動車
用空気調和装置を完成するに至った。また、吹出空気の
温度の安定化については、ヒータコア内を流通する冷却
水が一方向的に流されていることに着目し、ヒータコア
内を流れるエンジン冷却水を必要に応じて可逆的に流す
ことにより、ヒータコアから吹き出される空気の温度
が、ヒータコア全面にわたり常に安定した状態となるよ
うにした本発明に係る自動車用空気調和装置を完成する
に至ったのである。
【0012】本発明の第1の目的は、リヒート方式の自
動車用空気調和装置にいわゆるバイレベルモードを設定
し得るようにすることである。また第2の目的は、空気
の温度制御方式あるいは冷却水の流れ状態の如何を問わ
ず、簡単に構成でヒータコアから吹き出される空気の温
度を、ヒータコア全面にわたり常に安定させることであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、エンジン冷却水系と配管を介して閉回路を
形成するように連通されかつ前記エンジン冷却水系から
の冷却水が入口から出口に至る間に、少なくとも1回U
ターンして流れるようにしたヒータコアを有し、該ヒー
タコアにより熱交換された空気を複数の吹出口から車室
内に吹き出すようにした自動車用空気調和装置におい
て、前記エンジン冷却水系の冷却水吐出部に、前記ヒー
タコアの冷却水出入口のいずれか一方となる第1ポート
を、第1配管を介して連通し、前記エンジン冷却水系の
冷却水帰還部に、前記ヒータコアの冷却水出入口のいず
れか他方となる第2ポートと第3ポートの両ポートを、
当該それぞれのポートに連通する分岐管と当該両分岐管
の合流部と前記冷却水帰還部とを連通する主管とからな
る第2配管を介して連通し、前記合流部に、前記冷却水
帰還部に連通するポートを選択するポート選択手段を取
り付け、前記第1配管と前記第2配管の主管の流路中
に、前記冷却水吐出部からの冷却水を前記第1ポート又
は前記合流部のいずれか一方に導くと共に前記第1ポー
トと前記合流部のいずれか他方から流出した冷却水を前
記冷却水帰還部に導くように切換える流路切換手段を取
り付けたことを特徴とする自動車用空気調和装置であ
る。
【0014】また、上記目的を達成するための本発明
は、前記配管は、前記第1配管と前記第2配管との間を
連通するバイパス管路を有し、このバイパス管路に、所
定圧以上の冷却水が流通すると開弁する逆止弁を設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用空気調和装
置である。
【0015】さらに、上記目的を達成するための本発明
は、前記流路切換手段は、エンジンの回転数が所定回転
以下になると流路を切換えるようにしたことを特徴とす
る請求項1又は2に記載の自動車用空気調和装置であ
る。
【0016】そして、上記目的を達成するための本発明
は、前記流路切換手段は、前記ヒータコアから吹出され
る空気の吹出し温度の変動が所定温度以上になると流路
を切換えるようにしたことを特徴とする請求項1〜3に
記載の自動車用空気調和装置である。
【0017】
【作用】請求項1に記載の発明では、エンジン冷却水系
の冷却水吐出部から流出した冷却水が、第1配管より、
例えば第1ポートに導かれ、ヒータコア内を循環しつつ
空気と熱交換し、第2ポートあるいは第3ポートから第
2配管を通って冷却水帰還部に帰還している場合、流路
切換手段を動作すると、エンジン冷却水系の冷却水吐出
部から流出した冷却水は、第2ポートと第3ポートのい
ずれかからヒータコア内に流入し、前記の流れ状態とは
逆方向に流れ、第1ポートから流出する。この場合、ヒ
ータコアから吹き出される空気の温度分布は、前記流路
切換部を動作する前の状態とは逆となり、ヒータコアか
ら吹き出される空気の温度が、ヒータコア全面にわたり
常に安定した状態となる。
【0018】またポート選択手段により、冷却水帰還部
に連通させるポートを選択すると、ヒータコア内におけ
る冷却水の流路長が変更される。冷却水の流路長を変更
すると、熱交換し得る領域が変更される。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例に係る自動車用空気調
和装置を示す概略説明図、図2は図1の要部を示す概略
説明図、図3は、同実施例の動作状態を示すフローチャ
ートであり、図4,5に示す部材と同一部材には同一符
号を付している。
【0020】図1に示す自動車用空気調和装置は、ブロ
ア10を回転することにより車室内空気と車室外空気と
を選択的に取り込むインテークユニット11と、周知の
冷房サイクル系と接続されているエバポレータ1を有す
るクーラユニット12と、前記インテークユニット11
から取り込まれ、エバポレータ1により冷却された空気
をヒータコア3により加熱し、デフロスト口5、フット
口6あるいはベント口7(吹出口)から各ダクトを介し
て車室内に配風するようにしたヒータユニット13とか
らなっている。
【0021】前記ヒータコア3は、図2に示すように、
両ヘッダ部15,16間に多数の扁平管17と伝熱フィ
ン18が設けられている。また前記一方のヘッダ部15
内には2つの仕切り板19a,19bが、そして他方の
ヘッダ部16には仕切り板19cが設けられており、内
部で冷却水が蛇行して流れるようになっている。そし
て、2つの仕切り板19a,19bにより3つに区切ら
れた一方のヘッダ部15の各領域には、それぞれ冷却水
の流通口となるポートが形成されており、各ポートに
は、エンジン冷却水系Eに連結された配管Pが接続され
ている。つまり図2に示されるように、エンジン冷却水
系Eの冷却水吐出部20が第1配管22を介して第1ポ
ート3aに連通されており、エンジン冷却水系Eの冷却
水帰還部21が、途中で2つに分岐された第2配管23
を介して第2ポート3bおよび第3ポート3cのそれぞ
れに連通されている。
【0022】また分岐部には三方弁(ポート選択手段)
24が設けられており、第2配管23の主管部分23a
をいずれかの分岐管23b,23cに接続し得るように
なっている。したがって、三方弁24を調節して冷却水
帰還部21と第2ポート3bとを連通すると、冷却水は
ヒータコア3内を1回だけUターンして、第2ポート3
bから第2配管23の第1分岐管23bに送り出され
る。この場合、ヒータコア3の符号「a」で示される領
域には冷却水が滞留することとなり、滞留した冷却水は
一定時間後には、ヒータコア3を通過する空気の温度と
一致するようになるので、この部分を通過する空気は温
度変化のないままヒータコア3を通過して吹き出される
こととなる。一方、ヒータコアの符号「b」で示される
領域では冷却水が流通されているので、この領域bを通
過する空気は熱交換により暖められる。
【0023】したがって、領域aを通過した空気の吹出
口近くに開設されるベント口7に連通する開口部のドア
を開くと、ベント口7に冷風が送り込まれ、領域bを通
過した空気の吹出口近くに開設されるフット口6側に連
通する開口部のドアを開くと、フット口6に温風が送ら
れることとなる。このように、本実施例の自動車用空気
調和装置では、三方弁24を調節して冷却水帰還部21
と第2ポート3bとを連通させるだけで、いわゆるバイ
レベルモードで車室内空調を行うことができる。
【0024】つまり、エアーミックス方式のように、ヒ
ータコア3に隣接して設置されるミックスドア2(図4
参照)を開閉することによりヒータコア3内を通過する
空気の量を調節する必要がない。さらに、ドアが1つ不
要になるので、組み付けがきわめて容易になる。
【0025】一方、三方弁24を調整して冷却水帰還部
21と第3ポート3cとを連通させると、冷却水はヒー
タコア3の全体を流れた後、第3ポート3cから第2配
管23に送り出される。この場合、冷却水が滞留するよ
うな場所がないので、ヒータコア3の全ての位置におい
て冷却水と空気による熱交換が行われる。つまり、この
ように設定すると、実施例の自動車用空気調和装置は、
通常のフルリヒート方式の空気調和装置として働くので
ある。
【0026】また、図示されるように、両配管22,2
3の流路中には、冷却水の流れを切換える流路切換部
(流路切換手段)25が設けられている。この流路切換
部25は、冷却水が図1に実線で示す矢印方向である正
方向流れと、破線で示す逆方向流れを周期的に作るため
のものであり、例えば、図2に示すように4方向のスプ
ール弁25aが用いられている。このスプール弁25a
を駆動部25bにより実線位置とすれば、冷却水吐出部
20からの冷却水は、第1配管22,バイパス通路2
6,スプール弁25a,第2配管23を通って第2ポー
ト3bよりヒータコア3内に流入し、このヒータコア3
から流出した冷却水は、第1ポート3a,第1配管2
2,第2配管23を通って冷却水帰還部20よりエンジ
ン冷却水系Eに戻されるようになっている。また、この
スプール弁25aを駆動部25bにより前記実線位置か
ら上方に移動した破線で示される位置とすれば、冷却水
吐出部20からの冷却水は、第1配管22,スプール弁
25a,第1配管22を通って第1ポート3aよりヒー
タコア3内に流入し、ヒータコア3から流出した冷却水
は、第2ポート3b,第2配管23,スプール弁25
a,第2配管23を通って冷却水帰還部21よりエンジ
ン冷却水系Eに戻されるようになっている。
【0027】この流路切換部25の切換えは、エンジン
の回転数が所定回転以下、例えば1000rpmになる
と流路を切換えるようする。エンジンの回転数が、この
ような低回転となると、ヒータコア3内を流れる冷却水
の流量は少なくなり、熱交換による冷却水の温度低下は
著しい。したがって、このような低回転になると、ヒー
タコア3から吹き出される空気の温度が不均一となるの
で、ヒータコア3内を流れる冷却水の流れ方向を変更
し、ヒータコア3から吹き出される空気の温度が均一に
なるようにするのである。この低回転時の流路切換部2
5の切換え動作は、好ましくは、30秒程度の頻度で行
なう。
【0028】なお、流路切換部25の切換えは、ヒータ
コア3から吹出される空気の吹出し温度の変動が所定温
度以上にて行なっても良い。この場合、ヒータコア3か
ら吹出される空気の吹出し温度を直接的に検知すれば、
一層前記空気温度の均一性が確保できることになる。吹
出し温度の検知は、例えば、ヒータコア3の表面部分に
温度センサーを配置することにより行なうことができ
る。
【0029】ただし、このように流路切換部25を周期
的に切換えると、閉回路にウォータハンマが生じ、ヒー
タコア3のろう付部分などを破壊する虞れがあるので、
本実施例では、第1配管22と第2配管23との間をバ
イパス管27により連通するとともにこのバイパス管2
7内に、所定圧以上の冷却水が発生すると開弁する逆止
弁27aを設け、前記ウォータハンマを解消するように
している。
【0030】次に、本実施例の作用を説明する。自動車
のエンジンを始動すると、ウォータポンプ(図示せず)
が作動することになるが、この状態で自動車用空気調和
装置の作動スイッチがオンされ、暖房用のヒータモード
を選択すべくヒータモードスイッチがオンされると(S
1)、ヒータコア3とエンジン冷却水系Eとを連結して
いる配管Pに設けられた開閉弁(図示せず)が開放さ
れ、ヒータコア3にエンジン冷却水が導かれる。
【0031】このときモードが、通常のヒータモードで
あれば(S2)、三方弁を調節して冷却水帰還部21と
第3ポートとを連通させることにより、冷却水をヒータ
コア3全体に流すようにする(S3)。このようにする
と、ヒータコア3を通過する空気の全てが熱交換により
暖められ、各吹出口5,6,7から温風が吹出される。
なお、各吹出口から吹出される空気の温度をより均等に
する構成の作用は、後述することとする。
【0032】一方、いわゆるバイレベルモードに設定さ
れれば、三方弁24を調節して冷却水帰還部21と第2
ポート3bとを連通させる(S4)。このようにする
と、エンジン冷却系Eから送られる冷却水は、ヒータコ
ア3の符号「b」で示される領域のみ流れるようになる
ので、この領域bを通過する空気のみ熱交換により暖め
られることとなる。このように本実施例の自動車用空気
調和装置では、ヒータコア3を通過する空気の量を調節
するエアーミックスドア2(図4参照)を用いることな
く、したがってエアーミックスドアを開閉制御すること
なく、ベント口7からは冷風が吹出され、フット口6か
らは温風が吹出されるいわゆるバイレベルモードを実現
することができる。
【0033】ここで、エンジン始動当初のアイドル運転
状態等のように、エンジン回転数が1000rpm以下
(水量では6リットル/分以下)であれば(S5)、流
路切換部25を作動し、ヒータコア3内の冷却水循環の
可逆制御を実行する。アイドル運転状態では、エンジン
の回転数が低いため、ヒータコア3内の冷却水循環量は
少なく、ヒータコア3から吹き出される空気の温度が不
均一となり易いからである。ただし、ヒータモードスイ
ッチがオンされていない場合は、車室内を暖房する必要
がない場合であるので、流路切換部25は可逆作動しな
い。
【0034】ヒータモードの設定当初において、流路切
換部25が、図1に実線で示す矢印方向に冷却水が流れ
る正方向流れとなるように位置設定されていたとすれ
ば、冷却水の流れは、冷却水吐出部20から、第1配管
22,バイパス通路26,スプール弁25a,第2配管
23を通って第2ポート3bよりヒータコア3内に流入
し、このヒータコア3から流出した冷却水は、第1ポー
ト3a,第1配管22,第2配管23を通って冷却水帰
還部21よりエンジン冷却水系Eに戻されるようにな
る。
【0035】ところが、エンジンの回転数が1000r
pm以下であれば、直ちに流路切換部25は切換わるこ
とになる。つまり、スプール弁25aが、駆動部25b
により実線位置から上方に移動した破線位置となり、可
逆制御が実行される(S6)。この結果、冷却水吐出部
20からの冷却水は、第1配管22,スプール弁25
a,第1配管22を通って第1ポート3aよりヒータコ
ア3内に流入し、このヒータコア3から流出した冷却水
は、第2ポート3b,第2配管23,スプール弁25
a,第2配管23を通って冷却水帰還部21よりエンジ
ン冷却水系Eに戻され、当初冷却水の入口となっていた
部分が出口となり、出口が入口となる。したがって、ヒ
ータコア3から吹き出される空気の温度勾配は、当初と
は逆になり、ヒータコア3から吹出される空気の温度の
バラツキは解消される。
【0036】そして、この可逆制御の実行後、吹出し空
気の温度が低下し、自動車用空気調和装置のコントロー
ラで設定された温度と比較した値が所定の範囲、例え
ば、5〜15℃を越えると(S7)、直ちに流路切換部
25を切換え、正常制御が実行される(S8)。そし
て、正常制御が実行された後は、再度ステップ2に戻り
制御される。
【0037】上述した実施例では、流路切換部25をス
プール弁を使用した場合を示したが、本発明に係る流路
切換部25は、これのみでなく、例えば、バタフライ弁
等を使用することもできる。また、前記配管は、ウォー
タハンマを防止するために、第1配管と第2配管との間
をバイパス管により連通し、このバイパス管に、所定圧
以上の冷却水が流通すると開弁する逆止弁を設けたが、
これのみでなく、場合によっては、前記バイパス管と連
通する空気チャンバを設けても良い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ポート選択手段を切換ることにより、ヒータコア内に冷
却水が流れない領域を設けることができるので、ヒータ
コアを通過した空気の一部に、暖められていない空気を
存在させることができる。したがって、暖められていな
い空気と、暖められた空気をそれぞれ所定の吹出口に導
くことにより、各吹出口から異なる温度の空気を吹出し
て、いわゆるバイレベルモードで空気調和を行うことが
できる。
【0039】また、流路切換部を動作することにより高
温の冷却水と低温の冷却水の流れを適宜逆転させるよう
にしたので、ヒータコアから吹き出される空気の温度
は、ヒータコア全面にわたり常に安定した状態となり、
快適な暖房が可能となる。
【0040】そして、流路切換時に生じるウォータハン
マは、第1配管と第2配管との間を連通するバイパス管
を通じて逃がすことができる。
【0041】さらに、エンジンの回転数が所定回転以下
になると流路を切換えるようにしたので、エンジン低回
転時の低水量域でも、ヒータコアから吹き出される空気
の温度が、ヒータコア全面にわたり安定した状態とな
る。
【0042】その上、ヒータコアから吹出される空気の
吹出し温度の変動を直接検知することにより流路切換部
を動作すると、一層空気の温度のヒータコア全面にわた
り安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す概略説明図である。
【図2】 図1の要部を示す概略説明図である。
【図3】 同実施例の動作状態を示すフローチャートで
ある。
【図4】 従来のエアーミックス方式の自動車用空気調
和装置の要部を示す概略図である。
【図5】 従来のリヒート方式の自動車用空気調和装置
の要部を示す概略図である。
【符号の説明】
3…ヒータコア、 5,6,7…吹出口、 20…冷却水吐出部、 21…冷却水帰還部、 22…第1配管、 23…第2配管、 24…三方弁(ポート選択手段)、 25…流路切換部(流路切換手段)、 27…バイパス配管。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン冷却水系(E) と配管(P) を介して
    閉回路を形成するように連通されかつ前記エンジン冷却
    水系(E) からの冷却水が入口から出口に至る間に、少な
    くとも1回Uターンして流れるようにしたヒータコア
    (3) を有し、該ヒータコア(3)により熱交換された空気
    を複数の吹出口(5,6,7) から車室内に吹き出すようにし
    た自動車用空気調和装置において、 前記エンジン冷却水系(E) の冷却水吐出部(20)に、前記
    ヒータコア(3) の冷却水出入口のいずれか一方となる第
    1ポート(3a)を、第1配管(22)を介して連通し、 前記エンジン冷却水系(E) の冷却水帰還部(21)に、前記
    ヒータコア(3) の冷却水出入口のいずれか他方となる第
    2ポート(3b)と第3ポート(3c)の両ポートを、当該それ
    ぞれのポートに連通する分岐管(23b,23c) と当該両分岐
    管(23b,23c) の合流部と前記冷却水帰還部(21)とを連通
    する主管(23a) とからなる第2配管(23)を介して連通
    し、 前記合流部に、前記冷却水帰還部(21)に連通するポート
    を選択するポート選択手段(24)を取り付け、 前記第1配管(22)と前記第2配管(23)の主管(23a) の流
    路中に、前記冷却水吐出部(20)からの冷却水を前記第1
    ポート(3a)又は前記合流部のいずれか一方に導くと共に
    前記第1ポート(3a)と前記合流部のいずれか他方から流
    出した冷却水を前記冷却水帰還部(21)に導くように切換
    える流路切換手段(25)を取り付けたことを特徴とする自
    動車用空気調和装置。
  2. 【請求項2】前記配管(P) は、前記第1配管(22)と前記
    第2配管(23)との間を連通するバイパス管路(27)を有
    し、このバイパス管路(27)に、所定圧以上の冷却水が流
    通すると開弁する逆止弁(27a) を設けたことを特徴とす
    る請求項1に記載の自動車用空気調和装置。
  3. 【請求項3】前記流路切換手段(25)は、エンジンの回転
    数が所定回転以下になると流路を切換えるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用空気調
    和装置。
  4. 【請求項4】前記流路切換手段(25)は、前記ヒータコア
    (3) から吹出される空気の吹出し温度の変動が所定温度
    以上になると流路を切換えるようにしたことを特徴とす
    る請求項1〜3に記載の自動車用空気調和装置。
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