JPH084800B2 - ブラックリカーエバポレーター中のスケール制御 - Google Patents

ブラックリカーエバポレーター中のスケール制御

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JPH084800B2
JPH084800B2 JP4181459A JP18145992A JPH084800B2 JP H084800 B2 JPH084800 B2 JP H084800B2 JP 4181459 A JP4181459 A JP 4181459A JP 18145992 A JP18145992 A JP 18145992A JP H084800 B2 JPH084800 B2 JP H084800B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、硫酸ナトリウム(Na2SO4) 、炭
酸ナトリウム(Na2C03) および炭酸カルシウム(CaCO3)
の様なアルカリ金属およびアルカリ土類金属が、特にカ
ミヤ(Kamyr)及び類似の木材チップ蒸解釜に関連して、
製紙工程中のブラックリカー(黒液)の加工に使用され
るヒーター、蒸発缶及びその他熱交換器の金属表面にス
ケール堆積物として生成、析出及び付着するのを防止す
るための組成物及び方法に関する。
【0002】黒液の起源 硫酸塩法によるクラフト紙の生産に於て、樹皮及びチッ
プ化した木材はアルカリ水溶液で処理して或る種の有機
不純物を木材から除去する。その主成分はリグニンであ
る。典型的、商業的には、チップは約20モル%の硫化
ナトリウムを含む10%苛性ソーダ中で蒸解される。こ
の反応は通常約160℃乃至180℃の温度で、1乃至
3時間行なわれる。
【0003】生成した有機残渣はチップから洗浄によっ
て除去される。この洗浄液は溶解リグニン、エマルジョ
ン化した石鹸、内生界面活性剤、その他有機成分、及び
かなりの量の無機塩類及び炭酸カルシウムを含む塩基を
含んでいる。
【0004】黒液とスケール生成 黒液は工場によって組成に変動がある。しかしながら、
もっとも多くの場合、無機の炭酸塩、硫化物、亜硫酸
塩、硫酸塩、及びシリカ並びに有機硫黄化合物が存在す
る。典型的な黒液の仕上げを更に下記に示す。黒液の仕
上げが、同じ型のパルプを生産しているにも拘らず時に
よって変化し、そして異なった型のパルプが含まれる所
では明らかに変化する一方、それまでスケール堆積の実
際的処理を無効にしてきた同じ逼迫した条件が黒液の加
工の際にも立ち向かってきた。
【0005】これら逼迫した条件は12及びそれ以上の
高いpH、高濃度に溶解した有機及び無機固形物、及び高
温及び高圧によって特徴づけられる。黒液は、それを熱
交換器表面に接触して付着したスケール堆積を生成し、
更に以下に詳細に記載する既知の機構に従って推測され
る2つの方法で加工される。即ち、蒸発回収及び木材チ
ップ蒸解方法自身である。これら2つを更に詳しく説明
する。
【0006】黒液の蒸発回収 液中の無機成分を回収する事及び有機分を燃焼として使
用する事は大工場で普通に行なわれている。黒液は通常
約12重量%の固体物質を含んでいる。液が燃料として
使用されそして無機成分が回収される前に、液は通常約
45重量%の固体濃度あるいはそれ以上に濃縮する必要
がある。黒液の濃縮は通常多重効用蒸発缶で行なわれ
る。これらの蒸発缶は通例最高圧蒸発缶で発生した蒸気
を次に高い蒸発缶を加熱するのに使用する事で運転され
る。液の流れは圧力及び蒸気の流れに対して向流であ
る。もっとも低い固体濃度の黒液を含む蒸発缶に於て
は、使用される蒸気は通常系中に真空を発生する。
【0007】黒液多重効用蒸発缶の使用で起こる問題は
蒸発缶ユニットの内部壁又は管にくっつきそして固く付
着した状態に残る傾向のかなりの量の堆積物の生成であ
る。多重効用蒸発缶の種々のユニットの金属表面上に物
質が堆積するのを防止するこの問題は黒液が有機および
無機の両方の物質を堆積する傾向を持つため特に克服す
るのが難しい。この有機物質は効用缶の金属表面に密に
付着する物質となる全物質と一緒に、無機物質に対して
ある型の結合剤として作用する。この現象は、多くの先
行技術の堆積防止剤が黒液蒸発缶システムに於ける物質
の堆積を防止する効果を殆ど又は全然示さない理由であ
ると考えられていた。
【0008】堆積生成が構築されると、効用缶全体の効
率が目立って減少する状態となる。例えば、堆積生成は
実質的に熱移動を減少し、所期の蒸発を完成するのに熱
供給の増加を必要とする。同様に、堆積の問題はより頻
繁な熱水又は酸による煮沸を要し、実質的に休止時間を
増加する。堆積生成は多重効用蒸発缶のどの蒸発缶でも
起こり得る。各多重効用蒸発缶の一組は5乃至6個の蒸
発缶があり、各蒸発缶は複数の垂直長管ユニットを持っ
ている。
【0009】黒液蒸解釜方法 黒液加工で黒液が熱交換機表面に接触しそしてスケール
堆積物を付着する、そしてそれ故にその方法に関して本
発明の組成物及び方法が特に有用である製紙方法のその
他の分野はカミヤ及びそれに類似の木材チップ蒸解釜で
あり、これは商業的に数十年間使用されてきた。これら
蒸解釜を使用する方法は黒液の加熱およびパルプを生成
する木材チップの蒸解の一部としてそれに続くその使用
を含んでいる。この様に、付着したスケール堆積物は黒
液ヒーターの表面上だけでなく、カミヤおよびそれに類
似の木材チップ蒸解釜自身の表面上にも生成する傾向が
ある。
【0010】垂直下向流型連続カミヤ蒸解釜では、木材
チップは低圧で水平蒸気釜に供給され、そこではゆっく
りと回転するスクリューがチップを運び、それをスチー
ムにさらし、それがチップを余熱しそして空気及びその
他の非凝縮性物を追い出す。チップは蒸解液で円筒型分
離/蒸解釜に運ばれ、そこで穴開き板が液を周囲保集環
に導きそして供給側に戻す、一方チップは回転している
らせんスクリューで下の方に押し出される。液カラムを
約11.6kg/cm2(165psig)の液圧に蒸解釜への白
及び黒液の流入を制御して保持した。
【0011】チップは蒸解釜の種々のゾーン、即ち、含
侵、加熱、蒸解及び洗浄、を経由するマスとして下方向
に均一に流れる。アルカリ含侵ゾーンでは約45分間1
05乃至130℃の温度に保たれる。加熱ゾーンでは温
度を2段階で、黒液を外部熱交換器に通して強制的に循
環して、上昇する。パルプ化反応は蒸解ゾーンで完了
し、そして残留する温度の液を下記からの希釈した「洗
浄」液で置換することで終了する。高温の液を円周上の
スクリーンを通して抽出し、蒸気釜に蒸気を供給するフ
ラッシュタンクに入れる。
【0012】洗浄液は下向きチップ流とは逆の方向に移
動し、そしてそれから蒸解釜の底部に射出され、そして
上向きに移動し、それが「拡散洗浄」用となる。蒸解釜
の全高は、洗浄水入口と抽出スクリーンの間の距離およ
び液の移動率を考慮して、残留液が少なくとも1.5時
間滞留してチップに拡散し尽くすのに十分の高さであ
る。パルプは連続的に、約14kg/cm2(200psig)に
保たれている蒸解釜の底部から大気圧タンクに排出され
る。
【0013】付着スケール堆積物の潜在的生成に関連す
る上記基本的カミヤ水圧蒸解釜方法の変形はサルファイ
ト及び前加水分解クラフト紙生産のための傾斜分離を利
用する気相蒸解釜、及び分離含侵釜と気相蒸解釜を持つ
2反応槽系の進歩を含み、そこでは外部傾斜分離器が転
化内部分離器に代えて設置されていた。
【0014】上記記載から、黒液に由来する厄介な付着
スケール堆積の生成を潜在的に持つ木材チップ蒸解を行
なうための機器の多くがあることを読み取る事ができ
る。本発明の組成物及び方法が目指している事はそのよ
うな堆積のすべてを防止する事である。
【0015】付着スケール生成 上記記載は、黒液が製紙工程の種々の相において熱交換
器の表面に接触したときに遭遇する、非常に重要かつ複
雑な問題に関連している。完全に理解されてはいないけ
れどもある範囲まで、ボイラーや冷却塔の様な従来の分
野でよく知られたスケール生成の基本的機構は疑いもな
く製紙の黒液からのスケール生成にある役割を演じてい
る。それ故に、本発明のよりよい理解のために、これら
基本的機構を詳細に説明する。
【0016】上記したように、黒液は多数の溶解塩類を
含有し、そしてアルカリ金属カチオンとしてナトリウム
が一般に優勢であるが、アルカリ土類金属カチオンとし
てカルシウムも存在する、アニオンとしては硫酸塩及び
炭酸塩である。ナトリウムとカルシウム及び硫酸塩と炭
酸塩の組合わさった生成物が黒液から沈殿し、その黒液
中でそれらが、その反応生成物、例えば、硫酸ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カルシウム、を含むアニ
オン及びカチオンの濃度が反応生成物自身の溶解度を越
えた時、スケール堆積を生成する。このように、ナトリ
ウムとカルシウムイオン及び硫酸塩と炭酸塩イオンの濃
度が反応生成物である硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、及び炭酸カルシウムの溶解度を越えた時、硫酸ナト
リウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カルシウムの固相が
沈殿として生成する。反応生成物は構成イオンの生成物
が溶解濃度をもはや越えなくなるまで沈殿し続ける。
【0017】多数の因子が反応生成物に対して過飽和の
状態を作り出す原因となっている。これら因子は水系の
pH変化、水相の蒸発、熱移動率、溶解固形物の量、及び
系の温度及び圧力の変化である。既に論議した様に、こ
れら因子のすべては製紙における黒液処理を特徴付ける
逼迫した条件中に存在する。
【0018】スケール生成の機構の一つは、明らかに系
の伝熱面に近くの領域にある部分的に過飽和である液か
らのスケールを生成する塩の結晶化である。この領域の
水の粘性薄膜はこの領域の外の液の残部よりもより濃縮
される傾向がある。結果として、スケールを生成する硫
酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カルシウム塩
生成物の溶解度は先ずこの薄膜で越える、そしてそれぞ
れのスケールの結晶化は伝熱面又は熱交換器表面で起こ
る。
【0019】これに加えて、製紙における黒液処理での
スケール源は多分蒸解木材チップからの固形分のしみ出
しによるだけでなく、例えば、黒液のある部分をフラッ
シュ蒸発してスチームを作る時の様に、水相の一部を繰
り返し蒸発する事による黒液の水中に溶解している固形
分の濃度である。更に、アルカリ蒸解液ならびに木材チ
ップからの溶解固形分からのアルカリ度も黒液のアルカ
リ度を増加し、しばしばpH12乃至13及びそれ以上に
さえにも達する。従来のスケール防止剤組成物は典型的
にそれら厳しい条件の系中で不十分である。
【0020】既に言及した様に、硫酸ナトリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カルシウム及びその他のスケール堆積
物は多くの関係において重大な問題を提起する。生成し
た硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム及
びその他のスケール堆積物は熱伝導度が低い。この様
に、例えば、硫酸ナトリウム又は炭酸カルシウムスケー
ル堆積物は、系中で処理される黒液に対して、どんな熱
源からも本質的に熱伝達経路に横たわる断熱層である。
この損失を補償する様に熱の供給を増加すると、例え
ば、熱交換器の金属表面の加熱及び結果として管の破損
をもたらす。この問題に加えて、スケール生成は腐食を
生じ、そして実質的なスケール堆積は流体物質流に干渉
してくる。結果として、スケールは、洗浄及び除去のた
めに遅延及び閉鎖の原因となる、製紙工程における金の
掛かる問題である。
【0021】本発明は主として硫酸ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、及び炭酸カルシウムスケールの堆積を予防又
は防止する事を指向しているが、スケール堆積を防止す
る最も広く行なわれているタイプはその他のアルカリ金
属又はアルカリ土類金属スケールの堆積を防止するのに
も利用できる。例えば、黒液はナトリウム、カリウムの
様なアルカリ金属カチオン、カルシウム、マグネシウム
等の様なアルカリ土類金属カチオン、そして重炭酸塩、
炭酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、燐酸塩、珪酸塩、ふっ化物等
のような、種々のアニオンを含んでいる。これらアニオ
ン及びカチオンが組合わさってそれら反応生成物の溶解
度を越えて濃縮物中に存在すると、それら生成物の溶解
濃度がもはや越えなくなるまで、沈殿が生じる。これら
沈殿はアルカリ金属又はアルカリ土類金属スケールであ
る。スケールはアルカリ金属又はアルカリ土類金属スケ
ールを意味するが、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸カルシウム、
及び硫酸カルシウム等も限定されずに含まれる。これら
スケールはしばしば製紙中に処理される黒液と接触する
熱交換器の管中及びその他の伝熱面上、ならびに蒸解機
器の種々の面上に形成する。
【0022】本発明のアニオン性/カチオン性ポリマー
混合物は、たとえ本発明の組成物が同様に分散性を持
ち、そして、容易く除去するように、生成したどんなス
ケール堆積物の付着性を顕著に減少する様に見えても、
金属イオン封鎖剤又はキレート剤と言うよりはむしろ、
本発明のスケール防止方法における閾防止剤(threshold
inhibitor)として同じ量の範囲内で使用される。
【0023】これまで、ボイラーや冷却塔の従来分野に
関連したスケール防止の技術において、スケールを生成
する化合物はそれらのカチオンをキレート剤又は金属イ
オン封鎖剤で不活性化することで沈殿するを妨げられ、
それでそれらの反応生成物の溶解度を越えなかったと認
識されていた。一般的に、これはカチオンの数倍のキレ
ート剤又は金属イオン封鎖剤を必要とした。キレート化
は化学量論反応であるから、この量は必ずしも望ましく
なくまた経済的でもない。然しながら、数十年前、ある
種の無機燐酸塩類が金属イオン封鎖又はキレート化に必
要な量よりずっと少ない量で加えられてもそのような沈
殿を避けることができたことが発見された。それにも拘
らず、そのような剤でさえ黒液処理に使用される機器上
のスケール堆積物を制御することに特に有効でないこと
が判明していた。
【0024】沈殿防止剤が潜在的にスケールを生成する
系にスケールを生成するカチオンを金属イオン封鎖する
のに必要な量より顕著に低い濃度(化学量論的)で存在
するとき、それは「閾」量で存在するという。例えば、
ハッチ(Hatch)およびライス(Rice)、Indust.Eng.Che
m.,31巻,51−53頁(1939年)、ライトマイ
ヤー(Reitemeier)およびビーラー(Buehrer)、J.Phy
s.Chem.,44巻(5)、535−536頁(1940
年)、フィンク(Fink)及びリチャードソン(Richards
on)、米国特許第2,358,222号、及びハッチ、
米国特許第2,539,305号参照。
【0025】一般的に、金属イオン封鎖化は、水中のア
ニオン成分によって、金属イオン封鎖剤のスケールを生
成するカチオン成分に対する重量比を約10:1以上で
行なう。閾沈殿防止は一般に閾活性成分のスケールを生
成するカチオン成分に対する重量比を約0.5:1.0
以下で行なう。
【0026】同様に、アニオン性及びカチオン性ポリマ
ーはスケール阻止の技術で既知の方法に従って分散剤と
して使用されるが、しかし分散に必要なその添加量レベ
ルは処理される系の0.5乃至10重量%の範囲内であ
り、それは本発明の組成物の使用添加量の数乃至数十倍
高いものである。この様に、本発明の組成物の閾添加量
レベルを使用するだけで黒液処理機器上にスケールを実
質的に付着させないことを可能にしたことは本発明の特
徴ある一面である。
【0027】スケール防止技術において最近、厳しい条
件下でスケール化を制御することに注意が向けられてき
た、そこでは上記記載の従来の処理はスケール制御を完
全に行なうことは出来なく、そしてこれらは黒液処理に
見られる逼迫した条件をより厳密に再現するように教示
されている。例えば冷却塔において、従来のスケール制
御における現在の技術は方解石飽和、即ち、溶解限度の
100倍(100×)のCa2+及びCO3 2- を含む水、の1
00乃至120倍まで CaCO3スケールを防止するのに使
用できる。水試料のスケール化傾向の重大度は飽和指数
を使用して測定される。飽和指数は下記式に従って導か
れる。
【化1】 ここで、SIは炭酸カルシウムに対する飽和指数、 (Ca2+)は遊離カルシウムイオンの濃度、 (CO3 2- ) は遊離炭酸イオンの濃度、
【化2】 はCaCO3 に対する条件付き溶解度生成物常数である。上
記式の右側の量はpH、温度及びイオン強度で調整され
る。
【0028】スケール防止の従来技術において既知のス
ケール防止組成物で通常当面する一つの問題はそれらの
カルシウム許容度に関するものである。カルシウム許容
度はカルシウムイオン(Ca2+)の存在下溶解する化学化
合物の能力の尺度である。厳しい条件の下でのスケール
制御のパラメーターの一つはpHである。pHが上昇する
と、カルシウム許容度は、例えばHEDO及びAMPの
様な、従来のCaCO3 閾防止剤では急激に減少する。これ
ら防止剤はアルカリ性pHでカルシウムを沈殿し、閾スケ
ール防止剤としては利用価値がない。スケール防止の従
来技術で厳しい条件として特徴付けられる高pH及び高カ
ルシウムイオン濃度は黒液処理で当面する逼迫した条件
のいくつかとして特徴付けられるから、この因子はこれ
まで使用されていた従来の閾防止剤が黒液を処理するの
に使用される機器上の有効なスケール制御に対してうま
く行かない原因であろうと推測される。
【0029】ポイラー、冷却塔、などに関連する従来の
スケール防止技術において、スケール生成を減少するた
めに、初期にはタンニン、変性リグニン、アルギン、及
びその他の類似の物質を使用する努力をしていた。キレ
ート剤又は金属イオン封鎖剤もまたスケールを生成する
炭酸カルシウムの沈殿化または結晶化を防止するのに使
用された。炭酸カルシウムスケール防止物質としてこれ
まで盛んに探究されてきたその他のタイプの剤はその閾
活性防止剤である。そのような物質は化学量論的に要求
されるよりもかなり少ない量でスケール防止剤として有
効である、そしてこの量は閾量と名付けられる。無機ポ
リ燐酸塩は従来のスケール防止技術において長い間その
ような閾活性防止剤として使用されてきた。そのような
物質の例については、フィンク、米国特許第2,35
8,222号、ハッチ、米国特許第2,539,305
号、及びラルストン(Ralston)、米国特許第3,43
4,969号を参照の事。アクリルアミド及びアクリル
酸から得られる基を持つある種の水溶性ポリマーはスケ
ールを生成する炭酸カルシウムを含む水を調整するのに
使用されてきた。例えば、米国特許第2,783,20
0号、同第3,514,476号、同第2,980,6
10号、同第3,285,886号、同第3,463,
730号、同第3,518,204号、同第3,92
8,196号、同第3,965,027号、及び同第
4,936,987号を参照の事。特に、ポリアクリレ
ート、ポリ無水マレイン酸、アクリレートとスルホネー
トの共重合物、及びスルホン化スチレンのポリマーのよ
うなアニオン性ポリ電解質が使用されてきた。例えば、
米国特許第4,640,793号、同第4,650,5
91号、同第4,671,888号、及び同第4,07
2,607号参照。然しながら、閾アルカリ土類金属ス
ケール防止剤として使用されるときは、これらポリマー
は大量の添加が要求される、この事は運転コストを増加
する。
【0030】米国特許第4,457,847号は、少な
くとも30重量%のカルボキシレート官能性を有し、5
00乃至50,000の範囲内の分子量を持つアニオン
性ビニルポリマーの水溶性金属イオン封鎖剤を抗スケー
ル剤として使用する事を開示している。
【0031】ポリアクリル酸を含む種々のポリカルボキ
シレートがスケール防止剤として従来のスケール防止技
術において使用されてきたが、上記のごとく、明らかに
電荷の差異及びポリマー閾防止剤及び分散剤としての作
用の機構の従来の理論のために、同様な用途がポリカチ
オン性剤から得られなかった。
【0032】既に述べたように、従来のスケール防止技
術で使用されそして上記のスケール防止剤のどれも、黒
液処理でのスケール生成を防止するのに使用された時、
顕著な成功を納めるには至らなかった。これら剤は製紙
における黒液処理に特徴的な逼迫した条件下でスケール
堆積生成の特殊な問題を克服するのに殆ど又は全然効果
を示さなかった。この分野への特定の幾つかが或る種の
組成物として論議されたが、殆ど実用的に成功しなかっ
た。例えば、米国特許第4,357,207号は2,0
00乃至50,000の分子量を持ち、黒液蒸発器上の
堆積を防止し及び分散するカチオン性ポリマーの使用を
開示している。米国特許第3,516,910号は1,
000乃至200,000の分子量を持ち、黒液蒸発器
上の堆積生成を防止するポリメタクリレート及び関連す
るポリアルキルアクリレートの使用を開示している。米
国特許第3,289,734号は10,000以下の分
子量を持つスチレン−無水マレイン酸共重合物による処
理で、黒液蒸発器上の堆積生成を防止する方法を開示し
ている。
【0033】多分、本発明のアニオン性/カチオン性ポ
リマー混合物は水溶性非化学量論的ポリ電解質コンプレ
ックスを形成している。そのような物質は既知であり、
過去にも研究された事があるが、それらが、通常の状態
で、製紙工程での黒液処理で特徴的な逼迫した条件下で
単独で、有用であろうとする何の示唆もない。例えばカ
バノフ(Kabanov)およびゼジン(Zezin)、Makromol.Che
m.Suppl.6巻、259−276頁(1984年)参照。
【0034】本発明は、 (a) 総ポリアニオン性重量平均分子量が約1000
乃至15000であるという条件で、各々場合によって
は他の一つ若しくは二つと共重合される、または場合に
よってはアクリルアミドと1:1のモル単位比までで共
重合される、ポリアクリリックアシド(AA)、ポリメ
タクリリックアシド(MAA)、ポリマレイックアシド
/無水物(MA)、ポリイタコニックアシド(IA)、
ポリビニルスルホニックアシド(VSA)、ポリ(2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホニックアシ
ド)(AMPSA)、カルボキシメチルセルロース(C
MC)、ポリスチレンスルホネート(SSS)、及びポ
リビニルホスフォリックアシド(VPA)から選択され
るポリアニオン;及び (b) 総ポリカチオン性重量平均分子量が約2000
0乃至2000000であるという条件で、各々場合に
よっては他の一つ若しくは二つと共重合される、または
場合によっては1:1のモル単位比まででアクリルアミ
ドと共重合される、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウ
ムクロライド)(DMDAAC)、ポリエチレンイミン
(PEI)、ポリアミン(PA)、ポリビニルアミン
(PVA)、ポリ(4−ビニルピリジニウム)(PV
P)、キトーサン(CH)、ポリ(メタクリルアミドプ
ロピルトリメチルアンモニウムクロライド)(MAPT
AC)、及びポリ(アクリルアミドプロピルトリメチル
アンモニウムクロライド)(APTAC)から選択され
るポリカチオンのアニオン性/カチオン性ポリマー混合
物からなる紙製造の際のブラックリカーの製造を含む水
系におけるスケールインパーティング化合物の形成、沈
殿及び粘着を制御するための沈殿物制御試薬として有用
な組成物に関する。ここで、ポリアニオン(a)対ポリ
カチオン(b)の重量比は1:2乃至1:8である。
【0035】更にとりわけ本発明は、 (a) 総ポリアニオン性重量平均分子量が約1000
乃至5000であるという条件で、各々場合によっては
互いに共重合される、あるいは場合によってはアクリル
アミドと1:1のモル単位比までで共重合される、ポリ
アクリリックアシド、ポリメタクリリックアシド、及び
ポリマレイックアンハイドライドから選択されるポリア
ニオン、及び (b) 約25000乃至1000000の重量平均分
子量を有するポリカチオンポリ(ジメチルジアリルアン
モニウムクロライド)のアニオン性/カチオン性ポリマ
ー混合物からなる紙製造の際のブラックリカーの製造を
含む水性系におけるスケールインパーティング化合物の
形成、沈殿及び粘着を制御するための沈殿物制御試薬と
して有用な組成物に関する。ここで、ポリアニオン
(a)対ポリカチオン(b)の重量比は1:2乃至1:
8である。
【0036】本発明は特にカミール(Kamyr)蒸解釜に伴
われたブラックリカーエバポレーター及びヒーターの表
面上の硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、有機物、及び
炭酸カルシウムの沈殿を制御するための上述の組成物に
関する。ここで組成物は約40000乃至70000の
重量平均分子量を有するポリ(ジメチルジアリルアンモ
ニウムクロライド)ポリアクリリックアシドとの混合物
であり、ポリアニオン対ポリカチオンの重量比は1:4
である。
【0037】本発明はまた (a) 総ポリアニオン性重量平均分子量が約1000
乃至15000であるという条件で、各々場合によって
は他の一つ若しくは二つと共重合される、または場合に
よってはアクリルアミドと1:1のモル単位比までで共
重合される、ポリアクリリックアシド(AA)、ポリメ
タクリリックシアド(MAA)、ポリマレイックアシド
/無水物(MA)、ポリイタコニックアシド(IA)、
ポリビニルスルホニックアシド(VSA)、ポリ(2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホニックアシ
ド)(AMPSA)、カルボキシメチルセルロース(C
MC)、ポリスチレンスルホネート(SSS)、及びポ
リビニルホスフォリックアシド(VPA)から選択され
るポリアニオン;及び (b) 総ポリカチオン性重量平均分子量が約2000
0乃至2000000であるという条件で、各々場合に
よっては他の一つ若しくは二つと共重合される、または
場合によっては1:1のモル単位比まででアクリルアミ
ドと共重合されるポリ(ジメチルジアリルアンモニウム
クロライド)(DMDAAC)、ポリエチレンイミン
(PEI)、ポリアミン(PA)、ポリビニルアミン
(PVA)、ポリ(4−ビニルピリジニウム)(PV
P)、キトーサン(CH)、ポリ(メタクリルアミドプ
ロピルトリメチルアンモニウムクロライド)(MAPT
AC)、及びポリ(アクリルアミドプロピルトリメチル
アンモニウムクロライド)(APTAC)から選択され
るポリカチオンのアニオン性/カチオン性ポリマー混合
物の1乃至100mg/リットルの濃度を達成させるに十
分な量を系に加える工程を含んでなる、紙製造の際のブ
ラックリカーの製造を含む水系におけるスケール形成塩
の形成、沈殿及び粘着の防止方法に関する。ここでポリ
アニオン(a)対ポリカチオン(b)の重量比は1:2
乃至1:8である。
【0038】本発明は特にカミヤ(Kamyr)蒸解釜に伴わ
れたブラックリカーエバポレーター及びヒーターの表面
上の硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、有機物、及び炭
酸カルシウムの沈殿を制御するための上述した処理方法
に関する。ここで組成物は約40000乃至70000
の重量平均分子量を有するポリ(ジメチルジアリルアン
モニウムクロライド)とポリアクリリックアシドとの混
合物であり、ポリアニオン対ポリカチオンの重量比は
1:4である。そして組成物の濃度は10乃至50mg/
リットルである。
【0039】製紙工程中の黒液の処理に関する水系中の
化合物が分離するスケールの生成、沈降及び付着を防止
する沈降防止剤として有用な本発明の組成物は; (a) ポリアクリル酸(AA)、ポリメタクリル酸
(MAA)、ポリマレイン酸/無水物(MA)、ポリイ
タコン酸(IA)、ポリビニルスルホン酸(VSA)、
ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸)(AMPSA)、カルボキシメチルセルロース
(CMC)、ポリスチレンスルホネート(SSS)、及
びポリビニルホスホン酸(VPA)から選ばれる多陰イ
オンが、それぞれ任意に他の1ケあるいは2ケと共重合
するか、あるいは任意にモル単位比率1:1までのアク
リルアミドと共重合し、全多陰イオン重量平均分子量が
約1,000から15,000を構成しているもの及び (b) ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロライ
ド)(DMDAAC)、ポリエチレンイミン(PE
I)、ポリアミン(PA)、ポリビニルアミン(PV
A)、ポリ(4−ビニルピリジニウム)(PVP)、キ
トーサン(CH)ポリ(メタクリルアミドプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド)(MAPTAC)、及
びポリ(アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウ
ムクロライド)(APTAC)から選ばれる多陽イオン
が、それぞれ任意に他の1ケあるいは2ケと共重合する
か、あるいは任意にモル単位比率1:1までのアクリル
アミドと共重合し、全多陽イオン重量平均分子量が約2
0,000から2,000,000を構成している陰イ
オン/陽イオンのポリマー混合物からなり、ここで、多
陰イオン(a)の多陽イオン(b)に対する重量比は、
1:2から1:8である。
【0040】さらに、製紙工程中の黒液の処理に関する
水系中の化合物が分離するスケールの生成、沈降及び付
着を防止する沈降防止剤として有用な本発明の組成物
は; (a) ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びポリマ
レイン酸無水物から選ばれる多陰イオンが、任意にそれ
ぞれが相互に共重合するか、あるいは任意にモル単位比
率が1:1までのアクリルアミドと共重合し、全ポリ陰
イオン重量平均分子量が約1,000から5,000を
構成しているもの、及び (b) 約25,000から1,000,000の重量
平均分子量を有する多陽イオンのポリ(ジメチルジアリ
ルアンモニウムクロライド)、ここで、多陰イオン
(a)の多陽イオン(b)に対する重量比は1:2から
1:8である。
【0041】好ましい実施態様においては、多陰イオン
はポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びポリマレイ
ン酸無水物から選ばれ、それらの組成は、それぞれ下記
の一般式による構造体で示される;
【化3】 式中、“x”、“y”、及び“z”は、所望の重量平均
分子量を得るのに必要な十分な繰り返しモノマー単位を
表わす数である。
【0042】上に示した多陰イオンは、多カルボン酸と
して示されているが、このアルカリ金属塩及びアンモニ
ウム塩も同様に用いられるものである。
【0043】さらに、本発明に従って、通常のポリカル
ボン酸型の多陰イオンに加えて、製紙工程における使用
に好適な多陰イオンを用いることができる。これらは普
遍的には用いられていないポリカルボキシレートポリイ
タコン酸、陰イオン部分がスルホン酸、例えばポリビニ
ルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸)及びポリスチレンスルホネートに
由来するもの、陰イオン部分がホスホン酸、例えばポリ
ビニルホスホン酸に由来するもの、及びポリサッカライ
ド型の多陰イオン、すなわちカルボキシメチルセルロー
ズなどからなる。
【0044】本発明の組成に用いられる好ましい多陽イ
オン成分は、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロ
ライド)である。しかし、製紙工程の使用に好適で所期
の結果を与えるような他の多陽イオンを用いることもで
きる。これらは、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポ
リビニルアミン、ポリ(4−ビニルピリジニウム)、キ
トーサン、ポリ(メタクリルアミノプロピルトリメチル
アンモニウムクロライド)及びポリ(アクリルアミドプ
ロピルトリメチルアンモニウムクロライド)などからな
る。共重合体、あるいは、上記の単独重合体に由来する
モノマーの、ターポリマーを用いることも、また本発明
の範囲である。アクリルアミドと上記に引用した陽イオ
ンモノマーとの共重合体で、多陽イオンに関する分子量
の限界に適合する非イオン性のものを用いることも、本
発明の範囲である。
【0045】本発明の好適な実施態様において、陰イオ
ン/陽イオンポリマー混合物の多陰イオン成分は、単独
重合体、例えばポリアクリル酸である。しかし、共重合
体、及び多陰イオンが選択される群を構成するものから
なる多陰イオンとしてのターポリマーを用いることも、
また可能である。例えば、アクリル酸とメタクリル酸、
あるいはアクリル酸とマレイン酸無水物の共重合体を用
いることもできる。ターポリマーは、アクリル酸、メタ
クリル酸及びマレイン酸無水物からなる。
【0046】アクリル酸あるいはマレイン酸無水物のよ
うな多陰イオンの単独重合体と、例えばアクリルアミド
とを共重合すること、あるいはメタクリル酸とマレイン
酸無水物の共重合体と、例えばアクリルアミドを共重合
することも任意である。ポリアクリルアミドは非イオン
性の重合物質であり、本発明の陰イオン/陽イオンポリ
マー混合物を機能せしめるのに必須であると理論構成さ
れる陰イオンと陽イオンとの帯電の均衡を妨害するとは
みなされないものである。しかし、ポリアクリルアミド
の部分は分子量を多陰イオン成分に加えることになり従
って、本質的に陰イオン帯電の程度、あるいは帯電密度
を稀釈するものとみなされる。この理由から、任意のア
クリルアミドモノマーの、全陰イオンモノマー(もし、
1つ以上が用いられるならば)に対するモル単位比率は
1:1以上とすることができず、すなわち1:1までと
することが本発明の限界である。例えば、アクリルアミ
ド/アクリル酸共重合体が1:1の比率で用いられる場
合には、その分子量がほぼ等しいので、陰イオン成分の
分子量が1,000から15,000までであるとする
必要条件により、ポリ(アクリルアミド/アクリル酸)
の全体的な重量平均分子量は、2,000から30,0
00までの範囲であるべきことを意味する。
【0047】ここに記載したように、陰イオン/陽イオ
ンポリマー混合物の多陰イオン成分の、重量平均分子量
が約1,000から15,000の範囲であることが必
須であるが、好ましくは分子量範囲は1,000から1
0,000であり、さらに好ましくは約1,000から
5,000である。分子量が約15,000を超える場
合は、スケールの防止能が著しく低下することが認めら
れている。
【0048】これに対して、本発明の陰イオン/陽イオ
ンポリマー混合物の、ポリ(ジメチルジアリルアンモニ
ウムクロライド)成分の重量平均分子量は、少なくとも
約20,000でなければならないが、約2,000,
000あるいはさらにそれより大きいものとすることが
できる。しかし、非常に大きい分子量のものでは、相殺
されるべき利点なく、スケール防止能が低下する。しか
し、一部の多陽イオン成分では、水溶解度と所期の性質
を犠牲にすることなく、そのように高い分子量は不可能
である。例えば、ポリアミンはわづかに約50,000
までの重量平均分子量を有することができ、一方、ポリ
エチレンイミンはわづかに約200,000までの重量
平均分子量を有することができる。
【0049】ポリマー混合物組成の、陰イオンと陽イオ
ン成分の比率は、本発明の重要な態様である。この比率
はポリマー成分の全体的な重量にもとづくものであり
(モル比によるよりも)、1:2から1:8の範囲とす
ることができるが、好ましくは1:3から1:5の範囲
であり、さらに好ましくは1:4である。したがって、
ポリマー混合物の陽イオン成分、すなわち、ポリ(ジメ
チルジアリルアンモニウムクロライド)は、常に重量に
おける優勢な成分である。
【0050】本発明の組成物は、通常の型のランダム共
重合体とは異った、陰イオン/陽イオンのポリマー混合
物あるいは配合物である。しかし、この混合物は、さら
に以下に詳細に述べるように、セグメント化されている
ブロック共重合体を形成しているものと推測される。し
たがって、陰イオンのポリアクリル酸と陽イオンのポリ
(ジメチルジアリルアンモニウムクロライド)とが本発
明のポリマー混合物の範囲内の重量比で共重合体中で結
合されている場合には、本発明の組成と方法によって得
られる結果と対照的に、スケールの付着に対する効果を
得られない。
【0051】ポリマー混合物中の多陰イオンと、Na2S
O4、Na2CO3、CaCO3 及び潜在的に沈降する各スケール粒
子の核を構成する微粒子との間には相互作用が存在する
こと、及び沈降されるべき十分な大きさのスケールの粒
子の生成に対しては抑制限界値が存在することが理論づ
けられている;一方、ポリマー混合物の成分の、例えば
ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロライド)のよ
うな多陽イオンは、スケール微粒子上の帯電を中和し、
これによってそれらを凝集させ、それらが付着性のスケ
ールの沈降を生ずるのを防止する。
【0052】上記の分子量の範囲と重量比における、本
発明の陰イオンと陽イオンのポリマー混合物は、2つの
単独重合体の配合物である。この配合は、既知の技術に
よる従来の装置を用いて行なうことができ、本発明の組
成からなるポリマー配合物の調製に、何等の特別の困難
はない。不溶性のポリ塩コンプレックスが形成されるこ
とがあろうが、これらはpHを調整することによって容易
に回避することができ、それによって通常は陰イオンの
ポリアクリル酸を非−イオン性の酸の形として存在させ
る。
【0053】本発明の陰イオン/陽イオンポリマーの混
合物は、陰イオンの単独重合体あるいは共重合体を、陽
イオンの単独重合体あるいは共重合体に、機械的に撹拌
するか、またはこの添加の順序を逆にして調製すること
ができる。しかしながら、混合物全体の中の2成分の重
量比と分子量に差があるため、混合による調製のこれら
の2つの工程の点で、分子水準に関して明らかな差が存
在する。より高い分子量と、より高い重量比である多陽
イオン成分が、多陰イオン成分に加えられる場合には、
最初に水に不溶性のポリ塩コンプレックスが生成される
傾向があることが考えられるが、これは添加される部分
では2つの成分が化学量論的な量で存在しがちなためで
ある。しかし、さらに支配的な多陰イオン成分が添加さ
れると、生成されるであろう水に不溶性のポリ塩コンプ
レックスは溶解されてゆくものと考えられる。すなわ
ち、生成されている水に可溶性の非化学量論的な高分子
電解質コンプレックスとの平衡が移動するであろう。添
加の順が逆の場合には、すなわち多陰イオン成分が、多
陽イオン成分に添加される場合には、より小さい分子量
を有する多陰イオン成分が、より小さい重量比率で存在
するために、本発明の高分子電解質の混合物はより容易
に生成される傾向がある。
【0054】本発明のポリマー混合物の多陰イオンと多
陽イオンの成分は、事実上セグメント化されているブロ
ック共重合体の形で生成され、ここでは多陰イオン成分
は、イオン結合によって多陽イオン成分のより長い鎖
と、独立したセグメントにおいて結合(allign)する。
しかし、これらの多陰イオンセグメントが同じ多陽イオ
ン鎖あるいは異る多陽イオン鎖内で移動することができ
るばかりでなく、生成された高分子電解質コンプレック
スのセグメント化された性質が、分子間及び分子内の両
者における親水性及び疎水性部となることは明らかであ
る。すなわち、それらは単一の陰イオン/陽イオンコン
プレックス内で立体配座的な変化を起し、あるいは疎水
性部の相互の誘引によるそのようなコンプレックスの凝
集を起す。これらの効果の1つあるいはそれ以上、ある
いはそれらのすべてが、本発明の陰イオン/陽イオンポ
リマー混合物が、限界水準の濃度において、製紙工程に
おける黒液処理の厳しい条件下で、スケール生成塩の生
成、沈降及び付着を防止することを可能ならしめるのに
重要な役割を演じている。これは現在までに検討された
すべての従来の薬剤では成功に至らなかったものであ
る。
【0055】本発明の陰イオンと陽イオンのポリマー混
合物を製紙工程中の黒液処理における水系中のスケール
生成塩の沈澱、沈降及び付着を防止するために使用する
場合は、これらを該黒液処理水系中の濃度が1から10
0mg/リットルの濃度となる量を添加することにより、
効率的にその目的を達成することができる。好ましくは
添加量は5から75mg/リットルの濃度の得られる量で
あり、さらに好ましくは、その添加量は化合物の10か
ら50mg/リットルの濃度が得られる量である。しか
し、本発明の背景について詳細が述べられたように、各
種の多くの要因が、アルカリ土類金属、特に炭酸カルシ
ウムのスケールの該水系中における生成、沈降及び付着
の防止について最大の効果が得られるように該黒液処理
水系中に添加される本発明の陰イオンと陽イオンのポリ
マー混合物の実際の使用量を決定する。これらの量の計
算は、この分野における技術者にとって容易なものであ
る。
【0056】“沈澱の防止”及び“生成と沈降の防止”
の表現は、限界防止、分散、可溶化あるいは粒子の大き
さの低下を含む意味である。“付着の防止”と“非−付
着の増加”の表現は、例えば簡単なすすぎによって容易
に除去されるようなスケール沈着、すなわち強力な機械
的あるいは化学的処理ではなくて簡単な撹拌手段によっ
ては除去し得ないように付着していて表面に固く結合さ
れるようなものではないスケール沈着の生成と定義され
る意味である。
【0057】“スケール生成塩”の表現は、限定するも
のではないが硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、カルシウ
ムホスホネート(カルシウムヒドロキシエチリジデンジ
ホスホン酸を含む)、蓚酸カルシウム、弗化カルシウ
ム、硫酸バリウム及びマグネシウム塩などを含む、すべ
てのスケール−生成塩を意味する。
【0058】“黒液処理水系”の表現は、製紙工程にお
いて、そこで黒液が、通常は金属である熱交換表面と接
触するか、あるいは別の方法で付着性のスケールの沈着
物が形成される傾向のあるような方法で処理されている
すべての地域あるいは地点及びそれに伴なう機器を意味
する。したがって、これらは例えばカミヤ(Kamyr)ある
いは他の同様な木材チップの蒸解缶と共に用いられる黒
液蒸発器、黒液加熱器及びフラッシュエバポレーターな
どである。しかし、黒液が付着性のスケール沈着物を残
すような他の地域や地点がカミヤ(Kamyr)及び別の蒸解
缶中に存在するので、上記の例は限度を意味するもので
はない。
【0059】本発明の特別の陰イオンと陽イオンのポリ
マー混合物組成物を黒液処理水系へ添加する方法は、通
常の当業者にとっては、また簡単なものである。それは
既知の設計による機械的調剤器を用いて得られる液体配
合液の形で添加することができる。また、それは稀釈し
た液状として添加することもできる。陰イオンと陽イオ
ンのポリマー混合物組成物は、黒液処理水系への調剤に
あたって他の化学処理剤と組合せることもできる;これ
らの混合剤も液状として調剤される。
【0060】本発明の陰イオン/陽イオンポリマー混合
物は、黒液処理水系中に分散されるように製紙工程中の
異なる多くの地点において添加することができる。通
常、この選択には便宜性と効率についての配慮が払われ
る。この混合物は蒸気ラインあるいは加熱器や蒸発器の
ような特別の黒液処理装置上の蒸気相に添加されると効
果が高い。この混合物は、そのような装置内の黒液中
か、あるいは場所から場所へ黒液を輸送するラインに直
接添加することもできる。この混合物は、慣習的に黒液
として知られる形へ濃縮される前の、実質的に稀釈され
ている黒液である白液か、あるいは洗浄液に添加するこ
ともできる。また、本発明の混合物は上記の製紙工程中
の2地点あるいはそれ以上の地点において添加すること
も可能である。しかし、一般的には本発明の混合物は、
黒液処理水系のある製紙工程中に、初期に1地点におい
て添加することが、処理組成物が黒液の移動によって黒
液の処理中は有効に存在している点から好ましい。
【0061】上記の本発明の組成物と処理方法は、種々
の金属表面上に発生する沈着物の生成を減少させるのに
有効である。防止は、鉄及び鋼などの鉄金属、あるいは
例えば真ちゅうのような非鉄金属で作られ、それらが黒
液に蒸発、凝縮、輸送、濃縮、あるいは他の化学的及び
物理的の黒液処理中に被曝するか、被曝するであろう装
置に適用される。
【0062】
【実施例】実施例1 オートクレーブによる試験的検討 試験は、インコネルで作られたオートクレーブ内で実施
した。 No.316のステンレス鋼で作られたU型のチュ
ーブを、オートクレーブの蓋に懸架し、沈着物を測定す
るための試験標本として使用した。170mgのカルシウ
ムイオンを追加した黒液1リットルをオートクレーブ内
に仕込んだ。試験の対照区には防止剤を含まず、一方処
理区には異なる濃度の処理剤を含有させた。清浄な、研
磨し(320グリットのサンドペーパーを用いて)、予
じめ秤量した標本のチューブを所定の位置においた。異
なる高さに、2個の撹拌用のプロペラの付いた長いシャ
フトを蓋の内側に取り付け、このシャフトの蓋の外側に
はプーリーを装着した。プーリーはベルトを介してモー
ターと連動させ、これによって液体の撹拌が行なえるよ
うにした。熱電対をオートクレーブの蓋の内側に装着さ
れているポケットの中に挿入した。この熱電対からのシ
グナルを、試験中オートクレーブの内部の温度を予じめ
設定した一定の温度に保つために、加熱器の電圧コント
ローラーに送った。オートクレーブの内部の圧力を測定
するために、オートクレーブに圧力ゲージも装着した。
【0063】処理剤に追加のカルシウムを加えたもの、
あるいは処理剤を含まない液体を150℃の一定の温
度、約180PSIの圧力のもとで6日間撹拌した後、
オートクレーブを開く前に、42℃まで冷却した。標本
チューブから上澄液をからにするために、なお蓋に取り
付けたまま2〜3秒間蒸留水中に浸漬した。標本チュー
ブを蓋から外し、105℃において乾燥し、秤量した。
【0064】上記の試験に使用した追加のカルシウムを
含む黒液の組成は以下のとおりであった;
【表1】 表 1 黒液の組成 ────────── 内 容 物 含 量 ppm ─────── ─────── pH−13.8 全固形物(105℃) 450,000 可溶性固形物 224,000 懸濁性固形物 2,300 全有機物 60,000 全カルシウム 420 可溶性カルシウム 330 可溶性硬度(CaCO3) 1,025 全マグネシウム 75 全ナトリウム 72,500 全カリウム 15,500 全硫酸塩 8,000 全銅 05 全鉄 10 全マンガン 25 全アルミニウム 20 全亜鉛 05 全ニッケル 05 全クロム酸塩 05
【0065】処理剤の組成が、重量平均分子量が約3,
000のポリアクリル酸(AA)と、重量平均分子量が
約40000−70000のポリ(ジメチルジアリルア
ンモニウムクロライド)(DMDAAC)との比が1:
4の混合物である、本発明の好適な実施態様を用いた上
記のオートクレーブ試験で得られた結果は、下表の数値
によって示される;
【表2】 表 2 処 理 処 理 量(ppm) 沈 着 物(g) ────── ─────────── ───────── ブランク −− 8.69 ブランク −− 7.14 1:4 AA/DMDAAC 30 0.13 1:4 AA/DMDAAC 15 0.71 1:4 AA/DMDAAC 7.5 2.28
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/26 LJV 101/02 LSY

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 総ポリアニオン性重量平均分子
    量が約1000乃至15000であるという条件で、各
    々場合によっては他の一つ若しくは二つと共重合され
    る、または場合によってはアクリルアミドと1:1のモ
    ル単位比までで共重合される、ポリアクリリックアシド
    (AA)、ポリメタクリリックアシド(MAA)、ポリ
    マレイックアシド/無水物(MA)、ポリイタコニック
    アシド(IA)、ポリビニルスルホニックアシド(VS
    A)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
    スルホニックアシド)(AMPSA)、カルボキシメチ
    ルセルロース(CMC)、ポリスチレンスルホネート
    (SSS)、及びポリビニルホスフォリックアシド(V
    PA)から選択されるポリアニオン;及び (b) 総ポリカチオン性重量平均分子量が約2000
    0乃至2000000であるという条件で、各々場合に
    よっては他の一つ若しくは二つと共重合される、または
    場合によっては1:1のモル単位比まででアクリルアミ
    ドと共重合される、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウ
    ムクロライド)(DMDAAC)、ポリエチレンイミン
    (PEI)、ポリアミン(PA)、ポリビニルアミン
    (PVA)、ポリ(4−ビニルピリジニウム)(PV
    P)、キトーサン(CH)、ポリ(メタクリルアミドプ
    ロピルトリメチルアンモニウムクロライド)(MAPT
    AC)、及びポリ(アクリルアミドプロピルトリメチル
    アンモニウムクロライド)(APTAC)から選択され
    るポリカチオン の、ポリアニオン(a)対ポリカチオン(b)の重量比
    は1:2乃至1:8であるアニオン性/カチオン性ポリ
    マー混合物からなり、紙製造の際のブラックリカーの製
    造を含む水系におけるスケールインパーティング化合物
    の形成、沈殿及び粘着を制御するための沈殿物制御剤組
    成物。
  2. 【請求項2】 (a) 総ポリアニオン性重量平均分子
    量が約1000乃至5000であるという条件で、各々
    場合によっては互いに共重合される、あるいは場合によ
    ってはアクリルアミドと1:1のモル単位比までで共重
    合される、ポリアクリリックアシド、ポリメタクリリッ
    クアシド、及びポリマレイックアンハイドライドから選
    択されるポリアニオン、及び (b) 約25000乃至1000000の重量平均分
    子量を有するポリカチオンポリ(ジメチルジアリルアン
    モニウムクロライド) の、ポリアニオン(a)対ポリカチオン(b)の重量比
    が1:2乃至1:8であるアニオン性/カチオン性ポリ
    マー混合物からなる請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 ポリカチオンがポリ(ジメチルジアリル
    アンモニウムクロライド)であり、その重量平均分子量
    が約40000乃至70000の範囲内にある請求項1
    記載の組成物。
  4. 【請求項4】 (a)対(b)の重量比が1:3乃至
    1:5である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 (a)対(b)の重量比が1:4である
    請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 カミヤ(Kamyr)蒸解釜に伴われたブラッ
    クリカーエバポレーター及びヒーターの表面上の硫酸ナ
    トリウム、炭酸ナトリウム、有機物、及び炭酸カルシウ
    ムの沈殿を制御するための、約40000乃至7000
    0の重量平均分子量を有するポリ(ジメチルジアリルア
    ンモニウムクロライド)とポリアクリリックアシドとの
    混合物であり、ポリアニオン対ポリカチオンの重量比は
    1:4である、請求項1記載の組成物。
  7. 【請求項7】 (a) 総ポリアニオン性重量平均分子
    量が約1000乃至15000であるという条件で、各
    々場合によっては他の一つ若しくは二つと共重合され
    る、または場合によってはアクリルアミドと1:1のモ
    ル単位比までで共重合される、ポリアクリリックアシド
    (AA)、ポリメタクリリックアシド(MAA)、ポリ
    マレイックアシド/無水物(MA)、ポリイタコニック
    アシド(IA)、ポリビニルスルホニックアシド(VS
    A)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
    スルホニックアシド)(AMPSA)、カルボキシメチ
    ルセルロース(CMC)、ポリスチレンスルホネート
    (SSS)、及びポリビニルホスフォリックアシド(V
    PA)から選択されるポリアニオン;及び (b) 総ポリカチオン性重量平均分子量が約2000
    0乃至2000000であるという条件で、各々場合に
    よっては他の一つ若しくは二つと共重合される、または
    場合によっては1:1のモル単位比まででアクリルアミ
    ドと共重合されるポリ(ジメチルジアリルアンモニウム
    クロライド)(DMDAAC)、ポリエチレンイミン
    (PEI)、ポリアミン(PA)、ポリビニルアミン
    (PVA)、ポリ(4−ビニルピリジニウム)(PV
    P)、キトーサン(CH)、ポリ(メタクリルアミドプ
    ロピルトリメチルアンモニウムクロライド)(MAPT
    AC)、及びポリ(アクリルアミドプロピルトリメチル
    アンモニウムクロライド)(APTAC)から選択され
    るポリカチオン の、ポリアニオン(a)対ポリカチオン(b)の重量比
    が1:2乃至1:8であるアニオン性/カチオン性ポリ
    マー混合物の、1乃至100mg/リットルの濃度を達成
    させるに十分な量を系に加える行程を含んでなる、紙製
    造の際のブラックリカーの製造を含む水系におけるスケ
    ール形成塩の形成,沈殿及び粘着を防止する方法。
  8. 【請求項8】 (a) 総ポリアニオン性重量平均分子
    量が約1000乃至5000であるという条件で、各々
    場合によっては互いに共重合される、あるいは場合によ
    ってはアクリルアミドと1:1のモル単位比までで共重
    合される、ポリアクリリックアシド、ポリメタクリリッ
    クアシド、及びポリマレイックアンハイドライドから選
    択されるポリアニオン、及び (b) 約25000乃至1000000の重量平均分
    子量を有するポリカチオンポリ(ジメチルジアリルアン
    モニウムクロライド) の、ポリアニオン(a)対ポリカチオン(b)の重量比
    が1:2乃至1:8であるアニオン性/カチオン性ポリ
    マー混合物の、1乃至100mg/リットルの濃度を達成
    するに十分な量を系に加える工程を含んでなる請求項7
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 ポリカチオンがポリ(ジメチルジアリル
    アンモニウムクロライド)であり、その重量平均分子量
    が約40000乃至70000の範囲内にある請求項7
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 (a)対(b)の重量比が1:3乃至
    1:5である請求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】 (a)対(b)の重量比が1:4であ
    る請求項7記載の方法。
  12. 【請求項12】 カミヤ(Kamyr)蒸解釜に伴われたブラ
    ックリカーエバポレーター及びヒーターの表面上の硫酸
    ナトリウム、炭酸ナトリウム、有機物、及び炭酸カルシ
    ウムの沈殿を制御するための、組成物は約40000乃
    至70000の重量平均分子量を有するポリ(ジメチル
    ジアリルアンモニウムクロライド)とポリアクリリック
    アシドとの混合物であり、ポリアニオン対ポリカチオン
    の重量比は1:4であり、そして組成物の濃度は10乃
    至50mg/リットルである、請求項7記載の処理方法。
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