JPH0847642A - 不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒およびこの触媒を用いた不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸の製造方法 - Google Patents

不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒およびこの触媒を用いた不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸の製造方法

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JPH0847642A
JPH0847642A JP7134166A JP13416695A JPH0847642A JP H0847642 A JPH0847642 A JP H0847642A JP 7134166 A JP7134166 A JP 7134166A JP 13416695 A JP13416695 A JP 13416695A JP H0847642 A JPH0847642 A JP H0847642A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロピレン、イソブチレン、t−ブタノール
およびメチル−t−ブチルエーテルよりなる群から選ば
れる少なくとも一種の化合物を気相接触酸化して不飽和
アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を製造するための触
媒およびこの触媒を用いた不飽和アルデヒドおよび不飽
和カルボン酸の製造方法を提供する。 【構成】 プロピレン、イソブチレン、t−ブタノール
およびメチル−t−ブチルエーテルよりなる群から選ば
れる少なくとも一種の化合物を気相にて分子状酸素また
は分子状酸素含有ガスにより酸化して不飽和アルデヒド
および不飽和カルボン酸を製造するための触媒であっ
て、(A)Mo、BiおよびFeを必須成分とする、プ
ロピレン、イソブチレン、t−ブタノールおよび/また
はメチル−t−ブチルエーテルの気相接触酸化反応によ
る不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用複合
酸化物および(B)酸強度(H0 )が−11.93以下
(H0 ≦−11.93)の固体酸を含有してなる不飽和
アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不飽和アルデヒドおよ
び不飽和カルボン酸製造用触媒およびこの触媒を用いた
不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸の製造方法に
関する。詳しくは、プロピレン、イソブチレン、t−ブ
タノールおよびメチル−t−ブチルエーテルよりなる群
から選ばれる少なくとも一種の化合物から気相接触酸化
反応によって高収率かつ長期安定した性能で不飽和アル
デヒドおよび不飽和カルボン酸を製造する触媒およびこ
の触媒を用いた不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン
酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレン、イソブチレンなどの気相接
触酸化反応によって不飽和アルデヒドおよび不飽和カル
ボン酸を効率よく製造するために種々の改良触媒が提案
されている。例えば、特開昭50−13308、同50
−47915号各公報には、Mo、Bi、Fe、Sbお
よびNiを含み、更にK、RbおよびCsの少なくとも
一種の元素を必須成分とする触媒、また特開昭64−5
6634号公報には、Mo、BiおよびFeを含み、更
にNiおよびCoの少なくとも一種の元素を必須成分と
する触媒が記載されているように、提案されている触媒
は大部分がモリブデン、ビスマスおよび鉄を主成分とす
るものである。
【0003】これら触媒系の問題点は不飽和アルデヒド
および不飽和カルボン酸の収率のみならず寿命の点で依
然として不十分であると考えられていることである。触
媒中のモリブデンは飛散し易く、そのことが不可逆的な
触媒活性劣化を引き起こす。上記酸化反応は非常な発熱
反応であり、触媒層、特にホットスポットと呼ばれる局
所的異常高温帯ではモリブデンの飛散が著しいことを考
えると、高温での触媒使用は極力避けるべきであり、高
活性でなおかつ長期にわたって安定な性能を示す触媒が
望まれるところである。特に高生産性を目的とした高負
荷運転においては、ホットスポットでの蓄熱がより大き
いと考えられること、および触媒劣化が通常反応に比べ
て早いために高温で使用する期間が長くなることを合わ
せ考えると、高活性で長期にわたって安定な性能を示す
触媒が不可欠であると考えられる。
【0004】一方、酸強度(H0 )(以下、単に「酸強
度」または「H0 」という場合もある)が−11.93
以下の固体酸は通常固体超強酸と呼ばれており、例えば
「触媒」第31巻、第7号(1989)第512〜51
8頁に詳しく紹介されている。この文献によれば、超強
酸は100%硫酸より強い酸性と定義され(H0 ≦−1
1.93)、炭化水素の分解、異性化、アルキル化、重
合、アシル化、脱水、脱水素などの酸触媒反応と称され
る反応において通常の酸触媒に比べてより穏やかな条件
で用いることができると報告されている。しかし、この
ような超強酸が、特にモリブデン−ビスマス−鉄系触媒
との組合せにおいてプロピレン、イソブチレンなどから
対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を製
造する気相接触酸化反応に有効であることはまったく知
られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を高
収率で製造する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン
酸製造用触媒を提供することである。
【0006】本発明の他の目的は、触媒寿命に優れ、長
期にわたって安定した運転を可能ならしめる不飽和アル
デヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒を提供するこ
とである。
【0007】本発明のさらに他の目的は、高生産性を目
的として高負荷運転においても、長期にわたって安定し
た運転を可能ならしめる不飽和アルデヒドおよび不飽和
カルボン酸の製造用触媒を提供することである。
【0008】本発明の別の目的は、上記触媒を用いて効
率よく不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を製造
する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、不飽和ア
ルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒として、モ
リブデン、ビスマスおよび鉄を必須成分とする複合酸化
物と酸強度が−11.93以下の固体酸とを組み合わせ
た触媒組成物が高活性であり、かつ触媒の安定性に優れ
ていて、この触媒組成物を使用することにより上記の目
的が達成できることを知り、この知見に基づいて本発明
を完成するに到った。
【0010】すなわち、上記諸目的は、プロピレン、イ
ソブチレン、t−ブタノールおよびメチル−t−ブチル
エーテルよりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合
物を気相にて分子状酸素または分子状酸素含有ガスによ
り酸化して不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を
製造するための触媒であって、(A)モリブデン、ビス
マスおよび鉄を必須成分とする、プロピレン、イソブチ
レン、t−ブタノールおよび/またはメチル−t−ブチ
ルエーテルの気相接触酸化反応による不飽和アルデヒド
および不飽和カルボン酸製造用複合酸化物および(B)
酸強度(H0 )が−11.93以下(H0 ≦−11.9
3)の固体酸を含有してなる不飽和アルデヒドおよび不
飽和カルボン酸製造用触媒によって達成される。
【0011】本発明は、成分(A)が一般式(1): Moa b Bic Fed e f g h i x (ここで、Moはモリブデン、Wはタングステン、Bi
はビスマス、Feは鉄、Aはニッケルおよびコバルトよ
りなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、Bはアル
カリ金属およびタリウムよりなる群から選ばれる少なく
とも一種の元素、Cはアルカリ土類金属から選ばれる少
なくとも一種の元素、Dはリン、テルル、アンチモン、
スズ、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、ヒ素および亜
鉛よりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、Eは
シリコン、アルミニウム、チタニウムおよびジルコニウ
ムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、そし
てOは酸素であり、a、b、c、d、e、f、g、h、
iおよびxはそれぞれMo、W、Bi、Fe、A、B、
C、D、EおよびOの原子比を表し、a=12のとき、
b=0〜10、c=0.1〜10、d=0.1〜20、
e=2〜20、f=0.001〜10、g=0〜10、
h=0〜4、i=0〜30であり、xはそれぞれの元素
の酸素状態によって定まる数値である)で表される複合
酸化物である不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸
製造用触媒を示すものである。本発明はまた、成分
(B)がSO4 /周期律表第IV族金属酸化物超強酸で
ある不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触
媒を示すものである。本発明はまた、周期律表第IV族
金属がジルコニウム、チタン、スズおよびハフニウムよ
りなる群から選ばれる少なくとも一種である不飽和アル
デヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒を示すもので
ある。本発明はまた、成分(B)がSO4 /酸化鉄超強
酸である不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造
用触媒を示すものである。本発明はまた、成分(B)が
SO4 /酸化ケイ素超強酸である不飽和アルデヒドおよ
び不飽和カルボン酸製造用触媒を示すものである。本発
明はまた、成分(B)がSO4 /酸化アルミニウム超強
酸である不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造
用触媒を示すものである。本発明はまた、成分(B)が
酸化タングステン、酸化モリブデンまたはタングステン
−モリブデン複合酸化物/酸化ジルコニウム超強酸であ
る不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒
を示すものである。本発明はさらに、成分(B)が酸化
タングステン/酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、または
スズ、チタンおよび鉄よりなる群から選ばれる少なくと
も2種の元素の複合酸化物超強酸である不飽和アルデヒ
ドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒を示すものであ
る。本発明はさらに、成分(B)がリンタングステン酸
および/またはそのアルカリ金属塩超強酸である不飽和
アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒を示すも
のである。本発明はさらに、成分(A)に対する成分
(B)の割合(酸化物換算)が0.5〜30重量%であ
る不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒
を示すものである。
【0012】本発明はまた、プロピレン、イソブチレ
ン、t−ブタノールおよびメチル−t−ブチルエーテル
よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を気相
にて分子状酸素または分子状酸素含有ガスにより酸化し
て不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を製造する
気相接触酸化反応において、該反応を上記いずれかに記
載の不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触
媒の存在下に行うことよりなる不飽和アルデヒドおよび
不飽和カルボン酸の製造方法によっても達成される。
【0013】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】成分(A):成分(A)としては、プロピ
レン、イソブチレン、t−ブタノールおよびメチル−t
−ブチルエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1
種の化合物の気相接触酸化反応による不飽和アルデヒド
および不飽和カルボン酸製造用触媒として従来公知のモ
リブデン、ビスマスおよび鉄を必須成分とする複合酸化
物触媒のいずれも使用することができる。これらのう
ち、下記一般式(1): Moa b Bic Fed e f g h i x (ここで、Moはモリブデン、Wはタングステン、Bi
はビスマス、Feは鉄、Aはニッケルおよびコバルトよ
りなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、Bはアル
カリ金属およびタリウムよりなる群から選ばれる少なく
とも一種の元素、Cはアルカリ土類金属から選ばれる少
なくとも一種の元素、Dはリン、テルル、アンチモン、
スズ、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、ヒ素および亜
鉛よりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、Eは
シリコン、アルミニウム、チタニウムおよびジルコニウ
ムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、そし
てOは酸素であり、a、b、c、d、e、f、g、h、
iおよびxはそれぞれMo、W、Bi、Fe、A、B、
C、D、EおよびOの原子比を表し、a=12のとき、
b=0〜10、好ましくは0.5〜10、c=0.1〜
10、好ましくは0.2〜6、d=0.1〜20、好ま
しくは0.2〜10、e=2〜20、好ましくは3〜1
5、f=0.001〜10、好ましくは0.002〜
5、g=0〜10、好ましくは0〜5、h=0〜4、好
ましくは0〜2、i=0〜30、好ましくは0〜15で
あり、xはそれぞれの元素の酸素状態によって定まる数
値である)で表される複合酸化物が好適に用いられる。
【0015】これら複合酸化物触媒の調製方法には特に
制限はなく、従来公知の方法によって調製することがで
きる。出発原料としての各元素成分を含有する化合物の
種類には特に制限はなく、各元素成分を含有する酸化物
または焼成によって酸化物を生成する化合物であればい
ずれも使用することができる。焼成によって酸化物を生
成する化合物としては、水酸化物、金属酸、硝酸塩、炭
酸塩、アンモニウム塩、酢酸塩、ギ酸塩などを挙げるこ
とができる。上記元素成分を2以上含有する化合物も使
用することができる。
【0016】通常、これら出発原料としての各元素成分
を含有する化合物の所要量を、例えば水性媒体中に適宜
溶解し、加熱攪拌した後、蒸発乾固し、更に必要により
粉砕することにより目的とする成分(A)の複合酸化物
触媒が得られる。
【0017】成分(B):成分(B)としての固体超強
酸には、前記の「触媒」に記載のように、硫酸担持超強
酸および酸化物担持超強酸が知られており、これらの代
表例として次の超強酸(1)〜(7)を挙げることがで
きる。
【0018】(1)SO4 /周期律表第IV族金属酸化
物超強酸 ここで、周期律表第IV族金属としては、ジルコニウ
ム、チタニウム、スズおよびハフニウムが好適に用いら
れる。これらは混合して使用することもできる。代表例
としては、SO4 /酸化ジルコニウム、SO4 /酸化チ
タン、SO4 /酸化スズおよびSO4 /酸化ハフニウム
を挙げることができる。そして、それぞれSO4 /Zr
2 、SO4 /TiO2 、SO4 /SnO2 およびSO
4 /HfO 2 と表される。これら超強酸は前記の「触
媒」のほか、「Advances in Cataly
sis」、vol.37,p.182−191(199
0)、「Applied Catalysis」、vo
l.61,p.1−25(1990)などに記載されて
いる。
【0019】これら超強酸の調製方法を、ジルコニウム
を例に挙げて説明すると、水酸化ジルコニウムまたは無
定形の酸化ジルコニウムを硫酸根含有溶液、例えば硫酸
あるいは硫酸水溶液と接触させた後、過剰の硫酸根含有
溶液を除去し、次いで乾燥した後、空気または窒素など
の不活性ガス雰囲気中で350〜800℃、好ましくは
400〜700℃の温度で1〜10時間、好ましくは2
〜8時間程度焼成することによりSO4 /酸化ジルコニ
ウム超強酸が得られる。その他の金属の場合もそれぞれ
の水酸化物または無定形の酸化物を原料として同様に調
製することができる。
【0020】このようにして得られる超強酸において
は、硫酸根(SO4 2-)が金属酸化物に結合もしくは担
持されていると一般に考えられており、前記の「触
媒」、「Advances in Catalysi
s」にもSO4 /金属酸化物(MeOx )と表されてい
ることから、本発明で使用する超強酸もこのような表示
方法にしたがって表示する。
【0021】(2)SO4 /酸化鉄超強酸 この超強酸は、SO4 /Fe2 3 と表され、そして前
記の「触媒」、「Advances in Catal
ysis」のほかに、「ChemistryLette
rs」、p.1259−1260(1979)などに記
載されている。
【0022】この超強酸は、鉄の水酸化物もしくは無定
形の酸化物を硫酸根含有溶液、例えば硫酸または硫酸水
溶液と接触させた後、過剰の硫酸根含有溶液を除去し、
次いで乾燥した後、空気または窒素ガスなどの不活性ガ
ス雰囲気中で350〜800℃、好ましくは400〜6
50℃の温度で1〜10時間、好ましくは2〜8時間程
度焼成して得られる。
【0023】(3)SO4 /酸化ケイ素超強酸 この超強酸は、SO4 /SiO2 と表され、そして前記
の「触媒」、「Advances in Cataly
sis」などに記載されている。
【0024】この超強酸は、シリカゲルを硫黄含有化合
物、例えば塩化スルフリルと接触させた後、乾燥し、次
いで空気または窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で3
00〜600℃、好ましくは350〜500℃の温度で
1〜10時間、好ましくは2〜8時間程度焼成して得ら
れる。
【0025】(4)SO4 /酸化アルミニウム超強酸 この超強酸は、SO4 /Al2 3 と表され、そして前
記の「触媒」、「Advances in Catal
ysis」などに記載されている。
【0026】この超強酸は、γ−アルミナまたは水酸化
アルミニウムを硫酸根含有溶液、例えば硫酸あるいは硫
酸水溶液と接触させた後、過剰の硫酸根含有溶液を除去
し、次いで乾燥した後、空気または窒素ガスなどの不活
性ガス雰囲気中で350〜800℃、好ましくは400
〜700℃の温度で1〜10時間、好ましくは2〜8時
間程度焼成して得られる。
【0027】(5)酸化タングステン、酸化モリブデン
またはタングステン−モリブデン複合酸化物/酸化ジル
コニウム超強酸 これら超強酸は、WO3 /ZrO2 、MoO3 /ZrO
2 およびWO3 −MoO3 /ZrO2 と表され、そして
前記の「触媒」、「Chemistry Letter
s」、「Advances in Catalysi
s」のほか、「J.Chem.Soc.,Chem.C
ommun.」p.1059−1060(1988)な
どに記載されている。
【0028】これら超強酸は、水酸化ジルコニウムまた
は無定形の酸化ジルコニウムにタングステンおよび/ま
たはモリブデンの化合物を担持し、次いで空気または窒
素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で500〜1000
℃、好ましくは650〜850℃の温度で1〜10時
間、好ましくは2〜8時間程度焼成して得られる。
【0029】酸化タングステン、酸化モリブデンまたは
タングステン−モリブデン複合酸化物の担持量は通常酸
化ジルコニウムの1〜40重量%、好ましくは3〜40
重量%である。
【0030】(6)酸化タングステン/酸化スズ、酸化
チタン、酸化鉄、またはスズ、チタニウムおよび鉄より
なる群から選ばれる少なくとも2種の元素の複合酸化物
超強酸 これら超強酸は、WO3 /SnO2 、WO3 /Ti
2 、WO3 /Fe2 3、WO3 /SnO2 −TiO
2 、WO3 /SnO2 −Fe2 3 、WO3 /TiO2
−Fe2 3 およびWO3 /SnO2 −TiO2 −Fe
2 3 と表され、そして前記の「触媒」のほか、「St
ud.Surf.Soc.Catal.」、vol.7
5,p.2613−16(1953)に記載されてい
る。
【0031】これら超強酸は、水酸化第二スズ、無定形
の酸化第二スズ、水酸化チタン、無定形の酸化チタン、
水酸化第二鉄および無定形の酸化第二鉄よりなる群から
選ばれる少なくとも一種の化合物にタングステン化合物
を担持し、次いで空気または窒素ガスなどの不活性ガス
雰囲気中で650〜1200℃、好ましくは650〜1
000℃の温度で1〜10時間、好ましくは2〜8時間
程度焼成して得られる。
【0032】酸化タングステンの担持量は通常酸化ス
ズ、酸化チタンなどの酸化物の1〜40重量%、好まし
くは3〜40重量%である。
【0033】(7)リンタングステン酸および/または
そのアルカリ金属塩超強酸 これら超強酸はH3 1 1240およびH3- x x 1
1240(ここで、Aはアルカリ金属(ナトリウム、カ
リウム、ルビジウムおよびセシウム)であり、0<x<
3)である)と表される。これら超強酸は「Chem.
Tech.」November(1993),p.28
−29に記載されている。
【0034】これら超強酸はリンタングステン酸または
そのアルカリ塩を空気または窒素ガスなどの不活性ガス
雰囲気中で350〜500℃、好ましくは380〜45
0℃の温度で1〜10時間、好ましくは2〜8時間程度
焼成することにより得られる。
【0035】本発明の成分(B)としては、上記のよう
な各種超強酸を組み合わせて使用することもできる。
【0036】なお、成分(B)としての固体酸のなかに
は−16.04以下の酸強度(H0≦−16.04)を
示すものもあるが、−16.04より強い酸強度の測定
方法は未だ確立されていないので、その値を特定するこ
とはできない。しかし、前記の超強酸(1)〜(7)は
いずれも−11.93より強い酸強度を示すものであ
り、本発明の成分(B)として有効に使用することがで
きる。
【0037】酸強度(H0 ):本発明における酸強度は
一般に用いられている次のような方法によって測定し
た。
【0038】測定する試料が白色の場合、試料をベンゼ
ン中に浸漬し、これにpKa値が既知の酸塩基変換指示
薬を含むベンゼン溶液を添加し、試料表面の指示薬の酸
性色への変化を観察し、酸性色に変色するpKaの最も
小さい値を酸強度とする。使用する指示薬は次のとおり
である。
【0039】指示薬名(pKa):m−ニトロトルエン
(−12.0)、p−ニトロトルエン(−12.4)、
p−ニトロクロロベンゼン(−12.7)、m−ニトロ
クロロベンゼン(−13.2)、2,4−ジニトロトル
エン(−13.8)、2,4−ジニトロフルオロベンゼ
ン(−14.5)、1,3,5−トリニトロベンゼン
(−16.0)。
【0040】また、試料に色がついている場合には、先
ず、ガスの排気および導入ラインを有する容器に試料を
入れ、空気を十分に排気した後、アンモニアガスを導入
し、アンモニアを試料に吸着させる。次に、このアンモ
ニアガスを排気しながら昇温していき、各温度において
排気されるアンモニアガスを液体窒素で捕集し、試料重
量当りの捕集アンモニア量を測定し、別に酸強度既知の
試料にて作成した検量線との対比により酸強度を算出す
る。
【0041】触媒:本発明の触媒は前記の成分(A)と
成分(B)とを含有する。成分(A)に対する成分
(B)の割合(酸化物換算)は通常0.5〜30重量%
であり、好ましくは1〜20重量%である。成分(B)
の割合が0.5重量%未満では十分な添加効果が得られ
ず、一方30重量%を超えると活性の低下が認められ、
イソブチレン等からの不飽和アルデヒドおよび不飽和カ
ルボン酸への選択率が減少し、CO2 、COへの選択率
が増加する。即ち、成分(B)を単独に使用した場合、
イソブチレン等の転化率および不飽和アルデヒドおよび
不飽和カルボン酸への選択率が低く、CO2 、COへの
反応が進行し易くなる。よって、成分(B)を単独に本
発明に係る気相接触酸化反応等に用いるには好ましくな
い成分である。
【0042】ところが、成分(B)を、成分(A)に含
有させることにより、成分(A)が有する活性およびイ
ソブチレン等からの不飽和アルデヒドおよび不飽和カル
ボン酸への選択率を向上させる働きをすることが判っ
た。特に上記の範囲で成分(A)に成分(B)を含有さ
せる場合には著しい助触媒としての効果を発生するもの
である。
【0043】本発明の触媒はそれ自体単独で使用するこ
とができるが、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリコン
カーバイド、酸化チタン、酸化マグネシウム、アルミニ
ウムスポンジなどの不活性担体に担持して使用すること
もできる。この際、触媒の強度、粉化度を改善する効果
があるとして一般によく知られているガラス繊維などの
無機繊維、各種ウイスカーなどを添加してもよい。ま
た、触媒物性を再現性よく制御するために硝酸アンモニ
ウム、セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、
ステアリン酸など一般に粉体結合剤として知られた添加
物を使用することもできる。
【0044】触媒の形状については特に制限はなく、ペ
レット状、球状、円柱状、リング状、タブレット状など
任意の形状とすることができる。その平均直径は1〜1
5mm、好ましくは3〜10mmである。
【0045】成分(A)と成分(B)とを含有する触媒
の調製方法については特に制限はなく、任意の方法で調
製することができる。例えば、予め各成分の粉体を調製
しておき、これら粉体をボールミルなどを用いて均密に
混合する方法、成分(A)の調製時の任意の段階で予め
調製したおいた成分(B)を分散する方法などを採用す
ることができる。
【0046】なお、一般には、成分(A)と成分(B)
とを十分混合した後、必要に応じて成型助剤として水な
どを添加して所望形状に成型し、これを空気流通下に3
00〜600℃、好ましくは350〜550℃の温度で
1〜10時間、好ましくは2〜8時間程度焼成して成型
体として使用するのがよい。
【0047】気相接触酸化反応:本発明の気相接触酸化
反応の実施に際しての装置、条件などについては特に制
限はない。すなわち、反応条件についていえば、気相接
触酸化反応による不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボ
ン酸の製造に一般に用いられている条件下で実施するこ
とができる。
【0048】例えば、原料ガスとして、プロピレン、イ
ソブチレン、t−ブタノールおよびメチル−t−ブチル
エーテルよりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合
物1〜10容量%、好ましくは2〜8%この原料ガスに
対し、容量比で1〜10倍、好ましくは1〜8倍の範囲
の分子状酸素および希釈剤としての不活性ガス、例えば
窒素、炭酸ガス、水蒸気(特に、水蒸気の使用は副生物
の生成を抑え、目的生成物の収率向上に有利である)な
どからなる混合ガスを250〜450℃、好ましくは2
80〜420℃の温度範囲で常圧〜10気圧、好ましく
は常圧〜8気圧の圧力下に300〜5000hr-1(S
TP)、好ましくは500〜4000hr-1(STP)
の空間速度で本発明の触媒と接触させて反応させればよ
い。
【0049】本発明の方法によれば、不飽和アルデヒド
および不飽和カルボン酸として、プロピレンからアクロ
レインおよびアクリル酸、イソブチレンからメタクロレ
インおよびメタクリル酸、t−ブタノールからメタクロ
レインおよびメタクリル酸、そしてメチル−t−ブチル
エーテルからメタクロレインおよびメタクリル酸が得ら
れる。
【0050】作用:酸触媒反応にきわめて有効な固体超
強酸が酸化反応においても活性があることはブタン類の
CO、CO2 への酸化やエチレンからアセトアルデヒド
やアセトンの生成、シクロヘキサノールからシクロヘキ
サノンの生成例が知られているだけであり、不飽和アル
デヒドおよび不飽和カルボン酸の生成反応のような酸化
反応にも有効であることは今までまったく知られていな
かったことであり驚くべきことである。
【0051】本発明で使用する触媒における成分(B)
の作用についてはまだよく分からないが、成分(B)の
強酸性がプロピレン、イソブチレンなどの反応物質の触
媒への吸着を促進するために触媒活性が高くなり、また
成分(B)は高表面積であり、しかも耐熱性に優れてい
るために、成分(A)の複合酸化物の安定性に寄与して
いるものと考えられる。なお、本発明はこのような理論
的考察によって制約を受けるものではない。
【0052】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。なお、転化率、合計選択率および合計単流収
率は次のように定義される。
【0053】
【数1】
【0054】
【数2】
【0055】
【数3】
【0056】実施例1 触媒の調製成分(A) イオン交換水1リットルに硝酸コバルト1456gと硝
酸第二鉄202gとを溶解した。また、硝酸ビスマス2
43gを濃硝酸30mlとイオン交換水120mlとか
らなる硝酸水溶液に溶解した。
【0057】別に、加熱したイオン交換水3リットルに
パラモリブデン酸アンモニウム1059gおよびパラタ
ングステン酸アンモニウム265gを添加し、攪拌しな
がら溶解した。得られた水溶液に上記別途調製した2つ
の水溶液を滴下、混合し、次いで硝酸セシウム39gを
イオン交換水200mlに溶解した水溶液、さらに20
重量%濃度のシリカゾル203gを順次添加し、混合し
た。
【0058】このようにして得られたスラリーを加熱攪
拌し、蒸発乾固した後、粉砕して、モリブデン−タング
ステン−ビスマス−鉄系複合酸化物粉体(「粉体(A−
1)」という)を得た。
【0059】成分(B) オキシ塩化ジルコニウム250gをイオン交換水に全量
溶解させた後、攪拌しながらアンモニア水を徐々に添加
して水酸化ジルコニウムを生成させた。生成した水酸化
ジルコニウムをろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した
後、100℃で24時間乾燥した。乾燥水酸化物をロー
ト(ろ紙)上に広げ、別に調製した0.25モル濃度の
硫酸を吸引しながら10回に分けて水酸化物上の流し、
十分吸引して過剰の硫酸根溶液を除去した後、乾燥し
た。乾燥した硫酸処理物を空気気流中500℃で3時間
焼成して、強酸度−14.5のSO4 /ZrO2 超強酸
粉体(「粉体(B−1)」という)を得た。
【0060】粉体(A−1)1699g(酸化物換算)
に粉体(B−1)62.5g(酸化物換算)を加え、十
分混合した後、成型助剤として水を加え、外径6mm、
長さ6.6mmのペレットに成型し、これを乾燥した
後、空気気流下500℃で6時間焼成して触媒(1)を
得た。粉体(A−1)に対する粉体(B−1)の割合
(酸化物換算)は3.7重量%であった。この触媒
(1)の元素組成は原子比で(酸素を除く原子比、以下
同じ)次のとおりであった。
【0061】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Zr1. 0 0. 02) 酸化反応 触媒(1)1500mlを25.4mmφの鋼鉄製反応
器に充填した。この反応器にイソブチレン6容量%、酸
素13.2容量%、水蒸気10容量%および窒素70.
8容量%からなる組成の混合ガスを導入し、反応温度3
30℃、空間速度1600hr-1(STP)で酸化反応
を行った。結果を表1に示す。
【0062】比較例1 触媒の調製 実施例1において、粉体(A−1)のみを用いて実施例
1と同様に触媒(2)を調製した。
【0063】酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(2)を
用い、また反応温度を330℃または340℃に変更し
た以外は実施例1と同様の反応条件で酸化反応を行っ
た。結果を表1に示す。
【0064】実施例1と比較例1との比較により、本発
明の触媒(1)は比較用の触媒(2)より触媒活性に優
れ、またより低い温度で同程度の触媒活性を示すことが
分かる。実施例2 触媒の調製 実施例1において、粉体(A−1)を調製する際、その
スラリーの段階で粉体(B−1)62.5g(酸化物換
算)を添加し、その後加熱攪拌し、蒸発乾固し、以下実
施例1と同様に、成型助剤として水を加え、外径6m
m、長さ6.6mmのペレットに成型し、これを乾燥し
た後、空気流通下500℃で6時間焼成して触媒(3)
を得た。この触媒(3)の元素組成および粉体(A−
1)に対する粉体(B−1)の割合(酸化物換算)は、
触媒(1)と同じであった。
【0065】酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(3)を
用いた以外は実施例1と同様にして酸化反応を行った。
結果を表1に示す。
【0066】実施例3 触媒の調製 実施例1において、粉体(A−1)の調製時にパラモリ
ブデン酸アンモニウムおよびメタバナジン酸アンモニウ
ムを添加するイオン交換水に予め粉体(B−1)62.
5g(酸化物換算)を添加した以外は実施例1と同様に
して触媒(4)を得た。この触媒(4)の元素組成およ
び粉体(A−1)に対する粉体(B−1)の割合(酸化
物換算)は触媒(1)と同じであった。
【0067】酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(4)を
用いた以外は実施例1と同様にして酸化反応を行った。
結果を表1に示す。
【0068】実施例4 実施例2において、酸化反応を4000時間継続して行
い、4000時間後の結果を表1に示す。
【0069】表1の結果から、4000時間酸化反応後
の活性低下は非常に小さく、収率の低下はほとんど無視
できる程度であり、触媒(3)を用いることにより長期
にわたって非常に安定した酸化反応を継続することが可
能であることが分かった。
【0070】比較例2 比較例1において、反応温度340℃で4000時間に
わたって反応を行った以外は比較例1と同様に酸化反応
を行った。結果を表1に示す。
【0071】比較例1(反応温度340℃)と比較例2
との比較により、比較用の触媒(2)は長時間反応後で
は活性および収率の低下が大きく、安定性に問題がある
ことが分かる。
【0072】実施例5 実施例2において、反応温度および空間速度をそれぞれ
360℃および3000hr-1に変更した以外は実施例
2と同様にして酸化反応を行った。結果を表1に示す。
【0073】比較例3 実施例5において、触媒(3)の代わりに触媒(2)を
用いた以外は実施例5と同様にして酸化反応を行った。
結果を表1に示す。
【0074】実施例5と比較例3との比較により、本発
明の触媒(3)は比較用の触媒(2)に比べて高空間速
度条件下でも活性および収率がともに優れていることが
分かる。
【0075】実施例6 実施例2において、原料ガス中のイソブチレンおよび窒
素ガスの割合をそれぞれ7.0容量%および69.8容
量%に変更した以外は実施例2と同様にして酸化反応を
行った。結果を表1に示す。
【0076】比較例4 実施例6において、触媒(3)の代わりに触媒(2)を
用いた以外は実施例6と同様に酸化反応を行った。結果
を表1に示す。
【0077】実施例6と比較例4との比較により、原料
ガス中のイソブチレン濃度を上げても本発明の触媒
(3)は活性および収率がともに優れていることが分か
る。
【0078】
【表1】
【0079】実施例7 実施例2において、原料ガスとしてイソブチレンの代わ
りにt−ブタノールを用いた以外は実施例2と同様にし
て酸化反応を行った。結果を表2に示す。
【0080】比較例5 実施例7において、触媒(3)の代わりに触媒(2)を
用いた以外は実施例7と同様にして酸化反応を行った。
結果を表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】実施例8 実施例2において、原料ガスとしてメチル−t−ブチル
エーテル(MTBE)5容量%、酸素13.2容量%、
水蒸気10容量%および窒素71.8容量%からなる混
合ガスを使用し、空間速度および反応温度をそれぞれ1
000hr-1および360℃に変更した以外は実施例2
と同様に酸化反応を行った。結果を表3に示す。
【0083】比較例6 実施例8において、触媒(3)の代わりに触媒(2)を
用いた以外は実施例8と同様に酸化反応を行った。結果
を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】実施例9 触媒の調製 実施例2において、粉体(A−1)に対する粉体(B−
1)の添加割合(酸化物換算)を7.4重量%に変更し
た以外はまったく同様にして触媒(5)を調製した。こ
の触媒(5)の元素組成は原子比で次のとおりであっ
た。
【0086】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Zr2. 0 0. 04) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(5)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。
【0087】実施例10 触媒の調製 実施例1における粉体(B−1)の調製の際、オキシ塩
化ジルコニウムの代わりに四塩化チタンを用い、焼成温
度を520℃に変更した以外は、粉体(B−1)と同様
の調製法により、強酸度−13.8のSO4 /TiO2
超強酸粉体(「粉体(B−10)」という)を調製し
た。以下、実施例2において、粉体(B−1)の代わり
に粉体(B−10)を用いた以外は実施例2と同様にし
て触媒(6)を調製した。この触媒(6)の元素組成は
原子比で次のとおりであった。なお、粉体(A−1)に
対する粉体(B−10)の割合(酸化物換算)は2.4
重量%であった。
【0088】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Ti1. 0 0. 02) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(6)を
用いた以外は実施例1と同様にして酸化反応を行った。
結果を表4に示す。
【0089】実施例11 触媒の調製 実施例1における粉体(B−1)の調製の際、オキシ塩
化ジルコニウムの代わりに塩化第二スズを用い、焼成温
度を550℃に変更した以外は、粉体(B−1)と同様
の調製法により、強酸度−14.5のSO4 /SnO2
超強酸粉体(「粉体(B−11)」という)を調製し
た。以下、実施例2において、粉体(B−1)の代わり
に粉体(B−11)を用いた以外は実施例2と同様にし
て触媒(7)を調製した。この触媒(7)の元素組成は
原子比で次のとおりであった。なお、粉体(A−1)に
対する粉体(B−11)の割合(酸化物換算)は4.5
重量%であった。
【0090】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Sn1. 0 0. 02) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(7)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。
【0091】実施例12 触媒の調製 実施例1における粉体(B−1)の調製の際、オキシ塩
化ジルコニウムの代わりに塩化ハフニウムを用い、焼成
温度を650℃に変更した以外は、粉体(B−1)と同
様の調製法により、強酸度−13.2のSO4 /HfO
2 超強酸粉体(「粉体(B−12)」という)を調製し
た。以下、実施例2において、粉体(B−1)の代わり
に粉体(B−12)を用いた以外は実施例2と同様にし
て触媒(8)を調製した。この触媒(8)の元素組成は
原子比で次のとおりであった。なお、粉体(A−1)に
対する粉体(B−12)の割合(酸化物換算)は6.2
重量%であった。
【0092】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Hf1. 0 0. 02) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(8)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。
【0093】実施例13 触媒の調製 実施例1における粉体(B−1)の調製の際、オキシ塩
化ジルコニウムの代わりに塩化鉄を用いた以外は粉体
(B−1)と同様の調製法により、強酸度−12.7の
SO4 /Fe2 3 超強酸粉体(「粉体(B−13)」
という)を調製した。以下、実施例2において、粉体
(B−1)の代わりに粉体(B−13)を用いた以外は
実施例1と同様にして触媒(9)を調製した。この触媒
(9)の元素組成は原子比で次のとおりであった。な
お、粉体(A−1)に対する粉体(B−13)の割合
(酸化物換算)は2.4重量%であった。
【0094】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Fe1. 0 0. 01) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(9)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。
【0095】実施例14 触媒の調製 ケイ酸エチル100gをイオン交換水に溶解し、濃硝酸
を数滴加え、攪拌してシリカゲルを得た。このシリカゲ
ルを100℃で乾燥した後、SO2 Cl2 に浸し、その
後400℃で焼成して、強酸度−12.7のSO4 /S
iO2 超強酸粉体(「粉体(B−14)」という)を得
た。以下、実施例2において、粉体(B−1)の代わり
に粉体(B−14)を用いた以外は実施例2と同様にし
て触媒(10)を調製した。この触媒(10)の元素組
成は原子比で次のとおりであった。なお、粉体(A−
1)に対する粉体(B−14)の割合(酸化物換算)は
1.8重量%であった。
【0096】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Si1. 0 0. 02) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(10)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。
【0097】実施例15 触媒の調製 γ−アルミナに5規定の硫酸を接触させた後、600℃
で焼成して、強酸度−13.8のSO4 /Al2 3
強酸粉体(「粉体(B−15)」という)を得た。以
下、実施例2において、粉体(B−1)の代わりに粉体
(B−15)を用いた以外は実施例2と同様にして触媒
(11)を調製した。この触媒(11)の元素組成は原
子比で次のとおりであった。なお、粉体(A−1)に対
する粉体(B−15)の割合(酸化物換算)は1.6重
量%であった。
【0098】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Al1. 0 0. 02) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(11)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。
【0099】実施例16 触媒の調製 実施例1の粉体(B−1)の調製の際、硫酸水溶液の代
わりにメタタングステン酸アンモニウムの水溶液を用
い、焼成温度を800℃とした以外は粉体(B−1)と
同様の調製法により、強酸度−13.8のWO3 /Zr
2 超強酸粉体(「粉体(B−16)」という)を調製
した。以下、実施例2において、粉体(B−1)の代わ
りに粉体(B−16)を用いた以外は実施例2と同様に
して触媒(12)を調製した。この触媒(12)の元素
組成は原子比で次のとおりであった。なお、粉体(A−
1)に対する粉体(B−16)の割合(酸化物換算)は
4.6重量%であり、またWO3 のZrO2 に対する担
持量は28.2重量%であった。
【0100】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Zr1. 0 0. 15) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(12)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。
【0101】実施例17 触媒の調製 実施例16の触媒調製において、メタタングステン酸ア
ンモニウムの水溶液の代わりにパラモリブデン酸アンモ
ニウムの水溶液を用いた以外は実施例16と同様にし
て、強酸度−12.7のMoO3 /ZrO2 超強酸粉体
(「粉体(B−17)」という)を調製した。以下、実
施例2において、粉体(B−1)の代わりに粉体(B−
17)を用いた以外は実施例2と同様にして触媒(1
3)を調製した。この触媒(13)の元素組成は原子比
で次のとおりであった。なお、粉体(A−1)に対する
粉体(B−17)の割合(酸化物換算)は4.0重量%
であり、またMoO3 のZrO2 に対する担持量は1
1.7重量%であった。
【0102】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Zr1. 0 Mo0. 10) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(13)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。
【0103】実施例18 触媒の調製 実施例1の粉体(B−1)の調製の際、乾燥水酸化ジル
コニウムの代わりに乾燥水酸化スズを用い、硫酸水溶液
の代わりにメタタングステン酸アンモニウムの水溶液を
用い、焼成温度を900℃とした以外は粉体(B−1)
の調製法と同様にして、強酸度−12.0のWO3 /S
nO2 超強酸粉体(「粉体(B−18)」という)を調
製した。以下、実施例2において、粉体(B−1)の代
わりに粉体(B−18)を用いた以外は実施例2と同様
にして触媒(14)を調製した。この触媒(14)の元
素組成は原子比で次のとおりであった。なお、粉体(A
−1)に対する粉体(B−18)の割合(酸化物換算)
は5.3重量%であり、またWO3 のSnO2 に対する
担持量は20.0重量%であった。
【0104】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Sn1. 0 0. 13) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(14)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。
【0105】実施例19 触媒の調製 実施例18の粉体(B−18)の調製の際、乾燥水酸化
スズの代わりに乾燥水酸化チタンを用い、焼成温度を7
00℃とした以外は粉体(B−18)の調製法と同様に
して、酸強度−12.4のWO3 /TiO2 超強酸粉体
(「粉体(B−19)」という)を調製した。以下、実
施例2において、粉体(B−1)の代わりに粉体(B−
19)を用いた以外は実施例2と同様にして触媒(1
5)を調製した。この触媒(15)の元素組成は次のと
おりであった。なお、粉体(A−1)に対する粉体(B
−19)の割合(酸化物換算)は3.1重量%であり、
またWO3 のTiO2 に対する担持量は31.9重量%
であった。
【0106】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Ti1. 0 0. 11) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(15)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。
【0107】実施例20 触媒の調製 実施例18の粉体(B−18)の調製の際、乾燥水酸化
スズの代わりに乾燥水酸化鉄を用い、焼成温度を700
℃とした以外は粉体(B−18)の調製法と同様にし
て、強酸度−12.0のWO3 /Fe2 3 超強酸粉体
(「粉体(B−20)」という)を調製した。以下、実
施例2において、粉体(B−1)の代わりに粉体(B−
20)を用いた以外は実施例2と同様にして触媒(1
6)を調製した。この触媒(16)の元素組成は原子比
で次のとおりであった。なお、粉体(A−1)に対する
粉体(B−20)の割合(酸化物換算)は3.2重量%
であり、またWO3 のFe2 3 に対する担持量は3
7.8重量%であった。
【0108】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Fe1. 0 0. 13) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(16)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。
【0109】実施例21 触媒の調製 リンタングステン酸をイオン交換水に溶解し、硝酸セシ
ウムを予めイオン交換水に溶解した水溶液に添加して、
次の組成(酸素を除く)の化合物を調製した。 Cs2. 5 0. 5 1 12 この化合物を400℃で焼成して強酸度−12.4のリ
ンタングステン酸セシウム塩超強酸粉体(「粉体(B−
21)」という)を得た。以下、実施例2において、粉
体(B−1)の代わりに粉体(B−21)を用いた以外
は実施例2と同様にして触媒(17)を調製した。この
触媒(17)の元素組成は原子比で次のとおりであっ
た。なお、粉体(A−1)に対する粉体(B−21)の
割合(酸化物換算)は18.9重量%であった。
【0110】Mo122 Bi1 Fe1 Co10Cs0. 4
1. 35−(Cs2. 5 0. 5 1 120. 2 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(17)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。
【0111】実施例22 触媒の調製 実施例1の粉体(A−1)の調製の際に、硝酸コバルト
の代わりに硝酸ニッケルを使用すること、パラタングス
テン酸アンモニウムの後にリン酸を添加すること、硝酸
セシウムの代わりに硝酸ルビジウムを使用すること、硝
酸ルビジウムの後に酸化第二スズを添加すること、さら
にシリカゾルの代わりに硝酸アルミニウムを使用するこ
と以外は実施例1と同様にしてモリブデン−タングステ
ン−ビスマス−鉄系複合酸化物粉体(「粉体(A−2
2)」という)を調製した。
【0112】粉体(A−22)に対して、実施例1の粉
体(B−1)を加え、十分混合した後、実施例1の方法
に準じて触媒(18)を調製した。この触媒(18)の
元素組成は原子比で次のとおりであった。なお、粉体
(A−22)に対する粉体(B−1)の割合(酸化物換
算)は3.4重量%であった。
【0113】Mo122 Bi3 Fe1 Ni7 Rb1 0.
2 Sn0. 5 Al1 −(Zr1. 0 0. 02) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(18)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。
【0114】比較例7 触媒の調製 実施例22において、粉体(A−22)のみを用いた以
外は実施例22と同様にして、触媒(19)を調製し
た。
【0115】酸化反応 実施例22において、触媒(18)の代わりに触媒(1
9)を用いた以外は実施例22と同様に酸化反応を行っ
た。結果を表4に示す。
【0116】実施例23 触媒の調製 実施例1の粉体(A−1)の調製の際に、パラタングス
テン酸アンモニウムを用いないこと、硝酸セシウムの代
わりに硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸マグネシウム
および硝酸カルシウムを添加すること、シリカゾルの代
わりに二酸化チタンを使用すること、さらに最後に硝酸
第一セリウムと五酸化ニオブとを使用すること以外は実
施例1と同様にしてモリブデン−ビスマス−鉄系複合酸
化物粉体(「粉体(A−23)」という)を調製した。
【0117】粉体(A−23)に実施例1の粉体(B−
1)を加え、十分混合した後、実施例1の方法に準じて
触媒(20)を調製した。この触媒(20)の元素組成
は原子比で次のとおりであった。なお、粉体(A−2
3)に対する粉体(B−1)の割合(酸化物換算)は
4.0重量%であった。
【0118】Mo12Bi1 Fe1 Co100. 5 Li0. 2
Ca0. 2 Mg0. 2 Nb0. 5 Ce1 Ti1 −(Zr1. 0
0. 02) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(20)
を用い、反応温度を340℃に変更した以外は実施例1
と同様に酸化反応を行った。結果を表4に示す。比較例
8 触媒の調製 実施例23において、粉体(A−23)のみを用いた以
外は実施例23と同様にして、触媒(21)を調製し
た。
【0119】酸化反応 実施例23において、触媒(20)の代わりに触媒(2
1)を用いた以外は実施例23と同様にして酸化反応を
行った。結果を表4に示す。
【0120】実施例24 触媒の調製 実施例1において、パラタングステン酸アンモニウムを
用いないこと、硝酸セシウムの代わりに硝酸第一タリウ
ムと硝酸ストロンチウムとを用い、その後に酸化テル
ル、硝酸鉛および硝酸亜鉛を添加すること、またシリカ
ゾルの代わりに二酸化チタンを用いること以外は実施例
1と同様にしてモリブデン−ビスマス−鉄系複合酸化物
粉体(「粉体(A−24)」という)を調製した。
【0121】粉体(A−24)に実施例1の粉体(B−
1)を加え、十分混合した後、実施例1の方法に準じて
触媒(22)を調製した。この触媒(22)の元素組成
は原子比で次のとおりであった。なお、粉体(A−2
4)に対する粉体(B−1)の割合(酸化物換算)は
3.8重量%であった。
【0122】Mo12Bi1 Fe3 Co7 Tl0. 7 Sr0.
3 Te0. 3 Pb1 Zn0. 5 Ti1 −(Zr1. 0 0. 02) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(22)
を用い、反応温度を340℃に変更した以外は実施例1
と同様に酸化反応を行った。結果を表4に示す。比較例
9 触媒の調製 実施例24において、粉体(A−24)のみを用いた以
外は実施例24と同様にして、触媒(23)を調製し
た。
【0123】酸化反応 実施例24において、触媒(22)の代わりに触媒(2
3)を用いた以外は実施例24と同様に酸化反応を行っ
た。結果を表4に示す。
【0124】実施例25 触媒の調製 実施例1の粉体(A−1)の調製の際に、硝酸セシウム
の代わりに硝酸カリウム、硝酸バリウムおよび硝酸ベリ
リウムを用いること、その後に三酸化アンチモンと硝酸
マンガンとを添加すること、またシリカゾルの代わりに
硝酸ジルコニウムを使用すこと以外は実施例1と同様に
してモリブデン−タングステン−ビスマス−鉄系複合酸
化物粉体(「粉体(A−25)」という)を調製した。
【0125】この粉体(A−25)に実施例1の粉体
(B−1)を加え、十分混合した後、実施例1の方法に
準じて触媒(24)を得た。この触媒(24)の元素組
成は原子比で次のとおりであった。なお、粉体(A−2
5)に対する粉体(B−1)の割合(酸化物換算)は
3.9重量%であった。
【0126】Mo121. 5 Bi1 Fe1. 2 Co5 1. 0
Ba0. 2 Be0. 2 Sb1 Mn0. 5 Zr 1 −(Zr1. 0
0. 02) 酸化反応 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(24)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。
【0127】比較例10 触媒の調製 実施例25において、粉体(A−25)のみを用いた以
外は実施例25と同様にして、触媒(25)を調製し
た。
【0128】酸化反応 実施例25において、触媒(24)の代わりに触媒(2
5)を用いた以外は実施例25と同様に酸化反応を行っ
た。結果を表4に示す。
【0129】
【表4】
【0130】実施例26 触媒の調製 実施例1と同様の調製法により、下記に示す元素組成
(原子比)からなる複合酸化物粉体(「粉体(A−2
6)」という)を得た。
【0131】 Mo122 Bi1 Fe1 Co4 0. 06Si1. 35 この粉体(A−26)に実施例1の粉体(B−1)を加
え、十分に混合した後、外径6mm、長さ6.6mmの
円柱状に成型し、空気流通下450℃で6時間焼成して
触媒(26)を得た。この触媒(26)の元素組成は原
子比で次のとおりであった。なお、粉体(A−26)に
対する粉体(B−1)の割合(酸化物換算)は4.3重
量%であった。
【0132】Mo122 Bi1 Fe1 Co4 0. 06Si
1. 35−(Zr1. 0 0. 02) 酸化反応 触媒(26)1500mlを実施例1と同様な反応器に
充填し、プロピレン6容量%、酸素12容量%、水蒸気
10容量%および窒素72容量%からなる組成の混合ガ
スを導入し、反応温度300℃、空間速度2000hr
-1で酸化反応を行ったところ、プロピレン転化率98.
5%、アクロレインとアクリル酸への合計選択率および
合計単流収率はそれぞれ94.0%および92.6%で
あった。
【0133】比較例11 触媒の調製 実施例26において、粉体(B−1)を加えなかった以
外は実施例26と同様にして触媒(27)を調製した。
【0134】酸化反応 実施例26において、触媒(26)の代わりに触媒(2
7)を用いた以外は実施例26と同様に酸化反応を行っ
たところ、プロピレン転化率95.0%、アクロレイン
とアクリル酸への合計選択率および合計単流収率がそれ
ぞれ93.8%および89.1%であった。
【0135】
【発明の効果】上述したように、本発明の不飽和アルデ
ヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒は、プロピレ
ン、イソブチレン、t−ブタノールおよびメチル−t−
ブチルエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも一種
の化合物を気相にて分子状酸素または分子状酸素含有ガ
スにより酸化して不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボ
ン酸を製造するための触媒であって、(A)モリブデ
ン、ビスマスおよび鉄を必須成分とする、プロピレン、
イソブチレン、t−ブタノールおよび/またはメチル−
t−ブチルエーテルの気相接触酸化反応による不飽和ア
ルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用複合酸化物およ
び(B)酸強度(H0 )が−11.93以下(H0 ≦−
11.93)の固体酸を含有してなることを特徴とする
ものである。本発明の触媒は、高い活性を維持すること
から、高収率で不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン
酸を製造することができる。
【0136】本発明の触媒は、触媒寿命に優れ、長時間
その優れた性能を維持することから、長期にわたって安
定して不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を製造
することができる。また、長時間使用後も反応温度を著
しく上げることなく、反応開始時と同程度の高収率で不
飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造反応を継続
することができる。
【0137】本発明の触媒は、低温でも高い活性を示す
ことから、従来方法に比べて低い反応温度で同程度の収
率をあげることができる。
【0138】本発明の触媒は、高生産性を目的とする高
負荷運転条件下においても触媒性能の低下はないことか
ら、長期にわたって高生産性かつ安定的に不飽和アルデ
ヒドおよび不飽和カルボン酸を製造することができる。
【0139】本発明の方法によれば、効率よく、工業的
に有利に不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 45/35 45/37 47/22 A 9049−4H H 9049−4H 57/05 9450−4H 57/055 Z 9450−4H // C07B 61/00 300 (72)発明者 谷本 道雄 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒触媒研究所内 (72)発明者 青木 幸雄 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒触媒研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン、イソブチレン、t−ブタノ
    ールおよびメチル−t−ブチルエーテルよりなる群から
    選ばれる少なくとも一種の化合物を気相にて分子状酸素
    または分子状酸素含有ガスにより酸化して不飽和アルデ
    ヒドおよび不飽和カルボン酸を製造するための触媒であ
    って、(A)モリブデン、ビスマスおよび鉄を必須成分
    とする、プロピレン、イソブチレン、t−ブタノールお
    よび/またはメチル−t−ブチルエーテルの気相接触酸
    化反応による不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸
    製造用複合酸化物および(B)酸強度(H0 )が−1
    1.93以下(H0 ≦−11.93)の固体酸を含有し
    てなる不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用
    触媒。
  2. 【請求項2】 成分(A)が一般式(1): Moa b Bic Fed e f g h i x (ここで、Moはモリブデン、Wはタングステン、Bi
    はビスマス、Feは鉄、Aはニッケルおよびコバルトよ
    りなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、Bはアル
    カリ金属およびタリウムよりなる群から選ばれる少なく
    とも一種の元素、Cはアルカリ土類金属から選ばれる少
    なくとも一種の元素、Dはリン、テルル、アンチモン、
    スズ、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、ヒ素および亜
    鉛よりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、Eは
    シリコン、アルミニウム、チタニウムおよびジルコニウ
    ムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、そし
    てOは酸素であり、a、b、c、d、e、f、g、h、
    iおよびxはそれぞれMo、W、Bi、Fe、A、B、
    C、D、EおよびOの原子比を表し、a=12のとき、
    b=0〜10、c=0.1〜10、d=0.1〜20、
    e=2〜20、f=0.001〜10、g=0〜10、
    h=0〜4、i=0〜30であり、xはそれぞれの元素
    の酸素状態によって定まる数値である)で表される複合
    酸化物である請求項1記載の不飽和アルデヒドおよび不
    飽和カルボン酸製造用触媒。
  3. 【請求項3】 成分(B)がSO4 /周期律表第IV族
    金属酸化物超強酸である請求項1または2に記載の不飽
    和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒。
  4. 【請求項4】 周期律表第IV族金属がジルコニウム、
    チタン、スズおよびハフニウムよりなる群から選ばれる
    少なくとも一種である請求項3に記載の不飽和アルデヒ
    ドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒。
  5. 【請求項5】 成分(B)がSO4 /酸化鉄超強酸であ
    る請求項1または2に記載の不飽和アルデヒドおよび不
    飽和カルボン酸製造用触媒。
  6. 【請求項6】 成分(B)がSO4 /酸化ケイ素超強酸
    である請求項1または2に記載の不飽和アルデヒドおよ
    び不飽和カルボン酸製造用触媒。
  7. 【請求項7】 成分(B)がSO4 /酸化アルミニウム
    超強酸である請求項1または2に記載の不飽和アルデヒ
    ドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒。
  8. 【請求項8】 成分(B)が酸化タングステン、酸化モ
    リブデンまたはタングステン−モリブデン複合酸化物/
    酸化ジルコニウム超強酸である請求項1または2に記載
    の不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触
    媒。
  9. 【請求項9】 成分(B)が酸化タングステン/酸化ス
    ズ、酸化チタン、酸化鉄、またはスズ、チタンおよび鉄
    よりなる群から選ばれる少なくとも2種の元素の複合酸
    化物超強酸である請求項1または2に記載の不飽和アル
    デヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒。
  10. 【請求項10】 成分(B)がリンタングステン酸およ
    び/またはそのアルカリ金属塩超強酸である請求項1ま
    たは2に記載の不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン
    酸製造用触媒。
  11. 【請求項11】 成分(A)に対する成分(B)の割合
    (酸化物換算)が0.5〜30重量%である請求項1ま
    たは2に記載の不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン
    酸製造用触媒。
  12. 【請求項12】 プロピレン、イソブチレン、t−ブタ
    ノールおよびメチル−t−ブチルエーテルよりなる群か
    ら選ばれる少なくとも一種の化合物を気相にて分子状酸
    素または分子状酸素含有ガスにより酸化して不飽和アル
    デヒドおよび不飽和カルボン酸を製造する気相接触酸化
    反応において、該反応を請求項1〜11のいずれか一つ
    に記載の不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造
    用触媒の存在下に行うことよりなる不飽和アルデヒドお
    よび不飽和カルボン酸の製造方法。
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