JPH084716Y2 - ケーブルとコネクタの圧着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、多数の芯線を有するケーブル（フラットケ
ーブル）にコネクタを取付けるための圧着装置に関す
る。

《従来の技術》 従来、電子機器の接続などに使用するケーブルには、
多数の芯線が平面的に配列されたフラットケーブルがよ
く使用されている。

前記ケーブルを電子機器などの接続に使用する場合、
ケーブルの端末にコネクタを取付けているが、従来では
ケーブルにコネクタを取付ける場合、ケーブルの端末を
各芯線毎に作業工具を使用してコネクタのケーブル挿入
溝に挿入した後固定している。

《考案が解決しようとする課題》 しかしこの方法では、各芯線をコネクタのケーブル挿
入溝に挿入するのに手間がかかるため、作業に時間がか
かり、作業能率が悪いなどの欠点があった。

本考案は、前記欠点を改善する目的でなされたもの
で、ケーブルの芯線を一括してコネクタに挿入し固定で
きるようにしたケーブルとコネクタの圧着装置を提供し
ようとするものである。

《課題を解決するための手段》 本考案は、前記目的を達成するために、ケーブルの端
末に取付けて互いに隣接する２面にケーブル挿入溝を多
数形成したコネクタを固定するワーク取付台と、このワ
ーク取付台に前記コネクタ側に進退自在に設けられ、か
つ先端部に前記コネクタのケーブル挿入溝と一致する溝
が形成されてその上面部が先端側に向かって下方に傾斜
した櫛状部を有するガイドパンチと、このガイドパンチ
に上下動自在に取付けられ、かつ先端に前記櫛状部の各
溝に嵌入されかつ先端側が前記ガイドパンチの櫛状部の
傾斜とは逆方向に傾斜された突条を有する押込みパンチ
と、前記ガイドパンチを前記ワーク取付台に取付けられ
たコネクタ側へ移動するガイドパンチ移動手段と、前記
コネクタの上方に達した前記押込みパンチを下動させる
押込みパンチ下動手段とを備えたことを特徴とする。

《作用》 ケーブルにコネクタを取付けるに当って、まずワーク
取付台にケーブル挿入溝がガイドパンチ側及び上面側に
位置するようにセット固定し、ケーブルの芯線を上方よ
りコネクタのガイドパンチ側のケーブル挿入溝に上方よ
りセットする。

この状態で、前記ガイドパンチ移動手段によりガイド
パンチをワーク取付台側へ移動する。そして、ガイドパ
ンチの先端側の櫛状部がコネクタの上方を通過すると、
コネクタに挿入されたケーブルの芯線が櫛状部の溝内に
挿入される。

さらに、ガイドパンチが移動させられると、ガイドパ
ンチ上に設けられた押込みパンチの突条に形成された傾
斜面により溝内の芯線が徐々にほぼ直角に折り曲げられ
る。

そして、突条の下端がコネクタの上方に達したところ
で、前記押込みパンチ下動手段により押込みパンチの先
端を下方に押し下げるため、ほぼ直角に折り曲げられた
芯線はコネクタ上面のケーブル挿入溝に突条により圧入
されて、ケーブルの端末に無理な負担をかけずにコネク
タが圧着される。

このように、ワーク取付台に取付けたコネクタにケー
ブル端末をセットするだけで、まずガイドパンチがケー
ブルの芯線をコネクタのケーブル挿入溝へ案内し、その
後押込みパンチがケーブルの芯線をケーブル挿入溝に沿
って折り曲げた後、突条により芯線をケーブル挿入溝へ
圧入するため、ケーブルの芯線を一括してコネクタのケ
ーブル挿入溝へ挿入し、芯線とコネクタを圧着すること
ができる。

《実施例》 本考案の一実施例を図面を参照して詳述する。

第１図は圧着装置の斜視図、第２図は同側面図、第３
図はガイドパンチの斜視図、第４図は押込みパンチの斜
視図、そして第５図はコネクタの斜視図を示す。

これら図において、１は圧着装置の本体で、基板２上
にガイド部材３及びワーク取付台４が設置されている。

前記ガイド部材３は両側にガイドレール3aを有してい
て、これらガイドレール3aの間にワーク取付台４方向へ
移動自在にガイドパンチ５が設けられている。

前記ガイドパンチ５は第３図に示すように、先端部が
ほぼ櫛状に形成されている。

前記ガイドパンチ５の櫛状部5aは先端側が順次低くな
るように斜視されていると共に、櫛状部5aに形成された
溝5bの間隔はワーク取付台４に取付けられたコネクタ６
のケーブル挿入溝6aと一致するようになっている。

また、前記ガイドパンチ５上には、間隔を存して押え
板5cが固着具７により固着されていて、この押え板5cと
ガイドパンチ５の上面間には、押込みパンチ８が介在さ
れている。

前記押込みパンチ８には、ガイドパンチ５と押え板5c
の間に縦方向に設けられた複数のガイドピン5dが貫通し
ていて、これらガイドピン5dに沿って押込みパンチ８が
上下動自在となっており、ガイドパンチ５の上面と押込
みパンチ８の間には、押込みパンチ８を上方へ付勢する
圧縮ばね９が介在されている。

前記押込みパンチ８は第４図に示すように、先端側下
部に突条8aが櫛状に突設されている。これら突条8aはガ
イドパンチ５の櫛状部5aに形成された溝5b内に上方から
嵌入していると共に、突条8a先端側はガイドパンチ５の
櫛状部5aと逆方向に傾斜されている。

前記ガイドパンチ５の後端にはばね杆12の先端が螺着
されている。前記ばね杆12はガイド部材３の後部に設け
られた端板3bを水平方向に貫通するように設けられてい
て、この端板3bの後面と前記ばね杆12の頭部12aの間に
ばね13が介在され、これらばね13によりガイドパンチ５
がワーク取付台４と反対の方向へ付勢されている。

一方、図中15は基台２上に立設された架台で、この架
台15上にカム駆動シリンダ16がぼ垂直に設置されてい
る。このカム駆動シリンダ16はガイドパンチ５の上方に
位置していて、下方に突設されたピストン杆16aの先端
にカム取付板17が固着されており、このカム取付板17に
板状のカム18と、前記押込みパンチ８の先端を下方に押
付ける押え板19が取付けられていて、これらで押込みパ
ンチ下動手段を構成している。

そして、前記カム18の下端側にはカム面18aが形成さ
れていて、このカム面18aがガイドパンチ５の後端面上
部に回転自在に支承されたカムフォロワ20に接している
と共に、カム18の後縁は前記端板3bに縦方向に形成され
たガイド溝3cに上方より嵌入されていて、このガイド溝
3cによりカム18の上下動が案内されるようになってい
て、これらでガイドパンチ移動手段を構成している。

また、ガイドパンチ５の前方に設置されたワーク取付
台４は、コネクタ６を収容するコネクタ収容部4aを有し
ており、このコネクタ収容部4aを挟んで、ガイドパンチ
５と対向する位置にワーククランプ4bが設けられてい
る。このワーククランプ4bはガイドパンチ５側へ進退自
在となっていて、後端面にカム21が当接されている。

前記カム21はワーク取付台４の端部に水平方向に支承
されたカム軸21aに固着されていると共に、カム軸21aの
一端にはハンドル22が取付けられていて、このハンドル
22によりカム軸21aを回動することにより、カム21によ
りワーククランプ4bをガイドパンチ５側へ移動して、ワ
ーク収容部4a内のコネクタ６をクランプできるようにな
っている。

前記コネクタ６は第５図に示すように、樹脂により長
方体状に成形されていて、互いに隣接する２面にケーブ
ル挿入溝6aが多数形成されている。これらケーブル挿入
溝6aは取付けられるべきケーブル24の芯線24aの外径よ
りやや小さい幅に形成されていて、各芯線24aが圧入で
きるようになっている。

次にケーブル24の端部に、コネクタ６を取付ける作用
を説明する。

ケーブル24にコネクタ６を取付けるに当って、まずワ
ーク取付台４のワーク収容部4aに、コネクタ６のケーブ
ル挿入溝6aがガイドパンチ５側及び上面側に位置するよ
うにセットし、次にハンドル22によりカム軸21aを介し
てカム21を回動し、カム21によりワーククランプ4bをガ
イドパンチ５側へ移動して、ワーク収容部4a内のコネク
タ６をワーククランプ4bにより固定する。

次に、この状態でケーブル24の芯線24aを上方よりコ
ネクタ６のガイドパンチ５側のケーブル挿入溝6aに上方
より第６図に示すようにセットする。

そして、この状態でカム駆動シリンダ16によりカム18
を下降させると、カム18のカム面18aがカムフォロワ20
を介してガイドパンチ５を前方へ押圧するため、ガイド
レール3aに案内されてガイドパンチ５及び押込みパンチ
８がワーク取付台４へ移動される。

そして、ガイドパンチ５の先端側の櫛状部5aがコネク
タ６の上方を通過すると、コネクタ６に挿入されたケー
ブル24の芯線24aが櫛状部5aの溝5b内に挿入される。

さらに、ガイドパンチ５が前進されると、ガイドパン
チ５上に設けられた押込みパンチ８の突条8aに形成され
た傾斜面8bにより溝5b内の芯線24aがほぼ直角に折り曲
げられる。

そして、突条8aの下端がコネクタ６の上方に達したと
ころで、カム取付板17に取付けられた押え板19が押込み
パンチ８の先端を下方に押し下げるため、ほぼ直角に折
り曲げられた芯線24aはコネクタ６上面のケーブル挿入
溝6aに突条8aにより圧入されて、ケーブル24の端末にコ
ネクタ６が圧着される。

上記のようにして、コネクタ６の圧着が完了すると、
カム駆動シリンダ16によりカム18が上昇されるため、ガ
イドパンチ５及び押込みパンチ８はばね13の作用で元の
位置まで後退される。そして、この状態でハンドル22に
よりカム21を回動させてワーククランプ4bを解除するこ
とにより、ケーブル24に圧着されたコネクタ６をコネク
タ収容部4aより取出すことができるようになる。

《考案の効果》 以上詳述したように、本考案は、ケーブルの端末に取
付けて互いに隣接する２面にケーブル挿入溝を多数形成
したコネクタを固定するワーク取付台と、このワーク取
付台に前記コネクタ側に進退自在に設けられ、かつ先端
部に前記コネクタのケーブル挿入溝と一致する溝が形成
されてその上面部が先端側に向かって下方に傾斜した櫛
状部を有するガイドパンチと、このガイドパンチに上下
動自在に取付けられ、かつ先端に前記櫛状部の各溝に嵌
入されかつ先端側が前記ガイドパンチの櫛状部の傾斜と
は逆方向に傾斜された突条を有する押込みパンチと、前
記ガイドパンチを前記ワーク取付台に取付けられたコネ
クタ側へ移動するガイドパンチ移動手段と、前記コネク
タの上方に達した前記押込みパンチを下動させる押込み
パンチ下動手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。

したがって、ケーブルにコネクタを取付けるに当っ
て、まずワーク取付台にケーブル挿入溝がガイドパンチ
側及び上面側に位置するようにセット固定し、ケーブル
の芯線を上方よりコネクタのガイドパンチ側のケーブル
挿入溝に上方よりセットする。

この状態で、前記ガイドパンチ移動手段によりガイド
パンチをワーク取付台側へ移動する。そして、ガイドパ
ンチの先端側の櫛状部がコネクタの上方を通過すると、
コネクタに挿入されたケーブルの芯線が櫛状部の溝内に
挿入される。

さらに、ガイドパンチが移動させられると、ガイドパ
ンチ上に設けられた押込みパンチの突条に形成された傾
斜面により溝内の芯線が徐々にほぼ直角に折り曲げられ
る。

そして、突条の下端がコネクタの上方に達したところ
で、前記押込みパンチ下動手段により押込みパンチの先
端を下方に押し下げるため、ほぼ直角に折り曲げられた
芯線はコネクタ上面のケーブル挿入溝に突条により圧入
されて、ケーブルの端末に無理な負担をかけずにコネク
タが圧着される。

このように、多数の芯線を有するケーブルの端末をコ
ネクタへセットするだけで、ケーブルの芯線を一括して
コネクタのケーブル挿入溝へ挿入圧着することができる
ために、従来のようにケーブルの芯線を１本ずつコネク
タのケーブル挿入溝へ挿入する操作を必要としない。

これによってケーブルへコネクタを取付ける作業が短
時間で能率良く行なえるようになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は全体的な斜視
図、第２図は同側面図、第３図はガイドパンチの斜視
図、第４図は押込みパンチの斜視図、第５図はコネクタ
の斜視図、第６図は作用説明図である。 ４……ワーク取付台、５……ガイドパンチ、5a……櫛状
部、5b……溝、６……コネクタ、８……押込みパンチ、
8a……突条、24……ケーブル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケーブルの端末に取付けて互いに隣接する
   ２面にケーブル挿入溝を多数形成したコネクタを固定す
   るワーク取付台と、 このワーク取付台に前記コネクタ側に進退自在に設けら
   れ、かつ先端部に前記コネクタのケーブル挿入溝と一致
   する溝が形成されてその上面部が先端側に向かって下方
   に傾斜した櫛状部を有するガイドパンチと、 このガイドパンチに上下動自在に取付けられ、かつ先端
   に前記櫛状部の各溝に嵌入されかつ先端側が前記ガイド
   パンチの櫛状部の傾斜とは逆方向に傾斜された突条を有
   する押込みパンチと、 前記ガイドパンチを前記ワーク取付台に取付けられたコ
   ネクタ側へ移動するガイドパンチ移動手段と、 前記コネクタの上方に達した前記押込みパンチを下動さ
   せる押込みパンチ下動手段とを備えたことを特徴とする
   ケーブルとコネクタの圧着装置。