JPH0846799A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH0846799A
JPH0846799A JP6178502A JP17850294A JPH0846799A JP H0846799 A JPH0846799 A JP H0846799A JP 6178502 A JP6178502 A JP 6178502A JP 17850294 A JP17850294 A JP 17850294A JP H0846799 A JPH0846799 A JP H0846799A
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由紀 内田
Shinobu Arimoto
忍 有本
Takeshi Matsukubo
勇志 松久保
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 下地レベルに応じて文字・線画等の黒色処理
を円滑に行い画像品位の低下を防止する。 【構成】 RGB信号をもとに、黒文字判定部113内
の文字の太さ判定部114で、画像中の文字/線画部分
の太さを判定し、また、エッジ検出部115で文字/線
画の輪郭情報を、彩度判定部116で彩度情報を得て、
これら輪郭情報と彩度情報とを組み合わせて画像処理を
行う際に、文字や線の太さが連続して変化するように太
さ判定信号を補正する。また一方、下地処理部1065
により下地を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力された画像から抽
出した画像の特徴をもとに出力画像の処理をする画像処
理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー画像データをデジタル的に
処理し、それをカラープリンタに出力してカラー画像を
得るカラープリント装置や、カラー原稿を色分解して電
気的に読み取り、得られたカラー画像データを用紙上に
プリント出力したカラー画像の複写を行う、いわゆる、
デジタルカラー複写機等、カラー印字システムの発展に
はめざましいものがある。
【0003】また、これらのシステムの普及に伴い、カ
ラー画像の印字品質に対する要求も高くなってきてお
り、特に、黒い文字や黒細線を、より黒く、シャープに
印字したいという要求が高まっている。すなわち、黒原
稿を色分解すると、黒を再現する信号としてイエロー、
マゼンタ、シアン、ブラックの各信号が発生するが、得
られた信号に基づいてそのまま印字すると、各色が4色
重ね合わせて再現されるので、色相互間の若干のズレに
より黒の細線に色にじみが生じ、本来の黒が黒く見えな
かったり、あるいは、ボケて見えたりして、印字品質を
著しく低下させていた。
【0004】これに対して、画像信号中の黒、それ以外
の色等の色情報や、細線、網点等の空間周波数の特徴を
抽出して、例えば、黒文字、色文字等のエリアを検出し
たり、さらには、中間調画像や網点画像領域等に分け
て、それぞれのエリアに応じた処理を施し、エリアが黒
文字部ならば黒単色化する方法等が提案されている。
【0005】さらに、上記の方法を改良し、文字の太さ
を判別して、太さに応じた黒文字処理を施すことによ
り、黒文字処理の境界線において処理に差がくっきりと
出ることを改善した手法も特願平5−354528号に
おいて本出願人により提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、下
地の濃度が異なる複数の原稿画像に対して、同品位の黒
文字処理を施すためにはユーザがマニュアルで黒文字検
出のパラメータを設定する必要があった。
【0007】そのため、操作に不慣れな使用者が複写し
ようとすると1回で適切なパラメータを設定することが
できず、無駄な複写を行ってしまうという問題があっ
た。
【0008】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、下地の成分の異なる原
稿に対して、最適な画像処理を行うことにある。より具
体的には、ユーザが原稿の下地成分を除去して複写する
ときには、除去する下地の成分に応じて黒文字処理を行
うための各判定手段のパラメータを最適な値にすること
で、下地の濃度に関わらない高品位な黒文字処理を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の画像処理装置は、原稿画像を表す画像デー
タを処理する画像処理装置において、前記画像データよ
り原稿画像の下地の成分を判定する判定手段と、前記文
字・線画の太さを判定する判定手段と、前記文字・線画
の輪郭を判定する判定手段と、前記文字・線画の彩度を
判定する判定手段と、前記下地判定手段での判定結果を
もとに、所定の画像処理を行う処理手段とを備えること
を特徴とする。
【0010】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明に係る好
適な実施例を詳細に説明する。
【0011】(第1の実施例)図1は、本発明の実施例
に係る画像処理装置の断面構成を示す図である。同図に
おいて、符号201はイメージスキャナ部であり、ここ
では、原稿読み取り、デジタル信号処理を行う。また、
200はプリンタ部であり、イメージスキャナ部201
にて読み取られた原稿画像に対応して画像を、用紙上に
フルカラーでプリント出力する。
【0012】次に、本実施例における原稿モードについ
て説明する。
【0013】操作者は図39に示す6種類の原稿モード
から、複写する原稿に応じて原稿モードを選択する。そ
れぞれの原稿モードに対する処理は以下の通りである。
【0014】文字モードでは、記録解像度を400dp
i(dot per inch)とし、原稿の色を判別
して黒文字と判定された部分に対しては黒文字処理を施
し、黒以外の領域にはエッジ強調処理を施す。この処理
により、記録解像度を上げることで細部まで鮮明な文字
の再現が可能になり、かつ黒い文字に対しては黒トナー
のみで記録することでさらに色にじみの鮮明な黒文字再
現が可能になる。
【0015】地図モードでは、エッジ強調処理を施し、
400dpiの記録解像度で記録する。また、UCRを
強くしたマスキングUCR係数を用いる。この処理によ
って、細かい文字や線の多い地図原稿に対して解像度の
高い画像再現が可能となる。また領域分離を行わないた
めに、領域分離の際に生じる誤判定に起因する品位の劣
化が無い出力画像が得られる。さらに、UCRを強くす
ることで、原稿中に存在する黒文字を色トナーを極力抑
えて黒トナーを多くした比率で記録することが可能にな
る。
【0016】印画紙写真モードでは印画紙写真用のエッ
ジ強調を施し、200dpiの記録解像度で記録する。
この処理により、階調性が高く、かつ画像の鮮鋭度が強
調されためりはりのある画像を出力することが可能にな
る。
【0017】印刷写真モードでは、モアレの発生を抑制
するためにスムージング処理を施した後に、エッジ強調
を施し、200dpiの記録解像度で記録する。この処
理により、モアレを発生させずに、階調性が高く、かつ
画像の鮮鋭度が強調された画像を出力することが可能に
なる。
【0018】文字印刷写真モードでは、文字領域と印刷
写真領域を自動識別し、文字領域と判別された領域には
文字用の処理、印刷写真領域と判別された領域には印刷
写真用の処理が施される。
【0019】文字印画紙写真モードでは、文字領域は印
画紙写真領域を自動識別し、文字領域と判別された領域
には文字用の処理、印画紙写真領域と判別された領域に
は印画紙写真用の処理が施される。
【0020】ユーザは、原稿全体に対して図29、図3
9に示される操作部101より上記原稿モードを選択で
きるだけでなく、領域指定手段であるデジタイザ100
を用いて原稿上に複数の原稿モードの領域を設定するこ
とにより、領域毎に異なる原稿モードを設定することが
可能である。以上のモード設定は、CPU102がLU
T117の出力を制御することによって実現できる。
【0021】また、ユーザが操作部101より、AE機
能を選択することにより、自動的に原稿画像中の下地の
色を除去することができる。さらに、下地除去量を手動
で入力することにより、ユーザの希望する下地色を除去
することができる。例えば操作部101のテンキーによ
り、除去したい下地色のR、G、B成分値(例えばR≦
5andG≦6andB≦4)を入力することにより、
希望の下地色を除去することができる。
【0022】次に、ユーザがコピースタートキーを押す
ことにより、コピー動作が開始する。
【0023】イメージスキャナ部201において、原稿
圧板202にて原稿台ガラス(プラテン)203上に載
置された原稿204を、ハロゲンランプ205の光で照
射する。この原稿204からの反射光はミラー206、
207に導かれ、レンズ208により3ラインセンサ
(以下、CCDという)210上に像を結ぶ。なお、レ
ンズ208には、赤外カットフィルタ231が設けられ
ている。
【0024】CCD210は、原稿204からの光情報
を色分解して、それよりフルカラー情報のレッド
(R)、グリーン(G)、ブルー(B)成分を読み取っ
た後、信号処理部209に送る。CCD210の各色成
分読み取りセンサ列は、各々が5000画素から構成さ
れている。これにより、原稿台ガラス203上に載置さ
れる原稿の中で最大サイズである、A3サイズの原稿の
短手方向297mmを、400dpiの解像度で読み取
る。
【0025】なお、ハロゲンランプ205、ミラー20
6は速度vで、また、ミラー207は(1/2)vで、
ラインセンサ210の電気的な走査方向(以下、主走査
方向という)に対して垂直方向(以下、副走査方向とい
う)に機械的に動くことにより、原稿204の全面を走
査する。
【0026】標準白色板211は、R、G、Bセンサ2
10−1〜210−3での読み取りデータの補正データ
を発生する。この標準白色板211は、可視光でほぼ均
一の反射特性を示し、可視では、白色の色を有してい
る。ここでは、この標準白色板211を用いて、R、
G、Bセンサ210−1〜210−3からの出力データ
の補正を行う。
【0027】また、画像信号処理部209では、読み取
られた信号を電気的に処理し、マゼンタ(M)、シアン
(C)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各成分に
分解して、それをプリンタ部200に送る。また、イメ
ージスキャナ部201における1回の原稿走査(スキャ
ン)につき、M、C、Y、Bkの内、1つの成分がプリ
ンタ部200に送られ(面順次画像形成)、計4回の原
稿走査により1枚分のプリントアウトが完成する。
【0028】プリンタ部200では、イメージスキャナ
部201からのM、C、Y、Bkの各画像信号がレーザ
ドライバ212に送られる。レーザドライバ212は、
画信号に応じて半導体レーザ213を変調駆動する。そ
して、レーザ光は、ポリゴンミラー214、f−θレン
ズ215、ミラー216を介して、感光ドラム217上
を走査する。
【0029】現像器は、マゼンタ現像器219、シアン
現像器220、イエロー現像器221、ブラック現像器
222により構成され、これら4つの現像器が交互に感
光ドラム217に接して、感光ドラム217上に形成さ
れたM、C、Y、Bkの静電潜像を、対応するトナーで
現像する。また、転写ドラム223は、用紙カセット2
24、または用紙カセット225より給紙された用紙を
転写ドラム223に巻き付け、感光ドラム217上に現
像されたトナー像を用紙に転写する。
【0030】このようにして、M、C、Y、Bkの4色
についてのトナー像が順次、転写された後、用紙は、定
着ユニット226を通過して排紙される。
【0031】次に、本実施例に係るイメージスキャナ部
201について詳細に説明する。
【0032】図2は、CCD210の外観構成を示す図
である。同図において、210−1は赤色光(R)を読
み取りための受光素子例(フォトセンサ)であり、21
0−2、210−3は、順に、緑色光(G)、青色光
(B)の波長成分を読み取りための受光素子列である。
これらR、G、Bの各センサ210−1〜210−3
は、主走査方向、副走査方向に10μmの開口をもつ。
【0033】上記の3本の異なる光学特性を持つ受光素
子列は、R、G、Bま各センサが原稿の同一ラインを読
み取るべく、互いに平行に配置されるように、同一のシ
リコンチップ上においてモノリシック構造をとる。そし
て、このような構成のCCDを用いることで、各色分解
読み取りでのレンズ等の光学系を共通にし、これによ
り、R、G、Bの色毎の光学調整を簡潔にすることが可
能となる。
【0034】図3は、図2に示す点線a−a′にてイメ
ージスキャナ部201を切断したときの断面図である。
同図に示すように、シリコン基板210−5上にR色読
み取り用のフォトセンサ210−1と、G、B各々の可
視情報を読み取るフォトセンサ210−2、210−3
が配置されている。
【0035】R色のフォトセンサ210−1上には、可
視光の内、R色の波長成分を透過するRフィルタ210
−7が配置される。同様に、G色のフォトセンサ210
−2上にはGフィルタ210−8が、また、B色のフォ
トセンサ210−3上にはBフィルタ210−9が配置
されている。なお、210−6は、透明有機膜で構成さ
れた平坦化層である。
【0036】図4は、図2において符号Bにて示される
受光素子の拡大図である。上記の各センサは、図4に示
すように、主走査方向に一画素当たり10μmの長さを
持つ。各センサは、上述のようにA3サイズの原稿の短
手方向(長さ297mm)を400dpiの解像度で読
み取ることができるように、主走査方向に5000画素
を有する。また、R、G、Bの各センサのライン間の距
離は80μmであり、400dpiの副走査方向の解像
度に対して、各8ラインずつ離れている。
【0037】次に、本実施例に係る画像処理装置のプリ
ンタ部での濃度再現法について説明する。
【0038】本実施では、プリンタの濃度再現のため
に、従来より良く知られているPWM(パルス幅変調)
方式により、半導体レーザ213の点灯時間を画像濃度
信号に応じて制御する。これにより、レーザの点灯時間
に応じた電位の静電潜像が感光ドラム217上に形成さ
れる。そして、現像器219〜222で、静電潜像の電
位に応じた量のトナーで潜像を現像することにより、濃
度再現が行われる。
【0039】図5は、本実施例に係るプリンタ部での濃
度再現の制御動作を示すタイミングチャートである。符
号10201はプリンタ画素クロックであり、これは4
00dpi(dot per inch)の解像度に相
当する。なお、このクロックはレーザドライバ212で
作られる。また、プリンタ画素クロック10201に同
期して、400線(line per inch)の三
角波10202が作られる。なお、この400線の三角
波10202の周期は、画素クロック10201の周期
と同じである。
【0040】画像信号処理部209から送られる、40
0dpiの解像度で256階調(8bit)のM、C、
Y、Bkの画像データ、及び200線/400線切り換
え信号が、上記のCLOCK信号に同期して伝送される
が、レーザドライバ212で、不図示のFIFOメモリ
によりプリンタ画素クロック10201に同期合わせが
行われる。この8bitのデジタル画像データは、D/
A変換器(不図示)によりアナログ画像信号10203
に変換される。そして、上述の400線三角波1020
2とアナログ的に比較され、その結果、400線のPW
M出力10204が生成される。
【0041】デジタル画素データは00H(Hは、16
進を示す)からFFHまで変化し、400線PWM出力
10204は、これらの値に応じたパルス幅となる。ま
た、400線PWM出力の一周期は、感光ドラム上では
63.5μmになる。
【0042】レーザドライバ212では、400線の三
角波の他に、プリンタ画素クロック10201に同期し
て、その倍の周期の200線の三角波10205も作
る。そして、この200線の三角波10205と400
dpiのアナログ画像信号10203とを比較すること
により、200線のPWM出力信号10206を生成す
る。200線のPWM出力信号10206は、図5に示
すように、127μmの周期で感光ドラム上に潜像を形
成する。
【0043】200線での濃度再現と400線での濃度
再現では、200線の方が濃度再現のための最小単位が
127μmと400線の2倍であるため、階調再現性が
良い。しかし、解像度の点では、63.5μm単位で濃
度を再現する400線の方が、高解像度な画像記録に適
している。このように、200線のPWM記録は階調再
現に適しており、400線のPWM記録は解像度の点で
優れているため、画像の性質によって200線のPWM
と400線のPWMの切換えを行うようにしている。
【0044】上記の切換えを行うための信号が、図5に
示す200線/400線切り換え信号10207であ
り、画像信号処理部209から、400dpiの画像信
号に同期して画素単位にレーザドライバ212に入力さ
れる。この200線/400線切り換え信号が論理Lo
w(以下、Lレベルという)の場合には、400線のP
WM出力が選択され、それが論理High(以下、Hレ
ベルという)の場合には、200線のPWM出力が選択
される。
【0045】次に、画像信号処理部209について説明
する。
【0046】図6は、本実施例に係るイメージスキャナ
部201の画像信号処理部209における画像信号の流
れを示すブロック図である。同図に示すように、CCD
210より出力される画像信号は、アナログ信号処理部
101に入力され、そこでゲイン調整、オフセット調整
をされた後、A/Dコンバータ102で、各色信号毎に
8bitのデジタル画像信号R1、G1、B1に変換さ
れる。その後、シェーディング補正部103に入力さ
れ、色毎に標準色板211の読み取り信号を用いた公知
のシェーディング補正が施される。
【0047】クロック発生部121は、1画素単位のク
ロックを発生する。また、主走査アドレスカウンタ12
2では、クロック発生部121からのクロックを計数
し、1ラインの画素アドレス出力を生成する。そして、
デコーダ123は、主走査アドレスカウンタ122から
の主走査アドレスをデコードして、シフトパルスやリセ
ットパルス等のライン単位のCCD駆動信号や、CCD
からの1ライン読み取り信号中の有効領域を表すVE信
号、ライン同期信号HSYNCを生成する。なお、主走
査アドレスカウンタ122はHSYNC信号でクリアさ
れ、次のラインの主走査アドレスの計数を開始する。
【0048】図2に示すように、CCD210の受光部
210−1、210−2、210−3は、相互に所定の
距離を隔てて配置されているため、図6のラインディレ
イ回路104、105において、副走査方向の空間的ず
れを補正する。具体的には、B信号に対して副走査方向
で、R、Gの各信号を副走査方向にライン遅延させてB
信号に合わせる。
【0049】入力マスキング部106は、CCD210
のR、G、Bのフィルタ210−7、210−8、21
0−9の分光特性で決まる読み取り色空間を、NTSC
の標準色空間に変換する部分であり、次式のようなマト
リックス演算を行う。
【0050】
【外1】
【0051】下地処理部1065では、画像信号の下地
成分の検出および除去を行う。図43に下地処理部を示
す。
【0052】図43において、下地レベル検出部400
1では、操作部101より下地を除去するAEモード信
号が入力されると、まずイメージスキャナ部201によ
るプレスキャン時に原稿画像をサンプリングして、R
4,G4,B4信号それぞれの濃度ヒストグラムを作成
する。
【0053】次に得られたヒストグラムより、所定の値
α以上の信号値であり、かつ所定の割合より多くの度数
をもつ信号レベルのうち、最もレベルの高い値をそれぞ
れ求め、Rb,Gb,Bbとする。Rbを求めるヒスト
グラムの例を図44に示す。
【0054】次に、下地レベル検出部4001で得られ
た下地レベル信号Rb,Gb,Bbは次式で変換され、
Re,Ge,Beとして下地除去部4002に入力され
る。
【0055】式 Re=(255−Rb)*255*255/(RbGb
Bb) Ge=(255−Gb)*255*255/(RbGb
Bb) Be=(255−Bb)*255*255/(RbGb
Bb)
【0056】下地除去部4002では、次式で求められ
る演算処理を行い、下地成分を除去し、R5,G5,B
5を出力する。演算に必要なRe,Ge,Beは、プレ
スキャン時に下地レベル検出部4001から入力され
る。
【0057】
【外2】
【0058】また、マニュアルモードでは、操作部10
1において、ユーザが手動による下地レベル調整キーを
入力すると、調整レベル信号が下地レベル検出部400
1に入力される。下地レベル検出部4001では、入力
されたそれぞれのレベルに対してあらかじめ用意してい
る値をRe,Ge,Beとして4002に出力する。
【0059】ここで、下地レベル検出部4001の検出
処理は、CPU102のプログラムに基づく演算によ
り、ソフト上で行うことも可能である。
【0060】光量/濃度変換部(LOG変換部)107
はルックアップテーブルROMにより構成され、R5、
G5、B5の輝度信号がC0、M0、Y0の濃度信号に
変換される。ライン遅延メモリ108は、後述する黒文
字判定部113で、R5、G5、B5信号から生成され
るUCR、FILTER、SEN等の判定信号までのラ
イン遅延分だけ、C0、M0、Y0の画像信号を遅延さ
せる。その結果、同一画素に対するC1、M1、Y1の
画像信号と黒文字判定信号のうちのUCRはマスキング
UCR回路109に同時に入力される。
【0061】マスキング及びUCR回路109は、入力
されたY1、M1、C1の3原色信号により黒信号(B
k)を抽出し、さらに、プリンタ212での記録色材の
色濁りを補正する演算を施して、Y2、M2、C2、B
k2の信号をイメージスキャナ部201による各読み取
り動作の度に面順次に、所定ビット数(8bit)で出
力する。
【0062】主走査変倍回路110は、公知の補間演算
により画像信号及び黒文字判定信号の主走査方向の拡大
縮小処理を行う。また、空間フィルタ処理部(出力フィ
ルタ)111は、後述するように、LUT117からの
2bitのFILTER信号に基づいて、エッジ強調、
スムージング処理の切換えを行う。
【0063】このように処理されたM4、C4、Y4、
Bk4の面順次の画像信号と、200線/400線の切
換え信号であるSEN信号は、上記のレーザドライバ2
12に送られ、プリンタ部200でPWMによる濃度記
録が行われる。
【0064】図7は、図6に示す画像信号処理部209
における各制御信号のタイミングを示す図である。同図
において、VSYNC信号は、副走査方向の画像有効区
間信号であり、論理“1”の区間において、画像読取り
(スキャン)を行って、順次、(M)、(C)、
(Y)、(Bk)の出力信号を形成する。また、VE信
号は、主走査方向の画像有効区間信号であり、論理
“1”の区間において主走査開始位置のタイミングをと
り、主にライン遅延のライン計数制御に用いられる。そ
して、CLOCK信号は画素同期信号であり、“0”→
“1”の立ち上がりタイミングで画像データを転送し、
上記のA/Dコンバータ102、黒文字判定部113等
の各信号処理部に供給するとともに、レーザドライバ2
12に画像信号、200線/400線の切り換え信号を
伝送するのに用いられる。
【0065】次に、原稿モードが文字モード、文字印刷
写真モード、または文字印画紙写真モードの時に実施す
る黒文字処理について説明する。
【0066】(エッジ検出部の説明)上述のように、入
力マスキング部106にてマスキング変換された信号R
4、G4、B4は、黒文字判定部113のエッジ検出回
路115に入力され、以下の式に従って輝度信号Yを算
出する。なお、図8は、エッジ検出回路115の内部構
成を示すブロック図であり、図9は、輝度算出回路25
0の詳細構成を示す図である。
【0067】 Y=0.25R+0.5G+0.25B…(2)
【0068】図9において、入力された色信号R、G、
Bは、各々に対して、乗算器301、302、303て
係数0.25、0.5、0.25が乗じられた後、加算
器304、305で加算され、上記の式(2)に従って
輝度信号Yが算出される。
【0069】輝度信号Yは、図10に示すFIFO40
1〜402により、各1ラインずつ遅延した3ライン分
に拡張され、公知のラプラシアンフィルタ403〜40
6にかけられる。そして、同図に示す4方向の内、フィ
ルタの出力であるエッジ量の絶対値aが最小の値をとる
方向を求め、その方向をエッジmin方向とする。これ
を、図8に示すエッジmin方向検出部251が行う。
【0070】次に、エッジmin方向スムージング部2
52で、上記エッジmin方向検出部251で求めたエ
ッジのmin方向に対してスムージング処理を施す。こ
の処理により、エッジ成分の最も大きい方向のみを保存
し、その他の方向を平滑化することができる。
【0071】すなわち、複数の方向に対してエッジ成分
が大きい網点成分は、上記の処理でエッジ成分が平滑化
されて、その特徴が減少し、一方、一方向にのみエッジ
成分が存在する文字/細線については、その特徴が保存
される、という効果が上げられる。なお、必要に応じ
て、この処理を繰り返すことで、線成分と網点成分の分
離がより一層、効果的に行われ、従来のエッジ検出法で
は検知できなかった、網点中に存在する文字成分も検知
することが可能となる。
【0072】その後、図8に示すエッジ検出部253で
は、輝度算出回路250から直接エッジ検出部253に
入力された信号に対しては適当なしきい値th_edg
e以下のものが除去され、th_edge以上のものの
もが論理“1”として出力される。さらに、エッジmi
n方向スムージング部252を通過した信号に対して
は、上述のラプラシアンフィルタにかけられ、エッジ量
の絶対値が異なるしきい値th_edge2で比較し、
その出力値が後述するルールに従いコード化される。こ
の様に、2種類の性質を持ったエッジを使い分け、白地
中の文字に対してはエッジmin方向スムージング部を
通過しないエッジを用いることにより、より細かい文字
の細部までに渡りエッジを検出することが可能になり、
逆に網点中の文字に対しては、エッジmin方向スムー
ジング部を通過したエッジを用いてエッジ検出を行うこ
とにより、網点成分を検出せずに、文字や線のみを検出
することが可能になる。
【0073】なお、図11は、エッジの検出の例を示す
図であり、輝度データYに係る画像データ(a)から、
エッジ検出信号(b)が生成される。
【0074】エッジ検出部115では、さらに、上述の
判定信号の内、th_edgeで判定された結果を7×
7、5×5、3×3のブロックサイズで膨張した信号
と、膨張無し、さらにth_edge2で判定された信
号を合わせた7つのコードで表したものがエッジ検出部
115からの出力信号“edge”(3ビット)であ
る。ここで、信号の膨張とは、ブロック内の全ての画素
の信号をOR演算することを言う。
【0075】(彩度判定部の説明)図12は、黒文字判
定部113を構成する彩度判定回路116の詳細な構成
を示すブロック図である。ここでは、入力された色信号
R4、G4、B4に対して、最大値検出部601と最小
値検出部602によって、最大値max(R、G、
B)、及び最小値min(R、G、B)がそれぞれ抽出
される。そして、次段のLUT(ルックアップテーブ
ル)603では、図13に示す様な領域にデータを分割
する様なしきい値Cr_BK、Cr_COL、Cr_W
により、彩度信号Crが生成される。
【0076】なお、図6に示す彩度判定部116からの
出力信号“col”は、データが図13に示す領域Bk
に入った場合には黒、GRYに入った場合には中間(色
と黒の間の色)、COLに入った場合には色、Wに入っ
た場合には白がそれぞれ2ビットのコードで表現され
る。
【0077】(文字の太さ判定部の説明)図14は、黒
文字判定部113を構成する文字太さ判定回路114の
構成を示すブロック図である。
【0078】図14において、入力マスキング回路10
6からの出力であるレッド信号データR4、グリーン信
号G4、ブルー信号B4が最小検出部2011に入力さ
れる。この最小値検出部2011では、入力されたRG
B信号の最小値MINRGBを求める。次に、平均値検出
部2012にMINRGBを入力し、そこで、注目画素近
傍の5画素×5画素のMINRGBの平均値AVE5と、
同じく近傍3画素×3画素のMINRGBの平均値AVE
3を求める。
【0079】文字・中間調検出部2013へはAVE5
とAVE3が入力され、ここでは、画素毎に注目画素の
濃度、及び、注目画素とその近傍の平均濃度との変化量
を検出することによって、注目画素が、文字または中間
調領域の一部であるかどうかの判別を行う。
【0080】図15は、文字・中間調検出回路2013
の内部構成を示すブロック図である。同図に示すよう
に、文字・中間調検出回路では、最初に、加算器203
0でAVE3に適当なオフセット値OFST1を加え、
その値とAVE5とをコンパレータ2031にて比較す
る。また、コンパレータ2032では、加算器2030
からの出力と、適当なリミット値LIM1とを比較す
る。そして、それぞれのコンパレータからの出力値が、
OR回路2033に入力される。
【0081】OR回路2033では、 AVE3+OFST<AVE5 …(3) または、 AVE3+OFST1<LIM1 …(4) のときに、出力信号BINGRAが論理“H”になる。
つまり、この文字・中間調検出回路によって、注目画素
近傍に濃度変化が存在する場合(文字エッジ部)、また
は、注目画素付近が、ある値以上の濃度を持っている場
合(文字の内部及び中間調部)に、文字・中間調領域信
号BINGRAが論理“H”になる。
【0082】一方、図16にその詳細構成を示す網点領
域検出部2014では、網点領域を検出するため、ま
ず、最小値検出回路2011にて検出されたMINRGB
に、加算器2040にて適当なオフセット値OFST2
を加え、その結果をコンパレータ2041にてAVE5
と比較する。また、コンパレータ2042では、加算器
2040からの出力と適当なリミット値LIM2とを比
較する。そして、それぞれの出力値が、OR回路204
3に入力され、そこで、 MINRGB+OFST2<AVE5 …(5) または、 MINRGB+OFST2<LIM2 …(6) のときに、OR回路2043からの出力信号BINAM
Iが論理“H”になる。そして、このBINAMI信号
を用いて、エッジ方向検出回路2044で画素毎のエッ
ジの方向を求める。
【0083】ここにおいてLIM1とLIM2は、下地
除去部1065から入力される下地レベル信号Rb,G
b,Bbから求められ、CPU102を介して入力され
る。
【0084】変換式を次式に示す。
【0085】
【外3】 ここで、min(Rb,Gb,Bb)とは、Rb,G
b,Bbの最小値
【0086】これにより、下地のレベルに応じた最適な
文字判定が可能になる。具体的には、原稿の下地レベル
が高い(より白い)場合にはLIM値を高くし、また下
地レベルが低い(より濃い)場合にはLIM値を低くす
ることで、常に下地と文字の分離を高品位に行うことが
できる。
【0087】なお、文字判定に限らず、図13のCr_
Bk,Cr_COL,Cr_W等の彩度判定パラメータ
など、特定色の文字・線画を検出するための他のパラメ
ータを変更するようにしてもよい。
【0088】図17は、エッジ方向検出回路2044で
のエッジ方向検出の規則を示す図である。すなわち、注
目画素近傍の8画素が、図17に示す(0)〜(3)の
いずれかの条件を満たす場合に、エッジ方向信号DIR
AMIの0ビット〜3ビットのいずれかが、それぞれ論
理“H”になる。
【0089】さらに、次段の対向エッジ検出回路204
5においては、注目画素を囲む5画素×5画素の領域
で、互いに対向するエッジを検出する。そこで、図18
に示すように、注目画素のDIRAMI信号をA33と
した座標系における、対向エッジ検出の規則を以下に示
す。すなわち、(1)A11、A21、A31、A4
1、A51、A22、A32、A42、A33のいずれ
かのビット0が“H”、かつ、A33、A24、A3
4、A44、A15、A25、A35、A45、A55
のいずれかのビット1が“H”、(2)A11、A2
1、A31、A41、A51、A22、A32、A4
2、A33のいずれかのビット1が“H”、かつ、A3
3、A24、A34、A44、A15、A25、A3
5、A45、A55のいずれかのビット0が“H”、
(3)A11、A12、A13、A14、A15、A2
2、A23、A24、A33、いずれかのビット2が
“H”、かつ、A33、A42、A43、A44、A5
1、A52、A53、A54、A55のいずれかのビッ
ト3が“H”、(4)A11、A12、A13、A1
4、A15、A22、A23、A24、A33、いずれ
かのビット3が“H”、かつ、A33、A42、A4
3、A44、A51、A52、A53、A54、A55
のいずれかのビット2が“H”、そして、上記(1)〜
(4)の内、いずれかの条件を満たしたとき、EAAM
Iを“H”にする(対向エッジ検出回路2045で対向
エッジが検出された場合には、対向エッジ信号EAAM
Iが“H”になる)。
【0090】膨張回路2046では、EAAMI信号に
対して3画素×4画素の膨張を行い、注目画素の近傍3
画素×4画素にEAAMIが“H”の画素があれば、注
目画素のEAAMI信号を“H”に置き換える。さら
に、収縮回路2047と膨張回路2048を用いて5画
素×5画素の領域で孤立した検出結果を除去し、出力信
号EBAMIを得る。ここで、収縮回路2047は、入
力された全ての信号が“H”のときにのみ“H”を出力
する回路である。
【0091】次に、カウント部2049では、膨張回路
2048の出力信号EBAMIが“H”である画素の個
数を、適当な大きさを持つウィンドウ内で数える。本実
施例では、注目画素を含む5画素×64画素の領域を参
照する。なお、ウィンドウの形を図19に示す。
【0092】図19において、ウィンドウ内のサンプル
点は、主走査方向に4画素おきに9点、副走査方向に5
ライン分の合計45点ある。1つの注目画素に対して、
ウィンドウが主走査方向に移動することにより、ウィン
ドウは、図19の(1)〜(9)の9つ用意されたこと
になる。すなわち、注目画素を中心として5画素×64
画素の領域を参照したことになる。そして、それぞれの
ウィンドウにおいてEBAMIをカウントし、EBAM
Iが“H”となる個数が適当なしきい値th_coun
tを越えた場合に、図14の網点領域検出部2014
は、網点領域信号AMIを論理“H”として出力する。
【0093】この網点領域検出回路2014での処理に
より、上記のBINGRA信号では孤立点の集合として
検出された網点画像を、領域信号として検出することが
可能になる。そして、これらの検出された文字・中間調
領域信号BINGRAと網点領域信号AMIは、図14
のOR回路2015においてOR演算され、結果として
入力画像の2値化信号PICTが生成される。このPI
CT信号は、エリアサイズ判定回路2016に入力さ
れ、そこで、2値化信号のエリアサイズが判定される。
【0094】ここで、孤立点の集合について簡単に説明
する。
【0095】上述の画像領域判定は、画像をある濃度で
2値化して、2値画像にて行う。このとき、点や線は、
文字や面積を持った領域を中間調と判定する。しかし、
網点画像を単純に2値化すると、網点の構成要素である
ドットによる細かい点の集合体が発生する。
【0096】そこで、ある程度の面積を有する領域中に
孤立点の集合体が存在するかどうかを判定することで、
ドットが網点画像であるか否かの判別をする。すなわ
ち、ある領域中にドットが相当数ある場合は、その領域
は網点画像であり、また、注目画素がドットの一部で
も、その周囲にドットが存在しない場合には、その注目
画素は文字の一部である、と判定する。
【0097】図20は、エリアサイズ判定回路2016
の内部構成を示すブロック図である。同図に示す回路に
は、複数の収縮回路2081と膨張回路2082のペア
が存在し、それぞれ、参照する領域のサイズが異なって
いる。入力されたPICT信号は、収縮回路の大きさに
合わせてライン遅延された後に収縮回路2081に入力
される。本実施例では、23画素×23画素から、35
画素×35画素までの大きさの7種類の収縮回路を用意
している。
【0098】この収縮回路2081から出力された信号
は、ライン遅延された後に膨張回路2082に入力され
る。本実施例では、収縮回路の出力に対応して、27画
素×27画素から39画素×39画素までの大きさの7
種類の膨張回路を用意し、それぞれの膨張回路からの出
力信号PICT_FHを得る。
【0099】上記の出力信号PICT_FHについて
は、注目画素が文字の一部である場合には、その文字の
太さによってPICT_FHの出力が定まる。この様子
を、図22に示す。例えば、PICT信号が幅26画素
を持つ帯状に存在する場合、27×27より大きいサイ
ズの収縮を行うと出力は全て0になり、また、25×2
5より小さいサイズの収縮を行った後に、それぞれのサ
イズに応じた膨張を行うと、幅30画素の帯状の出力信
号PICT_FHが得られる。
【0100】そこで、これら出力PICT_FHをエン
コーダ2083に入力することにより、注目画素が属す
る画像領域信号ZONE_Pが求まる。なお、図23
は、エンコーダ2083のエンコードルールを示す図で
ある。
【0101】このような処理によって、広い領域におい
てPICH信号が“H”である写真画像や網点画像は、
領域7(最大値)として定義され、また、エリアサイズ
が最大値よりも小さい(細い)文字や線画像は、その大
きさ(太さ)に応じた多値の画像領域に定義される。本
実施例では、ZONE信号を3ビットとし、文字の太さ
を8段階で表す。そして、最も細い文字を0、最も太い
文字(文字以外の領域も含む)を7とする。
【0102】図20に示すZONE補正部2084は、
図21に示すように、複数のFIFOによりライン遅延
されたZONE_P信号が入力される平均値算出部21
10を有し、そこで、10画素×10画素の平均値が算
出される。このZONE_P信号は、文字が太いほど値
が大きく、また、それが細いほど信号値が小さくなって
いるため、この平均値算出部の出力が、そのまま補正Z
ONE信号となる。
【0103】ここで、補正に用いるためのブロックサイ
ズは、文字の太さを判定するためのブロックサイズの大
きさに応じて定めるのが望ましい。そして、この補正Z
ONE信号を用いて、それ以後の処理を行うことで、急
激に文字/線の太さが変化する部分においても、太さの
判定は滑らかに変化し、黒文字処理の変化による画像品
位の低下が、より改善される。
【0104】ここで、上述の通り、ZONE信号が段階
7であるエリアは、中間調領域とみなすことができる。
そこで、これを利用して、ZONE信号とエッジ信号よ
り、網点や中間調の領域内に存在する文字/線を、他の
領域文字/線と区別することが可能である。以下、その
方法について述べる。
【0105】図24は、網点/中間調中の文字検出のた
めのアルゴリズムを示す図である。ここでは、まず、上
述のPICT信号に対して、符号2111で示された部
分にて、5×5のブロックで膨張処理を行う。この処理
により、不完全な検出になりやすい網点領域に対して、
その検出領域を補正する。
【0106】次に、この出力信号に対して、符号211
2にて示される部分で、11×11のブロックの収縮処
理を行う。これらの処理によって得られた信号FCH
は、PICT信号に対して3画素分収縮した信号とな
る。
【0107】図25は、上記のアルゴリズムにより処理
の様子を具体的に示す図である。同図には、FCH信
号、ZONE信号、そして、エッジ信号を組み合わせる
ことで、白地中のエッジと、網点/中間調中のエッジの
区別ができ、網点画像中においても網点成分を強調して
しまうことなく、また、写真の縁等の黒文字処理が不必
要な部分を処理することなく黒文字処理を行うことがで
きる様子が示されている。
【0108】(LUTの説明)次に、図6に示す黒文字
判定部113を構成するLUT117について説明す
る。
【0109】LUT117は、図6の文字の太さ判定部
114、エッジ検出部115、彩度判定部116各々で
判定された信号を入力して、図26に示すような表に従
って、“ucr”、“filter”、“sen”の各
処理用の信号を出力する。これらは、それぞれ、マスキ
ングUCR係数、空間フィルタ係数、プリンタ解像度を
制御するための信号である。
【0110】図26に示す表において、各信号とその値
の意味する所は、 edge−0:しきい値th_edgeでエッジと判定
されない 1:しきい値th_edgeで判定された膨張無し 2:しきい値th_edgeで判定された3×3膨張 3:しきい値th_edgeで判定された5×5膨張 4:しきい値th_edgeで判定された7×7膨張 5:しきい値th_edge2でエッジと判定されない 6:しきい値th_edge2で判定された膨張無し sen−0:200線、1:400線 filter−0:スムージング、1:強エッジ強調、
2:中エッジ強調、3:弱エッジ強調 ucr−0〜7:黒多い〜黒少ない FCH:0:画像の縁、1:画像の縁ではない
【0111】また、図26に示す表の特徴としては、 (1)文字の太さに応じて多値の黒文字処理が可能 (2)エッジ領域の範囲が複数用意されているため、文
字の太さに応じて黒文字処理領域を選択することができ
る。なお、本実施例では、最も細い文字に対しても最も
広い領域を処理する (3)文字のエッジと文字の内部の処理の度合いに差を
付けて黒文字処理を行い、より滑らかな黒の量の変化を
実現している (4)網点/中間調中の文字を、白地中の文字と区別し
て処理を行う (5)文字のエッジ、文字の内部、網点/中間調画像に
対して、それぞれ空間フィルタの係数を変える。また、
文字エッジに対しても、太さに応じて係数を変化させる (6)文字の太さによってプリンタの解像度を変化させ
る (7)色文字に対しては、マスキングUCR係数以外
は、全て黒文字と同じ処理を行う、ことである。
【0112】なお、言うまでもなく、本実施例での処理
に限らず、入力信号に対してさまざまな組み合わせによ
る色々な処理方法が考えられる。
【0113】一方、マスキングUCR処理回路109で
は、LUT117から出力されるUCR制御信号ucr
により、黒信号Bkの生成及び出力マスキングを行う。
【0114】図28に、このマスキングUCR演算式を
示す。
【0115】まず、C1、M1、Y1の最小値MIN
CMYを求め、式(2101)によりBk1を求める。次
に、式(2102)により、4×8のマスキングを行
い、C2、M2、Y2、Bk2を出力する。この式(2
102)において、係数m11〜m84は、使用するプ
リンタにより定まるマスキング係数、係数k11〜k8
4は、UCR信号により決定されるUCR係数である。
【0116】網点/中間調画像(ZONE信号が7)に
対しては、UCR係数は全て1.0であるが、最も細い
文字(ZONE信号が0)に対しては、Bk単色が出力
されるようにUCR係数を設定する。また、中間の太さ
に対しては、その太さに応じた色味の変化が滑らかにつ
ながるようにUCR係数を決定し、Bkの量を制御す
る。
【0117】また、空間フィルタ処理部111では、5
画素×5画素のフィルタを2個用意し、1個目のフィル
タの出力信号を2個目のフィルタの入力につなげてい
る。フィルタ係数として、スムージング1、スムージン
グ2、エッジ強調1、エッジ強調2の4つを用意し、L
UT117からのfilter信号によって係数を画素
ごとに切り替える。また、2つのフィルタを用いること
により、スムージングの後にエッジ強調をして、モアレ
を軽減したエッジ強調を実現し、また、2種類のエッジ
強調係数を組み合わせることにより、より高品位の画像
の出力を可能にしている。
【0118】ここで、原稿中の文字を優先して処理した
い時には図29に示す文字/写真分離レベルの調整を文
字優先に、原稿中の写真を優先して処理したいときには
文字/写真分離レベルの調整を写真優先先側にする事
で、ユーザの好みに応じた出力を提供することができ
る。本実施例では、両方向に対して4段階に調整するこ
とが可能である。
【0119】次に、文字/写真分離レベルの調整により
変化する各処理パラメータの内容について説明する。
【0120】文字/写真分離レベルの調整により、文字
/写真領域の各判定パラメータと、文字処理の度合を調
整する各パラメータが同時に調整される。
【0121】図30に調整される文字/写真領域の判定
パラメータを示す。調整されるパラメータは、白地中の
エッジ検出しきい値th_edge、網点中のエッジ検
出しきい値th_edge2、彩度判定のしきい値Cr
_Bk、Cr_col、Cr_w、文字・中間調領域信
号BINGRA生成のためしきい値LIM1、OFST
1、網点領域判定のためのしきい値LIM2、th_c
ount、太さ判定のための収縮回路のウインドウサイ
ズである。
【0122】エッジ検出のしきい値を変化させること
で、薄い文字や細かい文字まで検出することが可能にな
り、文字優先ではエッジのしきい値を低くして、薄い文
字や細かい文字まで検出し易くし、写真優先ではエッジ
のしきい値を高くして、文字として検出し難くする。ま
た、本実施例では白地中のエッジ検出のためのしきい値
と、網点中のエッジ検出のためのしきい値を独立させて
いるため、白地中のエッジの検出精度はそのままに網点
中のエッジ検出精度を変化させたり、網点中のエッジ検
出精度をそのままに白地中のエッジ検出精度を変化させ
る事が可能である。本実施例では、写真優先のステップ
を大きくすると、網点中の文字処理を行わないように設
定している。
【0123】LIM1、OFST1、LIM2、th_
countを変化させることで、原稿の下地の濃度に対
応して文字検出が可能になり、文字優先では、下地の濃
度が濃い原稿に対しても原稿を白地とみなして文字検出
を行い、写真優先では下地の濃度がある原稿に対しては
原稿を中間調画像とみなして文字処理を行う。
【0124】彩度判定のしきい値を変化させることで、
黒単色トナーで出力する処理を行う条件を変化させるこ
とが可能になり、文字優先では鉛筆書きやかすれた文字
等まで黒単色に処理されやすくなり、写真優先では彩度
の低い文字や線を黒単色化処理に難くなる。
【0125】太さ判定のための収縮回路のウインドウサ
イズを変化させることで、黒文字処理を施す線の幅を変
化させることができる。文字優先では、太さ判定のため
の収縮回路のウインドウサイズを大きくして幅の広い線
や太い文字までに黒文字処理を施し易くし、写真優先で
は太さ判定のための収縮回路のウインドウサイズを小さ
くすることで、幅の広い線や太い文字までに黒文字処理
を施し難くする。
【0126】図31〜図38に、図29に示される操作
部101を用いた文字/写真分離レベルの調整により調
整される文字処理の度合の夫々に対応するLUTの内容
を示す。
【0127】文字優先が設定されると、よりエッジ部分
の処理領域が広がり、また文字内部に対してもUCRの
制御を行うことによって、黒文字の再現がより滑らかに
なる。また、網点中の文字に対してもよりくっきりと出
力する制御が強まる。
【0128】写真優先が設定されると、エッジに対して
処理される領域が狭まり、また処理される線幅が細くな
る。また、優先の度合が大きくなると網点中の文字処理
は行わないことで、写真の品位を優先させる。
【0129】以上示したとおり、本実施例によれば、ユ
ーザが原稿の下地成分を除去して複写するときには、除
去する下地の成分に応じて黒文字処理を行うための各判
定手段のパラメータを最適な値にすることで、下地の濃
度に関わらない高品位な黒文字処理を提供することが可
能になる。
【0130】(第2の実施例)本実施例は、第1の実施
例の構成に加え、領域毎に上述のLUT117による判
定結果パラメータを変更できるようにしたものである。
【0131】図40に示されるように、本実施例におい
ては、デジタイザー100を設け、第1の実施例におけ
る図39のモード設定をデジタイザー100により指定
された領域毎に行えるようにしている。
【0132】例えば、デジタイザー100からの領域デ
ータが“0”の画素については、上述の実施例1に示さ
れる黒文字処理を行い、“1”の画素については、uc
r7、filter0、sen0の固定値にするという
時分割処理を行うことにより、通常の黒文字処理を一部
領域について行わないようにすることができる。
【0133】また、領域データが“1”の画素について
は、ZONE信号“0”と“7”を用いることもでき
る。即ち、ZONE信号“0”は最も細い文字、ZON
E信号“7”は網点/中間調画像を表すが、この2値的
な処理を行うようにしてもよい。
【0134】また、領域データは上述の様に、デジタイ
ザーにより指定する場合に限らず、例えば、外部記憶装
置などの外部装置から画像データを入力できるように外
部機器とのインターフェースを設けることにより、外部
装置からの領域データを用いてもよい。
【0135】なお、上記実施例では、図6に示すよう
に、黒文字判定部113に対する入力としてRGB信号
を用いたが、これに限定されず、例えば、LOG変換部
107の出力であるCMY信号を用いて行ってもよい。
【0136】また、上記の実施例では、黒文字判定部1
13を構成する文字の太さ判定回路114への入力は、
RGB信号を用いている。しかし、これに限定されず、
例えば、図27に示すように、Lab変換部2010を
通してL信号を得、これを用いて、その後の処理を行う
ようにしてもよい。なお、図26において、図14に示
す文字の太さ判定回路の同一構成要素には同一符号を用
いている。
【0137】本発明は、複数の機器から構成されるシス
テムに適用しても、1つの機器から成る装置に適用して
も良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプロ
グラムを供給することによって達成される場合にもてき
ようできることは言うまでもない。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
原稿画像の下地の濃度に応じて、黒文字処理を行うため
の各判定手段のパラメータを最適な値にすることで、下
地の濃度に関わらない高品位な黒文字処理を提供するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る画像処理装置の断面構成
を示す図である。
【図2】CCD210の外観構成を示す図である。
【図3】図2に示す点線a−a′にてイメージスキャナ
部201を切断したときの断面図である。
【図4】図2において符号Bにて示される受光素子の拡
大図である。
【図5】実施例に係るプリンタ部での濃度再現の制御動
作を示すタイミングチャートである。
【図6】実施例に係るイメージスキャナ部201の画像
信号処理部209における画像信号の流れを示すブロッ
ク図である。
【図7】図6に示す画像信号処理部209における各制
御信号のタイミングを示す図である。
【図8】エッジ検出回路115の内部構成を示すブロッ
ク図である。
【図9】文字の太さ判定回路114を説明するための図
である。
【図10】FIFO及びラプラシアンフィルタによるラ
イン遅延の様子を示す図である。
【図11】エッジ検出の例を示す図である。
【図12】黒文字判定部113を構成する彩度判定回路
116の詳細な構成を示すブロック図である。
【図13】LUTでのデータ変換特性を示す図である。
【図14】黒文字判定部113を構成する文字の太さ判
定回路114の構成を示すブロック図である。
【図15】文字・中間調検出回路2013の内部構成を
示すブロック図である。
【図16】網点領域検出部2014の詳細構成を示すブ
ロック図である。
【図17】エッジ方向検出回路2044でのエッジ方向
検出の規則を示す図である。
【図18】対向エッジ検出の規則を示す図である。
【図19】カウント部2049でのウィンドゥの形を示
す図である。
【図20】エリアサイズ判定回路2016の内部構成を
示すブロック図である。
【図21】ZONE補正部2084の構成を示すブロッ
ク図である。
【図22】文字の太さに応じたPICT_FHの出力を
定める様子を示す図である。
【図23】エンコーダ2083のエンコードルールを示
す図である。
【図24】網点/中間調中の文字検出のためのアルゴリ
ズムを示す図である。
【図25】図23に示すアルゴリズムによる処理の様子
を具体的に示す図である。
【図26】LUT117の入出力対応の内容を示す図で
ある。
【図27】文字太さ判定回路114の変形例を示すブロ
ック図である。
【図28】マスキングUCR演算式を示す図である。
【図29】文字/写真分離レベルの調整のための表示を
示す図である。
【図30】判定パラメータを示す図である。
【図31】文字処理の度合を表すLUTを示す図であ
る。
【図32】文字処理の度合を表すLUTを示す図であ
る。
【図33】文字処理の度合を表すLUTを示す図であ
る。
【図34】文字処理の度合を表すLUTを示す図であ
る。
【図35】文字処理の度合を表すLUTを示す図であ
る。
【図36】文字処理の度合を表すLUTを示す図であ
る。
【図37】文字処理の度合を表すLUTを示す図であ
る。
【図38】文字処理の度合を表すLUTを示す図であ
る。
【図39】操作部における原稿モードの表示を示す図で
ある。
【図40】本願の第2の実施例の構成を説明する図であ
る。
【図41】操作部を示す図である。
【図42】操作部による下地レベル調整を示す図であ
る。
【図43】下地処理部の構成を示すブロック図である。
【図44】下地検出を説明する図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿画像を表す画像データを処理する画
    像処理装置において、 前記画像データより原稿画像の下地の成分を判定する第
    1の判定手段と、 前記文字・線画の太さを判定する第2の判定手段と、 前記文字・線画の輪郭を判定する第3の判定手段と、 前記文字・線画の彩度を判定する第4の判定手段と、 前記第1の判定手段、前記第2の判定手段、前記第3の
    判定手段、および前記第4の判定手段での判定結果をも
    とに、所定の画像処理を行う処理手段とを備えることを
    特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の判定手段は、注目画素および
    該注目画素に隣接する画素をもとに文字・線画の太さを
    判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第1の判定手段により、判定された
    原稿画像の下地の成分をもとに、文字・線画の判定を行
    うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記画像データは、フルカラーの画像デ
    ータであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理
    装置。
  5. 【請求項5】 前記原稿画像は、光学的に読み取られた
    画像であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理
    装置。
  6. 【請求項6】 前記原稿画像は、イエロー、シアン、マ
    ゼンタ、ブラックの4色の色成分を有し、前記処理手段
    は、あらかじめ用意した、該4色についての信号変換の
    際の複数の下色除去量の割合を、文字・線画の太さによ
    り変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像処
    理装置。
  7. 【請求項7】 前記処理手段は、あらかじめ用意された
    複数の空間フィルタ係数を、文字・線画の太さ、および
    輪郭か否かにより切り替えることを特徴とする請求項1
    に記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記処理手段は、文字・線画について、
    該文字・線画が白地中にある場合と、網点あるいは中間
    調中にある場合とで異なる画像処理を行うことを特徴と
    する請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 原稿画像を表す画像データを処理する画
    像処理装置において、 前記原稿画像の下地除去量を指定する指定手段と、 前記文字・線画の太さを判定する第1の判定手段と、 前記文字・線画の輪郭を判定する第2の判定手段と、 前記文字・線画の彩度を判定する第3の判定手段と、 前記第1の判定手段、前記第2の判定手段、および前記
    第3の判定手段での判定結果と、前記指定手段の指定を
    もとに、所定の画像処理を行う処理手段とを備えること
    を特徴とする画像処理装置。
  10. 【請求項10】 前記指定手段により指定された原稿画
    像の下地の成分をもとに、文字・線画の判定を行うこと
    を特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
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