JPH084667A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JPH084667A
JPH084667A JP13335994A JP13335994A JPH084667A JP H084667 A JPH084667 A JP H084667A JP 13335994 A JP13335994 A JP 13335994A JP 13335994 A JP13335994 A JP 13335994A JP H084667 A JPH084667 A JP H084667A
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scroll
ring
movable scroll
housing
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Application number
JP13335994A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinya Yamamoto
真也 山本
Yasushi Watanabe
靖 渡辺
Tetsuhiko Fukanuma
哲彦 深沼
Noritaka Akiyama
訓孝 秋山
Shigeki Iwanami
重樹 岩波
Takahiro Oki
恭弘 沖
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd, Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP13335994A priority Critical patent/JPH084667A/ja
Publication of JPH084667A publication Critical patent/JPH084667A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C17/00Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
    • F01C17/06Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧縮機の動作時にスクロール部材の基板とハ
ウジングとの間の摺接部分への潤滑油の供給が容易に行
われ、スクロール部材の公転を円滑に行うことができる
スクロール型圧縮機を提供する。 【構成】 板状のリング22は可動スクロール部材9と
フロントハウジング2との間に配置され、可動スクロー
ル部材9に対して回転軸4の軸線方向に沿って作用する
圧縮反力を受ける。固定プレート26はこのリング22
とフロントハウジング2との間に設けられる。リング2
2の両面にはほぼ扇形状をなす厚肉部23が周方向に複
数設けられる。この厚肉部23のコーナ部は弧状に形成
されるとともに、周縁部が面取りされている。さらに、
厚肉部23の中心にはポケット24が設けられている。
また、薄肉部39には潤滑油の吸入通路25が設けら
れ、中肉部38には自転防止用素子29が設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば車両の空調装
置に使用されるスクロール型圧縮機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクロール型圧縮機において
は、基板及び渦巻部を有する固定スクロール部材と、基
板及び渦巻部を有する可動スクロール部材とが、それら
の渦巻部において互いに噛み合わされて、両スクロール
部材間に圧縮室が形成されている。そして、可動スクロ
ール部材が固定スクロール部材の軸心の周りで公転され
ることにより、圧縮室が渦巻部の外周側から中心側に移
動されて、ガスが次第に圧縮される。
【0003】従来のこの種のスクロール型圧縮機として
は、例えば特開昭62−199983号公報に示されて
いる。この圧縮機では、回転軸がフロントハウジングに
支持され、回転軸の端部に設けられた円板部に偏心軸が
固定されている。可動スクロール部材はこの偏心軸に支
持され、回転軸の回転によりその周りで公転する。可動
スクロール部材と固定スクロール部材はリヤハウジング
内に収容されている。
【0004】プレート部材は可動スクロール部材の基板
と対向するように固定されている。そして、可動スクロ
ール部材の基板がこのプレート部材に摺接している。圧
縮機の動作時には可動スクロール部材の基板に作用する
回転軸の軸線方向の圧縮反力がプレート部材を介してハ
ウジングに伝達される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
スクロール型圧縮機においては、スクロール部材の基板
における環状領域の全面によりプレート部材に受け止め
られ、それらの摺接面積が大きくなって、その摺動部へ
の潤滑油の供給が不足する。このため、圧縮機の動作時
に可動スクロール部材の基板とプレート部材との間の摺
動抵抗が大きくなり、両者間の摺動が円滑に行われない
とともに、圧縮機が必要とする動力も大きなものとなっ
てエネルギーロスが生じるという問題があった。
【0006】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、圧縮機の動作時にスクロール部材の基板
とハウジングとの間の摺接部分への潤滑油の供給が容易
に行われ、スクロール部材の公転を円滑に行うことがで
きるスクロール型圧縮機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載のスクロール型圧縮機の発明にお
いては、可動スクロール部材に対してその軸線方向に沿
って作用する圧縮反力を受ける板状のリングを可動スク
ロール部材とハウジングとの間に配置し、前記リングが
圧縮反力を受ける厚肉部と、厚肉部より薄い中肉部と、
中肉部より薄い薄肉部とを有するものである。
【0008】請求項2に記載の発明では、前記可動スク
ロール部材の基板の外側面には厚肉部と、厚肉部より薄
い中肉部と、中肉部より薄い薄肉部とを形成し、可動ス
クロール部材に対してその軸線方向に沿って作用する圧
縮反力を前記厚肉部を介してハウジングで受けるように
構成されたものである。
【0009】請求項3に記載の発明では、請求項2の発
明において、可動スクロール部材の基板とハウジングの
内壁との間にリングを設け、前記圧縮反力を厚肉部及び
リングを介してハウジングの内壁で受けるように構成さ
れたものである。
【0010】請求項4に記載の発明では、請求項1〜3
のいずれかの発明において、ハウジングの内壁に圧縮反
力を受けるための鉄系材料よりなるプレートを配置した
ものである。
【0011】請求項5に記載の発明では、請求項1〜4
のいずれかの発明において、前記薄肉部がガスを吸入す
る吸入ポートに対向しているものである。請求項6に記
載の発明では、請求項1の発明において、前記リングは
可動スクロール部材のポケットと、ハウジング側のポケ
ットとに遊嵌されて、可動スクロール部材の公転を許容
しつつ自転を阻止する素子を備え、素子が中肉部に形成
された孔に貫通固定されているものである。
【0012】請求項7に記載の発明では、請求項1〜6
のいずれかの発明において、前記厚肉部の周縁部を面取
りしたものである。請求項8に記載の発明では、請求項
1〜7のいずれかの発明において、前記厚肉部のコーナ
部を弧状に形成したものである。
【0013】請求項9に記載の発明では、請求項1〜8
のいずれかの発明において、前記厚肉部に潤滑油溜め用
のポケットを設けたものである。請求項10に記載の発
明では、請求項9の発明において、前記ポケットは貫通
孔で構成されている。
【0014】請求項11に記載の発明では、請求項1,
3〜10のいずれかの発明において、前記リングはアル
ミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。請求
項12に記載の発明では、請求項11の発明において、
前記可動スクロール部材はアルミニウム又はアルミニウ
ム合金で構成されている。
【0015】請求項13に記載の発明では、請求項12
の発明において、前記リング及び可動スクロール部材の
少なくとも一方はそれらの摺接面に硬化処理が施されて
いるものである。
【0016】
【作用】請求項1のスクロール型圧縮機の発明では、可
動スクロール部材とハウジングとの間に板状のリングを
有し、リングが厚肉部と中肉部と薄肉部とを備えてい
る。このため、可動スクロール部材に対してその軸線方
向に沿って作用する圧縮反力はリングの厚肉部に受けら
れ、さらにハウジングに伝達される。従って、リングで
圧縮反力を受けるのは厚肉部のみであり、厚肉部の周縁
部からその摺接部への潤滑油による潤滑が円滑に行われ
る。
【0017】請求項2に記載の発明においては、可動ス
クロール部材の基板の外側面に厚肉部、中肉部及び薄肉
部が設けられ、この厚肉部で圧縮反力が受けられるとと
もに、この部分への潤滑が円滑に行われる。
【0018】請求項3の発明では、請求項2の発明にお
いて可動スクロール部材の基板とハウジング内壁との間
にリングが設けられ、圧縮反力が厚肉部からリングを介
してハウジングに伝達される。そして、このリングによ
り可動スクロール部材の公転が円滑に行われる。
【0019】請求項4の発明においては、ハウジングの
内壁に鉄系材料よりなるプレートが配置されることか
ら、摺接面における耐久性の向上が図られる。請求項5
に記載の発明では、リング又は可動スクロール部材の基
板に設けられた薄肉部が冷媒ガスを吸入する吸入ポート
に対向しているため、薄肉部により形成された空間によ
ってガス通路が確保される。
【0020】請求項6の発明においては、自転防止用の
素子がリングの中肉部に形成された孔に貫通固定されて
いるため、素子の固定が所要の強度をもって確実に行わ
れる。
【0021】請求項7又は8の発明では、厚肉部の周縁
部が面取りされているか、又はコーナ部が弧状に形成さ
れているため、可動スクロールの回転に伴う厚肉部周縁
のひっかかりが防止される。
【0022】請求項9の発明においては、前記厚肉部に
潤滑油溜め用のポケットが設けられていることから、摺
接部位である厚肉部にポケットより潤滑油が供給され、
可動スクロール部材の公転が円滑に行われる。
【0023】請求項10の発明では、ポケットは貫通孔
で構成されているため、この貫通孔に溜まった潤滑油が
厚肉部の摺接部に常に供給される。請求項11の発明に
おいては、リングがアルミニウム又はアルミニウム合金
で形成されていることから、軽量化が図られるととも
に、リングの遠心力が抑制される。
【0024】請求項12の発明では、可動スクロール部
材がアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されてい
るので、圧縮機の軽量化が果たされる。請求項13に記
載の発明では、リング及び可動スクロール部材の少なく
とも一方はそれらの摺接面に硬化処理が施されているた
め、これらの部材の溶着が防止される。
【0025】
【実施例】
(第1実施例)以下、この発明を具体化したスクロール
型圧縮機の第1実施例を、図1〜図10に基づいて詳細
に説明する。
【0026】図1,2に示すように、固定スクロール部
材1はセンタハウジングを兼用し、その前後両端面には
フロントハウジング2及びリヤハウジング3がそれぞれ
固定されている。回転軸4はベアリング5によりフロン
トハウジング2内に回転可能に支持され、その内端には
偏心軸6が突設されている。ブッシュ7は偏心軸6に回
転可能に支持されている。固定スクロール部材1、フロ
ントハウジング2及びリヤハウジング3は、圧縮機の軽
量化のためにアルミニウム又はアルミニウム合金により
形成されている。
【0027】可動スクロール部材9はその外面の円筒状
ボス部10においてベアリング8を介してブッシュ7に
相対回転可能に支持されている。そして、この可動スク
ロール部材9は、回転軸4が回転されたとき、偏心軸6
によりブッシュ7及びベアリング8を介して、回転軸4
の軸線の周りで公転される。なお、可動スクロール部材
9はアルミニウム又はアルミニウム合金製で、公転運動
に伴う遠心力を抑えるように構成されるとともに、軽量
化が達成されている。
【0028】前記固定スクロール部材1は、基板11と
その内面に一体に形成された渦巻部12とを備えてい
る。同様に、可動スクロール部材9も、基板13とその
内面に一体に形成された渦巻部14とを備えている。そ
して、両スクロール部材1,9は渦巻部12,14にお
いて互いに噛み合わされ、各渦巻部12,14の軸線方
向の端面が、対向するスクロール部材9,1の基板1
3,11に接触されている。そして、両スクロール部材
1,9の基板11,13及び渦巻部12,14にて圧縮
室15が形成される。
【0029】吸入室16は前記両スクロール部材1,9
の渦巻部12,14の外周部と固定スクロール部材1の
周壁1aとの間に形成されている。吸入ポート17はフ
ロントハウジング2の斜め上部位置に設けられ、この吸
入ポート17より冷媒ガスが吸入室16に吸入される。
吐出孔18は固定スクロール部材1の基板11の中心に
形成され、前記圧縮室15をリヤハウジング3内の吐出
室19に連通させる。吐出弁20は吐出孔18の外端部
に配設され、リテーナ21によりその開放位置が規制さ
れる。
【0030】リング22は、可動スクロール部材9の基
板13とフロントハウジング2との間に配置されてい
る。このリング22はアルミニウム又はアルミニウム合
金により形成され、遠心力を抑えるとともに、軽量化を
達成できるようにしている。図4〜9に示すように、複
数の厚肉部23はリング22の両側面に周方向に所定間
隔をおいて突出形成されている。図7に示すように、こ
の厚肉部23はリング22の中心軸を中心としたほぼ扇
形状をなし、その4箇所のコーナ部23aは所定の径の
弧状に形成されている。
【0031】図8に示すように、厚肉部23の周縁部2
3bは面取りされている。ここで、面取りとは周縁部2
3bを円弧状に切除する場合、直線状に斜めに切除する
場合の両方を含む。厚肉部23の付根部23cは応力が
集中しないように円弧状に形成されている。潤滑油溜め
用の孔としてのポケット24は厚肉部23のほぼ中央に
貫設され、ポケット24内の潤滑油が厚肉部23の摺接
面に供給される。
【0032】図2,4,6に示すように、前記吸入ポー
ト17と対向する部分を除いて、中肉部38及び薄肉部
39は前記各厚肉部23間において1つおきに形成さ
れ、中肉部38の付根部23cは応力集中を防止するた
めに円弧状に形成されている。吸入通路25は吸入ポー
ト17に対応する位置において薄肉部39により形成さ
れている。この通路25を介して吸入ポート17より吸
入されるガスの一部がベアリング8の方向に通過して、
ベアリング8の部分がガス中の潤滑油により潤滑され
る。
【0033】図1,2に示すように、リング状の固定プ
レート26は、リング22と対向するようにフロントハ
ウジング2の内壁面に配置されている。2本の回り止め
ピン27はフロントハウジング2に突設され、固定プレ
ート26に設けられた孔28に嵌合されて固定プレート
26の回り止めが行われる。
【0034】そして、前記圧縮室15におけるガス圧縮
に伴う圧縮反力のうち、可動スクロール部材9の軸線方
向に沿って同可動スクロール部材9に作用する圧縮反力
がリング22に伝達される。リング22はこの圧縮反力
を厚肉部23で受ける。さらに、その圧縮反力は厚肉部
23を介してプレート26で受け止められる。
【0035】このプレート26は鉄系材料で形成されて
いる。可動スクロール部材9のリング22と接する面は
ニッケル−リンメッキ等により硬化処理が施されてい
る。図1〜3に示すように、円柱状をなす複数の自転防
止用素子29は、リング22の中肉部38に設けられた
孔30に貫通固着されている。これら素子29の一端は
可動スクロール部材9の基板13に設けられたポケット
としての公転位置規制孔31に挿入され、他端は固定プ
レート26及びフロントハウジング2に形成されたポケ
ットとしての公転位置規制孔32に挿入されている。そ
して、素子29が規制孔31,32の周壁間に挟み込ま
れながら移動することにより、可動スクロール部材9の
自転が阻止されるとともに、公転が許容される。この素
子29は鉄系材料により形成されている。素子29の両
端面は両規制孔31,32の底面には接触していない。
可動スクロール部材9側の規制孔31側の内面はニッケ
ル−リンメッキ等の硬化処理が施されている。
【0036】リング22は以下のようにして製造され
る。まず、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる
円筒が所定厚さに輪切りにされる。次に、この輪切りに
されたリングの径方向へフライス等の刃物を移動させる
ことにより、厚肉部23、中肉部38、薄肉部39が削
り出される。この場合、厚肉部23は自然に扇の形にな
る。そして、厚肉部23のコーナ部23aが円弧状に切
削されるとともに、周縁部23bが面取り切削される。
【0037】このように、リング22は単純な切削加工
のみで製造され、その製造が容易である。なお、孔29
及びポケット24は、孔明け加工で形成される。その孔
明け加工は、輪切り後であればいつ行ってもよい。
【0038】次に、上記のように構成されたこの実施例
のスクロール型圧縮機について動作を説明する。さて、
図1,2,4に示すように、この圧縮機の回転軸4が回
転されると、偏心軸6の偏心回転により、可動スクロー
ル部材9が自転が阻止されながら回転軸4の軸心の周り
で公転される。この動作により、冷媒ガスが吸入室16
から、両スクロール部材1,9間の圧縮室15内に取り
込まれる。そして、図1,10に示すように、可動スク
ロール部材9の公転に伴い、この圧縮室15が渦巻部1
2,14の外周側から中心側に移動され、容積を徐々に
減少して圧縮作用を行う。従って、冷媒ガスは圧縮室1
5内において次第に圧縮され、吐出孔18から吐出弁2
0を押し開いて吐出室19内に吐出される。
【0039】可動スクロール部材9にはその軸線方向に
沿う圧縮反力が作用するが、その圧縮反力はリング22
の厚肉部23を介してプレート26により受け止められ
る。可動スクロール部材9の公転に伴い、リング22も
公転する。従って、可動スクロール部材9は公転を拘束
されることなく、スムーズな公転を行う。このとき、リ
ング22はアルミニウム又はアルミニウム合金で形成さ
れていて軽量であるため、自身に作用する遠心力は小さ
い。従って、リング22はスムーズに公転し、圧縮機に
振動が生じることを抑制できる。しかも、リング22は
中肉部38及び薄肉部39において厚肉部23以外の部
分の肉が盗まれているため、一層軽量化され、圧縮機の
スムーズな運転に寄与できる。
【0040】前記圧縮反力によりリング22の厚肉部2
3が可動スクロール部材9の基板13及びプレート26
上を摺動する。このとき、基板13の表面には硬化処理
が施されるとともに、プレート26は鉄系材料であるた
め、リング22が基板13やプレート26と融着するこ
とはない。
【0041】しかも、この厚肉部23は扇形状をなして
いるため、円形状に比べてその面積を大きくとることが
でき、圧縮反力を広い面積で受けることができて、耐磨
耗性に優れるとともに、円滑な圧縮動作を得ることがで
きる。その結果、圧縮機が必要とする動力の低減を図る
ことができるとともに、圧縮機の性能を高めることがで
きる。
【0042】加えて、厚肉部23のコーナ部23aが弧
状に形成され、しかも周縁部23bが面取りされてい
る。このため、仮にリング22に偏荷重が作用しても、
厚肉部23の周縁部23bやコーナ部23aのひっかか
りや損傷が防止され、リング22の円滑な公転が維持さ
れる。
【0043】さらに、厚肉部23の中央部にポケット2
4が貫設され、そのポケット24が厚肉部23と基板1
3及びプレート26との摺接部に開口していることか
ら、このポケット24に冷媒ガス中の潤滑油が溜まり、
この潤滑油により摺接部が潤滑される。しかも、リング
22の周囲のガス中の潤滑油が厚肉部23周縁の面取り
部を介して摺接部に巻き込まれるようにして円滑に供給
される。従って、摺接部への潤滑油切れが防止されて、
摺接部の磨耗が低減される。このため、摺接部の焼付け
を防止することができて、圧縮機の信頼性を高めること
ができる。
【0044】加えて、厚肉部23及び中肉部38の付根
部23cが円弧状に形成されて、応力集中が生じないよ
うになっている。従って、付根部23cにおける亀裂が
防止されて、耐久性に優れたものになる。
【0045】一方、素子29は公転位置規制孔31,3
2の内周面上を摺動する。この場合、素子29は鉄系材
料であり、孔31の内周面は硬化処理が施され、孔32
の内周面には鉄系材料のプレート26が臨んでいる。従
って、素子29、孔31,32の変形、磨耗、融着等が
防止される。しかも、素子29は中肉部の孔24に固着
されているため、固着代を充分に確保できて、強固な組
付けを行うことができ、素子29が傾いたりすることは
ない。
【0046】その上、吸入ポート17にはリング22上
に広い範囲にわたって形成された薄肉部39が対応して
吸入通路25を構成している。このため、ガス中の潤滑
油が充分にベアリング8の部分に供給され、可動スクロ
ール部材9の円滑な公転を得ることができる。勿論、リ
ング22の中肉部38及び薄肉部39と基板13及びプ
レート26との間にも隙間が形成されるため、その隙間
を介して潤滑油が通過し前記ベアリング8や他の摺接部
分が確実に潤滑される。 (第2実施例)次に、この発明を具体化した第2実施例
を、図11に基づいて説明する。
【0047】さて、この実施例では可動スクロール部材
9の基板13のリング22との対向面に第1実施例と同
様の厚肉部34が設けられている。リング22の両面に
は厚肉部23は設けられていない。吸入ポート17に対
応する吸入通路25は基板13に広い範囲にわたって設
けられている。受圧凸部34のポケット24は有底状で
ある。そして、可動スクロール部材9の基板13に設け
られた厚肉部34を介して圧縮時における圧縮反力を受
け、その力をリング22に伝達する。厚肉部34の4箇
所のコーナ部23aが円弧状になっていること、付根部
23cが円弧状になっていることを含めて、その他の構
成は前記第1実施例と同様である。
【0048】従って、この実施例ではリング22の形状
が簡素化され、その製作が容易になる。その他の作用は
前記第1実施例と同様である。なお、この発明は前記実
施例の構成に限定されるものではなく、例えば以下のよ
うに構成を任意に変更して具体化することも可能であ
る。 (a)第1実施例において、厚肉部23をリング22の
いずれか片面に設けること。 (b)固定プレート26の可動スクロール部材9側の面
に厚肉部23を設けること。この場合、リング22は設
けられず、可動スクロール部材9の基板13の外側面は
平坦に形成される。 (c)第1,第2実施例において、リング22にニッケ
ル−リンメッキ等の硬化処理を施すこと。 (d)固定プレート26として、鉄系材料の代わりに摺
動に対する耐久性に優れた別の材料、例えばチタンなど
を用いること。 (e)リング22をダイキャスト(鋳造法)により製作
すること。 (f)固定プレート26のフロントハウジング2に対す
る固定をピン以外のもの、例えば固定プレート26に一
体形成した突起と、フロントハウジング2に形成した凹
部との嵌合により行うこと。 (g)固定プレート26を省略し、フロントハウジング
2に厚肉部を設けること。この場合、リング22は設け
られず、可動スクロール部材9の基板13の外側面は平
坦に形成される。 (h)リング22をアルミニウム又はアルミニウム合金
以外のもの、例えばチタンにより形成すること。 (i)リング22のポケット24を貫通孔ではなく、有
底孔とすること。この場合、ポケット24をリング22
の両側面に形成する。 (j)一箇所の厚肉部23に対して複数のポケット24
を設けること。 (k)ポケット24の開口縁に面取りを施すこと。
【0049】前記実施例から把握される請求項以外の技
術的思想について、以下にその効果とともに記載する。 (1)中肉部の付根部を応力集中を防ぐために円弧状に
加工した請求項1又は2に記載のスクロール型圧縮機。
このように構成すれば、リングや可動スクロール部材の
基板の亀裂を防止することができる。 (2)前記潤滑油溜め用のポケットはリングの厚肉部の
ほぼ中央に設けられている請求項7に記載のスクロール
型圧縮機。このようにすれば、厚肉部の摺動部位全体に
潤滑油を確実に供給することができる。 (3)厚肉部を、それと接触する部分とは異種金属によ
り形成した請求項1又は2に記載のスクロール型圧縮
機。このように構成すれば、厚肉部の融着を防止するこ
とができる。 (4)円筒を所定厚みに輪切りにしてリングとし、その
少なくとも一方の側面にリングの径方向に沿って切削加
工を施し、扇形状をなす厚肉部を形成するスクロール型
圧縮機におけるリングの製作方法。この製作方法によっ
て、リングを容易な加工で簡易に製作することができ
る。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
スクロール型圧縮機の発明によれば、圧縮機の動作時に
スクロール部材の基板とハウジングとの間の摺接部分へ
の潤滑油の供給を容易に行うことができ、スクロール部
材の公転を円滑に行うことができる。
【0051】請求項2に記載の発明によれば、可動スク
ロール部材の基板の厚肉部で圧縮反力を受けることがで
きるとともに、この部分への潤滑油の供給を円滑に行う
ことができる。
【0052】請求項3に記載の発明によれば、可動スク
ロール部材の基板とハウジング内壁との間に設けられた
リングにより可動スクロール部材の公転を円滑に行うこ
とができる。
【0053】請求項4の発明によれば、ハウジングの内
壁に配置された鉄系材料よりなるプレートにより摺接面
における耐久性の向上を図ることができる。請求項5の
発明によれば、リング又は可動スクロール部材の基板の
薄肉部により形成された空間によってガス通路を確保す
ることができる。
【0054】請求項6の発明によれば、自転防止用の素
子の固定を所要の強度をもって確実に行うことができ
る。請求項7又は8の発明によれば、可動スクロール部
材の回転に伴うリングや可動スクロール部材の厚肉部周
縁のひっかかりを防止することができる。
【0055】請求項9に記載の発明によれば、摺接動部
位であるリング又は可動スクロール部材の厚肉部にポケ
ットより潤滑油が供給され、可動スクロール部材の公転
を円滑に行うことができる。
【0056】請求項10の発明によれば、貫通孔で構成
されたポケットに溜まった潤滑油が厚肉部の摺接部に常
に供給することができる。請求項11に記載の発明によ
れば、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成された
リングにより、軽量化を図ることができるとともに、リ
ングの遠心力を抑制することができる。
【0057】請求項12の発明によれば、アルミニウム
又はアルミニウム合金で形成された可動スクロール部材
により、圧縮機の軽量化を達成することができる。請求
項13に記載の発明によれば、リング及び可動スクロー
ル部材の少なくとも一方はそれらの摺接面に硬化処理が
施されているため、これらの部材の溶着を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化したスクロール型圧縮機の第
1実施例を示す縦断面図である。
【図2】スクロール型圧縮機の分解斜視図である。
【図3】図1の III−III 線におけるリング部分を示す
断面図である。
【図4】リングをフロントハウジングに組付けた状態を
示す側面図である。
【図5】リングを示す正面図である。
【図6】リングを示す側面図である。
【図7】リングの厚肉部を示す部分拡大図である。
【図8】リングの厚肉部を示す断面図である。
【図9】リングの吸入通路を示す断面図である。
【図10】可動スクロール部材の渦巻部と固定スクロー
ル部材の渦巻部との関係を示す断面図である。
【図11】この発明の第2実施例を示すスクロール型圧
縮機の分解斜視図である。
【符号の説明】
1…固定スクロール部材、2…フロントハウジング、3
…リヤハウジング、9…可動スクロール部材、11…基
板、12…渦巻部、13…基板、14…渦巻部、15…
圧縮室、22…リング、23…厚肉部、24…ポケッ
ト、26…固定プレート、38…中肉部、39…薄肉
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深沼 哲彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 秋山 訓孝 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装 株式会社内 (72)発明者 岩波 重樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装 株式会社内 (72)発明者 沖 恭弘 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装 株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に、基板及び渦巻部を有す
    る固定スクロール部材と、基板及び渦巻部を有する可動
    スクロール部材とをそれらの渦巻部において互いに噛み
    合わせて、両スクロール部材間に圧縮室を形成し、可動
    スクロール部材とハウジングとの間に可動スクロール部
    材の自転を阻止するとともに公転を許容する機構を設
    け、可動スクロール部材を公転させることにより、圧縮
    室を渦巻部の外周側から中心側に移動させてガスの圧縮
    作用を行うようにしたスクロール型圧縮機において、 可動スクロール部材に対してその軸線方向に沿って作用
    する圧縮反力を受ける板状のリングを可動スクロール部
    材とハウジングとの間に配置し、前記リングが圧縮反力
    を受ける厚肉部と、厚肉部より薄い中肉部と、中肉部よ
    り薄い薄肉部とを有するスクロール型圧縮機。
  2. 【請求項2】 ハウジング内に、基板及び渦巻部を有す
    る固定スクロール部材と、基板及び渦巻部を有する可動
    スクロール部材とをそれらの渦巻部において互いに噛み
    合わせて、両スクロール部材間に圧縮室を形成し、可動
    スクロール部材とハウジングとの間に可動スクロール部
    材の自転を阻止するとともに公転を許容する機構を設
    け、可動スクロール部材を公転させることにより、圧縮
    室を渦巻部の外周側から中心側に移動させてガスの圧縮
    作用を行うようにしたスクロール型圧縮機において、 前記可動スクロール部材の基板の外側面には厚肉部と、
    厚肉部より薄い中肉部と、中肉部より薄い薄肉部とを形
    成し、可動スクロール部材に対してその軸線方向に沿っ
    て作用する圧縮反力を前記厚肉部を介してハウジングで
    受けるように構成されたスクロール型圧縮機。
  3. 【請求項3】 可動スクロール部材の基板とハウジング
    の内壁との間にリングを設け、前記圧縮反力を厚肉部及
    びリングを介してハウジングの内壁で受けるように構成
    された請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
  4. 【請求項4】 ハウジングの内壁に圧縮反力を受けるた
    めの鉄系材料よりなるプレートを配置した請求項1〜3
    のいずれかに記載のスクロール型圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記薄肉部がガスを吸入する吸入ポート
    に対向している請求項1〜4のいずれかに記載のスクロ
    ール型圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記リングは可動スクロール部材のポケ
    ットと、ハウジング側のポケットとに遊嵌されて、可動
    スクロール部材の公転を許容しつつ自転を阻止する素子
    を備え、素子が中肉部に形成された孔に貫通固定されて
    いる請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記厚肉部の周縁部を面取りした請求項
    1〜6のいずれかに記載のスクロール型圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記厚肉部のコーナ部を弧状に形成した
    請求項1〜7のいずれかに記載のスクロール型圧縮機。
  9. 【請求項9】 前記厚肉部に潤滑油溜め用のポケットを
    設けた請求項1〜8のいずれかに記載のスクロール型圧
    縮機。
  10. 【請求項10】 前記ポケットは貫通孔である請求項9
    に記載のスクロール型圧縮機。
  11. 【請求項11】 前記リングはアルミニウム又はアルミ
    ニウム合金である請求項1,3〜10のいずれかに記載
    のスクロール型圧縮機。
  12. 【請求項12】 前記可動スクロール部材はアルミニウ
    ム又はアルミニウム合金である請求項1〜11のいずれ
    かに記載のスクロール型圧縮機。
  13. 【請求項13】 前記リング及び可動スクロール部材の
    少なくとも一方はそれらの摺接面に硬化処理が施されて
    いる請求項12に記載のスクロール型圧縮機。
JP13335994A 1994-06-15 1994-06-15 スクロール型圧縮機 Pending JPH084667A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7497673B2 (en) * 2006-03-27 2009-03-03 Anest Iwata Corporation Scroll fluid machine having forced convection generating portion
TWI406989B (zh) * 2007-03-15 2013-09-01 Juki Kk Pinning machine

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7497673B2 (en) * 2006-03-27 2009-03-03 Anest Iwata Corporation Scroll fluid machine having forced convection generating portion
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