JPH0846662A - 同期検波方式 - Google Patents

同期検波方式

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JPH0846662A
JPH0846662A JP6175289A JP17528994A JPH0846662A JP H0846662 A JPH0846662 A JP H0846662A JP 6175289 A JP6175289 A JP 6175289A JP 17528994 A JP17528994 A JP 17528994A JP H0846662 A JPH0846662 A JP H0846662A
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JP
Japan
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doppler shift
signal
input signal
band
Prior art date
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Withdrawn
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JP6175289A
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English (en)
Inventor
Hideto Furukawa
秀人 古川
Kazuo Kawabata
和生 川端
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Withdrawn legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03DDEMODULATION OR TRANSFERENCE OF MODULATION FROM ONE CARRIER TO ANOTHER
    • H03D1/00Demodulation of amplitude-modulated oscillations
    • H03D1/22Homodyne or synchrodyne circuits
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L1/00Arrangements for detecting or preventing errors in the information received
    • H04L1/02Arrangements for detecting or preventing errors in the information received by diversity reception
    • H04L1/06Arrangements for detecting or preventing errors in the information received by diversity reception using space diversity
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L27/00Modulated-carrier systems
    • H04L27/18Phase-modulated carrier systems, i.e. using phase-shift keying
    • H04L27/22Demodulator circuits; Receiver circuits
    • H04L27/227Demodulator circuits; Receiver circuits using coherent demodulation
    • H04L27/2275Demodulator circuits; Receiver circuits using coherent demodulation wherein the carrier recovery circuit uses the received modulated signals

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ドップラシフトを伴う受信波を同
期検波する同期検波方式に関し、良好な復調特性を安定
に得ることを目的とする。 【構成】 検波手段13の出力端のビット誤り率が予め
決められた許容最大値未満となる通過帯域が、入力信号
に付随し得るドップラシフトの値fD に対応して予め記
憶された記憶手段14と、入力信号のレベルまたは包絡
線成分の値Rを求めて予め設定された閾値との大小関係
が逆転する回数Nを単位時間毎に求め、その入力信号の
同相・直交成分、これらの時間微分の分布、電力スペク
トラム分布の下で、その閾値で正規化された値Rに対す
る回数Nと値fD との比を示す式に基づく算術演算を行
い、値fD を推定する推定手段15と、推定手段15に
よって推定された値fD に基づいて記憶手段14を参照
して通過帯域を求め、その通過帯域を濾波手段12に設
定する帯域制御手段16とを備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速で移動する移動体
との間に無線伝送路が形成される移動通信システムの受
信端において、受信波を同期検波する同期検波方式に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、衛星通信技術の進展に伴い、多く
の基地局を設置せずに広大な地域に効率的にサービスエ
リアを形成する通信衛星を用いた移動通信システムにつ
いて、積極的に研究開発が進められ、さらに、地上に既
設の移動通信システムのサービスエリアの補完や拡大等
を目的とした運用計画が立案されつつある。
【0003】また、地上の移動通信システムでは、移動
局の移動に応じてその移動局と基地局との間に形成され
る無線伝送路上に介在する地形や地物が刻々と変化して
反射、回折、散乱等が発生する。さらに、このような無
線伝送路の受信端では、上述した反射や回折に併せて、
受信波が異なる伝搬路を介して到来する複数の信号のベ
クトル和として与えられることに起因して大きな幅のフ
ェージングが発生する。
【0004】したがって、従来、移動通信システムの受
信端では、このようなフェージングに併せて位相雑音や
熱雑音に起因する伝送特性の劣化を抑圧するために、検
波器として受信波から搬送波信号を再生せずに安定に動
作する遅延検波器が多く用いられている。
【0005】一方、同期検波器では、内蔵された搬送波
再生回路が受信波から搬送波信号を再生し、その搬送波
信号と受信波との積をとることにより復調処理が行われ
るので、無線伝送路で生じるフェージングが許容される
程度に小さい場合には、上述した遅延検波器に代えて同
期検波器を適用することにより、受信端では、搬送波信
号に直交する雑音成分が抑圧され、その遅延検波器を用
いた場合に比べて伝送品質が改善される。
【0006】また、上述した搬送波再生回路に固有のル
ープ帯域幅BL は、所望のC/N比を確保しつつ雑音帯
域幅を可能な限り小さく抑え、かつ受信波の搬送波周波
数の偏差に適応して安定に搬送波を再生するために、一
般に、伝送速度の数百分の一ないし想定し得るドップラ
シフトの数十倍の値に予め設定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、低軌道を周回
する衛星を介して構成された移動体衛星通信システムで
は、地球局や地上の移動局とその衛星との間の相対速度
は7〜8km/sにも達し、受信波には2〜3kHz 程度のド
ップラシフトfD が生じる。さらに、上述した相対速度
の変動幅が大きいために、ドップラシフトfD の変動幅
は、地上の移動通信システムで生じる値(移動局の移動
速度が高々100km/h程度の低速であるから、100Hz
程度となる。)に比べて、著しく大きな値となる。
【0008】しかし、このようにドップラシフトの変動
幅が大きい場合には、上述したループ帯域幅BL はその
変動幅に対して常に適合した値とはならず、一般に、図
9に示すように、そのループ帯域幅BL のドップラシフ
トfD に対する比Rと上述した最適値に対応する比R0
との差分が大きくなるほど、復調特性が劣化して受信端
におけるビット誤り率が低下した。
【0009】また、地上の移動通信システムでは、同期
検波器は、上述したフェージングによって位相雑音が生
じるために、受信波に位相同期した搬送波信号を再生す
ることができない。したがって、同期検波器は、正常な
動作が保証されず、遅延検波器の代わりに適用されなか
った。
【0010】本発明は、大幅なドップラシフトに対して
安定に良好な復調特性が得られる同期検波方式を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】図1は、請求項1、2に
記載の発明の原理ブロック図である。請求項1に記載の
発明は、伝送情報で変調された入力信号に無線周波数帯
あるいはベースバンドの領域で変調方式に適応した演算
を施し、変調成分が抑圧された制御信号を生成する信号
処理手段11と、信号処理手段11によって生成された
制御信号の帯域を制限して雑音成分を抑圧する濾波手段
12と、濾波手段12によって雑音成分が抑圧された制
御信号に適応して発振周波数を可変して入力信号に位相
同期した搬送波信号を再生し、その搬送波信号に基づく
同期検波処理を行って伝送情報を得る検波手段13とを
備えた同期検波方式において、濾波手段12について、
検波手段13によって得られる伝送情報のビット誤り率
が予め決められた許容最大値未満となる通過帯域が、入
力信号に付随し得るドップラシフトの値に対応して予め
記憶された記憶手段14と、入力信号のレベルあるいは
包絡線成分の瞬時値を求めてその値Rについて予め設定
された閾値との大小関係が逆転する回数Nを単位時間毎
に求め、その入力信号の同相成分、直交成分およびこれ
らの時間微分の分布と電力スペクトラム分布との下で、
その閾値で正規化された値Rに対してその回数Nとドッ
プラシフトの値fD との比を示す式にその回数を代入す
る算術演算を行い、ドップラシフトの値fD を推定する
推定手段15と、推定手段15によって推定されたドッ
プラシフトfD に基づいて記憶手段14を参照してその
ドップラシフトに対応した通過帯域を求め、その通過帯
域を濾波手段12に設定する帯域制御手段16とを備え
たことを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明は、伝送情報で変調
された入力信号に無線周波数帯あるいはベースバンドの
領域で変調方式に適応した演算を施し、変調成分が抑圧
された制御信号を生成する信号処理手段11と、信号処
理手段11によって生成された制御信号の帯域を制限し
て雑音成分を抑圧する濾波手段12と、濾波手段12に
よって雑音成分が抑圧された制御信号に適応して発振周
波数を可変して入力信号に位相同期した搬送波信号を再
生し、その搬送波信号に基づく同期検波処理を行って伝
送情報を得る検波手段13とを備えた同期検波方式にお
いて、濾波手段12について、検波手段13によって得
られる伝送情報のビット誤り率が予め決められた許容最
大値未満となる通過帯域が、入力信号に付随し得るドッ
プラシフトの値に対応して予め記憶された記憶手段14
と、入力信号のレベルあるいは包絡線成分の値Rとその
平均値Vavとを求めて単位時間毎に両者の大小関係が逆
転する回数Nを求め、かつfD=π-1/21/2Nの式に示
す算術演算を行ってドップラシフトの値fD を推定する
推定手段21と、推定手段21によって推定されたドッ
プラシフトfD に基づいて記憶手段14を参照してその
ドップラシフトに対応した通過帯域を求め、その通過帯
域を濾波手段12に設定する帯域制御手段22とを備え
たことを特徴とする。
【0013】図2は、請求項3、4に記載の発明の原理
ブロック図である。請求項3に記載の発明は、共通の伝
送情報で変調されて2つブランチから与えられる入力信
号に無線周波数帯あるいはベースバンドの領域で変調方
式に適応した演算を個別に施し、変調成分が抑圧された
制御信号を生成する信号処理手段311、312と、信号
処理手段311、312によって生成された制御信号の帯
域を個別に制限して雑音成分を抑圧する濾波手段3
1、322と、濾波手段321 、322 によって雑音成
分が抑圧された制御信号に適応して発振周波数を可変し
て入力信号に個別に位相同期した搬送波信号を再生し、
これらの搬送波信号に基づく同期検波処理を並行して行
って個別に伝送情報を得る検波手段331、332と、2
つのブランチから与えられる入力信号のレベルあるいは
包絡線成分を求め、両者の大小関係に応じて検波手段3
1、332によって得られた伝送情報の何れか一方を選
択して出力するダイバシチ制御手段34とを備えた同期
検波方式において、濾波手段321、322について、検
波手段331、332によって得られる伝送情報のビット
誤り率が予め決められた許容最大値未満となる通過帯域
が、入力信号に付随し得るドップラシフトの値に対応し
て予め記憶された記憶手段35と、単位時間毎にダイバ
シチ制御手段34によって求められた大小関係が逆転す
る回数Fb を求め、かつfD=Fb/1.3 の式に示す算術
演算を行ってドップラシフトの値fD を推定する推定手
段36と、推定手段36によって推定されたドップラシ
フトfD に基づいて記憶手段35を参照してそのドップ
ラシフトに対応した通過帯域を求め、その通過帯域を濾
波手段321、322に設定する帯域制御手段37とを備
えたことを特徴とする。
【0014】請求項4に記載の発明は、共通の伝送情報
で変調されて2つブランチから与えられる入力信号に無
線周波数帯あるいはベースバンドの領域で変調方式に適
応した演算を個別に施し、変調成分が抑圧された制御信
号を生成する信号処理手段311、312と、信号処理手
段311、312によって生成された制御信号の帯域を個
別に制限して雑音成分を抑圧する濾波手段321、322
と、濾波手段321 、322 によって雑音成分が抑圧さ
れた制御信号に適応して発振周波数を可変して入力信号
に個別に位相同期した搬送波信号を再生し、これらの搬
送波信号に基づく同期検波処理を並行して行って個別に
伝送情報を得る検波手段331、332と、2つのブラン
チから与えられる入力信号のレベルあるいは包絡線成分
を求め、両者の大小関係に応じて検波手段331、332
によって得られた伝送情報の何れか一方を選択して出力
するダイバシチ制御手段34とを備えた同期検波方式に
おいて、濾波手段321 、322 について、検波手段3
1 、332 によって得られる伝送情報のビット誤り率
が予め決められた許容最大値未満となる通過帯域が、入
力信号に付随し得るドップラシフトの値に対応して予め
記憶された記憶手段35と、単位時間毎にダイバシチ制
御手段34によって求められた大小関係が逆転する回数
b を求め、かつその大小関係が単位時間毎に逆転する
確率Pに対してfD =Fb/2.6Pの式に示す算術演算を
行ってドップラシフトの値fD を推定する推定手段41
と、推定手段41によって推定されたドップラシフトf
D に基づいて記憶手段35を参照してそのドップラシフ
トに対応した通過帯域を求め、その通過帯域を濾波手段
321、322に設定する帯域制御手段42とを備えたこ
とを特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1に記載の発明にかかわる同期検波方式
では、推定手段15は、入力信号のレベルあるいは包絡
線成分の値Rと、その入力信号のダイナミックレンジ内
に設定された閾値との大小関係が単位時間毎に逆転する
回数Nとを求める。さらに、推定手段15は、このよう
な入力信号の同相成分、直交成分およびこれらの時間微
分の分布と電力スペクトラム分布との下で、その閾値で
正規化された瞬時値Rに対する回数Nとドップラシフト
の値fD との比を示す式にその回数を代入する算術演算
を行うことにより、ドップラシフトの値fD を推定す
る。帯域制御手段16は、このようにして推定されたド
ップラシフトの値fD に基づいて記憶手段14を参照す
ることにより、その値fD に対応した通過帯域を求めて
濾波手段12に設定する。
【0016】このようにして設定される通過帯域は、信
号処理手段11から検波手段13に至るループの帯域を
設定する濾波手段12について、検波手段13の出力端
におけるビット誤り率が予め決められた許容最大値未満
となる値として記憶手段14に格納されていたものであ
るから、ドップラシフトの変化に適応した値に逐次可変
設定され、その変化に対して復調特性の安定化がはから
れる。
【0017】請求項2に記載の発明にかかわる同期検波
方式では、推定手段21は、請求項1に記載の推定手段
15と同様にしてドップラシフトの値fD を推定する。
しかし、その値を算出する過程では、入力信号のレベル
あるいは包絡線成分のR値とその平均値Vavとが求めら
れた後に、両者の大小関係が単位時間毎に逆転する回数
Nが求められ、さらに、fD=π-1/21/2Nの式に示す
算術演算が行なわれる。
【0018】このような式は、上述した値Rと平均値V
avとの間に回数Nが最大となる算術的関係が成立する場
合におけるドップラシフトの値fD を示し、かつ請求項
1に記載の発明において推定手段15に適用された式に
比べて単純な構成となる。したがって、濾波手段12に
は、演算所要時間を抑えつつドップラシフトに起因して
生じ得る大小関係の逆転回数の最大値に適応した帯域が
帯域制御手段22によって設定され、ドップラシフトの
変化に対する復調特性の安定化がはかられる。
【0019】請求項3に記載の発明にかかわる同期検波
方式では、ダイバシチ制御手段34が2つブランチに対
応して得られる入力信号のレベルあるいは包絡線成分の
値R 1 、R2 を求めて両者の大小関係を求め、推定手段
36が単位時間毎にその大小関係が逆転する回数Fb
求める。推定手段36は、ダイバシチ制御手段34によ
って求められた単位時間毎の大小関係の逆転回数Fb
求める。このような逆転回数については、入力信号に付
随するドップラシフトの下で第1種ベッセル関数で与え
られる値R1 、R2 の自己相関が「0」となる時間幅
(=1/2.6fD)と、その時間幅毎に上述した大小関係が逆
転する確率(=0.5)との積の逆数に等しい値となると期
待されるので、ドップラシフトfD はfD=1/1.3Fb
式に示す算術演算に基づいて推定される。ここに、上述
した確率の値は、2つのブランチの定常的な特性に顕著
な偏りがない場合における値である。
【0020】帯域制御手段37は、推定されたドップラ
シフトの値fD に基づいて記憶手段14を参照すること
により、その値fD に対応した通過帯域を求めて濾波手
段321、322に設定する。
【0021】このようにして設定される通過帯域は、信
号処理手段311 から検波手段33 1 と、信号処理手段
312 から検波手段332 とにそれぞれ至るループの帯
域を設定する濾波手段321、322について、検波手段
331、332の出力端におけるビット誤り率が予め決め
られた許容最大値未満となる値として記憶手段35に格
納されていたものであるから、ドップラシフトの変化に
適応した値に逐次可変設定され、その変化に対して復調
特性の安定化がはかられる。
【0022】請求項4に記載の発明にかかわる同期検波
方式では、推定手段41は、ダイバシチ制御手段34に
よって求められた値R1、R2の大小関係について、単位
時間毎に逆転する回数Fb を求める。さらに、推定手段
41は、このような回数Fbが単位時間毎に逆転する確
率Pと、入力信号に付随するドップラシフトの下で第1
種ベッセル関数で与えられる値R1 、R2 の自己相関が
「0」となる時間幅(=1/2.6fD)との積の逆数に等し
い値となると期待されるので、ドップラシフトfD はf
D=1/2.6FbPの式に示す算術演算に基づいて推定され
る。
【0023】また、上述した確率Pは、2つのブランチ
の定常的な無線伝送特性に顕著な偏りがある場合には、
その偏りの度合いに適応した値に予め設定可能である。
したがって、このようにして推定されたドップラシフト
の値fD に基づいて記憶手段35を参照することによ
り、帯域制御手段42が求めて濾波手段321 、322
に設定する通過帯域は上述した無線伝送特性に適応した
値となり、そのドップラシフトの変化に対して復調特性
が精度よく安定化される。
【0024】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例につい
て詳細に説明する。図3は、請求項1、2に記載の発明
に対応した第一の実施例を示す図である。
【0025】図において、直交検波回路51の入力に
は、受信波が所定の周波数の中間周波信号に変換されて
与えられる。直交検波回路51の出力(直交するIチャ
ネルとQチャネルとから構成される。)は、同期検波回
路52およびドップラシフト検出回路53の入力に接続
される。ドップラシフト検出回路53の出力はループ帯
域設定回路54を介して同期検波回路52の制御入力に
接続され、その出力には復調された伝送情報がシンボル
単位に得られる。また、同期検波回路52は搬送波再生
回路(図示されない。)を有し、その搬送波再生回路
は、上述した制御入力を介してループ帯域設定回路54
から与えられる制御電圧に応じてループ帯域幅BL を可
変設定(プリセット)する付加回路を含む。
【0026】ドップラシフト検出回路53では、上述し
た2つのチャネルの出力が包絡線算出回路55の対応す
る入力に接続され、その出力は遅延回路56および受信
電力算出回路57の入力に接続される。遅延回路56お
よび受信電力算出回路57の出力はそれぞれ比較回路5
8の対応する入力に接続され、その出力は交差回数計数
部59を介してループ帯域設定回路54の入力に接続さ
れる。
【0027】交差回数計数部59では、その入力端が排
他的論理和ゲート60の一方の入力と遅延回路61の入
力とに接続され、その遅延回路61の出力は排他的論理
和ゲート60の他方の入力に接続される。排他的論理和
ゲート60の出力は、カウンタ62を介してループ帯域
設定回路54の入力に接続される。
【0028】なお、本実施例と図1に示すブロック図と
の対応関係については、直交検波回路51および同期検
波回路52は信号処理手段11、濾波手段12および検
波手段13に対応し、ループ帯域設定回路54は記憶手
段14および帯域制御手段16、21に対応し、ドップ
ラシフト検出回路53は推定手段15、21に対応す
る。
【0029】図4は、本実施例の動作を説明する図であ
る。以下、図3および図4を参照して本実施例の動作を
説明する。直交検波回路51は、中間周波信号を取り込
んで直交復調し、互いに直交するIチャネルおよびQチ
ャネルの復調信号を出力する。同期検波回路52に内蔵
された搬送波再生回路は、上述した復調信号から受信波
に位相同期した搬送波信号を生成する。同期検波回路5
2は、このようにして生成された搬送波信号と上述した
復調信号との積をとることにより復調処理を行い、伝送
情報を出力する。
【0030】また、ループ帯域設定回路54では、上述
した搬送波再生回路にかかわる制御電圧とループ帯域幅
L との対応関係が実測その他に基づいて予め与えら
れ、そのループ帯域幅に対応した制御電圧のテーブルに
変換されてリードオンリメモリ(図示されない。)に蓄
積される。さらに、このようなリードオンリメモリに
は、シンボル構成や無線伝送路およびその無線伝送路の
伝送方式(変復調方式を含む。)に適応してビット誤り
率が最小となるループ帯域幅と、ドップラシフトf D
の比R(図9に示される。)の値が予め実測等により求
められて蓄積される。
【0031】一方、ドップラシフト検出回路53では、
包絡線算出回路55は、上述したIチャネルおよびQチ
ャネルの復調信号を取り込み、これらのチャネルの瞬時
値i、qに対して
【0032】
【数1】
【0033】の式に示す算術演算を行うことにより、受
信波の包絡線レベルを示す瞬時値R(図4)を求め
る。さらに、受信電力算出手段57は、このようにして
求められた瞬時値Rを積分することにより、受信波の平
均電力b0 を求めると共に、
【0034】
【数2】
【0035】の式に示す算術演算を行うことにより、そ
の平均電力に対応した平均受信電圧V av(図4)を求
める。比較回路58は、このようにして求められる瞬時
値Rと平均受信電圧Vavとを比較することにより両者間
の大小関係を示す2値信号(図4)を出力する。排他
的論理和ゲート60および遅延回路61は、微分回路を
構成し、上述した2値信号の変化点に対応したパルス信
号(図4)を出力する。
【0036】ところで、単位時間毎に瞬時値Rが上述し
た平均受信電圧Vavを交差する回数の最大値N
RS,maxと、その時点におけるドップラシフトfD との間
には、一般に、瞬時値Rがとり得る任意の値Rs に対し
【0037】
【数3】
【0038】の関係式が成立する(奥村善久その他「移
動通信の基礎」電子情報通信学会、p70、式(3.27),
(3.28)) 。カウンタ62は、上述したパルス信号をカウ
ントすることにより、上式に示すNRS,maxの値を求め
る。
【0039】ループ帯域設定回路54は、このようにし
て求められたNRS,maxの値を上式の左辺に代入し、
【0040】
【数4】
【0041】の式に基づく算術演算を行うことにより、
時々刻々と変化するドップラシフトf D を推定する。さ
らに、ループ帯域設定回路54は、 BL =R0 ・fD の式で示す算術演算を行うことにより、その時点におけ
るドップラシフトに最適なループ帯域幅BL を求める。
さらに、ループ帯域設定回路54は、このようにして求
めたループ帯域幅BL に基づいてテーブルを参照をする
ことにより、そのループ帯域幅に対応した制御電圧の値
を求め、その値をD/A変換して搬送波再生回路(同期
検波回路52に含まれる。)に与える。
【0042】このように本実施例によれば、ループ帯域
幅BL が受信波に伴うドップラシフトに適応した値に逐
次可変設定されてそのドップラシフトの可変幅の範囲で
安定に搬送波信号が再生され、従来例に比べて復調特性
が大幅に改善される。さらに、地上の移動通信システム
のように、無線伝送路に大きなフェージングが生じる場
合にも、そのフェージングによって発生する位相雑音に
起因して生じる擾乱の程度が軽減され、受信波に位相同
期した搬送波信号が安定に再生される。
【0043】したがって、本実施例にかかわる同期検波
方式では、大きな幅で生じるドップラシフトに対して良
好な復調特性が安定に得られる。図5は、請求項1、2
に記載の発明に対応した第二の実施例を示す図である。
【0044】図において、図3に示すものと機能および
構成が同じものについては、同じ参照番号を付与して示
し、ここではその説明を省略する。本実施例と図3に示
す実施例との構成の相違点は、ドップラシフト検出回路
53に代えてドップラシフト検出回路71が備えられ、
そのドップラシフト検出回路71の入力に、中間周波信
号を出力するフロントエンド部72の受信電界レベル検
出出力が直交検波回路51の出力に代えて接続された点
にある。
【0045】ドップラシフト検出回路71とドップラシ
フト検出回路53との構成の相違点は、包絡線算出回路
55に代えてA/D変換器(A/D)73が備えられた
点にある。なお、交差回数計数部59の構成について
は、図3に示すものと同じであるから、ここでは図示を
省略する。
【0046】また、本実施例と図1に示すブロック図と
の対応関係については、フロントエンド部72、直交検
波回路51および同期検波回路52は信号処理手段1
1、濾波手段12および検波手段13に対応し、ループ
帯域設定回路54は記憶手段14および帯域制御手段1
6、22に対応し、ドップラシフト検出回路71は推定
手段15、21に対応する。
【0047】以下、本実施例の動作を説明する。フロン
トエンド部72は、受信波の電界強度レベルを逐次検出
し、その電界強度レベルをアナログの電圧で示すRSS
I信号を送出する。一般に、このようなRSSI信号の
瞬時値は上述した受信波の包絡線の瞬時値にほぼ比例し
た値となるので、その瞬時値をA/D変換するA/D変
換器73の出力には、包絡線レベルの瞬時値Rが得られ
る。
【0048】このように本実施例では、受信波の包絡線
の瞬時値がフロントエンド部72から出力されるアナロ
グのRSSI信号によって与えられるが、その信号をA
/D変換するA/D変換器73の出力から同期検波回路
52の制御入力に至る格段の構成は同じであるから、図
3に示す実施例と同様にして、受信波に伴うドップラシ
フトの可変幅の範囲で安定に搬送波信号が再生され、大
きな幅で生じるドップラシフトに対して良好な復調特性
が安定に得られる。
【0049】図6は、請求項3、4に記載の発明に対応
した第一の実施例を示す図である。図において、図3に
示すものと機能および構成が同じものについては、同じ
参照番号を付与して示し、ここではその説明を省略す
る。
【0050】本実施例では、2つのブランチに個別に対
応した中間周波信号がそれぞれ直交検波回路511 、5
2 の入力に接続され、これらの出力がそれぞれ同期検
波器521 、522 の入力およびブランチ選択部81の
対応した入力に接続される。同期検波器521 、522
の出力はそれぞれスイッチ82の対応する接点に接続さ
れ、その共通接点には伝送情報が得られる。ブランチ選
択部81の第一の出力はスイッチ82の制御入力に接続
され、ブランチ選択部81の第二の出力はループ帯域設
定回路83の入力に接続される。ループ帯域設定回路8
3の第一および第二の出力は、同期検波回路521 、5
2 の制御入力に接続される。
【0051】ブランチ選択部81では、直交検波回路5
1 、512 の出力がそれぞれ包絡線算出回路551
552 の入力に接続され、これらの出力は比較回路58
の対応する入力に接続される。比較回路58の出力は、
スイッチ82の制御入力およびループ帯域設定回路83
の入力に接続される。
【0052】なお、本実施例は、2つのブランチを有す
る選択ダイバーシチ方式の受信機に図3に示す実施例を
適用したものであり、上述した添え番号「1」、「2
は、これらのブランチに個別に対応した構成要素を示
す。
【0053】また、本実施例の図2に示すブロック図と
の対応関係については、直交検波回路511 、512
よび同期検波回路521 、522 は信号処理手段311
31 2 、濾波手段321 、322 および検波手段3
1 、332 に対応し、ブランチ選択部81およびドッ
プラシフト検出回路83はダイバシチ制御手段34およ
び推定手段36、41に対応し、ループ帯域設定回路8
4は記憶手段35および帯域制御手段37、42に対応
する。
【0054】図7は、本実施例の動作を説明する図であ
る。以下、図6および図7を参照して本実施例の動作を
説明する。直交検波器511 、512 は、個々のブラン
チに対応した中間周波信号を取り込んで直交復調し、互
いに直交するIチャネルおよびQチャネルの復調信号を
それぞれ出力する。同期検波回路521 、522 に個別
に内蔵された搬送波再生回路は、各ブランチについて得
られる復調信号から受信波に位相同期した搬送波信号を
生成する。同期検波回路521 、522 は、このように
して生成された搬送波信号と上述した復調信号との積を
ブランチ毎にとることにより復調処理を行い、並行して
伝送情報を出力する。
【0055】また、ループ帯域設定回路83では、上述
した搬送波再生回路にかかわる制御電圧とループ帯域幅
L との対応関係が実測その他に基づいて予め与えら
れ、そのループ帯域幅に対応した制御電圧のテーブルに
変換されてリードオンリメモリ(図示されない。)に蓄
積される。さらに、このようなリードオンリメモリに
は、シンボル構成や無線伝送路およびその無線伝送路の
伝送方式(変復調方式を含む。)に適応してビット誤り
率が最小となるループ帯域幅BL と、ドップラシフトf
D との比R(図9に示される。)の値が予め実測等によ
り求められて蓄積される。
【0056】一方、ブランチ選択部81では、包絡線算
出回路551 、552 は、それぞれ各ブランチについて
上述したIチャネルおよびQチャネルの復調信号を取り
込み、これらのチャネルの瞬時値i1、q1およびi2
2に対して
【0057】
【数5】
【0058】の式に示す算術演算を行うことにより、受
信波の包絡線レベルを示す瞬時値R1、R2 (図7、
)を求める。比較回路58は、このようにして求めら
れた瞬時値R1 、R2 を比較することにより両者間の大
小関係を示す2値信号(図7)を出力する。
【0059】スイッチ82は、このような2値信号の論
理値に応じて同期検波回路521 、522 に出力される
伝送情報の内、上述した包絡線レベルの瞬時値R1 、R
2 (受信電界強度)が大きいブランチに対応した一方を
選択して出力する。
【0060】また、交差回数計数部59では、上述した
2値信号の変化点に対応したパルス信号(図7)を出
力する。ところで、上述したブランチの切替え頻度Fb
については、一般に、受信波のドップラシフト分に比例
し、かつ上述した大小関係が単位時間毎に逆転する確率
P(ブランチの特性等によって決定される。)に対して Fb =2.6PfD ・・・ の式で与えられる値と期待される(竹中哲喜「受信ダイ
バーシティを利用した移動速度推定法」(1993年電子情
報通信学会春季大会論文予行、p.2−402) 。
【0061】交差回数計数部59は、上述したパルス信
号をカウントすることにより、上式に示すFb の1/
P(各ブランチの特性が均一と見なされる場合には、
「2」となる。)倍の値を求める。
【0062】ループ帯域設定回路84は、このようにし
てカウンタ62によって求められたFb の値を上式の
左辺に代入した
【0063】
【数6】
【0064】の式に示す算術演算を行うことにより、刻
々と変化するドップラシフトfD を推定し、かつ BL =R0・fD の式に示す算術演算を行うことにより、その時点におけ
るドップラシフトに最適なループ帯域幅BL を求める。
さらに、ループ帯域設定回路84は、このようにして求
めたループ帯域幅BL に基づいてテーブルを参照をする
ことにより、そのループ帯域幅に対応した制御電圧の値
を求め、その値をD/A変換して同期検波回路521
522 に与える。
【0065】このように本実施例によれば、ループ帯域
幅BL が受信波に伴うドップラシフトに適応した値に逐
次可変設定されるので、そのドップラシフトの可変幅の
範囲で安定に搬送波信号が再生され、従来例に比べて復
調特性が大幅に改善される。さらに、地上の移動通信シ
ステムのように、無線伝送路に大きなフェージングが生
じる場合にも、そのフェージングによって発生する位相
雑音に起因して生じる擾乱の程度が軽減され、受信波に
位相同期した搬送波信号が安定に再生される。
【0066】したがって、本実施例にかかわる同期検波
方式では、大きな幅で生じるドップラシフトに対して良
好な復調特性が安定に得られる。図8は、請求項3、4
に記載の発明に対応した第二の実施例を示す図である。
【0067】図において、図5および図6に示すものと
機能および構成が同じものについては、同じ参照番号を
付与して示し、ここではその説明を省略する。本実施例
と図6に示す実施例との構成の相違点は、ブランチ選択
部81に代えてブランチ選択部91が備えられ、直交検
波器511 、512 の前段にフロントエンド部721
722 が付加され、ブランチ選択部91の入力には、中
間周波信号を出力するフロントエンド部721 、722
の受信電界レベル検出出力が直交検波回路511 、51
2 の出力に代えて接続された点にある。
【0068】ブランチ選択部81とブランチ選択部91
との構成の相違点は、包絡線算出回路551 、552
代えてA/D変換器(A/D)731 、732 が備えら
れた点にある。
【0069】なお、本実施例と図2に示すブロック図と
の対応関係については、フロントエンド部721 、72
2 、直交検波回路511 、512 および同期検波回路5
1、522 は信号処理手段311 312 、濾波手段3
1 、322 および検波手段331 、332 に対応し、
ブランチ選択部91およびドップラシフト検出回路83
はダイバシチ制御手段34および推定手段36、41に
対応し、ループ帯域設定回路84は記憶手段35および
帯域制御手段37、42に対応する。
【0070】以下、本実施例の動作を説明する。フロン
トエンド部721 、722 は、個々のブランチについて
受信波の電界強度レベルを逐次検出し、その電界強度レ
ベルをアナログの電圧で示すRSSI1信号およびRS
SI2 信号として送出する。一般に、これらの信号の瞬
時値は各ブランチにおける受信波の包絡線の瞬時値にほ
ぼ比例した値となるので、A/D変換器731 、732
は、これらの瞬時値をA/D変換することにより、図6
に示す包絡線算出回路551、552と同様にして包絡線
レベルの瞬時値R1、R2を出力する。
【0071】このように本実施例では、受信波の包絡線
レベルの瞬時値がフロントエンド部721、722から個
別に出力されるアナログのRSSI1 信号およびRSS
2信号として与えられるが、これらの信号をA/D変
換するA/D変換器731 、732 の出力から同期検波
回路521 、522 の制御入力に至る各段の構成につい
ては、図6に示すものと同じであるから、図6に示す実
施例と同様にして、受信波に伴うドップラシフトの可変
幅の範囲で安定に搬送波信号が再生されて従来例に比べ
て復調特性が大幅に改善され、かつ無線伝送路に大きな
フェージングが生じる場合にも、選択ダイバーシチ方式
に基づいて無線伝送路の伝送特性の変動分を吸収しつつ
遅延検波器とほぼ同等の安定な復調処理が行われる。
【0072】なお、上述した各実施例では、同期検波に
用いられる基準搬送波信号の生成方法として、ベースバ
ンド領域において信号処理が行われるコスタス法が適用
されているが、本発明は、このようなコスタス法に限定
されず、例えば、逓倍法や逆変調法が採用された場合に
も同様にして適用可能である。
【0073】また、上述した各実施例では、同期検波回
路52に内蔵されたループフィルタの回路方式が示され
ていないが、ループ帯域設定回路54、84から与えら
れる制御電圧に応じてループ帯域がプリセットされるな
らば、そのループ帯域を可変する素子としては可変容量
ダイオード(バラクタダイオードを含む。)、トランジ
スタ、FETその他の如何なる能動素子を用いてもよ
く、かつ回路方式についてはその能動素子に適応したも
のであってループ帯域について所望の遮断特性が確実に
得られるものであれば、如何なるものを採用してもよ
い。
【0074】さらに、図6および図8に示す実施例で
は、各ブランチの特性が均一と見なされて確率Pが「0.
5 」に設定されているが、本発明は、このような場合に
限定されず、その確率Pの値が所望の確度で予め得られ
るならば、ブランチの特性に偏差がある場合についても
同様に適用可能である。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように請求項1および請求
項2に記載の発明では、入力信号に付随し得るドップラ
シフトの値に対して検波手段の出力端におけるビット誤
り率が最小となる濾波手段の通過帯域が予め記憶手段に
記憶され、その入力信号のレベルあるいは包絡線成分の
値とその値について予め設定された閾値との大小関係が
逆転する頻度を求めると共に、その頻度が得られる時点
におけるドップラシフトを理論的に示す算術式に求めら
れた頻度を適用する算術演算を行うことによりそのドッ
プラシフトを推定し、さらに、そのドップラシフトに基
づいて記憶手段を参照することにより最適な通過帯域を
求めて濾波手段に設定する。
【0076】すなわち、濾波手段の通過帯域がドップラ
シフトに応じて逐次最適な値に設定されるので、基準搬
送波信号はこのような濾波手段を介して確実に生成さ
れ、復調特性の安定化がはかられる。
【0077】また、請求項3および請求項4に記載の発
明では、2つのブランチから個別に与えられる入力信号
に付随し得るドップラシフトの値に対して、各ブランチ
の検波手段の出力端におけるビット誤り率が最小となる
濾波手段の通過帯域が予め記憶手段に記憶される。さら
に、これらの入力信号のレベルあるいは包絡線成分の値
について両者の大小関係が逆転する頻度が求められ、そ
の頻度が得られる時点におけるドップラシフトを理論的
に示す算術式に求められた頻度を適用する算術演算を行
うことによりそのドップラシフトを推定すると共に、そ
のドップラシフトに基づいて記憶手段を参照することに
より最適な通過帯域を求めて濾波手段に設定する。
【0078】すなわち、各ブランチについて、濾波手段
の通過帯域がドップラシフトに応じて逐次最適な値に設
定されるので、基準搬送波信号はこのような濾波手段を
介して確実に生成され、復調特性の安定化がはかられ
る。
【0079】したがって、本発明にかかわる同期検波方
式を適用した移動通信システムでは、大きな範囲で刻々
と変化する受信波のドップラシフト分に対して高い伝送
品質が安定に確保され、チャネル設定制御の再試行や誤
り訂正処理その他を行うために受信端側で資源が捕捉さ
れる確率が低減されて運用にかかわるコストと効率とが
高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、2に記載の発明の原理ブロック図で
ある。
【図2】請求項3、4に記載の発明の原理ブロック図で
ある。
【図3】請求項1、2に記載の発明に対応した第一の実
施例を示す図である。
【図4】本実施例の動作を説明する図である。
【図5】請求項1、2に記載の発明に対応した第二の実
施例を示す図である。
【図6】請求項3、4に記載の発明に対応した第一の実
施例を示す図である。
【図7】本実施例の動作を説明する図である。
【図8】請求項3、4に記載の発明に対応した第二の実
施例を示す図である。
【図9】ループ帯域幅とドップラシフトとの関係を示す
図である。
【符号の説明】
11,31 信号処理手段 12,32 濾波手段 13,33 検波手段 14,35 記憶手段 15,21,36,41 推定手段 16,22,37,42 帯域制限手段 34 ダイバシチ制御手段 51 直交検波回路 52 同期検波回路 53,71, ドップラシフト検出回路 54,83 ループ帯域設定回路 55 包絡線算出回路 56 遅延回路 57 受信電力算出回路 58 比較回路 59 交差回数計数部 60 排他的論理和ゲート 61 遅延回路(D) 62 カウンタ 72 フロントエンド部 73 A/D変換器(A/D) 81,91 ブランチ選択部 82 スイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送情報で変調された入力信号に無線周
    波数帯あるいはベースバンドの領域で変調方式に適応し
    た演算を施し、変調成分が抑圧された制御信号を生成す
    る信号処理手段(11)と、 前記信号処理手段(11)によって生成された制御信号の
    帯域を制限して雑音成分を抑圧する濾波手段(12)と、 前記濾波手段(12)によって雑音成分が抑圧された制御
    信号に適応して発振周波数を可変して前記入力信号に位
    相同期した搬送波信号を再生し、その搬送波信号に基づ
    く同期検波処理を行って前記伝送情報を得る検波手段
    (13)とを備えた同期検波方式において、 前記濾波手段(12)について、前記検波手段(13)によ
    って得られる伝送情報のビット誤り率が予め決められた
    許容最大値未満となる通過帯域が、前記入力信号に付随
    し得るドップラシフトの値に対応して予め記憶された記
    憶手段(14)と、 前記入力信号のレベルあるいは包絡線成分の瞬時値を求
    めてその値Rについて予め設定された閾値との大小関係
    が逆転する回数Nを単位時間毎に求め、その入力信号の
    同相成分、直交成分およびこれらの時間微分の分布と電
    力スペクトラム分布との下で、その閾値で正規化された
    値Rに対してその回数Nと前記ドップラシフトの値fD
    との比を示す式にその回数を代入する算術演算を行い、
    前記ドップラシフトの値fD を推定する推定手段(15)
    と、 前記推定手段(15)によって推定されたドップラシフト
    D に基づいて前記記憶手段(14)を参照してそのドッ
    プラシフトに対応した通過帯域を求め、その通過帯域を
    前記濾波手段(12)に設定する帯域制御手段(16)とを
    備えたことを特徴とする同期検波方式。
  2. 【請求項2】 伝送情報で変調された入力信号に無線周
    波数帯あるいはベースバンドの領域で変調方式に適応し
    た演算を施し、変調成分が抑圧された制御信号を生成す
    る信号処理手段(11)と、 前記信号処理手段(11)によって生成された制御信号の
    帯域を制限して雑音成分を抑圧する濾波手段(12)と、 前記濾波手段(12)によって雑音成分が抑圧された制御
    信号に適応して発振周波数を可変して前記入力信号に位
    相同期した搬送波信号を再生し、その搬送波信号に基づ
    く同期検波処理を行って前記伝送情報を得る検波手段
    (13)とを備えた同期検波方式において、 前記濾波手段(12)について、前記検波手段(13)によ
    って得られる伝送情報のビット誤り率が予め決められた
    許容最大値未満となる通過帯域が、前記入力信号に付随
    し得るドップラシフトの値に対応して予め記憶された記
    憶手段(14)と、 前記入力信号のレベルあるいは包絡線成分の値Rとその
    平均値Vavとを求めて単位時間毎に両者の大小関係が逆
    転する回数Nを求め、かつfD=π-1/21/2Nの式に示
    す算術演算を行って前記ドップラシフトの値fD を推定
    する推定手段(21)と、 前記推定手段(15)によって推定されたドップラシフト
    D に基づいて前記記憶手段(14)を参照してそのドッ
    プラシフトに対応した通過帯域を求め、その通過帯域を
    前記濾波手段(12)に設定する帯域制御手段(22)とを
    備えたことを特徴とする同期検波方式。
  3. 【請求項3】 共通の伝送情報で変調されて2つブラン
    チから与えられる入力信号に無線周波数帯あるいはベー
    スバンドの領域で変調方式に適応した演算を個別に施
    し、変調成分が抑圧された制御信号を生成する信号処理
    手段(311、312)と、 前記信号処理手段(311、312)によって生成された制
    御信号の帯域を個別に制限して雑音成分を抑圧する濾波
    手段(321、322)と、 前記濾波手段(321、322)によって雑音成分が抑圧さ
    れた制御信号に適応して発振周波数を可変して前記入力
    信号に個別に位相同期した搬送波信号を再生し、これら
    の搬送波信号に基づく同期検波処理を並行して行って個
    別に前記伝送情報を得る検波手段(331、332)と、 前記2つのブランチから与えられる入力信号のレベルあ
    るいは包絡線成分を求め、両者の大小関係に応じて前記
    検波手段(331、332)によって得られた伝送情報の何
    れか一方を選択して出力するダイバシチ制御手段(34)
    とを備えた同期検波方式において、 前記濾波手段(321、322)について、前記検波手段
    (331、332)によって得られる伝送情報のビット誤り
    率が予め決められた許容最大値未満となる通過帯域が、
    前記入力信号に付随し得るドップラシフトの値に対応し
    て予め記憶された記憶手段(35)と、 単位時間毎に前記ダイバシチ制御手段(34)によって求
    められた大小関係が逆転する回数Fb を求め、かつfD
    =Fb/1.3 の式に示す算術演算を行って前記ドップラ
    シフトの値fD を推定する推定手段(36)と、 前記推定手段(36)によって推定されたドップラシフト
    D に基づいて前記記憶手段(35)を参照してそのドッ
    プラシフトに対応した通過帯域を求め、その通過帯域を
    前記濾波手段(321、322)に設定する帯域制御手段
    (37)とを備えたことを特徴とする同期検波方式。
  4. 【請求項4】 共通の伝送情報で変調されて2つブラン
    チから与えられる入力信号に無線周波数帯あるいはベー
    スバンドの領域で変調方式に適応した演算を個別に施
    し、変調成分が抑圧された制御信号を生成する信号処理
    手段(311、312)と、 前記信号処理手段(311、312)によって生成された制
    御信号の帯域を個別に制限して雑音成分を抑圧する濾波
    手段(321、322)と、 前記濾波手段(321、322)によって雑音成分が抑圧さ
    れた制御信号に適応して発振周波数を可変して前記入力
    信号に個別に位相同期した搬送波信号を再生し、これら
    の搬送波信号に基づく同期検波処理を並行して行って個
    別に前記伝送情報を得る検波手段(331、332)と、 前記2つのブランチから与えられる入力信号のレベルあ
    るいは包絡線成分を求め、両者の大小関係に応じて前記
    検波手段(331、332)によって得られた伝送情報の何
    れか一方を選択して出力するダイバシチ制御手段(34)
    とを備えた同期検波方式において、 前記濾波手段(321、322)について、前記検波手段
    (331、332)によって得られる伝送情報のビット誤り
    率が予め決められた許容最大値未満となる通過帯域が、
    前記入力信号に付随し得るドップラシフトの値に対応し
    て予め記憶された記憶手段(35)と、 単位時間毎に前記ダイバシチ制御手段(34)によって求
    められた大小関係が逆転する回数Fb を求め、かつその
    大小関係が単位時間毎に逆転する確率Pに対してfD
    b/2.6Pの式に示す算術演算を行って前記ドップラシ
    フトの値fD を推定する推定手段(41)と、 前記推定手段(41)によって推定されたドップラシフト
    D に基づいて前記記憶手段(35)を参照してそのドッ
    プラシフトに対応した通過帯域を求め、その通過帯域を
    前記濾波手段(321、322)に設定する帯域制御手段
    (42)とを備えたことを特徴とする同期検波方式。
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