JPH0846517A - 高能率符号化及び復号化システム - Google Patents

高能率符号化及び復号化システム

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JPH0846517A
JPH0846517A JP6177046A JP17704694A JPH0846517A JP H0846517 A JPH0846517 A JP H0846517A JP 6177046 A JP6177046 A JP 6177046A JP 17704694 A JP17704694 A JP 17704694A JP H0846517 A JPH0846517 A JP H0846517A
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JP
Japan
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decoding
signal
efficiency
coding
circuit
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JP6177046A
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Inventor
Makoto Kono
誠 光野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 高能率符号化装置は、複数の符号化回路5
1,54と、符号化処理された信号を復号化する復号化
回路52と、入力信号と復号化処理された信号との差分
を算出する差分算出回路53とを具備し、入力信号の符
号化処理とその符号化処理した信号を復号化処理とを行
い、復号化処理された信号と入力信号との差分をさらに
符号化処理して、入力信号の符号化信号と共に高能率復
号化装置へ伝送する。また、高能率復号化装置は、複数
の復号化回路59,60と、復号化処理された信号を合
成する加算回路61とを具備し、高能率符号化装置から
の符号化信号を復号化処理した後、時間軸上で合成して
出力信号とする。 【効果】 現存する低いビットレートで固定された再生
機に対しても互換性を有し、より高いビットレートを用
いた高音質のシステムを導入することができ、あらゆる
性質の入力信号に対して、完全に最適なビット配分を行
なうことができ、プリエコーの発生を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタルオーディオ
信号録音再生装置、映画フィルム映写システム等のステ
レオないしはいわゆるマルチサラウンド音響システムに
おいて用いられるビットレートの削減を行う高能率符号
化装置と、この装置により符号化された信号が伝送若し
くは記録される伝送媒体と、伝送されて符号化された信
号を復号化する高能率復号化装置とからなる高能率符号
化及び復号化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオ或いは音声等の信号の高能率
符号化の手法及び装置には種々あるが、例えば、時間領
域のオーディオ信号等を単位時間毎にブロック化してこ
のブロック毎の時間軸の信号を周波数軸上の信号に変換
(直交変換)して複数の周波数帯域に分割し、各帯域毎
に符号化するブロック化周波数帯域分割方式であるいわ
ゆる変換符号化方式や、時間領域のオーディオ信号等を
単位時間毎にブロック化しないで、複数の周波数帯域に
分割して符号化する非ブロック化周波数帯域分割方式で
ある帯域分割符号化(サブ・バンド・コーディング:S
BC)方式等を挙げることができる。また、上述の帯域
分割符号化と変換符号化とを組み合わせた高能率符号化
の手法及び装置も考えられており、この場合には、例え
ば、上記帯域分割符号化方式で帯域分割を行った後、該
各帯域毎の信号を上記変換符号化方式で周波数領域の信
号に直交変換し、この直交変換された各帯域毎に符号化
を施すことになる。
【0003】ここで、上述した帯域分割符号化において
用いられる帯域分割用フィルタとしては、例えばQMF
(Quadrature Mirror filter)等のフィルタがあり、こ
のQMFのフィルタは、文献「ディジタル・コーディン
グ・オブ・スピーチ・イン・サブバンズ」("Digital co
ding of speech in subbands" R.E.Crochiere, BellSy
st.Tech. J., Vol.55,No.8 1976) に述べられている。
このQMFのフィルタは、帯域を等バンド幅に2分割す
るものであり、当該フィルタにおいては上記分割した帯
域を後に合成する際にいわゆるエリアシングが発生しな
いことが特徴となっている。
【0004】また、文献「ポリフェーズ・クァドラチュ
ア・フィルターズ −新しい帯域分割符号化技術」("Po
lyphase Quadrature filters -A new subband coding t
echnique", Joseph H. Rothweiler ICASSP 83, BOSTON)
には、ポリフェーズ・クァドラチュア・フィルタ(Poly
phase Quadrature filter )などの等バンド幅のフィル
タ分割手法及び装置が述べられている。このポリフェー
ズ・クァドラチュア・フィルタにおいては、信号を等バ
ンド幅の複数の帯域に分割する際に一度に分割できるこ
とが特徴となっている。
【0005】また、上述した直交変換としては、例え
ば、入力オーディオ信号を所定単位時間のフレームでブ
ロック化し、当該ブロック(フレーム)毎に離散フーリ
エ変換(DFT)、離散コサイン変換(DCT)、又は
モディファイド離散コサイン変換(MDCT)等を行う
ことで時間軸を周波数軸に変換するような直交変換があ
る。なお、上記MDCTについては、文献「時間領域エ
リアシング・キャンセルを基礎とするフィルタ・バンク
設計を用いたサブバンド/変換符号化」("Subband/Tran
sform Coding Using Filter Bank Designs Based on Ti
me Domain Aliasing Cancellation," J.P.Princen A.B.
Bradley, Univ. of Surrey Royal Melbourne Inst. of
Tech. ICASSP 1987)に述べられている。
【0006】更に、周波数帯域分割された各周波数成分
を量子化する場合の周波数分割幅としては、例えば人間
の聴覚特性を考慮した帯域分割がある。すなわち、一般
に臨界帯域(クリティカルバンド)と呼ばれている高域
程帯域幅が広くなるような帯域幅で、オーディオ信号を
複数(例えば25バント)の帯域に分割することがあ
る。また、この時の各帯域毎のデータを符号化する際に
は、各帯域毎に所定のビット配分或いは、各帯域毎に適
応的なビット配分による符号化が行われる。例えば、上
記MDCT処理されて得られたMDCT係数データを上
記ビット配分によって符号化する際には、上記各ブロッ
ク毎のMDCT処理により得られる各帯域毎のMDCT
係数データに対して、適応的な配分ビット数で符号化が
行われることになる。
【0007】上記ビット配分手法及びそのための装置と
しては、次の2手法及び装置が知られている。
【0008】例えば、文献「音声信号の適応変換符号
化」("Adaptive Transform Coding of Speech Signal
s", IEEE Transactions of Accoustics, Speech, and S
ignal Processing, vol.ASSP-25, No.4, August 1977
)では、各帯域毎の信号の大きさをもとに、ビット割
当を行っている。
【0009】また、例えば文献「臨界帯域符号化器 −
聴覚システムの知覚の要求に関するディジタル符号化」
("The critical band coder --digital encoding of
theperceptual requirements of the auditory syste
m", M.A.Kransner MIT, ICASSP 1980)では、聴覚マス
キングを利用することで、各帯域毎に必要な信号対雑音
比を得て固定的なビット割当を行う手法及び装置が述べ
られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の高能率符号化手法及び装置においては、例えば既
に、ある低いビットレートで固定された再生機(デコー
ダ)が、使用されているという理由で、より高いビット
レートを用いた高音質のシステムを導入することが出来
ないという問題点がある。
【0011】また、あらゆる性質の入力信号に対し、完
全に最適なビット配分を行うことができないという理由
で、入力信号の性質によって出力信号の特性が大きく劣
化するという問題点もある。すなわち、従来の符号化装
置を用いた場合、符号化装置への入力信号の特性によっ
ては、出力信号の品質が大きく劣化する場合があ〜、こ
れは、例えば急激な振幅情報の変化を持つような入力信
号などを符号化処理する場合である。このような場合、
従来の符号復号化装置からの出力信号には、いわゆるプ
リエコーと呼ばれる雑音が発生する。
【0012】そこで、本発明は、上述のような実情に鑑
みて提案されたものであり、現存する低いビットレート
で固定された再生機(デコーダ)に対しても互換性を有
する、より高いビットレートを用いた高音質のシステム
を導入することができ、また、あらゆる性質の入力信号
に対して、完全に最適なビット配分を行うことができ、
入力信号の性質によって出力信号の特性が大きく劣化す
ることなく、復号化装置側でプリエコーが発生すること
がない高能率符号化出力を得ることができる高能率符号
化及び復号化システムを提供することを目的とするもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の高能率符号化及
び復号化システムは、上述した目的を達成するために提
案されたものであり、供給された信号を符号化する複数
の符号化回路と、符号化処理された信号を復号化する単
数又は複数の復号化回路と、入力信号と復号化処理され
た信号との差分を算出する差分算出回路とを具備する高
能率符号化装置と、符号化処理された信号を復号化する
複数の復号化回路と、復号化処理された信号を合成する
合成手段とを具備する高能率復号化装置とを有してな
り、上記高能率符号化装置には、入力信号を符号化処理
すると共に当該入力信号を符号化処理した符号化信号を
復号化処理し、上記復号化処理された信号と入力信号と
の差分を算出し、当該差分信号を符号化処理した符号化
信号と入力信号を符号化処理した符号化信号とを上記高
能率復号化装置へ伝送する符号化手法を適用し、上記高
能率復号化装置には、上記伝送された符号化信号を復号
化処理した後、時間軸上で合成して出力信号とする復号
化手法を適用することを特徴としている。
【0014】ここで、上記高能率符号化装置内の複数の
符号化回路は、同一の回路又は異なる回路を用いるこ
と、及び/又は、上記高能率符号化装置内の複数の復号
化回路或いは上記高能率復号化装置内の複数の復号化回
路も、同一の回路又は異なる回路を用いることができ
る。また、上記高能率復号化装置は、上記高能率符号化
装置から送られる上記入力信号の符号化信号及び複数又
は単数の差分信号の一部の符号化信号、又は上記入力信
号の符号化信号のみを用いて復号化処理を行うことがで
きる。さらに、上記高能率符号化装置は、単数の入力信
号の符号化信号と複数の上記差分信号の符号化信号とを
出力すること、及び/又は、上記高能率復号化装置は、
高能率符号化装置の単数の入力信号の符号化信号及び複
数の上記差分信号の符号化信号を復号化処理して合成す
ることを行う。
【0015】また、本発明の高能率符号化及び復号化シ
ステムでは、上記高能率符号化装置内の符号化回路は非
線形の量子化を行い、上記高能率符号化装置内及び高能
率復号化装置内の復号化回路は非線形の逆量子化を行う
こと、又は、上記高能率符号化装置内の差分信号の符号
化にのみ非線形の量子化を用い、高能率復号化装置内の
差分信号の符号化信号の復号化にのみ非線形の逆量子化
を用いるものとすることができる。さらに、上記高能率
符号化装置内の差分信号の符号化回路、及び高能率復号
化装置内の差分信号の符号化信号の復号化回路では、可
逆符号復号化処理を行う。また、上記高能率符号化装置
の符号化回路は、マスキング効果の度合いを算出し、各
処理ブロックの長さを決定し、上記差分信号の符号化回
路は、聴覚許容雑音スペクトルに対してより多く依存し
たビット割り当てを行う。さらに、上記高能率符号化装
置の符号化回路は、直交変換によって時間軸上の信号を
周波数軸上の信号へ変換すると共に周波数軸上の信号を
複数の帯域へ分割し、上記高能率復号化装置の復号化回
路は、逆直交変換によって周波数軸上の複数帯域の信号
を時間軸上の信号へ変換する。このときの上記直交変換
としては変更離散コサイン変換(MDCT)を用い、逆
直交変換として逆変更離散コサイン変換(IMDCT)
を用いる。さらに、上記高能率符号化装置の符号化回路
は、時間軸上の単一帯域の信号をクワドラチャ・ミラー
・フィルタ(QMF)によって複数の帯域の信号に分割
し、上記高能率復号化装置の復号化回路は、インバース
・クワドラチャ・ミラー・フィルタ(IQMF)によっ
て時間軸上の複数帯域に分割された信号を単一帯域の信
号に合成する。また、上記高能率符号化装置及び高能率
復号化装置は、複数チャンネル分の信号を処理すること
ができる。
【0016】次に、本発明の高能率符号化及び復号化シ
ステムは、符号化された信号を記録又は伝送する伝送媒
体を有し、このときの上記高能率符号化装置は、出力す
る複数の符号化信号を1つのシンクブロック内に分離し
て、上記伝送媒体に対して記録又は伝送する。
【0017】
【作用】本発明によれば、入力信号と、この入力信号を
符号化処理した後に復号化処理した信号との差分は、入
力信号の符号化及び復号化によって発生する雑音成分で
あり、したがって、この入力信号の符号化信号と差分信
号の符号化信号とを高能率復号化装置で復号化して時間
軸で合成すれば、入力信号の特性に依存する出力信号の
特性劣化を軽減させることが可能となる。
【0018】また、本発明によれば、例えば、高能率復
号化装置において既にある低いビットレートで固定され
た復号化回路が使用されている場合でも、高能率復号化
装置内に復号化回路を複数個設け、本発明の高能率符号
化装置の各出力信号(符号化信号)を各々の復号化回路
で復号化処理を行って時間軸上で合成することにより、
既存の復号化回路を用いながら、高能率符号化装置の入
力信号と高能率復号化装置の出力信号との品質差を減少
させることが可能となる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明の高能率符号化
及び復号化システムを構成する高能率符号化装置(エン
コーダ)と高能率復号化装置(デコーダ)の実施例につ
いて説明する。
【0020】図1には、本発明の高能率符号化及び復号
化システムの一実施例の構成を示す。この図1の(a)
は本発明の高能率符号化装置の構成を示し、図1の
(b)は本発明の高能率復号化装置の構成を示してい
る。
【0021】すなわち、本発明実施例の高能率符号化及
び復号化システムは、図1の(a)に示すように、供給
された信号を符号化する複数の符号化回路51,54
と、符号化処理された信号を復号化する単数又は複数の
復号化回路52と、入力信号と復号化処理された信号と
の差分を算出する差分算出回路53とを具備する高能率
符号化装置と、図1の(b)に示すように、符号化処理
された信号を復号化する複数の復号化回路59,60
と、復号化処理された信号を合成する合成手段としての
加算回路61とを具備する高能率復号化装置とを有して
なる。ここで、上記高能率符号化装置には、入力信号を
符号化処理すると共に当該入力信号を符号化処理した符
号化信号を復号化処理し、上記復号化処理された信号と
入力信号との差分を算出し、当該差分信号を符号化処理
した符号化信号と入力信号を符号化処理した符号化信号
とを上記高能率復号化装置へ伝送する符号化手法を適用
し、上記高能率復号化装置には、上記伝送された符号化
信号を復号化処理した後、時間軸上で合成して出力信号
とする復号化手法を適用するようにしている。
【0022】先ず、図1の(a)において、本発明実施
例の高能率符号化装置入力端子50には、例えば複数チ
ャンネル分の0〜22kHzのオーディオPCM信号が
供給されている。この入力信号は、符号化回路51と差
分算出回路53へと送られる。
【0023】符号化回路51は、従来の符号化装置と同
等の構成を持ち、オーディオ信号等の入力ディジタル信
号を、帯域分割符号化(SBC)、適応変換符号化(A
TC)、及び適応ビット配分(APC−AB)の各技術
を用いて高能率符号化を行う。符号化回路51の出力信
号は、高能率符号化装置出力端子55と、復号化回路5
2へと送られる。
【0024】復号化回路52は、従来の復号化装置と同
等の構成を持ち、上記符号化回路51によって符号化さ
れた信号を復号化し、オーディオPCM信号等に戻す。
なお、このオーディオPCM信号は、符号化回路51と
復号化回路52により発生する雑音を含んでいる。ここ
で復号化された信号は、差分算出回路53へと送られ
る。
【0025】差分算出回路53は、入力端子50及び復
号化回路52より、それぞれ異なる2種類のオーディオ
PCM信号を受け取り、その差分信号を算出する。ここ
で算出される差分信号は、符号化回路51と復号化回路
52によって発生する雑音成分を意味する。この差分信
号は、符号化回路54へと送られる。
【0026】符号化回路54は、符号化回路51と同
様、従来の符号化装置と同等の構成を持ち、差分算出回
路53によって算出された差分信号に対し、高能率符号
化を行う。符号化回路54の出力信号は、高能率符号化
装置出力端子56へと送られる。
【0027】なお、この符号化回路54と前段の符号化
回路51を同一の回路にすることにより、高能率符号化
装置のシステム規模を小さくすることができ、コストや
ハードウェアの消費電力量を低く抑えることが可能とな
る。また、既に高能率符号化回路が現存している場合、
その符号化回路をそのまま流用することが可能となる。
【0028】次に、図1の(b)において、本発明の高
能率復号化装置入力端子57には、高能率符号化装置出
力端子55から、高能率符号化信号が供給されている。
この入力信号は、復号化回路59へと送られる。
【0029】復号化回路59は、従来の復号化装置と同
等の構成を持ち、高能率符号化装置出力端子55から送
られる符号化信号を復号化し、オーディオPCM信号等
に戻す。なお、この復号化回路59は、図1の(a)中
の復号化回路52と同等の構成を持つ。つまり、復号化
回路52の出力信号と、復号化回路59の出力信号は、
同等である。ここで復号化された信号は、加算回路61
へと送られる。
【0030】また、本発明の高能率復号化装置入力端子
58には、高能率符号化装置出力端子56から、高能率
符号化信号が供給されている。この入力信号は、復号化
回路60へと送られる。
【0031】復号化回路60は、復号化回路59同様、
従来の復号化装置と同等の構成を持ち、高能率符号化装
置出力端子56から送られる符号化信号を復号化し、オ
ーディオPCM信号等に戻す。ここで復号化された信号
は、加算回路61へと送られる。
【0032】例えば、図1中の符号化回路51、54が
全く同じ構成の回路である場合は、図1中の復号化回路
52、59、60も同じ構成の回路を用いるのが最も有
効である。これは、本発明の高能率復号化装置のシステ
ム規模を小さくすることができ、コストやハードウェア
の消費電力量を低く抑えることが可能となる。
【0033】さらに、前述した通り、図1中の符号化回
路51、54に対して現存する高能率符号化回路を用い
た場合には、図1中の復号化回路52、59、60に対
しても現存する高能率復号化回路を流用することが可能
となる。これにより、同一規格の符号化回路、復号化回
路を大量に消費するため、回路の単価が下がり、本発明
の高能率符号化装置、復号化装置、及び現存する高能率
復号化装置の生産コストを下げることが可能となる。
【0034】また、本発明の高能率符号化装置、復号化
装置において、現存する符号化、復号化回路を用いるこ
とは、現存する高能率符号化装置、復号化装置に対する
互換性を有することを意味する。例えば、本発明の高能
率符号化装置によって符号化した信号を、現存する高能
率復号化装置で復号化する際には、図1中の高能率符号
化装置出力端子56から出力される符号化信号を受け取
らず、高能率符号化装置出力端子55から出力される符
号化信号のみを受け取ることにより、現行の高能率符号
復号化装置と同等の音質を確保しながら、符号、復号化
することが実現可能である。また、現存する高能率符号
化装置によって符号化した信号を、本発明の高能率復号
化装置で復号化する際には、図1中の高能率復号化装置
入力端子57、58のどちらか一方に符号化信号を入力
することにより、現行の高能率符号復号化装置と同等の
音質を確保しながら、符号、復号化することが実現可能
となる。また例えば、図1中の高能率復号化装置入力端
子57、58に同じ符号化信号を入力し、加算回路61
に、加算を行うか否かを選択する機能を付加することに
よっても実現可能である。
【0035】加算回路61は、復号化回路59、60か
ら送られる2種類の復号化された信号を足し合わせる。
この加算回路61での加算を行うことにより、符号化回
路51、復号化回路59の処理において発生する量子化
雑音の発生を抑制する。すなわち、高能率復号化装置の
出力端子62から出力される信号は、高能率符号化装置
の入力端子50に供給される信号とクオリティが略同じ
ものとして得られることになる。特に、符号化回路5
1、復号化回路59の処理において、大きな量子化雑音
を発するような特定の入力信号に対し効果がある。加算
処理後の信号は、高能率復号化装置出力端子62へと送
られる。
【0036】高能率復号化装置出力端子62からは、本
発明の高能率復号化装置によって復号化されたオーディ
オPCM信号等が出力される。
【0037】本実施例では、図1中の符号化回路51及
び符号化回路54において、オーディオPCM信号等の
入力ディジタル信号を、帯域分割符号化(SBC)、適
応変換符号化(ATC)、及び適応ビット配分(APC
−AB)の各技術を用いて高能率符号化を行う。この技
術について、図2を参照しながら説明する。
【0038】図2に示す本実施例の具体的な高能率符号
化装置では、入力ディジタル信号をフィルタなどにより
複数の周波数帯域に分割すると共に、各周波数帯域毎に
直交変換を行って、得られた周波数軸のスペクトルデー
タを、後述する人間の聴覚特性を考慮したいわゆる臨界
帯域幅(クリティカルバンド)毎に適応的にビット配分
して符号化している。この時、高域では臨界帯域幅を更
に分割した帯域を用いる。もちろんフィルタなどによる
非ブロッキングの周波数分割幅は等分割幅としてもよ
い。
【0039】さらに、本発明実施例においては、直交変
換の前に入力信号に応じて適応的にブロックサイズ(ブ
ロック長)を変化させると共に、クリティカルバンド単
位若しくは高域では臨界帯域幅(クリティカルバンド)
を更に細分化した小ブロックでフローティング処理を行
っている。なお、このクリティカルバンドとは、人間の
聴覚特性を考慮して分割された周波数帯域であり、ある
純音の周波数近傍の同じ強さの狭帯域バンドノイズによ
って当該純音がマスクされるときのそのノイズの持つ帯
域のことである。このクリティカルバンドは、高域ほど
帯域幅が広くなっており、例えば0〜20kHzの全周
波数帯域は例えば25のクリティカルバンドに分割され
ている。
【0040】すなわち、図2において、入力端子10に
は例えば0〜22kHzのオーディオPCM信号が供給
されている。この入力信号は、例えば前述したいわゆる
QMFなどの帯域分割フィルタ11により0〜11kH
z帯域と11k〜22kHz帯域とに分割され、0〜1
1kHz帯域の信号は同じくいわゆるQMF等の帯域分
割フィルタ12により0〜5.5kHz帯域と5.5k
〜11kHz帯域とに分割される。
【0041】上記帯域分割フィルタ11からの11k〜
22kHz帯域の信号は、直交変換回路の一例であるM
DCT(Modified Discrete Cosine Transform)回路1
3に送られ、上記帯域分割フィルタ12からの5.5k
〜11kHz帯域の信号はMDCT回路14に送られ、
上記帯域分割フィルタ12からの0〜5.5kHz帯域
の信号はMDCT回路15に送られることにより、それ
ぞれMDCT処理される。なお、各MDCT回路13、
14、15では、各帯域毎に設けたブロック決定回路1
9、20、21により決定されたブロックサイズに基づ
いてMDCT処理がなされる。
【0042】ここで、上記ブロック決定回路19、2
0、21により決定される各MDCT回路13、14、
15でのブロックサイズの具体例を図3のA及びBに示
す。なお、図3のAには直交変換ブロックサイズが長い
場合(ロングモードにおける直交変換ブロックサイズ)
を、図3のBには直交変換ブロックサイズが短い場合
(ショートモードにおける直交変換ブロックサイズ)を
示している。
【0043】この図3の具体例においては、3つのフィ
ルタ出力は、それぞれ2つの直交変換ブロックサイズを
持つ。すなわち、低域側の0〜5.5kHz帯域の信号
及び中域の5.5k〜11kHz帯域の信号に対して
は、長いブロック長の場合(図2のA)は1ブロック内
のサンプル数を128サンプルとし、短いブロックが選
ばれた場合(図3のB)には1ブロック内のサンプル数
を32サンプル毎のブロックとしている。これに対して
高域側の11k〜22kHz帯域の信号に対しては、長
いブロック長の場合(図3のA)は1ブロック内のサン
プル数を256サンプルとし、短いブロックが選ばれた
場合(図3のB)には1ブロック内のサンプル数を32
サンプル毎のブロックとしている。このようにして短い
ブロックが選ばれた場合には各帯域の直交変換ブロック
のサンプル数を同じとして高域程時間分解能を上げ、な
おかつブロック化に使用するウインドウの種類を減らし
ている。
【0044】なお、上記ブロック決定回路19、20、
21で決定されたブロックサイズを示す情報は、後述の
適応ビット割当符号化回路16、17、18に送られる
と共に、出力端子23、25、27から出力される。
【0045】再び図2において、各MDCT回路13、
14、15にてMDCT処理されて得られた周波数領域
のスペクトルデータあるいはMDCT係数データは、い
わゆる臨界帯域(クリティカルバンド)または高域では
更にクリティカルバンドを分割した帯域毎にまとめられ
て適応ビット割当符号化回路16、17、18に送られ
ている。
【0046】適応ビット割当符号化回路16、17、1
8では、上記ブロックサイズの情報、及び臨界帯域(ク
リティカルバンド)または高域では更にクリティカルバ
ンドを分割した帯域毎に割り当てられたビット数に応じ
て各スペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)
を再量子化(正規化して量子化)するようにしている。
【0047】これら各適応ビット割当符号化回路16、
17、18によって符号化されたデータは、出力端子2
2、24、26を介して取り出される。また、当該適応
ビット割当符号化回路16、17、18では、どのよう
な信号の大きさに関する正規化がなされたかを示すスケ
ールファクタと、どのようなビット長で量子化がされた
かを示すビット長情報も求めており、これらも同時に出
力端子22、24、26から出力される。
【0048】また、図2における各MDCT回路13、
14、15の出力からは、上記臨界帯域(クリティカル
バンド)または高域では更にクリティカルバンドを分割
した帯域毎のエネルギを、例えば当該バンド内での各振
幅値の2乗平均の平方根を計算すること等により求めら
れる。もちろん、上記スケールファクタそのものを以後
のビット配分の為に用いるようにしてもよい。この場合
には新たなエネルギ計算の演算が不要となるため、ハー
ド規模の節約となる。また、各バンド毎のエネルギの代
わりに、振幅値のピーク値、平均値等を用いることも可
能である。
【0049】次に、適応ビット割り当て回路16、1
7、18において、上記ビット配分の具体的な手法を説
明する。
【0050】この場合の適応ビット配分回路の動作を図
4で説明するとMDCT係数の大きさが各ブロックごと
に求められ、そのMDCT係数が入力端子801に供給
される。当該入力端子801に供給されたMDCT係数
は、帯域毎のエネルギ算出回路803に与えられる。帯
域毎のエネルギ算出回路803では、クリティカルバン
ド又は高域においてはクリティカルバンドを更に再分割
したそれぞれの帯域に関する信号エネルギを算出する。
帯域毎のエネルギ算出回路803で算出されたそれぞれ
の帯域に関するエネルギは、エネルギ依存ビット配分回
路804に供給される。
【0051】エネルギ依存ビット配分回路804では、
使用可能総ビット発生回路802による使用可能総ビッ
ト、本実施例では128Kbpsの内のある割合を用い
て白色の量子化雑音を作り出すようなビット配分を行う
ようになる。このとき、入力信号のトーナリティが高い
ほど、すなわち入力信号のスペクトルの凸凹が大きいほ
ど、このビット量が上記128Kbpsに占める割合が
増加する。なお、入力信号のスペクトルの凸凹を検出す
るには、後述するように、隣接するブロックのブロック
フローティング係数の差の絶対値の和を指標として使用
する。そして、その後、後述するように、求められた使
用可能なビット量につき、各帯域のエネルギの対数値に
比例したビット配分を行う。
【0052】聴覚許容雑音レベルに依存したビット配分
算出回路805は、まず上記クリティカルバンド毎に分
割されたスペクトルデータに基づき、いわゆるマスキン
グ効果等を考慮した各クリティカルバンド毎の許容ノイ
ズ量を求め、次に聴覚許容雑音スペクトルを与えるよう
に上記使用可能総ビットからエネルギ依存ビットを引い
たビット分が配分される。このようにして求められたエ
ネルギ依存ビットと聴覚許容雑音レベルに依存したビッ
トは加算されて、図2の適応ビット割当符号化回路1
6、17、18によって各クリティカルバンド毎若しく
は高域においてはクリティカルバンドを更に複数帯域に
分割した帯域に割り当てられたビット数に応じて各スペ
クトルデータ(あるいはMDCT係数データ)が再量子
化されるようになっている。このようにして符号化され
たデータは、図2の出力端子22、24、26を介して
取り出される。
【0053】さらに詳しく上記聴覚許容雑音スペクトル
依存のビット配分回路805中の聴覚許容雑音スペクト
ル算出回路について説明すると、MDCT回路13、1
4、15で得られたMDCT係数が当該ビット配分回路
805中の許容雑音スペクトル算出回路に与えられる。
【0054】図5は上記許容雑音スペクトル算出回路を
まとめて説明した一具体例の概略構成を示すブロック回
路図である。この図5において、入力端子521には、
MDCT回路13、14、15からの周波数領域のスペ
クトルデータが供給されている。
【0055】この周波数領域の入力データは、帯域毎の
エネルギ算出回路522に送られて、上記クリティカル
バンド(臨界帯域)毎のエネルギが、例えば当該バンド
内での各振幅値2乗の総和を計算すること等により求め
られる。この各バンド毎のエネルギの代わりに、振幅値
のピーク値、平均値等が用いられることもある。このエ
ネルギ算出回路522からの出力として、例えば各バン
ドの総和値のスペクトルは、一般にバークスペクトルと
称されている。図6はこのような各クリティカルバンド
毎のバークスペクトルSBを示している。ただし、この
図6では、図示を簡略化するため、上記クリティカルバ
ンドのバンド数を12バンド(B1 〜B12)で表現して
いる。
【0056】ここで、上記バークスペクトルSBのいわ
ゆるマスキングに於ける影響を考慮するために、該バー
クスペクトルSBに所定の重み付け関数を掛けて加算す
るような畳込み(コンボリューション)処理を施す。こ
のため、上記帯域毎のエネルギ算出回路522の出力す
なわち該バークスペクトルSBの各値は、畳込みフィル
タ回路523に送られる。該畳込みフィルタ回路523
は、例えば、入力データを順次遅延させる複数の遅延素
子と、これら遅延素子からの出力にフィルタ係数(重み
付け関数)を乗算する複数の乗算器(例えば各バンドに
対応する25個の乗算器)と、各乗算器出力の総和をと
る総和加算器とから構成されるものである。
【0057】なお、上記マスキングとは、人間の聴覚上
の特性により、ある信号によって他の信号がマスクされ
て聞こえなくなる現象をいうものであり、このマスキン
グ効果には、時間領域のオーディオ信号による時間軸マ
スキング効果と、周波数領域の信号による同時刻マスキ
ング効果とがある。これらのマスキング効果により、マ
スキングされる部分にノイズがあったとしても、このノ
イズは聞こえないことになる。このため、実際のオーデ
ィオ信号では、このマスキングされる範囲内のノイズは
許容可能なノイズとされる。
【0058】また、上記畳込みフィルタ回路523の各
乗算器の乗算係数(フィルタ係数)の一具体例を示す
と、任意のバンドに対応する乗算器Mの係数を1とする
とき、乗算器M−1で係数0.15を、乗算器M−2で
係数0.0019を、乗算器M−3で係数0.0000
086を、乗算器M+1で係数0.4を、乗算器M+2
で係数0.06を、乗算器M+3で係数0.007を各
遅延素子の出力に乗算することにより、上記バークスペ
クトルSBの畳込み処理が行われる。ただし、Mは1〜
25の任意の整数である。
【0059】次に、上記畳込みフィルタ回路523の出
力は引算器524に送られる。該引算器524は、上記
畳込んだ領域での後述する許容可能なノイズレベルに対
応するレベルαを求めるものである。なお、当該許容可
能なノイズレベル(許容ノイズレベル)に対応するレベ
ルαは、後述するように、逆コンボリューション処理を
行うことによって、クリティカルバンドの各バンド毎の
許容ノイズレベルとなるようなレベルである。
【0060】ここで、上記引算器524には、上記レベ
ルαを求めるるための許容関数(マスキングレベルを表
現する関数)が供給される。この許容関数を増減させる
ことで上記レベルαの制御を行っている。当該許容関数
は、次に説明するような(n−ai)関数発生回路52
5から供給されているものである。
【0061】すなわち、許容ノイズレベルに対応するレ
ベルαは、クリティカルバンドのバンドの低域から順に
与えられる番号をiとすると、次の式で求めることがで
きる。
【0062】α=S−(n−ai) この式において、n,aは定数でa>0、Sは畳込み処
理されたバークスペクトルの強度であり、式中(n−a
i)が許容関数となる。例としてn=38,a=−0.
5を用いることができる。
【0063】このようにして、上記レベルαが求めら
れ、このデータは、割算器526に伝送される。当該割
算器526では、上記畳込みされた領域での上記レベル
αを逆コンボリューションするためのものである。した
がって、この逆コンボリューション処理を行うことによ
り、上記レベルαからマスキングスレッショールドが得
られるようになる。すなわち、このマスキングスレッシ
ョールドが許容ノイズスペクトルとなる。なお、上記逆
コンボリューション処理は、複雑な演算を必要とする
が、本実施例では簡略化した割算器526を用いて逆コ
ンボリューションを行っている。
【0064】次に、上記マスキングスレッショールド
は、合成回路527を介して減算器528に伝送され
る。ここで、当該減算器528には、上記帯域毎のエネ
ルギ検出回路522からの出力、すなわち前述したバー
クスペクトルSBが、遅延回路529を介して供給され
ている。したがって、この減算器528で上記マスキン
グスレッショールドとバークスペクトルSBとの減算演
算が行われることで、図7に示すように、上記バークス
ペクトルSBは、当該マスキングスレッショールドMS
のレベルで示すレベル以下がマスキングされることにな
る。なお、上記遅延回路529は、上記合成回路527
以前の各回路での遅延量を考慮してエネルギ検出回路5
22からのバークスペクトルSBを遅延させるために設
けられている。
【0065】当該減算器528からの出力は、許容雑音
補正回路530を介し、出力端子531を介して取り出
され、例えば配分ビット数情報が予め記憶されたROM
等(図示せず)に送られる。このROM等は、上記減算
回路528から許容雑音補正回路530を介して得られ
た出力(上記各バンドのエネルギと上記ノイズレベル設
定手段の出力との差分のレベル)に応じ、各バンド毎の
配分ビット数情報を出力する。
【0066】このようにしてエネルギ依存ビットと聴覚
許容雑音レベルに依存したビットは加算されてその配分
ビット数情報が上記適応ビット割当符号化回路16、1
7、18に送られることで、ここでMDCT回路13、
14、15からの周波数領域の各スペクトルデータがそ
れぞれのバンド毎に割り当てられたビット数で量子化さ
れるわけである。
【0067】すなわち要約すれば、上記適応ビット割当
符号化回路16、17、18では、上記クリティカルバ
ンドの各バンド帯域毎(クリティカルバンド毎)若しく
は高域においては当該クリティカルバンドを更に複数帯
域に分割した帯域のエネルギ若しくはピーク値と、上記
ノイズレベル設定手段の出力との差分のレベルに応じて
配分されたビット数で上記各バンド毎のスペクトルデー
タを量子化することになる。
【0068】ところで、上述した合成回路527での合
成の際には、最小可聴カーブ発生回路532から供給さ
れる図8に示すような人間の聴覚特性であるいわゆる最
小可聴カーブRCを示すデータと、上記マスキングスレ
ッショールドMSとを合成することができる。この最小
可聴カーブにおいて、雑音絶対レベルがこの最小可聴カ
ーブ以下ならば該雑音は聞こえないことになる。この最
小可聴カーブは、コーディングが同じであっても例えば
再生時の再生ボリュームの違いで異なるものとなるが、
現実的なディジタルシステムでは、例えば16ビットダ
イナミックレンジへの音楽のはいり方にはさほど違いが
ないので、例えば4kHz付近の最も耳に聞こえやすい
周波数帯域の量子化雑音が聞こえないとすれば、他の周
波数帯域ではこの最小可聴カーブのレベル以下の量子化
雑音は聞こえないと考えられる。したがって、このよう
に例えばシステムの持つダイナミックレンジの4kHz
付近の雑音が聞こえない使い方をすると仮定し、この最
小可聴カーブRCとマスキングスレッショールドMSと
を共に合成することで許容ノイズレベルを得るようにす
ると、この場合の許容ノイズレベルは、図8中の斜線で
示す部分までとすることができるようになる。なお、本
実施例では、上記最小可聴カーブの4kHzのレベル
を、例えば20ビット相当の最低レベルに合わせてい
る。また、この図8は、信号スペクトルSSも同時に示
している。
【0069】また、上記許容雑音補正回路530では、
補正情報出力回路533から送られてくる例えば等ラウ
ドネスカーブの情報に基づいて、上記減算器528から
の出力における許容雑音レベルを補正している。ここ
で、等ラウドネスカーブとは、人間の聴覚特性に関する
特性曲線であり、例えば1kHzの純音と同じ大きさに
聞こえる各周波数での音の音圧を求めて曲線で結んだも
ので、ラウドネスの等感度曲線とも呼ばれる。またこの
等ラウドネス曲線は、図8に示した最小可聴カーブRC
と略同じ曲線を描くものである。この等ラウドネス曲線
においては、例えば4kHz付近では1kHzのところ
より音圧が8〜10dB下がっても1kHzと同じ大き
さに聞こえ、逆に、50Hz付近では1kHzでの音圧
よりも約15dB高くないと同じ大きさに聞こえない。
このため、上記最小可聴カーブのレベルを越えた雑音
(許容ノイズレベル)は、この等ラウドネス曲線に応じ
たカーブで与えられる周波数特性を持つようにするのが
良いことがわかる。このようなことから、上記等ラウド
ネス曲線を考慮して上記許容ノイズレベルを補正するこ
とは、人間の聴覚特性に適合していることがわかる。
【0070】以上述べた聴覚許容雑音レベルに依存した
スペクトル形状を使用可能総ビット128Kbpsの内
のある割合を用いるビット配分でつくる。この割合は入
力信号のトーナリティが高くなるほど減少する。
【0071】次に2つのビット配分手法の間でのビット
量分割手法について説明する。
【0072】図4に戻って、MDCT回路出力が供給さ
れる入力端子801からの信号は、スペクトルの滑らか
さ算出回路808にも与えられ、ここでスペクトルの滑
らかさが算出される。本実施例では、信号スペクトルの
絶対値の隣接値間の差の絶対値の和を信号スペクトルの
絶対値の和で割った値を、上記スペクトルの滑らかさと
して算出している。
【0073】上記スペクトルの滑らかさ算出回路808
の出力は、ビット分割率決定回路809に与えられ、こ
こでエネルギ依存のビット配分と、聴覚許容雑音スペク
トルによるビット配分間のビット分割率とが決定され
る。ビット分割率はスペクトルの滑らかさ算出回路80
8の出力値が大きいほど、スペクトルの滑らかさが無い
と考えて、エネルギ依存のビット配分よりも、聴覚許容
雑音スペクトルによるビット配分に重点をおいたビット
配分を行う。ビット分割率決定回路809は、それぞれ
エネルギ依存のビット配分及び聴覚許容雑音スペクトル
によるビット配分の大きさをコントロールするマルチプ
ライヤ811及び812に対してコントロール出力を送
る。ここで、仮にスペクトルが滑らかであり、エネルギ
依存のビット配分に重きをおくように、マルチプライヤ
811へのビット分割率決定回路809の出力が0.8
の値を取ったとき、マルチプライヤ812へのビット分
割率決定回路809の出力は1−0.8=0.2とす
る。これら2つのマルチプライヤの出力はアダー806
で足し合わされて最終的なビット配分情報となって、出
力端子807から出力される。
【0074】このときのビット配分の様子を図9、図1
0に示す。また、これに対応する量子化雑音の様子を図
11、図12に示す。図9は信号のスペクトルが割合平
坦である場合を示しており、図10は信号スペクトルが
高いトーナリティを示す場合を示している。また、図9
及び図10の図中QSは信号レベル依存分のビット量を
示し、図中QNは聴覚許容雑音レベル依存のビット割当
分のビット量を示している。図11及び図12の図中L
は信号レベルを示し、図中NSは信号レベル依存分によ
る雑音低下分を、図中NNは聴覚許容雑音レベル依存の
ビット割当分による雑音低下分を示している。
【0075】先ず、信号のスペクトルが、割合平坦であ
る場合を示す図11において、聴覚許容雑音レベルに依
存したビット配分は、全帯域に渡り大きい信号雑音比を
取るために役立つ。しかし低域及び高域では比較的少な
いビット配分が使用されている。これは聴覚的にこの帯
域の雑音に対する感度が小さいためである。信号エネル
ギレベルに依存したビット配分の分は量としては少ない
が、ホワイトな雑音スペクトルを生じるように、この場
合には中低域の信号レベルの高い周波数領域に重点的に
配分されている。
【0076】これに対して、図12に示すように、信号
スペクトルが高いトーナリティを示す場合には、信号エ
ネルギレベルに依存したビット配分量が多くなり、量子
化雑音の低下は極めて狭い帯域の雑音を低減するために
使用される。聴覚許容雑音レベルに依存したビット配分
の集中はこれよりもきつくない。
【0077】図12に示すように、この両者のビット配
分の和により、孤立スペクトル入力信号での特性の向上
が達成される。
【0078】図13は、図1中の復号化回路52、5
9、60において、符号化された信号を再び復号化する
ための基本的な本発明実施例の復号化装置を示してい
る。
【0079】この図13において、各帯域の量子化され
たMDCT係数は復号化装置入力端子122、124、
126に与えられ、使用されたブロックサイズ情報は入
力端子123、125、127に与えられる。復号化回
路116、117、118では適応ビット配分情報を用
いてビット割当を解除する。
【0080】次に、IMDCT回路113、114、1
15では周波数領域の信号が時間領域の信号に変換され
る。これらの部分帯域の時間領域信号は、IQMF回路
112、111により、全体域信号に復号化され、出力
端子110へ送られる。
【0081】次に、本発明実施例の伝送媒体すなわちメ
ディアは、上述したような本発明実施例の高能率符号化
装置により符号化された信号が記録若しくは伝送される
ものである。すなわち、ここに言う伝送とは記録も含む
ものである。記録のためのメディアとしては例えば光デ
ィスク,光磁気ディスク,磁気ディスク等のディスク状
の記録媒体に上記符号化信号が記録されたものや、磁気
テープ等のテープ状記録媒体に上記符号化信号が記録さ
れたもの、或いは、符号化信号が記憶された半導体メモ
リ,ICカードなどを挙げることができる。また、記録
を含まない伝送のためのメディアとしては、電線若しく
は光ケーブルや電波等を挙げることができる。
【0082】なお、本発明実施例のメディアにおけるデ
ータの並べ方については、例えば図14中の(A)、
(B)に示すような配列となる。すなわち、1つのシン
クブロックは、シンク情報IS と、図1中の高能率符号
化装置出力端子55より出力された、サブ情報IS
A (スケールファクタ、ワードレングス)とメイン情報
IMA 、高能率符号化装置出力端子56より出力され
た、サブ情報ISB とメイン情報IMB とからなるもの
とする。
【0083】この場合、1つのシンクブロックの中に各
高能率符号化装置出力端子55、56より送られた信号
を、分離して記録若しくは伝送し、その後復号、再生す
ることは、現存する高能率復号化装置を用いてビットレ
ートを下げて再生する場合に、除去すべきビット列部分
を一括して除去できるという点で有効である。
【0084】また例えば、メディア上に記録したある容
量のデータを、別のメディア上にコピーする際、メディ
アの容量を節約し、より長時間の記録を実現するため
に、高能率符号化装置出力装置56から出力される符号
化信号を除去したものを記録したい場合にも、除去すべ
きビット列部分を一括して除去できるという点で有効で
ある。
【0085】以上のようなビット配列は、特に光磁気デ
ィスクや光ディスクを用いた例えばいわゆるミニディス
ク(Mini Disc )や、磁気テ−プメディア、通信メディ
アなどに応用できる。
【0086】なお、本発明はこの実施例にのみ限定され
るものではなく、例えば、図1中の2つの符号化回路5
1、54を異なる構成にすることも可能である。これに
より、図1中の復号化回路52と復号化回路59は同じ
構成であるが、復号化回路60は異なる構成となる。つ
まり、符号化回路51は復号化回路52、59と、符号
化回路54は復号化回路60と、それぞれ対応した関係
を持つ。例えば、どちらか一方の符号化回路にはブロッ
ク化周波数帯域分割方式である変換符号化方式を用い、
もう一方の符号化回路には、非ブロック化周波数帯域分
割方式である帯域分割符号化方式を用いることが可能で
ある。なお、符号化回路54の入力信号は、いわゆる白
色雑音成分を多く含んでいるため、例えば同一帯域幅に
分割している帯域分割符号化方式を、符号化回路54に
用いた方が、全周波数帯域に対し均等にビット配分しや
すいため、より有効に作用する。
【0087】また、図1の(a)の高能率符号化装置に
おいて、符号化回路51、54、復号化回路52と差分
算出回路53によって行われる一連の処理を複数回繰り
返すような構造を持つことも可能である。つまり、符号
化回路54によって符号化された信号を再度、復号化
し、高能率符号化装置入力端子50からの入力信号との
差分を算出、それをさらに符号化するという複数段の階
層構造を取ることも可能である。なお、それに伴い高能
率復号化装置は、復号化回路を増やす構成となる。
【0088】また、図1中の符号化回路54に対する入
力信号は、高能率符号化装置入力端子50から供給され
る信号と、符号化回路51、復号化回路52によって符
号復号化処理された信号との差分信号であるため、いわ
ゆる白色雑音の成分を多く含む。そのため、図1中の符
号化回路54及び復号化回路60に対し、非線形の量子
化器を用いることにより、再量子化における量子化歪み
を抑えることができる。
【0089】さらに例えば、図1中の符号化回路54、
復号化回路60に対し、可逆符号復号化方式を用いた場
合、本発明の高能率符号化装置入力信号と、高能率復号
化装置出力信号は同一の信号となり、系全体が可逆符号
復号化方式となる。
【0090】また、例えば本実施例において説明した符
号化方式と同じ構成を持つような場合においても、符号
化回路内の各種設定パラメータを変更することにより、
より有効に作用する場合がある。例えば、図4中の使用
可能総ビット数発生回路802のパラメータを変更する
ことにより、図1中の符号化回路51に対し符号化回路
54よりも高いビットレートを設定した場合、図1中の
高能率復号化装置入力端子57から入力される符号化信
号のみを用いて復号化を行うような構成の高能率復号化
装置を使用する場合などに有効に作用する。
【0091】また、図1中の符号化回路54に対する入
力信号は、高能率符号化装置入力端子50から供給され
る信号と、符号化回路51、復号化回路52によって符
号復号化処理された信号との差分信号であるため、いわ
ゆる白色雑音の成分を多く含む。よって、符号化回路5
4では、例えば図4中のビット分割率決定回路809に
おいて、聴覚許容雑音スペクトルのビット配分805に
よるビットがより多く配分されるようにパラメータを変
更することにより、符号化回路54への入力信号に適応
したビット配分を行うことが可能となる。
【0092】本発明実施例は、以上のような種々の変形
が考えられる。
【0093】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の高能率符号化及び復号化システムにおいては、以下
の効果を得ることができる。
【0094】すなわち、第1に、既に低いビットレート
を用いた符号化装置及び復号化装置が使用されている場
合でも、より高いビットレートを用いた高音質の符号
化、復号化システムを導入しようとする際に、現存する
符号化装置及び復号化装置との互換性を有するシステム
を提供できる。
【0095】第2に、高音質な符号化装置、復号化装置
を、現存する低ビットレート用の安価な符号化回路、復
号化回路を用いて構成することができるため、新たな符
号化及び復号化LSIの作成を必要とせず、安価に目的
を達成することが可能となる。
【0096】第3に、符号化装置内でも復号化処理信号
と入力信号との差分をとり、その符号化情報を復号化装
置へ送るという構成をとることにより、従来の符号化、
復号化処理において発生していた、プリエコーなどの入
力信号の特性によって大きく発生する量子化雑音の発生
を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の高能率符号化及び復号化システ
ムの構成例を示すブロック回路図である。
【図2】本発明実施例の高能率符号化装置内の符号化回
路の構成例を示すブロック回路図である。
【図3】本実施例装置での周波数及び時間領域における
直交変換ブロックサイズの具体例を示す図である。
【図4】本発明実施例のビット配分機能の構成例を示す
ブロック回路図である。
【図5】本発明実施例の聴覚マスキングスレッショール
ド算定機能の構成例を示すブロック回路図である。
【図6】各臨界帯域信号によるマスキングを示す図であ
る。
【図7】各臨界帯域信号によるマスキングスレショール
ドを示す図である。
【図8】情報スペクトル、マスキングスレショールド、
最小可聴限を示す図である。
【図9】信号スペクトルが平坦な情報信号に対する信号
レベル依存及び聴覚許容雑音レベル依存のビット配分を
示す図である。
【図10】信号スペクトルのトーナリティが高い情報信
号に対する信号レベル依存及び聴覚許容雑音レベル依存
のビット配分を示す図である。
【図11】信号スペクトルが平坦な情報信号に対する量
子化雑音レベルを示す図である。
【図12】トーナリティが高い情報信号に対する量子化
雑音レベルを示す図である。
【図13】本発明実施例の高能率符号復号化装置内の復
号化回路の構成例を示すブロック回路図である。
【図14】本発明実施例のメディアにおけるビット配列
の構成例を示す図である。
【符号の説明】
10 高能率符号化回路入力端子 11、12 帯域分割フィルタ 13、14、15 MDCT回路 16、17、18 適応ビット割当符号化回路 19、20、21 ブロックサイズ決定回路 22、24、26 符号化出力端子 23、25、27 ブロックサイズ情報出力端子 50 高能率符号化装置入力端子 51、54 高能率符号化回路 52、59、60 高能率復号化回路 53 差分算出回路 55、56 高能率符号化装置出力端子 57、58 高能率復号化装置入力端子 61 加算回路 62 高能率復号化装置出力端子 122、124、126 符号化入力端子 123、125、127 ブロックサイズ情報入力端子 116、117、118 適応ビット配分復号化回路 113、114、115 IMDCT回路 112、111 IQMF回路 110 高能率復号化回路出力端子 521 許容雑音算出回路入力端子 522 帯域毎のエネルギ検出回路 523 畳込みフィルタ回路 524 引算器 525 n−ai関数発生回路 526 引算器 527 合成回路 528 減算器 530 許容雑音補正回路 532 最小可聴カーブ発生回路 533 補正情報出力回路 801 MDCT回路出力入力端子 802 使用可能総ビット発生回路 803 帯域毎のエネルギ算出回路 804 エネルギ依存のビット配分回路 805 聴覚許容雑音レベル依存のビット配分回路 806 アダー 807 各帯域のビット割当量出力端子 808 スペクトルの滑らかさ算出回路 809 ビット分割率決定回路 811、812 マルチプライヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 17/02 E 8842−5J H04B 14/04 Z

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給された信号を符号化する複数の符号
    化回路と、符号化処理された信号を復号化する単数又は
    複数の復号化回路と、入力信号と復号化処理された信号
    との差分を算出する差分算出回路とを具備する高能率符
    号化装置と、 符号化処理された信号を復号化する複数の復号化回路
    と、復号化処理された信号を合成する合成手段とを具備
    する高能率復号化装置とを有し、 上記高能率符号化装置には、入力信号を符号化処理する
    と共に当該入力信号を符号化処理した符号化信号を復号
    化処理し、上記復号化処理された信号と入力信号との差
    分を算出し、当該差分信号を符号化処理した符号化信号
    と入力信号を符号化処理した符号化信号とを上記高能率
    復号化装置へ伝送する符号化手法を適用し、 上記高能率復号化装置には、上記伝送された符号化信号
    を復号化処理した後、時間軸上で合成して出力信号とす
    る復号化手法を適用することを特徴とする高能率符号化
    及び復号化システム。
  2. 【請求項2】 上記高能率符号化装置内の複数の符号化
    回路は、同一の回路であることを特徴とする請求項1記
    載の高能率符号化及び復号化システム。
  3. 【請求項3】 上記高能率符号化装置内の複数の符号化
    回路は、異なる回路であることを特徴とする請求項1記
    載の高能率符号化及び復号化システム。
  4. 【請求項4】 上記高能率符号化装置内の複数の復号化
    回路、又は上記高能率復号化装置内の複数の復号化回路
    は、同一の回路であることを特徴とする請求項1記載の
    高能率符号化及び復号化システム。
  5. 【請求項5】 上記高能率符号化装置内の複数の復号化
    回路、又は上記高能率復号化装置内の複数の復号化回路
    は、異なる回路であることを特徴とする請求項1記載の
    高能率符号化及び復号化システム。
  6. 【請求項6】 上記高能率符号化装置内の複数の符号化
    回路は同一の回路であり、上記高能率符号化装置内の複
    数の復号化回路又は上記高能率復号化装置内の複数の復
    号化回路は同一の回路であることを特徴とする請求項1
    記載の高能率符号化及び復号化システム。
  7. 【請求項7】 上記高能率符号化装置内の複数の符号化
    回路は異なる回路であり、上記高能率符号化装置内の複
    数の復号化回路又は上記高能率復号化装置内の複数の復
    号化回路は異なる回路であることを特徴とする請求項1
    記載の高能率符号化及び復号化システム。
  8. 【請求項8】 上記高能率復号化装置は、上記高能率符
    号化装置から送られる上記入力信号の符号化信号及び複
    数又は単数の差分信号の一部の符号化信号、又は上記入
    力信号の符号化信号のみを用いて復号化処理を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の高能率符号化及び復号化
    システム。
  9. 【請求項9】 上記高能率符号化装置は、単数の入力信
    号の符号化信号と、複数の上記差分信号の符号化信号と
    を出力することを特徴とする請求項1記載の高能率符号
    化及び復号化システム。
  10. 【請求項10】 上記高能率復号化装置は、高能率符号
    化装置の単数の入力信号の符号化信号及び複数の上記差
    分信号の符号化信号を復号化処理して合成することを特
    徴とする請求項1記載の高能率符号化及び復号化システ
    ム。
  11. 【請求項11】 上記高能率符号化装置は単数の入力信
    号の符号化信号と複数の上記差分信号の符号化信号とを
    出力し、上記高能率復号化装置は高能率符号化装置の単
    数の入力信号の符号化信号及び複数の上記差分信号の符
    号化信号を復号化処理して合成することを特徴とする請
    求項1記載の高能率符号化及び復号化システム。
  12. 【請求項12】 上記高能率符号化装置内の符号化回路
    は非線形の量子化を行い、上記高能率符号化装置内及び
    高能率復号化装置内の復号化回路は非線形の逆量子化を
    行うことを特徴とする請求項1記載の高能率符号化及び
    復号化システム。
  13. 【請求項13】 上記高能率符号化装置内の差分信号の
    符号化にのみ非線形の量子化を用い、高能率復号化装置
    内の差分信号の符号化信号の復号化にのみ非線形の逆量
    子化を用いることを特徴とする請求項1記載の高能率符
    号化及び復号化システム。
  14. 【請求項14】 上記高能率符号化装置内の差分信号の
    符号化回路、及び高能率復号化装置内の差分信号の符号
    化信号の復号化回路では、可逆符号復号化処理を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の高能率符号化及び復号化
    システム。
  15. 【請求項15】 上記高能率符号化装置内の差分信号の
    符号化回路は、聴覚許容雑音スペクトルに対してより多
    く依存したビット割り当てを行うことを特徴とする請求
    項1記載の高能率符号化及び復号化システム。
  16. 【請求項16】 上記高能率符号化装置及び高能率復号
    化装置は、複数チャンネル分の信号を処理することを特
    徴とする請求項1記載の高能率符号化及び復号化システ
    ム。
  17. 【請求項17】 上記高能率符号化装置の符号化回路
    は、マスキング効果の度合いを算出し、各処理ブロック
    の長さを決定することを特徴とする請求項1記載の高能
    率符号化及び復号化システム。
  18. 【請求項18】 上記高能率符号化装置の符号化回路
    は、直交変換によって時間軸上の信号を周波数軸上の信
    号へ変換すると共に周波数軸上の信号を複数の帯域へ分
    割し、上記高能率復号化装置の復号化回路は、逆直交変
    換によって周波数軸上の複数帯域の信号を時間軸上の信
    号へ変換することを特徴とする請求項1記載の高能率符
    号化及び復号化システム。
  19. 【請求項19】 上記直交変換として変更離散コサイン
    変換を用い、逆直交変換として逆変更離散コサイン変換
    を用いることを特徴とする請求項18記載の高能率符号
    化及び復号化システム。
  20. 【請求項20】 上記高能率符号化装置の符号化回路
    は、時間軸上の単一帯域の信号をクワドラチャ・ミラー
    ・フィルタによって複数の帯域の信号に分割し、上記高
    能率復号化装置の復号化回路は、インバース・クワドラ
    チャ・ミラー・フィルタによって時間軸上の複数帯域に
    分割された信号を単一帯域の信号に合成することを特徴
    とする請求項1記載の高能率符号化及び復号化システ
    ム。
  21. 【請求項21】 符号化された信号を記録又は伝送する
    伝送媒体を有し、 上記高能率符号化装置は、出力する複数の符号化信号を
    1つのシンクブロック内に分離して、上記伝送媒体に対
    して記録又は伝送することを特徴とする請求項1記載の
    高能率符号化及び復号化システム。
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