JPH084604Y2 - 蛍光x線分析装置のスリット移動機構 - Google Patents

蛍光x線分析装置のスリット移動機構

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JPH084604Y2
JPH084604Y2 JP931591U JP931591U JPH084604Y2 JP H084604 Y2 JPH084604 Y2 JP H084604Y2 JP 931591 U JP931591 U JP 931591U JP 931591 U JP931591 U JP 931591U JP H084604 Y2 JPH084604 Y2 JP H084604Y2
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rack
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fluorescent
ray
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忠二 富田
栄司 山田
四郎 桧垣
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理学電機工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、試料から発生する蛍
光X線に基づき元素分析を行う蛍光X線分析装置におい
て、複数のソーラスリットからなるスリット装置を移動
させるスリット移動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蛍光X線分析装置において、分光器とし
て平板結晶を用いた平行法では、分光器に入射する蛍光
X線を一応の平行光線とする必要がある。そのため、試
料と分光器との間に、ソーラスリットを設けている。
【0003】このソーラスリットを通過した蛍光X線の
開角は、ソーラスリットを構成する箔の間隔と長さによ
って定まる。含有量の少ない元素を検出する場合には、
発生した蛍光X線の強度を大きく保つために、開角の大
きいソーラスリットを用いる。一方、強い蛍光X線を発
生する元素について精密な定量測定を行う場合には、開
角の小さいソーラスリットを用いる。また、全反射ミラ
ー、人工素子の結晶を用いて超軽元素(たとえば鉄鋼中
の炭素)を検出する場合には、開角の極めて大きいソー
ラスリットを用いる。
【0004】1つの蛍光X線分析装置によって、上記の
ような検出を行う場合に、その都度ソーラスリットを交
換するのは面倒である。そのため、従来より、複数種類
のソーラスリットからなるスリット装置を移動自在に設
け、このスリット装置を移動させて、ソーラスリットの
うちの1つを蛍光X線の光路中に選択的に挿入するスリ
ット移動装置が知られている(特公平2-50420 号公報参
照) 。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、ソーラスリ
ットの光路中における停止精度が悪いと、分析精度に誤
差が生じる。そこで、ステッピングモータとサーボ機構
を採用することによって、ソーラスリットの停止精度を
高くすることが考えられる。しかし、この方法では装置
が高価になるという欠点がある。
【0006】この考案は上記従来の欠点に鑑みてなされ
たもので、安価な装置でソーラスリットの高い停止精度
が得られ、分析精度を高くすることができる蛍光X線分
析装置のスリット移動機構を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この考案は、まず、複数種類のソーラスリットが並
ぶ方向にスリット装置と一体に移動するラックを設けて
いる。このラックにかみ合うピニオンが、上記ラックの
移動方向に移動自在に設けられている。上記ピニオンに
対して偏心した位置には、アーム部材を介して駆動軸が
設けられている。この駆動軸は、ラックの移動方向とほ
ぼ直角な方向に移動しながらピニオンの軸心まわりに相
対的に回動して、ピニオンを回転させるとともに、ピニ
オンをラックの移動方向に往復移動させる。また、上記
ピニオンの歯面を上記ラックの歯面に押し当てる押当機
構を備えている。
【0008】
【作用】この考案によれば、駆動軸は、ピニオンの軸心
まわりに相対的に回動して、ピニオンを回転させながら
ピニオンをラックの移動方向に往復移動させる。したが
って、ピニオンの最大移動速度がピニオンの回転速度に
対して方向が反対で、かつ速度が同一になる状態が生じ
る。この状態では、ラックおよびスリット装置は、瞬間
的に停止しており、そのため、この状態で駆動軸を停止
させることによって、スリット装置を高い停止精度で停
止させることができる。
【0009】また、押当機構によって、ピニオンの歯面
をラックの歯面に押し当てているので、ピニオンとラッ
クの間のバックラッシをなくすことができる。
【0010】
【実施例】以下、この考案の一実施例を図面にしたがっ
て説明する。図1において、X線管10は、一次X線B1を
出射して、試料11に一次X線B1を照射する。照射された
一次X線B1は、試料11の原子を励起して、その元素固有
の蛍光X線B2を発生させる。試料11からの蛍光X線B2
は、複数種類の第1、第2および第3のソーラスリット
21, 22, 23のうちの1つを通過して、平行光線とされた
後、分光結晶12に、所定の入射角で入射する。分光結晶
12は、ブラッグの式を満足する所定の波長の蛍光X線B2
のみを、入射角と同一の角度の回折角で回折し、回折X
線B3として蛍光X線検出器13に照射する。蛍光X線検出
器13と分光結晶12との間には、第4のソーラスリット14
が設けられている。
【0011】上記X線検出器13は、入射した回折X線
(蛍光X線)B3 を検出する。この検出値に基づいて、試
料11の元素が分析される。
【0012】上記第1、第2および第3のソーラスリッ
ト21〜23は、各々、箔24の間隔が異なっており、スリッ
ト装置20を構成している。このスリット装置20は、以下
に説明するスリット移動機構によって、複数種類のソー
ラスリット21〜23のうちの1つが、蛍光X線B2の光路中
に選択的に挿入される。
【0013】上記スリット装置24は、一対の案内ロッド
31に沿って移動自在に設けたスライダ25に、固定されて
いる。このスライダ25には、第1ないし第3のソーラス
リット21〜23が並ぶ方向Rに延びるラック26が固定され
ている。したがって、ラック26は、第1ないし第3のソ
ーラスリット21〜23が並ぶ方向Rに、スリット装置20と
一体に移動する。
【0014】図2において、上記一対の案内ロッド31
は、ベース30に固定されている。このベース30の左右の
端部には、ブラケット32を介して、二点鎖線で示すスラ
イダ25を検出するスリット位置検出器33が固定されてい
る。このスリット位置検出器33は、検出部34がベース30
の切欠孔35を介して下方に突出しており、スライダ25を
検出することによって、スリット装置20の現在位置を検
出するものである。
【0015】上記ベース30上には、支軸36が固定されて
いる。この支軸36には、軸受37およびカラー38を介し
て、モータ台40が支軸36まわりに揺動自在に取り付けら
れている。このモータ台40には、正逆回転するモータ41
が固定されている。このモータ41の出力軸 (駆動軸)42
は、下方に突出しており、上下端に鍔を有するドラム状
のアーム部材43が固定されている。したがって、モータ
41、出力軸42およびアーム部材43は、図3の平面図に示
すように、上記支軸36を中心に、ラック26 (図2) の移
動方向Rとほぼ直交する方向Aに揺動自在になってい
る。
【0016】図4に示すように、上記アーム部材43の下
端には、出力軸42に対して偏心した位置に、ピニオン44
が固定されている。このピニオン44は、図5(a) のよう
に、ラック26にかみ合っているとともに、図5(a) ない
し(c) のように、ラック26の移動方向Rに移動自在に設
けられている。
【0017】上記モータ台40には、引張りばね51によっ
て、上記ピニオン44の歯面が、ラック26の歯面に押し当
てられる方向に、回転力が付勢されている。上記引張り
ばね51、モータ台40および支軸36によって、押当機構50
が構成されている。なお、引張りばね51は、図3のばね
支持ピン52とモータ台40との間に、引張り状態で設けら
れている。
【0018】上記ベース30には、停止位置検出器39が固
定されている。この停止位置検出器39は、アーム部材43
に固定した被検出部45を検出して、図2のソーラスリッ
ト21〜23の停止位置を検出するものである。なお、各検
出器33, 39は、リミットスイッチからなる。
【0019】上記ソーラスリット21〜23間のピッチP
は、ピニオン44のピッチ円の周長に等しい値に設定され
ている。つまり、P=2πr(rはピッチ円半径)に設
定されている。
【0020】つぎに、上記構成の動作を説明する。図3
のモータ41の出力軸42を時計回りに正回転させると、ア
ーム部材43および出力軸42が、図5(a) ないし(c) のよ
うに、支軸36のまわりに若干回動して、ラック26の移動
方向Rとほぼ直角な方向Aに移動する。この時、ピニオ
ン44は、ピニオン44と出力軸42とが相対的に固定されて
いることから、出力軸42の揺動に伴って、図5(a) ない
し(c) のように、矢印B方向に回転する。したがって、
出力軸42は、矢印A方向に移動しながらピニオン44の軸
心まわりに相対的に回動して、ピニオン44を回転させる
とともに、ピニオン44をラック26の移動方向に往復移動
させる。
【0021】出力軸42が1回転したとき、図2のスライ
ダ25が二点鎖線25の位置まで右側へ移動し、同時に、被
検出部45が1回転して停止位置検出器39に接触し、モー
タ41の駆動が停止する。これにより、左側のソーラスリ
ット21が蛍光X線B2 (図1)の光路中に挿入される。
【0022】このとき、右側のスリット位置検出器33が
スライダ25を検出しているので、スリット装置25の現在
位置がわかる。つまり、蛍光X線B2 (図2) の光路中
に、ソーラスリット21が挿入されていることがわかる。
なお、この移動した位置からスリット装置20を移動させ
る場合は、モータ41を逆回転させる。
【0023】つぎに、ラック26の移動量とピニオン44の
回転角度θの関係を求める。出力軸42が図5(a) のよう
にラック26に最も近い位置にあるとき、ラック26が停止
している。この状態を模式的に示したのが図6である。
【0024】図6において、実線で示す原点位置から、
出力軸42が矢印A方向へ若干回動すると、ピニオン44は
角θだけ回転する。このとき、ピニオン44は、回転する
と同時に、ラック26の移動方向Rと反対側に進むので、
ラック26の移動量Rxは、ピニオン44の周方向の変位か
ら、ピニオン44の矢印R方向の変位Pxを差し引いた値に
等しい。したがって、ラック26の移動量Rxは、 Rx=rθ−rsin θ=r(θ−sin θ) ……(1) 但し、r:ピニオンのピッチ円半径 −2π≦θ≦2π
【0025】(1) 式をグラフで示すと、図7のようにな
る。また、(1) 式を時間tで微分すると、ラック26の移
動速度vは、 v=rω(1−cos θ) ……(2) 但し、ω:角速度 となる。この(2) 式および図7から分かるように、ピニ
オン44の回転角度θが2nπ(nは整数)であるとき
は、ラック26の移動速度vが0になる。したがって、ピ
ニオン44の回転角度θが2nπのときにラック26を停止
させることにより、ラック26を高い精度で停止させるこ
とができる。その結果、図2のソーラスリット21〜23を
高い停止精度で停止させることができる。
【0026】また、図5のように、引張りばね51によっ
てモータ台40を支軸36まわりに引っ張っているから、ピ
ニオン44の歯面がラック26の歯面に押し当てられている
ので、バックラッシ、つまり歯面の隙間がなくなる。し
たがって、やはり、ラック26つまり、図2のスリット装
置20の高い停止精度が得られる。このように、サーボ機
構を用いなくても、スリット装置20の高い停止精度が得
られるから、安価な装置でも、分析精度を高くすること
ができる。
【0027】ところで、スリット装置20のスタート時お
よび停止時の加速度が大きいと、装置全体が振動した
り、摩耗が生じるので、停止精度が経時的に低下する。
ここで、ラックの加速度aは、(2) 式を時間で微分する
ことにより得られ、 a=rω2sinθ ……(3) となる。この(3) 式から分かるように、この考案では、
スリット装置20のスタート時および停止時 (θ=2n
π) の加速度が0であるから、スリット装置20が滑らか
にスタートし停止するので、装置全体が振動しにくく、
かつ、摩耗も生じにくい。したがって、停止精度が経時
的に低下するおそれがないので、高い分析精度を維持す
ることができる。
【0028】なお、上記実施例では、図5の出力軸42を
モータ台40を介して支軸36のまわりに揺動自在に設けた
が、必ずしもそうする必要はない。たとえば、モータ台
40をラック26の移動方向Rと直交する方向に平行移動す
るように設けてもよい。
【0029】また、上記実施例では、分光器として図1
の分光結晶12を用いたが、分光結晶12に代えて、全反射
ミラーを用いることもできる。さらに、スリット装置20
は、2種類または4種類以上のソーラスリットを備えて
もよい。
【0030】
【考案の効果】以上説明したように、この考案によれ
ば、ラックにかみ合うピニオンを回転させるとともに、
ピニオンをラックの移動方向に往復移動させるので、ス
リット装置の停止位置近傍におけるラックの速度が小さ
くなるから、ラックと一体に移動するスリット装置の停
止精度が良く、さらに、ピニオンの歯面がラックの歯面
に押し当てられているので、停止精度が高くなる。その
ため、サーボ機構を用いなくても、高い停止精度が得ら
れるから、安価な装置で分析精度を高くすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例を示す蛍光X線分析装置の
スリット移動機構の斜視図である。
【図2】同縦断面図である。
【図3】同一部省略した平面図である。
【図4】図2の4−4線断面図である。
【図5】移動機構の動作を示す概略平面図である。
【図6】ラックとピニオンの移動量の関係を示す概略平
面図である。
【図7】スリット装置の移動量とピニオンの回転角度と
の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
11…試料、13…蛍光X線検出器、20…スリット装置、21
〜23…ソーラスリット、26…ラック、41…モータ、42…
駆動軸 (出力軸) 、43…アーム部材、44…ピニオン、50
…押当機構、B2…蛍光X線、R…ラックの移動方向。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料からの蛍光X線を検出する蛍光X線
    検出器と、複数種類のソーラスリットからなり、そのう
    ちの1つが蛍光X線の光路中に選択的に挿入されるスリ
    ット装置とを備えた蛍光X線分析装置のスリット移動機
    構であって、上記複数種類のソーラスリットが並ぶ方向
    に上記スリット装置と一体に移動するラックと、このラ
    ックの移動方向に移動自在に設けられ上記ラックとかみ
    合うピニオンと、アーム部材を介して上記ピニオンに対
    して偏心した位置に設けられ、上記ラックの移動方向と
    ほぼ直角な方向に移動しながら上記ピニオンの軸心まわ
    りに相対的に回動して、上記ピニオンを回転させるとと
    もに上記ラックの移動方向に往復移動させる駆動軸と、
    上記ピニオンの歯面を上記ラックの歯面に押し当てる押
    当機構とを備えた蛍光X線分析装置のスリット移動機
    構。
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