JPH084563A - 自動車のトラクション制御装置 - Google Patents

自動車のトラクション制御装置

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JPH084563A
JPH084563A JP13895394A JP13895394A JPH084563A JP H084563 A JPH084563 A JP H084563A JP 13895394 A JP13895394 A JP 13895394A JP 13895394 A JP13895394 A JP 13895394A JP H084563 A JPH084563 A JP H084563A
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throttle
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Hiroyuki Hamazaki
博幸 浜崎
Kenji Sato
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラクション制御中に異常が生じても、乗員
に対して安全にトラクション制御を中止する。 【構成】 駆動輪が空転すると、この空転量に応じて、
TCスロットルバルブ4を閉じると共に点火プラグ8の
点火時期を遅らせて、駆動輪が空転しないようエンジン
トルクを低下させる。トラクション制御中に、エンジン
制御系に重度異常が生じた場合には、エンジン制御ユニ
ット10の異常判断部15がこれを検知して、エンジン
制御ユニット10の第2の切替器18を切り替えて、点
火リタード量を直ちに0にし、点火時期を遅らせるトラ
クション制御を直ちに中止する。一方、TCスロットル
制御ユニット30においては、このユニット30の第1
の切替器33を切り替えて、TCスロットルバルブ4の
開度を徐々に全開にしてゆき、TCスロットルバルブ4
によるトラクション制御を徐々に中止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の発進・加速時
における駆動輪の空転を抑制するトラクション制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車が走行するときに、エンジンから
駆動輪に与えられる駆動力がこの駆動輪と走行路面との
間の摩擦力よりも大きくなると、駆動輪が空転して、自
動車の方向安定性が損なわれたり、加速性が低下したり
する。駆動輪の空転を防止するためには、運転者は、駆
動輪の空転を感知すると、アクセルを緩めてエンジンの
出力トルクを低下させてやればよい。しかし、このよう
に、駆動輪の空転を防止するにあたり、運転者のアクセ
ルワークに期待するのは、一般的に難しい。
【0003】そこで、車輪速度センサからの車速信号に
基づいて駆動輪の空転を検知し、これにより所定の制御
機能を発動させてエンジンのトルクを低下させる、いわ
ゆるトラクション制御装置が、種々実用化されている。
従来、この一種の装置としては、例えば、特開昭62-795
4号公報に記載されているものがある。このトラクショ
ン制御装置は、アクセルペダルと機械的にリンクされア
クセルペダルの操作で動作するメインスロットルバルブ
とは別に、所定のアクチュエータで開閉駆動されるTC
(Traction Control)スロットルバルブを設け、駆動輪の
空転を検知すると、このTCスロットルバルブを動作さ
せて、エンジンの出力トルクを制御するというものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上の従来
技術では、TCスロットルバルブやこの制御系統に異常
が生じたときの配慮がなされていない。このため、例え
ば、車両が滑り易い路面をトラクション制御を行いなが
ら走行しているときに、TCスロットルバルブ制御系統
に異常が生じたとき、TCスロットルバルブは直ちに全
開状態になってしまう。これは、通常、トラクション制
御に関する装置が故障した場合、これらの装置はトラク
ション制御していない状態に戻るように設計されている
からである。このため、トラクション制御中に異常が生
じると、それまで低下させていたエンジントルクが急激
に増大して、駆動輪の空転が急に再開してしまうという
問題点がある。
【0005】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、トラクション制御中に異常が生じ
ても、エンジントルクの急激な増大を防いで、車両を比
較的安定に走行させることができる自動車のトラクショ
ン制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の自動車のトラクション制御装置は、駆動輪の空転を把
握する空転把握手段と、該空転把握手段により前記駆動
輪の空転が把握されると、エンジンの出力トルクを低下
させる複数のエンジントルク低下手段と、複数の該エン
ジントルク低下手段のうち、いずれかのエンジントルク
低下手段でエンジントルクを低下させることに支障が生
じた場合(以下、異常状態とする。)、いずれのエンジ
ントルク低下手段が異常状態になったかを把握する異常
把握手段と、複数の前記エンジントルク低下手段で、エ
ンジントルクを低下させている際中に、前記異常把握手
段により、複数の前記エンジントルク低下手段のうち、
いずれかのエンジントルク低下手段が異常状態になった
と把握されると、該エンジントルク低下手段によるエン
ジントルクの低下動作を直ちに中止させるトラクション
制御即中止手段と、複数の前記エンジントルク低下手段
で、エンジントルクを低下させている際中に、前記異常
把握手段により、複数の前記エンジントルク低下手段の
うち、いずれかのエンジントルク低下手段が異常状態に
なったと把握されると、該エンジントルク低下手段以外
の異常状態でないエンジントルク低下手段によるエンジ
ントルク低下量を徐々に少なくするトラクション制御徐
々中止手段とを備えていることを特徴とするものであ
る。
【0007】ここで、前記トラクション制御装置におい
て、前記異常把握手段は、前記エンジントルク低下手段
でエンジントルクを低下させることにある程度支障が生
じているものの、該エンジントルク低減手段でエンジン
トルクを低減させる制御が可能な軽度異常と、前記エン
ジントルク低下手段でエンジントルクを低下させること
に支障が生じ、且つ該エンジントルク低減手段でエンジ
ントルクを低減させる制御が不可能な重度異常とを区別
して、把握でき、前記トラクション制御即中止手段は、
前記異常把握手段により前記重度異常であると把握され
た前記エンジントルク低下手段によるエンジントルクの
低下動作を直ちに中止させ、前記トラクション制御徐々
中止手段は、前記異常把握手段により前記軽度異常であ
ると把握された前記エンジントルク低下手段によるエン
ジントルク低下手段によるエンジントルク低下量を徐々
に少なくするものであることが好ましい。
【0008】また、トラクション制御装置において、複
数の前記エンジントルク低下手段のうち、一のエンジン
トルク低下手段は、前記空転把握手段により前記空転が
把握されたときに、前記エンジンに供給される空気流量
を少なくする空気流量調節手段であってもよい。また、
前記エンジンが複数の気筒を有し、複数の該気筒ごとに
燃料を供給する燃料供給手段が設けられている場合に
は、複数の前記エンジントルク低下手段のうち、一のエ
ンジントルク低下手段は、前記空転把握手段により前記
空転が把握されたときに、複数の燃料供給手段のうち、
いずれかによる燃料供給を中止させる燃料供給中止手段
であってもよい。さらに、前記エンジンに点火プラグが
設けられている場合に、複数の前記エンジントルク低下
手段のうち、一のエンジントルク低下手段は、前記空転
把握手段により前記空転が把握されたときに、該点火プ
ラグの点火時期を目的の時期よりも遅らせる点火リター
ド手段であってもよい。
【0009】
【作用】自動車の発進時や加速時に駆動輪が空転する
と、複数のエンジントルク低下手段により、この駆動輪
の空転量に応じてエンジントルクが低下させられる。こ
の結果、駆動輪の空転が治まる。
【0010】エンジントルク低下手段によりエンジント
ルクを低下させている際中(以下、トラクション制御中
とする。)に、いずれかのエンジントルク低下手段でエ
ンジントルクを低下させることに支障が生じた場合、こ
の状態が異常状態把握手段により把握される。異常状態
把握手段で、異常状態が把握されると、異常であると把
握されたエンジントルク手段によるエンジントルク低下
動作は、トラクション制御即中止手段により、直ちに中
止される。一方、異常でないトルク低減手段によるエン
ジントルク低減量は、トラクション制御徐々中止手段に
より、徐々に少なくなる。
【0011】以上のように、本発明では、複数のエンジ
ントルク低下手段のうち、いずらかのエンジントルク低
下手段でエンジントルクを低下させることに支障が生じ
た場合でも、支障が生じたエンジントルク低下手段の影
響によるエンジントルクは直ちに元のトルクに復帰する
ものの、支障が生じていない他のエンジントルク低下手
段の影響によるエンジントルクは徐々に元のトルクに復
帰するので、急激なエンジントルク増加による車両のス
ピン等を回避することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係るトラクション制御装置の
実施例について、図面を用いて説明する。図2に示すよ
うに、本実施例の自動車は、従動輪7a,7aと、駆動
輪7b,7bと、エンジン50と、エンジン50の出力
を駆動輪7b,7bに伝える駆動力伝達系52とを有し
ている。
【0013】本実施例のエンジン50は、4気筒ガソリ
ンエンジンで、各気筒ごとに、燃料噴射バルブ9及び点
火プラグ8が設けられている。また、このエンジン50
には、エンジン回転数Neを測定するためのクランク角
センサ47が設けられている。エンジン50に空気を供
給する吸入管51には、アクセルペダル53の操作量に
応じてエンジン50に供給される空気流量を調節するメ
インスロットルバルブ1と、駆動輪7bの空転時にエン
ジン50に供給される空気流量を調節するTC(Tractio
n Control)スロットルバルブ4と、TCスロットルバル
ブ4を動作させるTCスロットル駆動モータ3と、この
吸気管51を通過する空気流量Qaを測定する空気量セ
ンサ45とが設けられている。各スロットルバルブ1,
4には、それぞれのバルブ開度を測定するスロットルセ
ンサ2,5が設けられている。また、エンジン50から
の排気ガスが流れる排気管(図示されていない。)に
は、排気ガス中の酸素濃度O2を測定する酸素濃度セン
サ48が設けられている。また、エンジン50を冷却す
るラジエター(図示されていない。)には、この中を流
れる冷却水の温度Twを測定する冷却水温センサ46が
設けられている。
【0014】メインスロットルバルブ1は、図3に示す
ように、アクセルペダル53とワイヤー54やアクセル
ドラム55等で機械的にリンクされており、アクセルペ
ダル53の踏み込みに応じて回転し、スロットル・ポジ
ション・センサ(TPS)2によりその開度が検出され
る。TCスロットル駆動モータ3が回転すると、ギヤ3
a,3bを介して、TCスロットルバルブ4が回転す
る。TCスロットルバルブ4の開度は、スロットル・ポ
ジション・センサ(TPS)5で検出される。非トラク
ション制御時は、TCスロットルバルブ4は全開であ
り、エンジン50の吸入空気量はメインスロットルバル
ブ1の開度によって制限される。また、トラクション制
御時では、TCスロットルバルブ4がメインスロットル
バルブ1より閉じているとエンジン15の吸入空気量は
TCスロットルバルブ4の開度により制限される。駆動
輪7b及び従動輪7aには、それぞれ、車輪速センサ6
b,6aが設けられている。
【0015】本実施例の自動車は、以上の他、燃料噴射
バルブ9からの燃料噴射量や点火プラグ8の点火時期等
を求めるエンジン制御ユニット10と、エンジン制御ユ
ニット10からの指示に従って燃料噴射バルブ9を駆動
させる燃料噴射バルブ駆動回路41と、エンジン制御ユ
ニット10からの指示に従って点火プラグ8を点火させ
る点火回路42と、TCスロットルバルブ4の弁開度を
制御するTCスロットル制御ユニット30と、TCスロ
ットル制御ユニット30からの指示に従ってTCスロッ
トルバルブ4を駆動させるTCスロットル駆動回路43
と、駆動輪7bが空転したときに空転量Sを把握してT
Cスロットルバルブ4のTCスロットル目標開度θtや
点火プラグ8のTC点火目標リタード量θrtを求めるト
ラクション制御ユニット20とを有している。
【0016】さて、滑り易い路面を走行中にアクセルペ
ダル53の適切な操作を誤ると、駆動輪7bに過大なト
ルクが発生して、駆動輪7bが空転してしまう。そこ
で、トラクション制御ユニット20は、図1に示すよう
に、駆動輪7bと従動輪7aとの回転数差S(=Sd-S
f)から空転の発生を検出する空転量検出部21を有し
ている。さらに、トラクション制御ユニット20は、予
め準備されている関数fと空転量Sと用いてTCスロッ
トル目標開度θtを求めるTCスロットル目標開度演算
部22と、同じく予め準備されている関数gと空転量S
とを用いてTC点火目標リタード量θrtを求めるTC点
火目標リタード量演算部23と、エンジン制御ユニット
10からのエンジン制御系異常信号Ueの入力によりエ
ンジン制御系の異常を認識してこれをTCスロットル制
御ユニット30に知らせると共に、TCスロットル制御
ユニット30からのTCスロットル制御系異常信号Ut
の入力によりTCスロットル制御系の異常を認識してこ
れをエンジン制御ユニット10に知らせるTC異常認識
部24とを有している。
【0017】TCスロットル制御ユニット30は、TC
スロットルセンサ5により検出されたTCスロットルバ
ルブ4のバルブ開度θsとトラクション制御時にトラク
ション制御ユニット20から出力されたTCスロットル
目標開度θtとの偏差εを求める減算器34と、この偏
差εに比例ゲインKpを乗算する比例ゲイン乗算器36
aと、この偏差εの微分値を求める微分器35bと、こ
の微分値に微分ゲインKiを乗ずる微分ゲイン乗算器3
6bと、この偏差εの積分値を求める積分器35cと、
この積分値に積分ゲインKdを乗ずる積分ゲイン乗算器
36cと、各ゲイン乗算器36a,36b,36cから
の出力値を加算する加算器37と、加算器37からの出
力をTCスロットル駆動モータ3の電流値Iに変換する
ための定数Kmを乗ずる電流変換定数乗算器37とを有
している。以上は、TCスロットル制御ユニットの一般
的な構成であるが、本実施例のTCスロットル制御ユニ
ット30は、さらに、各種信号が示す値がTCスロット
ル制御系にとって、まったく問題ない(正常)か、軽度
の異常、又は重度の異常かを判断するTCスロットル制
御系異常判断部31と、TCスロットル制御系が軽度異
常の場合の軽異常時スロットル目標開度を求める軽度異
常時スロットル目標開度演算部32と、TCスロットル
制御系が正常か軽度異常かに応じて減算器34に入力す
る目標開度をTCスロットル目標開度θt又は軽異常時
スロットル目標開度にする第1の切替器33と、TCス
ロットル制御系が重度異常かそうでないか(正常又は軽
度異常)に応じてTCスロットル駆動回路43に出力す
る電流値を0又電流変換定数乗算器37から出力された
値にする第2の切替器39とを有している。
【0018】TCスロットル制御系異常判断部31に
は、TCスロットルセンサ5により検出されたTCスロ
ットルバルブ開度θsと、トラクション制御ユニット2
0からのTCスロットル目標開度θt及びエンジン制御
系異常信号Ueとが入力する。異常判断部31は、エン
ジン制御系異常信号Ueが入力せず、TCスロットル目
標開度信号θtの電圧値が予め正常であるとして定めら
れている範囲内で、且つTCスロットルバルブ開度信号
θsの電圧値が予め正常であるとして定められている範
囲内であれば、TCスロットル制御系は正常であると判
断し、エンジン制御系異常信号Ueが入力するか、又は
TCスロットル目標開度信号θtの電圧値が予め正常で
あるとして定められている範囲外であれば、TCスロッ
トル制御系は軽度異常であると判断し、TCスロットル
バルブ開度信号θsの電圧値が予め正常であるとして定
められている範囲外であれば、重度異常であると判断す
る。また、異常判断部31は、TCスロットル制御系が
重度異常の場合、つまりに、TCスロットルバルブ開度
信号θsの電圧値が予め正常であるとして定められてい
る範囲外の場合に、トラクション制御ユニット20のT
C異常認識部24にTCスロットル制御系異常信号Ut
を出力する。
【0019】エンジン制御ユニット10は、空気量セン
サ45により検知された空気流量Qaとクランク角セン
サ47により検知されたエンジン回転数Neとに応じて
基本燃料噴射量Tpを求める基本燃料噴射量演算部11
と、酸素濃度センサ48により検知された排気ガス中の
酸素濃度O2に応じてフィードバック係数Ko2を定める
フィードバック係数算出部12と、基本燃料噴射量Tp
にフィードバック係数Ko2を乗じてこの値を燃料噴射バ
ルブ駆動回路41に出力するフィードバック補正部13
と、マップを用いてクランク角センサ17により検知さ
れたエンジン回転数Neと基本燃料噴射量Tpとから基本
点火進角θaを求める基本点火進角演算部14と、トラ
クション制御時にトラクション制御ユニット20から出
力されたTC点火目標リタード量θrtと基本燃料噴射量
Tpとを加算してこの値θadvを点火回路42に出力する
加算器19とを有している。さらに、エンジン制御ユニ
ット10は、トラクション制御時に各種信号が示す値が
エンジン制御系にとって、まったく問題ない(正常)
か、軽度の異常、又は重度の異常かを判断するエンジン
制御系異常判断部15と、エンジン制御系が軽度異常の
場合の軽異常時点火目標リタード量θrfを求める軽度異
常時点火目標リタード量演算部16と、エンジン制御系
が正常か軽度異常かに応じて目標点火リタード量をTC
点火目標リタード量θrt又は軽異常時点火目標リタード
量θrfにする第1の切替器17と、エンジン制御系が重
度異常かそうでないか(正常又は軽度異常)に応じて加
算器19に出力する点火リタード量θrを0又は第1の
切替器17からの点火リタード量にする第2の切替器1
8とを有している。
【0020】エンジン制御系異常判断部15には、冷却
水温センサ46により検知されたエンジン冷却水温Tw
と、空気量センサ45により検知された空気流量Qa
と、トラクション制御ユニット20からのTCスロット
ル制御系異常信号Utとが入力する。異常判断部15
は、TCスロットル制御系異常信号Utが入力せず、エ
ンジン冷却水温信号Twの電圧値が予め正常であるとし
て定められている範囲内で、且つ空気流量信号Qaの電
圧値が予め正常であるとして定められている範囲内であ
れば、トラクション制御時においてエンジン制御系は正
常であると判断し、TCスロットル制御系異常信号Ut
が入力するか、又はエンジン冷却水温信号Twの電圧値
が予め正常であるとして定められている範囲外であれ
ば、トラクション制御時においてエンジン制御系は軽度
異常であると判断し、空気流量信号Qaの電圧値が予め
正常であるとして定められている範囲外であれば、重度
異常であると判断する。
【0021】なお、エンジン制御ユニット10、トラク
ション制御ユニット20及びスロットル制御ユニット3
0は、それぞれ、CPUやROMやRAM等を有してい
るマイクロコンピュータで構成されている。従って、以
上において説明した各ユニット10,20,30の構成
要素の動作は、ROMに記憶されているプログラムをC
PUが実行するとによって達成される。また、以上で
は、各ユニットをそれぞれ別体にしたが、これは各ユニ
ットの動作を理解しやすくするためであり、それぞれを
別体にしなくとも特に問題はない。
【0022】また、本実施例において、トラクション制
御装置は、各種センサ5,6a,6b,45,46,4
7と、エンジン制御ユニット10と、トラクション制御
ユニット20と、TCスロットル制御ユニット30と、
TCスロットルバルブ駆動回路43と、TCスロットル
駆動モータ3と、TCスロットルバルブ4とを有して構
成されている。また、本実施例において、空転把握手段
は、車輪速センサ6b,6aとトラクション制御ユニッ
ト20の空転量検出部21とで構成され、異常把握手段
は、各種センサ5,6a,6b,45,46,47とエ
ンジン制御ユニット10の異常判断部16とTCスロッ
トル制御ユニット30の異常判断部31とを有して構成
されている。本実施例において、一のトルク低下手段
は、TCスロットルバルブ4と、TCスロットル駆動モ
ータ3と、TCスロットルバルブ駆動回路43と、トラ
クション制御ユニット20のTCスロットル目標開度演
算部22と、TCスロットル制御ユニット30の第1の
切替器33と、減算器34と、比例ゲイン乗算器36a
と、微分器35bと、微分ゲイン乗算器36bと、積分
器35cと、積分ゲイン乗算器36cと、加算器37
と、電流変換定数乗算器37と、第2の切替器39とを
を有して構成されている。また、他のトルク低下手段
は、トラクション制御ユニット20のTC点火目標リタ
ード量演算部23と、エンジン制御ユニット10の第1
の切替器18と、第2の切替器18と、加算器19とを
有して構成されている。また、トラクション制御中止手
段は、エンジン制御ユニット10の第2の切替器19と
TCスロットル制御ユニット30の第2の切替器39と
を有して構成され、トラクション制御徐々中止手段は、
エンジン制御ユニット10の軽度異常時点火目標リター
ド量演算部16及び第1の切替器33と、TCスロット
ル制御ユニット30の軽度異常時スロットル目標開度演
算部32及び第1の切替器33とを有して構成されてい
る。
【0023】次に、本実施例のトラクション制御装置の
動作について説明する。まず、各制御系が正常である場
合の動作について説明する。
【0024】駆動輪7bの回転数Sd及び従動輪7aの
回転数Sfは、それぞれ、車輪速センサ6b,6aで検
出され、それぞれの回転数Sd,Sfは、各センサ6b,
6aからトラクション制御ユニット20の空転量検出部
21に送られる。空転量検出部21は、駆動輪7bの回
転数Sdから従動輪7aの回転数Sfを引いて、駆動輪7
bの空転量Sを求める。空転量検出部21は、駆動輪7
bの空転量Sが予め定めた量より大きくなると、トラク
ション制御すべき空転が生じたと判断する。駆動輪7b
の空転すると、トラクション制御ユニット20のTCス
ロットル目標開度演算部22は、この空転量Sを関数f
に代入して、エンジントルクが低下する(駆動輪7bの
空転量Sが小さくなる)ようなTCスロットル目標開度
θtを求める。また、TC点火目標リタード量演算部2
3も、同じく、空転量Sを関数gに代入して、エンジン
トルクが低下するようなTC点火目標リタード量θrtを
求める。
【0025】TCスロットル目標開度θtは、TCスロ
ットル制御ユニット30の減算器34に入力される。減
算器34では、TCスロットルバルブ4のバルブ開度を
フィードバック制御すべく、TCスロットルセンサ5に
より検出されたTCスロットルバルブ開度θsとTCス
ロットル目標開度θtとの偏差εが求められ、その後、
PID制御のために、この偏差εに対して、比例、微
分、積分等の処理が施される。そして、比例、微分、積
分等の処理が施された各値が加算器37で加算された
後、電流変換定数乗算器37で電流値Iに変換されて、
TCスロットル駆動回路37に出力される。全開状態で
あったTCスロットルバルブ4は、TCスロットル駆動
モータ3の駆動により、一定量閉じる。このため、エン
ジン50の吸入空気量が減り、エンジントルクは低下す
る。
【0026】また、TC点火目標リタード量θrtは、エ
ンジン制御ユニット10の第1の切替器17及び第2の
切替器18を介して、加算器19に入力される。エンジ
ン制御ユニット10の加算器19では、基本点火進角演
算部14で求められた基本点火進角θaにこのTC点火
目標リタード量θrtが加算され、これを点火進角θadv
として、点火回路42に出力する。このため、点火プラ
グ8の点火時期が遅くなり、エンジントルクは低下す
る。
【0027】以上のように、駆動輪7bが空転すると、
エンジン50の吸入空気量が減ると共に、点火プラグ8
の点火時期が遅くなり、エンジントルクは一定量低下す
る。この結果、駆動輪7bの空転が治まる。
【0028】次に、以上のトラクション制御時におい
て、いずれかの制御系に異常が生じた場合のTCスロッ
トル制御ユニット30の動作について、図4に示すフロ
ーチャートに従って説明する。まず、ステップ1で、重
度異常フラグが1(1の場合は重度異常)か否かを判断
し、1であればステップ15へとジャンプする。ステッ
プ2では、TCスロットルセンサ5からTCスロットル
バルブ開度信号θsを取り込む。ステップ3では、軽度
異常フラグが1(1の場合は軽度異常)か否かを判断
し、1であればステップ13にジャンプする。ステップ
4では、トラクション制御ユニット20からTCスロッ
トル目標開度θtを読み込む。ステップ5では、TCス
ロットルバルブ開度信号θsが正常な範囲内であるか判
定し、正常であればステップ6に進み、異常であればス
テップ14に進む。TCスロットルバルブ開度信号θs
が異常であれば、TCスロットルバルブ4のフィードバ
ック制御を続けることは不可能であるから、ステップ1
4にて重度異常フラグを1にして、ステップ15で、第
2の切替器39を切り替えて、TCスロットル駆動回路
43に出力する電流値を直ちに0にする。この結果、ト
ラクションコントロールのために一定量閉じていたTC
スロットルバルブ4は、直ちに全開状態になり、エンジ
ントルクは急激に増加する(=トラクション制御による
エンジントルク低減量が急激に減る。)。ステップ6で
は、トラクション制御ユニット20からのTCスロット
ル目標開度θtが正常の範囲にあるかを判定し、正常な
範囲外であれば、TCスロットル制御系にとっては軽度
の異常であると判断して、ステップ11で、軽度異常フ
ラグを1にする。ステップ7では、エンジン制御系異常
信号Ueにより、エンジン制御系に異常があると認識す
ると、ステップ6の場合と同様に、TCスロットル制御
系にとっては軽度の異常であると判断して、ステップ1
1で、軽度異常フラグを1にする。ステップ11で、軽
度異常フラグが1になると、ステップ12で、このフロ
ーに入る直前のTCスロットルバルブ4の目標開度θt
(k-1)を初期値θt'(k)とし、ステップ13で、目標開度
θt'(k-1)に予め定めた微小開度Δθを加えて、これを
新たな目標開度θt'(k)とする。このステップ13が繰
り返されることにより、トラクション制御のために一定
量閉じていたTCスロットルバルブ4は、徐々に開き、
エンジントルクは徐々に増加する(=トラクション制御
によるエンジントルク低減量が徐々に減る。)。TCス
ロットル制御系にとって、重度及び軽度異常がなけれ
ば、つまり制御系が全て正常であれば、ステップ8に進
んで、トラクション制御ユニット20が求めたTCスロ
ットル目標開度θt(k)をそのまま新たなTCスロットル
目標開度θt’(k)とする。ステップ9では、目標開度θ
t’からTCスロットルセンサ5で測定したTCスロッ
トルバルブ開度θsを引いて、両者の偏差εを求め、ス
テップ10で、この偏差に対して微分処理、積分処理等
を行って電流値Iが求められ、TCスロットルバブル駆
動回路43にこの電流値Iが出力される。
【0029】なお、以上の処理において、ステップ1〜
7,11,14は異常判断部31が実行し、ステップ1
2,13は軽度異常時スロットル目標開度演算部32が
実行し、ステップ8は異常判断部31の指示に従って動
作する第1の切替器33が実行する。また、ステップ9
は減算器34が実行し、ステップ10は比例ゲイン乗算
器36aや微分器35bや電流変換定数乗算器37等が
実行し、ステップ15は異常判断部31の指示に従って
動作する第2の切替器39が実行する。また、以上の処
理において、TCスロットル制御系の重度異常は、TC
スロットルセンサ5からTCスロットルバルブ開度信号
θsが異常である場合のみであるが、さらに、TCスロ
ットルバルブ駆動回路43やTCスロットル駆動モータ
3中に流れる電流の電流値を監視しておき、この電流値
異常の場合も、TCスロットル制御系の重度異常とする
ことが好ましい。
【0030】次に、いずれかの制御系に異常が生じた場
合のエンジン制御ユニット10の動作について、図5に
示すフローチャートに従って説明する。まず、ステップ
21で、重度異常フラグが1(1の場合は重度異常)か
否かを判断し、1であればステップ34へとジャンプす
る。ステップ21では、空気量センサ45から空気流量
Qa、冷却水温センサ46から冷却水温Twを取り込む。
ステップ23では、軽度異常フラグが1(1の場合は軽
度異常)か否かを判断し、1であればステップ31にジ
ャンプする。ステップ24では、空気量センサ45から
の空気流量信号Qaが正常な範囲内であるか判定し、正
常であればステップ25に進み、異常であればステップ
33に進む。空気流量信号Qaが異常であれば、点火時
期を送らせてトラクション制御しても、エンジントルク
の低減を保証できないので、ステップ33にて重度異常
フラグを1にして、ステップ34で、第2の切替器18
を切り替えて、点火リタード量θrを直ちに0にする。
この結果、トラクション制御のために遅れていた点火時
期は、通常の点火時期となり、エンジントルクは急激に
増加する(=トラクション制御によるエンジントルク低
減量が急激に減る。)。ステップ25では、冷却水温セ
ンサ46からの冷却水温信号Twが正常な範囲にあるか
を判定し、正常な範囲外であれば、エンジン制御系にと
っては軽度の異常であると判断して、ステップ29で、
軽度異常フラグを1にする。ステップ26では、スロッ
トル制御系異常信号Utにより、スロットル制御系に異
常があると認識すると、ステップ25の場合と同様に、
エンジン制御系にとっては軽度の異常であると判断し
て、ステップ29で、軽度異常フラグを1にする。ステ
ップ29で、軽度異常フラグが1になると、ステップ3
0で、このフローに入る直前の軽異常時点火目標リター
ド量θrf(k-1)を初期値θrf'(k)とし、ステップ31
で、軽異常時点火目標リタード量θrf’(k-1)から予め
定めた微小量Δθrを引いて、これを新たな目標開度軽
異常時点火目標リタード量θrf’(k)とし、ステップ3
2で、この新たな目標開度軽異常時点火目標リタード量
θrf’(k)を点火リタード量θrとする。これらステップ
31,32が繰り返されることにより、トラクション制
御のために遅れていた点火時期が徐々に通常の点火時期
になり、エンジントルクは徐々に増加する(=トラクシ
ョン制御によるエンジントルク低減量が徐々に減
る。)。エンジン制御系にとって、重度及び軽度異常が
なければ、つまり制御系が全て正常であれば、ステップ
27に進んで、トラクション制御ユニット20が求めた
TC点火目標リタード量θrtをそのまま新たな点火リタ
ード量θrとする。ステップ28では、基本点火進角演
算部14で求めた基本点火進角θaに点火リタード量θr
を加えて、これを点火進角θadvとして点火回路42に
出力する。
【0031】なお、以上の処理において、ステップ21
〜26,29,33は異常判断部15が実行し、ステッ
プ30,31は軽度異常時点火目標リタード量演算部1
6が実行し、ステップ27,32は異常判断部15の指
示に従って動作する第1の切替器17が実行する。ま
た、ステップ28は加算器19が実行し、ステップ34
は異常判断部15の指示に従って動作する第2の切替器
18が実行する。
【0032】以上のように、トラクション制御中に、T
Cスロットル制御系にとって重度の異常が発生した場合
には、TCスロットル制御系によるトラクション制御が
直ちに中止される一方で、エンジン制御系によるトラク
ション制御が徐々に中止される(エンジントルクが徐々
に通常の状態に復帰する。)。逆に、トラクション制御
中に、エンジン制御系にとって重度の異常が発生した場
合には、エンジン制御系によるトラクション制御が直ち
に中止される一方で、TCスロットル制御系によるトラ
クション制御が徐々に中止される。また、トラクション
制御中に、TCスロットル制御系に軽度の異常が発生し
た場合には、TCスロットル制御系によるトラクション
制御が徐々に中止され、エンジン制御系に軽度の異常が
発生した場合には、エンジン制御系によるトラクション
制御が徐々に中止される。
【0033】次に、図6〜図8を用いて、本実施例の具
体的な効果を説明する。図6は本実施例を適用しないシ
ステムで、トラクション制御中に故障が発生した場合の
車両の挙動を表したものである。滑り易い路面でアクセ
ル開度θaが急激に大きくなると、エンジン出力の急激
な増大とともに駆動輪7bの速度Sdのみが急激に上昇
し、従動輪7aの速度Sfとの速度差Sが上昇する。駆
動輪7bが空転すると、トラクション制御系から、車輪
の速度差、つまり駆動輪7bの空転量Sの大きさに応じ
てTCスロットル制御系とエンジン制御系とにエンジン
トルク低減ための目標値が出力される。その結果、エン
ジン制御系によるエンジントルク低減量Te及びTCス
ロットル制御系によるエンジントルク低減量Ttは増加
し(エンジントルクは低減する。)、駆動輪7bの空転
は所定の範囲に抑えられる。しかし、いずれかの制御系
に異常が発生すると、トラクション制御を実行していな
い状態に直ちになるため、つまり、エンジン制御系もT
Cスロットル制御系も、異常に対して即リカバーするた
め、エンジン制御系によるエンジントルク低減量Teも
TCスロットル制御系によるエンジントルク低減量Tt
も、急激に少なくなり(エンジントルクは急激に増加す
る。)、駆動輪7bの空転が発生するので、車両の安定
性が損なわれ、ドライバーが慌ててスロットルを戻して
も、車両は既にスピン状態になっていることも有り得
る。
【0034】図7は、本実施例において、TCスロット
ル制御系にとって重度異常が発生した場合の車両の挙動
を示している。TCスロットル制御系にとって重度異常
が発生すると、TCスロットル制御系は、この異常に対
して即リカバーして、TCスロットル制御系によるエン
ジントルク低減量Ttは、急激に小さくなる(エンジン
トルクは急激に増加する。)。しかし、エンジン制御系
は、この異常に対して徐々リカバーして、エンジン制御
系によるエンジントルク低減量Teは、徐々に小さくな
る(エンジントルクは徐々に大きくなる。)。このた
め、駆動輪7bの速度Sdの上昇はなめらかになり、急
な空転発生やスピンの心配はない。
【0035】図8は、本実施例において、エンジン制御
系にとって重度異常が発生した場合の車両の挙動を示し
ている。エンジン制御系にとって重度異常が発生する
と、エンジン制御系は、この異常に対して即リカバーし
て、エンジン制御系によるエンジントルク低減量Te
は、急激に小さくなる。しかし、TCスロットル制御系
は、この異常に対して徐々リカバーして、TCスロット
ル制御系によるエンジントルク低減量Ttは、徐々に小
さくなる。このため、駆動輪7bの速度Sdの上昇はな
めらかになり、急な空転発生やスピンの心配はない。
【0036】TCスロットルバルブに他の実施例につい
て、図9及び図10を用いて説明する。3a,3bはモ
ータ3の回転出力に応じた回転をするギヤで、ギヤ3b
の回転量はモータ・ポジション・センサ(MPS)68
により検出される。ギヤ3bの回転は、close方向の回
転時のみ、レバー61及びレバー62を介してスロット
ルバルブ60に伝達される。トラクション制御時におけ
るスロットルバルブ60の開度はTC時スロットル・ポ
ジション・センサ63にて検出される。
【0037】アクセルペダル53の踏み込みに応じて、
アクセルドラム55が回転すると、同一軸上のレバー6
5が回転する。スロットルバルブ60側にも、レバー6
5のclose方向の回転で、このレバー65に接触するよ
うに形成されているレバー64が設けられている。レバ
ー65とスロットルバルブ60側のレバー64とは、ロ
ストモーションスプリング66にて連結されている。こ
のロストモーションスプリング66により、レバー65
は、close方向の回転のみならず、open方向の回転で
も、レバー64と接触できるようになっている。アクセ
ルペダル53の操作によるスロットルバルブ60の開度
は、通常時スロットル・ポジション・センサ(TPS)
2にて検出される。
【0038】トラクション制御のためのスロットルバル
ブ60の開閉制御が行われていないときは、レバー64
とレバー65とはロストモーションスプリング66にて
引き寄せられて接触しており、アクセルドラム回転量と
スロットル開度とは一致している。また、このとき、レ
バー61は、アクセルペダル53の動作範囲内において
は、レバー62と接触しない退避位置に位置している。
【0039】トラクション制御のために、スロットルバ
ルブ60の開閉制御を実行する際には、モータ3が駆動
する。モータ3の駆動により、ギヤ3bがclose方向に
回転し、退避位置に位置していたレバー61がレバー6
2と接触すると、ギヤ3bの回転に伴ってスロットルバ
ルブ60もclose方向に回転し、ギヤ3bの回転量とス
ロットルバルブ60の開度変化量とが一致するようにな
る。このとき、アクセルドラムの回転方向における位置
とスロットル開度とは一致しなくなっている。
【0040】ここで、以上の動作について、図9を用い
て詳細に説明する。なお、図9は、軸の回転運動を理解
し易いように、直線的な横運動に変えて示している。こ
のため、同図において、アクセルペダル53が踏み込ま
れ、スロットルバルブ60を開く方向に回転すること
は、レバー65がアクセルドラム55に引かれ、左側に
移動することに対応している。トラクション制御のため
のスロットルバルブ60の開閉制御が行われていないと
き、スロットルバルブ60側のレバー64は、ロストモ
ーションスプリング66によりアクセルドラム55に取
付けられているレバー65と接触させられおり、レバー
65の回転と連動する。また、レバー61はギアリター
ンスプリング69により、前述した退避位置に位置して
おり、レバー62と接触していない。
【0041】トラクション制御により、モータ3が駆動
されると、ギヤリターンスプリング69に逆らって、レ
バー61は右に移動する。このとき、レバー62はレバ
ー61に引っかかり右に移動され、スロットルバルブ6
0はclose方向に回転することとなる。このとき、レバ
ー61の右への移動に伴って、レバー64も右へ移動
し、レバー64とレバー65とを連結するロストモーシ
ョンスプリング66が伸ばされて、レバー64とレバー
65とは離れる。この結果、スロットルバルブ60はア
クセルペダル53の動作から解放される。アクセルペダ
ル53が操作されていないときは、リターンスプリング
56により、スロットルバルブ60が全閉位置に戻され
る。
【0042】このように、一のスロットルバルブ60で
も、モータ3の駆動によるバルブ動作と、アクセルペダ
ル53の操作によるバルブ動作とを独立させることによ
り、トラクション制御を実行することができる。なお、
この場合、トラクション制御時において、TCスロット
ル制御ユニット30に入力させるスロットルバルブ60
の開度信号としては、モータ・ポジション・センサ(M
PS)68からの信号を用いる。
【0043】ところで、以上の実施例では、TCスロッ
トルバルブの開度、及び点火時期の制御によって、トラ
クション制御を実行しているが、これらに加えて、さら
に燃料噴射気筒を制御して、トラクション制御を実行し
てもよい。この場合、燃料噴射制御系にとって、重度の
異常は吸入空気量信号Qaの異常等で、軽度の異常は冷
却水信号Twの異常やTCスロットル制御系の異常等に
なる。また、燃料噴射制御系にとって重度の異常の場合
には、トラクション制御のために、いくつかの気筒への
燃料噴射を中止していた状態から、すべての気筒への燃
料噴射を実行するようにし、軽度の異常の場合には、燃
料噴射を中止している複数の気筒に対して、一気筒ずつ
順次燃料噴射を実行するようにする。
【0044】また、以上の実施例は、点火プラグ9が設
けられているガソリンエンジン50に対して、本発明を
適用したものであるが、本発明を点火プラグのないディ
ーゼルエンジンに適用してもよい。この場合、当然、点
火時期を制御してトラクション制御することはできない
ので、TCスロットルバルブの制御と燃料噴射気筒の制
御とにより、トラクション制御を実行することになる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、いずらかのエンジント
ルク低下手段でエンジントルクを低下させることに支障
が生じた場合でも、支障が生じていない他のエンジント
ルク低下手段の影響によるエンジントルクは徐々に元の
トルクに復帰するので、トラクション制御を乗員にとっ
て安全に停止させることができる。従って、トラクショ
ン制御中に故障が起こっても、急激なエンジントルク増
加によって駆動輪の空転が急に再開してしまうことはな
く、車両のスピン等を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例のトラクション制御装置
の回路図である。
【図2】本発明に係る一実施例の自動車の構成を示す説
明図である。
【図3】本発明に係る一実施例のスロットルバルブ回り
の構成を示す説明図である。
【図4】本発明に係る一実施例のトラクション制御中に
異常が生じた場合のTCスロットル制御ユニットの動作
を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る一実施例のトラクション制御中に
異常が生じた場合のエンジン制御ユニットの動作を示す
フローチャートである。
【図6】本発明が適用されていないトラクション制御装
置において、トラクション制御中に異常が生じた場合の
車両挙動を示すグラフである。
【図7】本発明に係る一実施例のTCスロットル制御系
にとって重度の異常が生じた場合の車両挙動を示すグラ
フである。
【図8】本発明に係る一実施例のエンジン制御系にとっ
て重度の異常が生じた場合の車
【符号の説明】
1…メインスロットルバルブ、3…TCスロットル駆動
モータ、4…TCスロットルバルブ、6a…従動輪速セ
ンサ、6b…駆動輪速センサ、7a…従動輪、7b…駆
動輪、8…燃料噴射バルブ、9…点火プラグ、10…エ
ンジン制御ユニット、15…エンジン制御系異常判断
部、16…軽度異常時点火目標リタード量演算部、17
…(エンジン制御ユニットの)第1の切替器、18…
(エンジン制御ユニットの)第2の切替器、20…トラ
クション制御ユニット、21…空転量検出部、22…T
Cスロットル目標開度演算部、23…TC点火目標リタ
ード量演算部、30…TCスロットル制御ユニット、3
1…TCスロットル制御系異常判断部、32…軽度異常
時スロットル目標開度演算部、33…(TCスロットル
制御ユニットの)第1の切替器、34…(TCスロット
ル制御ユニットの)第2の切替器、45…空気量セン
サ、46…冷却水温センサ、47…クランク角センサ、
50…エンジン、51…吸気管、53…アクセルペダ
ル。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例のトラクション制御装置
の回路図である。
【図2】本発明に係る一実施例の自動車の構成を示す説
明図である。
【図3】本発明に係る一実施例のスロットルバルブ回り
の構成を示す説明図である。
【図4】本発明に係る一実施例のトラクション制御中に
異常が生じた場合のTCスロットル制御ユニットの動作
を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る一実施例のトラクション制御中に
異常が生じた場合のエンジン制御ユニットの動作を示す
フローチャートである。
【図6】本発明が適用されていないトラクション制御装
置において、トラクション制御中に異常が生じた場合の
車両挙動を示すグラフである。
【図7】本発明に係る一実施例のTCスロットル制御系
にとって重度の異常が生じた場合の車両挙動を示すグラ
フである。
【図8】本発明に係る一実施例のエンジン制御系にとっ
て重度の異常が生じた場合の車両の挙動を示すグラフで
ある。
【図9】本発明に係る他の実施例のスロットルバルブ回
りの構成を示す説明図である。
【図10】本発明に係る他の実施例のスロットルバルブ
回りの構成を示す説明図である。
【符号の説明】 1…メインスロットルバルブ、3…TCスロットル駆動
モータ、4…TCスロットルバルブ、6a…従動輪速セ
ンサ、6b…駆動輪速センサ、7a…従動輪、7b…駆
動輪、8…燃料噴射バルブ、9…点火プラグ、10…エ
ンジン制御ユニット、15…エンジン制御系異常判断
部、16…軽度異常時点火目標リタード量演算部、17
…(エンジン制御ユニットの)第1の切替器、18…
(エンジン制御ユニットの)第2の切替器、20…トラ
クション制御ユニット、21…空転量検出部、22…T
Cスロットル目標開度演算部、23…TC点火目標リタ
ード量演算部、30…TCスロットル制御ユニット、3
1…TCスロットル制御系異常判断部、32…軽度異常
時スロットル目標開度演算部、33…(TCスロットル
制御ユニットの)第1の切替器、34…(TCスロット
ル制御ユニットの)第2の切替器、45…空気量セン
サ、46…冷却水温センサ、47…クランク角センサ、
50…エンジン、51…吸気管、53…アクセルペダ
ル。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 43/00 B H (72)発明者 佐藤 憲治 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 入山 正浩 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪が空転すると、エンジンの出力トル
    クを低下させ、駆動輪の空転を抑制する自動車のトラク
    ション制御装置において、 前記駆動輪の空転を把握する空転把握手段と、 前記空転把握手段により前記駆動輪の空転が把握される
    と、該駆動輪の空転量に応じて前記エンジンの出力トル
    クを低下させる複数のエンジントルク低下手段と、 複数の前記エンジントルク低下手段のうち、いずれかの
    エンジントルク低下手段でエンジントルクを低下させる
    ことに支障が生じた場合(以下、異常状態とする。)、
    いずれのエンジントルク低下手段が異常状態になったか
    を把握する異常把握手段と、 複数の前記エンジントルク低下手段で、エンジントルク
    を低下させている際中に、前記異常把握手段により、複
    数の前記エンジントルク低下手段のうち、いずれかのエ
    ンジントルク低下手段が異常状態になったと把握される
    と、該エンジントルク低下手段によるエンジントルクの
    低下動作を直ちに中止させるトラクション制御即中止手
    段と、 複数の前記エンジントルク低下手段で、エンジントルク
    を低下させている際中に、前記異常把握手段により、複
    数の前記エンジントルク低下手段のうち、いずれかのエ
    ンジントルク低下手段が異常状態になったと把握される
    と、該エンジントルク低下手段以外の異常状態でないエ
    ンジントルク低下手段によるエンジントルク低下量を徐
    々に少なくするトラクション制御徐々中止手段と、 を備えていることを特徴とする自動車のトラクション制
    御装置。
  2. 【請求項2】前記異常把握手段は、前記エンジントルク
    低下手段でエンジントルクを低下させることにある程度
    支障が生じているものの、該エンジントルク低減手段で
    エンジントルクを低減させる制御が可能な軽度異常と、
    前記エンジントルク低下手段でエンジントルクを低下さ
    せることに支障が生じ、且つ該エンジントルク低減手段
    でエンジントルクを低減させる制御が不可能な重度異常
    とを区別して、把握でき、 前記トラクション制御即中止手段は、前記異常把握手段
    により前記重度異常であると把握された前記エンジント
    ルク低下手段によるエンジントルクの低下動作を直ちに
    中止させ、 前記トラクション制御徐々中止手段は、前記異常把握手
    段により前記軽度異常であると把握された前記エンジン
    トルク低下手段によるエンジントルク低下手段によるエ
    ンジントルク低下量を徐々に少なくすることを特徴とす
    る請求項1記載の自動車のトラクション制御装置。
  3. 【請求項3】複数の前記エンジントルク低下手段のう
    ち、一のエンジントルク低下手段は、前記空転把握手段
    により前記空転が把握されたときに、前記エンジンに供
    給される空気流量を少なくする空気流量調節手段である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の自動車のトラク
    ション制御装置。
  4. 【請求項4】前記エンジンが複数の気筒を有し、複数の
    該気筒ごとに燃料を供給する燃料供給手段が設けられて
    いる場合、複数の前記エンジントルク低下手段のうち、
    一のエンジントルク低下手段は、前記空転把握手段によ
    り前記空転が把握されたときに、複数の燃料供給手段の
    うち、いずれかによる燃料供給を中止させる燃料供給中
    止手段であることを特徴とする請求項1、2又は3記載
    の自動車のトラクション制御装置。
  5. 【請求項5】前記エンジンに点火プラグが設けられてい
    る場合に、複数の前記エンジントルク低下手段のうち、
    一のエンジントルク低下手段は、前記空転把握手段によ
    り前記空転が把握されたときに、該点火プラグの点火時
    期を目的の時期よりも遅らせる点火リタード手段である
    ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の自動車
    のトラクション制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101013948B1 (ko) * 2004-10-07 2011-02-14 현대자동차주식회사 트랙션 제어 시스템 장착 차량의 엔진 제어부 고장 진단제어방법
JP2012202285A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Honda Motor Co Ltd トラクション制御装置

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KR101013948B1 (ko) * 2004-10-07 2011-02-14 현대자동차주식회사 트랙션 제어 시스템 장착 차량의 엔진 제어부 고장 진단제어방법
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