JPH084537A - エンジンの吸気制御装置 - Google Patents

エンジンの吸気制御装置

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Publication number
JPH084537A
JPH084537A JP6141635A JP14163594A JPH084537A JP H084537 A JPH084537 A JP H084537A JP 6141635 A JP6141635 A JP 6141635A JP 14163594 A JP14163594 A JP 14163594A JP H084537 A JPH084537 A JP H084537A
Authority
JP
Japan
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intake
air
passage
intake control
control valve
Prior art date
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Pending
Application number
JP6141635A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiharu Isaka
義治 井坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
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Publication of JPH084537A publication Critical patent/JPH084537A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B2275/00Other engines, components or details, not provided for in other groups of this subclass
    • F02B2275/48Tumble motion in gas movement in cylinder
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 空燃比のリーン化を図ったとしても燃焼が安
定し、NOX 排出量を少なく抑えることができるように
する。 【構成】 吸気通路に底壁を天壁側へ移動させる吸気制
御弁16を設ける。吸気制御弁を迂回して点火プラグ5
寄りに混合気を流すバイパス通路19を設ける。吸気制
御弁を閉じた状態ではタンブルが発生する。濃い目の混
合気からなる層が点火プラグの近傍に形成される。空燃
比のリーン化を図っても安定して着火して燃焼が安定す
る。燃焼初期状態では比較的濃い目の混合気が燃焼し、
燃焼終期ではきわめて薄い混合気が燃焼してNOX 生成
量が少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸気通路内に通路断面
積を変える吸気制御弁を備えたエンジンの吸気制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンの燃費向上を図るために
空燃比を理論空燃比に対してリーン側へ移行させること
が行われるようになってきた。このように燃料が少ない
条件で燃焼を安定させるに当たっては、気筒内での空気
と燃料の混合状態が最適となるように、吸気制御装置に
よって気筒内に吸気の旋回流を発生させる手法を採って
いた。
【0003】前記旋回流を発生させる吸気制御装置とし
ては、例えば実開平4−14736号公報に開示された
ものがある。この公報に開示された吸気制御装置は、吸
気マニホールドの下流側端部となる吸気通路内にバタフ
ライ型の吸気制御弁を配設し、この吸気制御弁に全閉時
に吸気流を偏らせるための切欠きを形成して構成されて
いた。すなわち、この吸気制御装置によれば、切欠きを
吸気制御弁における吸気通路の天壁側に形成しておくこ
とによって、全閉時に吸気流を吸気通路の天壁側へ偏ら
せることができるので、燃焼室内にシリンダ軸方向への
方向性をもった縦渦、いわゆるタンブルが発生するよう
になる。なお、燃料は燃料噴射装置によって吸気制御弁
下流側の吸気通路中に噴射されるように構成されてい
た。
【0004】また、空燃比を理論空燃比より大きくした
場合、空燃比16程度でNOX が最大量となるが、理論
空燃比よりもリーンな領域では排気の余剰酸素のために
一般的な三元触媒ではNOX の還元作用が得られないこ
とが知られている。なお、空燃比を理論空燃比よりリッ
チとしたり、大幅にリーンとすると、NOX 生成量は少
なくなることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述したよ
うに気筒内にタンブルを発生させる吸気制御装置を採用
して空燃比のリーン化を図ると、エンジン運転域が低負
荷域にあるときには燃焼が不安定になることがあった。
これは、エンジン運転域が低負荷域にあるときには吸気
の充填効率が低くなるということと、リーン化された均
一空燃比の混合気が燃焼室全域に分布するようになると
いうこととによって、点火プラグによる着火が確実でな
くなるからと推量される。
【0006】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、空燃比のリーン化を図ったとしても
エンジン運転域の全域にわたって燃焼を安定させること
ができ、しかも、NOX 排出量を少なく抑えることがで
きるようにすることを目的とする。ここでいうリーンと
は、理論空燃比よりも薄い領域を指しており、以下、こ
の領域で説明するが、本発明はよりリーンな領域でも適
用可能なものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るエンジ
ンの吸気制御装置は、少なくとも低負荷時に吸気通路底
壁を天壁側へ移動させる吸気制御弁を吸気通路に設け、
前記吸気通路の壁内に、吸気通路におけるスロットル弁
下流側と吸気弁近傍で点火プラグ寄りとなる部位とを連
通するバイパス通路を形成し、このバイパス通路と吸気
通路との上流側の連通部より上流側に燃料供給口を配設
したものである。
【0008】第2の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第1の発明に係るエンジンの吸気制御装置におい
て、バイパス通路の上流側端部を、吸気通路の壁面を凹
ませてなる膨張部に開口させたものである。
【0009】第3の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第2の発明に係るエンジンの吸気制御装置におい
て、膨張部をその上流端から下流側へ向かうにしたがっ
て次第に吸気通路断面積が大きくなるように形成し、こ
の膨張部の上流側端部に燃料噴射装置の燃料噴射口を位
置づけると共に、下流側端部にバイパス通路の上流側端
部を開口させたものである。
【0010】第4の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第2の発明に係るエンジンの吸気制御装置におい
て、膨張部を、吸気通路の壁面を全周にわたって凹ませ
ることによって形成し、この膨張部より上流側に気化器
を配設したものである。
【0011】
【作用】第1の発明によれば、少なくとも低負荷時に吸
気制御弁によって吸気通路断面積を減少させた状態で
は、吸気通路中で吸気制御弁を介して流れる吸気はその
天壁側へ偏るようになるので、その多くが吸気弁とバル
ブシートとの間の隙間を通って気筒内に斜めに流入す
る。すなわち、気筒内を縦方向に旋回する吸気流からな
るタンブルが発生することになる。
【0012】また、このときには吸気通路での吸気抵抗
が大きくなり、バイパス通路へも吸気負圧が大きく作用
するようになる関係から、吸気は吸気制御弁を通ること
に加え、バイパス通路を通っても気筒内に流入する。す
なわち、バイパス通路の入口より上流側に燃料が供給さ
れてなる混合気は、吸気通路とバイパス通路とに分かれ
て流れる。吸気通路を通った混合気は気筒内の略全域に
分散され、バイパス通路を通った混合気は点火プラグの
近傍に供給されることになる。
【0013】このため、点火プラグの近傍に比較的濃い
目の混合気の層が形成されるので、空燃比のリーン化を
図ったとしても安定して着火するようになる。その上、
着火直後の燃焼初期状態では比較的濃い目の混合気が燃
焼するので、酸素量が少ないこととタンブルによる乱れ
により燃焼温度が低くなることとによってNOX 生成量
が少なくなる。シリンダ内における点火プラグと遠いク
ランク軸方向一端側の混合気に火炎が伝播される燃焼終
期では比較的薄めの混合気が燃焼されるが、タンブルに
よる燃焼室の混合気の攪拌によって安定した燃焼が行わ
れ、HCの排出が抑えられる。したがって、三元触媒を
リーン領域で用いてNOX の低減が期待できない状態で
もNOX の発生が抑えられ、少ないHC,COがさらに
触媒で浄化される。
【0014】また、吸気制御弁によって少なくとも高負
荷時に吸気通路断面積を最大にした状態では、吸気制御
弁が吸気抵抗になることがなくなって必要な吸気流量が
確保されると共に、バイパス通路を流れる吸気が減少す
ることにより混合気の大部分が吸気通路に流入するよう
になる。このため、エンジン運転域が高負荷域にあると
きには吸気制御弁により吸気通路断面積を最大とするこ
とによって、空燃比を理論空燃比に設定することにより
三元触媒によって三成分の浄化を行いながらも高い出力
が得られる。
【0015】したがって、エンジン運転域が低負荷域に
あるときに吸気制御弁により吸気通路断面積を減少させ
ることによって、燃焼が安定すると共にNOX 排出量が
減少する。
【0016】第2の発明によれば、吸気通路上流側から
流れた混合気は膨張室と対応する部位において流速が減
少するので、吸気制御弁によって吸気通路断面積を減少
させてバイパス通路にも吸気負圧が大きく作用するよう
になると、バイパス通路へ混合気が入り易くなる。
【0017】第3の発明によれば、吸気制御弁によって
吸気通路断面積を減少させてバイパス通路にも吸気負圧
が大きく作用するようになると、混合気の一部は膨張部
において徐々にバイパス通路の上流側端部へ向かうよう
に流れ向きが変えられ、バイパス通路に流入する。この
ため、より一層バイパス通路へ混合気が入り易くなる。
【0018】第4の発明によれば、吸気制御弁によって
吸気通路断面積を減少させると、気化器の下流側を流れ
る混合気はその大部分がバイパス通路に流入する。これ
は、気化器から吸気通路に供給された燃料はその大部分
が吸気通路壁面に略沿うようにして流れるからである。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図5に
よって詳細に説明する。図1は本発明に係るエンジンの
吸気制御装置の断面図、図2は同じく要部を拡大して示
す断面図、図3は図1におけるIII−III線断面図であ
る。なお、図3中の吸気制御弁は全閉状態で描いてあ
る。また、図3中には図1の破断位置をI−I線によって
示してある。図4は図1におけるIV−IV線断面図、図5
は図2におけるV−V線断面図、図6は図1における吸気
制御弁部分のVI−VI線断面図である。
【0020】これらの図において、符号1は空冷4サイ
クル4気筒エンジン、2はこのエンジン1のシリンダボ
ディ、3はシリンダヘッドである。4は前記シリンダヘ
ッド3の下面を凹ませて形成された燃焼室で、この燃焼
室4には点火プラグ5が臨んでいる。
【0021】6は前記シリンダヘッド3に形成された吸
気ポート、7は同じく排気ポートである。これらの吸気
ポート6および排気ポート7はそれぞれシリンダヘッド
3の側面に開口してこの開口部から燃焼室4へ向かって
延ばされている。そして、これらの吸気ポート6、排気
ポート7の燃焼室側の開口はそれぞれ気筒当たり1個ず
つの吸気弁8、排気弁9によって開閉される構造になっ
ている。
【0022】吸気弁8および排気弁9は、吸気カム軸1
0、排気カム軸(図示せず)を有する従来周知の動弁装
置11によって開閉されるように構成されている。ま
た、各気筒の吸気弁8、排気弁9は、図3に示す平面視
において吸気カム軸10の軸線と直交する方向に並べら
れている。このような弁配置構成を採ることにより、前
記点火プラグは吸・排気弁8,9どうしの間であって燃
焼室4の中央より一側に偏った位置に配設されている。
【0023】なお、吸気ポート6のシリンダヘッド側面
開口は、シリンダヘッド3に取付けられた吸気マニホー
ルド12およびエアクリーナ13等の吸気装置を介して
大気に連通されている。排気ポート7のシリンダヘッド
側面開口は、不図示の排気管を介して大気に連通されて
いる。なお、この排気管には三元触媒が介装されてい
る。また、前記吸気マニホールド12には、手動により
開閉されるスロットル弁14と後述する燃料噴射装置1
5とが取付けられている。なお、本発明に係る吸気通路
は、この吸気マニホールド12内の吸気通路Aと、前記
吸気ポート7内の吸気通路Bとによって構成されてい
る。
【0024】前記吸気ポート6は、図6に示すように通
路断面が横長の長円状となるように形成されており、吸
気弁8の近傍となる部位には吸気ポート内吸気通路Bの
底壁側部分を閉塞して吸気通路断面積を減少させるため
の吸気制御弁16が設けられている。この吸気制御弁1
6は全体が略円柱状に形成され、前記吸気ポート内吸気
通路Bの底壁6aにその一部を没入させた状態で吸気ポ
ート6を横切っており、シリンダヘッド3に吸気カム軸
10と平行な軸線回りに回動自在に取付けられている。
この吸気制御弁16は、シリンダヘッド3に気筒毎に4
つ形成された吸気ポート6の全ての吸気ポート6を横切
るように、気筒並設方向の一側から他側へ向けて延びる
1本の棒体によって形成されている。なお、この吸気制
御弁16は、シリンダヘッド3に吸気カム軸10の軸線
方向と平行に丸穴3aを穿設し、この丸穴3aに嵌合さ
せることによってシリンダヘッド3に組み付けられてい
る。
【0025】そして、この吸気制御弁16における吸気
ポート6を横切る部分には、図3および図6に示すよう
に、吸気ポート6の横断面形状に対応した形状の切欠面
17が形成されている。すなわち、吸気制御弁16は図
1に示す位置に回動されることにより全開状態となり、
この全開状態で底壁6a内に没入していた部分が吸気ポ
ート6内に臨むように図1において左回りに回されるこ
とにより、吸気ポート6の実質的な底壁が天壁6b側へ
移動して図2に示すように全閉状態となる。この全閉状
態では、吸気ポート内吸気通路Bの底壁側部分が吸気制
御弁16によって閉塞されることになり、吸気通路断面
積が図6に示す全開状態に較べて減少されることにな
る。吸気制御弁16が全閉状態にあるときに吸気制御弁
16と天壁6bとの間に形成される通気空間を図2中に
符号gで示す。上述したように吸気制御弁16が全閉状
態になると、吸気は前記通気空間gを通ることによって
吸気ポート6の天壁6b側に偏って流れるようになる。
【0026】吸気制御弁16を全開位置と全閉位置との
間で回動させるには、吸気制御弁16の一方の軸端部に
取付けられたプーリ18を不図示の駆動装置により駆動
することによって行われる。なお、この吸気制御弁16
はエンジン運転域が低負荷域にあるときに全閉状態とさ
れ、エンジン運転域が高負荷にあるときには全開状態と
される。また、吸気制御弁16を全開状態から全閉状態
にするには、図1において左回りに回して行い、全閉状
態から全開状態にするには図2において右回りに回して
行う。
【0027】なお、吸気制御弁16の構成としては1本
の棒体から形成する以外に、軸方向に分割して各分割部
分を係脱自在に連結させる構成を採ってもよい。
【0028】前記吸気ポート6における吸気ポート内吸
気通路Bの側壁内には、吸気制御弁16を迂回して吸気
を流すためのバイパス通路19が形成されている。この
バイパス通路19は、シリンダヘッド3の側面に吸気ポ
ート6と一連になるように開口する凹陥部20と、この
凹陥部20の底から吸気ポート6に沿って吸気弁側へ延
びる長穴21と、この長穴21の吸気弁側端部に連通す
ると共に吸気ポート内吸気通路Bにおける吸気制御弁1
6より下流側に開口する流出穴22とから形成されてい
る。前記長穴21は凹陥部20から吸気弁近傍へ向けて
ドリルによって穿設され、前記流出穴22は吸気ポート
6の燃焼室側開口から長穴21の先端へ向けてドリルに
よって穿設されている。
【0029】前記凹陥部20は図4に示すように吸気ポ
ート6の上半部を一側(図4において右側)へ凹ませて
形成され、前記長穴21の凹陥部側開口は吸気ポート6
の真横に配設されている。この長穴21の凹陥部側開口
が実質的にバイパス通路19の入口となるので、以下に
おいてはこの開口をバイパス通路入口19aという。ま
た、前記流出穴22の吸気ポート側開口は吸気ポート6
の吸気弁近傍であって点火プラグ5寄りとなる部位に配
設され、吸気弁側開口は図1ないし図3に示すように吸
気弁8のステム部8aと対向する部位に配設されてい
る。
【0030】一方、吸気マニホールド12における前記
凹陥部20と対向する部位には、前記凹陥部20と共に
本発明に係る膨張部23を構成する凹陥部24が形成さ
れている。この凹陥部24は吸気マニホールド内吸気通
路Aと一連になるように吸気ポート内壁面を側方へ凹ま
せて形成され、図3に示すように、その上流端から下流
側へ向かうにしたがって次第に吸気通路断面積が大きく
なるように側壁面が傾斜されている。また、前記凹陥部
20と凹陥部24の上面には燃料噴射孔25が開口され
ている。
【0031】この燃料噴射孔25は、両凹陥部20,2
4との連通部から図1において右上がりに延設されて吸
気マニホールド12の上面に開口しており、この開口に
燃料噴射装置15が嵌合固着されている。なお、燃料噴
射孔25は、図4に示すように、燃料噴射装置15が凹
陥部20と吸気ポート6との境界部と対向するように形
成されている。
【0032】前記燃料噴射装置20は、ECU26(図
1)から駆動信号が入力されたときに燃料を図1,図3
および図4中に二点鎖線で示すよう略円錐状に燃料噴射
孔25内へ噴射する従来周知のものである。なお、この
燃料噴射装置20から延びる二点鎖線は、円錐状に噴射
される燃料の噴射範囲を示している。
【0033】すなわち、吸気マニホールド12をシリン
ダヘッド3に取付けることによって、バイパス通路入口
19aが膨張部23を介して吸気制御弁16より上流側
の吸気通路A,Bに連通されることになる。また、この
膨張部23の上流側端部に燃料噴射装置15の燃料噴射
口が配置されることになる。
【0034】次に、上述したように構成された吸気制御
装置の動作について説明する。エンジン運転域が低負荷
域にあるときには、吸気制御弁16が図2に示すように
全閉位置に回動される。このときには、吸気マニホール
ド内吸気通路A中を流れる吸気は、下流側の吸気ポート
内吸気通路Bが吸気制御弁16によって狭められていて
吸気抵抗が大きくなっているため吸入空気量が少ない状
態でも吸気負圧がバイパス通路19および膨張部23を
介して直接に吸気通路A,Bに作用する関係から、吸気
ポート6とバイパス通路19との両方に流入する。
【0035】このとき、吸気通路A,Bの通路断面積が
膨張部23によって部分的に拡げられていて吸気流の流
速が低減されている関係から、吸気通路内の吸気がバイ
パス通路19に流入するに当たり流れ向きが変わり易く
なる。すなわち、積極的にバイパス通路19へ吸気を導
くような構造になっている。また、、凹陥部24によっ
て形成された膨張部23の側壁面は下流側へ向かうにし
たがって吸気通路断面積が次第に大きくなるように傾斜
されているため、吸気の一部は膨張部23において吸気
通路から徐々にバイパス通路入口19aへ向かうように
流れ向きが変えられる。
【0036】吸気ポート6に流入した吸気は図2中に符
号gで示す通気空間gを通ることにより吸気ポート6の
天壁6bに沿うように吸気ポート6内を偏って流れ、燃
焼室側開口を通って燃焼室4に流入する。一方、バイパ
ス通路19に流入した吸気は、長穴21から流出穴22
を通って吸気ポート6の吸気弁近傍に流入し、前記通気
空間gを通過した吸気と合流して燃焼室4に流入する。
なお、このバイパス通路19を通った吸気は、流出穴2
2から流出した後は進行方向前方に吸気弁8のステム部
分8aが遮蔽物として位置している関係から、その多く
が吸気ポート6の壁面に略沿って流れる。
【0037】そして、このように吸気ポート6の燃焼室
側開口から燃焼室4に流入する吸気は、吸気弁8が開く
ことによって形成される傘状部分8aとバルブシート2
7との間の隙間を通って燃焼室4内の排気弁9側へ斜め
に流入する。このように燃焼室4に吸気が斜めに流入す
ると、シリンダボア2a内には図1において矢印Tで示
すように左回りのタンブルが生じるようになる。
【0038】一方、燃料噴射装置15から吸気行程中に
噴射された燃料は、燃料噴射孔25から膨張部23に入
り、ここから吸気ポート6とバイパス通路19とに分か
れて流入する。このとき、膨張部23内にはバイパス通
路入口19aへ向かうように吸気が流れるため、吸気ポ
ート6側へ向かう燃料はその一部が前記吸気流によって
バイパス通路入口19aへ向かうように流れ向きが変え
られる。このため、燃料は吸気ポート6よりもバイパス
通路19へ多く流入するようになる。
【0039】上述したようにバイパス通路19に流入し
た燃料は、バイパス通路19を通る吸気と混合されて燃
焼室4に流入する。この混合気は、通気空間gを通って
流れてきた吸気ポート6側の混合気に較べて相対的に濃
い目になっている。そして、バイパス通路19から吸気
ポート6に流出したこの濃い目の混合気はその多くが吸
気ポート壁面を伝うようにして燃焼室4に流入する。
【0040】すなわち、吸気ポート6に流入した燃料が
混合されて通気空間gを通った薄目の混合気が燃焼室4
の略全域に供給されると共に、バイパス通路19を通っ
た濃い目の混合気が点火プラグ5の近傍に供給される。
そして、燃焼室4内の点火プラグ5側には、バイパス通
路19を通った混合気と、通気空間gを通った混合気の
うちの一部とが合流されてきわめて濃い混合気層が形成
される。
【0041】このため、気筒内に上述したように生じる
タンブルは、点火プラグ5の放電部を通る濃度がきわめ
て高い混合気層と、クランク軸方向における点火プラグ
5とは遠くなるにしたがって濃度がきわめて低くなる混
合気層との濃度の異なる2層の混合気層によって形成さ
れることになる。
【0042】したがって、空燃比を理論空燃比よりリー
ン側に設定したとしても、点火プラグ5の近傍にはクラ
ンク軸方向における点火プラグ5とは遠い部位より濃い
混合気層が形成されることになるので、着火が安定する
ようになる。その上、通気空間gを通りタンブルによっ
て燃焼室4内に攪拌された混合気に効率よく火炎が伝播
されて燃焼が安定するようになる。
【0043】また、着火直後の燃焼初期状態では比較的
濃い目の混合気が燃焼するので、酸素量が少ないことと
タンブルによる乱れにより燃焼温度が低くなることとに
よってNOX 生成量が少なくなる。燃焼終期では点火プ
ラグ5から遠い部位の比較的薄めの混合気が燃焼される
が、タンブルによる燃焼室の混合気の攪拌によって安定
した燃焼が行われ、HCの排出が抑えられる。したがっ
て、三元触媒をリーン領域で用いてNOX の低減が期待
できない状態でもNOX の発生が抑えられ、少ないH
C,COがさらに触媒で浄化される。
【0044】エンジン運転域が少なくとも高負荷域に達
したときには、吸気制御弁16は図1に示すように、切
欠面17が吸気ポート内吸気通路Bの内壁面と一連にな
るよう全開位置に回動される。このときには、吸気ポー
ト内吸気通路B中には吸気制御弁16が存在しなくなる
ので、吸気抵抗が吸気制御弁16によって大きくなるこ
とがなくなる。すなわち、バイパス通路19を通る吸気
が減少し、吸気マニホールド内吸気通路Aの吸気はその
略全量が吸気ポート6内に流入するようになって、高負
荷運転に必要な吸気量が確保されるようになる。
【0045】このときには燃料は燃料噴射孔25から膨
張部23を通って吸気マニホールド内吸気通路Aおよび
吸気ポート内吸気通路Bに供給され、吸気ポート6に多
く流入することになる。
【0046】したがって、エンジン運転域が低負荷域に
あるときに吸気制御弁16により吸気通路断面積を減少
させることによって、燃焼が安定すると共にNOX 排出
量が減少する。また、膨張部23を吸気通路A,Bに設
けると吸気の流速が低減されるので、バイパス通路19
をこの膨張部23に開口させると、吸気制御弁16が閉
状態にあるときには混合気がバイパス通路19に流入し
易くなる。
【0047】さらに、膨張室23を下流側に向かうにし
たがって吸気通路断面積が次第に大きくなるように形成
し、この膨張室23の上流側端部に燃料噴射装置15の
燃料噴射口を位置づけると、吸気制御弁16が閉状態に
あるときには混合気の一部は膨張部23において徐々に
バイパス通路入口19aへ向かうように流れ向きが変え
られ、バイパス通路19に流入する。このため、より一
層バイパス通路19へ混合気が入り易くなる。
【0048】なお、本実施例では燃料を燃料噴射装置に
よって供給した例を示したが、気化器によって供給して
もよい。この例を図7〜図12によって説明する。図7
は気化器を用いた実施例を示す側断面図、図8は図7に
おけるVIII−VIII線断面図、図9は図7におけるIX−IX
線断面図である。図10は吸気通路の底壁側に隔壁を設
けた実施例を示す側断面図、図11は図10におけるXI
−XI線断面図、図12は吸気通路の天壁側に隔壁を設け
た実施例を示す側断面図である。なお、図9では、吸気
制御弁を全開状態として描いてある。これらの図におい
て前記図1ないし図6で説明したものと同一もしくは同
等部材については、同一符号を付し詳細な説明は省略す
る。
【0049】図7〜図9において、符号31は気化器、
32はこの気化器31の主燃料噴口(図示せず)挿入さ
れたニードル、33はアイドリング時を含む低速低負荷
時に燃料を供給するための低速低負荷用燃料噴口であ
る。前記気化器31は、ゴムジョイント34および吸気
管35を介して吸気マニホールド12に接続されてい
る。
【0050】前記吸気管35の吸気マニホールド側端部
は、吸気マニホールド12の管状先端部36を収容する
ことができるように、通路内径が気化器側より大きく形
成されている。すなわち、吸気管35の大径穴に吸気マ
ニホールド12の管状先端部36を臨ませることによっ
て本発明に係る膨張部23が環状に形成されている。一
方、吸気マニホールド12にはシリンダヘッド3の長穴
21と前記膨張部23とを連通する丸穴37が形成され
ている。この丸穴37の上流側端部は、膨張部23の上
下両側からも混合気が入り易いように、膨張部23の最
上部および最下部に向かって壁面が傾斜されている。こ
の傾斜面を符号37aで示す。
【0051】また、本実施例のバイパス通路19は、長
穴21が図9に示すように吸気制御弁16と交差するよ
うに形成されている。そして、吸気制御弁16における
長穴21と対応する部分には、長穴21の穴形状と略等
しい形状の切欠面38が形成されている。この切欠面3
8は、吸気制御弁16の吸気ポート側の切欠面17が吸
気ポート内吸気通路Bと一連になるとき、換言すれば吸
気制御弁16が全開状態になったときに、長穴21の内
壁と一連になるような位置に形成されている。
【0052】すなわち、吸気ポート内吸気通路Bが吸気
制御弁16により絞られるときにはバイパス通路19も
吸気制御弁16によって絞られ、吸気ポート内吸気通路
Bに吸気制御弁16が存在しなくなるときにはバイパス
通路19からも吸気制御弁16は存在しなくなる。
【0053】このように構成すると、吸気制御弁16に
よって吸気通路断面積を減少させると、気化器31の下
流側を流れる混合気はその大部分が膨張部23からバイ
パス通路19に流入するようになる。これは、気化器3
1から吸気通路に供給される燃料はニードル32が臨む
主燃料噴口や低速低負荷燃料噴口33から流出されるか
らである。すなわち、これらの燃料は何れも吸気通路内
壁面に沿うように流れ、吸気管35から吸気マニホール
ド12に流入するより膨張部32に入る方が多くなるか
らである。
【0054】そして、上述したように吸気制御弁16が
閉状態になると、吸気ポート6内およびバイパス通路1
9内を流れる混合気は吸気制御弁16によって各々の通
路の天壁側へ偏らされた状態で吸気弁近傍で合流し、燃
焼室4へ流入する。このため、前記図1〜図6で示した
実施例に較べて強いタンブルが発生する。
【0055】すなわち、本実施例の吸気制御装置では前
記実施例と同様の効果が得られることに加え、強いタン
ブルを発生させることができるという効果も得られる。
なお、このバイパス通路19にも吸気制御弁16を臨ま
せるという構成は、図1〜図6の実施例にも適用するこ
とが可能である。
【0056】図10および図11に示す吸気制御装置
は、アイドリング時を含む低速低負荷時に気化器から供
給される燃料をバイパス通路へ導くための隔壁を設けた
ものである。これらの図において前記図7〜図9で説明
したものと同一もしくは同等部材については、同一符号
を付し詳細な説明は省略する。図10および図11にお
いて、41は隔壁で、この隔壁41は金属製平板によっ
て形成されており、気化器31および吸気管35にその
両側部が嵌合支持されている。この隔壁41は、本実施
例で採用した気化器31はニードル32が臨む主燃料噴
口と低速低負荷燃料噴口33との両方が吸気通路底壁に
開口されている関係から吸気通路底壁側に位置づけら
れ、吸気通路内の底壁側を他の部位に対して画成してい
る。また、隔壁41における吸気流の上流側となる端部
はスロットル弁14の下流側近傍に位置づけられ、吸気
流の下流側となる端部は下方へ向けて屈曲されてその先
端部分が吸気マニホールド12の管状先端部36に当接
されている。
【0057】このように構成すると、気化器31から供
給される燃料が上述した各実施例に較べてより多くバイ
パス通路19に流入するようになる。特にアイドリング
運転時には燃料の略全量がバイパス通路19に流入する
ので、アイドリング運転がより一層安定する。
【0058】図12に示す吸気制御装置は、吸気弁が2
個設けられたエンジンに本発明を適用したものである。
同図において前記図1ないし図11で説明したものと同
一もしくは同等部材については、同一符号を付し詳細な
説明は省略する。図12に示すシリンダヘッド3は吸気
ポート6が途中で2つの分岐通路に分岐され、各分岐通
路を開閉するように吸気弁8が2個設けられている。ま
た、点火プラグ5は燃焼室4の略中央となる部位に配置
されている。さらに、吸気制御弁16は、前記2つの分
岐通路を横切るように形成され、切欠面17が分岐通路
毎に形成されている。
【0059】そして、2つの分岐通路の間に位置する隔
壁42に圧入孔43が穿設され、この圧入孔43にバイ
パス管44が圧入されている。本実施例では、前記バイ
パス管44およびこのバイパス管44の先端側に位置し
て両分岐通路どうしを連通する開口45とによってバイ
パス通路19が形成されている。
【0060】バイパス管44の上流側端部はシリンダヘ
ッド3における吸気マニホールド12側端面に開口する
ように位置づけられている。そして、吸気マニホールド
12には、前記バイパス管44の上流側端部と対向する
凹陥部46が形成されると共に、吸気通路を吸気ポート
6側とバイパス管44側とに画成するように隔壁41が
取付けられている。この隔壁41は吸気流の上流側とな
る端部が気化器31内におけるスロットル弁14の下流
側近傍に位置づけられ、吸気流の下流側となる端部がシ
リンダヘッド3の吸気マニホールド側端面に当接されて
いる。
【0061】すなわち、バイパス通路19の実質的な上
流側端部は、隔壁41と吸気通路壁面との間に形成され
た空間を介してスロットル弁下流側までバイパス管44
から延長されることになる。また、この延長部分には低
速低負荷燃料噴口33が開口している。なお、この気化
器31のニードル(図示せず)が臨む主燃料噴口は、前
記低速低負荷燃料噴口33とは上下反対側の吸気通路底
壁側に開口している。
【0062】このように構成しても吸気制御弁16が閉
状態になると点火プラグ5の近傍に濃い目の混合気層が
形成され、吸気制御弁16が開状態になると吸気ポート
6内には吸気制御弁16が存在しなくなるので、図1〜
図6で示した実施例と同様の効果が得られる。
【0063】なお、上述した各実施例では4気筒エンジ
ンに本発明を適用する例を示したが、気筒数はこれに限
定されることはなく、適宜変更することができる。ま
た、吸気弁の数量も1個あるいは2個に限定されず、3
個以上であってもよい。何れの場合でもバイパス通路の
出口は点火プラグ寄りに位置づけておく。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明に係るエ
ンジンの吸気制御装置は、少なくとも低負荷時に吸気通
路底壁を天壁側へ移動させる吸気制御弁を吸気通路に設
け、前記吸気通路の壁内に、吸気通路におけるスロット
ル弁下流側と吸気弁近傍で点火プラグ寄りとなる部位と
を連通するバイパス通路を形成し、このバイパス通路と
吸気通路との上流側の連通部より上流側に燃料供給口を
配設したため、吸気制御弁によって吸気通路断面積を減
少させた状態では、吸気通路中で吸気制御弁を介して流
れる吸気はその天壁側へ偏るようになるので、その多く
が吸気弁とバルブシートとの間の隙間を通って気筒内に
斜めに流入する。すなわち、気筒内を縦方向に旋回する
吸気流からなるタンブルが発生することになる。
【0065】また、このときには吸気通路での吸気抵抗
が大きくなり、バイパス通路へも吸気負圧が大きく作用
するようになる関係から、吸気は吸気制御弁を通ること
に加え、バイパス通路を通っても気筒内に流入する。す
なわち、バイパス通路の入口より上流側に燃料が供給さ
れてなる混合気は、吸気通路とバイパス通路とに分かれ
て流れる。吸気通路を通った混合気は気筒内の略全域に
分散され、バイパス通路を通った混合気は点火プラグの
近傍に供給されることになる。
【0066】このため、点火プラグの近傍に比較的濃い
目の混合気の層が形成されるので、空燃比のリーン化を
図ったとしても安定して着火するようになる。その上、
着火直後の燃焼初期状態では比較的濃い目の混合気が燃
焼するので、酸素量が少ないこととタンブルによる乱れ
により燃焼温度が低くなることとによってNOX 生成量
が少なくなる。シリンダ内における点火プラグと遠いク
ランク軸方向一端側の混合気に火炎が伝播される燃焼終
期では比較的薄めの混合気が燃焼されるが、タンブルに
よる燃焼室の混合気の攪拌によって安定した燃焼が行わ
れ、HCの排出が抑えられる。したがって、三元触媒を
リーン領域で用いてNOX の低減が期待できない状態で
もNOX の発生が抑えられ、少ないHC,COがさらに
触媒で浄化される。
【0067】また、吸気制御弁によって少なくとも高負
荷時に吸気通路断面積を最大にした状態では、吸気制御
弁が吸気抵抗になることがなくなって必要な吸気流量が
確保されると共に、バイパス通路を流れる吸気が減少す
ることにより混合気の大部分が吸気通路に流入するよう
になる。このため、エンジン運転域が高負荷域にあると
きには吸気制御弁により吸気通路断面積を最大とするこ
とによって、空燃比を理論空燃比に設定することにより
三元触媒によって三成分の浄化を行いながらも高い出力
が得られる。
【0068】したがって、エンジン運転域が低負荷域に
あるときに吸気制御弁により吸気通路断面積を減少させ
ることによって、燃焼が安定すると共にNOX 排出量が
減少する。
【0069】第2の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第1の発明に係るエンジンの吸気制御装置におい
て、バイパス通路の上流側端部を、吸気通路の壁面を凹
ませてなる膨張部に開口させたため、吸気通路上流側か
ら流れた混合気は膨張室と対応する部位において流速が
減少するので、吸気制御弁によって吸気通路断面積を減
少させてバイパス通路にも吸気負圧が大きく作用するよ
うになると、バイパス通路へ混合気が入り易くなる。
【0070】したがって、第1の発明に較べて低負荷運
転時の燃焼安定性が高まる。
【0071】第3の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第2の発明に係るエンジンの吸気制御装置におい
て、膨張部をその上流端から下流側へ向かうにしたがっ
て次第に吸気通路断面積が大きくなるように形成し、こ
の膨張部の上流側端部に燃料噴射装置の燃料噴射口を位
置づけると共に、下流側端部にバイパス通路の上流側端
部を開口させたため、吸気制御弁によって吸気通路断面
積を減少させてバイパス通路にも吸気負圧が大きく作用
するようになると、混合気の一部は膨張部において徐々
にバイパス通路の上流側端部へ向かうように流れ向きが
変えられ、バイパス通路に流入する。このため、より一
層バイパス通路へ混合気が入り易くなる。
【0072】したがって、第1および第2の発明の効果
に加え、燃料噴射装置を用いて低負荷運転時での燃焼安
定性をより一層高めることができる。
【0073】第4の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第2の発明に係るエンジンの吸気制御装置におい
て、膨張部を、吸気通路の壁面を全周にわたって凹ませ
ることによって形成し、この膨張部より上流側に気化器
を配設したため、吸気制御弁によって吸気通路断面積を
減少させると、気化器の下流側を流れる混合気はその大
部分がバイパス通路に流入する。これは、気化器から吸
気通路に供給された燃料はその大部分が吸気通路壁面に
略沿うようにして流れるからである。
【0074】したがって、第1および第2の発明の効果
に加え、気化器を用いて低負荷運転時での燃焼安定性を
より一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエンジンの吸気制御装置の断面
図である。
【図2】 本発明に係るエンジンの吸気制御装置の要部
を拡大して示す断面図である。
【図3】 図1におけるIII−III線断面図である。な
お、図3中の吸気制御弁は全閉状態で描いてある。
【図4】 図1におけるIV−IV線断面図である。
【図5】 図2におけるV−V線断面図である。
【図6】 図1における吸気制御弁部分のVI−VI線断面
図である。
【図7】 気化器を用いた実施例を示す側断面図であ
る。
【図8】 図7におけるVIII−VIII線断面図である。
【図9】 図7におけるIX−IX線断面図である。
【図10】 吸気通路の底壁側に隔壁を設けた実施例を
示す側断面図である。
【図11】 図10におけるXI−XI線断面図である。
【図12】 吸気通路の天壁側に隔壁を設けた実施例を
示す側断面図である。
【符号の説明】
3…シリンダヘッド、4…燃焼室、5…点火プラグ、6
…吸気ポート、8…吸気弁、12…吸気マニホールド、
14…スロットル弁、15…燃料噴射装置、16…吸気
制御弁、17…切欠面、19…バイパス通路、21…長
穴、23…膨張部、24…凹陥部、25…燃料噴射孔、
31…気化器、32…ニードル、33…低速低負荷燃料
噴口、35…吸気管、41…隔壁、44…バイパス管、
45…開口。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気通路に、少なくとも低負荷時にこの
    吸気通路の底壁を天壁側へ移動させて吸気通路断面積を
    減少させる吸気制御弁を設け、前記吸気通路の壁内に、
    吸気通路におけるスロットル弁下流側と吸気弁近傍であ
    って点火プラグ寄りとなる部位とを連通するバイパス通
    路を形成し、このバイパス通路と吸気通路との上流側の
    連通部より上流側に燃料供給口を配設したことを特徴と
    するエンジンの吸気制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンの吸気制御装置
    において、バイパス通路の上流側端部を、吸気通路の壁
    面を凹ませてなる膨張部に開口させたことを特徴とする
    エンジンの吸気制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のエンジンの吸気制御装置
    において、膨張部をその上流端から下流側へ向かうにし
    たがって次第に吸気通路断面積が大きくなるように形成
    し、この膨張部の上流側端部に燃料噴射装置の燃料噴射
    口を位置づけると共に、下流側端部にバイパス通路の上
    流側端部を開口させたことを特徴とするエンジンの吸気
    制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のエンジンの吸気制御装置
    において、膨張部を、吸気通路の壁面を全周にわたって
    凹ませることによって形成し、この膨張部より上流側に
    気化器を配設したことを特徴とするエンジンの吸気制御
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006018950A1 (ja) * 2004-08-19 2006-02-23 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha 高出力エンジンおよび車両
JP2006316753A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Toyota Motor Corp 内燃機関の吸気管構造

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