JPH0844106A - トナー粒子とその製造方法 - Google Patents

トナー粒子とその製造方法

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JPH0844106A
JPH0844106A JP6193795A JP19379594A JPH0844106A JP H0844106 A JPH0844106 A JP H0844106A JP 6193795 A JP6193795 A JP 6193795A JP 19379594 A JP19379594 A JP 19379594A JP H0844106 A JPH0844106 A JP H0844106A
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toner
toner particles
vinyl monomer
weight
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JP6193795A
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Yasuo Namita
靖夫 波田
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、電子写真などにおける静電荷像の
現像に使用するトナー粒子とその製造方法に関し、良好
な耐ブロッキング性を有し、且つ定着温度幅が広く、広
範囲な機器に対して適用することができるトナー粒子と
その製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 少なくともポリオレフィン系樹脂と着色剤と
を含む組成物の粒子表面に極性ビニルモノマーをグラフ
ト共重合してなるトナー粒子、並びに少なくともポリオ
レフィン系樹脂と着色剤とを含む組成物の粒子を、極性
ビニルモノマーを含む水系に分散し、紫外線照射により
極性ビニルモノマーを前記粒子表面にグラフト共重合す
ることを特徴とするトナー粒子の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真などにおける
静電荷像の現像に使用するトナー粒子とその製造方法に
関し、詳しくは良好な耐ブロッキング性を有し、且つ定
着温度幅が広く、広範囲な機器に対して適用することが
できるトナー粒子とその製造方法に関する。本発明のト
ナー粒子は、電子写真など記録情報機器分野において有
効に利用することができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現像方
式は、液体現像方式と乾式現像方式に大別されるが、本
発明は後者の乾式現像方式で使用するトナー粒子に関す
るものである。現像の後にトナーを紙などの基体上に融
着する、いわゆる定着の方法としては、トナーに対して
離型性を有する材料で表面を形成した加熱ローラーの表
面に、被定着シートのトナー像面を圧接着させながら通
過せしめることにより行なう加熱ローラー定着法が多用
されている。この加熱ローラー定着法に用いられるトナ
ーに要求される特性としては、現像ボックス等に貯
蔵,保存中に塊状化(ブロッキング)しないこと、ト
ナー像の一部が定着ローラー表面に残存し、次工程の被
定着シート上に付着する、いわゆるオフセット現象を生
じないこと、好ましくは多種の機器において定着可能
なように定着温度幅が広範囲であること(この場合、定
着下限温度が低いほど、ヒーターの消費電力が少なくて
済むので好都合である)等が挙げられる。
【0003】トナーを構成する樹脂としては、従来より
スチレン/アクリル系樹脂,ポリエステル系樹脂等が知
られているが、トナーがブロッキングを生ずる最低温度
を高めようとして軟化温度又は融点の高い樹脂を用いる
と、一般に定着温度も上昇する。このためブロッキング
を生じる下限温度が高く、且つ定着下限温度も比較的低
いトナーは得られていなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
従来の問題点を解決すべく鋭意研究を進めた結果、耐ブ
ロッキング性及び定着性の両面に優れた有用なトナー粒
子として、着色剤等を含むポリオレフィン系組成物の粒
子表面のポリオレフィン部分にグラフト構造を導入する
ことにより、熱的性質,化学的性質を改質すべく鋭意研
究した結果、本発明を完成したものである。グラフト共
重合体はランダム共重合体とは異なり、各構成成分の長
所が殺されずに発揮されやすい。すなわち、本発明者
は、定着性及び耐オフセット性の観点からポリオレフィ
ン系樹脂の添加を採用し、一方、耐ブロッキング性及び
紙に対する親和性の観点から極性ビニルモノマーを選択
し、組成物の中にこの両者からなるグラフト共重合体
を、特に粒子表面に局在化させたトナー粒子を用いるこ
とにより、耐ブロッキング性に優れ、且つ定着温度巾が
広範囲なトナー粒子が得られることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに到った。
【0005】すなわち本発明は第1に、少なくともポリ
オレフィン系樹脂と着色剤とを含む組成物の粒子表面に
極性ビニルモノマーをグラフト共重合してなるトナー粒
子を提供するものである。
【0006】本発明のトナー用粒子は、少なくともポリ
オレフィン系樹脂と着色剤とを含む組成物の粒子表面に
極性ビニルモノマーをグラフト共重合してなるものであ
る。すなわち、本発明のトナー用粒子は、少なくともポ
リオレフィン系樹脂と着色剤とを含む組成物の粒子表面
のみに、グラフト成分(極性ビニルモノマー)がついて
いる点で、従来のグラフトポリマー(粒子内部に極性ビ
ニルモノマーが凝集している。)とは明確に異なってお
り、他の素材との親和性、定着溶融時の挙動等に差が生
ずるものと考えられる。換言すれば、少なくともポリオ
レフィン系樹脂と着色剤とを含む組成物の粒子は、極性
ビニルモノマーで囲われた形となっている。また、従来
のポリオレフィン系樹脂へのグラフト反応では、グラフ
トポリマーとは別に大量のホモポリマーが生成するた
め、グラフトポリマーの割合は非常に少なく(グラフト
効率が低く)、反応物はそのまではトナーとして用いる
ことはできず、添加剤的利用方法が試みられているに過
ぎない。これに対して、本発明のトナーは、後述するよ
うに、水に不溶な光増感剤を予め少なくともポリオレフ
ィン系樹脂と着色剤とを含む組成物の粒子表面に付着さ
せ、雰囲気を水系にすることで、光により発生する活性
点は常にこの粒子表面に限定され、そのためグラフト効
率が高く、グラフト率の調節幅が広く、反応後の生成物
をそのままトナーとして使用することができる。
【0007】ここで少なくともポリオレフィン系樹脂と
着色剤とを含む組成物の粒子としては、トナーとしての
適当な粒径を考慮すると、通常、10〜50μmの粒径
のものである。
【0008】ポリオレフィン系樹脂としては例えば、低
密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,アタクチックポリプロピレン,エチレン−プ
ロピレン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体,エチレン−ジエン
共重合体,エチレン−環状ジエン共重合体,エチレン−
α・オレフィン共重合体,パラフィン,ポリブテン等が
挙げられる。これらの中でも特に低密度ポリエチレン,
エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−酢酸ビニル
共重合体が好ましい。
【0009】また、着色剤としては特に制限はなく、例
えばカーボンブラック,各種染料等が挙げられ、目的に
応じて適宜選定すればよい。
【0010】さらに本発明の組成物としては、必要によ
りポリエステル樹脂,スチレン−アクリレート樹脂,エ
ポキシ樹脂,ポリウレタン樹脂,セルロース樹脂等の樹
脂、可塑剤、酸化鉄等の磁性体、さらに電荷制御剤等の
トナーの物理特性,現像特性を調整するための添加剤を
含んだものであってもよい。
【0011】本発明のトナー粒子は、以上の如き少なく
ともポリオレフィン系樹脂と着色剤とを含む組成物の粒
子表面に、極性ビニルモノマーをグラフト共重合してな
るものである。ここで極性モノマーとしては例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、ビニルピ
リジン、ビニルピロリドン、無水マレイン酸、アクリル
アミド,メタクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリ
レート、スチレンスルホン酸、N,N−ジメチルアミノ
エチルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、
アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルア
ミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等を挙げること
ができる。これらの中でも特にアクリル酸、アクリロイ
ルモルホリン、ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルメ
タクリレートが好ましい。これらの極性モノマーは、1
種単独であってもよいし、或いは混合物であってもよ
い。
【0012】本発明のトナー粒子としては、グラフト化
率が2〜100重量%のものであることが好ましい。こ
こでグラフト化率とは次の式で表される。
【0013】*グラフト化率(%) =〔(反応後の全ポリマー重量)−(反応前のポリオレ
フィン重量)〕÷(反応前のポリオレフィン重量)×1
00
【0014】上記した如き本発明の第1のトナー粒子
は、例えば以下に示す本発明の第2により効率よく製造
することができる。
【0015】すなわち本発明は第2に、少なくともポリ
オレフィン系樹脂と着色剤とを含む組成物の粒子を、極
性ビニルモノマーを含む水系に分散し、紫外線照射によ
り極性ビニルモノマーを前記粒子表面にグラフト共重合
することを特徴とするトナー粒子の製造方法を提供する
ものである。
【0016】ポリオレフィン系樹脂としては、上記した
通りである。また、着色剤や極性ビニルモノマーも上記
した通りである。本発明においては、ポリオレフィン系
樹脂と着色剤に、さらに必要によりポリエステル樹脂,
スチレン−アクリレート樹脂,エポキシ樹脂,ポリウレ
タン樹脂,セルロース樹脂,ポリエーテル樹脂等の樹
脂、可塑剤、酸化鉄等の磁性体、さらに電荷制御剤等の
トナーの物理特性,現像特性を調整するための添加剤を
混合して得られた混合物を、加熱混練りした後、冷却
し、さらに粗粉砕した後、ジェットミル等で微粉砕して
粒子化したものを用いる。上記樹脂,着色剤等は所定の
割合で秤量し、溶融混合した後、トナー粒子として適当
な大きさまで粉砕する。粗粉砕状態で反応させ、その
後、微粉砕することも可能である。
【0017】なお、組成物粒子の粒径は次の2点で重要
である。反応が組成物粒子表面で進行するため、グラ
フト体の割合が組成物粒子の粒径に依存する。組成物粒
子としては、反応時に通常、0.01〜1mm、好まし
くは0.01〜0.05mmの範囲の粒径のものを用い
ることができる。濾過時の時間の長短に関係する。ま
た、トナーとしては10〜50μmの粒径ものが適当で
あるので、通常、グラフト反応前に粒径を調整するが、
場合によりグラフト反応後にさらに微粉砕し、粒径を調
整してもよい。
【0018】本発明の方法においては、まずこのような
少なくともポリオレフィン系樹脂と着色剤とを含む組成
物の粒子を、極性ビニルモノマーを含む水系に分散する
が、分散する前に、このような少なくともポリオレフィ
ン系樹脂と着色剤とを含む組成物の粒子表面に光増感剤
を付着しておくことが好ましい。
【0019】光増感剤としては、非水溶性のものであれ
ば特に制約を受けない。具体的には例えばベンゾフェノ
ン,ベンゾインエーテル,アゾビスイソブチロニトリ
ル,アゾビスシクロヘキシルカルボニトリル,アゾメタ
ン,アゾビスプロパン,ベンジル,キサントン等を挙げ
ることができる。
【0020】光増感剤の付着は、適当な有機溶剤を使用
することにより行なえばよい。このような有機溶剤とし
ては例えば、アセトン,メチルエチルケトン,トルエ
ン,クロロホルム,ヘキサン等を用いることができる。
【0021】上記した如き有機溶剤を用いて光増感剤
を、少なくともポリオレフィン系樹脂と着色剤とを含む
組成物の粒子表面に付着させる。光増感剤の付着は、例
えば光増感剤の有機溶剤溶液中に、上記組成物の粒子を
浸漬することにより行なってもよいし、光増感剤の有機
溶剤溶液を上記組成物の粒子に塗布することにより行な
ってもよい。浸漬又は塗布した後に、乾燥させて、光増
感剤を上記組成物の粒子に付着させる。
【0022】以上の如くして、好ましくは光増感剤を、
少なくともポリオレフィン系樹脂と着色剤とを含む組成
物の粒子に付着させた後、極性ビニルモノマーを含む水
系に分散する。具体的には、極性ビニルモノマー水溶液
中に、少なくともポリオレフィン系樹脂と着色剤とを含
む組成物の粒子を分散させる。
【0023】極性ビニルモノマー濃度は、通常、5〜4
0重量%程度、好ましくは20〜30重量%程度であ
る。5重量%未満であると反応が遅くなり、40重量%
を超えるとホモポリマー生成を促進する。極性ビニルモ
ノマー層に光増感剤を移行させない点が本発明の特徴で
ある。すなわち、本発明では、水に不溶な光増感剤を予
め少なくともポリオレフィン系樹脂と着色剤とを含む組
成物の粒子表面に付着させ、雰囲気を水系にすること
で、光により発生する活性点は常にこの粒子表面に限定
され、そのためグラフト効率が向上する。換言すれば、
雰囲気を水系にすることで、水に不溶な光増感剤を予め
少なくともポリオレフィン系樹脂と着色剤とを含む組成
物の粒子表面に固定した状態で活性化させ、グラフト効
率を高める。この意味から、光増感剤を溶出させないた
めに、モノマー濃度には留意する必要がある。従来の均
一系の反応では、ホモポリマーの生成量が著しく多くな
る。
【0024】上記のようにして、極性ビニルモノマー水
溶液中に、少なくともポリオレフィン系樹脂と着色剤と
を含む組成物の粒子を分散した後、攪拌しながら、紫外
線照射により極性ビニルモノマーを前記粒子表面にグラ
フト共重合する。すなわち、攪拌により紫外線(UV)
に露光される面を更新しながら、紫外線を照射し、極性
ビニルモノマーを前記粒子表面にグラフト共重合する。
共重合は酸素の影響をさけるために、不活性雰囲気下で
行なうことが好ましい。反応は極性ビニルモノマー濃
度,温度,紫外線強度,時間を適当に組み合わせること
で調節することができる。通常は、一定の紫外線ランプ
を用い、室温で極性ビニルモノマー濃度と時間でグラフ
ト量を調節することができる。所定時間反応後、濾過,
洗浄,乾燥を行なうことにより、目的とするトナー粒子
を得ることができる。
【0025】本発明の方法によれば、ポリオレフィン成
分に対し、数重量%〜数百重量%までグラフト化率を調
節可能であるが、本発明の目的としているトナー粒子と
しては、2〜100重量%の範囲のグラフト化率である
ことが好ましく、さらに好ましくは5〜30重量%のグ
ラフト化率である。
【0026】なお、グラフト共重合の方法としては、通
常は上記のように水を使用(モノマー水溶液を使用)し
て行なうが、場合によっては気相法を使用して行なうこ
ともできる。この気相法の場合、少なくともポリオレフ
ィン系樹脂と着色剤とを含む組成物の粒子(前記組成物
を粉砕して得られる粒子)を光増感剤溶液に浸漬し、乾
燥させて表面に増感剤を付着させ(ここまでは水を使用
する場合と同じ)、これを攪拌混合し、表面が更新され
る条件下、不活性雰囲気下で極性ビニルモノマー蒸気
(蒸気状極性ビニルモノマー)と接触させつつ、紫外線
照射を行えばよい。
【0027】上記グラフト重合の反応後、反応生成物を
濾過し、さらにこれを極性ビニルモノマー及びポリオレ
フィン系樹脂などを溶解する溶剤で洗浄する。通常は水
を使用すればよい。本発明の方法の利点はグラフト率が
高く、水層でのホモポリマーの生成が少ないことであ
る。残留極性ビニルモノマー及び少量のポリオレフィン
系樹脂を通常は水で洗浄除去する。
【0028】上記洗浄の後、乾燥を行なう。乾燥は通常
の乾燥法により行なえばよく、例えば風乾,熱風乾燥,
真空乾燥等により行なうことができる。乾燥した時点
で、当初粉砕した微粒子の状態で組成物が得られる。場
合により、この時点で再度微粉砕し、粒径の調整を行な
うことも可能である。
【0029】本発明の方法においては、原料ポリオレ
フィン系樹脂の粒子形態を保ったまま反応が進行し、
極性ビニルモノマーのグラフト効率が高いものであり、
極性ビニルモノマーの種類により粒子表面の状態を酸
性側から塩基性側まで幅広く変化させることができる。
【0030】本発明の静電荷像現像トナー粒子は、上記
の方法により製造されたものであり、本発明のトナー粒
子を用いれば、ブロッキングを生ずる温度が比較的高
く、且つ定着下限温度が比較的低く、また定着温度巾が
広範なトナーとなる。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。
【0032】実施例1 (1)トナーの製造 ポリエチレン(密度=0.91g/cm3 ,軟化点11
0℃)100重量部,カーボンブラック(ダイヤブラッ
クSH,三菱化成工業社製)5重量部及びオイルカラー
(オイルブラックBW,オリエント化学社製)3重量部
を混合し、加熱された3本ロールを用いて均一に混練り
し、冷却後に粗粉砕し、更にジェットミルで約15μm
の平均粒度を有するトナー用粒子を調製した。このトナ
ー用粒子を、ベンゾフェノンの2重量%アセトン溶液に
含浸した後、風乾した。次いで500ml容のセパラブ
ルフラスコに、このトナー用粒子100gとアクリル酸
の30重量%水溶液350mlを仕込み、窒素雰囲気下
で攪拌しながら紫外線照射を20分間行ない、反応後、
濾別し、さらに水洗乾燥して、グラフト化率18重量%
のトナー粒子を得た。
【0033】(2)乾式現像剤の製造と評価 このトナー4重量部を平均粒度70μmの鉄粉キャリヤ
ー(日本鉄粉製、商品名:EFV250/400)96
重量部と混合して現像剤を作り、この現像剤を用いて、
通常の電子写真法によって形成した静電荷像を現像した
後、トナー像を転写紙上に転写し、表面をシリコーン樹
脂で被覆した(オフセット現象を生じさせないために、
シリコーン樹脂で被覆した離型層を設けた)加熱ローラ
ーで定着した。定着ロールの温度を変え、オフセット現
象が起きることなく定着できる温度巾(定着温度幅)を
調べたところ、122〜168℃であった。このトナー
5gをガラス瓶に入れ、40〜75℃の各温度で2時間
放置した後、粒子の合着から耐ブロッキング性を評価し
た。60℃以下ではブロッキングは発生しなかった。
【0034】実施例2 実施例1において、ポリエチレン100重量部の代わり
に、スチレン/メタクリル酸ブチル50重量部とポリエ
チレン(密度0.91g/cm3 ,軟化点110℃)5
0重量部との混合物を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして、混合物粒子のポリオレフィン部分へのアクリ
ル酸のグラフト化率が20重量%のトナーを得、このト
ナーを用いて現像液を調製した。定着温度幅は130〜
175℃であった。また、トナーは65℃以下ではブロ
ッキングを起こしていなかった。
【0035】実施例3 実施例1において、ポリエチレン100重量部の代わり
に、スチレン/メタクリル酸ブチル50重量部とエチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体(アクリル酸エチル含量
6重量%,軟化点90℃)50重量部との混合物を用い
たこと、かつ極性ビニルモノマーとしてN,N−ジメチ
ルアミノプロピルアミドを用いたこと以外は、実施例1
と同様の操作でグラフト化率が22重量%のトナーを
得、このトナーを用いて現像剤を調製した。定着温度幅
は106〜170℃であった。また、トナーは64℃以
下ではブロッキングを起こしていなかった。
【0036】実施例4 実施例1において、ポリエチレン100重量部の代わり
に、ポリエチレン(密度=0.91g/cm3 ,軟化点
110℃)50重量部とポリプロピレン(アタクチック
タイプ,軟化点60℃)50重量部との混合物を用いた
こと、かつ極性ビニルモノマーとしてアクリロイルモル
ホリンを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてグラ
フト化率が25重量%のトナーを得、このトナーを用い
て現像剤を調製した。定着温度幅は85〜150℃であ
った。また、トナーは65℃以下ではブロッキングを起
こしていなかった。
【0037】実施例5 実施例1において、ポリエチレン100重量部の代わり
に、ポリエステル樹脂(1,4−ビス−2−ヒドロキシ
2−メチルエトキシベンゼン,エチレングリコール,無
水トリメリット酸及びセバシン酸から得たものである。
軟化点130℃,ガラス転移点51℃)70重量部とポ
リエチレン(密度=0.91g/cm3,軟化点110
℃)30重量部との混合物を用い、かつ極性ビニルモノ
マーとしてアクリロイルモルホリンを用いたこと以外
は、実施例1と同様にしてグラフト化率が18重量%の
トナーを得、このトナーを用いて現像剤を調製した。定
着温度幅は123〜170℃であった。また、トナーは
68℃以下ではブロッキングを発生しなかった。
【0038】比較例1 実施例1におけるポリエチレンとカーボンブラック及び
オイルカラーの混練物の粒子をグラフト共重合すること
なくトナーとして用いたこと以外は、実施例1と同様に
して現像剤を製造し、定着温度幅を測定したところ、1
20〜160℃であった。また、実施例1と同様の操作
で耐ブロッキング性の評価をしたところ、50℃以上に
おいてはブロッキングが発生した。
【0039】比較例2 比較例1において、ポリエチレンの代わりに、スチレン
/メタクリル酸ブチル樹脂(スチレン含量63重量%,
メタクリル酸ブチル含量37重量%、軟化点135℃)
を用いたこと以外は、比較例1と同様にしてトナーを調
製し、現像剤を調製してその特性を測定した。定着温度
幅は140〜180℃であり、またトナーは56℃以上
でブロッキングを発生した。
【0040】
【発明の効果】本発明のトナー粒子によれば、良好な耐
ブロッキング性を有し、且つ定着温度幅が広いトナーが
得られる。換言すれば、ブロッキングを生ずる温度が比
較的高く、且つ定着下限温度が比較的低く、また定着温
度巾が広範なトナーを得ることができる。それ故、本発
明のトナー粒子は、広範囲な機器に対して適用すること
が可能である。また、本発明の方法によれば、上記した
如きトナー粒子を効率よく製造することができる。さら
に、本発明の方法によれば、極性ビニルモノマーの種類
を選択することによって、粒子表面の状態を酸性側から
塩基性側まで幅広く変化させることができる。本発明の
方法によれば、原料ポリオレフィン系樹脂の粒子形態
を保ったまま反応が進行し、極性ビニルモノマーのグ
ラフト効率が高いものである。従って、本発明は、電子
写真など記録情報機器分野において有効に利用すること
ができる。
【0041】次に、本発明の各種態様を示すと、以下の
通りである。 (1).少なくともポリオレフィン系樹脂と着色剤とを
含む組成物の粒子表面に極性ビニルモノマーをグラフト
共重合してなるトナー粒子。
【0042】(2).グラフト化率が2〜100重量%
である前記(1)記載のトナー粒子。
【0043】(3).少なくともポリオレフィン系樹脂
と着色剤とを含む組成物の粒子を、極性ビニルモノマー
を含む水系に分散し、紫外線照射により極性ビニルモノ
マーを前記粒子表面にグラフト共重合することを特徴と
するトナー粒子の製造方法。
【0044】(4).少なくともポリオレフィン系樹脂
と着色剤とを含む組成物の粒子が、光増感剤を塗布され
たものである前記(3)記載のトナー粒子の製造方法。
【0045】(5).極性ビニルモノマーの濃度が、5
〜40重量%である前記(3)記載のトナー粒子の製造
方法。
【0046】(6).ポリオレフィン系樹脂が、低密度
ポリエチレン,エチレン−プロピレン共重合体又はエチ
レン−酢酸ビニル共重合体である前記(3)記載のトナ
ー粒子の製造方法。
【0047】(7).極性ビニルモノマーが アクリル
酸、アクリロイルモルホリン、ビニルピロリドン又はヒ
ドロキシエチルメタクリレートである前記(3)記載の
トナー粒子の製造方法。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともポリオレフィン系樹脂と着色
    剤とを含む組成物の粒子表面に極性ビニルモノマーをグ
    ラフト共重合してなるトナー粒子。
  2. 【請求項2】 少なくともポリオレフィン系樹脂と着色
    剤とを含む組成物の粒子を、極性ビニルモノマーを含む
    水系に分散し、紫外線照射により極性ビニルモノマーを
    前記粒子表面にグラフト共重合することを特徴とするト
    ナー粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくともポリオレフィン系樹脂と着色
    剤とを含む組成物の粒子が、光増感剤を塗布されたもの
    である請求項2記載のトナー粒子の製造方法。
JP6193795A 1994-07-27 1994-07-27 トナー粒子とその製造方法 Pending JPH0844106A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014173004A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Sumitomo Rubber Ind Ltd 立体形状物の表面改質方法及び注射器用ガスケット

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