JPH0843212A - 多色放射温度計の温度測定方法及び装置 - Google Patents

多色放射温度計の温度測定方法及び装置

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JPH0843212A
JPH0843212A JP17806694A JP17806694A JPH0843212A JP H0843212 A JPH0843212 A JP H0843212A JP 17806694 A JP17806694 A JP 17806694A JP 17806694 A JP17806694 A JP 17806694A JP H0843212 A JPH0843212 A JP H0843212A
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brightness
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JP17806694A
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Mirai Ootsuki
未来 大月
Akira Torao
彰 虎尾
Shinichi Takechi
真一 武智
Takatoshi Goto
貴敏 後藤
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 予め作成した放射率特性関数を用いて温度補
正計算を行う多色放射温度計で測温する際、放射率特性
関数をオンラインで自動的作成する。 【構成】 ライン上を移動する鋼板Sについて異なる条
件で2つの輝度温度S1、S2 を検出する検出器10
と、同種の鋼板Sについて予め作成した放射率特性関数
を格納する記憶装置12と、検出器10で検出した2つ
の輝度温度と、記憶装置12から読み出した上記特性関
数とを用いて温度の補正計算を行い、鋼板の温度を求め
る第2演算器16とを備えた温度測定装置で、ライン上
を移動する鋼板Sに対して接触と非接触とを選択可能な
測温ロール22と、検出器10で検出した2つの輝度温
度と、同時に測温ロール22で測定した温度Tとから、
分光放射率ε1 、ε2 を算出し、該分光放射率を用いて
放射率特性関数を作成し、記憶装置12に格納する第3
〜第5演算器を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多色放射温度計の温度
測定方法及び装置、特に温度補正計算に用いる放射率特
性関数のデータが作成されていない被測温体について通
常の作業を継続しながらデータを作成できる多色放射温
度計の温度測定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、連続焼鈍ライン、亜鉛メッキラ
イン、圧延ライン等では、鋼帯、ステンレス、アルミニ
ウム等の材料表面に傷を付けずに、温度を連続的に測定
するために放射温度計を用いた非接触式の測温方法が採
用されている。
【0003】これに関連した技術としては、例えば、特
公平3−4855に、互いに異なる2波長帯λ1 、λ2
における各々の熱放射エネルギーの比と各々の分光放射
率ε 1 、ε2 の比ε1 /ε2 から、被測温体の温度計測
を行う2色放射温度計が開示されている。
【0004】この2色放射温度計では、まず、前記2波
長帯λ1 、λ2 について成り立つ下記(1)式、(2)
式のウイーンの式から導かれる(3)式に、これら2波
長帯における被測温体からの熱放射エネルギーから演算
される黒体としての温度S1、S2 (以下、輝度温度と
いう)を代入して、各々の分光放射率ε1 、ε2 の累乗
比(ε1 **λ1 )/(ε2 **λ2 )を求める。なお、便
宜上、この明細書では、εのλ乗をε**λで表わす。
又、下記式でC2 はPlankの第2定数(=14388μ
m ・K)である。
【0005】 1/T=1/S1 +(λ1 /C2 )ln(ε1 ) …(1) 1/T=1/S2 +(λ2 /C2 )ln(ε2 ) …(2) (ε1 **λ1 )/(ε2 **λ2 )=exp {C2 (1/S2 −1/S1 )} …(3)
【0006】次いで、同種の被測温体について、予め測
定値に基づいて求め、且つ記憶させてある次の(4)式
で表わすことができる累乗比(ε1 **λ1 )/(ε2 **
λ2)と比ε1 /ε2 との相関曲線(放射率特性関数)
を用いて、実測に基づく上記累乗比(ε1 **λ1 )/
(ε2 **λ2 )をこの関数に適用して比ε1 /ε2 を求
めると共に、該比ε1 /ε2 及び前記2波長帯λ1 、λ
2 における輝度温度S1、S2 等を、次の(5)式に代
入して被測温体の温度Tを求めている。
【0007】 ε1 /ε2 =f {(ε1 **λ1 )/(ε1 **λ2 )} …(4) 1/T={λ2 /S1 −λ1 /S2 +(λ2 λ1 /C2 )ln(ε1 /ε2 )}÷(λ2 −λ1 ) …(5)
【0008】又、特開平2−85730号公報には、異
なる測定条件で測定された2つの分光放射輝度信号を基
にして、これら分光放射輝度信号に対応する2つの分光
放射率ε1 、ε2 間の被測定物体に固有な既知の関係式
を解くことによって加熱物体の温度を求める放射測温法
が開示されている。ここでは、上記2つの分光放射輝度
信号は、波長、測定角度、及び偏光成分のうち少なくと
も1つ以上の条件が異なる状態で測定される。又、両分
光放射率ε1 、ε2 間の被測定物体に固有な上記関係式
(放射率特性関数)は次の(6)式で表わされ、この式
は実測に先立って実験的に、又は理論的な解析によって
求められる。
【0009】ε1 =f (ε2 ) …(6)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
異なる2波長帯λ1 、λ2 における前記(4)式に示し
た相関関係や、(6)式に示した相関関係等のような、
放射温度計における温度補正計算に必要とされる放射率
特性関数は、鋼種や表面状態(粗度等の性状、酸化状
態、合金化状態)等によって異なるので、新鋼種や過去
に測定したことのない新しい表面状態の鋼板を測定する
場合には、これらの放射率特性関数を予めオフラインで
実験等により求め、多項式や数表としてコンピュータ等
の記憶装置に記憶する作業を事前に行われなければなら
なかった。
【0011】これを具体的に説明すると、例えば前記特
公平3−4855号公報に開示されている2色放射温度
計の場合は、オフライン実験により、被測温体の温度を
単色放射温度計と接触式温度計とを用いて同時に測定
し、接触式温度計に指示される被測温体の真温度に各々
の単色放射温度計の異なる2波長帯λ1 及びλ2 におけ
る温度指示値が一致するように、各々の単色放射温度計
の分光放射率ε1 及びε 2 を調整し、このときのλ1
λ2 及びε1 及びε2 の値より累乗比(ε1 **λ 1 )/
(ε2 **λ2 )と比ε1 /ε2 を計算して、前記(4)
式に示した相関関係(放射率特性関数)を求めていた。
【0012】従って、従来の2色放射温度計等のよう
に、放射率特性関数を用いて温度補正計算を行う測温技
術では、鋼板等のサンプル採取、その後のオフライン実
験、相関関係の解析及び相関関係(放射率特性関数)を
多項式や数表として記憶装置に入力する等の作業のため
に多大な時間と労力が必要であった。
【0013】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、2以上の異なる条件で検出した輝度
温度と、予め作成された放射率特性関数とを用いて温度
補正計算を行う多色放射温度計により測温する際に、従
来はオフラインで実験等により求めていた放射率特性関
数をオンラインで自動的に求めることができる多色放射
温度計の温度測定方法及び装置を提供することを課題と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、被測温体につ
いて異なる条件で検出される2以上の輝度温度と、同種
の被測温体について予め作成してある放射率特性関数を
用いて温度補正計算を行い、計算結果を上記被測温体の
温度とする多色放射温度計の温度測定方法であって、ラ
イン上を移動する被測温体について、2以上の輝度温度
の検出と、接触温度の測定とを同時に実行し、検出され
た各輝度温度について、測定された接触温度との関係か
ら、それぞれ分光放射率を算出し、算出された各分光放
射率を用いて放射率特性関数を作成し、保存することに
より、前記課題を解決したものである。
【0015】本発明は、又、上記温度測定方法におい
て、接触温度を、回転する感熱部を有する接触式温度計
で測定するようにしたものである。
【0016】本発明は、又、ライン上を移動する被測温
体について2以上の輝度温度を異なる条件で検出する輝
度温度検出手段と、同種の被測温体について予め作成し
た放射率特性関数を格納する記憶手段と、上記輝度温度
検出手段で検出した2以上の輝度温度と、上記記憶手段
から読み出した放射率特性関数とを用いて温度の補正計
算を行い、上記被測温体の温度を計算する温度演算手段
と、を備えた多色放射温度計の温度測定装置であって、
ライン上を移動する被測温体に対する接触と非接触との
選択が可能な接触式温度計と、被測温体について、上記
輝度温度検出手段で検出した2以上の輝度温度と、この
検出と同時に上記接触式温度計で測定した接触温度とか
ら、各輝度温度についての分光放射率を算出すると共
に、算出された2以上の分光放射率を用いて放射率特性
関数を作成し、上記記憶手段に格納する関数データ作成
手段と、を備えていることにより、同様に前記課題を解
決したものである。
【0017】本発明は、又、上記温度測定装置におい
て、接触式温度計が、回転する感熱部を有するようにし
たものである。
【0018】本発明は、更に、上記温度測定装置におい
て、接触式温度計が、輝度温度検出手段による検出面と
反対側の被測温体の面に接触可能な位置に配設されてい
るようにしたものである。
【0019】
【作用】本発明においては、ラインを移動する被測温体
について、多色放射温度計による2以上の輝度温度の検
出と、接触温度計による温度の測定とを同時に実行し、
検出された各輝度温度について、測定された接触温度と
の関係に基づいてそれぞれ分光放射率を算出し、算出さ
れた各分光放射率を用いて放射率特性関数を作成し、保
存するようにしたので、放射率特性関数が作成されてい
ない被測温体を測温する場合には、始めは、接触式温度
計による測温と2以上の輝度温度の検出とを同時に実行
することにより、初期段階には接触温度計による正確な
測温を行うと共に、その測温時に取得したデータを用い
てオンラインで放射率特性関数を作成することが可能と
なり、その後は多色放射温度計による測温作業に移行で
きるため、被測温体が新種の場合であっても、予めオフ
ラインで放射率特性関数を作成することなく、最初から
通常の生産作業を行うことができるため、生産性の向上
を図ることができる。
【0020】以下、放射率特性関数として前記(4)式
に示した放射率の比と累乗比との相関関係を採用した2
色放射温度計で鋼板の温度を測定する場合を例にして更
に詳細に説明する。
【0021】温度測定装置としては、被測温体が移動す
る生産ラインに、2色放射温度計と、被測温体に対して
接触又は非接触を選択することができる接触温度計とが
設置されたものを使用する。そして、放射率特性関数が
作成されていない新しい鋼種又は新しい表面状態の鋼板
を測温する場合、最初は上記接触温度計を被測温体に接
触させてその温度(真温度)Tを測定すると同時に、2
色放射温度計により異なる既知の2波長λ1 、λ2 につ
いての輝度温度S1 、S2 を検出する。
【0022】このようにして得られた温度T、同温度で
検出された異なる2波長帯λ1 、λ 2 における輝度温度
出力S1 、S2 、及び2波長λ1 、λ2 の値を、前記
(1)式、(2)式から導かれる次の(7)式、(8)
式の右辺に代入することにより、対応する分光放射率ε
1 及びε2 を算出する。
【0023】 ε1 =exp {(C2 /λ1 )(1/T−1/S1 )} …(7) ε2 =exp {(C2 /λ2 )(1/T−1/S2 )} …(8)
【0024】算出した上記分光放射ε1 、ε2 及び対応
する既知の2波長λ1 、λ2 とから、1組の(ε1 **λ
1 )/(ε2 **λ2 )とε1 /ε2 との関係(1組の分
光放射率の関数の関係)を求める。
【0025】以上の作業を、例えば鋼種と表面状態を一
定とし、温度を変化させて行い、複数組のデーターを集
める。このようにすることにより、鋼種と表面状態で特
徴付けて分類された分光放射率の関数の相関関係(放射
率特性関数)を求めることができる。この放射率特性関
数は、例えば数表や異なる2点以上の値を用いて作成し
た直線近似式や2次式以上の近似式として記憶し、放射
率特性関数の作成作業を完了する。
【0026】本発明では、上記放射率特性関数の作成が
完了するまでの間、被測温体の温度は接触式温度計によ
り検出できるので、最初から生産を行いながら前記
(4)式で与えられる放射率特性関数をオンラインで自
動的に作成することができる。
【0027】以上のようにして放射率特性関数が完成し
たら、2色放射温度計により被測温体の温度の測定を開
始する。この測定は、接触式温度計を被測温体から非接
触になるようにし、前記特公平3−4855号公報に記
載されている従来の方法と同様に、異なる輝度温度出力
1 、S2 と、既に上述した方法で求めた放射率特性関
数を用いて補正計算を行うことにより温度を求めること
ができる。
【0028】即ち、2色放射温度計の異なる2波長帯λ
1 とλ2 における輝度温度出力S1とS2 を前記(3)
式の右辺に代入して、左辺の累乗比を求め、オンライン
で予め求めてある前記(4)式の相関関係から、上記累
乗比の値に対応する分光放射率の比ε1 /ε2 を求め、
該比、上記輝度温度出力S1 、S2 及び既知の2波長λ
1 、λ2 とを前記(5)式に代入し、その逆数を取るこ
とにより2色温度計の温度Tを計算できる。
【0029】又、本発明において、2色放射温度計にお
よる測温を行いながら、適宜接触式温度計を被測温体に
接触させることにより該被測温体の真温度を検出するこ
とができるため、放射温度計の点検を生産ラインを停止
させることなく行うことができる利点もある。
【0030】即ち、接触式温度計で接触温度を測定した
結果、2色放射温度計の指示値が、接触式温度計の指示
値(真温度)に対して、予め設定してある許容温度誤差
以内であれば正常であると判断できる。逆に、2色放射
温度計の指示値が、接触式温度計の指示値に対して許容
誤差以上であるときには、該2色放射温度計の検出素子
に経時的な劣化が生じているか、あるいは該放射温度計
のレンズやのぞき窓に粉塵、油等の異物が付着している
可能性があるのでこれらの点検を行い、異常があれば交
換や清掃を行うことができる。
【0031】上記放射温度計では、経時的に検出素子の
劣化が生じるために、被測温体から同じ熱放射量を受け
ても温度出力が異なったり、又は、粉塵や油等の異物が
放射温度計のレンズやのぞき窓に付着する等のために、
放射温度計の検出素子における熱放射量が小さくなった
りし易いので、上記の如くラインを停止させることなく
放射温度計の点検ができることは極めて有効である。
【0032】又、本発明に適用される接触温度計とし
は、回転する感熱部を有する測温ロールをあげることが
でき、この測温ロールを使用する場合には被測温体の表
面に傷を付けることなく測温できる。
【0033】この測温ロールとしては、例えば特開平4
−155231号公報に開示されている、表面近くに熱
電対を埋め込んだ測温ロールを使用できる。この測温ロ
ールは、被測温体に接触させるために、そのロールの表
面を使用する時間毎に手入する必要があるが、本発明に
よれば測温ロールを被測温体に接触させる時間を、放射
率特性関数を求めるときと、2色放射温度計の点検のと
きに限定することができるので、ロール表面の手入をす
る頻度を少なくすることができる。
【0034】なお、この測温ロールで被測温体の接触温
度を測定する場合、ロールの熱容量が大きいので、被測
温体自体の温度変化が大きいと測定誤差が発生し易いた
め、例えば10分間の変化が±10℃以下であるよう
な、温度の変動幅が小さい条件で測定することが好まし
い。
【0035】又、2色放射温度計で温度の補正計算に使
用する放射率特性関数としては、前記特開平2−857
30号公報に開示されている前記(6)式で示した分光
放射率間の関係であってもよい。この関係を使用する場
合には、同公報に記載されている方法と同様に、輝度温
度S1 、S2 を前記(1)式、(2)式に適用して算出
される分光放射率ε1 、ε2 の関係と、放射率特性関数
とが一致するときの仮定温度を放射温度計による測定温
度とすることができる。
【0036】又、本発明において、接触式温度計が、輝
度温度検出手段による検出面と反対側の被測温体の面に
接触可能な位置に配設されているようにする場合には、
多色放射温度計と接触式温度計により、実質的に同一位
置の被測温体の温度を測定することができるため、精度
の高い放射率特性関数を作成することができる。
【0037】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
いて詳細に説明する。
【0038】図1は、本発明に係る1実施例の温度測定
装置の概略構成を示すブロック図である。
【0039】本実施例の温度測定装置は、異なる2波長
帯λ1 、λ2 における輝度温度S1、S2 を検出し、検
出されたS1 、S2 を前記(3)式に代入して累乗比
(ε1**λ1 /(ε2 **λ2 )を求めると共に、予め作
成してある累乗比と比ε1 /ε 2 との相関関係を使用す
る補正計算により温度を求める2色放射温度計の温度測
定装置である。
【0040】本実施例の温度測定装置は、ライン上を移
動する鋼板(被測温体)Sについて2つの輝度温度
1 、S2 を検出する輝度温度検出器10と、同種鋼板
について予め作成した前記(4)式で表わされる放射率
特性関数を格納する記憶装置12と、上記輝度温度検出
器10で検出した2つの輝度温度S1 、S2 を前記
(3)式に適用して左辺の累乗比を算出する第1演算器
14と、該累乗比に該当する分光放射率の比ε1 /ε2
を上記記憶装置12から読み出した放射率特性関数を用
いて求め、該比ε1 /ε2 を前記(5)式に適用して温
度の補正計算を行い、上記鋼板Sの温度を算出する第2
演算器16とを備え、該第2演算器16で算出した温度
を、出力装置18により出力するようになっている。
【0041】又、上記温度測定装置では、ライン上を移
動する鋼板Sに対する接触と非接触とが昇降装置20の
昇降動作によって選択可能な、回転する感熱部を有する
測温ローラ(接触式温度計)22と、鋼板Sについて、
上記輝度温度検出器10で検出した2つの輝度温度
1 、S2 と、この検出と同時に上記測温ローラ22で
測定した信号を変換器24により変換して求めた接触温
度Tとから、前記(4)式の放射率特性関数を作成し、
上記記憶装置12に格納する関数データ作成手段とを備
えている。
【0042】この関数データ作成手段は、前記(1)
式、(2)式により各輝度温度S1 、S2 についての放
射率ε1 、ε2 を算出する第3演算器26と、算出され
た2つの放射率ε1 、ε2 を用いて累乗比を計算する第
4演算器28と、同じく比ε1/ε2 を計算する第5演
算器30と、装置全体を制御する制御装置(図示せず)
とで構成され、該制御装置により第4演算器28と第5
演算器30の計算結果から放射率特性関数を作成すると
共に、それを記憶装置12に記憶したり、ここから読み
出したりできるようになっている。
【0043】又、上記測定装置では、測温ローラ22に
よって測定された温度Tが前記出力装置18により直接
出力できるようになっいてる。
【0044】上述した本実施例の温度測定装置を用い
て、まず、新鋼種又は新しい表面状態の鋼板について、
前記(4)式の放射率特性関数を求める方法について説
明する。
【0045】測温ロール22を昇降装置20により上昇
させて鋼板Sに接触させ、通常作業を開始し、該測温ロ
ール22の温度検出信号を変換器24で温度に変換して
鋼板Sの測定温度Tを求めると同時に、検出器10によ
り輝度温度S1 、S2 を検出し、これら各値を前記第3
演算器26に出力すると共に、温度Tは出力装置18か
らも出力する。
【0046】次いで、上記第3演算器26により、上記
測定温度Tと、輝度温度検出器10の輝度温度出力
1 、S2 とから、前記(1)式、(2)式から導かれ
る前記(7)式、(8)式の右辺を計算し、分光放射率
ε1 及びε2 を求め、これらを第4演算器及び第5演算
器30に出力する。
【0047】上記分光放射率ε1 、ε2 及び既知の2色
温度計の2波長帯λ1 、λ2 の値とから前記第4演算器
28で(ε1 **λ1 )/(ε2 **λ2 )を求め、又、前
記第5演算器28で同分光放射率から比ε1 /ε2 を求
め、この比と上記(ε1 **λ 1 )/(ε2 **λ2 )の関
係を放射率特性関数として記憶装置12に記憶する。
【0048】この放射率特性関数は、鋼種毎に、又、必
要に応じて温度あるいは表面状態毎に分類した数表とし
て記憶する。例えば、温度毎に分類する場合は、ある温
度で表面状態を変化させ、又、表面状態毎に分類する場
合は、ある表面状態において温度を変化させて、それぞ
れ(ε1 **λ1 )/(ε2 **λ2 )とε1 /ε2 との関
係を記憶装置12に記憶する。なお、その際、この記憶
装置12に対しては、記憶された異なる2点以上の値を
用いて、上記放射率特性関数の関係を直線近似式や2次
式以上の近似式として記憶してもよい。
【0049】以上の作業により鋼板Sについて、オンラ
インで放射率特性関数が作成されたら、2色放射温度計
による本来の測温に切替える。この2色放射温度計によ
る測温は、以下のようにして行う。
【0050】まず、実操業と放射率特性関数の作成のた
めに用いた前記測温ロール22を昇降装置20により下
降させて鋼板Sと非接触な状態にする。次いで、第1演
算器14で検出器10からの輝度温度出力S1 、S2
前記(3)式の右辺に代入して左辺の累乗比を求め、こ
の累乗比の値を現在生産している鋼種についてオンライ
ン作成した上記放射率特性関数に適用し、検出値に対応
するε1 /ε2 の値を記憶装置12から求める。このε
1 /ε2 及び前記検出器10の輝度温度出力S 1
2 、2波長λ1 、λ2 の値を、第2演算器16で前記
(5)式に代入し、その逆数を取って2色放射温度計の
温度Tを求め、この温度Tを前記出力装置18により出
力する。
【0051】上述した如く、上記温度測定装置では、鋼
板Sに対して、放射率特性関数の作成前には測温ロール
22による測定温度を、放射率特性関数作成後は検出器
10による輝度温度S1 、S2 を用いて第2演算器16
で算出される2色放射温度計による測定温度を、出力装
置18から出力できる。
【0052】又、本実施例では、2色放射温度計の点検
をラインを停止させることなく容易に行うことができ
る。この点検は、非接触にしてあった測温ロール22を
昇降装置20により再び鋼板Sに接触する状態にし、測
温ロール22で真温度Tを検出し、この温度と前記2色
放射温度計による同時点における温度出力と比較するこ
とにより行う。この両者の温度差が許容誤差以内であれ
ば正常であるとし、許容誤差以上のときには、2色放射
温度計の検出素子が経時的に劣化している、あるいは粉
塵、油等の遺物が放射温度計のレンズやのぞき窓に付着
している可能性があるので、これらの点検を行い、異常
があれば交換や清掃を行う。
【0053】以上詳述した本実施例によれば、2色放射
温度計による鋼板Sの温度測定において鋼板Sの温度を
測温ロール22で同時に測定することにより、分光放射
率の関数の相関関係(放射率特性関数)をオンラインで
自動的に求めることができるため、オフライン実験で放
射率特性関数を求める場合に比して多大な時間と労力が
削減できる。
【0054】又、2色放射温度計の点検を生産ラインを
停止することなく行うことができるので、生産性を向上
することができる。
【0055】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に示したものに限られるもの
でなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
る。
【0056】例えば、前記実施例では2色放射温度計の
放射率特性関数として、前記(4)式の関数を用いた場
合について示したが、これに限られず、前記(6)式の
関係、又は次の(9)式や(10)式の関係を用いても
よい。
【0057】 ε1 =f {(ε1 **λ1 )/(ε2 **λ2 )} …(9) ε2 =f {(ε1 **λ1 )/(ε2 **λ2 )} …(10)
【0058】又、本発明は、2色放射温度計を用いるも
のに限らず、3波長帯以上の輝度温度を検出する多色放
射温度計を用いてもよい。
【0059】いま、n 個の波長帯λ1 、λ2 ・・・λn
について検出した輝度温度S1 、S 2 ・・・Sn からそ
れぞれに対応する分光放射率ε1 、ε2 、・・・εn
算出する場合を考えると、放射率特性関数としては、例
えば、次の(11)式の関係を使用できる。
【0060】
【数1】
【0061】又、このとき例えば次の(12)式により
n 通りの鋼板温度T1 、T2 、・・・、Tn が求まる。
【0062】
【数2】
【0063】上記n 通りの鋼板温度T1 、T2 、・・
・、Tn から(13)式で、その平均値をとって鋼板温
度TM とする。
【0064】
【数3】
【0065】(13)式で平均値を求める場合、異常値
を除外して求めても良い。
【0066】
【発明の効果】以上説明したとおり、請求項1又は3の
発明によれば、2以上の異なる条件で検出した輝度温度
と、予め作成された放射率特性関数とを用いて温度補正
計算を行う多色放射温度計により測温する際に、従来は
オフライン実験等で求めていた放射率特性関数をオンラ
インで自動的に求めることができる。
【0067】又、請求項2又は4の発明によれば、被測
温体の表面に傷を付けることなくその接触温度を測定で
きる。
【0068】又、請求項5の発明によれば、多色放射温
度計と接触式温度計により、実質的に同一位置の被測温
体の温度を測定することができるため、精度の高い放射
率特性関数を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る1実施例の2色放射温度計の温度
測定装置の概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
10…輝度温度検出器 12…記憶装置 14…第1演算器 16…第2演算器 18…出力装置 20…昇降装置 22…測温ロール 24…変換器 26…第3演算器 28…第4演算器 30…第5演算器 S…鋼板 S1 、S2 …輝度温度 λ1 、λ2 …分光波長帯 ε1 、ε2 …分光放射率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武智 真一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼開発・生産本部千葉製鉄所 内 (72)発明者 後藤 貴敏 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼開発・生産本部千葉製鉄所 内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測温体について異なる条件で検出される
    2以上の輝度温度と、同種の被測温体について予め作成
    してある放射率特性関数を用いて温度補正計算を行い、
    計算結果を上記被測温体の温度とする多色放射温度計の
    温度測定方法であって、 ライン上を移動する被測温体について、2以上の輝度温
    度の検出と、接触温度の測定とを同時に実行し、 検出された各輝度温度について、測定された接触温度と
    の関係から、それぞれ分光放射率を算出し、 算出された各分光放射率を用いて放射率特性関数を作成
    し、保存することを特徴とする多色放射温度計の温度測
    定方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 接触温度を、回転する感熱部を有する接触式温度計で測
    定することを特徴とする多色放射温度計の温度測定方
    法。
  3. 【請求項3】ライン上を移動する被測温体について2以
    上の輝度温度を異なる条件で検出する輝度温度検出手段
    と、 同種の被測温体について予め作成した放射率特性関数を
    格納する記憶手段と、 上記輝度温度検出手段で検出した2以上の輝度温度と、
    上記記憶手段から読み出した放射率特性関数とを用いて
    温度の補正計算を行い、上記被測温体の温度を計算する
    温度演算手段と、を備えた多色放射温度計の温度測定装
    置であって、 ライン上を移動する被測温体に対する接触と非接触との
    選択が可能な接触式温度計と、 被測温体について、上記輝度温度検出手段で検出した2
    以上の輝度温度と、この検出と同時に上記接触式温度計
    で測定した接触温度とから、各輝度温度についての分光
    放射率を算出すると共に、算出された2以上の分光放射
    率を用いて放射率特性関数を作成し、上記記憶手段に格
    納する関数データ作成手段と、を備えていることを特徴
    とする多色放射温度計の温度測定装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、 接触式温度計が、回転する感熱部を有することを特徴と
    する多色放射温度計の温度測定装置。
  5. 【請求項5】請求項3において、 接触式温度計が、輝度温度検出手段による検出面と反対
    側の被測温体の面に接触可能な位置に配設されているこ
    とを特徴とする多色放射温度計の温度測定装置。
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