JP2632086B2 - 放射測温法及び該測温法に用いる放射温度計 - Google Patents
放射測温法及び該測温法に用いる放射温度計Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、幅広い測定対象に対して放射率の影響を低
減化した状態で測温操作をすることができる放射測温法
とその測温法に用いる放射温度計に関する。
減化した状態で測温操作をすることができる放射測温法
とその測温法に用いる放射温度計に関する。
〔従来の技術〕 従来、放射率の影響を低減化する放射温度計の測温方
式として、反射板や補助熱源を用いて反射率を測定する
方式と、二色温度計に代表される複数の波長において測
定された信号を演算して温度を求める方式が知られてい
る〔「計測と制御」第24巻、第12号(昭60.12)13〜15
頁、「計装」Vol.32,No.9(1989)69〜74頁、特開平2-8
5730号公報〕。このうち、後者の方式は前者に比べて装
置の構造が比較的簡単であるため、工業プロセス内で広
く用いられている。
式として、反射板や補助熱源を用いて反射率を測定する
方式と、二色温度計に代表される複数の波長において測
定された信号を演算して温度を求める方式が知られてい
る〔「計測と制御」第24巻、第12号(昭60.12)13〜15
頁、「計装」Vol.32,No.9(1989)69〜74頁、特開平2-8
5730号公報〕。このうち、後者の方式は前者に比べて装
置の構造が比較的簡単であるため、工業プロセス内で広
く用いられている。
上記の方法はいずれも測定波長での放射率間に一定の
関数関係を設定しており、この関数関係の設定方法にそ
れぞれ特徴がある。ところが、この関数関係を設定する
ために適用範囲が制約を受け、限定された対象物しか測
定することができない問題点がある。
関数関係を設定しており、この関数関係の設定方法にそ
れぞれ特徴がある。ところが、この関数関係を設定する
ために適用範囲が制約を受け、限定された対象物しか測
定することができない問題点がある。
本発明は、従来技術に比較して格段に広い対象物に対
して測温することができ、かつ放射率の影響を低減化し
た温度測定が可能な放射測温法とその測温に用いる放射
温度計の提供を目的としている。
して測温することができ、かつ放射率の影響を低減化し
た温度測定が可能な放射測温法とその測温に用いる放射
温度計の提供を目的としている。
上記の目的を達成するための本発明による放射測温法
は、二つ乃至それ以上の測定波長帯域に感度のある検出
子からの出力を用い、予め選ばれた代表的測定サンプル
を灰色体と仮定して計算された見掛けの温度と放射率と
を用いて作成された信号補正用の補間表から正しい温度
を計算することを構成上の主要な特徴とするものであ
る。
は、二つ乃至それ以上の測定波長帯域に感度のある検出
子からの出力を用い、予め選ばれた代表的測定サンプル
を灰色体と仮定して計算された見掛けの温度と放射率と
を用いて作成された信号補正用の補間表から正しい温度
を計算することを構成上の主要な特徴とするものであ
る。
また、前記の放射測温法に用いるための本発明による
放射温度計は、二つ乃至それ以上の波長帯に感度を有す
る検出子ならびに測定対象からの放射エネルギーを検出
子に導く光学系を有し、前記検出子の出力信号を用いて
信号処理をおこなうための測定サンプルを灰色体と仮定
して見掛けの温度と放射率を用いて作成された補間表が
組み込まれた信号処理回路を備える機構から構成されて
いる。
放射温度計は、二つ乃至それ以上の波長帯に感度を有す
る検出子ならびに測定対象からの放射エネルギーを検出
子に導く光学系を有し、前記検出子の出力信号を用いて
信号処理をおこなうための測定サンプルを灰色体と仮定
して見掛けの温度と放射率を用いて作成された補間表が
組み込まれた信号処理回路を備える機構から構成されて
いる。
本発明における補間表は測定サンプルを灰色体と仮定
して計算された見掛けの温度と放射率を用いて作成さ
れ、また測温物体は、例えば各種のセラミックス、酸化
膜などにより表面状態が変化する金属、各種のプラスチ
ックス、塗装された材料など広範囲の物質がサンプル対
象となる。
して計算された見掛けの温度と放射率を用いて作成さ
れ、また測温物体は、例えば各種のセラミックス、酸化
膜などにより表面状態が変化する金属、各種のプラスチ
ックス、塗装された材料など広範囲の物質がサンプル対
象となる。
以下に、本発明の原理を説明する。
第1図は本発明による放射温度計の原理図、第2図は
その光学系を示した拡大説明図、そして第3図は信号処
理回路のブロック図である。
その光学系を示した拡大説明図、そして第3図は信号処
理回路のブロック図である。
前記機構の放射温度計において、二つの異なる波長帯
域で測定サンプルの放射輝度を測定し、該サンプルを灰
色体と仮定して見掛けの温度Taと放射率εaを求める。
そして、この(Ta,εa)を用いて予めサンプルの分光
放射率から求めてある補間表から正しい温度を求める。
補間表は代表的なサンプルの分光放射率を測定し、この
分光放射率を用いてサンプル温度Tsの時のTaとεaを計
算し、その結果から作成する。したがって、(Ta,ε
a)を与えるとTsが求まるような形になる。
域で測定サンプルの放射輝度を測定し、該サンプルを灰
色体と仮定して見掛けの温度Taと放射率εaを求める。
そして、この(Ta,εa)を用いて予めサンプルの分光
放射率から求めてある補間表から正しい温度を求める。
補間表は代表的なサンプルの分光放射率を測定し、この
分光放射率を用いてサンプル温度Tsの時のTaとεaを計
算し、その結果から作成する。したがって、(Ta,ε
a)を与えるとTsが求まるような形になる。
このような原理に基づいて測温をおこなった場合、次
のようにしてサンプルの真温度Tsが測定される。
のようにしてサンプルの真温度Tsが測定される。
二つの波長帯域で黒体炉とサンプルの熱放射率を測定
した際の放射温度計出力は、次式で表される。
した際の放射温度計出力は、次式で表される。
上式において、Tは温度、λは波長、λ1〜λ2は放
射温度計No.1の測定波長、λ3〜λ4は放射温度計No.2
の測定波長、mb1(T)は放射温度計No.1の黒体測定時
の出力、mb2(T)は放射温度計No.2の黒体測定時の出
力、m1は放射温度計No.1のサンプル測定時の出力、m2は
放射温度計No.2のサンプル測定時の出力、P(λ,T)は
黒体の放射輝度、そしてε(λ)はサンプルの分光放射
率である。
射温度計No.1の測定波長、λ3〜λ4は放射温度計No.2
の測定波長、mb1(T)は放射温度計No.1の黒体測定時
の出力、mb2(T)は放射温度計No.2の黒体測定時の出
力、m1は放射温度計No.1のサンプル測定時の出力、m2は
放射温度計No.2のサンプル測定時の出力、P(λ,T)は
黒体の放射輝度、そしてε(λ)はサンプルの分光放射
率である。
サンプルを灰色体と仮定してm1,m2,mb1,mb2を用いて
見掛けの温度と放射率を計算し、mb1(T),mb2(T)
の検量線から次式(3)に従ってRb(T)の検量線を作
成する。
見掛けの温度と放射率を計算し、mb1(T),mb2(T)
の検量線から次式(3)に従ってRb(T)の検量線を作
成する。
サンプル温度をTsとして、予め求めてある分光放射率
データを用いて前掲(2)式から出力m1,m2および出力
比R=m1/m2を計算する。
データを用いて前掲(2)式から出力m1,m2および出力
比R=m1/m2を計算する。
ついで、Rb(T)の検量線を用いて、Rb(T)=Rと
なる温度Taを求める。このTaが見掛けの温度である。
なる温度Taを求める。このTaが見掛けの温度である。
また、サンプルを温度Taの灰色体と仮定した場合の放
射率εaを、次式(4)から求める。このεaが見掛け
の放射率である。
射率εaを、次式(4)から求める。このεaが見掛け
の放射率である。
測温範囲内での多様なサンプル温度Tsについて(Ta,
εa)を計算する。そして、予め求めてある代表的な測
定サンプルの分光放射率のデータについて上の計算を繰
り返して(Ts,Ta,εa)の組を求め、この組から補間表
を作成する。該補間表を図に示すと、横軸が見掛けの放
射率εa、縦軸が見掛けの温度Taとしてサンプル温度Ts
をパラメータとしたεa,Taの関係を示す曲線群が示され
る。
εa)を計算する。そして、予め求めてある代表的な測
定サンプルの分光放射率のデータについて上の計算を繰
り返して(Ts,Ta,εa)の組を求め、この組から補間表
を作成する。該補間表を図に示すと、横軸が見掛けの放
射率εa、縦軸が見掛けの温度Taとしてサンプル温度Ts
をパラメータとしたεa,Taの関係を示す曲線群が示され
る。
任意の温度のサンプルを測定してTa,εaを求め、こ
れを補間図表上にプロットし、曲線群から内挿してサン
プル真温度Tsを計算する。実際に作成される演算回路
は、この演算を適当な近似式を使ってCPU内でおこな
う。
れを補間図表上にプロットし、曲線群から内挿してサン
プル真温度Tsを計算する。実際に作成される演算回路
は、この演算を適当な近似式を使ってCPU内でおこな
う。
また、波長を二つ以上用いる場合には同様にサンプル
を灰色体と仮定することにより、見掛けの温度が複数点
求まる。補間表に用いる見掛けの温度Taは、これら複数
点の温度を算術平均して求める。この操作で、より精度
の向上が期待できる。
を灰色体と仮定することにより、見掛けの温度が複数点
求まる。補間表に用いる見掛けの温度Taは、これら複数
点の温度を算術平均して求める。この操作で、より精度
の向上が期待できる。
本発明によれば、二つ以上の波長帯に感度を有する検
出子を介して得た出力信号を信号処理回路で変換するこ
とにより正しい温度が計算される。この場合における信
号処理回路の機能は、オフラインで測定波長帯域に対応
する波長領域での分光放射率を測定して予め補間表を作
成しておき、この補間表の数値を信号処理回路に内蔵さ
れているROMやディスク等のデータ記憶装置に書き込
み、測定された信号から先ず見掛けの温度と放射率を演
算し、その結果を用いて補間表から正しい温度を求める
処理をなす。
出子を介して得た出力信号を信号処理回路で変換するこ
とにより正しい温度が計算される。この場合における信
号処理回路の機能は、オフラインで測定波長帯域に対応
する波長領域での分光放射率を測定して予め補間表を作
成しておき、この補間表の数値を信号処理回路に内蔵さ
れているROMやディスク等のデータ記憶装置に書き込
み、測定された信号から先ず見掛けの温度と放射率を演
算し、その結果を用いて補間表から正しい温度を求める
処理をなす。
このような機能に基づいて、広範な測定対象に対して
も放射率の影響が低減化した測温操作が可能になる。
も放射率の影響が低減化した測温操作が可能になる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
まず、分光放射率測定装置を用いて代表サンプルの放
射率を測定し、このデータを用いてパソコンで補間表を
作成する。該補間表を本発明による放射温度計の演算回
路に組み込まれているROMに読み込ませる。放射エネル
ギーは第2図の光学系による干渉フィルターで二色束に
分けられ、二つの検出子(検出素子1、検出素子2)で
異なった波長帯でのエネルギー強度を測定する。二つの
検出子は第3図の信号処理回路に示したように安定化の
ために熱電素子で一定温度に制御されており、光学チョ
ッパで交流化された信号は同期整流回路で直流に変換さ
れ信号処理回路に送られる。こので演算処理がおこなわ
れる。
射率を測定し、このデータを用いてパソコンで補間表を
作成する。該補間表を本発明による放射温度計の演算回
路に組み込まれているROMに読み込ませる。放射エネル
ギーは第2図の光学系による干渉フィルターで二色束に
分けられ、二つの検出子(検出素子1、検出素子2)で
異なった波長帯でのエネルギー強度を測定する。二つの
検出子は第3図の信号処理回路に示したように安定化の
ために熱電素子で一定温度に制御されており、光学チョ
ッパで交流化された信号は同期整流回路で直流に変換さ
れ信号処理回路に送られる。こので演算処理がおこなわ
れる。
演算は、例えば第4図のブロック図に示したような方
式でおこなわれる。この例では温度計が、単色式放射温
度計、二色式放射温度計および本発明による放射温度計
がそれぞれ使い分けられるように設計されている。
式でおこなわれる。この例では温度計が、単色式放射温
度計、二色式放射温度計および本発明による放射温度計
がそれぞれ使い分けられるように設計されている。
上記機構の放射温度計を用い、各種のサンプルを対象
として測温試験をおこなった。
として測温試験をおこなった。
実施例1(金属材料) 赤外域での放射率は、(比抵抗/波長)1 ] 2に比例
する。比抵抗は金属の種類、組成等によって変化し、ま
た温度に比例して変化する。しかし、波長依存性は同様
であることから、測定温度範囲を考慮して最大と最小の
放射率を示す金属の分光放射率をデータとして与えてお
く。
する。比抵抗は金属の種類、組成等によって変化し、ま
た温度に比例して変化する。しかし、波長依存性は同様
であることから、測定温度範囲を考慮して最大と最小の
放射率を示す金属の分光放射率をデータとして与えてお
く。
金属の放射率に関する補間表は、次のようにして作成
することができる。金属物性表から代表的な材料の比抵
抗を得、これを用いて放射率を計算する。
することができる。金属物性表から代表的な材料の比抵
抗を得、これを用いて放射率を計算する。
本例では、放射率の小さい物質として20℃における軟
銅の放射率ε=0.064(at λ=1.0μm)をとり、大き
い物質として500℃におけるニクロムの放射率ε=0.626
(at λ=1.0μm)を選択した。放射率は(波長)-1
] 2に比例するので、λ=1.0μm以外の波長における
放射率もこの値から計算する。このようにして分光放射
率を計算し、二つのデータから補間表を作成した。第5
図は前記二つのサンプルに対応した分光放射率、第6図
はサンプル温度を変化させた場合のεaとTaの関係図、
第7図は第6図から得られた補間表である。
銅の放射率ε=0.064(at λ=1.0μm)をとり、大き
い物質として500℃におけるニクロムの放射率ε=0.626
(at λ=1.0μm)を選択した。放射率は(波長)-1
] 2に比例するので、λ=1.0μm以外の波長における
放射率もこの値から計算する。このようにして分光放射
率を計算し、二つのデータから補間表を作成した。第5
図は前記二つのサンプルに対応した分光放射率、第6図
はサンプル温度を変化させた場合のεaとTaの関係図、
第7図は第6図から得られた補間表である。
次に種々の金属材料の温度を測定し、まず灰色体を仮
定して(εa,Ta)を求め、第7図の補間表から正しい温
度を求める。この補間表から、アルミニウム、クロム、
鉄、鋳鉄について実測した結果を、表1に示す。表1に
おいて、Tsはサンプル温度(℃)、ε1はNo.1検出子
(測定波長:1.0〜1.5μm)の実効放射率、ε2はNo.2
検出子(測定波長:2.0〜2.5μm)の実効放射率、Taは
見掛けの温度(℃)、εaは見掛けの放射率、Tは補間
表を用いた測定温度(℃)、δTは誤差である。
定して(εa,Ta)を求め、第7図の補間表から正しい温
度を求める。この補間表から、アルミニウム、クロム、
鉄、鋳鉄について実測した結果を、表1に示す。表1に
おいて、Tsはサンプル温度(℃)、ε1はNo.1検出子
(測定波長:1.0〜1.5μm)の実効放射率、ε2はNo.2
検出子(測定波長:2.0〜2.5μm)の実効放射率、Taは
見掛けの温度(℃)、εaは見掛けの放射率、Tは補間
表を用いた測定温度(℃)、δTは誤差である。
表1の結果から判るように、一般の金属、合金は本補
間表によって正しく測温することができる。また、この
例のように分光放射率の波長特性が一定の関係にある材
料群は、少数のサンプルから補間表が作成できる。
間表によって正しく測温することができる。また、この
例のように分光放射率の波長特性が一定の関係にある材
料群は、少数のサンプルから補間表が作成できる。
実施例2(酸化被膜のある金属材料) 金属酸化物は、通常、赤外域では弱い干渉効果により
放射率が変化する場合もあるが、強い吸収帯は存在しな
いために波長による変化は緩やかで、分光放射率(光学
定数*膜厚/波長)の関数で表される。したがって、光
学定数や膜厚が変わっても波長依存性に余り大きな変化
は生じない。この場合には、数種類の厚みの酸化被膜を
有するサンプルについてのデータから補間表を作成する
ことができ、ほぼ全ての酸化被膜を有する材料に該補間
表が適用できる。
放射率が変化する場合もあるが、強い吸収帯は存在しな
いために波長による変化は緩やかで、分光放射率(光学
定数*膜厚/波長)の関数で表される。したがって、光
学定数や膜厚が変わっても波長依存性に余り大きな変化
は生じない。この場合には、数種類の厚みの酸化被膜を
有するサンプルについてのデータから補間表を作成する
ことができ、ほぼ全ての酸化被膜を有する材料に該補間
表が適用できる。
圧延鋼材と圧延チタン材の例を次に示す。
圧延鋼材の分光反射率と波長との関係は、第8図のよ
うになる。このデータから次式を用いて分光放射率が得
られる。
うになる。このデータから次式を用いて分光放射率が得
られる。
放射率=1−反射率 また、このデータを用いて(Ts;Ta,εa)の組を求め
た結果が第9図であり、該図から求めた補間表が第10図
である。
た結果が第9図であり、該図から求めた補間表が第10図
である。
第10図は圧延鋼材の補間表であるが、チタンについて
も使用することができる。該補間表を用いて圧延鋼材と
チタン材について得られた測温結果(測定波長:No.1温
度計1.0〜1.5μm、No.2温度計2.0〜3.0μm)を、それ
ぞれ表2-(1)および表2-(2)に示した。
も使用することができる。該補間表を用いて圧延鋼材と
チタン材について得られた測温結果(測定波長:No.1温
度計1.0〜1.5μm、No.2温度計2.0〜3.0μm)を、それ
ぞれ表2-(1)および表2-(2)に示した。
この場合には、両材料に同一の補間表が適用でき、い
ずれも僅かな誤差範囲で測定が可能となる。したがっ
て、該補間表は金属表面に酸化膜が生じて放射率が変動
する材料に対して有効である。
ずれも僅かな誤差範囲で測定が可能となる。したがっ
て、該補間表は金属表面に酸化膜が生じて放射率が変動
する材料に対して有効である。
実施例3(塗装材料、セラミックス、プラスチックス) 塗装材料、セラミックスもしくはプラスチックスなど
特定の吸収帯がある材料については、放射率が単純な波
長の関数にはならないが、サンプルの吸収帯が測定波長
に含まれるように選定すれば同様に使用することができ
る。また、この場合には単色温度計のように厳密に波長
を吸収帯に一致させる必要はない。しかし、サンプルに
よって分光放射率が大きく異なる際には、全てのサンプ
ルの分光放射率が必要となる。
特定の吸収帯がある材料については、放射率が単純な波
長の関数にはならないが、サンプルの吸収帯が測定波長
に含まれるように選定すれば同様に使用することができ
る。また、この場合には単色温度計のように厳密に波長
を吸収帯に一致させる必要はない。しかし、サンプルに
よって分光放射率が大きく異なる際には、全てのサンプ
ルの分光放射率が必要となる。
第11図は、種々の塗装鋼材の分光放射率を示したもの
である。この図から明らかなように、サンプルによって
分光放射率はかなり異なっているので、全てのサンプル
の分光放射率を測定して補間表を作成しなければならな
い。第11図のデータから作成したεaとTaの関係図が第
12図、補間表が第13図である。また、亜鉛系塗装材料
(A1)、有機系塗料材料(A2)、有機系塗装材料(A
3)、無機系塗装材料(A4)など異なる塗装材料につい
て測温(測定波長:No.1温度計1.5〜2.0μm、No.2温度
形9.0〜15.0μm)した測定結果を、表3に示した。
である。この図から明らかなように、サンプルによって
分光放射率はかなり異なっているので、全てのサンプル
の分光放射率を測定して補間表を作成しなければならな
い。第11図のデータから作成したεaとTaの関係図が第
12図、補間表が第13図である。また、亜鉛系塗装材料
(A1)、有機系塗料材料(A2)、有機系塗装材料(A
3)、無機系塗装材料(A4)など異なる塗装材料につい
て測温(測定波長:No.1温度計1.5〜2.0μm、No.2温度
形9.0〜15.0μm)した測定結果を、表3に示した。
第13図は単調な補間表とならない関係で表3に示され
るように誤差が若干大きくなるが、塗料や顔料等の放射
率が波長によって複雑に変化する材料でも測定波長の選
定に注意すれば細かな変動は平滑化されて誤差の影響は
少なくなる。
るように誤差が若干大きくなるが、塗料や顔料等の放射
率が波長によって複雑に変化する材料でも測定波長の選
定に注意すれば細かな変動は平滑化されて誤差の影響は
少なくなる。
〔発明の効果〕 以上のとおり、本発明に係る放射測温法およびそれに
用いる放射温度計によれば、従来技術に比較して格段に
広い測定対象物に対して誤差の少ない温度測定が可能と
なる。したがって、利用範囲が著しく広範になる。
用いる放射温度計によれば、従来技術に比較して格段に
広い測定対象物に対して誤差の少ない温度測定が可能と
なる。したがって、利用範囲が著しく広範になる。
第1図は本発明による放射温度計の原理図、第2図は光
学系を示した拡大説明図、第3図は信号処理回路のブロ
ック図、第4図は演算方式のブロック図である。第5図
は実施例1による波長と分光放射率の関係図、第6図は
実施例1による見掛けの放射率と見掛けの温度の関係
図、第7図は実施例1による補間表を示したものであ
る。第8図は実施例2による波長と分光放射率の関係
図、第9図は実施例2による見掛けの放射率と見掛けの
温度の関係図、第10図は実施例2による補間表を示した
ものである。第11図は実施例3による波長と分光放射率
の関係図、第12図は実施例3による見掛けの放射率と見
掛けの温度の関係図、第13図は実施例3による補間表で
ある。
学系を示した拡大説明図、第3図は信号処理回路のブロ
ック図、第4図は演算方式のブロック図である。第5図
は実施例1による波長と分光放射率の関係図、第6図は
実施例1による見掛けの放射率と見掛けの温度の関係
図、第7図は実施例1による補間表を示したものであ
る。第8図は実施例2による波長と分光放射率の関係
図、第9図は実施例2による見掛けの放射率と見掛けの
温度の関係図、第10図は実施例2による補間表を示した
ものである。第11図は実施例3による波長と分光放射率
の関係図、第12図は実施例3による見掛けの放射率と見
掛けの温度の関係図、第13図は実施例3による補間表で
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】二つ乃至それ以上の測定波長帯域に感度の
ある検出子からの出力を用い、予め選ばれた代表的測定
サンプルを灰色体と仮定して計算された見掛けの温度と
放射率とを用いて作成された信号補正用の補間表から正
しい温度を計算することを特徴とする放射測温法。 - 【請求項2】測定対象を各種のセラミックス、酸化膜な
どにより表面状態が変化する金属、各種のプラスチック
ス、塗装された材料から選定し、これら測定対象から代
表的測定サンプルを抽出して放射温度計の測定範囲に対
応した波長範囲の分光放射率を測定し、得られた測定デ
ータを用いて見掛けの温度と放射率を与えるとサンプル
の真温度が計算できる補間表を作成しておき、抽出され
た測定対象に属する任意のサンプルを灰色体と仮定した
見掛けの放射率および温度を測定し、これを用いて予め
温度計に組み込まれている補間表から正しい温度を計算
する請求項1記載の放射測温法。 - 【請求項3】請求項1記載の放射測温法に用いるため
の、二つ乃至それ以上の波長帯に感度を有する検出子な
らびに測定対象からの放射エレルギーを検出子に導く光
学系を有し、前記検出子の出力信号を用いて信号処理を
おこなうための測定サンプルを灰色体と仮定して見掛け
の温度と放射率を用いて作成された補間表が組み込まれ
た信号処理回路を備える機構の放射温度計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33133790A JP2632086B2 (ja) | 1990-11-29 | 1990-11-29 | 放射測温法及び該測温法に用いる放射温度計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33133790A JP2632086B2 (ja) | 1990-11-29 | 1990-11-29 | 放射測温法及び該測温法に用いる放射温度計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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