JPH0842615A - 摩擦材 - Google Patents
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Abstract
グ、クラッチフェ−シング等に使用される摩擦材におい
て、ブレ−キ制動時の振動が少ない摩擦材を提供する。 【構成】 繊維成分と、フェノ−ル樹脂等の熱硬化性樹
脂成分と黒鉛,硫酸バリウム等の充填材成分とを含有す
る摩擦材において、合成ゴムを5体積%以上含ませ、か
つ摩擦材の気孔率を5%以下にする。
Description
のブレ−キパッド、ブレ−キライニング,クラッチフェ
−シング等として使用されている摩擦材であって、ブレ
−キ制動時の鳴きの原因となるブレ−キ振動を緩和した
摩擦材に関するものである。
キライニング、クラッチフェ−シング等に使用される摩
擦材は、その基材として石綿が多く使用されていたが、
石綿はその粉塵が人体への有害性を指摘された結果、そ
の使用を規制されつつあり、石綿を使用しない摩擦材に
対する要求が強くなっている。そこで石綿を使用しない
非石綿系摩擦材が多く提案されているが、それらのほと
んどは繊維成分として耐熱性有機繊維、無機繊維、金属
繊維等を用い、結合材としてフェノ−ル樹脂等の熱硬化
性樹脂を、充填材として黒鉛、硫酸バリウム、アルミナ
等を用いたものである。このような石綿を使用しない摩
擦材においては、一般に複数の繊維を組合せて使用する
ことにより、適度な摩擦係数及び強度を保持するように
設計されている。
維として上記耐熱性有機繊維、無機繊維、金属繊維等を
使用した摩擦材は石綿を使用した摩擦材に比べて優れた
耐熱性、耐摩耗性を示すものが多いが、反面、石綿を使
用したときよりも補強効果を得にくく、充分な強度を得
るには結合材としてのフェノ−ル樹脂等の熱硬化性樹脂
を多量に用いる必要がある。しかし、熱硬化性樹脂の使
用量が多くなると摩擦材の硬度が高くなる傾向があり、
ブレ−キ制動時の振動吸収性が悪く、鳴きと呼ばれる不
快な音が発生しやすくなる。
される摩擦材は鳴きの発生要因となる各種振動を抑制
し、また、発生した振動を減衰させるためブレ−キシス
テムの改善や摩擦材構成の改良が行なわれ、摩擦材構成
の簡便な改良方法としては構成を粗にすべく気孔率を大
きくしたり低硬度の摩擦材料を多く使用することにより
対応されてきた。しかし、上記のような摩擦材構成の改
良方法等鳴きの発生を抑制する対応の多くは、摩擦材の
強度、耐摩耗性が悪化する傾向がある。そこで本発明が
解決しようとする課題は極めて簡単な方法で、しかも他
の性能をほとんど損なうことなく鳴きの原因となるブレ
−キ振動を緩和した摩擦材を提供することである。
決することを目的としてなされたもので、その構成はア
ラミド繊維等の繊維成分とフェノ−ル樹脂等の熱硬化性
樹脂成分と黒鉛、硫酸バリウム等の充填材成分とを含有
する摩擦材において、合成ゴムが摩擦材全体の5体積%
以上含まれ、かつ摩擦材の平均気孔率が5%以下である
ことを特徴とするものである。
のものが多く、10%以下では摩擦材の強度、耐摩耗性
は良好になるが鳴き発生の可能性が大きく、また、20
%以上では逆に鳴き発生の恐れは少ないが摩擦材の強
度、耐摩耗性は悪化する。また、合成ゴム等弾性があり
摩擦材の鳴きに対して良好な充填材の使用は、摩擦材の
強度、耐摩耗性を悪化させる傾向があり、摩擦材全体の
3体積%以下が妥当な範囲であった。しかし、一定以上
の合成ゴムを充填材として用いた場合は状況が異なり、
成型工程において摩擦材の気孔率が小さくなるように加
圧を調整すると、鳴き発生及び摩擦材の強度、耐摩耗性
が同時に良好になる。
の合成ゴムを充填材として用いた場合、摩擦材の気孔率
を小さくする方がゴムの特性である弾性、圧縮特性及び
それに起因する制振作用がより反映され、鳴き等の不快
な音の発生を抑制できることを知得し本発明を成し遂げ
たのである。また、本発明は合成ゴムを多量に使用する
が、気孔率が従来の摩擦材に比べて小さいため摩擦材の
強度、耐摩耗性は低下しないのである。合成ゴムを5体
積%以上用い、摩擦材の平均気孔率を5%以上に調整し
た場合は、鳴き発生が本発明摩擦材より増加し摩擦材の
強度が低下する恐れがあり、合成ゴムを5体積%以下用
い、摩擦材の平均気孔率を5%以下に調整した場合は、
摩擦材の強度は良好であるが鳴き発生が多くなる恐れが
ある。また、合成ゴムの含有量は摩擦材全体の5〜20
体積%が望ましい。
ゴム,シリコ−ンゴム,ニトリルゴム,フッ素ゴム等が
挙げられるがアクリルゴムを用いた場合が特に効果があ
る。また、合成ゴムは、ふるい目開き45μmオン,
3.35mmパス程度の粒子状のものを用いることがで
きるが、ふるい目開き106μmオン,1mmパスの大
きさのものが望ましく、この範囲より小さなものは効果
が少なく、大きなものは摩擦材料の混合工程において均
一性が悪化する恐れがある。
されるものにはアラミド繊維等の有機繊維、ガラス繊
維,ロックウ−ル,セラミックス繊維等の無機繊維、
銅,青銅,アルミニウム,黄銅等の金属繊維が挙げら
れ、結合材としてはフェノ−ル樹脂,尿素樹脂,メラミ
ン樹脂,またはそれらの変性樹脂のような熱硬化性樹脂
が挙げられ、充填材としては上記合成ゴムの他、黒鉛,
金属粉,カシュ−ダストのような潤滑性のあるものや硫
酸バリウム,炭酸カルシウム等が挙げられる。摩擦材組
成物の予備成型、熱処理の条件については特に制限はな
く従来の方法で行なうことができるが、加熱加圧成型は
摩擦材の気孔率が5%以下になるように条件を設定する
必要がある。
上の合成ゴムを含むので、ブレ−キ制動時の振動減衰性
能が優れており、また摩擦材表面の硬度が低下すること
より、制動時の面圧分布が均一になり、対面であるロ−
タとの当たりに偏りがなく振動自体の発生が起こりにく
い。また、摩擦材の強度、耐摩耗性には不利な合成ゴム
を使用しているが、従来10〜20%程度の摩擦材の平
均気孔率を5%以下に調整してあるので、これらの性能
に悪影響を及ぼさない。
を、結合材としてフェノ−ル樹脂を用い、充填材として
合成ゴムの他、黒鉛、硫酸バリウム、ジルコニウム、カ
シュ−ダストを用いて撹拌機によりこれらを均一に混合
し実施例用の摩擦材料混合品を得た。続いて摩擦材料混
合品を室温、圧力400kg/cm2 で予備成型した後、温
度160℃、圧力400kg/cm2 で8分間加熱加圧成型
し、次いで温度180℃で5時間熱処理して表1に示す
組成の実施例A〜Cのブレ−キライニングを作製した。
尚、表1の組成の数値は体積%を示す。
250kg/cm2 に変えて摩擦材の平均気孔率が6.5で
あるブレ−キライニングを作製した。 比較例b 合成ゴムを含まず、予備成型及び加熱加圧成型の圧力を
600kg/cm2 に変えて摩擦材の平均気孔率が4.5で
あるブレ−キライニングを作製した。 比較例c 合成ゴムを含まない他は、実施例と同様な方法でブレ−
キライニングを作製した。摩擦材の平均気孔率は9.0
である。比較例aは合成ゴムを5体積%以上含んでいる
が気孔率が5%以下ではない摩擦材、比較例bは気孔率
が5%以下であるが合成ゴムを含まない摩擦材、比較例
cは合成ゴムを含まず、気孔率が5%以下ではない摩擦
材である。
び比較例a〜cのブレ−キライニングについて、摩擦材
表面硬度、振動減衰性、強度の物性測定及び実車鳴き試
験、実車異音試験を行なった結果を表2に示す。摩擦材
表面硬度は対面との摩擦面における平均の硬度であり、
測定値が高い程硬い材質であることを示す。振動減衰性
は測定値が高い程振動が速く吸収されることを示す。強
度はJASO(C437−84)に基づいて、各々のブ
レ−キライニングからテストピ−スを作成し剪断強度を
測定したものである。
イニングを実車に取付け、表3に示す通り、所定のすり
合わせを行なった後実施した。鳴き試験は初速30km/
h,50km/h,減速度0.05〜0.2G、制動開始
時温度50〜200℃の各組合せを各々2回ずつ行ない
評価した。また異音試験は初速を一定(40km/h)の
条件にして減速度0.2〜0.6G、制動開始時温度5
0〜200℃の各組合せを各々2回ずつ行ない評価し
た。テストコ−ドNo.4のフェ−ド&リカバリ−は試
験には直接関係ないが、No.5,No.6において熱
履歴後の試験を行なうためのものである。尚、表2にお
いて、◎は非常に良好、○は良好、△はやや不良、×は
不良を表わす。
繊維等の有機繊維、ロックウ−ル等の無機繊維、銅繊維
等の金属繊維、フェノ−ル樹脂等の結合材及び黒鉛、硫
酸バリウム等の充填材から成るもので、充填材成分の一
部に5体積%以上の合成ゴムを含ませ、かつ摩擦材の平
均気孔率を5%以下にした結果、鳴きや不快音の原因と
なるブレ−キ振動を緩和することができるので、自動車
又は産業機械等のブレ−キパッド、ブレーキライニン
グ,クラッチフェ−シング等に使用する摩擦材として好
適である。
Claims (3)
- 【請求項1】 繊維成分とフェノ−ル樹脂等の熱硬化性
樹脂成分と、黒鉛、硫酸バリウム等の充填材成分とを含
有する摩擦材において、合成ゴムが摩擦材全体の5体積
%以上含まれ、かつ摩擦材の平均気孔率が5%以下であ
ることを特徴とする摩擦材。 - 【請求項2】 合成ゴムが、アクリルゴム,シリコ−ン
ゴム,ニトリルゴム,フッ素ゴムまたはこれらのうちか
ら選んだ2種以上の混合物であることを特徴とする請求
項1に記載の摩擦材。 - 【請求項3】 合成ゴム全体の90体積%以上が、ふる
い目開き45μmオン,3.35mmパスの粒子状ゴム
であることを特徴とする請求項1に記載の摩擦材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19386394A JP3591736B2 (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19386394A JP3591736B2 (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 摩擦材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0842615A true JPH0842615A (ja) | 1996-02-16 |
JP3591736B2 JP3591736B2 (ja) | 2004-11-24 |
Family
ID=16315011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19386394A Expired - Lifetime JP3591736B2 (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 摩擦材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3591736B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007254564A (ja) * | 2006-03-23 | 2007-10-04 | Nisshinbo Ind Inc | 摩擦材 |
-
1994
- 1994-07-27 JP JP19386394A patent/JP3591736B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007254564A (ja) * | 2006-03-23 | 2007-10-04 | Nisshinbo Ind Inc | 摩擦材 |
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JP3591736B2 (ja) | 2004-11-24 |
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