JPH0842390A - 内燃機関の吸気ポート構造 - Google Patents

内燃機関の吸気ポート構造

Info

Publication number
JPH0842390A
JPH0842390A JP6177967A JP17796794A JPH0842390A JP H0842390 A JPH0842390 A JP H0842390A JP 6177967 A JP6177967 A JP 6177967A JP 17796794 A JP17796794 A JP 17796794A JP H0842390 A JPH0842390 A JP H0842390A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake port
internal combustion
combustion engine
intake
passage portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6177967A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Shimizu
功 清水
Norio Mitobe
典朗 水戸部
Kazuaki Matsuda
和明 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP6177967A priority Critical patent/JPH0842390A/ja
Publication of JPH0842390A publication Critical patent/JPH0842390A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】吸気の流量係数をそれほど低下させることなく
スワールを強化することができるような吸気ポート構造
を提供する。 【構成】燃焼室1に偏心させて設けられた吸気口6に向
かって且つ吸気弁14の弁軸に対して傾斜して延びる傾
斜通路部16と、該傾斜通路部16に続いて上記吸気口
6の近傍から該吸気口6に至る間を上記弁軸と略平行に
延びる垂直通路部17とを設け、該傾斜通路部16の壁
面16aと垂直通路部17の壁面とを上記吸気口6の近
傍においてエッジ18を形成するように交差させる。そ
して、このエッジ18の形成範囲を通路断面における下
半周側の少なくとも140度の角度範囲とし、該エッジ
18を除く上半周側では上記傾斜通路部16の壁面と垂
直通路部17の壁面とを滑らかな曲面によって連ねる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の吸気ポート構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用の内燃機関に関し、吸気口を燃
焼室に偏心させて設けることによってスワールを形成す
ること、そして、吸気ポートの吸気口近傍にエッジを形
成することによってスワールを強めることは一般に知ら
れている(実開平4−125652号公報参照)。
【0003】すなわち、上記吸気ポートを吸気弁の弁軸
に対して傾斜させて上記吸気口近傍まで延ばし、該吸気
口近傍から吸気口に至る短い距離を上記弁軸と平行に、
つまりは吸気口に対して垂直に形成した場合、上記傾斜
して延びる壁面と垂直に延びる壁面との交差部にエッジ
が形成される。従って、上記傾斜した壁面に沿って流れ
る吸気は、上記エッジに至ると上記垂直壁面には沿わず
にこれから剥離して当該傾斜方向前方に流れる。このこ
とにより、吸気が燃焼室に対して斜め方向に強い勢いで
入ることになり、上記スワールの強化が図れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、吸気ポートに
上述のようなエッジを形成した場合、スワールは強くな
るが、該エッジが吸気抵抗になるため流量係数が低くな
り吸気量が少なくなる。また、上記エッジを形成するに
は、シリンダヘッドを鋳造することによって吸気ポート
の上記傾斜通路部を形成した後、燃焼室側からカッタに
よって垂直通路部を形成していくことになるが、傾斜通
路部と垂直通路部との交点がずれると、上記エッジの角
度や範囲が予定とは異なったものになり、所期の効果を
得ることができなくなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
ついて、流量係数をできるだけ低下させないようにしな
がらスワールを強化するにはエッジがどうあるべきかと
いう観点から検討・実験を行ない、エッジを通路断面の
周方向においてある角度範囲に形成するようにすれば、
さらには吸気ポートを所定の形状にすれば、所期の効果
を得ることができることを見出だし、本発明を完成する
至ったものである。以下、具体的に説明する。
【0006】請求項1に係る発明は、燃焼室に偏心させ
て設けられた吸気口に向かって且つ該吸気口を開閉する
吸気弁の弁軸に対して傾斜して延びる傾斜通路部と、該
傾斜通路部に続いて上記吸気口の近傍から該吸気口に至
る間を上記弁軸と略平行に延びる垂直通路部とを有し、
該傾斜通路部の壁面と垂直通路部の壁面とが上記吸気口
近傍においてエッジを形成するように交差している内燃
機関の吸気ポート構造において、上記エッジが通路断面
における下半周側の少なくとも140度の角度範囲に形
成され、該エッジを除く上半周側では上記傾斜通路部の
壁面と垂直通路部の壁面とが滑らかな曲面によって連な
っていることを特徴とする。
【0007】ここに、本明細書においては、上記下半周
部及び上半周部に代表されるように発明の説明に上・下
の概念を用いているが、これは必ずしも重力の方向を基
準とする上下を意味するのではなく、吸気弁軸の長手方
向において吸気口に近い側を下、反対側を上として用い
ているものである。
【0008】請求項2に係る発明は、上記請求項1に記
載されている内燃機関の吸気ポート構造において、上記
エッジは通路断面における下半周側の140〜190度
の角度範囲に形成されていることを特徴とする。
【0009】請求項3に係る発明は、上記請求項1又は
請求項2に記載されている内燃機関の吸気ポート構造に
おいて、上記傾斜通路部の下半周側の壁面は通路長手方
向に直線状に延びて上記エッジに至っていることを特徴
とする。
【0010】請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至
請求項3のいずれか一に記載されている内燃機関の吸気
ポート構造において、上記傾斜通路部の壁面と垂直通路
部の壁面とが該傾斜通路部の通路断面における下半周側
の最下部位において交差するエッジ角度が120〜14
0度であることを特徴とする。
【0011】請求項5に係る発明は、上記請求項1乃至
請求項4のいずれか一に記載されている内燃機関の吸気
ポート構造において、上記傾斜通路部の通路中心線と上
記垂直通路部の通路中心線とのなす角度が40〜60度
であることを特徴とする。
【0012】請求項6に係る発明は、1気筒に複数の吸
気ポートを備え、該複数の吸気ポートのうちの少なくと
も1つについて請求項1乃至請求項5のいずれか一に記
載されている吸気ポート構造が採用され、他の吸気ポー
トには内燃機関の運転状態に応じて開閉される開閉弁が
設けられていることを特徴とする内燃機関の吸気ポート
構造である。
【0013】
【作用】請求項1に係る発明において、吸気口が燃焼室
に偏心させて設けられ、該吸気口に向かって傾斜通路部
が延びているのは、燃焼室に吸気のスワールを形成する
ためである。また、上記傾斜通路部に続いて上記吸気口
の近傍から該吸気口に至る間を上記弁軸と略平行に延び
る垂直通路部が設けられているのは、該傾斜通路部の壁
面と垂直通路部の壁面との交差によって上記吸気口近傍
にエッジを形成するためである。
【0014】そうして、かかる吸気ポート構造におい
て、上記エッジを通路断面における下半周側の少なくと
も140度の角度範囲に形成しているのは、所定値以上
のスワール比を得るためであり、140度未満であれ
ば、エッジによる吸気の剥離効果を充分に得ることがで
きないからである。
【0015】すなわち、上記エッジの作用は、上記傾斜
通路部の壁面に沿って流れる吸気を上記垂直通路部の壁
面には沿わないように吸気口近傍において壁面から剥離
させ、上記傾斜通路部の傾斜方向前方に流すことにあ
る。このため、リフトした吸気弁の周縁を伝って吸気口
の全周から燃焼室に吹き出す吸気の流速分布は、流速の
高い成分が上記傾斜方向の前方部位に強く偏在したもの
になる。よって、吸気が燃焼室に対して上記傾斜方向前
方に強い勢いで入ることになり、換言すれば、燃焼室に
対してスワール方向とは逆の方向(上記傾斜方向の手前
側)に流入する吸気が少なくなり、上記スワールの強化
が図れるのである。これに対して、上記エッジの範囲が
140度未満であれば、上記吸気口近傍において通路壁
から剥離する吸気の量が少なくなり、所期の効果を得る
ことができない。
【0016】また、当該吸気ポート構造においては、上
記吸気口近傍の上記エッジを除く上半周側では上記傾斜
通路部の壁面と垂直通路部の壁面とが滑らかな曲面によ
って連なっているから、上述の如く下半周側にエッジが
形成されていても流量係数が大きく低下することはな
く、吸気の充填効率を高める上で有利になる。加えて、
上記上半周側が滑らかな曲面になっているということ
は、該上半周側の壁面に沿って流れる吸気が燃焼室に対
して縦方向に入り、燃焼室内に吸気の縦旋回流を生ずる
ことを意味する。このため、燃焼室内の吸気の流動は、
上記エッジによるスワール(横旋回流)と上記縦旋回流
とによってかなり強いものになり、燃焼安定性が高くな
る。
【0017】請求項2に係る発明において、上記エッジ
は通路断面における下半周側の140〜190度の角度
範囲に形成しているのは、エッジの範囲が広くなるほど
吸気の流れに対する通路抵抗が大きくなり、流量係数が
低くなるが、190度以下の範囲であれば流量係数の低
下を最小限に抑えることができ、スワールの強化との両
立が図れるからである。
【0018】請求項3に係る発明においては、上記傾斜
通路部の下半周側の壁面を直線状に延ばして上記エッジ
に至るように形成しているから、該傾斜通路部の下半周
側の壁面に沿って流れ上記エッジに至る吸気の流速が高
いものになる。その結果、上述の吸気の剥離効果を高め
ることができ、上述の吸気の吹き出しにおける流速分布
を高速成分が上記傾斜通路部の傾斜方向前方側により強
く偏在したものにすることができる。
【0019】しかも、上記傾斜通路部の下半周側の壁面
が直線状に延びているということは、シリンダヘッドの
鋳造時に傾斜通路部の位置にバラツキを生じても、吸気
口側から垂直通路部をカッタ等によって形成していく場
合の方向が一定であれば、形成されるエッジは必ず一定
の角度のものになり、また、垂直通路部の位置がずれる
ことがあっても、エッジの角度には影響が出ない。さら
に、上記傾斜通路部の傾斜方向が多少ずれることがあっ
ても、垂直通路部の方向を調節することによって所期の
エッジ角度を得ることができる。そして、このように所
期のエッジ角度を得ることが容易であるから、スワール
の強化と流量係数の確保との両立を図ることが容易にな
るものである。
【0020】請求項4に係る発明において、エッジ角度
を120〜140度としているのは、スワールの強化と
流量係数の確保との両立に有利になるからである。すな
わち、エッジが鋭くなるとスワールが強くなる反面、流
量係数の低下を招くが、エッジ角度が120度未満であ
れば所期の流量係数を確保することができず、また、エ
ッジ角度が140度を越える場合にはスワールの強化が
不充分になる。
【0021】請求項5に係る発明において、上記傾斜通
路部の通路中心線と上記垂直通路部の通路中心線とのな
す角度を40〜60度としているのは、請求項4に係る
発明と同様の理由からである。すなわち、傾斜通路部の
通路中心線と垂直通路部の通路中心線とのなす角度は所
謂ポート入射角に相当するが、これが40度未満であれ
ば、スワールの強化が不充分になり、60度を越える場
合には所期の流量係数を確保することができなくなる。
【0022】請求項6に係る発明においては、1気筒に
設けられた複数の吸気ポートのうち開閉弁を備えた方の
吸気ポートを内燃機関の低負荷運転時に該開閉弁によっ
て閉鎖しておけば、上記請求項1乃至請求項5のいずれ
か一に記載されている吸気ポート構造が採用された吸気
ポートによって当該低負荷時に上述の請求項1乃至請求
項5の各発明の作用を得ることができ、内燃機関の高負
荷時には上記開閉弁を開放するようにすれば、全ての吸
気ポートを用いて燃焼室に吸気を導入することができ、
低負荷時の燃焼安定性の向上を図りながら高負荷時に高
出力を得ることができるようになる。
【0023】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、傾斜通路
部と垂直通路部とを設けて吸気口近傍にエッジを形成す
るようにした吸気ポート構造において、該エッジが通路
断面における下半周側の少なくとも140度の角度範囲
に形成され、該エッジを除く上半周側では上記傾斜通路
部の壁面と垂直通路部の壁面とが滑らかな曲面によって
連なっているから、所期の流量係数を確保しながら吸気
の剥離効果によってスワールを強化することができ、し
かも吸気の縦旋回流をも得て燃焼室の吸気の流動を強化
することができ、燃焼安定性の向上が図れる。
【0024】請求項2に係る発明によれば、上記請求項
1に記載されている内燃機関の吸気ポート構造におい
て、上記エッジを通路断面における下半周側の140〜
190度の角度範囲に形成するようにしたから、所期の
流量係数の確保とスワールの強化との両立を図る上で有
利になる。
【0025】請求項3に係る発明によれば、上記請求項
1又は請求項2に記載されている内燃機関の吸気ポート
構造において、上記傾斜通路部の下半周側の壁面を上記
エッジまで直線状に延ばしているから、吸気の剥離効果
を高めてスワールの強化を図りながら、期するエッジ角
度を確実に得てスワールの強化と流量係数の確保との両
立を図ることが容易になる。
【0026】請求項4に係る発明では上記請求項1乃至
請求項3のいずれか一に記載されている内燃機関の吸気
ポート構造において上記エッジ角度を120〜140度
とし、請求項5に係る発明では上記請求項1乃至請求項
4のいずれか一に記載されている内燃機関の吸気ポート
構造において上記傾斜通路部の通路中心線と上記垂直通
路部の通路中心線とのなす角度を40〜60度としたか
ら、スワールの強化と流量係数の確保との両立に有利に
なる。
【0027】請求項6に係る発明によれば、1気筒に設
けられた複数の吸気ポートのうちの少なくとも1つにつ
いて請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載されてい
る吸気ポート構造を採用し、他の吸気ポートに内燃機関
の運転状態に応じて開閉される開閉弁を設けたから、内
燃機関の低負荷運転時に所期の流量係数を確保しながら
スワールを強化して燃焼安定性の向上を図りながら、高
負荷運転時に燃焼室に多量の吸気を導入して出力を高め
ることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0029】−吸気ポート構造− 図1は4サイクルの多気筒内燃機関の1つの気筒につい
て吸排気ポート構造を示す。同図において、1は燃焼室
であり、この燃焼室1には、P(プライマリ)及びS
(セカンダリ)の各吸気ポート2,3、並びに2つの排
気ポート4,5が互いに独立した吸気口6,7、排気口
8,9によって開口している。燃焼室1の頂部には点火
プラグ11が設けられ、P吸気ポート2には燃料噴射弁
12が設けられ、S吸気ポート3には内燃機関の低負荷
運転時に該ポート3を閉じる開閉弁13が設けられてい
る。
【0030】上記P吸気ポート2の構造は図2以下に具
体的に示されている。図2において14は上記吸気口6
を開閉する吸気弁である。上記P吸気ポート2は、シリ
ンダヘッド15の側端面から上記吸気口6の近傍まで上
記吸気弁14の弁軸に対して傾斜して延びる傾斜通路部
16と、該傾斜通路部16に続いて上記吸気口14の近
傍から該吸気口6に至る間を上記弁軸と略平行に延びる
垂直通路部17とによって構成されている。上記P吸気
ポート2の傾斜通路部16は、燃焼室1の中心ではなく
燃焼室1の偏心位置に向かって延び、その延設端である
偏心位置に上記吸気口6が設けられている。
【0031】上記傾斜通路部16は、その通路断面にお
ける下半周側の壁面16aが上記シリンダヘッド15の
側端面から上記吸気口6の近傍まで直線状に延び、上半
周側の壁面16bも同様に略直線状に延びている。そし
て、上記傾斜通路部16の下半周側の壁面16aと上記
垂直通路部17の垂直壁面との交差部にエッジ18が形
成されている。このエッジ18は、通路断面における下
半周側の140〜190度の角度範囲に形成されてい
る。これに対して、上記傾斜通路部16の上半周側の壁
面16bと上記垂直通路部17の垂直壁面とは滑らかな
曲面をもって連なっている。また、上記垂直通路部17
の下部には上記吸気弁14が当接するバルブシート19
が設けられている。
【0032】上記P吸気ポート2の孔形状(横断面形
状)については、図3に示す各切断箇所について図4〜
図8に示されている。すなわち、傾斜通路部16の入口
から2/3程度までは孔が略真円形状(左右方向よりも
上下方向の方が僅かに長い)であり、且つ吸気口6側へ
いくに従ってその孔径が漸次小さくなっている。その以
降の傾斜通路部16の上半周側の壁面16bが垂直通路
部17の壁面に滑らかな曲面によって連なる部位では、
傾斜通路部16の下半周側は円弧形状であるが、上半周
側は下半周側よりも通路断面積が大きくなるよう壁面1
6bが両斜め上方へ広がった異形断面形状に変化し、さ
らに、上記エッジ18の直前付近から再び略真円形状に
変化して吸気口6に至っている。
【0033】また、上記燃料噴射弁12は、P吸気ポー
ト2の壁面が燃料によって濡れることがないよう、図1
に1点鎖線で示すように燃料が吸気と共に吸気口6内に
噴射されるようなノズルの方向及び形状になされてい
る。
【0034】−作用− 上記エッジ18が吸気の流速に及ぼす効果は図9に吸気
の流速分布によって示されている。なお、同図の矢符の
向きは吸気の方向を示し、矢符の長さは流速の高さを示
し、長いほど高速であることを示す。また、θはエッジ
18の範囲を表わす。
【0035】すなわち、内燃機関の低負荷運転時におい
ては、開閉弁13がS吸気ポート3を閉じ吸気はP吸気
ポート2のみを流れて燃焼室1に導入される。その際、
上記傾斜通路部16の下半周側の壁面16aが直線状に
延びているから、該下半周側の壁面16aに沿って流れ
る吸気の流速が高いものになる。よって、この下半周側
の壁面16bに沿って流れる吸気は上記エッジ18に至
ると上記垂直通路部17の壁面には沿わずにこれから剥
離し易くなり、上記傾斜通路部16の傾斜方向Aの前方
に向かう。
【0036】このため、リフトした吸気弁14の周縁を
伝って吸気口6の全周から燃焼室1に吹き出す吸気の流
速分布は、図9に示すように、流速の高い部分が上記傾
斜方向Aの前方部位に強く偏在したものになる。よっ
て、吸気が燃焼室1に対して上記傾斜方向前方に強い勢
いで入ることになる。従って、燃焼室1では、P吸気ポ
ート2から該燃焼室1の偏心位置に高速の吸気が斜めに
流入するため、強いスワールが発生する。
【0037】一方、上記P吸気ポート2は、傾斜通路部
16の上半周部の壁面16bが上記垂直通路部17の垂
直壁面に対して滑らかな曲面をもって連なっているか
ら、上述の如く下半周側にエッジ18が形成されていて
も流量係数が大きく低下することはない。特に、上記上
半周部の壁面16bが垂直通路部17の壁面に滑らかな
曲面によって連なる部位は両斜め上方へ広がっているか
ら、吸気を上半周側に偏在させながら吸気口6に向かわ
せることができ、上記流量係数の低下防止に有利にな
る。また、P吸気ポート2の壁面が燃料によって濡れな
いことも上記流量係数の低下防止に有利に働く。
【0038】そうして、上記上半周側の壁面16bに沿
って流れる吸気は燃焼室1に対して縦方向に入ることに
なり、該燃焼室1内に吸気の縦旋回流を生ずる。このた
め、燃焼室1内の吸気の流動は、上記エッジ18による
スワール(横旋回流)と上記縦旋回流とによってかなり
強いものになり、燃焼安定性が高くなる。
【0039】図10は、上記エッジ18のエッジ角度β
(傾斜通路部16の壁面16aと垂直通路部17の壁面
とが該傾斜通路部16の通路断面における下半周側の最
下部位において交差する角度)が130度のときの、上
記エッジ18の範囲と、スワール比(スワール回転数/
エンジン回転数)及び流量係数との関係を示すものであ
る。この例では、上記エッジ18の範囲を140〜19
0度とすれば、スワール比3.4以上及び流量係数0.
5以上を得ることができ、流量係数の大きな低下を招く
ことなくスワールを強くすることができることがわか
る。
【0040】図11は、上記エッジ18の範囲を180
度とした場合の、図3に示す上記傾斜通路部16の通路
中心線L1 と上記垂直通路部17の通路中心線L2 との
なすポート入射角αと、スワール比及び流量係数との関
係を示すものである。この例では、ポート入射角αが4
0〜60度であれば、図10のエッジ18の範囲の場合
と同様に流量係数の大きな低下を招くことなくスワール
を強くすることができることがわかる。
【0041】上記エッジ角度βについては上記ポート入
射角αが略対応する関係(β=180度−α)にある。
すなわち、ポート入射角αは傾斜通路部16の通路中心
線L1 と上記垂直通路部17の通路中心線L2 とのなす
角度であり、エッジ角度は傾斜通路部16の下半周側の
直線状に延びた壁面16aの当該延設方向と垂直通路部
17の壁面の当該通路方向とのなす角度であるが、上記
通路中心線L1 と上記壁面16aの当該延設方向とは略
平行になっているからである。従って、上記エッジ角度
βについて幾つかの値を設定してスワール比及び流量係
数をみた場合でも、上記ポート入射角αと同じ傾向にな
る。
【0042】内燃機関の高負荷運転時においては、上記
開閉弁13がS吸気ポート3を開放するため、内燃機関
の負荷に応じた多量の吸気がP及びSの両吸気ポート
2,3から燃焼室1に導入され、出力が高くなる。
【0043】上記P吸気ポート2の成形においては、上
記傾斜通路部16の下半周側の壁面16bが直線状に延
びているから、吸気口6側から垂直通路部17をカッタ
によって直線状に形成していく場合、互いに直線状に延
びた面同士の交差になるから、たとえシリンダヘッドの
鋳造時に上記傾斜通路部16の位置にバラツキを生じて
も、両面は確実に所期のエッジ角度で交差することにな
る。このことは、シリンダブロックの製造が容易になる
という利点に結び付く他、スワールの強化と流量係数の
確保との両立を図る上で有利に働く。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃焼室及び吸排気ポートを示す平面図
【図2】吸気ポート形状を示す縱断面図
【図3】吸気ポートを縱断面で示す線図
【図4】図3のA−A線における吸気ポート断面形状を
示す線図
【図5】図3のB−B線における吸気ポート断面形状を
示す線図
【図6】図3のC−C線における吸気ポート断面形状を
示す線図
【図7】図3のD−D線における吸気ポート断面形状を
示す線図
【図8】図3のE−E線における吸気ポート断面形状を
示す線図
【図9】吸気口から燃焼室に吹き出す吸気の流速分布を
示す平面図
【図10】エッジの範囲とスワール比及び流量係数との
関係を示すグラフ図
【図11】ポート入射角とスワール比及び流量係数との
関係を示すグラフ図
【符号の説明】
1 燃焼室 2 P吸気ポート 3 S吸気ポート 6 吸気口 12 燃料噴射弁 13 開閉弁 14 吸気弁 15 シリンダヘッド 16 傾斜通路部 16a 下半周側壁面 16b 上半周側壁面 17 垂直通路部 18 エッジ 19 バルブシート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室に偏心させて設けられた吸気口に
    向かって且つ該吸気口を開閉する吸気弁の弁軸に対して
    傾斜して延びる傾斜通路部と、該傾斜通路部に続いて上
    記吸気口の近傍から該吸気口に至る間を上記弁軸と略平
    行に延びる垂直通路部とを有し、該傾斜通路部の壁面と
    垂直通路部の壁面とが上記吸気口近傍においてエッジを
    形成するように交差している内燃機関の吸気ポート構造
    において、 上記エッジが通路断面における下半周側の少なくとも1
    40度の角度範囲に形成され、該エッジを除く上半周側
    では上記傾斜通路部の壁面と垂直通路部の壁面とが滑ら
    かな曲面によって連なっていることを特徴とする内燃機
    関の吸気ポート構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されている内燃機関の吸
    気ポート構造において、 上記エッジは通路断面における下半周側の140〜19
    0度の角度範囲に形成されていることを特徴とする内燃
    機関の吸気ポート構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載されている
    内燃機関の吸気ポート構造において、 上記傾斜通路部の下半周側の壁面は通路長手方向に直線
    状に延びて上記エッジに至っていることを特徴とする内
    燃機関の吸気ポート構造。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一に記
    載されている内燃機関の吸気ポート構造において、 上記傾斜通路部の壁面と垂直通路部の壁面とが該傾斜通
    路部の通路断面における下半周側の最下部位において交
    差するエッジ角度が120〜140度であることを特徴
    とする内燃機関の吸気ポート構造。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記
    載されている内燃機関の吸気ポート構造において、 上記傾斜通路部の通路中心線と上記垂直通路部の通路中
    心線とのなす角度が40〜60度であることを特徴とす
    る内燃機関の吸気ポート構造。
  6. 【請求項6】 1気筒に複数の吸気ポートを備え、該複
    数の吸気ポートのうちの少なくとも1つについて請求項
    1乃至請求項5のいずれか一に記載されている吸気ポー
    ト構造が採用され、他の吸気ポートには内燃機関の運転
    状態に応じて開閉される開閉弁が設けられていることを
    特徴とする内燃機関の吸気ポート構造。
JP6177967A 1994-07-29 1994-07-29 内燃機関の吸気ポート構造 Pending JPH0842390A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6177967A JPH0842390A (ja) 1994-07-29 1994-07-29 内燃機関の吸気ポート構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6177967A JPH0842390A (ja) 1994-07-29 1994-07-29 内燃機関の吸気ポート構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0842390A true JPH0842390A (ja) 1996-02-13

Family

ID=16040214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6177967A Pending JPH0842390A (ja) 1994-07-29 1994-07-29 内燃機関の吸気ポート構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0842390A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1344926A2 (en) 2002-03-11 2003-09-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Intake port of internal combustion engine
JP2012219787A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Toyota Motor Corp エンジンの制御装置
CN106089478A (zh) * 2016-08-17 2016-11-09 江苏鑫田柴油机有限公司 一种单缸柴油机气缸盖的增氧增压混流进气结构

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1344926A2 (en) 2002-03-11 2003-09-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Intake port of internal combustion engine
US6655347B2 (en) * 2002-03-11 2003-12-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Intake port of internal combustion engine
JP2012219787A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Toyota Motor Corp エンジンの制御装置
CN106089478A (zh) * 2016-08-17 2016-11-09 江苏鑫田柴油机有限公司 一种单缸柴油机气缸盖的增氧增压混流进气结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07119472A (ja) エンジンの吸気装置
JPS5932648B2 (ja) 内燃機関の吸気通路構造
JP2004316582A (ja) 内燃機関の吸気装置
US20090120399A1 (en) Intake port of internal combustion engine
JPH0842390A (ja) 内燃機関の吸気ポート構造
JP2008255935A (ja) 燃料直噴エンジン
JP3482107B2 (ja) 内燃機関の吸気装置
JP3057393B2 (ja) 副燃焼室式ディーゼルエンジンの燃焼室
JPH05106452A (ja) エンジンの吸気装置及び吸気供給方法
JP2524387B2 (ja) 内燃機関の燃焼室
JP3523498B2 (ja) エンジンのスワール形吸気ポート
JP3566036B2 (ja) 内燃機関における吸気装置
JPH02301618A (ja) 内燃機関の燃焼室構造
JPH0849546A (ja) 内燃機関の燃焼室
JPH08170537A (ja) エンジンの吸気装置
JPH07269360A (ja) 内燃機関の燃焼室
JPH02204624A (ja) 内燃機関の燃焼室
JP2565516Y2 (ja) 渦流室式ディーゼル機関の燃焼室
JPS6060215A (ja) 内燃機関
JP2566257B2 (ja) エンジンの燃焼室構造
JP2853421B2 (ja) 渦流室式ディーゼル機関の燃焼室
JPH0415941Y2 (ja)
KR950003737B1 (ko) 층형상 연소내연기관
JP2004308471A (ja) 内燃機関の吸気装置
JPH10238401A (ja) エンジンの吸気ポート構造

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040518

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041102