JPH0841795A - 短繊維予備分散体と、その製造方法および製造装置 - Google Patents

短繊維予備分散体と、その製造方法および製造装置

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JPH0841795A
JPH0841795A JP5321149A JP32114993A JPH0841795A JP H0841795 A JPH0841795 A JP H0841795A JP 5321149 A JP5321149 A JP 5321149A JP 32114993 A JP32114993 A JP 32114993A JP H0841795 A JPH0841795 A JP H0841795A
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powder
fibers
short fibers
container
short
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JP5321149A
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Shinichiro Okada
慎一郎 岡田
Tsugio Chuma
次夫 中馬
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維を切断することなく、繊維を均一に分散
させ、補強用材料として有用な短繊維予備分散体を得
る。 【構成】 容器1の上部の中心部に設けられた気体導入
口2から気体を容器1内に導入し、繊維投入口3と粉体
投入口4から前記容器1内に投入した繊維と粉体とを、
上下方向の循環気流により浮遊流動させて混合する。気
体の導入に伴なって、容器の縦方向に下降し、前記容器
の内壁に沿って上昇する循環気流が生成する。この方法
において、繊維を予め浮遊流動させて開繊した後、粉体
と共に浮遊流動させてもよい。前記容器1には、フィル
タ7を備えた排気口6が設けられ、繊維及び粉体の排出
を規制している。前記開繊した繊維を、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム水溶液などのバインダー液と接
触させた後、得られた分散体を成形してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメントモルタルなど
のセメント系材料、樹脂、セラミックス等からなるマト
リックス中に短繊維を容易に且つ均一に混合する上で有
用な短繊維予備分散体、その製造方法および製造装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリートなどを補強するため、セメ
ントモルタルには、種々の補強繊維、例えば、炭素繊維
の短繊維が添加されている。この補強繊維の添加に際し
て、補強繊維の集合体(綿状繊維)を添加すると、通
常、補強繊維が均一に分散されず、繊維の補強性を有効
に利用できなくなる。そのため、特殊なミキサーを用い
て補強繊維を少量ずつセメントモルタルに添加して長時
間攪拌混合し、セメントモルタルに短繊維を混入させて
いる。しかし、この方法は、汎用性に乏しく作業性が低
下する。
【0003】一方、補強繊維の分散性を高めるため、大
きな剪断力を作用させて補強繊維をセメントモルタルと
混合すると、補強繊維が切断され、補強性が低下し易
い。このように、繊維とセメントモルタルとの混合性が
劣るため、高い補強性を維持しつつ、セメントモルタル
に補強繊維を効率よくかつ均一に分散させるのが困難で
ある。
【0004】特開昭61−297107号公報には、親
和性の劣る短繊維と粉体とを均一に混合するため、密閉
型攪拌混合機に粉体を投入し、攪拌羽根を500〜80
0rpmで高速攪拌させて粉体を浮遊させた後、短繊維
を投入して攪拌を継続する方法が開示されている。しか
し、この方法は機械的攪拌力により混合しているため、
補強繊維が切断される。また、機械的混合方法であるた
め、繊維と粉体とを短時間内に均一混合するのが困難で
ある。
【0005】特開昭58−181760号公報には、一
対の可動体の表面に多数の針状突起を設け、互いの針を
交錯させて相対運動させ、綿状炭素短繊維の小塊を、前
記可動体の間に送り込み、前記針状突起により単一繊維
状とし、コンクリート、モルタルなどの粉体と均一に混
合する方法が開示されている。しかし、この方法でも、
機械的剪断力を強制的に作用させるので、繊維切れが生
じる。
【0006】実開平3−81706号公報には、溝を形
成した一対の円盤間に炭素繊維の短繊維とセメントとの
混合物を供給し、一方の円盤を回転させ、炭素繊維の短
繊維の毛玉を引裂いて、セメント中に炭素繊維を分散さ
せる装置が開示されている。しかし、この装置を用いる
と、円盤の回転に伴なって、炭素繊維の短繊維が摩損す
るだけでなく切断される。
【0007】特開昭62−3055号公報には、炭素繊
維と粉体状開繊剤とバインダとを溶媒中で混練して炭素
繊維を均一に分散させた後、溶媒を蒸散させて乾燥する
セメントモルタル用配合材料の製造方法が開示されてい
る。しかし、この方法では、炭素繊維などを溶媒中で混
練するため、炭素繊維が分散するのに長時間を必要と
し、長さ5mm以上の繊維の均一分散は実質的に困難で
ある。また、この方法では、開繊剤として骨材などの無
機質粉体が用いられると共に、混練にはミキサが用いら
れるため、繊維切れが生じ、補強性が低下する。
【0008】さらに、特開昭64−33037号公報に
は、繊維強化材料の一部を水と界面活性剤の混合物に短
繊維と共に分散後、乾燥し、小塊状に解砕した後、繊維
強化材料に混入分散させる補強用繊維の分散方法が開示
されている。しかし、この方法においても、短繊維がス
ラリー中でミキサなどの機械的攪拌力により混合される
ので、分散に長時間を必要とすると共に、繊維切れが生
じ易い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、繊維を切断することなく短繊維を短時間内に開繊で
きる短繊維予備分散体の製造方法および製造装置を提供
することにある。
【0010】本発明の他の目的は、短繊維と粉体とを均
一に混合できる短繊維予備分散体の製造方法および製造
装置を提供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、短繊維の表面
に粉体が均一に付着し、補強用材料として有用な分散体
を得ることができる短繊維予備分散体の製造方法および
製造装置を提供することにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、セメントスラ
リーなどに添加する際、繊維が速やかに且つ均一に分散
する短繊維予備分散体と、その製造方法および製造装置
を提供することにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、嵩密度が大き
く取扱性に優れる短繊維予備分散体と、その製造方法お
よび製造装置を提供することにある。
【0014】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成するため
鋭意検討の結果、上下方向の循環気流により、短繊維を
浮遊流動させると、気流により、繊維を切断することな
く短繊維を短時間内に開繊できることを見いだし、本発
明を完成した。
【0015】すなわち、本発明の方法では、少なくとも
短繊維を、上下方向の循環気流により浮遊流動させて分
散させる。
【0016】また、本発明の短繊維予備分散体は、上下
方向の循環気流により浮遊流動させて分散した短繊維
と、粉体またはバインダー液とを含む混合物が成形され
ている。
【0017】さらに、本発明の製造装置は、気体を容器
内に導入するための気体導入口と、短繊維を前記容器内
に供給するための原料供給口と、短繊維の通過を規制す
る規制手段を備えた気体排出口とを有する装置であっ
て、前記気体導入口が、容器の上部又は下部に設けられ
ている。
【0018】以下、必要に応じて添付図面を参照しつつ
本発明を詳細に説明する。
【0019】前記繊維の種類は、特に制限されないが、
強化プラスチック、セメントモルタル用の繊維としては
補強繊維を用いる場合が多い。補強繊維としては、例え
ば、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、レーヨン
などの高分子繊維、石油又は石炭系ピッチなどを素材と
する炭素繊維;ポリプロピレン繊維;ガラス繊維;芳香
族ポリアミド繊維(アラミド繊維など);ポリビニルア
ルコール系合成繊維(高強度ビニロン繊維);ポリエー
テルスルホン繊維などが例示される。繊維の素線径は、
例えば、5〜30μm程度である。これらの繊維は少な
くとも一種使用できる。
【0020】これらの繊維の中で、補強効果を高めるた
めには、引張弾性率5×103 kgf/mm2 以上の繊
維、例えば炭素繊維やアラミド繊維などが好ましい。
【0021】繊維は、短繊維として使用される。短繊維
の長さは、例えば、0.1〜50mm程度であり、0.
5〜20mm程度の短繊維が繁用される。短繊維のアス
ペクト比は、補強性を高めるため、40〜10000、
好ましくは100〜4000程度である。
【0022】本発明の製造方法の特色は、少なくとも前
記短繊維を、上下方向の循環気流により浮遊流動させて
分散させる点にある。このような循環気流により短繊維
を浮遊流動させると、繊維が切断されることなく、短繊
維が速やかに単一繊維に開繊される。
【0023】前記気体としては、窒素ガスなどの不活性
ガスも使用できるが、通常、空気を用いる場合が多い。
また、分散時の温度も特に制限されず、例えば、0〜5
0℃、好ましくは10〜40℃程度で混合する場合が多
い。
【0024】短繊維を分散させるための循環気流は、上
下方向の気流であればよく、下方から上方へ向い、前記
下降流と合流する循環気流であってもよく、逆に上方か
ら下方へ向い、前記上昇流と合流する循環気流であって
もよい。上方から下方へ向い上方へ至る循環気流を利用
して、短繊維を分散すると、分散効率が高い。特に、分
散装置の容器の幅方向の中央部で、下降し分岐して両側
方向に向い、容器の内壁に沿って上昇し、前記下降流と
合流する循環気流を利用するのが好ましい。
【0025】循環気流を生成させるための気体の導入量
は、分散性を損わない範囲で選択でき、例えば、容器の
内容積1リットル当り、5〜100リットル/分、好ま
しくは10〜50リットル/分程度である。さらに、循
環気流の線速度は、例えば、1〜50m/秒、好ましく
は5〜20m/秒程度である。気体はブロワなどにより
分散容器内に導入してもよいが、圧縮気体を用いる場合
が多い。圧縮気体の圧縮度は、分散容器の容積、短繊維
の種類や比重などに応じて選択でき、例えば、2〜30
kgf/cm2 、好ましくは4〜20kgf/cm2
度である。
【0026】本発明の方法によれば、短繊維を短時間内
に開繊、分散できる。循環気流による分散時間は、例え
ば10秒〜10分、好ましくは20秒〜5分程度であ
る。
【0027】本発明の製造方法においては、短繊維と共
に他の成分を、上下方向の循環気流により浮遊流動させ
て、短繊維と前記他の成分とを分散混合することもでき
る。前記他の成分には、粉体および液状粒子などが含ま
れる。
【0028】粉体としては、短繊維と組合せて使用され
る種々の有機又は無機粉体が使用できる。また、液状粒
子としては、有機物質を含む溶液又は懸濁液の粒子が使
用できる。これらの粉体および液状粒子は、強化プラス
チックや強化コンクリートなどの用途に応じて適宜選択
される。
【0029】例えば、短繊維予備分散体を強化プラスチ
ックに使用する場合には、短繊維に有機粉体または有機
の液状粒子を分散混合する場合が多い。前記有機粉体と
しては、強化プラスチックの成分として使用される有機
粉体、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニル
エステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂;ポリアセタール、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレン
スルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリレー
ト、芳香族ポリアミドなどの熱可塑性樹脂が例示され
る。上記樹脂は一種または二種以上使用される。また、
前記有機の液状粒子としては、前記熱硬化性樹脂または
熱可塑性樹脂を含む溶液または懸濁液の粒子が挙げられ
る。この場合、溶媒として水または有機溶媒を使用でき
る。
【0030】また、短繊維予備分散体を強化コンクリー
トに使用する場合には、短繊維に無機粉体、有機粉体ま
たは有機の液状粒子を分散混合する場合が多い。前記無
機粉体としては、強化コンクリート用の成分として使用
される無機粉体、例えば、シリカヒュームなどのケイ酸
塩鉱物や種々のセメントが使用できる。セメントの種類
は特に制限されず、例えば、ポルトランドセメント、早
強ポルトランドセメント、アルミナセメント、急硬高強
度セメント、焼きセッコウなどの自硬性セメント;石灰
スラグセメント、高炉セメントなどの水硬性セメント;
混合セメントなどが挙げられる。また、前記有機粉体に
は、水溶性高分子、例えば、メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナ
トリウムなどのセルロース誘導体;ポリビニルアルコー
ル;ポリビニルエーテル;ポリビニルピロリドン;ホル
マール化度の小さいポリビニルホルマール;ポリエチレ
ングリコールなどのポリアルキレングリコール;水溶性
アクリル樹脂;水溶性ポリエステル;メラミン樹脂;ア
ルギン酸ナトリウムなどが例示できる。また、前記有機
の液状粒子としては、前記水溶性高分子の水溶液または
水分散液の粒子が挙げられる。
【0031】さらに、前記粉体には、各種の粉粒状添加
剤、例えば、充填剤、着色剤、強化プラスチックにおけ
る硬化剤、セメントモルタルにおける骨材、凝結遅延
剤、硬化促進剤、減水剤、凝固剤、増粘剤、発泡剤、防
水剤なども含まれる。
【0032】本発明の方法によれば、短繊維との混和性
が劣る無機粉体を用いても、短時間内に効率よくしかも
均一に分散させることができる。
【0033】前記粉体の粒径は、循環気流により浮遊流
動可能な範囲であればよく、例えば、0.01μm〜3
mm、好ましくは0.01μm〜1mm程度である。な
お、粉体は、浮遊流動させる際、溶融していてもよい。
【0034】短繊維と粉体とを分散混合する場合、前記
短繊維と粉体との割合は、粉体の粒子径および比重など
に応じて広い範囲で選択できる。粉体100重量部に対
する短繊維の使用量は、例えば、0.1〜500重量
部、好ましくは10〜400重量部程度である。なお、
粉体がシリカヒュームなどの微粉末である場合には、短
繊維の使用量は、粉体100重量部に対して0.1〜5
00重量部程度であり、セメントなどの比重の大きな無
機粉体である場合には、短繊維の使用量は、粉体100
重量部に対して0.1〜100重量部程度である。短繊
維の使用量が0.1重量部未満であると、短繊維と混合
する意義が少なく、500重量部を越えると、短繊維の
集合体であるファイバーボールが生成し易い。
【0035】このような循環気流により短繊維と粉体と
を浮遊流動させると、循環過程で短繊維が開繊すると共
に、短繊維の表面に粉体が均一に付着し、短繊維同士の
付着や絡みが抑制される。そのため、短繊維と粉体とを
均一に且つ効率よく混合できる。
【0036】短繊維と粉体との混合を行う場合におい
て、上方から下方へ向い上方へ至る循環気流を利用し
て、短繊維と粉体とを分散混合すると、分散効率が高
い。また、分散機の容器の幅方向の中央部で、下降し分
岐して両側方向に向い、容器の内壁に沿って上昇し、前
記下降流と合流する循環気流を利用するのが好ましい。
【0037】前記短繊維と粉体は容器内へ同時に仕込ん
で浮遊流動により混合してもよいが、浮遊流動により短
繊維を予め分散させた後、浮遊流動により粉体と混合す
ると、短繊維と粉体の分散効率をさらに高めることがで
きる。すなわち、このような方法では、短繊維を循環気
流により単一繊維に開繊できるので、短繊維に対する粉
体の付着効率を高めることができ、混合性の悪い粉体を
用いても均一な混合物を短時間内に効率よく得ることが
できる。
【0038】本発明の方法によれば、短繊維と粉体とを
短時間内に均一に混合できる。循環気流による混合時間
は、例えば、10秒〜10分、好ましくは20秒〜5分
程度である。なお、短繊維と粉体とを順次浮遊流動させ
る場合には、それぞれの浮遊流動過程での混合時間を上
記範囲から適当に選択すればよい。
【0039】短繊維と液状粒子との分散混合は、前記短
繊維と粉体との分散混合に準じて行うことができる。液
状粒子は、慣用の方法、例えば、溶液または懸濁液を噴
霧器などで噴霧することにより形成することができる。
【0040】短繊維と他の成分とを分散混合する場合、
前記気体の温度は、混合する成分の種類等により適宜選
択できる。例えば、短繊維と前記熱硬化性樹脂または熱
可塑性樹脂を含む液状粒子との混合は、溶媒が蒸発する
温度で行う場合が多い。
【0041】本発明の短繊維予備分散体において、短繊
維は、上下方向の循環気流により浮遊流動させて分散し
た繊維であればよい。
【0042】本発明の短繊維予備分散体の特色は、前記
短繊維と、粉体またはバインダー液とを含む混合物が成
形されている点にある。
【0043】前記粉体およびバインダーとしては、短繊
維同士を結合させる特性を有するものであれば特に限定
されない。以下、前記粉体およびバインダーを、バイン
ダー等という場合がある。前記バインダー等として、セ
メントスラリーなどに容易に溶解して短繊維を分散させ
る水溶性高分子などが好ましい。水溶性高分子として、
例えば、前記短繊維と分散混合する有機粉体として例示
した水溶性高分子などが挙げられる。なかでも、前記セ
ルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアルキレ
ングリコールなど、とりわけ、高い水溶解性を有し分散
性に優れたカルボキシメチルセルロースナトリウムなど
が好ましい。
【0044】バインダー等の含有量は、予備分散体の成
形性および使用時の分散性を損わない範囲で選択でき、
バインダー等の種類などによって異なるが、例えば、短
繊維100重量部当り、0.01〜50重量部、好まし
くは0.02〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜
0.5重量部程度である。
【0045】前記バインダー液には、上記バインダーの
水溶液、および水懸濁液などが含まれる。なかでも上記
バインダーの水溶液が好ましい。バインダー液中のバイ
ンダーの濃度は、バインダーの種類によっても異なる
が、例えば0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重
量%程度である。バインダー液の使用量は、少なくとも
短繊維の表面が濡れる程度であればよい。
【0046】本発明の短繊維予備分散体は、前記短繊維
およびバインダー等のほか、他の成分、例えば前記例示
の有機または無機粉体などを含んでいてもよい。
【0047】短繊維予備分散体の嵩密度は、例えば0.
02〜0.9g/cc、好ましくは0.03〜0.5g
/cc、さらに好ましくは0.05〜0.4g/cc程
度である。
【0048】短繊維予備分散体の大きさおよび形状は、
使用目的に応じて適宜選択できる。例えば、直径或いは
辺の長さが1cm〜1.5m程度、好ましくは2cm〜
50cm程度の立方体、直方体、円柱などの形状にする
場合が多い。
【0049】前記短繊維予備分散体は、短繊維を上下方
向の循環気流により、(1)浮遊流動させて分散させな
がら粉体またはバインダー液を噴霧した後、または
(2)浮遊流動させて分散させ、次いでバインダー液を
接触させた後、得られた分散体を成形することによって
製造することができる。
【0050】短繊維を浮遊流動させて分散させる方法と
しては、前記の方法を使用できる。粉体またはバインダ
ー液の噴霧は慣用の方法により行うことができる。前記
(1)の方法においては、短繊維とバインダー液の噴霧
液または粉体とを容器内へ同時に仕込んで浮遊流動によ
り混合してもよいが、浮遊流動により短繊維を予め分散
させた後、浮遊流動によりバインダー液の噴霧液または
粉体と混合すると、バインダー液または粉体を短繊維
に、より均一に付着させることができる。
【0051】前記(2)において、分散した短繊維にバ
インダー液を接触させる方法としては、特に限定されな
いが、例えば、前記のように分散させた短繊維を、適当
な容器中でバインダー液に浸漬させ、次いで過剰のバイ
ンダー液を濾過等により除去する方法などが例示でき
る。前記容器として、例えば底にフィルターを備えた容
器、通水性の布などで形成された袋体などが使用でき
る。
【0052】成形は、前記方法により得られた分散体を
所定の大きさの型に入れ、必要に応じて加圧又は吸引す
ることにより行うことができる。前記短繊維とバインダ
ー液とを接触させる容器を、成形用の型として用いても
よい。
【0053】加圧成形する場合の成形圧力は、ゲージ圧
として、例えば0.01〜5kgf/cm2 、好ましく
は0.1〜1kgf/cm2 程度である。前記圧力が5
kgf/cm2 を越えると、繊維が圧壊し易くなり、ま
た0.01kgf/cm2 未満では嵩密度を大きくする
ことが困難になり易い。成形圧力を調整することによ
り、所望の嵩密度を有する短繊維予備成形体を得ること
ができる。また、吸引成形は、例えば、メッシュ状に形
成された多数の小孔を有する吸引成形型などを用いるこ
とによって行うことができる。
【0054】成形は加熱下に行ってもよい。加熱により
バインダー液が固化すると、予備成形体の取扱性がさら
に向上する。加熱温度は、バインダー等の種類によって
異なり、例えばバインダー液としてカルボキシメチルセ
ルロースナトリウム水溶液を用いる場合には、150〜
180℃程度である。また、成形された短繊維予備分散
体は、必要に応じて乾燥してもよい。乾燥温度は、前記
成形時の加熱温度と同様、バインダー等の種類などによ
って、適宜定めることができる。本発明においては、バ
インダー等の量は少量でよいことから、加熱成形の時
間、乾燥時間を短縮することができる。
【0055】短繊維予備分散体は、使用時の大きさに合
せた型を用いて成形してもよく、また、より大きな型を
用いて成形した後、所望の大きさに切断、破砕等しても
よい。
【0056】こうして得られる短繊維予備分散体は、上
下方向の循環気流により、切断されることなく均一に分
散した短繊維が、均一分散状態を保持しつつバインダー
等により結合されているため、嵩密度を大きくできると
共に、セメントスラリーなどに混入させる際、極めて短
時間内に短繊維を均一に分散させることができる。ま
た、成形されているため、取扱が容易であり、作業性が
向上すると共に、粉塵が発生せず良好な作業環境を保持
できる。
【0057】図1は本発明の製造装置の一例を示す概略
断面図である。この装置は、気体を導入するための気体
導入口2を備えた容器本体1と、この容器本体1内に短
繊維を投入するための繊維投入口3と、前記容器本体1
内に粉体を投入するための粉体投入口4とを備えてい
る。そして、前記気体導入口2は、容器本体1の上部の
中央部に設けられている。
【0058】なお、前記繊維投入口3と粉体投入口4に
対応する容器本体1の内壁には、混合時に容器本体1内
を密閉状態に保つため、開閉可能なシャッタ5が設けら
れている。
【0059】前記容器本体1の側部には、排気口6が連
通して接続されている。また、排気口6に対応する容器
本体1の内壁には、短繊維及び粉体の通過を規制するフ
ィルタ7が設けられている。さらに、前記容器本体1の
底部には、均一に分散した分散体を取出すための開閉シ
ャッタ8が設けられている。なお、短繊維及び粉体の通
過を規制する規制手段は、前記フィルタに限らず、通気
可能な種々の材料、例えば、メッシュ状部材、不織布、
織布などで形成できる。
【0060】また、この例では、前記開閉シャッタ8に
対応する容器本体1の底部には、容器本体1内で分散さ
れた分散体を、開閉シャッタ8の開閉操作により収容す
るための筒状収容室9が設けられている。この収容室9
に収容された分散体は、袋体10に袋詰めされる。
【0061】このような装置では、気体導入口2から気
体を導入すると、気体が容器本体1の横方向の中央部で
軸心方向に下降して側方へ分岐する下降流が生成すると
ともに、容器本体1の側部内壁に沿って上昇し、前記下
降流と合流する循環気流が生じ、容器本体1内を循環す
る。そのため、繊維投入口3のシャッタ5を開いて、短
繊維を容器本体1内に投入し、前記気体導入口2から圧
縮気体を導入すると、循環気流により短繊維が浮遊流動
して開繊され、単一繊維に分散する。また、過剰な気体
は、フィルタ7を通じて排気口6から排出される。
【0062】そして、短繊維が開繊した後、気体の導入
を停止し、粉体投入口4から容器本体1内に粉体を投入
し、粉体投入口4のシャッタ5を閉じて、気体導入口2
から圧縮気体を容器本体1内に導入すると、過剰な気体
は、フィルタ7を通じて排気口6から排出されるととも
に、開繊した短繊維と共に粉体が浮遊流動する。浮遊流
動過程で、繊維表面には粉体が付着し、短繊維同士の再
凝集や絡み合いが抑制され、短繊維と粉体とが均一に混
合する。特に、循環気流により短繊維と粉体とを浮遊流
動させて混合するため、短繊維が切断することがない。
【0063】短繊維と粉体とを均一に混合した後、気体
の導入を停止し、容器本体1の底部に設けられた開閉シ
ャッタ8を開くことにより、均一混合物を取出すことが
できる。なお、短繊維と粉体とを混合しない場合には、
短繊維を開繊させた後、そのまま、容器本体1の底部に
設けられた開閉シャッタ8を開くことにより、均一に分
散された短繊維を取出すことができる。
【0064】また、この装置では、短繊維および粉体の
漏出を規制しながら、短繊維と粉体とを混合するととも
に、原料の投入、混合および混合物の排出と袋詰めを行
なうことができ、粉塵が発生することがない。また、気
体を導入するだけで、短繊維と粉体との分散に有用な循
環気流を生成させることができるので、従来のように、
攪拌のための特別の動力源を必要としない。
【0065】なお、短繊維と粉体とを、容器本体の内壁
に沿って周方向に流れる旋回気流により浮遊流動させる
と、旋回過程で短繊維が集合し、ファイバーボールが生
成する。一方、上下方向の循環気流により短繊維と粉体
とを浮遊流動させると、気流の下降及び上昇により短繊
維の集合を効率よく抑制でき、短繊維と粉体とが均一に
混合した混合物を得ることができる。
【0066】気体導入口は、上下方向の循環気流を生成
させる限り、容器本体の底部に設けてもよい。好ましい
装置において、気体導入口は、混合物の取出し作業性を
損うことのない容器本体の上部に設けられる。気体導入
口は、容器本体の軸心部から位置ずれして設けてもよい
が、容器本体内で均一な循環気流を生成させるため容器
本体の軸心部に設けるのが好ましい。
【0067】繊維投入口と粉体投入口はそれぞれ別個に
設ける必要はなく、1つの投入口から短繊維と粉体を容
器本体内に投入してもよい。短繊維と液状粒子を分散混
合する場合には、液状粒子を、例えば粉体投入口から仕
込むことができる。なお、短繊維のみを分散させる場合
には、粉体投入口を設ける必要はない。繊維投入口と粉
体投入口には、開閉シャッタなどを備えたホッパを取付
けてもよい。また、短繊維と粉体との投入は、機械的に
行なってもよく、空気などの気流、例えば噴出気流など
を利用して行なってもよい。
【0068】また、容器本体には少なくとも1つの排気
口を設ければよいが、気流を円滑に循環させるため、容
器本体の対称位置に設けるのが好ましい。なお、排気口
は、気体導入口などの取付け位置に応じて、容器本体の
側部に限らず、上部や底部に設けることもできる。
【0069】繊維投入口および粉体投入口のシャッタ、
排気口のフィルタは、容器本体の内壁よりも外方の投入
口や排気口に設けてもよいが、気流を効率よく循環させ
るとともに、投入口や排気口に短繊維や粉体が堆積する
のを抑制するため、容器本体の内壁に沿って設けられて
いるのが好ましい。また、容器本体の底部の開閉シャッ
タは、前記容器本体の底部に設けられた収容室の上部に
設けてもよいが、上記と同様の理由から、容器本体の内
壁に沿って設けるのが好ましい。
【0070】また、分散体を収容するための収容室は必
ずしも必要ではなく、例えば、容器本体の底部に、可撓
性であってもよい袋状などの筒体を取付け、この筒体を
通じて、開閉シャッタの開閉操作により分散体を取出し
たり、袋詰めしてもよい。また、開閉シャッタからは、
必要に応じてシュートなどを介して、分散体をコンベア
または気送管などにより所定の箇所に移送してもよい。
【0071】図2は、本発明の製造装置の他の例を示す
概略部分断面図である。なお、図1と同じ要素には同一
の番号を付している。
【0072】この例では、容器本体1の下部に、筒体1
1が取付けられている。そして、筒体11の下方には、
横断面が略正方形であって、側部の上部に2つの液導入
口12が対向して備えられ、底部にフィルタ15を有す
る濾過装置13が設置されている。この濾過装置の対向
する両側部には、開閉ドア14が設けられていると共
に、下部には、バルブを有する液排出口16が取付けら
れている。
【0073】このような製造装置では、容器本体1にお
いて開繊、分散された短繊維の分散体を、開閉シャッタ
8の開閉操作により、筒体11を通じて濾過装置13に
投入する。そして、分散体の入った濾過装置13に、液
導入口12から所定量のバインダー液を導入し、前記分
散体をバインダー液に浸漬する。次いで、濾過装置13
内のバインダー液を、吸引濾過操作により、液排出口1
6から排出する。こうして得られるバインダー液の付着
した分散体は、開閉ドア14から取出され、成形工程に
供される。前記分散体の取出しは、両側部の開閉ドア1
4を開き、適当な大きさの板状の部材により、一方の側
から他方の側に押出すことによって容易に行うことがで
きる。排出されたバインダー液は循環使用できる。
【0074】なお、この例において、液導入口は、必ず
しも濾過装置13の側部に取付けられている必要はな
く、例えば筒体11の側部に取付けられていてもよく、
またこれらの部材から独立して設けられていてもよい。
濾過装置の横断面の形状は、正方形に限らず、他の四角
形、円等の何れの形状であってもよい。フィルタ15
は、前記分散体を通過させず、液を通過させる限り、特
に限定されない。バインダー液の付着した分散体の取出
しは、濾過装置13の側部に限らず、濾過装置13の上
部から取出すこともできる。また、フィルタ15を取外
し可能または開閉可能にして、濾過装置13の下部に前
記分散体の取出口を設けることもできる。バインダー液
の排出は、吸引濾過に限らず、自然濾過、デカンテーシ
ョンなどによっても行うことができる。
【0075】本発明によると、短繊維の切断が生じるこ
となく、単一繊維に開繊された均一な短繊維や、短繊維
と粉体または液状粒子との均一な混合物を得ることがで
きる。そのため、短繊維として補強繊維を用いる場合に
は、短繊維による補強性を有効に利用できるだけでな
く、プラスチックやセメントモルタル成分などとの混和
性に優れている。従って、本発明は、補強材用の予備分
散体を調製する上で有用であり、補強材において、短繊
維を均一に分散させ、補強効果を高めることができる。
【0076】
【発明の効果】本発明の方法および装置では、上下方向
の循環気流により短繊維を分散させるので、短繊維の切
断を生じさせることなく、短繊維を均一に開繊すること
ができる。また、短繊維と粉体または液状粒子とを混合
させる場合には、短繊維の切断を生じさせることなく、
短繊維と粉体などとを均一かつ効率よく混合でき、短繊
維の表面に粉体などが均一に付着し、均一分散体として
の混合物を得ることができる。
【0077】また、本発明の短繊維予備分散体では、短
繊維が切断されることなく均一に開繊されているため、
短繊維を、セメントスラリーなどに極めて短時間で均一
に分散させることができる。また、取扱が容易であり、
作業効率が向上すると共に、粉塵が発生せず良好な作業
環境を保持できる。
【0078】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0079】実施例1 図1に示すのと同様の構造の装置を用いて、炭素繊維の
短繊維とシリカヒュームとを混合した。すなわち、ピッ
チ系炭素繊維(繊維径18μm、繊維長6mm)500
gを容器(内容積500L)に入れ、7kgf/cm2
の圧縮空気を容器の上部の中央部から導入し、炭素繊維
を1分間浮遊流動させた。なお、空気の導入に伴って、
容器の横方向の中央部では下降し、容器の側部内壁では
上昇する循環気流により、炭素繊維を浮遊流動させた。
【0080】炭素繊維を浮遊流動させた後、空気の導入
を停止し、シリカヒューム(日本重化学工業(株)製)
1500gを容器内に投入し、再度、7kgf/cm2
の圧縮空気を容器の上部の中央部から導入し、炭素繊維
とシリカヒュームとを1分間浮遊流動させた。
【0081】実施例2 実施例1で用いた炭素繊維500gを容器(内容積50
0L)に入れ、実施例1と同様にして1分間浮遊流動さ
せた後、空気の導入を停止し、普通ポルトランドセメン
ト20kgを容器内に投入し、再度、7kgf/cm2
の圧縮空気を容器の上部の中央部から導入し、炭素繊維
とセメントとを2分間浮遊流動させた。
【0082】比較例1 容器の側部に気体導入口が設けられ、この気体導入口か
ら圧縮空気を容器の側部から周方向に導入し、周方向の
旋回流を生じさせる装置を用いる以外、実施例1と同様
にして、炭素繊維とシリカヒュームとを浮遊流動させ
た。
【0083】比較例2 容器の底部に攪拌羽根を備えた混合機を用い、攪拌羽根
を600rpmで回転させる以外、実施例1と同様にし
て、炭素繊維とシリカヒュームとを浮遊流動させた。
【0084】そして、前記実施例1、2、および比較例
1、2で得られた混合物を観察すると共に、400本の
炭素繊維の平均繊維長を測定したところ、表に示す結果
を得た。また、実施例1で得られた混合物の写真を図3
に、比較例1で得られた混合物の写真を図4に示す。
【0085】
【表1】 表より明らかなように、実施例1及び2で得られた混合
物では、繊維の切断が生じることなく、しかも繊維とシ
リカヒューム又はセメントとが均一分散していた。特に
図3から明らかなように、粉体が繊維に一様に付着し、
繊維は均一に分散している。これに対して、比較例1で
得られた混合物では、繊維が集合した綿状のファイバー
ボールが部分的に生成していた。また、比較例2で得ら
れた混合物では、炭素繊維とシリカヒュームとが均一に
分散していたものの、繊維の切断が生じ、繊維長が著し
く短くなっていた。
【0086】実施例3 図1に示すのと同様の構造の装置(但し、容器本体の下
部は、図2のように構成されている)を用いて、炭素繊
維の短繊維を分散させた。すなわち、ピッチ系炭素繊維
(繊維径18μm、繊維長6mm)500gを容器(内
容積500L)に入れ、5kgf/cm2 の圧縮空気を
容器の上部の中央部から導入し、炭素繊維を1分間浮遊
流動させた。なお、空気の導入に伴って、容器の横方向
の中央部では下降し、容器の側部内壁では上昇する循環
気流により、炭素繊維を浮遊流動させ、繊維を均一分散
させた。
【0087】その後、容器底部の開閉シャッタを開け、
分散した炭素繊維を、筒体を通じて、濾過装置に投入し
た。次いで、濾過装置に設けられた液導入口からバイン
ダー液として1重量%カルボキシメチルセルロースナト
リウム水溶液を導入し、炭素繊維とバインダー液とを十
分接触させた後、過剰のバインダー液を吸引濾過によ
り、液排出口を通して排出した。得られたバインダー液
の付着した炭素繊維を、15cm×15cm×50cm
(高さ)の型枠に入れ、厚さが15cmとなるまで加圧
し、180℃で10分かけて硬化させ、15cm×15
cm×15cmの短繊維予備分散体ブロックを得た。そ
して、これを、カッターで切断し、5cm×5cm×5
cmの小片ブロックとした。得られた短繊維予備分散体
の嵩密度は0.148g/ccであった。
【0088】この短繊維予備分散体の小片ブロック2個
と、普通ポルトランドセメント2kg、けい砂1kg、
および水800gとを、ホバートミキサーを用いて混練
したところ、2分で均一に分散させることができた。ま
た、得られたセメントモルタルを、4cm×4cm×1
6cmの大きさの型枠に入れ、1日後に脱型し、一週間
水中養生した後、3点曲げ試験を行ったところ、曲げ強
度は185kgf/cm2 であった。
【0089】実施例4 バインダー液として、1重量%ポリビニルアルコール水
溶液を用いた以外は、実施例3と同様の操作を行い、短
繊維予備分散体を得た。この嵩密度は0.148g/c
cであった。
【0090】この短繊維予備分散体を用い、実施例3と
同様にして混練したところ、4分で均一に分散させるこ
とができた。また、得られたセメントモルタルについ
て、実施例3と同様にして3点曲げ試験を行ったとこ
ろ、曲げ強度は152kgf/cm2 であった。
【0091】比較例3 実施例3と同様のピッチ系炭素繊維(嵩密度0.019
g/cc)を、気流分散を行うことなく、実施例3の短
繊維予備分散体の代わりに用い、実施例3と同様にして
モルタル混練を行ったところ、ファイバーボールが生
じ、10分混練しても、均一に分散できなかった。
【0092】このセメントモルタルについて、実施例3
と同様にして3点曲げ試験を行ったところ、曲げ強度は
80kgf/cm2 であった。
【0093】比較例4 炭素繊維を気流分散することなく、そのまま使用し、前
記特開昭64−33037号公報の実施例2に記載の方
法に準じて、セメントモルタルを調製した。
【0094】すなわち、フライアッシュと水と高性能減
水剤(花王株式会社製、商品名:マイティ150)と
を、フライアッシュ:水:高性能減水剤=1:10:
0.003(重量比)の割合でホバートミキサーに入
れ、3分間練り混ぜた後、フライアッシュと同重量のピ
ッチ系炭素繊維(繊維径18μm、繊維長6mm)を混
入し、さらに3分間練り混ぜ分散させた。次いで、これ
を110℃で乾燥し、凝集させた。得られた凝集体をア
レキサンダー乾式造粒機を用いて、径が10mm程度と
なるように破砕し、小塊とした。
【0095】短繊維予備分散体の小片ブロックの代わり
に、前記小塊を用い、実施例3と同様にしてセメントモ
ルタルを調製したところ、分散はするものの、繊維切れ
が多く、曲げ強度は115kgf/cm2 であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の製造装置の一例を示す概略断面
図である。
【図2】図2は本発明の製造装置の他の例を示す概略部
分断面図である。
【図3】図3は実施例1で得られた混合物を示す写真で
ある。
【図4】図4は比較例1で得られた混合物を示す写真で
ある。
【符号の説明】
1…容器本体 2…気体導入口 3…繊維投入口 4…粉体投入口 6…排気口 7…フィルタ 8…開閉シャッタ 12…液導入口 13…濾過装置 14…開閉ドア 15…フィルタ 16…液排出口
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29B 11/16 9268−4F 15/00 9350−4F

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも短繊維を、上下方向の循環気
    流により浮遊流動させて分散させる短繊維予備分散体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 短繊維と粉体とを、上下方向の循環気流
    により浮遊流動させて分散混合する請求項1記載の短繊
    維予備分散体の製造方法。
  3. 【請求項3】 気体導入口と気体排出口とを備えた容器
    内に短繊維を投入し、上下方向の循環気流により短繊維
    を浮遊流動させて分散させた後、前記容器内に粉体を投
    入し、上下方向の循環気流により短繊維と粉体とを浮遊
    流動させる請求項2記載の短繊維予備分散体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 容器内へ気体を上部から下方へ供給し、
    前記容器の内壁に沿って上昇気流を生じさせ、短繊維と
    粉体とを混合する請求項2記載の短繊維予備分散体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 短繊維を上下方向の循環気流により、
    (1)浮遊流動させて分散させながら粉体またはバイン
    ダー液を噴霧した後、または(2)浮遊流動させて分散
    させ、次いでバインダー液を接触させた後、得られた分
    散体を成形する請求項1記載の短繊維予備分散体の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 上下方向の循環気流により浮遊流動させ
    て分散した短繊維と、粉体またはバインダー液とを含む
    混合物が成形された短繊維予備分散体。
  7. 【請求項7】 嵩密度が0.03〜0.5g/ccであ
    る請求項6記載の短繊維予備分散体。
  8. 【請求項8】 気体を容器内に導入するための気体導入
    口と、短繊維を前記容器内に供給するための原料供給口
    と、短繊維の通過を規制する規制手段を備えた気体排出
    口とを有する装置であって、前記気体導入口が、容器の
    上部又は下部に設けられている短繊維予備分散体製造装
    置。
  9. 【請求項9】 粉体を容器内に供給するための原料供給
    口を有すると共に、気体排出口に備えられた規制手段が
    粉体の通過をも規制する請求項8記載の短繊維予備分散
    体製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009006327A (ja) * 2002-01-15 2009-01-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd 固液材料の混合方法および混合装置
JP2011146930A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Sony Corp 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
CN102717063A (zh) * 2012-07-03 2012-10-10 辽宁忠旺集团有限公司 短碳纤维铝基复合材料粉末冶金混料方法及其混料装置

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