JP3253395B2 - 無機質組成物 - Google Patents

無機質組成物

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JP3253395B2 JP2522393A JP2522393A JP3253395B2 JP 3253395 B2 JP3253395 B2 JP 3253395B2 JP 2522393 A JP2522393 A JP 2522393A JP 2522393 A JP2522393 A JP 2522393A JP 3253395 B2 JP3253395 B2 JP 3253395B2
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、住宅やビルディング等
の内外壁、床材、瓦等の建築用部材として有用な、不燃
性、強度及び耐久性に優れた無機質成形体を成形する原
料として好適に使用される、無機質組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】アルカリの存在下で熱により硬化する無
機質組成物について幾つかの提案がされている。例え
ば、特開平4─59648号公報に記載の如く、アルカ
リ金属珪酸塩水溶液とメタカオリン、コランダムあるい
はムライトの製造時に発生する集塵装置の灰、フライア
ッシュ等の無機固体成分、及び、充填材や有機ベントナ
イト等の混和材を混入することにより建築資材に有用な
無機成形体を製造することが提案され、特開平4─61
38号公報に記載されているように、フライアッシュを
アルカリ金属珪酸塩水溶液と混合し加熱硬化させること
により無機成形体とすることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の無機
質組成物を硬化させて無機質成形体を成形した場合、成
形過程における反応は、フライアッシュ等と金属珪酸塩
水溶液を主とする脱水縮合反応であるため体積収縮が生
じる。このため得られた無機質成形体にクラックが発生
し易く強度が低く、又、クラックが発生しない場合でも
無機質成形体内に残存応力があるため、耐熱水性等が低
く、耐久性が劣るという問題点がある。
【0004】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
し、特定のフライアッシュを用いることによりアルカリ
金属水酸化物溶液もしくはアルカリ金属珪酸塩水溶液と
の反応性を高め、又、反応硬化時の体積収縮を防止する
ことにより、又、特定の粉砕フライアッシュを用いるこ
とにより更にアルカリ金属水酸化物溶液もしくはアルカ
リ金属珪酸塩水溶液との反応性を高めることにより、不
燃性、強度、耐久性に優れた無機質硬化体を得ることが
できる無機質組成物を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明1は、粒径10μ
m以下の粉体を80重量%以上含有するフライアッシュ
100重量部と、アルカリ金属水酸化物溶液もしくはア
ルカリ金属珪酸塩水溶液10〜300重量部と、40〜
200μmの粒径を有する珪砂100〜300μmから
なる無機質組成物である。
【0006】一般に、フライアッシュとは、石炭火力発
電所のボイラーから排出される石炭灰のうち集塵機で捕
集した微細な灰からなり、JIS A 6201に合格
するものをいい、化学的組成として、SiO2 とAl2
3 を主成分として含有し、Fe2 3 、MgO、Ca
O等を副成分として含有する結晶質物質と非晶質物質の
混合物であり、その粒度分布は、粒径数〜数百μmの広
い分布を有している。
【0007】このようなフライアッシュを、そのままア
ルカリ金属水酸化物溶液もしくはアルカリ金属珪酸塩水
溶液と反応させても、強度、耐久性に優れた無機質硬化
体は得られない。そこで、フライアッシュの反応性を高
める方法について検討した結果、フライアッシュは各粒
度により粒子形、組成、構造等が異なる特異な特性を有
しており、その中で粒径10μm以下のフライアッシュ
がアルカリ金属水酸化物溶液もしくはアルカリ金属珪酸
塩水溶液と驚異的な反応性を示すことを見出した。
【0008】本発明1においては、粒径10μm以下の
粉体を80重量%以上含有するフライアッシュを用い
る。上記範囲を外れるフライアッシュを用いた場合は、
アルカリ金属水酸化物溶液もしくはアルカリ金属珪酸塩
水溶液との反応性が低く、強度、耐久性に優れた無機質
硬化体は得られない。
【0009】更に、本発明1において使用されるフライ
アッシュの化学成分は、SiO2 40〜80重量%、A
2 3 10〜40重量%のものが好適である。又、粒
径10μm以下のフライアッシュを作製する方法として
は、例えば、湿式沈降分級、風力分級、比重による分離
等通常行われている分級技術を使用することが可能であ
る。
【0010】本発明1において、アルカリ金属水酸化物
水溶液としては、一般式MOH(MはLi,K,Na又
はこれらの混合物を示す)で表されるものが使用でき、
その濃度は10%以上である必要があり、10〜50%
の範囲が好適である。
【0011】本発明1において、アルカリ金属珪酸塩水
溶液としては、一般式M2 O・nSiO2 (MはLi,
K,Na又はこれらの混合物を示し、nは8以下を示
す)で表されるものが使用できる。その水溶液濃度は1
0%以上である必要があり、10〜50%の範囲が好適
である。nが8を超えた場合、アルカリ金属珪酸塩水溶
液がゲル化をおこし易く粘度が急激に上昇するため、粉
体との混合が困難になる。
【0012】本発明1において、アルカリ金属水酸化物
水溶液もしくはアルカリ金属珪酸塩水溶液の添加量は、
上記のフライアッシュ100重量部に対して、10〜3
00重量部である必要があり、40〜250重量部の範
囲が好ましい。添加量が10重量部未満の場合には、粉
体と混練するのが難しくなり、逆に、300重量部を超
える場合には、得られる無機質成形体の機械的強度が低
下する。
【0013】本発明1においては、上記フライアッシュ
100重量部に対して、粒径40〜200μm、好まし
くは粒径40〜150μmを有する珪砂100〜300
重量部が添加される。粒径が40μm未満の場合、又は
粒径40〜200μmのものの添加量が100重量部未
満の場合には、フライアッシュとアルカリ金属水酸化物
水溶液もしくはアルカリ金属珪酸塩水溶液との脱水縮合
反応による体積収縮を十分防止できず、得られた無機質
成形体の耐水性試験による強度低下が大きくなり、逆
に、200μmを超えるか、粒径40〜200μmのも
のの添加量が300重量部を超える場合には、混練が困
難となり、更に得られる無機質成形体の機械的強度が低
下し、耐水試験による強度低下を大きくなる。
【0014】本発明1のには、必要に応じて材料の軽量
化を目的として、有機質発泡体や無機質発泡体等の発泡
体が添加されてもよい。有機質発泡体としては、例え
ば、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポ
リスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン等の合成樹脂
の粒状発泡体等が挙げられる。
【0015】無機質発泡体としては、例えば、ガラスバ
ルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン、シ
リカバルーン、パーライト、ヒル石、粒状発泡シリカ等
の粒状発泡体等が挙げられる。これらの発泡体は単独で
使用されてもよいし、又、併用されてもよい。
【0016】これらの発泡体の比重は、0.01〜1が
好適であり、0.03〜0.7が更に好ましい。比重が
0.01未満の場合には、得られる無機質成形体の機械
的強度が低下する傾向があり、逆に、1を超える場合に
は、得られる無機質成形体の軽量化の効果が得られない
傾向がある。
【0017】これらの発泡体の添加量は、無機質粉体1
00重量部に対して、200重量部以下が好ましい。添
加量が200重量部を超える場合には、得られる無機質
成形体の機械的強度が低下する傾向がある。
【0018】本発明1には、必要に応じて補強繊維が添
加されてもよい。補強繊維は、得られる無機質成形体に
付与したい性能に応じて任意のものが使用でき、例え
ば、ビニロン、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピ
レン、カーボン、アラミド、アクリル、レーヨン等の材
料からなる合成繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム、
鋼等の材料からなる無機繊維等が使用できる。
【0019】補強繊維は、繊維径1〜500μm、繊維
長1〜15mmのものが好ましい。補強繊維の太さは、
細すぎると混合時に再凝集し、交絡によりファイバーボ
ールが形成され易く、得られる無機質成形体の強度はそ
れ以上改善されない傾向があり、太過ぎるか短か過ぎる
と引張り強度向上等の補強効果が小さい傾向があり、長
過ぎると補強繊維の分散性及び配向性が低下する傾向が
ある。
【0020】補強繊維の添加量は、無機質粉体100重
量部に対して、10重量部以下が好ましい。添加量が1
0重量部を超える場合には、補強繊維の分散性が低下す
る傾向がある。
【0021】本発明1の無機質組成物から無機質成形体
を成形する方法としては、本発明の無機質組成物と、ア
ルカリ金属水酸化物水溶液もしくはアルカリ金属珪酸塩
水溶液と、必要に応じて、無機質充填材、有機質発泡体
もしくは無機質発泡体、補強繊維とを混練して得られた
混合物を原料として、注型法、プレス法、押出成形法等
の従来公知の方法により、成形する方法が採用できる。
無機質成形体は常温で硬化させてもよいが、50〜20
0℃の温度で加熱硬化させるのが好ましい。
【0022】本発明2は、本発明1の無機質組成物と、
粒径0.01〜30μmのシリカ粉1〜600重量部か
らなる無機質組成物である。
【0023】シリカ粉の粒径が0.01未満の場合、又
は粒径0.01〜30μmのものの添加量が1重量部未
満の場合には、シリカ粉の比表面積が大きく、混練に必
要なアルカリ金属水酸化物水溶液もしくはアルカリ金属
珪酸塩水溶液の添加量が多くなるため、得られる無機質
成形体の機械的強度及び耐久性が低下し、逆に、30μ
mを超える場合、又は粒径0.01〜30μmのものの
添加量が600重量部を超えるには、珪砂との細密充填
効果が得られず、得られる無機質成形体の機械的強度及
び耐久性が低下する。
【0024】又、本発明2の無機質組成物から無機質成
形体を成形する方法としては、本発明1と同様の方法が
採用できる。
【0025】更に、10μmよりも大きい粒径のフライ
アッシュの形態、構造を詳細に検討した結果、粒径10
〜200μmのフライアッシュは、シリカクォーツ、カ
ルシウム、鉄を主成分とする結晶粒子や、珪素やアルニ
ウムの中空状粒子並びに多孔性粒子の他に、10μm以
下の小球状の粉体を内包する中空状粒子があることを見
出した。
【0026】そこで、粒径10〜200μmのフライア
ッシュであって、10μm以下の小球状の粉体を内包す
る中空状粒子を含むものを破壊して、強度的欠陥をなく
すと共に、反応活性な内部小球を抽出することにより本
粒径の粒子を有効に使用できると考え、フライアッシュ
の粉砕法について検討を行った。
【0027】その結果、粒径10〜200μmの粒子の
存在量が10重量%以上であって、且つ、その領域中の
粒子内に形状が小球状の粉体を内包しているフライアッ
シュを、10μ以下の粒径の存在量が80重量%以上に
なるまで粉砕分級した粉砕フライアッシュとすることに
より、著しいアルカリ反応性と、無機質硬化体に強度を
発揮させることができることに成功した。
【0028】本発明3は、小球状の粉体を内包した粒径
10〜200μmの粒子が10重量%以上存在している
フライアッシュを、粒径10μm以下の粉体を80重量
%以上含有するまで粉砕したフライアッシュ100重量
部と、水溶液濃度が10%以上のアルカリ金属水酸化物
水溶液もしくはアルカリ金属珪酸塩水溶液10〜300
重量部からなる無機質組成物である。
【0029】ここで、フライアッシュ原粉を10μm以
下の粒径の存在量が80重量%以上になるまで粉砕して
本発明3において使用するフライアッシュとなす方法と
しては、ジェット粉砕機、ボール媒体ミル、ロール転動
型粉砕機等の微粉砕機を使用することにより可能であ
る。更に、風力、ふるい、動力等を利用する乾式分級機
が粉砕機内の備わった内部分級方式の粉砕分級システム
もしくは上記粉砕機と分級機を連続化した閉回路粉砕方
式の粉砕分級システムを使用することにより粉砕処理効
率が向上するため有効である。中でもジェット粉砕機と
風力粉砕機が組み合わさった粉砕分級システムが、処理
効率、処理量的に好ましい。
【0030】本発明3においては、フライアッシュとし
ては、上記のフライアッシュ原粉を、粒径10μm以下
の粉体を80重量%以上含有するまで粉砕したものを用
いることが重要であり、この範囲を外れる場合には、反
応性が顕著に高く、顕著に強度、耐久性の面で、優れた
無機質成形体を成形することができない。
【0031】本発明3において、アルカリ金属水酸化物
水溶液もしくはアルカリ金属珪酸塩水溶液としては、本
発明1と同様のものが同様の添加量使用される。本発明
3においては、必要に応じて、本発明1と同様の発泡
体、補強繊維が添加されてもよい。
【0032】又、本発明3においては、必要に応じて、
無機質充填材が添加されてもよい。無機質充填材として
は、例えば、タルク、ベントナイト、珪砂、ジルコンサ
ンド、フライアッシュ、シリカヒューム、スラグ、炭酸
カルシウム、マイカ、粘土、ばん土頁岩、ウォラストナ
イト、火山灰、ポーキサイト、セメント、石灰、石膏、
アルミナ、フピオゥライト等の一般にセメント等の無機
硬化材料に使用されている材料が使用できる。
【0033】これらの無機質充填材は、得られる無機質
成形体の用途に応じて適宜選択され、単独で使用しても
よいし、混合して使用してもよい。無機質充填材の添加
量は、フライアッシュ100重量部に対して、500重
量部以下が好ましい。添加量が500重量部を超える場
合には、得られる無機質成形体の機械的強度が低下する
傾向がある。
【作用】本発明1の無機質組成物は、粒径10μm以下
の粉体を80重量%以上含有するフライアッシュ100
重量部と、水溶液の濃度が10%以上のアルカリ金属水
酸化物溶液もしくはアルカリ金属珪酸塩水溶液10〜3
00重量部と、粒径40〜200μmの珪砂100〜3
00重量部からなることにより、フライアッシュとアル
カリ金属水酸化物溶液もしくはアルカリ金属珪酸塩水溶
液との反応性が高く、且つ、フライアッシュとアルカリ
金属水酸化物水溶液もしくはアルカリ金属珪酸塩水溶液
との脱水縮合反応による体積収縮を、珪砂が十分吸収す
るので、不燃性、強度及び耐久性に優れた無機質硬化体
を得ることができる。
【0034】本発明2の無機質組成物は、本発明1の無
機質組成物と、粒径0.01〜30μmのシリカ粉1〜
600重量部からなることにより、フライアッシュとア
ルカリ金属水酸化物水溶液もしくはアルカリ金属珪酸塩
水溶液との脱水縮合反応による体積収縮を、珪砂とシリ
カ粉とが細密充填状態で十分吸収するので、更に、不燃
性、強度及び耐久性に優れた無機質硬化体を得ることが
できる。
【0035】本発明3の無機質組成物は、小球状の粉体
を内包した粒径10〜200μmの粒子が10重量%以
上存在しているフライアッシュを、粒径10μm以下の
粉体を80重量%以上含有するまで粉砕したフライアッ
シュ100重量部と、水溶液濃度が10%以上のアルカ
リ金属水酸化物水溶液もしくはアルカリ金属珪酸塩水溶
液10〜300重量部からなることにより、フライアッ
シュとアルカリ金属水酸化物溶液もしくはアルカリ金属
珪酸塩水溶液との反応性が高いので、不燃性、強度及び
耐久性に優れた無機質硬化体を得ることができる。
【0036】
【実施例】10μm以下のフライアッシュの調整方法 フライアッシュ(関電化工社製、平均粒径20μm、比
重面積1.8m2 /g、JIS A 6201相等品)
を分級機(日清エンジニアリング社製、商品名「TC─
15」)を用いて、粒径10μm以下のフライアッシュ
を作製した。その粉体を粒度分布測定装置(レーザー回
折式粒度分布計、セイシン企業社製、商品名「PRO─
7000S」)を用いて、粒度分布を測定した結果、全
て粒径10μm以下であった。
【0037】珪砂の分級方法 珪砂をJIS規格の分級ふるいを用いて、粒径40〜1
49μm、210〜590μm、420〜840μmに
それぞれ分級した。
【0038】実施例1〜8、比較例1〜8 表1及び表2に示した所定量の粒径10μm以下のフラ
イアッシュ、各粒度に分級した珪砂、珪石粉(住友セメ
ント社製、粒径1〜20μm)、ビニロン繊維(太さ
1.8デニール、長さ6mm)、所定量のアルカリ金属
珪酸塩水溶液を、オムニミキサーに供給し、5分間混合
した。得られた混合物を大きさ150×50mm、高さ
10mmの型枠内に注入し、オーブン内で表1及び表2
に記載した温度、時間で硬化させて、無機質硬化体を得
た。得られた無機質硬化体について、以下の項目につい
て評価した。その結果を表1及び表2に示した。
【0039】硬化状態 目視により外観を評価した。曲げ強度 得られた無機質硬化体の曲げ強度を、JIS A 14
08の方法に準じて測定した。ブランクの硬化体につい
ては、5時間硬化させた後、50℃のオーブン内に5時
間乾燥後、気乾状態に達した無機質硬化体について曲げ
強度を測定した。
【0040】熱水試験 98℃以上の熱水中に無機質硬化体を8時間放置し、割
れ、クラックを確認し、上記の測定方法により曲げ強
度を測定し、ブランクに対する強度維持率を測定した。
【0041】実施例9、10 表1及び表2に示した所定量の粒径10μm以下のフラ
イアッシュ、各粒度に分級した珪砂、珪石粉(住友セメ
ント社製、粒度分布1〜20μm)、ビニロン繊維(太
さ1.8デニール、長さ6mm)、所定濃度のアルカリ
金属珪酸塩水溶液をオムニミキサーに供給し、5分間混
合した。得られた混合物を大きさ150×150mm、
高さ10mmの型枠内ち注入し、オーブン内で表1及び
表2に記載した温度時間にて硬化させた。得られた無機
質硬化体について、実施例1〜8と同様の評価を行っ
た。その結果を表1及び表2に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】表1及び表2からも明らかな如く、実施例
1〜10の場合には、いずれも得られた無機質成形体の
曲げ強度及び熱水試験後の強度維持率が高い。これに対
して、比較例1、2の如く、粒径40〜200μmの珪
砂の添加量が少な過ぎる場合には、得られた無機質成形
体の熱水試験後の強度維持率が低く、比較例3の如く、
粒径40〜200μmの珪砂の添加量が多い過ぎたり、
比較例4、5の如く珪砂の粒径が200μmを超える場
合には、得られた無機質成形体の曲げ強度及び熱水試験
後の強度維持率が低くなるか、混練できなくなってしま
う。
【0045】又、比較例6の如く、シリカ粉の添加量が
多過ぎる場合には、得られた無機質成形体の熱水試験後
の強度維持率が低くなってしまう。又、比較例7の如
く、アルカリ金属珪酸塩水溶液の添加量が多過ぎる場合
には、得られた無機質成形品にクラックが発生し、比較
例8の如く、アルカリ金属珪酸塩水溶液の添加量が少過
ぎる場合には、混練できなくてってしまう。
【0046】フライッシュの粉砕分級方法 表3に示した及びの小球状粉体包含フライアッシュ
を、それぞれ、粉砕分級システム(マキノ社製、FP型
ジェットミル)を用いて、圧力3.5kgf/cm2
粉砕風量2.7Nm3 /minで粉砕した。
【0047】次に、その粉体を粒度分析装置(レーザー
回折式粒度分析計 セイシン企業社製、商品名「PRO
−7000S」)を用いて、粒度分布を測定した結果、
粒径10μm以下の粉砕フライアッシュが、では95
%(以下、粉砕フライアッシュAという)、では97
%(以下、粉砕フライアッシュBという)であった。
【0048】表3に示した及びの小球状粉体包含フ
ライアッシュを、それぞれ、振動ミル(三英製作所製、
商品名「MB−1」)で24時間粉砕した。次に、その
粉体を上記と同様の粒度分析装置を用いて、粒度分布を
測定した結果、粒径10μm以下の粉砕フライアッシュ
が、では81%(以下、粉砕フライアッシュCとい
う)、では86%(以下、粉砕フライアッシュDとい
う)であった。
【0049】尚、表3に示した及びの小球状粉体包
含フライアッシュを破壊したもの、顕微鏡にて観察した
ところ、中空状粒子内に小球状粉体を内包しているのが
観察された。
【0050】
【表3】
【0051】実施例11〜14 表4に示した粉砕フライアッシュの所定量、8号珪砂2
00重量部、ビニロン繊維(クラレ社製、商品名「RM
182」)2重量部を、オムニミキサーで5分間混合
後、表4に示したK2 O1モル当りSiO2 が1.5モ
ルを含有する水溶液濃度50%のアルカリ珪酸塩水溶液
の所定量を添加し、更に5分間混合し、その混合物を大
きさ40×150mm、厚さ15mmの型枠中に流し込
み、これを90℃のオーブン中で硬化した脱型し、50
℃のオーブン中で4時間乾燥させて、無機質成形体を得
た。得られた無機質成形体について、実施例1〜8と同
様の評価を行った。その結果を表4に示す。
【0052】実施例15、162 O1モル当りSiO2 が1.5モルを含有する水溶
液濃度50%アルカリ珪酸塩水溶液97重量部の代わり
に、表4に示した水溶液濃度50%KOH水溶液の所定
量を使用したこと以外は実施例11〜14と同様にし
て、無機質成形体を得た。得られた無機質成形体につい
て、実施例1〜8と同様の評価を行った。その結果を表
4に示した。
【0053】実施例172 O1モル当りSiO2 が1.5モルを含有する水溶
液濃度50%アルカリ珪酸塩水溶液97重量部の代わり
に、Na2 O1モル当りSiO2 が1.5モルを含有す
る水溶液濃度50%アルカリ珪酸塩水溶液99重量部を
使用したこと以外は実施例11〜14と同様にして、無
機質成形体を得た。得られた無機質成形体について、実
施例1〜8と同様の評価を行った。その結果を表4に示
した。
【0054】実施例18 粉砕フライアッシュB100重量部、8号珪砂200重
量部、ビニロン繊維(クラレ社製、商品名「RM18
2」)2重量部をオムニミキサーで5分間混合後、K2
O1モル当りSiO2 が1.5モル含有する水溶液濃度
50%のアルカリ珪酸塩水溶液50重量部を添加し、更
に5分間混合し、その混合物を大きさ40×150m
m、厚み15mmの型枠中に充填後、温度110℃、圧
力60kgf/cm2 でプレスし、脱型後50℃のオー
ブン中で4時間乾燥して無機質を得た。得られた無機質
成形体について、実施例1〜8と同様の評価を行った。
その結果を表4に示した。
【0055】実施例19 粉砕フライアッシュB100重量部、8号珪砂200重
量部、ビニロン繊維(クラレ社製、商品名「RM18
2」)2重量部をオムニミキサーで5分間混合後、K2
O1モル当りSiO2 が1.5モル含有する水溶液濃度
50%のアルカリ珪酸塩水溶液50重量部を添加し、更
に5分間混合した。その混合物を、振動プレス成形機
(アサヒエンジニアリング社製、商品名「SA−5
0」)上に設置された大きさ40×150mm、厚み1
5mmの型枠中に充填後、温度110℃、圧力60kg
f/cm2 、振動数1000Hz、振幅10μmでプレ
スし、脱型後50℃のオーブン中で4時間乾燥して無機
質を得た。得られた無機質成形体について、実施例1〜
8と同様の評価を行った。その結果を表4に示した。
【0056】比較例9 粉砕フライアッシュAの代わり、表1中ののフライア
ッシュ原粉を用いたこと、K2 O1モル当りSiO2
1.5モルを含有する水溶液濃度50%アルカリ珪酸塩
水溶液97重量部の代わりに、水溶液濃度50%KOH
水溶液105重量部を使用したこと以外は実施例11と
同様にして、無機質成形体を得た。得られた無機質成形
体について、実施例1〜8と同様の評価を行った。その
結果を表5に示した。
【0057】比較例10 粉砕フライアッシュAの代わり、表1中ののフライア
ッシュ原粉を用いたこと、K2 O1モル当りSiO2
1.5モルを含有する水溶液濃度50%アルカリ珪酸塩
水溶液の添加量を103重量部としたこと以外は、実施
例11と同様にして、無機質成形体を得た。得られた無
機質成形体について、実施例1〜8と同様の評価を行っ
た。その結果を表5に示した。
【0058】比較例11 粉砕フライアッシュAの代わり、表1中ののフライア
ッシュ原粉を振動ミルで30分間粉砕した粉砕フライア
ッシュ(粒径10μm以下の粉砕フライアッシュ60
%)を用いたこと、K2 O1モル当りSiO2 が1.5
モルを含有する水溶液濃度50%アルカリ珪酸塩水溶液
の添加量を102重量部としたこと以外は、実施例11
と同様にして、無機質成形体を得た。得られた無機質成
形体について、実施例1〜8と同様の評価を行った。そ
の結果を表5に示した。
【0059】比較例12 粉砕フライアッシュAの代わり、表1中ののフライア
ッシュ原粉を振動ミルで30分間粉砕した粉砕フライア
ッシュ(粒径10μm以下の粉砕フライアッシュ60
%)を用いたこと、K2 O1モル当りSiO2 が1.5
モルを含有する水溶液濃度50%アルカリ珪酸塩水溶液
の添加量を102重量部としたこと以外は、実施例11
と同様にして、無機質成形体を得た。得られた無機質成
形体について、実施例1〜8と同様の評価を行った。そ
の結果を表5に示した。
【0060】比較例132 O1モル当りSiO2 が1.5モルを含有する水溶
液濃度50%のアルカリ珪酸塩水溶液の添加量を350
重量部としたこと以外は、実施例12と同様にして、無
機質成形体を得た。得られた無機質成形体について、実
施例1〜8と同様の評価を行った。その結果を表5に示
した。
【0061】比較例142 O1モル当りSiO2 が1.5モルを含有する水溶
液濃度50%のアルカリ珪酸塩水溶液8重量部を用いた
こと以外は、実施例12と同様にして、無機質成形体を
得た。得られた無機質成形体について、実施例1〜8と
同様の評価を行った。その結果を表5に示した。
【0062】比較例152 O1モル当りSiO2 が1.5モルを含有する水溶
液濃度50%アルカリ珪酸塩水溶液97重量部の代わり
に、K2 O1モル当りSiO2 が1.5モルを含有する
水溶液濃度5%のアルカリ珪酸塩水溶液102重量部を
用いたこと以外は、実施例11と同様にして、無機質成
形体を得た。得られた無機質成形体について、実施例1
〜8と同様の評価を行った。その結果を表5に示した。
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】表4及び表5からも明らかな如く、実施例
11〜19の場合には、いずれも得られた無機質成形体
の、外観が良好であり、曲げ強度及び熱水試験後強度維
持率が高い。これに対して、比較例9〜12の如く、粉
砕フライアッシュの粒径10μm以下の割合が少過ぎる
場合には、いずれも、硬化が遅く、得られた無機質成形
体が熱水試験後に破壊してしまう。又、比較例13〜1
5の如く、アルカリ金属珪酸塩水溶液の添加量が多過ぎ
たり、少な過ぎたり、濃度が低い場合には、硬化しない
か、成形することができない。
【0066】
【発明の効果】本発明1の無機質組成物は、上記の如き
構成であるので、不燃性、強度及び耐久性に優れた無機
質硬化体を得ることができる。
【0067】本発明2の無機質組成物は、上記の如き構
成であるので、更に、不燃性及び強度、耐久性に優れた
無機質硬化体を得ることができる。
【0068】本発明3の無機質組成物は、上記の如き構
成であるので、不燃性、強度及び耐久性に優れた無機質
硬化体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 14:06 C04B 14:06 Z 18:08) 18:08) (56)参考文献 特開 平6−199517(JP,A) 特開 平6−211557(JP,A) 特開 平3−109242(JP,A) 特開 平4−6138(JP,A) 特開 平4−59648(JP,A) 特開 平4−55350(JP,A) 特開 昭50−108310(JP,A) 特開 平3−126652(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/00 C04B 28/26 C04B 18/08 C04B 18/10 C04B 14/06 C04B 22/06 C04B 28/02 C04B 20/00 - 20/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径10μm以下の粉体を80重量%以
    上含有するフライアッシュ100重量部と、水溶液の濃
    度が10%以上のアルカリ金属水酸化物溶液もしくはア
    ルカリ金属珪酸塩水溶液10〜300重量部と、粒径4
    0〜200μmの珪砂100〜300重量部からなるこ
    とを特徴とする無機質組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の無機質組成物と、粒径0.0
    1〜30μmのシリカ粉1〜600重量部からなること
    を特徴とする無機質組成物。
  3. 【請求項3】 小球状の粉体を内包した粒径10〜20
    0μmの粒子が10重量%以上存在しているフライアッ
    シュを、粒径10μm以下の粉体を80重量%以上含有
    するまで粉砕したフライアッシュ100重量部と、水溶
    液濃度が10%以上のアルカリ金属水酸化物水溶液もし
    くはアルカリ金属珪酸塩水溶液10〜300重量部から
    なることを特徴とする無機質組成物。
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