JPH0841508A - 多孔質焼結体及びその製造方法と装置 - Google Patents

多孔質焼結体及びその製造方法と装置

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JPH0841508A
JPH0841508A JP19612994A JP19612994A JPH0841508A JP H0841508 A JPH0841508 A JP H0841508A JP 19612994 A JP19612994 A JP 19612994A JP 19612994 A JP19612994 A JP 19612994A JP H0841508 A JPH0841508 A JP H0841508A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多孔質焼結体が吸音性及び通電性を有し、こ
の多孔質焼結体を効率良く安価に製造する。 【構成】 単一又は異なる種類の金属細片を混合し、高
圧で加圧しながら加圧方向と直交方向に4000〜65
00アンペアの高電流を流して加熱成形することによ
り、厚さ方向において外表面の気孔が疎く且つ内部の気
孔が密になり、加熱温度又は異なる金属細片の混合率で
空隙の大きさを調整できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全体がほぼ均質で吸音
性や通電性を有する多孔質焼結体に関し、これらの多孔
質焼結体を効率良く安価に製造する方法と装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多孔質の金属焼結体を製造するには、粉
末冶金法によって原料の金属粉末を圧縮成形し、これを
融点以下の高温度で加熱することで焼結させるのが一般
的である。多孔質の焼結部品には、焼結体内部に緻密な
空隙が残った含油軸受や焼結フィルタなどがあり、超耐
熱材料として金属とセラミックスとを組合わせて焼結さ
せたサーメットなども存在する。
【0003】 従来の粉末冶金法では、粉末材料が鉄鉱
石やミルスケールの還元鉄粉,電解鉄粉,アトマイズ粉
などであり、焼結装置としても電気炉,真空炉や水素炉
が必要であって非常に高価である。粉末冶金法で製造し
た多孔質部品は、焼結体内部に空隙が残っているといっ
ても非常に緻密であり、これによって焼結体が吸音性や
通気性を持つことは殆どない。
【0004】 気孔率の大きい金属焼結体の製造法とし
て、特公昭58−52528号公報が存在し、当該発明
者の一人として本発明者も参画している。この製造法に
よって、層方向において密度が異なる多孔質金属焼結板
を得ることができる。この金属焼結板は、吸音特性,遮
音特性及び断熱特性が優れ、音楽ホールやリスニングル
ームなどの吸音材,住居における床板や壁板などの遮音
板,車輌や船舶における防音・防振材,冷凍・冷蔵庫な
どの断熱用外板として利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特公昭58−5252
8号で製造した多孔質金属焼結板は前記のように優れた
製品であるが、この製造装置では対向配置する多数の電
極板を必要とし、送電設備において電極板の数(実施例
では9枚)に合せて同数の低電圧トランスを設置しなけ
ればならない。このため、この製造装置は、設備費が高
価になるうえに各電極板の相互干渉などで電気のロスが
大きく、しかも各電極板ごとに加熱温度を正確に制御し
なければならない。
【0006】 特公昭58−52528号における原材
料は、型枠内の全体をほぼ均等に加熱するために同一種
類の金属細片を必要とし、原材料である金属切削屑の種
類が限定されてしまう。また、多数枚の電極板間の抵抗
差を小さくするため、型枠内へ電流を流す時に型枠内の
全体でほぼ同じ強さの電流になるように金属切削屑の大
きさも層ごとにほぼ一定でなければならない。この製造
装置では、1回の製造で焼結板を1枚しか製造できない
ので生産効率が良くない。得た多孔質焼結板の金属分子
は、焼結時に印加した電流の方向に配向しているため、
圧縮強度に比べて金属分子の配向方向と平行の曲げに対
して弱いという問題もある。
【0007】 本発明者は、特公昭58−52528号
に開示した焼結装置を改良して電気のロスを少なくする
ために種々研究を重ねた。例えば、多数枚の並列電極板
に対して1本の電線を分岐接続してみたが、中央の電極
板だけが1本の線のように赤熱されるにすぎない。ま
た、対向設置した単一の電極板の中央に1本の電線を接
続すれば、該電線の接続個所である中央部分だけが赤熱
され、前記と同様に他の部分との温度差が著しい。
【0008】 次に、単一の対向電極板において電線の
接続個所をずらしてみると、両接続個所を結んで斜めに
赤熱されるのでなく、両接続個所と直交する間隔がすべ
て赤い帯のように赤熱されることが判明し、本発明の焼
結装置を完成するに至ったものである。したがって、本
発明は、気孔率の大きい金属焼結体及びその製造法に関
する前記の問題点を改善するために提案されたものであ
り、全体がほぼ均質であって吸音性や通電性が優れてい
る多孔質焼結体を提供することを目的としている。本発
明の他の目的は、1枚又は複数枚の多孔質焼結体を効率
良く製造できる方法と装置を提供することを目的として
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る多孔質焼結体1は、図1に例示するよ
うに、単一又は異なる種類の金属細片2を混合し、高圧
で加圧しながら加圧方向と直交方向に高電流を流して加
熱成形することで製造する。金属細片2は、金属の粉粒
体又は切削屑(ダライ粉)などのいずれでもよく、形状
や種類の異なる複数の金属細片を混合してもよい。金属
細片2としては、鋳鉄切削屑,炭素鋼片,ステンレス鋼
片のような鉄系金属、アルミニウム粉末,Al−Si合
金切削屑のようなアルミニウム系金属、銅系金属、チタ
ン粉末などのチタン系金属などが例示できる。
【0010】 単一又は異なる種類の金属細片2は、図
2に示すように、フェライト粉末,セメント粉やガラス
粒などのセラミックス粉粒体3と混合したり、エポキシ
樹脂,ポリエステル樹脂,ウレタン樹脂,フェノール樹
脂,ジアリルフタレート樹脂などの熱硬化性樹脂と混合
してもよい。この熱硬化性樹脂は、フェライト粉末と混
合することも可能である。得た焼結体4は、セラミック
ス粉粒体3又は熱硬化性樹脂が全体量の約10重量%以
下であると十分に多孔質であり、10〜25重量%で細
孔を有していても通気性が低下し、25〜30重量%で
通電性はあっても通気性が殆ど消滅する。したがって、
金属細片2の含有量は全体量の約70重量%以上である
と好ましい。焼結体4の表裏両面には、焼結成形後にセ
ラミックス板11及びプレス型17と分離するため、板
紙のような離型シート5,5が貼着されている。
【0011】 多孔質焼結体の製造装置10は、図3か
ら明らかなように、水平のセラミックス板11の上に、
同一表面積である1対の電極板12,12を対向設置し
て型枠14を形成する。図4を参照すると、一方の電極
板12の側端には低電圧トランス(図示しない)からの
電線15を接続し、且つ他方の電極板12における反対
側の側端に電線16を接続する。型枠14において、図
5のように1対の電極板12,12が3枚の焼結板1を
同時に焼結できる高さに定めてもよく、又はこれを2枚
又は4枚以上同時に焼結できる高さでもよい。
【0012】 図3から図5に示す製造装置では、平板
状の焼結板を製造することができる。図示しないけれど
も、本発明の装置を多少変形するによってL字形材やV
字形形材などを製造することも可能である。
【0013】 多孔質焼結体1(図1)の製造方法は、
図3に示すように、離型シート例えば公知の新聞用紙2
0を型枠14の底面に敷設してから、型枠14内に単一
又は混合した金属細片2を均等に入れ、その上にさらに
新聞用紙20を敷設する。型枠14内において、加圧前
の金属細片2の厚みは30〜70mmであると好まし
い。次に、プレス型17を下降させ、電流が4000〜
6500アンペアになるまでプレス型17を下げて一般
に圧力210〜340kg/cm 2で加圧すればよい。
この加圧を所定の時間継続し、型枠14内を通過する電
流がほぼ一定になったら成形体を取り出せばよい。
【0014】 複数枚の成形体を同時に得るには、図5
に示すように、型枠14の底面に離型シート5を敷設し
た後に金属細片2を均等に入れる。次に、離型シート5
を載置してから金属細片2をさらに均等に入れ、このよ
うに金属細片2を層状に重ねればよい。加圧前における
各層の厚みは30〜50mmであると好ましい。
【0015】 また、多孔質焼結体4(図2)の製造方
法は、金属細片2をセラミックス粉粒体3又は熱硬化性
樹脂と混合して複合材料を得、該複合材料を型枠14の
底面に離型シート5を敷設した後に均等に入れ、その上
に離型シート5を載せる。次にプレス型17を下降さ
せ、一般に圧力210〜340kg/cm2で加圧しな
がら電流を流し続けて所定の温度になると電流を止め、
加圧を所定時間続けてから成形体を取り出せばよい。
【0016】
【作用】多孔質焼結体の製造装置10では、型枠14に
おいて1対の電極板12,12を対向設置し、一方の電
極板12の側端に電線15を接続するとともに他方の電
極板12における反対側の側端に電線16を接続するこ
とにより、電極板12,12のほぼ全面に高電流を流し
て均等に加熱できる。製造装置10に関して、型枠14
内に充填する金属材料への加圧力と電気比抵抗とを測定
すると、図6に示すグラフのような関係になり、加圧力
を高くすることで金属本来の電気比抵抗に近づけること
が可能である。このような関係から、型枠14内での加
圧力を高くすれば、型枠14内への充填材料は単一の金
属細片だけでなく、異なる種類の金属細片であっても金
属本来の電気比抵抗に近づけ、高電流を流して加熱焼結
できる。このような加熱焼結は、充填材料が金属やフェ
ライト粉末だけでなく、金属やフェライト粉末に対して
比較的少量であればセラミックス粉粒体や熱硬化性樹脂
を含有していてもよい。
【0017】 多孔質焼結体1又は4は、型枠14から
取り出すと熱が内部に逃げながら冷却するので、一般に
厚さ方向において外表面の気孔が疎く、内部の気孔が密
になっている。多孔質焼結体1又は4は、加熱温度又は
異なる金属細片2の混合率で空隙の大きさを調整でき、
金属細片2などの形状や種類を厚さ方向において変え
て、外表面の気孔をいっそう疎く、内部の気孔をいっそ
う密にすることも可能である。
【0018】 多孔質焼結体1は、単一又は異なる種類
の金属細片2に4000〜6500アンペアの高電流を
流して加熱成形する際に、高圧化によって表面拡散に基
づく金属細片間の結合を増やして電気伝導性を良化さ
せ、この際に密度変化は殆ど生じない。型枠14(図
3)内において加熱温度が1000℃以上に達しても、
高電流を流すことで体積拡散を殆ど起こさず、空隙の球
状化、微細空隙の減少や消滅のような現象は発生せず、
金属細片間の接触部で部分的に相互に溶融して結合した
り、異なる金属細片間では浸炭現象が起こっている。
【0019】 セラミックス粉粒体3又は熱硬化性樹脂
と混合して得た多孔質焼結体4(図2)は、比較的少量
のセラミックス粉粒体3又は熱硬化性樹脂が軟化流動化
してから硬化しても吸音性や通電性を十分に維持する。
この焼結体4は、セラミックス粉粒体3又は熱硬化性樹
脂が全体量の約30重量%未満であっても剛性を有し、
これが樹脂に金属粉末を添加した導電性樹脂と異なる。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 多孔質焼結体の製造装置10は、図3から明らかなよう
に、水平の耐熱性セラミックス板11の上に、同一表面
積である1対の矩形状の電極板12,12を対向設置
し、これと直交して1対の矩形状の耐熱側壁13,13
(図4)を設置することによって型枠14を形成する。
型枠14の寸法は、底面積675×675mmで高さ1
5cmである。図4を参照すると、一方の電極板12の
側端には低電圧トランス(図示しない)からの電線15
を接続し、且つ他方の電極板12における反対側の側端
に電線を接続する。水平のセラミックス板11の中には
熱電対を挿入しており、型枠14内の温度を測定するこ
とが可能である。
【0021】 図3に示すように、型枠14の底面に1
50gの市販の新聞用紙20を平らに敷設し、その上に
鋳鉄(FC−25、含有量:炭素約3.5%,ケイ素約
2.5%,マンガン約0.5%)の切削屑(ダライ粉)1
7kgを入れ、厚さ約30mmになるように均等になら
す。その表面にさらに新聞用紙20を平らに敷設する。
【0022】 次に、セラミックス製のプレス型17を
下降させると同時に電源を入れ、電流が5000アンペ
アになるまでプレス型17を下げて加圧する。圧力21
0kg/cm2で加圧を継続すると、型枠14内を通過
する電流が0から5000アンペアで急激に上昇し、さ
らに徐々に上昇を続けて加圧後10〜12分で6400
アンペアに達する。電流は6400アンペアで平衡にな
るから、ここでプレス型17を上げて成形板を取り出し
て冷却する。
【0023】 得た金属焼結板は675×675×10
mmの寸法であり、気孔率約50%を有し、厚さ方向に
おいて外表面の気孔が疎く且つ内部の気孔が密になって
いる。この金属焼結板は、抗折力が全面的にほぼ等しく
て0.15〜0.25kg/mm2であり、圧縮強度が3
0〜42kg/cm2である。この金属焼結板は、図7
のグラフに示すような吸音特性を有する。
【0024】比較例1 特公昭58−52528号の第4図に示す多極板の焼結
装置を用いて、該装置の型枠に実施例1と同じ鋳鉄切削
屑17kgを入れ、電流を3000〜4000アンペ流
して焼結する。その焼結処理における加圧は、前記公報
の実施例1に基づいて最大30kg/cm2である。
【0025】 得た金属焼結板は、抗折力が0.10〜
0.075kg/mm2及び圧縮強度が20〜25kg/
cm2であるが、金属分子の配向方向と平行の曲げに対
して弱い。この金属焼結板は、図8のグラフに示すよう
な吸音特性を有し、低周波領域の吸音特性が実施例1の
金属焼結板に比べて悪く、中高周波領域の吸音特性は良
い(中高周波領域の吸音は市販のグラスウールやフェル
トで十分可能である)。
【0026】実施例2 図5に示す製造装置18において、型枠14の底面に薄
い板紙5を敷設した後に、実施例1で用いた鋳鉄切削屑
17kgを入れ厚さ約30mmになるように均等になら
す。その表面に板紙5を敷設して同量の鋳鉄切削屑17
kgを入れ、さらに板紙5を敷設して鋳鉄切削屑17k
gを入れた後に、板紙5を敷せて型入れを完了する。
【0027】 プレス型を下降させると同時に電源を入
れ、電流が5000アンペアになるまでプレス型を下げ
て加圧する。圧力300kg/cm2で加圧を継続する
と、型枠14内を通過する電流が0から5000アンペ
アで急激に上昇する。電流は6400アンペアで平衡に
なると、プレス型を上げて厚さ10mmの3枚の成形板
を取り出して冷却する。
【0028】実施例3 図3に示す製造装置10において、型枠14の底面に新
聞用紙20を平らに敷設した後にAl−Si合金(Si
含有量20%)切削屑(ダライ粉)8kgを入れ、厚さ
約70mmになるように均等にならす。その表面にさら
に新聞用紙20を平らに敷設する。
【0029】 次に、プレス型17を下降させると同時
に電源を入れ、電流が約6000アンペアになるまでプ
レス型17を下げて加圧する。圧力340kg/cm2
で加圧を継続すると、型枠14内を通過する電流は60
00アンペア前後から徐々に減少してくる。この理由
は、高熱状態のAl−Si合金表面が大気中の酸素で酸
化することによって電気抵抗が増大するからである。加
圧後約10分で電流は4500〜5000アンペアで平
衡に達するため、ここでプレス型17を上げて成形板を
取り出して冷却する。
【0030】実施例4 実施例1で用いた鋳鉄切削屑(炭素含有量約4%)12
kgを普通鋼切削屑(炭素含有量0.5%)(新日本製
鉄製)5kgと混合し、鋳鉄切削屑と炭素鋼切削屑との
複合材料を得る。図3に示す製造装置10において、型
枠14の底面に新聞用紙20を平らに敷設した後に、鋳
鉄切削屑と炭素鋼切削屑との複合材料を入れ、厚さ約5
0mmになるように均等にならす。その表面にさらに新
聞用紙20を平らに敷設する。
【0031】 次に、プレス型17を下降させると同時
に電源を入れ、電流が約5000アンペアになるまでプ
レス型17を下げて加圧する。この際に、両切削屑間の
接触部において鋳鉄切削屑が含有する炭素が炭素鋼切削
屑の表面に移行するという浸炭現象が起こり、一般に炭
素鋼切削屑の添加量の方が多くても、焼結温度は約15
00℃から1100℃に下降する。したがって、鋳鉄切
削屑と炭素鋼切削屑との混合割合を変更することによ
り、得た焼結板における空隙の大きさを調整でき、一般
に焼結温度を下げると空隙の数は多くても気孔径は小さ
くなる。
【0032】実施例5 実施例1で用いた鋳鉄切削屑(ダライ粉)16kgを油
抜きし、全体を水に浸漬してから取り出す。湿潤した鋳
鉄切削屑を、セメント粉(アサノセメント製)を平らに
収納した箱の中に入れ、該鋳鉄切削屑の表面にセメント
粉2kgを付着させ、鋳鉄切削屑とセメント粉との複合
材料を得る。
【0033】 型枠14の底面において、それと等しい
大きさの薄い板紙5を敷設し、該板紙表面に水を散布す
る。次に前記の複合材料18kgを板紙5の上に均等に
入れ、さらにその上に水を散布した薄い板紙5を載せ
る。
【0034】 次にプレス型17を下降させると同時に
電源を入れると、型枠14内を通過する電流が0から4
000アンペアで急激に上昇し、さらに徐々に上昇を続
ける。加圧後1〜2分で型枠14内の温度が100〜1
20℃に達し、120℃になると電流を止め、圧力34
0kg/cm2で加圧を1分程度継続する。この後にプ
レス型17を上げて成形板を取り出す。この成形板は、
表面から水蒸気が出ている状態であるので一夜大気中に
放置すると、表裏両面に薄い板紙5,5が貼着された硬
いセメントボードとなる。
【0035】 得たセメントボードは十分に多孔質で通
電性を有し、非常に軽いうえに両端面間に電流をよく流
すことができる。この結果、このセメントボードは、電
磁シールド性の高い材料として利用できる。セメントボ
ードにおいて、セメント粉が全体量の25〜30重量%
に達すると通電性はあっても通気性は殆ど消滅する。
【0036】実施例6 実施例1で用いた鋳鉄切削屑(ダライ粉)15kgを平
均直径1mmのガラス粒3kgと混合して複合材料を
得、以下実施例5と同様に処理する。但し、加圧後1〜
2分で型枠14内の温度が850〜1000℃に達し、
1000℃になると電流を止めて加圧を1分程度継続す
る。
【0037】 得たガラスボードは、型枠14内から取
り出した後に急冷しないように保温槽に入れ、室温に達
するまで徐々に冷却する。このガラスボードは十分に多
孔質で通電性を有し、比重が2.7〜3.0であって両端
面間に電流をよく流すことができる。このガラスボード
において、ガラス粒が全体量の25〜30重量%に達す
ると通電性はあっても通気性は殆ど消滅する。
【0038】実施例7 セラミックス粉末は、酸化アルミ系の液状セラミックス
(東亜合成化学工業製)を乾燥して固化し、これを破砕
して粉末化する。このセラミックス粉末2kgを金属チ
タン切削屑(三菱重工製)6kgと混合して複合材料を
得、これを型枠14内で厚さ70mmになるように均等
にならす。
【0039】 プレス型を下降させると同時に電源を入
れ、圧力300kg/cm2で加圧を継続すると、型枠
14内を通過する電流が0から7000アンペアに上昇
する。型枠14内の温度が1800℃に達し、この加圧
を30分間継続すると、プレス型を上げて3枚の成形板
を取り出して冷却する。得た成形板は300×600×
10mmの寸法である。
【0040】 得たセラミックスボードは、表面が酸化
して酸化チタンになっているが耐熱性で非常に硬く、比
重はほぼ1になって非常に軽い。このセラミックスボー
ドは十分に多孔質で通電性を有し、ジェット機用の耐熱
部品として使用することができる。。
【0041】実施例8 実施例1で用いた鋳鉄切削屑(ダライ粉)17kgを液
状エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製)1kgと混
合して複合材料を得、以下実施例5と同様に処理する。
但し、加圧後1〜2分で型枠14内の温度が100〜1
20℃に達すると電流を止め、圧力340kg/cm2
で成形板が所定の厚みになるまで加圧し、この後にプレ
ス型17を上げて成形板を取り出す。
【0042】 得た樹脂ボードは、型枠14内から取り
出してから空中で冷却する。この樹脂ボードは耐熱性で
あるうえに多孔質で非常に軽く、通電性を有するので電
磁シールド材として有効である。
【0043】実施例9 フェライト粉末8kgを液状エポキシ樹脂(大日本イン
キ化学工業製)0.5kgと混合して複合材料を得、以
下実施例5と同様に処理する。但し、加圧後1〜2分で
型枠14内の温度が100〜120℃に達すると電流を
止め、圧力340kg/cm2で成形板が所定の厚みに
なるまで加圧し、この後にプレス型17を上げて成形板
を取り出す。
【0044】 得た樹脂ボードは、型枠14内から取り
出してから空中で冷却する。この樹脂ボードは耐熱性で
あるうえに多孔質で非常に軽く、通電性を有するので電
磁シールド材として有効である。また、液化ガスを加熱
してガス化する際にこの樹脂ボードをフィルタとして用
い、該樹脂ボードを通電加熱してから液化ガスを通過さ
せると、ガス化を速やかに達成することができる。
【0045】実施例10 実施例1で用いた鋳鉄切削屑(ダライ粉)8kgをウレ
タン樹脂チップ(大日本インキ化学工業製)0.5kg
と混合して複合材料を得、以下実施例5と同様に処理す
る。得た樹脂ボードは、型枠14内から取り出してから
空中で冷却する。この樹脂ボードは耐熱性且つ多孔質で
非常に軽く、通電性を有するうえに、わずかに弾力性を
保持することでダンピング性を有する。
【0046】
【発明の効果】本発明の焼結体製造装置は、同一表面積
である1対の電極板を対向設置するだけで構造が単純で
あり、しかも高電流を流して加熱成形することができ
る。本発明の装置は、高圧化によって原材料として同一
又は異なる種類の金属細片を使用でき、該金属細片の大
きさも一定である必要がなく、非金属であるセラミック
ス粉粒体又は熱硬化性樹脂を加えることも可能である。
本発明の装置は、1回の加工で焼結板を同時に2枚以上
製造できて生産効率が良いという利点もある。
【0047】 本発明の多孔質焼結体は、加熱温度又は
異なる金属細片の混合率で空隙の大きさを調整できる。
したがって、この多孔質焼結体を音楽ホールなどの吸音
材,住居における床板や壁板などの遮音板,車輌や船舶
における防音・防振材として利用する場合には吸音特
性,遮音特性及び断熱特性を高め、電磁シールド材とし
て用いる際には通電性を高めることが可能である。
【0048】 本発明では、金属細片とセラミックス粉
粒体又は熱硬化性樹脂とを混合して多孔質焼結体を製造
でき、該多孔質焼結体はセラミックス粉粒体又は熱硬化
性樹脂が軟化流動化していても吸音性や通電性を有す
る。本発明の多孔質焼結体は、セラミックス粉粒体又は
熱硬化性樹脂が全体量の約30重量%未満であっても剛
性を有する。得た多孔質焼結板の金属分子は、焼結時に
印加した電流の方向に配向していないため、その抗折力
が全面的にほぼ等しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多孔質金属焼結体を拡大して示す概
略断面図である。
【図2】 本発明の変形例を拡大して示す概略拡大断面
図である。
【図3】 本発明の焼結体製造装置を示す概略断面図で
ある。
【図4】 図3の装置の概略平面図である。
【図5】 3枚の焼結板を同時に焼結する状態を示す製
造装置の概略断面図である。
【図6】 本発明の焼結体製造装置に関して、型枠に充
填する金属材料への加圧力と電気比抵抗とを測定したグ
ラフである。
【図7】 本発明の多孔質金属焼結体の吸音特性を示す
グラフである。
【図8】 従来の多孔質金属焼結体の吸音特性を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 多孔質焼結体 2 金属細片 3 セラミックス粉粒体 5 離型シート 10 多孔質焼結体の製造装置 11 セラミックス板 12 電極板 14 型枠 17 プレス型
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04B 1/90 A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一又は異なる種類の金属細片を混合
    し、高圧で加圧しながら加圧方向と直交方向に高電流を
    流して加熱成形することにより、高圧化によって表面拡
    散に基づく金属細片間の結合を増やして電気伝導性を良
    化させ、厚さ方向において外表面の気孔が疎く且つ内部
    の気孔が密になり、加熱温度又は異なる金属細片の混合
    率で空隙の大きさを調整する多孔質焼結体。
  2. 【請求項2】 比較的多量の金属細片とセラミックス粉
    粒体とを混合し、高圧で加圧しながら加圧方向と直交方
    向に高電流を流して短時間に加熱成形することにより、
    高圧化によって表面拡散に基づく金属細片間の結合を増
    やして電気伝導性を良化させ、セラミックス粉粒体が軟
    化流動化してから硬化している吸音性や通電性を有する
    多孔質焼結体。
  3. 【請求項3】 比較的多量の金属細片又はフェライト粉
    末と熱硬化性樹脂とを混合し、高圧で加圧しながら加圧
    方向と直交方向に高電流を流して短時間に加熱成形する
    ことにより、高圧化によって表面拡散に基づく金属細片
    間の結合を増やして電気伝導性を良化させ、熱硬化性樹
    脂が軟化流動化してから硬化している吸音性や通電性を
    有する多孔質焼結体。
  4. 【請求項4】 離型シートを表裏両面に貼着している請
    求項2又は3記載の多孔質焼結体。
  5. 【請求項5】 離型シートを型枠の底面に敷設してか
    ら、該型枠内に単一又は混合した金属細片を均等に入
    れ、その上に離型シートを敷設してからプレス型を下降
    させ、電流が4000〜6500アンペアになるまでプ
    レス型を下げて加圧し、所定の時間加圧を続けて型枠内
    を通過する電流が一定になったら得た成形体を取り出す
    多孔質焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属細片をセラミックス粉粒体又は熱硬
    化性樹脂と混合して複合材料を得、該複合材料を型枠の
    底面に離型シートを敷設した後に均等に入れ、その上に
    離型シートを載せてからプレス型を下降させ、加圧しな
    がら電流を流し続けて所定の温度になると電流を止め、
    所定時間加圧を続けてから得た成形体を取り出す多孔質
    焼結体の製造方法。
  7. 【請求項7】 型枠の底面に離型シートを敷設した後に
    金属細片を均等に入れ、次に離型シートを載置してから
    金属細片をさらに均等に入れ、このように金属細片を層
    状に重ねることで複数枚の成形体を同時に焼結させる請
    求項5又は6記載の多孔質焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 水平のセラミックス板の上に、同一表面
    積である1対の電極板を対向設置し、これと直交して1
    対の耐火側壁を設置することによって型枠を形成し、低
    電圧トランスからの電線を一方の電極板の側端に接続
    し、且つ他方の電極板における反対側の側端に電線を接
    続する多孔質焼結体の製造装置。
  9. 【請求項9】 同一表面積である1対の電極板が複数枚
    の板を同時に焼結できる高さを有する請求項8記載の装
    置。
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