JP2005005424A - 電磁波シールドパネルとこれを用いた保温保冷機器、電子機器、衣料用品、及び住宅部材 - Google Patents

電磁波シールドパネルとこれを用いた保温保冷機器、電子機器、衣料用品、及び住宅部材 Download PDF

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Abstract

【課題】保温保冷機器、電子機器、衣料用品、及び住宅部材等に適用する電磁波シールドパネルにおいて、優れた電磁波シールド効果と高い断熱性とを併せ持つ電磁波シールドパネルを低コストで提供することを目的とする。
【解決手段】芯材2と、芯材2を覆い内部を減圧した外被材3とからなり、外被材3が金属箔又は金属蒸着層を含むラミネートフィルムからなる電磁波シールドパネル1であり、金属箔、或いは金属蒸着層の高導電性材料により電磁波シールドが可能となるとともに、真空断熱による高い断熱性能を有する。また、外被材3に高透磁性材料を併用することで磁気シールドも可能となる。更に、芯材2に誘電性材料又は磁性材料を混合することで、より高い電磁波シールド効果が得られる。この電磁波シールドパネルを保温保冷機器等に適用することで、電磁波シールドと断熱性能の二つの機能を1枚の部材で実現でき、部品、工数等のコスト低減が図れる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波の放射、漏洩、及び浸入を遮断する電磁波シールドパネルに関するもので、特に断熱を必要とする保温保冷機器、電子機器、衣料用品、及び住宅部材等に有効に適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
電磁波の定義としては周波数に大きな幅があるが、一般に問題を引き起こすと懸念されている周波数における各種影響のうち、人体に対する影響としては、白内症、白血病、脳腫瘍、乳ガン、肺ガン、及びアルツハイマー病等が報告されており、欧米各国では、これらに対して様々な暫定ガイドラインが設定されている。
【0003】
このうち、特に、携帯電話の発する高周波の電磁波であるマイクロ波は、「ホット・スポット効果」と呼ばれる熱集中効果による人体への影響や、心臓ペースメーカーに対する影響が大きく取り上げられ、社会問題化している。
【0004】
また、電磁波は、ラジオやテレビへの電波障害、及び各種電子機器へのノイズの原因になることから、電磁波の発生を低減させることが強く望まれ、各種取り組みがなされている。
【0005】
これらのことから、家電製品、電子機器、衣料用品、及び住宅等の多くの分野において電磁波を遮断することが要望されている。
【0006】
例えば、家電製品の一つである冷蔵庫では、冷媒を圧縮するコンプレッサ、コンプレッサと凝縮器を外気で冷却する凝縮ファンモータ、庫内の冷気を循環させる冷却ファンモータ、結露を防止する各種ヒータ、蒸発器の除霜を行なうデフヒータ、各部屋への冷気の流入を制御する電動ダンパー、これらを制御する電装回路等、構成する種々の電気部品があり、各部品に電流が流れるとそれぞれから電磁波が発生する。
【0007】
このような冷蔵庫に対して、ファンモータの周囲に電磁波遮蔽手段を設けることによって、冷蔵庫本体から電磁波を漏洩させないようにする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
更に、電磁波のなかでも磁界による作用から各種問題を生じることがある。これは、電子機器に外部磁界が影響して誤動作を起こしたり、電子機器の働きにより、それから生じた磁界が周囲に設置した機器に影響を及ぼしたりするものである。
【0009】
例えば、CRTの偏向ヨークからの漏洩磁界を防ぐためにCRTを収納している筐体の内側に遮蔽材料を取り付けたり、磁気カードや磁気ディスクの保護のために、それらを入れるケース、及び電子機器の筐体に磁気シールド板を組み込んだりするものがある。
【0010】
それまでの電磁気シールド材料が、電界シールドもしくは磁界シールドのいずれかにしか有効に作用しない問題点に対し、低周波から高周波までの電磁界シールドに有効な材料として、非晶質軟磁性薄帯の表面に導電率の高い金属をメッキする技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0011】
また、原子力分野における、断熱性だけでなく、強力な電磁波や放射線を遮蔽する性能の要求や、液体ヘリウムなどを利用した極低温領域での要求に対して、熱可塑性液晶ポリマーを溶融成形して得た熱可塑性液晶ポリマー繊維と熱可塑性液晶ポリマーフィルムを用いることにより、極低温領域で柔軟であり、強い電磁波や放射線に対する耐性がある積層断熱材についての技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0012】
【特許文献1】
特開平10−103857号公報
【特許文献2】
特開昭61−237500号公報
【特許文献3】
特開2000−266282号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構成では、電磁波を遮断、或いは吸収するシールド作用のみを有するもので、断熱を必要とする機器に電磁波シールドパネル適用する場合には、併用して他の断熱材料を適用する必要があったり、たとえ両方の機能を備えていても、きわめて特殊な環境での使用を考慮して、あまり一般的ではない材料を用いて特殊な構造を有しており、民生機器へ適用するには大きなコストが発生して実用的ではなかった。
【0014】
本発明は従来の課題を解決するもので、優れた電磁波シールド作用を有する電磁波シールドパネルに高い断熱性能を低コストで付与するものである。
【0015】
また、断熱を必要とする各種機器や各種部材への適用時において、優れた断熱性と優れた電磁波シールド効果を併せ持つ電磁波シールドパネルを適用することで、部品点数及び組立工数の削減を図り、スペースの有効活用等の効果により、低コストで電磁波問題の懸念を抑制した、保温保冷機器、電子機器、衣料用品、及び住宅部材等の民生商品を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、本発明の請求項1に記載の電磁波シールドパネルは、気相比率80%以上の多孔体よりなる芯材と、前記芯材を覆い内部を減圧した外被材とからなり、前記外被材が少なくとも金属箔又は金属蒸着層を含むラミネートフィルムからなるものである。
【0017】
外被材を構成するラミネートフィルムの金属箔、或いは金属蒸着層が有する電界及び磁界に対する影響が電磁波シールド効果を発揮し、到来波の殆どが反射又は吸収され、かつ内部に浸透した電磁界は指数関数的に減衰したものとなって電磁波を遮断することができる。
【0018】
また、この外被材で芯材を覆って内部を所定圧力まで減圧することにより、内部残留気体の対流熱伝導が抑制されて気体の熱伝導が大きく低下するため、優れた断熱性能を有発揮することができる。
【0019】
本発明の請求項2に記載の電磁波シールドパネルは、少なくとも外被材の外面又は内面に、シート状の高導電性材料を有するものである。
【0020】
シート状の高導電性材料を外被材に積層することで電界を吸収する効果を高めることにより、外被材を構成するラミネートフィルムの金属箔、或いは金属蒸着層により防ぐことができない電磁波も遮断することができ、より優れた電磁波シールド効果が得られる。
【0021】
本発明の請求項3に記載の電磁波シールドパネルは、少なくとも外被材の外面又は内面に、シート状の高透磁性材料を有するものである。
【0022】
金属箔、或いは金属蒸着層を含むラミネートフィルムからなる外被材で遮断することができない磁力線がシート状の高透磁性材料に引き寄せられるため、低周波数の磁界シールドに対しても効果的に作用するものである。
【0023】
本発明の請求項4に記載の電磁波シールドパネルは、高透磁性材料が軟磁性体材料からなるものである。
【0024】
外部磁界が存在しない場合、軟磁性体材料は磁化を生じなくなって元の状態に戻るため不要な磁界を発生させず、磁界による弊害を発生させない。
【0025】
本発明の請求項5に記載の電磁波シールドパネルは、芯材に、少なくとも誘電性材料又は磁性材料を有するものである。
【0026】
外被材で遮断することができずに内部に浸透した電磁波は、芯材に含まれた損失効果の大きい誘電性材料、或いは磁性材料に吸収され、熱に変換されて消費されるため、より優れた電磁波シールド効果が得られる。
【0027】
本発明の請求項6に記載の電磁波シールドパネルは、芯材に、誘電性材料としてカーボン粉末、或いは磁性材料としてフェライト粉末を有するものである。
【0028】
カーボン粉末は誘電性材料の中でも損失が大きく、また、フェライト粉末は磁性材料の中でも損失が大きいもので、外被材で遮断することができずに内部に浸透した電磁波は吸収されて熱に変換されることで消費されるため、より優れた電磁波シールド効果が得られる。
【0029】
また、これらの材料は安価であり、かつ芯材への分散性が良好であるため、より優れた電磁波シールド効果を低コストで実現できる。
【0030】
本発明の請求項7に記載の保温保冷機器は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネルを備えたものである。
【0031】
保温保冷機器に断熱性能を有する電磁波シールドパネルを適用することにより、優れた電磁波シールド効果と、優れた断熱性能による省エネとが同時に得られる。すなわち、両方の機能を1枚の部材で実現できることにより、保温保冷機器の生産時の組立工数とコストを低減することが可能となる。
【0032】
本発明の請求項8に記載の電子機器は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネルを備えたものである。
【0033】
電子機器に内蔵する発熱体を起因とする部分的な過熱対策としての断熱、及び電磁波シールド効果が同時に得られる。すなわち、両方の機能を1枚の部材で実現できることにより、電子機器の生産時の工数とコストを低減することが可能となる。
【0034】
本発明の請求項9に記載の衣料用品は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネルを柔軟に構成して備えたものである。
【0035】
衣料用品に柔軟に構成した電磁波シールドパネルを適用することにより、体の動きに支障を生じず、優れた電磁シールド効果と高い保温性とが同時に得られる。
【0036】
本発明の請求項10に記載の住宅部材は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネルを備えたものである。
【0037】
住宅部材として、壁や床、及び天井等に電磁波シールドパネルを適用することにより、優れた電磁波シールド効果と、優れた断熱性能による省エネとが同時に得られる。すなわち、両方の機能を1枚の部材で実現できることにより、壁や床、及び天井等のパネル生産時の工数とコスト、更には住宅施工時の工数とコストを低減することが可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明は、気相比率80%以上の多孔体よりなる芯材と、前記芯材を覆い内部を減圧した外被材とからなり、前記外被材が金属箔、或いは金属蒸着層を含むラミネートフィルムからなる電磁波シールドパネルである。
【0039】
まず、前記電磁波シールドパネルの構成材料について説明する。
【0040】
芯材に使用する材料は、気相比率80%以上の多孔体であり、工業的に利用できるものとして、発泡体、粉体、及び繊維体等がある。これらは、その使用用途や必要特性に応じて公知の材料を使用することができる。芯材として気相比率が80%以上あることで、外被材内部を減圧したときの気体の対流熱伝導率を大きく低下させることができる。
【0041】
芯材材料のうち、発泡体としては、ウレタンフォーム、スチレンフォーム、フェノールフォーム等が利用でき、独立気泡体より連続気泡体の方が断熱性能の点で望ましい。また、粉体として、無機系、有機系、及びこれらの混合物を利用できるが、工業的には、乾式シリカ、湿式シリカ、パーライト等を主成分とするものが一般に安価で入手しやすく望ましい。
【0042】
また、繊維体としては、無機系、有機系、及びこれらの混合物が利用できるが、コストと断熱性能の点から、無機繊維が有利である。無機繊維としては、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール等、公知の材料を使用することができる。その繊維径は特に指定するものではないが、0.1μm〜10μmであると気相の生成、繊維自体の固体熱伝導率を抑制する点で望ましい。
【0043】
芯材を覆う外被材には、少なくとも金属箔、又は金属蒸着層を有するラミネートフィルムを袋状に形成したものが適用できる。また、金属箔を有するラミネートフィルムと金属蒸着層を有するラミネートフィルムの2種類のラミネートフィルムを使用して袋状に成形しても良い。更には、金属箔と金属蒸着フィルムを積層したラミネートフィルムを適用しても良く、このように金属箔に金属蒸着フィルムを積層することで、電磁波シールドパネルの電磁シールド効果と内部圧力の維持とが一層向上する。
【0044】
なお、金属箔としては、アルミニウム、ステンレス、銅、鉄箔等を使用することができる。
【0045】
金属蒸着層としては、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリイミド等のプラスチックフィルムに、アルミニウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、銀、或いはこれらの混合物等の金属を蒸着したものが適用できる。 また、ラミネートフィルムとしては、金属箔、或いは金属蒸着層を有するものであるが、袋状に成形するための熱溶着層を有するのが一般的である。また、必要に応じて表面保護層等を設けて強化したプラスチックラミネートフィルムにより構成することができる。 なお、熱溶着層としては、低密度ポリエチレンフィルム、鎖状低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、或いはそれらの混合体等を用いることができる。
【0046】
表面保護層としては、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムの延伸加工品など、公知の材料が利用でき、更に外側にナイロンフィルムなどを設けると可とう性が向上し、電磁波シールドパネルの耐折り曲げ性などが改善する。 また、外被材として適用するラミネートフィルムからなる袋形態は、四方シール袋、三方シール袋、ガゼット袋、ピロー袋、センターテープシール袋等、特に限定するものでなく、公知の袋形態が適用できる。
【0047】
次に、電磁波シールドパネルの製造方法について説明する。
【0048】
芯材は、目的に応じた材料で任意の形状に成形したものを用いる。それを袋状に作製した外被材内に挿入し、内部が所定内圧になるように減圧して封止する。
【0049】
または、減圧槽中に芯材とロール状あるいはシート状の外被材を配設し、この外被材を芯材に沿わした状態にしてから外被材を熱融着することにより電磁波シールドパネルを作製する。或いは、芯材を挿入した外被材内部を直接減圧して外被材開口部を封止することにより電磁波シールドパネルを製造する等の方法により作製できる。
【0050】
この時、所定の断熱性能を得るためには、概ね、1Pa〜200Paの内部圧力を保持することが望ましい。
【0051】
また、電磁波シールドパネルの断熱特性の経時信頼性を向上させる場合は、ガス吸着剤や水分吸着剤等のゲッター物質を芯材と一緒に減圧封止して使用することが効果的である。
【0052】
本発明は、少なくとも外被材の外面又は内面に、シート状の高導電性材料、或いは高透磁性材料を有する電磁波シールドパネルである。
【0053】
この高導電性材料としては、金属製のシート状材料が利用でき、例えば、ニッケル、鉄、アルミニウム、銅のシート材料がある。
【0054】
また、金属材料だけではなく、導電性プラスチックも利用可能であり、導電性粒子、導電性繊維、又は導電性フレーク等をプラスチックに混入したもの等が利用できる。更には、亜鉛溶射、導電性塗料の塗布、導電性材料の蒸着、イオンプレート、無電解メッキ、及びスパッタ等を施したプラスチックも利用できる。
【0055】
これらの材料以外には、炭素系材料が効果的に利用可能であり、グラファイトシートやカーボンブッラクの充填材料、或いは炭素系蒸着膜としては、ダイアモンドライクカーボンと称される炭素硬質膜も利用できる。 高透磁性材料としては、工業的に公知の材料が使用できるが、このうち軟磁性体材料であることが望ましい。この軟磁性体材料としては、鉄、純鉄、ケイ素鉄、パーマロイ、スーパーマロイ、パーメンジュール、アモルファス、センダスト、MnZnフェライト等が利用できる。
【0056】
なお、高導電性材料、或いは高透磁性材料は、シート状であるものが作業性の観点から望ましいが、これに限定するものではない。また、シート状とは、面状、網状、メッシュ状、格子状、及びパンチングメタル状等、工業的に利用されている公知のものが利用できる。また、シート状の高導電性材料、或いは高透磁性材料は、これらを積層するなど併用して適用する事もできる。
【0057】
本発明は、芯材に、少なくとも誘電性材料又は磁性材料を有する電磁波シールドパネルである。
【0058】
この誘電性材料、或いは磁性材料は、電磁波である電波の電磁エネルギーを吸収して、熱エネルギーに変換する性質を備えたものであり、誘電性材料としては、カーボン、グラファイト等があり、磁性材料としては、フェライト、マグネタイト等が利用できる。これらは、単独で適用しても十分な効果が得られるが、混合して適用する事もできる。
【0059】
なお、これら誘電性材料、或いは磁性材料を適用する場合は、芯材として粉体を適用すると任意の割合、及び任意の形態での混合適用が行いやすい。更に、芯材に繊維体や発泡体を適用する場合には、芯材を任意の厚さに分割して積層充填して適用する方法、或いは繊維体への担持や発泡体原料中への混合による有機発泡体との一体成形等、公知の手段が適用できる。
【0060】
本発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネルを備えた保温保冷機器、電子機器、衣料用品、及び住宅部材である。
【0061】
断熱を必要とする保温保冷機器、電子機器、衣料用品、及び住宅部材等において、断熱性と電磁波シールドの二つの優れた効果を同時に1枚の部材で発揮することができる。
【0062】
なお、本電磁波シールドパネルは、優れた電磁シールドと、優れた断熱性の両特性を併せ持つため、これらを同時に必要とする機器への適用が望ましいが、電磁波シールド、或いは断熱の何れかを必要とする場合においても適用することができる。
【0063】
また、適用できる機器は、一例であり、保温保冷機器、電子機器、衣料用品、及び住宅部材以外の分野においても何ら問題なく適用可能である。
【0064】
以下、本発明による実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0065】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による電磁波シールドパネルの断面図である。
【0066】
図1において、電磁波シールドパネル1は、芯材2を外被材3中に挿入し、内部を減圧して構成している。
【0067】
芯材2はガラス繊維成形体であり、平均繊維径3.5μmのグラスウールを所定密度になるまで積層し、そのグラスウール積層体に無機バインダーを塗布後、加熱圧縮して成形した。
【0068】
外被材3は、表面保護層としてポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)、中間層にはアルミ箔(6μm)、熱溶着層として直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(50μm)により構成したラミネートフィルムである。
【0069】
電磁波シールドパネル1の作製は、芯材2を140℃の乾燥炉で1時間乾燥した後、2枚のラミネートフィルムの3方を熱溶着によりシールして袋状に形成した外被材3中に挿入し、減圧チャンバー内で外被材内部が10Paになるように減圧し、開口部を封止している。 以上のような電磁波シールドパネル1の熱伝導率は、平均温度24℃にて0.0023W/mKであり、汎用的な硬質ウレタンフォームの10倍程度の断熱性能を有していた。
【0070】
図2は、本発明の実施の形態1による、(a)電磁波シールドパネルの電界シールド効果の特性図、及び、同(b)電磁波シールドパネルの磁界シールド効果の特性図である。図2において、(a),(b)それぞれ、シールド効果42dBにて99%、60dBにて99.9%の電磁波遮断特性を示すもので、(a)においては30MHz未満は電磁波が微小すぎて測定できず、測定できた30MHz以上全域にわたって、(b)においては3MHz以上において、99%以上のシールド効果が得られた。
【0071】
なお、熱伝導率は英弘精機製のオートラムダにて、電磁シールド効果はKEC法により測定した。
【0072】
このように、本構成により作成した電磁シールドパネルは、優れた断熱性能と優れた電磁波シールド効果の両効果を合わせ持つものである。
【0073】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2による電磁波シールドパネルの断面図である。
【0074】
実施の形態1に対して、外被材5の構成を変更したが、その他の形態は実施の形態1と同様である。
【0075】
外被材5は、表面保護層としてポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)、中間層として厚み15μmのエチレン−ポリビニルアルコール共重合体のフィルムに膜厚450Åのアルミ蒸着を形成したフィルムと厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに膜厚450Åのアルミ蒸着を形成したフィルムとをアルミ蒸着面同士貼り合わせたフィルムとし、熱溶着層として直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(50μm)により構成している。
【0076】
以上のような電磁波シールドパネル4の熱伝導率は、平均温度24℃にて0.0023W/mKであった。
【0077】
図4は、本発明の実施の形態2による、(a)電磁波シールドパネルの電界シールド効果の特性図、及び、(b)電磁波シールドパネルの磁界シールド効果の特性図である。図4において、(a),(b)それぞれ、シールド効果42dBにて99%、60dBにて99.9%の電磁波遮断特性を示すもので、(a)においては1MHz以上全域にわたって、(b)においては400MHz以上において、99%以上のシールド効果が得られた。
【0078】
このように、本構成により作製した電磁シールドパネルは、優れた断熱性能と優れた電磁シールド効果の両効果を合わせ持つものである。
【0079】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3による電磁波シールドパネルの断面図である。
【0080】
電磁波シールドパネル6は、実施の形態1に対して、外被材3の内面に芯材2の表面を覆うようにして厚み20μmの鉄箔7を追加付与したもので、その他の構成は実施の形態1と同様である。鉄箔は、高電導性材料であるとともに軟磁性材料である。
【0081】
電磁波シールドパネル6の作製は、芯材2を140℃の乾燥炉で1時間乾燥した後、軟磁性体材料7を芯材2に載せ、そのまま袋状に形成した外被材3中に挿入し、減圧チャンバー内で外被材3の内部が10Paになるように減圧して開口部を封止している。 以上のような電磁波シールドパネル6の熱伝導率は、平均温度24℃にて0.0023W/mKであり、汎用的な硬質ウレタンフォームの10倍程度の断熱性能を有していた。
【0082】
また、電磁波シールド効果は、実施の形態1に対して、低周波数帯の磁界シールド効果が大幅に改善した。更には、電界の測定可能周波数領域においてもシールド効果の改善を確認した。
【0083】
この改善効果は、シート状の軟磁性体材料7である鉄箔の電磁波シールド効果だけでなく、アルミ箔を有するラミネートフィルムとそのラミネートフィルム内面の鉄箔との間が減圧状態であることから、高静電容量のコンデンサーと電気的等価となり、より大きな電磁波シールド効果が得られるものである。
【0084】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4による電磁波シールドパネルの断面図である。
【0085】
図6において、電磁波シールドパネル8は芯材9を外被材10中に挿入して内部を減圧して構成している。
【0086】
芯材9は粉体混合材料の成形体であり、乾式シリカ11とグラスウール12と誘電性材料のカーボンブラック粉末13とで構成している。乾式シリカ11はアエロジル300(日本アエロジル製)で、カーボンブラック粉末13とを所定の割合で混ぜて均一に混合し、更に、グラスウールはこれらの粉体のバインダーとして機能させるものであり、所定量を粉体混合体内に分散させた上、圧縮成形した。
【0087】
また、外被材10は2種類のラミネートフィルムからなり、前記2種類のラミネートフィルムを四方シールにて形成している。第一のラミネートフィルム14は、表面保護層としてポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)、中間層にはアルミ箔(6μm)、熱溶着層として直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(50μm)からなり、第二のラミネートフィルム15は、表面保護層としてポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)、中間層として厚み15μmのエチレン−ポリビニルアルコール共重合体のフィルムに膜厚450Åのアルミ蒸着を形成したフィルムと厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに膜厚450Åのアルミ蒸着を形成したフィルムとをアルミ蒸着面同士貼り合わせたフィルム、熱溶着層として直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(50μm)により形成している。
【0088】
電磁波シールドパネル8の作製は、芯材9を105℃の乾燥炉で1時間乾燥した後、熱溶着層を向かい合わせた2枚のラミネートフィルム14,15の3方を加熱シールして袋状に形成した外被材10中に挿入し、減圧チャンバー内で外被材10の内部が100Paになるように減圧し、開口部を封止している。
【0089】
このようにして作製した電磁波シールドパネル8の熱伝導率は、平均温度24℃において、0.005W/mKであり、汎用的な硬質ウレタンフォームの5倍程度の断熱性能を有していた。
【0090】
また、電磁波シールド効果については、実施の形態1に対して、全周波数領域において大幅な改善を確認した。
【0091】
なお、カーボンブラック粉末13に替えて磁性材料であるフェライト粉末としても、同様の効果が得られた。
【0092】
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5による冷蔵庫の側断面図であり、保温保冷機器の一例として示すものである。
【0093】
図7において、冷蔵庫21の本体は筐体を形成する断熱箱体22と冷凍サイクルとからなる。断熱箱体22は、鉄板をプレス成形した外箱23と、ABS樹脂を成形した内箱24とが、開口部前端のフランジ(図示せず)を介して一体化して構成されている。外箱23と内箱24とで構成される空間部25には、予め電磁波シールドパネル1を配設し、電磁波シールドパネル1以外の空間部には硬質ウレタンフォームを発泡充填したものである。硬質ウレタンフォームは、発泡剤としてシクロペンタンを使用している。
【0094】
断熱箱体22の内部は仕切り板26にて区切られており、上部が冷蔵室27、下部が冷凍室28となっている。仕切り板26の後部には電動ダンパー29が設けられ、冷凍室28の内箱24には冷却用ファンモータ30とデフロストヒーター31が取り付けられている。
【0095】
一方、冷凍サイクルは、蒸発器32、圧縮機33、凝縮器34、キャピラリチューブ35とを配管で順次環状に接続して形成している。なお、蒸発器32は冷蔵室27と冷凍室28の2カ所に設け、それらを直列又は並列に繋いで冷凍サイクルを形成してもよい。
【0096】
また、断熱箱体22の開口部には上下2枚のドア体36が取り付けられており、ドア体36も断熱箱体22同様、鉄板とABS樹脂により一体に構成され、その内部空間前部には電磁波シールドパネル1が配設され、電磁波シールドパネル1以外の空間部は硬質ウレタンフォームにて発泡充填されている。
【0097】
なお、電磁波シールドパネル1は実施の形態1に示したものと同様の構成のものを用いている。
【0098】
以上のように構成された冷蔵庫21について、更に詳しく説明する。
【0099】
冷凍サイクルの運転により、蒸発器32から熱交換によって得られる冷気を冷却用ファンモータ30により、風路37を通じて冷凍室28へ循環させ庫内を冷却する。また、この冷気を電動ダンパー29の開閉により流量制御を行い、冷蔵室27の庫内温度を制御する。また、運転を継続すると蒸発器32には着霜が発生し冷却能力が低下するので、適宜、デフロストヒーター31を発熱させて除霜を行なう。
【0100】
従って、冷蔵庫21を運転することにより、冷却用ファンモータ30、電動ダンパー29、及びデフロストヒーター31等の巻き線を有する電気部品から、大きな電磁波が発生することになる。このような電磁波を外部(特に、他の受信機器との距離が近い冷蔵庫21の前面及び側面)に漏洩させないためには、冷蔵庫21を電磁シールドする必要がある。
【0101】
ここで断熱箱体22の内部には、電磁波シールドパネル1が配設されている。よって、電磁波の外部への漏洩を低減することができ、特に磁束密度においては電磁波シールドパネル1を使用することで60dBの低減を図ることができた。
【0102】
また、同時に、電磁波シールドパネル1が優れた断熱性能を有することから、冷蔵庫外部の放熱、外気、及びヒーター等による熱負荷を大幅に低減することができるため、消費電力量は、電磁波シールドパネル1を使用しないものと比較して30%低減した。
【0103】
以上のように本実施の形態5の冷蔵庫21は、電気部品から発生する電磁波の外部への漏洩を、電磁波シールドパネル1の電磁シールド効果で大きなコストをかけずに抑えることができ、外部のラジオやテレビの受信機器への影響を低減することができる。
【0104】
また、冷蔵庫21のドア体36内部に電磁波シールドパネル1を配設することにより、他の受信機器との距離が最も近くなるドア体36前面からの漏洩を抑えることができ、ラジオやテレビ等への電磁波の影響を著しく低減することができる。
【0105】
(実施の形態6)
図8は、本発明の実施の形態6によるノート型パソコンの側断面図であり、電子機器の一例として示すものである。なお、電磁波シールドパネル8は実施の形態4に示したものと同様の構成で、より薄く形成したものを用いている。
【0106】
図8において、ノート型パソコン41は、装置内部のメインボード42の上部に具備されたCPU等の発熱部43と、発熱部43と装置ケース底部44との間を遮断する電磁波シールドパネル8と、発熱部43の放熱を促進するヒートシンク等の放熱機構45とから構成している。また、拡張機器取り付けユニット46は、メインボード42や電源部(図示せず)とを遮断するため、L型に折り曲げた電磁波シールドパネル8によりその断面を被覆している。
【0107】
なお、電磁波シールドパネル8は、厚さ2mmのものを適用した。
【0108】
このような構成で電磁波シールドパネル8を適用することにより、発熱部43と装置ケース底部44との間が断熱される。その結果、伝熱や輻射熱により生じていた装置ケース底部44の一部の過熱は消失した。よって、装置ケース底部44が人体と長時間接触しても、低温やけどをしたり、不快感を感じたりすることがなくなる。
【0109】
また、拡張機器取り付けユニット46は、L型に折り曲げた電磁波シールドパネル8により、メインボード42や電源部(図示せず)から遮断されている。これにより、拡張機器取り付けユニット46に適用する磁気や熱に弱いメモリーカード等に対して、優れた電磁波シールド効果と高い断熱特性により、有害な磁界や熱を効果的に遮断することができ、メモリーカード等の拡張カードの製品信頼性を大幅に改善することができる。
【0110】
なお、本発明の電子機器とは、ノート型パソコンに限るものではなく、本実施の形態6は各種電子機器のうち、電磁波シールドと断熱とを必要とする機器の代表として記したものである。この他の例としては、コピー機やプリンターなどの印刷装置内の発熱部分とトナーとの断熱等にも利用可能である。
【0111】
(実施の形態7)
図9は、本発明の実施の形態7によるジャケットの正面図、図10は図9におけるジャケットの背面図であり、衣料用品の一例として示すものである。
【0112】
図9及び図10において、ジャケット51は、ジャケットの表材52と裏地材(図示せず)との間に電磁波シールドパネルを固定装着するポケット(図示せず)を設け、このポケットに電磁波シールドパネル53を挿入して適用している。なお、電磁波シールドパネル53は実施の形態4に示したものと同様の材料構成のものを用いているが、電磁波シールドパネル53に柔軟性を付与するために、小さく円形に分割した複数の芯材を用いて形成している。
【0113】
このような構成によって、電磁波シールドパネル53の優れた電磁波シールド効果と高い断熱性能を活かすことにより、人体への影響が懸念される電磁波を遮断するとともに、優れた保温性を有するジャケットが提供できる。
【0114】
なお、電磁波シールドパネルは、ジャケットに裏地材に形成したポケット部に挿入して適用すると、電磁波シールドパネルの脱着が容易となり、保温性の調整やクリーニングが容易となる。更に、電磁波シールドパネルの取付方法は、圧着ファスナー、ファスナー、ボタン、フォック等の係止具により固定することもできる。
【0115】
また、本実施の形態7では保温性の必要なジャケットを例に説明したが、電磁波シールドパネルの電磁波シールド効果のみを有効に活用することも可能であり、パソコン等への入力作業時の電磁波シールド用のエプロン等、電磁波シールド用の衣料用品としての適用も効果的である。
【0116】
(実施の形態8)
図11は、本発明の実施の形態8による電磁波シールドパネルを適用した住宅部材からなる一般住宅の断面図である。
【0117】
図11において、住宅61は、外壁62と内壁63との間や、床板64に接する床下や、屋根材65に接した屋根裏に、電磁波シールドパネル8を適用した複合構造パネル66を配設している。なお、電磁波シールドパネル8は実施の形態4に示したものと同様の構成のものを用いているが、硬質ウレタンフォーム内部に埋め込んだ複層構造パネル66として住宅部材としての施工性を改善している。また、電磁波シールドパネル8自体は、住宅の全壁面積の約40%を被覆している。
【0118】
この様にして構成された住宅61は優れた電磁波シールド効果を有し、送電線や配電線、或いは変電所や携帯電話タワー等が近傍に存在しても電磁波の殆どを遮断することが出来る。
【0119】
また、本発明の電磁波シールドパネル8は芯材に含まれた誘電性材料や磁性材料の作用から、優れた電波吸収体としても作用する。
【0120】
更に、複合構造パネル66は、電磁波シールドパネル8を埋め込むことにより優れた断熱性能を有することから、住宅61の暖房と冷房に要する光熱費が大幅に抑制され、優れた省エネルギー効果を示す。この住宅61の年間の空調機、及び暖房機器に要する消費電力量を測定したところ、複合構造パネル66を適用することにより、約20%の低減を図れた。
【0121】
なお、本発明の住宅部材は複合構造に限らず、居住空間などに適用可能な電磁波シールドパネルや、断熱用部材であり、一般住宅や集合住宅の壁面、床面、屋根材に限らず、オフィスビルの外壁等にも適用可能なものである。また、居住空間としては、自動車への適用も効果的に作用することが判っている。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の電磁波シールドパネルは、気相比率80%以上の多孔体よりなる芯材と、前記芯材を覆い内部を減圧した外被材とからなり、前記外被材が少なくとも金属箔又は金属蒸着層を含むラミネートフィルムからなるもので、外被材を構成するラミネートフィルムの金属箔、或いは金属蒸着層の電磁波シールド効果により、到来波の殆どが反射され、かつ内部に浸透した電磁界は指数関数的に減衰し、電磁波を遮断することができる。
【0123】
また、この外被材で芯材を覆って内部を所定圧力まで減圧することにより、内部残留気体の対流熱伝導が抑制されて気体の熱伝導が大きく低下するため、優れた断熱性能を有するという効果が得られる。
【0124】
本発明の請求項2に記載の電磁波シールドパネルは、少なくとも外被材の外面又は内面に、シート状の高導電性材料を有するもので、シート状の高導電性材料による積層効果により、外被材を構成するラミネートフィルムの金属箔、或いは金属蒸着層により防ぐことのできなかった電磁波も遮断することができ、より優れた電磁波シールド効果が得られる。
【0125】
本発明の請求項3に記載の電磁波シールドパネルは、少なくとも外被材の外面又は内面に、シート状の高透磁性材料を有するもので、金属箔、或いは金属蒸着層を含むラミネートフィルムからなる外被材で遮断することのできなかった磁力線がシート状の高透磁性材料に引き寄せられるため、低周波数の磁界のシールドに対しても効果的に作用するという効果が得られる。
【0126】
本発明の請求項4に記載の電磁波シールドパネルは、高透磁性材料が軟磁性体材料からなるもので、外部磁界が存在しない場合は、軟磁性体材料は磁化を無くし、もとの状態に戻るため磁化による弊害を生じないという効果が得られる。
【0127】
本発明の請求項5に記載の電磁波シールドパネルは、芯材に、少なくとも誘電性材料又は磁性材料を有するもので、内部に浸透した電磁波は、損失効果の大きい誘電性材料、或いは磁性材料に吸収され熱に変換され消費されるため、より優れた電磁シールド効果が得られる。
【0128】
本発明の請求項6に記載の電磁波シールドパネルは、芯材に、少なくともカーボン粉末又はフェライト粉末を有するもので、内部に浸透した電磁波は、損失効果の大きい誘電性材料であるカーボン粉末、或いは損失効果の大きい磁性材料であるフェライト粉末に吸収され、熱に変換されて消費されるため、より優れた電磁波シールド効果が得られる。
【0129】
また、これらの材料は安価であり、かつ芯材への分散性が良好であるため、より優れた電磁シールド効果を低コストで実現できるという効果が得られる。
【0130】
本発明の請求項7に記載の保温保冷機器は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネルを備えたもので、保温保冷機器の一例として冷蔵庫があるが、冷蔵庫に電磁波シールドパネルを適用することにより、優れた電磁シールド効果と、優れた断熱性能による省エネとが同時に得られる。すなわち、両方の機能を1枚の部材で実現できることにより、その生産時の組立工数とコストを低減することが可能となる。
【0131】
本発明の請求項8に記載の電子機器は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネルを備えたもので、電子機器の一例としてノート型パソコンがあるが、ノート型パソコンに電磁波シールドパネルを適用することにより、CPU等を起因とする部分的な過熱の断熱、及び優れた電磁シールド効果が同時に得られる。すなわち、両方の機能を1枚の部材で実現できることにより、その生産時の工数とコストを低減することが可能となる。
【0132】
本発明の請求項9に記載の衣料用品は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネルを柔軟に構成して備えたもので、衣料用品の一例としてジャケットがあるが、ジャケットに柔軟に構成した電磁波シールドパネルを適用することにより、体の動きに支障を生じず、優れた電磁シールド効果と高い保温性とが同時に得られる。
【0133】
また、前記電磁波シールドパネルは、優れた電磁シールド効果と優れた保温性の両方を有するため、その生産時の工数とコストを低減することが可能となる。
【0134】
本発明の請求項10に記載の住宅部材は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネルを備えたもので、住宅部材の一例として、断熱壁としての適用があるが、住宅の断熱壁として電磁シールドパネルを適用することにより、優れた電磁シールド効果と、優れた断熱性能による省エネとが同時に得られる。
【0135】
また、前記電磁波シールドパネルは、優れた電磁シールド効果と優れた断熱性能の両方を有するため、そのパネル生産時の工数とコスト、更には住宅施工時の工数とコストを大幅に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による電磁波シールドパネルの断面図
【図2】(a)本発明の実施の形態1による電磁波シールドパネルの電界シールド効果の特性図
(b)本発明の実施の形態1による電磁波シールドパネルの磁界シールド効果の特性図
【図3】本発明の実施の形態2による電磁波シールドパネルの断面図
【図4】(a)本発明の実施の形態2による電磁波シールドパネルの電界シールド効果の特性図
(b)本発明の実施の形態2による電磁波シールドパネルの磁界シールド効果の特性図
【図5】本発明の実施の形態3による電磁波シールドパネルの断面図
【図6】本発明の実施の形態4による電磁波シールドパネルの断面図
【図7】本発明の実施の形態5による冷蔵庫の側断面図
【図8】本発明の実施の形態6によるノート型パソコンの側断面図
【図9】本発明の実施の形態7によるジャケットの正面図
【図10】本発明の実施の形態7によるジャケットの背面図
【図11】本発明の実施の形態8による電磁波シールドパネルを適用した住宅部材からなる一般住宅の断面図
【符号の説明】
1,4,6,8 電磁波シールドパネル
2,9 芯材
3,5,10 外被材
7 鉄箔
13 カーボンブラック粉末(フェライト粉末)
14 第一のラミネートフィルム
15 第二のラミネートフィルム
21 冷蔵庫
41 ノート型パソコン
51 ジャケット
66 複合構造パネル

Claims (10)

  1. 気相比率80%以上の多孔体よりなる芯材と、前記芯材を覆い内部を減圧した外被材とからなり、前記外被材が少なくとも金属箔又は金属蒸着層を含むラミネートフィルムからなる電磁波シールドパネル。
  2. 少なくとも外被材の外面又は内面に、シート状の高導電性材料を有する請求項1に記載の電磁波シールドパネル。
  3. 少なくとも外被材の外面又は内面に、シート状の高透磁性材料を有する請求項1又は請求項2に記載の電磁波シールドパネル。
  4. 高透磁性材料が軟磁性体材料からなる請求項3に記載の電磁波シールドパネル。
  5. 芯材に、少なくとも誘電性材料又は磁性材料を有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネル。
  6. 誘電性材料がカーボン粉末、或いは磁性材料がフェライト粉末である請求項5に記載の電磁波シールドパネル。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネルを備えた保温保冷機器。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネルを備えた電子機器。
  9. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネルを柔軟に構成して備えた衣料用品。
  10. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁波シールドパネルを備えた住宅部材。
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