JPH0841036A - 放射性ベンゾジアゼピン誘導体およびその製造法 - Google Patents
放射性ベンゾジアゼピン誘導体およびその製造法Info
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- JPH0841036A JPH0841036A JP7044174A JP4417495A JPH0841036A JP H0841036 A JPH0841036 A JP H0841036A JP 7044174 A JP7044174 A JP 7044174A JP 4417495 A JP4417495 A JP 4417495A JP H0841036 A JPH0841036 A JP H0841036A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】一般式 化1
【化1】
〔式中、Rは水素原子または低級アルキル基を表わし、
X* は放射性のヨウ素原子または臭素原子を表わし、Y
は水素原子またはハロゲン原子を表わし、Zはハロゲン
原子またはニトロ基を表わし、かつ、6、8又は9位に
位置する。〕で示される放射性ベンゾジアゼピン誘導体
またはその塩。 【効果】本発明化合物を用いることにより、ヒトまたは
動物の脳およびその他の臓器、組織のベンゾジアゼピン
受容体の存在を非侵襲的に検出できるばかりか、受容体
の量の変化を動的に測定することも可能となる。
X* は放射性のヨウ素原子または臭素原子を表わし、Y
は水素原子またはハロゲン原子を表わし、Zはハロゲン
原子またはニトロ基を表わし、かつ、6、8又は9位に
位置する。〕で示される放射性ベンゾジアゼピン誘導体
またはその塩。 【効果】本発明化合物を用いることにより、ヒトまたは
動物の脳およびその他の臓器、組織のベンゾジアゼピン
受容体の存在を非侵襲的に検出できるばかりか、受容体
の量の変化を動的に測定することも可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般式 化8
【化8】 〔式中、Rは水素原子または低級アルキル基を表わし、
X* は放射性ヨウ素原子または臭素原子を表わし、Yは
水素原子またはハロゲン原子を表わし、Zはハロゲン原
子またはニトロ基を表わし、かつ、6、8又は9位に位
置する。〕で示される新規な放射性ベンゾジアゼピン誘
導体またはその塩(以下、本発明化合物と称す)および
それらの製造法に関する。一般式 化8で示される本発
明化合物は文献未載の新規化合物であり、ベンゾジアゼ
ピン受容体に対して非常に高い親和性を有しており、ベ
ンゾジアゼピン受容体のインビボまたはインビトロ用核
医学診断薬として、また放射性医薬品として極めて有用
なものである。さらに本発明化合物はベンゾジアゼピン
抗体に高い親和性を有することから、ラジオイムノアッ
セイ法(放射性免疫抗体測定法)の放射性リガンドとし
ても極めて有用なものである。
X* は放射性ヨウ素原子または臭素原子を表わし、Yは
水素原子またはハロゲン原子を表わし、Zはハロゲン原
子またはニトロ基を表わし、かつ、6、8又は9位に位
置する。〕で示される新規な放射性ベンゾジアゼピン誘
導体またはその塩(以下、本発明化合物と称す)および
それらの製造法に関する。一般式 化8で示される本発
明化合物は文献未載の新規化合物であり、ベンゾジアゼ
ピン受容体に対して非常に高い親和性を有しており、ベ
ンゾジアゼピン受容体のインビボまたはインビトロ用核
医学診断薬として、また放射性医薬品として極めて有用
なものである。さらに本発明化合物はベンゾジアゼピン
抗体に高い親和性を有することから、ラジオイムノアッ
セイ法(放射性免疫抗体測定法)の放射性リガンドとし
ても極めて有用なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、脳の病的状態(例えばてんかんや
痴呆等)においてベンゾジアゼピン受容体の量が変化し
ていることが見出され、ベンゾジアゼピン受容体と諸種
の脳の疾患との関係が医学、薬学の分野において注目さ
れてきている。このような状況を背景としてベンゾジア
ゼピン受容体を標的とする核医学診断薬、放射性医薬品
の出現が強く望まれている。このような診断薬あるいは
医薬品として、最近、ポジトロン核種であるC−11で
標識されたベンゾジアゼピン受容体指向性の化合物、
〔C−11〕R0 15-1788 が開発され、PET法による
ベンゾジアゼピン受容体の研究が試みられている。〔J.
Psychiatr. Res., 19, 609 (1985) ; Radioisotopes,
34, 302 (1985)〕。
痴呆等)においてベンゾジアゼピン受容体の量が変化し
ていることが見出され、ベンゾジアゼピン受容体と諸種
の脳の疾患との関係が医学、薬学の分野において注目さ
れてきている。このような状況を背景としてベンゾジア
ゼピン受容体を標的とする核医学診断薬、放射性医薬品
の出現が強く望まれている。このような診断薬あるいは
医薬品として、最近、ポジトロン核種であるC−11で
標識されたベンゾジアゼピン受容体指向性の化合物、
〔C−11〕R0 15-1788 が開発され、PET法による
ベンゾジアゼピン受容体の研究が試みられている。〔J.
Psychiatr. Res., 19, 609 (1985) ; Radioisotopes,
34, 302 (1985)〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
〔C−11〕R0 15-1788 を用いる方法は、C−11の
半減期が極めて短いために、臨床の場にサイクロトロン
施設が必要であり、また標識化合物の合成を短時間に行
わなければならないなど、実用上問題が多い。
〔C−11〕R0 15-1788 を用いる方法は、C−11の
半減期が極めて短いために、臨床の場にサイクロトロン
施設が必要であり、また標識化合物の合成を短時間に行
わなければならないなど、実用上問題が多い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、放射性の
ヨウ素原子または臭素原子を分子内に持つベンゾジアゼ
ピン受容体指向性診断薬、放射性医薬品を目標に研究を
行い、前記一般式 化8で示される本発明化合物がベン
ゾジアゼピン受容体に対して非常に高い親和性を有し、
特異的にそれと結合することを見出した。また、本発明
化合物の中から放射性のI−123あるいはBr−77
を含む標識化合物を選び、SPECT 法を用いれば、前述の
〔C−11〕R0 15-1788 によるPET法の有する問題
点は解決され、簡便にベンゾジアゼピン受容体の測定、
診断が可能となるばかりか超短半減期の〔C−11〕で
は得られないような投与後数時間を経た後の受容体イメ
ージングも可能となる。すなわち、一般式 化8で示さ
れる本発明化合物が、ベンゾジアゼピン受容体指向性の
放射性診断薬、放射性医薬品として実用上大変優れた性
質を有することを見出し、本発明に至った。以下に本発
明化合物の製造法について説明する。前記一般式 化8
で示される本発明化合物は、放射性化合物の一般的合成
方法により製造できるが、たとえば以下に示す方法Aあ
るいは方法Bにしたがって製造することができる。
ヨウ素原子または臭素原子を分子内に持つベンゾジアゼ
ピン受容体指向性診断薬、放射性医薬品を目標に研究を
行い、前記一般式 化8で示される本発明化合物がベン
ゾジアゼピン受容体に対して非常に高い親和性を有し、
特異的にそれと結合することを見出した。また、本発明
化合物の中から放射性のI−123あるいはBr−77
を含む標識化合物を選び、SPECT 法を用いれば、前述の
〔C−11〕R0 15-1788 によるPET法の有する問題
点は解決され、簡便にベンゾジアゼピン受容体の測定、
診断が可能となるばかりか超短半減期の〔C−11〕で
は得られないような投与後数時間を経た後の受容体イメ
ージングも可能となる。すなわち、一般式 化8で示さ
れる本発明化合物が、ベンゾジアゼピン受容体指向性の
放射性診断薬、放射性医薬品として実用上大変優れた性
質を有することを見出し、本発明に至った。以下に本発
明化合物の製造法について説明する。前記一般式 化8
で示される本発明化合物は、放射性化合物の一般的合成
方法により製造できるが、たとえば以下に示す方法Aあ
るいは方法Bにしたがって製造することができる。
【0005】〔方法A〕一般式 化9
【化9】 〔式中、R、YおよびZは、前記と同一の意味を表わ
し、Xはヨウ素原子または臭素原子を表わす。〕で示さ
れるベンゾジアゼピン誘導体を、例えばアセトニトリ
ル、ジメルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、エチ
レングリコール、エチレングリコールのエーテル誘導
体、ジエチレングルコールのエーテル誘導体、ヘキサメ
チルホスホラストリアミド(HMPT) および水等の溶媒中
で、通常50〜180℃の反応温度で放射性の金属ヨウ
化物あるいは金属臭化物と交換反応させた後、溶媒抽出
等の通常の方法により前記一般式 (I)で示される本発明
化合物が得られる。
し、Xはヨウ素原子または臭素原子を表わす。〕で示さ
れるベンゾジアゼピン誘導体を、例えばアセトニトリ
ル、ジメルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、エチ
レングリコール、エチレングリコールのエーテル誘導
体、ジエチレングルコールのエーテル誘導体、ヘキサメ
チルホスホラストリアミド(HMPT) および水等の溶媒中
で、通常50〜180℃の反応温度で放射性の金属ヨウ
化物あるいは金属臭化物と交換反応させた後、溶媒抽出
等の通常の方法により前記一般式 (I)で示される本発明
化合物が得られる。
【0006】〔方法B〕一般式 化10
【化10】 〔式中、R、YおよびZは前記と同一の意味を表わ
す。〕で示されるアミノベンゾジアゼピン誘導体を、例
えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはアセトニ
トリル等の溶媒中で、希硫酸または有機酸等の酸の存在
下、亜硝酸アルカリ金属塩と反応させ、一般式 化11
す。〕で示されるアミノベンゾジアゼピン誘導体を、例
えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはアセトニ
トリル等の溶媒中で、希硫酸または有機酸等の酸の存在
下、亜硝酸アルカリ金属塩と反応させ、一般式 化11
【化11】 〔式中、R、YおよびZは前記と同一の意味を表わし、
A- はハロゲンイオン、式HSO4 - 、式 化12
A- はハロゲンイオン、式HSO4 - 、式 化12
【化12】 または一般式R′B- で示される陰イオンを表わす。こ
こでR′はアルキル基、ハロアルキル基または置換され
ていてもよいアリール基を表わし、Bは式SO3または
式CO2 で示される置換基を表わす。〕で示されるジア
ゾニウム塩を形成させる。次いで一般式 化11で示さ
れるジアゾニウム塩を放射性のヨウ化水素水、臭化水素
水、金属ヨウ化物または金属臭化物と、必要に応じ銅粉
または銅塩の存在下で、通常−5〜30℃の温度範囲で
反応させた後、生成物を溶媒抽出等の通常の方法により
単離すれば、前記一般式 化8で示される本発明化合物
が得られる。上記の方法Aまたは方法Bにより得られた
本発明化合物は、必要に応じ、薄層クロマトグラフィー
(TLC)または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
等の一般的方法により精製することもできる。本発明に
おいて、放射性ヨウ素原子としては、例えばI−12
3、I−125、I−131、I−132などが挙げら
れ、好ましくはI−123である。放射性臭素原子とし
ては、例えばBr−75、Br−76、Br−77、B
r−80、Br−82などが挙げられる。また、放射性
の金属ヨウ化物または金属臭化物とは上記放射性のヨウ
素原子または臭素原子の金属塩を意味し、放射性のI-
イオンまたはBr- イオンを与えるものであればよい
が、例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化
リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウ
ム等が挙げられる。また、ハロゲン原子としては、例え
ばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等の原子が挙げられる。
さらに、本発明の放射性ベンゾジアゼピン誘導体の塩と
は、放射性ベンゾジアゼピン誘導体と塩酸、硫酸等の鉱
酸または酢酸等の有機酸との塩のような薬学的に許容さ
れる塩を意味する。本発明により得られる放射性ベンゾ
ジアゼピン誘導体またはその塩を患者に静脈注射した
後、経時的にシンチグラムをとるか、もしくはプローブ
法で放射能を測定するか、もしくはSPECT またはPET
カメラを用いて断層像を得て該化合物の特定臓器器官お
よび組織への取り込みを測定することにより、病巣の部
位範囲および疾患の程度を簡便かつ的確に診断すること
が可能である。また例えばI−125またはI−131
などの原子で標識した本発明化合物は、ベンゾジアゼピ
ン抗体を用いた放射性免疫測定法において、血液、尿等
の生体試料中のベンゾジアゼピン誘導体およびその代謝
体の量の測定において、また、ベンゾジアゼピン受容体
を用いるラジオレセプターアッセイ法において、ベンゾ
ジアゼピン誘導体およびその代謝体の量の測定および親
和性の測定に放射性リガンドとして好適に用いられる。
こでR′はアルキル基、ハロアルキル基または置換され
ていてもよいアリール基を表わし、Bは式SO3または
式CO2 で示される置換基を表わす。〕で示されるジア
ゾニウム塩を形成させる。次いで一般式 化11で示さ
れるジアゾニウム塩を放射性のヨウ化水素水、臭化水素
水、金属ヨウ化物または金属臭化物と、必要に応じ銅粉
または銅塩の存在下で、通常−5〜30℃の温度範囲で
反応させた後、生成物を溶媒抽出等の通常の方法により
単離すれば、前記一般式 化8で示される本発明化合物
が得られる。上記の方法Aまたは方法Bにより得られた
本発明化合物は、必要に応じ、薄層クロマトグラフィー
(TLC)または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
等の一般的方法により精製することもできる。本発明に
おいて、放射性ヨウ素原子としては、例えばI−12
3、I−125、I−131、I−132などが挙げら
れ、好ましくはI−123である。放射性臭素原子とし
ては、例えばBr−75、Br−76、Br−77、B
r−80、Br−82などが挙げられる。また、放射性
の金属ヨウ化物または金属臭化物とは上記放射性のヨウ
素原子または臭素原子の金属塩を意味し、放射性のI-
イオンまたはBr- イオンを与えるものであればよい
が、例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化
リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウ
ム等が挙げられる。また、ハロゲン原子としては、例え
ばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等の原子が挙げられる。
さらに、本発明の放射性ベンゾジアゼピン誘導体の塩と
は、放射性ベンゾジアゼピン誘導体と塩酸、硫酸等の鉱
酸または酢酸等の有機酸との塩のような薬学的に許容さ
れる塩を意味する。本発明により得られる放射性ベンゾ
ジアゼピン誘導体またはその塩を患者に静脈注射した
後、経時的にシンチグラムをとるか、もしくはプローブ
法で放射能を測定するか、もしくはSPECT またはPET
カメラを用いて断層像を得て該化合物の特定臓器器官お
よび組織への取り込みを測定することにより、病巣の部
位範囲および疾患の程度を簡便かつ的確に診断すること
が可能である。また例えばI−125またはI−131
などの原子で標識した本発明化合物は、ベンゾジアゼピ
ン抗体を用いた放射性免疫測定法において、血液、尿等
の生体試料中のベンゾジアゼピン誘導体およびその代謝
体の量の測定において、また、ベンゾジアゼピン受容体
を用いるラジオレセプターアッセイ法において、ベンゾ
ジアゼピン誘導体およびその代謝体の量の測定および親
和性の測定に放射性リガンドとして好適に用いられる。
【0007】
【実施例】以下に実施例および参考例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。まず、本発明化合物の原料と
して用いられる化合物の製造例を示す。 参考例1 7−クロロ−1−メチル−5−(2−フルオロ−4−ヨ
ードフェニル)−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−2
−オン(4′−ヨードフルジアゼパム)の製造4′−ア
ミノフルジアゼパム(165mg) 、アセトニトリル(0.
8ml) および亜硝酸ソーダ水溶液の混合物に、氷−水で
冷却しながらトリフルオロ酢酸(130μl)を加え、同
温で20分間攪拌した。得られたジアゾニウム塩溶液に
ヨウ化カリウムの水溶液を加え、室温で2時間攪拌し
た。反応終了後、クロロホルムにて抽出し、溶媒を留去
して粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、4′−ヨードフルジアゼ
パム(160mg) を得た。 マスペクトル(70eV) m/e:428(M+ )1 H-NMR(CDCl3 ) δ (ppm) : 3.4(3H, s, CH3 ), 3.8(1
H, d, CH), 4.8(1H, d, CH), 7.0-7.7(6H, m, ベンゼン
環H) 参考例2 7−クロロ−1−メチル−5−(4−ヨードフェニル)
−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(4′−
ヨードジアゼパム)の製造 7−クロロ−2,3−ジヒドロ−5−(4−ヨードフェ
ニル)−1−メチル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン
(180mg) を用い、参考例2と同様にして4′−ヨー
ドジアゼパム(160mg) を得た。 マスペクトル(70eV) m/e:410,412
(M+ ) 次に、本発明化合物の製造例を示す。
さらに具体的に説明する。まず、本発明化合物の原料と
して用いられる化合物の製造例を示す。 参考例1 7−クロロ−1−メチル−5−(2−フルオロ−4−ヨ
ードフェニル)−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−2
−オン(4′−ヨードフルジアゼパム)の製造4′−ア
ミノフルジアゼパム(165mg) 、アセトニトリル(0.
8ml) および亜硝酸ソーダ水溶液の混合物に、氷−水で
冷却しながらトリフルオロ酢酸(130μl)を加え、同
温で20分間攪拌した。得られたジアゾニウム塩溶液に
ヨウ化カリウムの水溶液を加え、室温で2時間攪拌し
た。反応終了後、クロロホルムにて抽出し、溶媒を留去
して粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、4′−ヨードフルジアゼ
パム(160mg) を得た。 マスペクトル(70eV) m/e:428(M+ )1 H-NMR(CDCl3 ) δ (ppm) : 3.4(3H, s, CH3 ), 3.8(1
H, d, CH), 4.8(1H, d, CH), 7.0-7.7(6H, m, ベンゼン
環H) 参考例2 7−クロロ−1−メチル−5−(4−ヨードフェニル)
−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(4′−
ヨードジアゼパム)の製造 7−クロロ−2,3−ジヒドロ−5−(4−ヨードフェ
ニル)−1−メチル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン
(180mg) を用い、参考例2と同様にして4′−ヨー
ドジアゼパム(160mg) を得た。 マスペクトル(70eV) m/e:410,412
(M+ ) 次に、本発明化合物の製造例を示す。
【0008】実施例1 7−クロロ−1−メチル−5−(2−フルオロ−〔 125
I〕−4−ヨードフェニル)−3H−1,4−ベンゾジ
アゼピン−2−オン(〔 125I〕4′−ヨードフルジア
ゼパム)の製造 参考例1で得られた4′−ヨードフルジアゼパム(6μ
g)のDMF溶液(20μl)に1−ナフタレンスルホン
酸、硫酸銅およびNa 125I(1mCi)を加え、10
0℃にて2時間加熱した後、放冷した。得られた粗生成
物をTLC(クロロホルム/アセトン=9/1)にて精
製し、〔 125I〕4′−ヨードフルジアゼパム(0.3m
ci)を得た。本品は、TLCでRf値が参考例1で得
られた標品と一致した。 実施例2 7−クロロ−1−メチル−5−(〔 125I〕−4−ヨー
ドフェニル)−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−
オン(〔 125I〕−4′−ヨードジアゼパム)の製造 参考例2で得られた4′−ヨードジアゼパム(7μg)を
用い、実施例1と同様にして〔 125I〕4′−ヨードジ
アゼパム(0.5mCi)を得た。本品は、TLCでRf
値が参考例2で得られた標品と一致した。
I〕−4−ヨードフェニル)−3H−1,4−ベンゾジ
アゼピン−2−オン(〔 125I〕4′−ヨードフルジア
ゼパム)の製造 参考例1で得られた4′−ヨードフルジアゼパム(6μ
g)のDMF溶液(20μl)に1−ナフタレンスルホン
酸、硫酸銅およびNa 125I(1mCi)を加え、10
0℃にて2時間加熱した後、放冷した。得られた粗生成
物をTLC(クロロホルム/アセトン=9/1)にて精
製し、〔 125I〕4′−ヨードフルジアゼパム(0.3m
ci)を得た。本品は、TLCでRf値が参考例1で得
られた標品と一致した。 実施例2 7−クロロ−1−メチル−5−(〔 125I〕−4−ヨー
ドフェニル)−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−
オン(〔 125I〕−4′−ヨードジアゼパム)の製造 参考例2で得られた4′−ヨードジアゼパム(7μg)を
用い、実施例1と同様にして〔 125I〕4′−ヨードジ
アゼパム(0.5mCi)を得た。本品は、TLCでRf
値が参考例2で得られた標品と一致した。
【0009】
【発明の効果】本発明化合物を用いることにより、ヒト
または動物の脳およびその他の臓器、組織のベンゾジア
ゼピン受容体の存在を非侵襲的に検出できるばかりか、
受容体の量の変化を動的に測定することも可能となる。
または動物の脳およびその他の臓器、組織のベンゾジア
ゼピン受容体の存在を非侵襲的に検出できるばかりか、
受容体の量の変化を動的に測定することも可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 243/26 502 // A61K 51/00 G01N 33/534 C07M 5:00 (72)発明者 吉武 彬 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化 学工業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】一般式 化1 【化1】 〔式中、Rは水素原子または低級アルキル基を表わし、
X* は放射性のヨウ素原子または臭素原子を表わし、Y
は水素原子またはハロゲン原子を表わし、Zはハロゲン
原子またはニトロ基を表わし、かつ、6、8又は9位に
位置する。〕で示される放射性ベンゾジアゼピン誘導体
またはその塩。 - 【請求項2】上記一般式 化1において、置換基X* が
I−123、I−125、I−131、I−132、B
r−75、Br−76、Br−77、Br−80および
Br−82から成る放射性のヨウ素原子および臭素原子
の同位体の群から選ばれた原子である請求項1に記載の
ベンゾジアゼピン誘導体またはその塩。 - 【請求項3】一般式 化2 【化2】 〔式中、Rは水素原子または低級アルキル基を表わし、
Xはヨウ素原子または臭素原子を表わし、Yは水素原子
またはハロゲン原子を表わし、Zはハロゲン原子または
ニトロ基を表わし、かつ、6、8又は9位に位置す
る。〕で示されるベンゾジアゼピン誘導体と放射性の金
属ヨウ化物または金属臭化物とを反応させることを特徴
とする一般式 化3 【化3】 〔式中、R、YおよびZは前記と同一の意味を表わし、
X* は放射性のヨウ素原子または臭素原子を表わし、か
つ、6、8又は9位に位置する。〕で示される放射性ベ
ンゾジアゼピン誘導体またはその塩の製造法。 - 【請求項4】一般式 化4 【化4】 〔式中、Rは水素原子または低級アルキル基を表わし、
Yは水素原子またはハロゲン原子を表わし、Zはハロゲ
ン原子またはニトロ基を表わし、かつ、6、8又は9位
に位置する。〕で示されるアミノベンゾジアゼピン誘導
体をジアゾ化して得られる一般式 化5 【化5】 〔式中、R、YおよびZは前記と同一の意味を表わし、
A- はハロゲンイオン、式HSO4 - 、式 化6 【化6】 または一般式R′B- で示される陰イオンを表わす。こ
こでR′はアルキル基、ハロアルキル基または置換され
ていてもよいアリール基を表わし、BはSO3または式
CO2 で示される置換基を表わす。〕で示されるジアゾ
ニウム塩に放射性のヨウ化水素水、臭化水素水、金属ヨ
ウ化物または金属臭化物を反応させることを特徴とする
一般式 化7 【化7】 〔式中、R、YおよびZは、前記と同一の意味を表わ
し、X* は放射性ヨウ素原子または臭素原子を表わ
す。〕で示される放射性ベンゾジアゼピン誘導体または
その塩の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7044174A JP2586411B2 (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-03 | 放射性ベンゾジアゼピン誘導体およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7044174A JP2586411B2 (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-03 | 放射性ベンゾジアゼピン誘導体およびその製造法 |
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JP2009538894A (ja) * | 2006-06-02 | 2009-11-12 | ハマースミス・イメイネット・リミテッド | インビボイメージング化合物としての四環式オキサゼピン類 |
Citations (1)
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JPH01106875A (ja) * | 1987-10-19 | 1989-04-24 | Sumitomo Chem Co Ltd | 放射性ベンゾジアゼピン誘導体およびその製造法 |
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1995
- 1995-03-03 JP JP7044174A patent/JP2586411B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
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JPH01106875A (ja) * | 1987-10-19 | 1989-04-24 | Sumitomo Chem Co Ltd | 放射性ベンゾジアゼピン誘導体およびその製造法 |
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JP2009537457A (ja) * | 2006-05-19 | 2009-10-29 | ザ・ユニバーシティ・オブ・シドニー | 輸送タンパク質(18kDa)のためのリガンドとしての2−アリールピラゾロ[l,5−α]ピリミジン−3−イルアセトアミド誘導体 |
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JP2586411B2 (ja) | 1997-02-26 |
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