JPH0840998A - 新規イノソース誘導体を原料とする擬似アミノ糖およびその誘導体の製造法 - Google Patents

新規イノソース誘導体を原料とする擬似アミノ糖およびその誘導体の製造法

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JPH0840998A
JPH0840998A JP7043781A JP4378195A JPH0840998A JP H0840998 A JPH0840998 A JP H0840998A JP 7043781 A JP7043781 A JP 7043781A JP 4378195 A JP4378195 A JP 4378195A JP H0840998 A JPH0840998 A JP H0840998A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】α−グルコシダーゼ阻害活性を示す擬似アミノ
糖およびその誘導体を有利に製造する。 【構成】一般式 【化1】 で表される化合物と一般式 R2−NH2 (式中、R2 はアミン残基または水酸基を示す。)で表
される第一アミンまたはヒドロキシルアミンとを反応さ
せ、次いで還元反応に付し、所望により脱保護基反応に
付すことを特徴とする一般式 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はα−グルコシダーゼ阻害
作用を有し、人や動物の過血糖症状およびそれに起因す
る種々の疾病、例えば、糖尿病,肥満症,脂肪過多症など
の予防剤や治療剤として有用な擬似アミノ糖およびその
誘導体の新規製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは先に擬似アミノ糖の一種で
あるバリオールアミンおよびそのN−置換誘導体が強い
α−グルコシダーゼ阻害活性を示すことを見出すととも
に、その製造法として、バリオールアミンのアミノ基と
アルデヒド類またはケトン類とを反応させ、ついで還元
反応に付す方法や、バリオールアミンのアミノ基とオキ
シラン誘導体あるいはハロゲン誘導体とを反応させる方
法(特開昭57−200335,58−59946,58
−162597,58−216149,59−7354
9,59−95297)を見出した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】擬似アミノ糖の一種で
あるバリオールアミンのN−置換誘導体のこれまでの製
造方法はいずれも原料としてバリオールアミンを用いる
方法であった。このバリオールアミンはストレプトミセ
ス・ハイグロスコピクス・サブスピーシス・リモネウス
( Streptomyces hygroscopicus subsp. limoneu
s)の培養液から単離する方法(特開昭57−16944
6)、あるいはバリダマイシンを分解反応に付すことに
より得られるバリエナミンあるいはバリダミンを原料と
してバリオールアミンを合成する方法(特開昭57−1
79174,58−46044)等が知られている。前者
の直接発酵法による製造法は最も簡潔な方法ではある
が、現時点ではまだ収量の面で工業的方法としては問題
がある。後者の方法のうち、特にバリエナミンを経由す
る方法は、工業的製造法としても優れた方法であるが、
後者の方法の中間原料として用いるバリエナミン(ある
いはバリダミン)の分子量がその出発原料であるバリダ
マイシンの分子量の約1/2.7であるため得られるバ
リエナミンが割高となる欠点がある。従って、N−置換
バリオールアミン誘導体のより有利な合成原料が望まれ
ていた。また、これまでバリオールアミンのN−置換誘
導体を合成するために、そのバリオールアミン部分を構
築する原料としてバリオールアミンそのものを用いる場
合には、そのN−置換基部分を構築する原料として、対
応する構造のアルデヒド類,ケトン類,オキシラン誘導体
およびハロゲン誘導体が用いられてきた。しかし、本発
明者らは、もしバリオールアミン部分を構築する原料と
してイノソース誘導体を用いることができれば、N−置
換基部分を構築する原料として対応する第一アミンを用
いることが可能であり、この第一アミンが対応するアル
デヒド類,ケトン類,オキシラン誘導体およびハロゲン誘
導体よりも有利に入手し得る場合には、バリオールアミ
ンを原料とする場合よりも有利に目的物を製造しうるの
ではないかと考えた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、前
述の問題点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、セド
ヘプチュロース(D−アルトロ−2−ヘプチュロース)の
2,7−アンヒドロ糖であるセドヘプチュローサン(2,
7−アンヒドロ−β−D−アルトロ−2−ヘプチュロピ
ラノース)を原料として一般式
【化3】 (式中、R1は水酸基の保護基を示す。)で表わされる新
規イノソース誘導体を製造することに成功し、ついでこ
の一般式〔I〕の化合物と一般式 R2−NH2〔II〕
(式中、R2はアミン残基または水酸基を示す。)で表わ
される第一アミンまたはヒドロキシルアミンとを反応さ
せ、ついで還元反応に付し、所望により脱保護基反応に
付すことにより一般式
【化4】 (式中、R3は水素原子または水酸基の保護基を示し、
Aはアミン残基または水素
【化5】 で表わされる擬似アミノ糖またはその誘導体を製造する
ことに成功した。上記一般式〔II〕中、R2はアミン残
基または水酸基であるが、アミン残基の代表的なものと
しては保護されていてもよい水酸基および/または置換
されていてもよいフェニル基を有していてもよい炭素数
1〜7の鎖状または環状炭化水素基が挙げられる。
【0005】この一般式R2−NH2で表わされる第一ア
ミンの具体例としては例えば、エタノールアミン,3−
アミノ−1−プロパノール, 2−アミノ−1−プロパノ
ール,2−アミノ−1,3−プロパンジオール, 1−アミ
ノ−2−プロパノール, 2−アミノ−3−ヒドロキシ−
1−ブタノール, トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン, 2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル, 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール, 2−
アミノ−3−メチル−1−ブタノール, 3−アミノ−
1,2−プロパンジオール, 4−アミノ−1,2−ブタン
ジオール, 2−アミノ−1−ブタノール, 2−アミノ−
1,4−ブタンジオール, 2−アミノ−1,5−ペンタン
ジオール, 5−アミノ−1−ペンタノール, 6−アミノ
−1−ヘキサノール, メチルアミン, エチルアミン, プ
ロピルアミン,ブチルアミン, ベンジルアミン, フェネ
チルアミン, アミノジフェニルメタン, 2−アミノ−1
−フェニルエタノール, 2−アミノ−2−フェニルエタ
ノール, 2−アミノ−3−フェニル−1−プロパノー
ル, 2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−フェニル−1−
プロパノール, 2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−プロパノール,β−アミノ−α−メチルフェ
ネチルアルコ−ル等の水酸基および/または置換されて
いてもよいフェニル基を有していてもよい直鎖状アルキ
ルアミン類、例えば、1−アミノ−1−デオキシ−D−
グルチトール, 2−アミノ−2−デオキシ−D−グルチ
トール,1−アミノ−1−デオキシ−D−マンニトール,
2−アミノ−2−デオキシ−D−ガラクチトール, 1
−アミノ−1−デオキシ−D−リビトール, 4−アミノ
−4−デオキシ−D−エリスリトール等のアミノ−デオ
キシ−アルジトール類、例えば、トランス−2−アミノ
シクロヘキサン−1−オール, トランス−3−アミノシ
クロヘキサン−1−オール, シス−3−アミノシクロヘ
キサン−1−オール, トランス−2−アミノ−1−フェ
ニルシクロヘキサン−1−オール, シス−2−アミノ−
1−フェニルシクロヘキサン−1−オール, シクロヘキ
シルアミン, シクロペンチルアミン, 1−アミノ−1−
シクロペンタンメタノール, 2−アミノシクロペンタノ
ール等の水酸基および/またはフェニル基で置換されて
いてもよい環状アルキルアミン類、例えば、ミオ−イノ
サミン−1, ミオ−イノサミン−2, ミオ−イノサミン
−4, ネオ−イノサミン−2, エピ−イノサミン−2,
ムコ−イノサミン−3, シロ−イノサミン等のイノサミ
ン類、例えば、2−アミノメチル−ミオイノシトール等
のC−(アミノメチル)イノシトール類、例えば、ストレ
プタミン, デオキシストレプタミン, ホータミン,スポ
ラミン, イスタミン等のジアミノシクリトール類、例え
ば、バリエナミン,バリダミン, ヒドロキシバリダミン,
バリオールアミン, 2−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシ
メチル)シクロペンチルアミン等の擬似アミノ糖類等が
挙げられる。又、上記の化合物の水酸基は保護されてい
てもよい。
【0006】上記〔II〕および〔III〕式中、Aで表わ
されるアミン残基の具体的な例としては、上述のR2
NH2で表わされる第一アミンの例として列記したアミ
ン類のアミン残基(すなわちR2)がすべて挙げられる。
上記〔I〕および〔III〕式中のR1およびR3で示され
る水酸基の保護基としては、糖の化学で水酸基の保護基
として用いられる保護基、例えばアシル型保護基、エー
テル型保護基、アセタール型保護基、ケタール型保護
基、オルトエステル型保護基等が用いられる。アシル型
保護基としては例えば、ハロゲン, 炭素数1〜5の低級
アルコキシル基, ハロゲンを有していてもよいフェノキ
シ基で置換されていてもよい炭素数1〜5のアルカノイ
ル基、ニトロ基, フェニル基, ハロゲンで置換されて
いてもよい炭素数1〜5の低級アルキル基, 炭素数2〜
6の低級アルキルオキシカルボニル基で置換されていて
もよいベンゾイル基、ハロゲンで置換されていてもよい
炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜5
のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数1〜5の低級
アルコキシル基またはニトロ基で置換されていてもよい
ベンジルオキシカルボニル基またはニトロ置換フェノキ
シカルボニル基等が用いられる。上記のハロゲンとして
はふっ素, 塩素, 臭素, よう素が、炭素数1〜5のアル
キル基としては、例えばメチル, エチル, プロピル, イ
ソプロピル,ブチル, イソブチル, sec−ブチル, tert−
ブチル, ペンチル, イソペンチル, ネオペンチル基等
が、炭素数1〜5のアルカノイル基としては、例えばホ
ルミル, アセチル, プロピオニル, ブチリル, イソブチ
リル, イソバレリル, ピバロイル基等が、炭素数1〜5
のアルコキシル基としては例えばハロゲンで置換されて
いてもよいメトキシル, エトキシル, プロポキシル, ブ
トキシル, ペンチルオキシ, ビニルオキシ, アリルオキ
シ基等が用いられる。上記の炭素数3〜5のアルケニル
オキシカルボニル基における炭素数2〜4のアルケニル
基としてはビニル, アリル, イソプロペニル, 1−プロ
ペニル, 1−ブテニル, 2−ブテニル, 3−ブテニル等
が用いられる。アシル型保護基の例を更に具体的に示せ
ば、ホルミル,アセチル, クロロアセチル, ジクロロア
セチル, トリクロロアセチル, トリフルオロアセチル,
メトキシアセチル, トリフェニルメトキシアセチル, フ
ェノキシアセチル, p−クロロフェノキシアセチル, プ
ロピオニル, イソプロピオニル, 3−フェニルプロピオ
ニル, イソブチリル,ピバロイル ; ベンゾイル, p−ニ
トロベンゾイル, p−フェニルベンゾイル, o−(ジブロ
モメチル)ベンゾイル, o−(メトキシカルボニル)ベンゾ
イル, 2,4,6−トリメチルベンゾイル ; メトキシカ
ルボニル, エトキシカルボニル, 2,2,2−トリクロロ
エトキシカルボニル, イソブチルオキシカルボニル ;
ビニルオキシカルボニル, アリルオキシカルボニル ;
ベンジルオキシカルボニル, p−メトキシベンジルオキ
シカルボニル, 3,4−ジメトキシベンジルオキシカル
ボニル, p−ニトロベンジルオキシカルボニル ; p−ニ
トロフェノキシカルボニル等である。
【0007】エーテル型保護基としては例えば、ハロゲ
ン, 炭素数1〜5の低級アルコキシル基, ベンジルオ
キシ基, フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜
5の低級アルキル基 ; 炭素数2〜4のアルケニル基 ;
炭素数1〜5の低級アルキル基, フェニル基, ベンジル
基等が置換基であるトリ置換シリル基 ; 炭素数1〜5
の低級アルコキシル基, ニトロ基で置換されていてもよ
いベンジル基 ; 炭素数1〜5の低級アルコキシル基,
ハロゲンで置換されていてもよいテトラヒドロピラニル
基またはテトラヒドロフラニル基等が用いられる。上記
のハロゲン、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数1
〜5の低級アルコキシル基および炭素数2〜4のアルケ
ニル基はアシル型保護基の場合と同様のものが用いられ
る。エーテル型保護基を更に具体的に示せば、メチル,
メトキシメチル, ベンジルオキシメチル, tert−ブトキ
シメチル, 2−メトキシエトキシメチル, 2,2,2−ト
リクロロメトキシメチル, エチル, 1−エトキシエチ
ル, 1−メチル−1−メトキシエチル, 2,2,2−トリ
クロロエチル, プロピル, イソプロピル, ブチル, イソ
ブチル, sec−ブチル, tert−ブチル, エトキシエチ
ル, トリフェニルメチル, p−メトキシフェニルジフェ
ニルメチル ; アリル ; トリメチルシリル, tert−ブチ
ルジメチルシリル, tert−ブチルジフェニルシリル ;
ベンジル,p−メトキシベンジル, p−ニトロベンジル, p
−クロロベンジル ; テトラヒドロピラニル, 3−ブロ
モテトラヒドロピラニル, 4−メトキシテトラヒドロピ
ラニル, テトラヒドロフラニル等である。
【0008】アセタール型,ケタール型およびオルトエ
ステル型保護基は好ましくは1〜10の炭素数からな
る。その具体例を示せば、メチレン, エチリデン, 1−
tert−ブチルエチリデン, 1−フェニルエチリデン,
2,2,2−トリクロロエチリデン; イソプロピリデン,
ブチリデン, シクロペンチリデン, シクロヘキシリデ
ン,シクロヘプチリデン ; ベンジリデン, p−メトキシ
ベンジリデン, 2,4−ジブロモメトキシベンジリデン,
p−ジメチルアミノベンジリデン, o−ニトロベンジリ
デン ; メトキシメチレン, エトキシメチレン, ジメト
キシメチレン, 1−メトキシエチリデン, 1,2−ジメ
トキシエチリデン等である。またジブチルスタニル, ト
リブチルスタニル等のスタンオキサン型保護基,環状カ
ルボナート型保護基,環状ボロナート型保護基等も同様
に用いられる。化合物中のR1およびR3で示される水酸
基の保護基の種類はすべて同じであってもよいし、2種
以上の異なった保護基を含んでいてもよい。また、例え
ば、環状アセタール型,環状ケタール型,環状オルトエス
テル型,環状カルボナート型,環状ボロナート型,スタン
オキサン型保護基の場合のように2つの水酸基を一つの
保護基で保護してもよい。化合物〔I〕の原料であるセ
ド−ヘプチュロースはある種の細菌や放線菌等の微生物
の培養液中に蓄積されることが知られており〔例えば、
ザ・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー[J.Bioch
em.(Tokyo), 第54巻,107〜108頁(1963
年) ; 特公昭57−5240参照]、これらの微生物の
培養液中からセド−ヘプチュロースを精製単離すること
ができる。更にセド−ヘプチュロースを希鉱酸例えば希
硫酸中で加熱することによって2,7−アンヒドロ糖で
あるセド−ヘプチュローサンを結晶として単離すること
ができる。セド−ヘプチュローサンよりD−イド−ヘプ
チュローサン(2,7−アンヒドロ−β−D−イド−2−
ヘプチュロピラノース)の製造は、例えば以下に示す反
応工程、すなわち、i)セド−ヘプチュローサンの4,5
位の水酸基を保護基、例えばイソプロピリデン基で保護
する工程.ii)1,3位の水酸基を保護基、例えばベンゾ
イル基(Bz)で保護する工程.iii)4,5位の水酸基の保
護基を脱離させる工程.iv)4位の水酸基を保護基、例
えばベンゾイル基で保護する工程.v)5位の水酸基を有
機スルホニル化、例えばイミダゾリルスルホニル化する
工程.vi)アシルオキシアニオン、例えばベンゾイルオ
キシアニオンを反応させ、5位の水酸基の立体配置を反
転させる工程.vii)必要ならば水酸基の保護基を脱離さ
せる工程.を経て製造することができる。
【0009】
【化6】 またセドヘプチュローサンより2,7−アンヒドロ−β
−D−アラビノ−2,5−ヘプトジウロピラノースを経
由するD−イド−ヘプチュローサン(2,7−アンヒドロ
−β−イド−2−ヘプチュロピラノース)およびその1,
3,4,5−テトラ−O-アセチル誘導体を製造する方法
がヘインズ(K.Heyns)らによって報告されており〔ヒ
ェーミッシェ・ベリヒテ(Chem.Ber.),第108巻,
3611〜3618頁(1975年)〕、またD−グル
コ−D−イド−ヘプチトールの微生物酸化反応を経由し
てD−イド−ヘプチュロースおよび2,7−アンヒドロ
−β−D−イド−ヘプチュロピラノースを製造する方法
がプラット(J.W.Pratt)らによって報告されている
〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサ
エティ〔J.Am.Chem.Soc.), 第74巻,2210
−2214頁(1952年)〕ので、これらの公知の方
法を用いることによってもD−イド−ヘプチュローサン
(下記の式VIIにおいてR1=Hの化合物)およびその水
酸基が水酸基の保護基で保護された化合物を製造するこ
とができる。以下に、水酸基が保護基で保護されている
D−イド−ヘプチュローサン〔VII〕から化合物〔I〕
を製造する方法を詳細に説明する。なお下記の製造工程
図の〔I〕〜〔VII〕式において、R1,R2,R3および
Aは前記と同義でありR4は水素原子またはアノメリッ
ク水酸基の保護基 ; Xはよう素, 臭素, 塩素,ふっ素
等のハロゲン原子を意味する。
【化7】
【0010】製造工程1 化合物〔VI〕は化合物〔VII〕の2,7−アンヒドロ結合
の開裂反応に付すことによって製造することができる。
化合物〔VI〕のR1で示される水酸基の保護基の好まし
い例としてはベンゾイル基が挙げられる。このアンヒド
ロ結合の開裂反応においては糖のアンヒドロ結合の開裂
反応として慣用の方法〔例えば、アドバンスズ・イン・
カーボハイドレート・ケミストリー・アンド・バイオケ
ミストリー(Adv.Carbohydr.Chem.Biochem.),第34
巻,63−69頁(1977年)に記載されているツェル
ニィーおよびスタネク(Cerny and Stanek)の“アルド
ヘキソーズの1,6−アンヒドロ誘導体”と題する総説
参照〕が用いられる。アンヒドロ結合の開裂は、例えば
酸の存在下で行なわれる。適当な酸としては硫酸, 塩酸
(塩化水素酸), 臭素水素酸(臭化水素), 硝酸, 過塩素
酸等の無機酸 ;p−トルエンスルホン酸, 酢酸, 無水酢
酸, トリフルオロ酢酸, 無水トリフルオロ酢酸等の有機
酸 ; 三ふっ化ほう素, 三塩化ほう素,三臭化ほう素, 塩
化亜鉛,塩化アルミニウム, 四塩化チタン, 塩化第二す
ず, 五塩化りん, 五臭化りん, 五酸化りん等のルイス酸
等があげられる。これらの酸は単独で用いてもよいし、
二種以上混合して用いてもよい。本開裂反応は、通常、
溶媒中で行なわれる。この場合溶媒としての機能と同時
に反応試薬としての機能を兼ねて用いることができる。
溶媒としては水, メタノール, エタノール, プロパノー
ル, トリメトキシメタン, エチルエーテル, クロロホル
ム, ジクロロメタン, アセトン, 酢酸, トリフルオロ酢
酸, 無水酢酸, 無水トリフルオロ酢酸、その他この反応
に悪影響を及ぼさない溶媒が単独または混合溶媒として
使用され得る。好ましくはメタノール溶媒中、トリメト
キシメタンおよび塩化亜鉛と反応させる方法、トリメト
キシメタン溶液中、トリフルオロ酢酸及び無水トリフル
オロ酢酸と反応させる方法等が挙げられ、この場合には
4がメチル基である化合物が得られる。通常、 反応温
度は特に限定されず、冷却下、室温あるいは加温下に反
応が行なわれる。反応後必要ならばアノメリック水酸基
を含む水酸基の保護基の脱離および再導入を行なっても
よい。
【0011】製造工程2 化合物〔V〕は化合物〔VI〕をハロゲン化反応に付すこ
とによって製造することができる。(化合物〔V〕のC
−3,C−4およびC−5の二級水酸基は必ずしも保護
されていなくてもよいが、C−1の一級水酸基およびC
−2のアノメリック水酸基は保護されていることが望ま
しい。) 該ハロゲン化反応は糖の水酸基のハロゲン化のために慣
用の方法〔例えば、アメリカ化学会刊:化学の進歩シリ
ーズ74(advances in chemistry series 74): デオ
キシ糖(Deoxy Sugars), 159−201頁(1968年)に記載さ
れているハネシアン(S.Hanessian)の"ハロデオキシ糖
の合成へのアプローチ"と題する総説, およびアドバン
スズ・イン・カーボハイドレート・ケミストリー・アン
ド・バイオケミストリー(Adv.Carbohydr.Chem.Bioc
hem.), 第28巻, 225−306頁(1973年)に記載されてい
るスザレク(W.A.Szarek)の "デオキシハロゲノ糖"
と題する総説等参照〕を用いて行なうことができる。こ
のハロゲン化反応に適したハロゲン化の方法としては、
例えばトリフェニルホスフィンのようなりんを含む試薬
とN−ヨードこはく酸イミド,N−ブロモこはく酸イミ
ド,N−クロロこはく酸イミド等のN−ハロこはく酸イ
ミド類、好ましくはN−ヨードこはく酸イミドを反応さ
せる方法や、水酸基をp−トリルスルホニル, メチルス
ルホニル, トリフルオロメタンスルホニル, イミダゾリ
ルスルホニル基等の有機スルホニル基でスルホニル化し
て活性化した後、ハロゲン化金属MX(Mはリチウム,
ナトリウム, カリウム等のアルカリ金属, Xはふっ素,
塩素, 臭素, よう素等のハロゲン原子を示す)、好まし
くは、 よう化ナトリウムを反応させる方法等が挙げられ
る。該ハロゲン化反応は通常、溶媒中で行なわれる。溶
媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド, ジメチルス
ルホキシド, ピリジン, アセトン, 2,4−ペンタンジ
オン, 2−ブタノン, エチレングリコール, メタノー
ル, エタノール, グリセロール, ジオキサン, テトラヒ
ドロフラン, クロロホルム, テトラクロロエタン, 四塩
化炭素, ベンゼン等が挙げられる。その他この反応に悪
影響を及ぼさない溶媒が単独または混合溶媒として使用
され得る。通常、 反応温度は特に限定されず、冷却下、
室温あるいは加温下に反応が行なわれる。
【0012】製造工程3 6,7−不飽和化合物〔IV〕は7−ハロゲノ化合物
〔V〕を脱ハロゲン化水素反応に付すことにより製造す
ることができる。このハロゲン化水素の脱離反応は不飽
和糖の製造法として慣用の方法〔例えば、アメリカ化学
会刊:化学の進歩シリーズ74(advances in chemistr
y series 74):デオキシ糖(Deoxy sugars),120
−140頁(1968年)に記載されているホ−ク(L.
Hough)らの"不飽和糖の合成と反応"に関する総説等参
照〕を用いて行なうことができる。この反応は好ましく
は化合物〔V〕をピリジン溶媒中で無水のふっ化銀と反
応させることによって行なわれる。 製造工程4 化合物〔I〕は化合物〔IV〕をシクロヘキサノン環形成
反応〔フェリア(R.J.Ferrier),ジャーナル・オブ
・ザ・ケミカル・ソサエティ・パーキンI(J.Chem.S
oc.Perkin I ), 1455−1458頁(1979)参照〕に付すこ
とによって得られる。例えば、 化合物〔IV〕を含水アセ
トン等の含水有機溶媒中で、塩化第二水銀, 酢酸第二水
銀, トリフルオロ酢酸第二水銀, 硫酸第二水銀等の第二
水銀塩と処理することによって化合物〔I〕を得ること
ができる。 反応温度は通常、 10℃ないし反応溶媒の還
流温度の範囲であり、 反応時間は反応温度によっても異
なるが、 通常2ないし10時間の範囲である。
【0013】製造工程5 一般式〔III〕(但し、式中、Aはアミン残基を示す、R
3および結合手は前記と同意義。)で表わされる擬似アミ
ノ等誘導体は化合物〔I〕と一般式〔II〕(但し、式
中、R2はアミン残基を示す。)で表わされる第一アミン
とを反応させて得られるシッフ塩基を還元反応に付し、
所望により脱保護基反応に付すことによって製造するこ
とができる。 本反応において、化合物〔I〕と上記の
第一アミン〔II〕との縮合反応によるシッフ塩基形成反
応および形成されたシッフ塩基の還元反応は、同一の反
応容器中で連続的に行うこともできる。化合物〔I〕と
上記の第一アミン〔II〕との縮合反応および得られるシ
ッフ塩基の還元反応は一般に溶媒中で行なわれる。適当
な溶媒としては、 水 ; メタノール, ブタノール等のア
ルコール類 ; アセトニトリル ; ジメチルスルホキシ
ド; N,N−ジメチルホルムアミド, N−メチルアセト
アミド等のアミド類 ; メチルセロソルブ, ジメチルセ
ロソルブ, ジエチレングリコールジメチルエーテル等の
グライム類 ; ジオキサン, テトラヒドロフラン, ジエ
チルエーテル等のエーテル類、 または、 これらの混合溶
媒が用いられる。 また、 還元するシッフ塩基の種類によ
っては、 これらの溶媒とベンゼン, トルエン等の芳香族
炭化水素類または酢酸エチル等のエステル類との混合溶
媒を用いることができる。 該シッフ塩基の形成反応における反応温度は特に限定さ
れないが、通常、室温ないし100℃程度にまで加熱し
て行なわれる。反応時間は反応温度により差異がある
が、通常、数分ないし24時間程度反応させることによ
って目的を達することができる。形成されたシッフ塩基
の還元反応のためには各種の水素化金属錯体還元剤、例
えば水素化ほう素ナトリウム,水素化ほう素カリウム,水
素化ほう素リチウム,水素化トリメトキシほう素ナトリ
ウム等の水素化ほう素アルカリ金属、例えば、シアノ水
素化ほう素ナトリウム等のシアノ水素化ほう素アルカリ
金属、例えば水素化アルミニウムリチウム等の水素化ア
ルミニウムアルカリ金属、例えばジメチルアミンボラン
等のジアルキルアミンボラン等が有利に用いられる。な
お、シアノ水素化ほう素アルカリ金属、例えばシアノ水
素化ほう素ナトリウムを用いる場合には、酸性の条件、
例えば塩酸, 酢酸等の存在下に反応を行なうことが好ま
しい。
【0014】この還元反応の反応温度は特に限定されな
いが、通常、室温、場合によっては、特に反応の初期に
おいては氷冷下に、また場合によっては100℃程度に
まで加熱して行なわれ、還元するシッフ塩基および還元
剤の種類によって差異がある。反応時間も反応温度によ
り、また還元するシッフ塩基や還元剤の種類によって差
異があるが、通常、数分ないし24時間程度反応させる
ことによって目的を達することができる。形成されたシ
ッフ塩基の還元反応として接触還元の手段を用いること
もできる。すなわち、シッフ塩基を適当な溶媒中で接触
還元用触媒の存在下に水素気流中で振盪または撹拌する
ことにより行なわれる。接触還元用触媒としては、例え
ば白金黒, 二酸化白金, パラジウム黒, パラジウムカー
ボン, ラネーニッケル等が用いられ、通常用いられる溶
媒としては、例えば、水 ; メタノール, エタノール等
のアルコール類 ; ジオキサン, テトラヒドロフラン等
のエ−テル類、N,N−ジメチルホルムアミドまたは、
これらの混合溶媒等が用いられる。反応は通常、室温常
圧で行なわれるが、加圧下に行ってもよく、また加温し
てもよい。一般式〔III〕においてAが水素原子である
化合物は、例えば化合物〔I〕と一般式〔II〕において
2が水酸基である化合物、すなわちヒドロキシルアミ
ンを反応させ、得られたオキシムを還元反応に付すこと
よって製造することができる。またヒドロキシルアミン
の代わりにO−メチルヒドロキシルアミンやO−ベンジ
ルヒドロキシルアミン等のO−置換ヒドロキシルアミン
を化合物〔I〕と反応させ、得られたO−アルキルオキ
シム類やO−アラルキルオキシム類を還元反応に付すこ
とによっても製造することができる。得られたオキシム
類のヒドロキシイミノ基のアミノ基への還元反応はシク
リト−ル部分の水酸基が保護された状態で行なってもよ
いし、あるいは水酸基の保護基を脱離させた後に行なっ
てもよい。
【0015】還元反応は、例えば適当な溶媒中で酸化白
金等の白金触媒,パラジウムカーボン等のパラジウム触
媒,ラネーニツケル等のニツケル触媒,ロジウム炭素等の
ロジウム触媒等を触媒とする接触還元に付すことにによ
って、また、適当な溶媒中で、例えば、 水素化アルミニ
ウムリチウム等の水素化アルミニウム誘導体を用いて、
より好ましくは窒素, アルゴン等の不活性ガスの雰囲気
中で還元することによって行うことができる。また、一
般式 〔III〕においてAが水素原子である化合物は、化
合物〔III〕のうち、そのA部分が、例えばベンジル基,
p−メトキシベンジル基, 3,4−ジメトキシベンジル
基, ジ(p−メトキシフェニル)メチル基のような一般に
アミノ基の保護基としても用いられる基が置換分である
化合物を化合物〔I〕より合成した後、例えば接触還元
による水素化分解反応、液体アンモニア中金属ナトリウ
ムとの反応、酸(例えば濃硫酸−無水トリフルオロ酢酸,
酢酸,トリフルオロ酢酸,ぎ酸等)との反応等の一般にア
ミノ基の保護基の脱離反応として用いられる反応に付す
ことによっても製造することができる。化合物〔III〕
が保護されている水酸基を有している場合、水酸基の保
護基の脱離反応はそれ自体公知の方法を用いて行なうこ
とができる。例えば、シクロヘキシリデン基,イソプロ
ピリデン基,ベンジリデン基などのアセタール型保護基
やトリチル基などは塩酸,酢酸,スルホン酸型樹脂などの
酸で加水分解することによって、例えばアセチル基,ベ
ンゾイル基などのアシル型保護基はアンモニア,水酸化
ナトリウム,水酸化バリウム,ナトリウムメトキシドな
どのアルカリで加水分解することに よって、また、ベ
ンジル基,p−メトキシベンジル基などのベンジルエー
テル型保護基は接触還元反応, 接触・トランスファー・
水素化(catalytic transfer hydrogenation )反応など
の水素化分解反応あるいは液体アンモニア中での金属ナ
トリウムによる還元分解反応等に付すことによって脱離
することができる。このようにして得られる化合物
〔I〕,〔III〕およびそれらの合成中間体などは自体公
知の手段、例えば、ろ過,遠心分離,濃縮,減圧濃縮,
乾燥,凍結乾燥,吸着,脱着,各種溶媒に対する溶解度
の差を利用する方法(例えば、溶媒抽出,転溶,沈殿,
結晶化,再結晶化など),クロマトグラフィー(例えば、
イオン交換樹脂,活性炭,ハイポーラスポリマー,セフ
ァデックス,セファデックスイオン交換体,セルロー
ズ,イオン交換セルローズ,シリカゲル,アルミナなど
を用いるクロマトグラフィー)などにより単離、精製で
きる。
【0016】本発明に含まれる化合物〔III〕の塩とし
ては、薬学的に許容できる化合物〔III〕との塩が用い
られる。このような塩としては、例えば塩酸, 臭化水素
酸, 硫酸, りん酸, 硝酸などの無機酸、例えば酢酸, り
んご酸, くえん酸, アスコルビン酸, マンデル酸, メタ
ンスルホン酸などの有機酸等との塩が用いられる。な
お、化合物〔III〕のうちR3が水素原子で、
【化8】 一般式
【化9】 (式中、Aは水素原子またはアミン残基を示す。)で表わ
されるバリオールアミンおよびそのN−置換誘導体およ
びそれらの塩は毒性もほとんどなく(ラットLD50500mg
/kg以上)、α−グルコシダーゼ阻害作用を有し、人間
および人間以外の動物の炭水化物の代謝を抑制するため
に、例えば血糖上昇抑制作用を有しており、過血糖症状
および過血糖に起因する種々の疾患、例えば糖尿病, 前
糖尿病, 肥満症, 脂肪過多症, 過脂肪血症(動脈硬化症)
および口腔微生物による糖代謝に帰因する疾病(例え
ば、虫歯等)の治療および予防に有用な化合物である。
【0017】
【発明の効果】化合物〔I〕は種々のN−置換バリオー
ルアミン誘導体やその他のバリオールアミン関連化合物
の製造のための中間原料化合物としてバリオールアミン
に匹敵する有用な化合物である。例えば、N−置換バリ
オールアミン誘導体の合成において、N−置換基部分を
構築する原料化合物がアミノ化合物として入手しやすい
場合には化合物〔I〕を中間原料として用いる方がバリ
オールアミンを中間原料として用いるよりも容易に目的
物を合成することが可能である。更に、化合物〔I〕の
製造のための出発原料として用いられるセドヘプチュロ
ースは前記したようにある種の細菌や放線菌等の培養液
中に多量に蓄積されることが知られており、発酵生産に
よって安価に製造することが可能である。また、セドヘ
プチュローサンや2,7−アンヒドロ−β−イド−ヘプ
チュロピラノース(D−イドヘプチュローサン)はセドヘ
プチュロースを原料として安価に製造することが可能で
あるので、本発明の方法はN−置換バリオールアミン誘
導体の製造法として有用な方法である。その他、化合物
〔I〕は、そのカルボニル基を水酸基への還元反応に付
し、所望により脱保護基反応に付すことによって、(1
)−(1(OH), 2,4, 5/1, 3)−1−C−(ヒド
ロキシメチル)−1, 2, 3, 4, 5−シクロヘキサン
ペントール, (1S)−(1(OH)2, 4/1, 3, 5)−
1−C−(ヒドロキシメチル)−1, 2, 3, 4, 5−シ
クロヘキサンペントール, およびそれらの O−置換誘
導体を合成するための原料としても有用な化合物であ
る。これらのペントール誘導体もまた化合物[III]およ
びその類縁化合物の合成のための原料として用いること
ができる。
【0018】
【実施例】以下に、 参考例および実施例を挙げて本発明
を更に具体的に説明するが本発明の範囲はこれに限定さ
れるものではない。 参考例1 4,5−O−イソプロピリデンセドヘプチュローサンセ
ドヘプチュローサン(2,7−アンヒドロ−β−D−ア
ルトロ−2−ヘプチュロピラノース,25g)の結晶を粉
末化し、アセトン(320ml)に懸濁させ、濃硫酸(2.5
ml)を加え室温で18時間撹拌した。生じた結晶をろ取
し、アセトンで洗浄して4,5−O−イソプロピリデン
セドヘプチュローサン(28g)を得た。 元素分析 : C10166 計算値(%):C,51.72;H,6.94 実験値(%):C:51.58;H,6.97 参考例2 1,3−ジ−O−ベンゾイル−4,5−O−イソプロピリ
デンセドヘプチュローサン 4,5−O−イソプロピリデンセドヘプチュローサン
(5.0g)をN,N−ジメチルホルムアミド (DMF)(8
5ml)とピリジン(5ml)の混合溶媒に懸濁し、冷却下(約
−30℃)に塩化ベンゾイル(9ml)を滴下し、更に−5
〜−10℃で2.5時間撹拌した。反応液を氷水(約20
0ml)中に加え、生じた油状物を酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル抽出液を2N塩酸と飽和炭酸水素ナトリ
ウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧
下に溶媒を留去した。残留物をシリカゲルのカラムクロ
マト(500ml)に付し、トルエン−酢酸エチル(10:1
v/v)で溶出した。溶出画分を減圧濃縮乾固し、残留物
を更に減圧下に一夜乾燥して1,3−ジ−O−ベンゾイ
ル−4,5−O−イソプロピリデンセドヘプチュローサ
ンの白色粉末(8.8g)を得た。
【0019】参考例3 1,3−ジ−O−ベンゾイルセドヘプチュローサン1,3
−ジ−O−ベンゾイル−4,5−O−イソプロピリデン
セドヘプチュローサン(8.8g)を80%(v/v)酢酸(9
0ml)に溶解し、70〜75℃で2時間撹拌した。反応
液に水(170ml)を加えて減圧濃縮した。残留物を酢酸
エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄
し、酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減
圧下に溶媒を留去した。残留物にエチルエーテル−石油
エーテル(3:1v/v)(280ml)を加えて冷蔵庫中に一
夜放置して1,3−ジ−O−ベンゾイルセドヘプチュロ
ーサンの結晶(7.3g)を得た。 参考例4 1,3,4−トリ−O−ベンゾイルセドヘプチュローサン
1,3−ジ−O−ベンゾイルセドヘプチュローサン(1
4.1g)のジクロロメタン(140ml)溶液にピリジン
(4.7ml)を加え、冷却下(−40℃以下)に塩化ベンゾ
イル(5.64g)のジクロロメタン溶液(50ml)を滴下
し、冷却下(−40〜−30℃)に2.5時間撹拌した。
反応液を氷水中に加え、30分間撹拌後、ジクロロメタ
ン層を分離し、更に水層をジクロロメタンで抽出した。
ジクロロメタン抽出液を2N塩酸と飽和炭酸水素ナトリ
ウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧
下に溶媒を留去した。残留物にエチルエーテル−石油エ
ーテル(1:10v/v)(1l)を加えて冷蔵庫中に一夜放置
すると1,3,4−トリ−O−ベンゾイルセドヘプチュロ
ーサンの結晶(17.5g)が得られた。 NMR(CDCl3)δ: 2.51(1H,d,J=6Hz,-OH), 3.9〜4.25
(2H,m,7-CH2),4.25〜4.5〔1H,m,5-CH;D2O を加えるとδ
4.38(dd,J=3Hz,5Hz)に変化する〕,4.58(2H,s,1-C
H2),4.7〜4.9(1H,m,6-CH),5.46(1H,dd,J=3Hz,9Hz,4-C
H),5.94(1H,d,J=9Hz,3-CH), 7.1〜7.7(9H,m)および7.8
〜8.2(6H,m)(C6H5×3). 元素分析:C28249 計算値(%):C,66.66;H,4.80 実験値(%):C,67,04;H,4.74
【0020】参考例5 1,3,4−トリ−O−ベンゾイル−5−O−(イミダゾ
リルスルホニル)セドヘプチュローサン 1,3,4−トリ−O−ベンゾイルセドヘプチュローサン
(9.48g)をDMF(100ml)に溶解し、−40℃以下
に冷却下に塩化スルフリル(3.2ml)を加えた後、約−
40℃で20分間撹拌した。反応液を再び−40℃以下
に冷却下にイミダゾ−ル(13.6g)を加えた後、冷却浴
を除き、室温で1.5時間撹拌した。 反応液を氷水(3
00ml)中に加え、生じた油状物を酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル抽出液を2N塩酸と飽和炭酸水素ナトリ
ウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧
下に溶媒を留去した。残留物をシリカゲルのカラムクロ
マト(600ml)に付し、トルエン−酢酸エチル(3:2v
/v)で溶出した。溶出画分を減圧濃縮し、残留物に石油
エーテル(約100ml)を加え冷蔵庫中に一夜放置して
1,3,4−トリ−O−ベンゾイル−5−O−(イミダゾ
リルスルホニル)セドヘプチュローサンの白色粉末(9.
5g)を得た。 NMR(CDCl3)δ: 4.04(1H,dd,J=5Hz,J=8Hz,7-CH),4.
08(1H,d,J=8Hz,7-CH),4.59(2H,s,1-CH2),4.75〜4.90(1
H,m,6-CH),5.27(1H,dd,J=2.5Hz, 4Hz,5-CH),5.49(1H,
dd,J=4Hz,9.5Hz,4-CH),5.92(1H,d,J=9.5Hz,3-CH),6.7
8,7.15および7.18(各1H,s,イミダゾ−ル),7.2〜7.7(9H,
m)および7.8〜8.2(6H,m)(C6H5×3). 元素分析:C3126211S 計算値(%):C,58.67;H,4.13;N,4.41 実験値(%):C,58.71;H,4.10;N,4.43
【0021】参考例6 2,7−アンヒドロ−1,3,4,5−テトラ−O−ベンゾ
イル−β−D−イド−2−ヘプチュロピラノース 1,3,4−トリ−O−ベンゾイル−5−O−(イミダゾ
リルスルホニル)セドヘプチュローサン(9.5g)をトル
エン(140ml)に溶解し、安息香酸テトラ−n−ブチル
アンモニウム(11g)を加え、100℃で3時間撹拌し
た。減圧下に反応液の溶媒を留去後、残留物を酢酸エチ
ルと水に分配し、水層を更に酢酸エチルで抽出した。酢
酸エチル層を集め2N塩酸と飽和炭酸水素ナトリウム溶
液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマト(1L )に付し、
トルエン−酢酸エチル(19:1v/v)で溶出した。溶出
画分を減圧下に濃縮乾固して2,7−アンヒドロ−1,
3,4,5−テトラ−O−ベンゾイル−β−D−イド−2
−ヘプチュロピラノースの白色粉末(6.8g)を得た。 NMR(CDCl3)δ:4.02(1H,dd,J=4.5Hz,8Hz,7-CH), 4.5
0(1H,d,J=8Hz,7-CH),4.60(2H,s,1-CH2),5.10(1H,t,J=
4.5Hz,6-CH), 5.54(1H,dd,J=4.5Hz,8.5Hz,5-CH),5.80
(1H,d,J=8.5Hz,3-CH),6.80(1H,t,J=8.5Hz,4-CH),7.2
〜7.7(12H,m)および7.8〜 8.2(8H,m)(C6H5×4). 元素分析:C352810 計算値(%):C,69.07;H,4.64 実験値(%):C,69.34;H,4.67
【0022】参考例7 メチル 1,3,4,5−テトラ−O−ベンゾイル−D−
イド−2−ヘプチュロピラノシド 2,7−アンヒドロ−1,3,4,5−テトラ−O−ベンゾ
イル−β−D−イド−2−ヘプチュロピラノース(3.0
g)をメタノール(30ml)とオルトぎ酸メチル(15ml)の
混合液に溶解し、塩化亜鉛(3.0g)を加えて室温で40
時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチ
ルと水に分配した。酢酸エチル層を2N塩酸と飽和炭酸
水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカゲルのカ
ラムクロマト(200ml)に付し、トルエン−酢酸エチル
(5:1v/v)で溶出した。溶出画分を減圧下に濃縮乾固
してメチル 1,3,4,5−テトラ−O−ベンゾイル−
D−イド−2−ヘプチュロピラノシドの白色粉末(1.0
5g)を得た。 NMR(CDCl3)δ: 2.36(1H,ブロードs,-OH),3.69(3H,s,
-OCH3),3.97(1H,dd,J=6.5Hz,9.5Hz,7-CH),4.21(1H,dd,
J=7Hz,9.5Hz,7-CH),4.56(2H,s,1-CH2),4.60〜4.75(1H,
m,6-CH),5.31(1H,dd,J=5Hz,8.5Hz,5-CH),5.82(1H,d,J
=8.5Hz,3-CH),5.96(1H,t,J=8.5Hz,4-CH),7.15〜7.7(1
2H,m)および 7.8〜8.2(8H,m)(C6H5×4). 元素分析:C363211 計算値(%):C,67.49;H,5.03 実験値(%):C,66.98;H,4.74
【0023】参考例8 メチル 1,3,4,5−テトラ−O−ベンゾイル−7−
デオキシ−7−ヨード−D−イド−2−ヘプチュロピラ
ノシド メチル 1,3,4,5−テトラ−O−ベンゾイル−D−
イド−2−ヘプチュロピラノシド(950mg)をDMF
(16ml)に溶解し、トリフェニルホスフィン(1.65g)
とN−ヨードこはく酸イミド(1.2g)を加えて室温で一
夜撹拌した。反応液を氷水(100ml)に加え、生じた油
状物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル抽出液を飽和
チオ硫酸ナトリウム溶液、2N塩酸および飽和炭酸水素
ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後
減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカゲルのカラム
クロマト(200ml)に付し、トルエン−酢酸エチル(1
0:1v/v)で溶出した。溶出画分を減圧下に濃縮乾固し
てメチル1,3,4,5−テトラ−O−ベンゾイル−7−
デオキシ−7−ヨード−D−イド−2−ヘプチュロピラ
ノシドの白色粉末(780mg)を得た。 参考例9 メチル 1,3,4,5−テトラ−O−ベンゾイル−7−
デオキシ−L−キシロ−2−ヘプト−6−エノウロピラ
ノシド 〔すなわち、メチル 1,3,4,5−テトラ−O
−ベンゾイル−7−デオキシ−D−イド−2−ヘプト−
6−エノウロピラノシド〕 メチル 1,3,4,5−テトラ−O−ベンゾイル−7−
デオキシ−7−ヨード−D−イド−2−ヘプチュロピラ
ノシド(500mg)をピリジン(5ml)に溶解し、ふっ化銀
(1.0g)を加えて室温で18時間撹拌した。反応液にエ
チルエーテル(100ml)を加えて不溶物をろ過し、エチ
ルエーテルで洗浄した。ろ液と洗液を集めて減圧濃縮
し、残留物を酢酸エチルに溶解し、2N塩酸と飽和炭酸
水素ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカゲルのカ
ラムクロマト(100ml)に付し、トルエン−酢酸エチル
(9:1v/v)で溶出した。溶出画分を減圧下に濃縮乾固
してメチル 1,3,4,5−テトラ−O−ベンゾイル−
7−デオキシ−L−キシロ−2−ヘプト−6−エノウロ
ピラノシドの白色粉末(249mg)を得た。 NMR(CDCl3)δ:3.68(3H,s,-OCH3),4,45(2H,ブロ−ド
s,1-CH2),5.32(1H,d,J=9Hz,5-CHまたは3-CH),5.64(1H,
d,J=9Hz,3-CHまたは5-CH),5.81 (1H,t,J=9Hz,4-CH),
5.91および6.03(各1H,s,7- CH2),7.2〜7.7(12H,m)およ
び7.8〜8.2(8H,m)(C6H5×4). 元素分析:C363010 計算値(%):C,69.56;H,4.86 実験値(%):C,70.03;H,5.09
【0024】参考例10 (1S)−(1(OH),2,4, 5/1,3)−1−C−(ヒド
ロキシメチル)−1,2,3,4,5−シクロヘキサンペン
トールおよび(1S)−(1(OH),2,4/1,3,5)−1
−C−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4,5−シクロヘ
キサンペントール 2D−(2,4,5(OH)/3,5)−2,3,4−トリ−O
−ベンゾイル−5−(ベンゾイルオキシメチル)−2,3,
4,5−テトラヒドロキシシクロヘキサノン(1.0g)を
メタノール−テトラヒドロフラン(1 : 1, 30ml)に
溶解し、 氷水で冷却下に水素化ほう素ナトリウム(25
0mg)を加え、同温度で2時間攪拌した。反応液を減圧
濃縮後、残留物を酢酸エチルと水に分配した。 酢酸エ
チル層を2N塩酸と飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留
物をメタノール−アセトン−2N水酸化ナトリウム(2:
6:3,220ml)に溶解し、室温で一夜攪拌した。反応
液を減圧濃縮し、残留物に水(約50ml)を加えて濾過し
た。 濾液をダウエックス50W×8(H+型, 250m
l)のカラムクロマトに付し、水で溶出し、溶出画分を
減圧濃縮した。残留物をダウエックス1×2(OH-型,
400ml)のカラムクロマトに付し、水で溶出した。先
に溶出された画分(570〜760ml)と後に溶出された
画分(765〜1050ml)に分離した。後に溶出された
画分を減圧濃縮し、残留物を再びダウエックス1×2
(OH-型, 600ml)のカラムクロマトに付し、水で溶
出し、先に溶出された画分(0.75〜1.03L)と後に
溶出された画分(1.1〜1.4L)に分離した。後に溶出
された画分を減圧濃縮後、凍結乾燥して(1S)−(1
(OH), 2,4, 5/1, 3)−1−C−(ヒドロキシメ
チル)−1, 2, 3, 4, 5−シクロヘキサンペントー
ルの白色粉末(49mg)を得た。1回目と2回目のダウエ
ックス1×2のカラムクロマトで先に溶出された画分を
集め、減圧濃縮後、凍結乾燥して(1S)−(1(OH) ,
2, 4,/1,3, 5)−1−C−(ヒドロキシメチル)−
1, 2,3, 4, 5−シクロヘキサンペントールの白色
粉末(68mg)を得た。 (1S)−(1(OH), 2, 4/1, 3, 5)−1−C−
(ヒドロキシメチル)−1, 2, 3, 4, 5−シクロヘキ
サンペントール(先に溶出された異性体) : NMR(D2O)δ: 1.63 (1H, dd, J=12Hz, 14Hz), 2.14
(1H, dd, J=5Hz,14Hz),3.25〜4.1(6H, m). (1S)−
(1(OH), 2, 4, 5/1, 3)−1−C−(ヒドロキ
シメチル)−1, 2, 3, 4, 5−シクロヘキサンペン
トール(後に溶出された異性体) : NMR(D2O)δ:1.79 (1H, dd, J=3Hz, 15.5Hz),2.12(1
H, dd,J=4Hz,15.5Hz),3.4〜4.45(6H, m).
【0025】実施例1 2D−(2,4,5(OH)/3,5)−2,3,4−トリ−O
−ベンゾイル−5−(ベンゾイルオキシメチル)−2,3,
4,5−テトラヒドロキシシクロヘキサノンメチル 1,
3,4,5−テトラ−O−ベンゾイル−7−デオキシ−L
−キシロ−2−ヘプト−6−エノウロピラノシド〔すな
わち、 1, 3, 4, 5−テトラ−O−ベーベンゾイル−
7−デオキシ−D−イド−2−ヘプト−6−エノウロピ
ラノシド〕(620mg)を80%(v/v)アセトン水(40m
l)に溶解し、塩化第二水銀(275mg)を加えて室温で8
時間撹拌した。反応液を約20mlに減圧濃縮し、濃縮液
に酢酸エチル(100ml)と水(100ml)を加え、撹拌
後、酢酸エチル層を分離し、2N塩酸と飽和炭酸水素ナ
トリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカゲルのカラム
クロマト(60ml)に付し、トルエン−酢酸エチル(5:1
v/v)で溶出した。 溶出画分を減圧下に濃縮乾固して2
D−(2,4,5(OH)/3,5)−2,3,4−トリ−O−
ベンゾイル−5−(ベンゾイルオキシメチル)−2,3,
4,5−テトラヒドロキシシクロヘキサノンの白色粉末
(248mg)を得た。 薄層クロマトグラフィ−(TLC;シリカゲル 60F−
254,メルク社製):トルエン−酢酸エチル(2:1v/
v), Rf 0.52;トルエン−アセトン(9:1v/v), Rf
0.31;n−ヘキサン−酢酸エチル(3:2v/v), Rf
0.38 ; 溶解性 : メタノール, 酢酸エチル, トルエン,アセト
ン, クロロホルムに可溶、水, 石油エーテルに不溶 ; 〔α〕D 22−28.2゜(c=1,CHCl3) ; NMR(CDCl3)δ: 2.38(1H,ブロ−ドs,-OH),2.88およ
び3.04(各1H,ABq,J=14.5Hz,6-CH2),4.81(2H,s,-CH2O
-),5.43(1H,d,J=10Hz,4-CH), 5.81(1H,t,J=10Hz,3-C
H), 6.11(1H,d,J=10Hz,2-CH),7.2〜7.7(2H,m)および7.
8〜8.3(8H,m)(C6H5×4). 元素分析:C352810 計算値(%):C,69.07;H,4.64 実験値(%):C,68.74;H,5.03
【0026】実施例2 (1S)−(1(OH),2,4,5/1,3)−5−〔〔2−ヒ
ドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル〕アミノ〕−
1−C−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−シクロヘ
キサンテトロール 2D−(2,4,5(OH)/3,5)−2,3,4−トリ−O
−ベンゾイル−5−(ベンゾイルオキシメチル)−2,3,
4,5−テトラヒドロキシシクロヘキサノン(410mg)
と2−アミノ−1,3−プロパンジオール(280mg)を
酢酸−エタノール(1:9v/v,15ml)に溶解し、室温で
30分間撹拌後、シアノ水素化ほう素ナトリウム(30
0mg)を加えて室温で一夜撹拌した。反応液を減圧下に
濃縮乾固し、残留物をメタノール−アセトン−1N水酸
化ナトリウム(1:1:2v/v,100ml)に溶解し、室温
で5.5時間撹拌後、減圧下に有機溶媒を留去した。濃
縮液を2N塩酸でpH1に調節し、酢酸エチルで洗浄
後、ダウエックス50W×8(H+型, 100ml)を加え
て30分間室温で撹拌した。この反応混合物をダウエッ
クス50W×8(H+型,50ml)を充填したカラムの上に
加え、カラムを水洗後、0.5Nアンモニア水で溶出し
た。溶出画分を減圧濃縮し、残留物をアンバ−ライトC
G−50(NH4 +型,250ml)のカラムクロマトに付
し、水で溶出した。溶出画分を減圧濃縮し、残留物にエ
タノールを加えて15分間過熱還流した後、減圧濃縮し
た。濃縮液(約2ml)を一夜室温に放置すると(1S)−
(1(OH),2,4,5/1,3)−5−〔〔2−ヒドロキシ
−1−(ヒドロキシメチル)エチル〕アミノ〕−1−C−
(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−シクロヘキサンテ
トロ−ルの白色粉末が得られた。 〔α〕D 24 +26.9°(C=1,H2O); NMR(D2O)δ:1.54(1H,dd,J=3Hz,15Hz,6-CHax),2.10
(1H,dd, J=3Hz,15Hz, 6-CHeq), 2.90 (1H, quint.,J=
5Hz,-N-CH),3.35〜4.0(10H,m).
【0027】実施例3 (1S)−(1(OH),2,4,5/1,3)−5−〔(2−ヒ
ドロキシエチル)アミノ〕−1−C−(ヒドロキシメチ
ル)−1,2,3,4−シクロヘキサンテトロールおよび
(1S)−(1(OH),2,4/1,3,5)−5−〔(2−ヒ
ドロキシエチル)アミノ〕−1−C−(ヒドロキシメチ
ル)−1,2,3,4−シクロヘキサンテトロール 2D−(2,4,5(OH)/3,5)−2,3,4−トリ−O
−ベンゾイル−5−(ベンゾイルオキシメチル)−2,3,
4,5−テトラヒドロキシシクロヘキサノン(880mg)
とエタノールアミン(1.0ml)をメタノ−ル(50ml)に
溶解し、シアノ水素化ほう素ナトリウム(1.0g)を加え
て室温で一夜撹拌した。 反応液を減圧下に濃縮し、残
留物を水(50ml)と酢酸エチル(50ml)に分配させた。酢
酸エチル層を分取し、水層を更に酢酸エチルで抽出し
た。 酢酸エチル層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶
液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し
た。残留物をメタノール(130ml)に溶解し、1N水酸
化ナトリウム(70ml)を加えて室温で一夜撹拌した。反
応液を2N塩酸でpH4に調節後、減圧濃縮した。残留
物を水(50ml)と酢酸エチル(50ml)に分配し、水層を
分取し、更に酢酸エチルで洗浄後、ダウエックス50W×
8(H+型,400ml)のカラムに吸着させ、カラムを水洗
後、0.5Nアンモニア水で溶出した。溶出画分を減圧
濃縮し、アンバーライトCG−50(NH4 +型,250m
l)のカラムに吸着させ、カラムを水洗後、0.1Nアン
モニア水で溶出した。溶出画分を減圧下に濃縮乾固し、
残留物をダウエックス1×2(OH-型,400ml)のカラ
ムクロマトに付し、水で溶出した。先に溶出される画分
(360〜480ml)を減圧濃縮後、凍結乾燥すると(1
S)−(1(OH),2,4/1,3,5)−5− 〔(2−ヒド
ロキシエチル)アミノ〕−1−C−(ヒドロキシメチル)
−1,2,3,4−シクロヘキサンテトロール(59mg)
が、後に溶出される画分(520〜680ml)を減圧濃縮
後、凍結乾燥すると(1S)−(1(OH),2,4,5/1,
3)−5−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−1−C
−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−シクロヘキサン
テトロール(228mg)が得られた。 (1S)−(1(OH),2,4/1,3,5)−5−〔(2−ヒ
ドロキシエチル)アミノ〕−1−C−(ヒドロキシメチ
ル)−1,2,3,4−シクロヘキサンテトロール(先に溶
出された異性体): NMR(D2O) δ: 1.16(1H,t,J=12Hz,6-CHax),2.50(1H,
dd,J=4Hz,12Hz,6-CHeq),2.50〜3.05(3H,m,5-CH,N-C
H2),3.25〜3.95(7H,m). (1S)−(1(OH),2,4,5/1,3)−5− 〔(2−ヒ
ドロキシエチル)アミノ〕−1−C−(ヒドロキシメチ
ル)−1,2,3,4−シクロヘキサンテトロール(後に溶
出された異性体): NMR(D2O)δ:1.52(1H,dd,J=3Hz,15Hz,6-CHax),2.1
4(1H,dd,J=3.5Hz,15Hz,6-CHeq),2.25〜3.15(2H,m,N-CH
2),3.25(1H,q,J=3Hz,5-CH), 3.35〜4.0(7H,m). 元素分析:C919NO6 計算値(%):C,45.56;H,8.07;N,5.9
0 実験値(%):C,45.59;H,8.03;N,5.9
【0028】実施例4 (1S)−(1(OH),2,4,5/1,3)−5− 〔〔(R)
−α−(ヒドロキシメチル)ベンジル〕アミノ〕−1−C
−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−シクロヘキサン
テトロール 2D−(2,4,5(OH)/3,5)−2,3,4−トリ−O
−ベンゾイル−5−(ベンゾイルオキシメチル)−2,
3,4,5−テトラヒドロキシシクロヘキサノン(860m
g)とD−フェニルグリシノ−ル・酢酸塩(950mg)をD
MF(45ml)に溶解し、シアノ水素化ほう素ナトリウム(6
50mg)を加えて55℃で12時間撹拌した。反応液を
減圧濃縮し、 残留物を酢酸エチル(100ml)と水(50ml)
に分配した。 酢酸エチル層を2%酢酸(v/v)および飽和
炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後減圧濃縮した。残留物をメタノール−アセトン
(5:3v/v,80ml)に溶解し、1N水酸化ナトリウム
(20ml)を加えて室温で3.5時間撹拌した。 反応液を
2N塩酸でpH3に調節後、減圧濃縮した。残留物を水
(100ml)と酢酸エチル(50ml)に分配し、水層を分離
し、酢酸エチルで洗浄後、ダウエックス50W×8(H+
型,150ml)のカラムクロマトに付し、水洗後、0.5
Nアンモニア水で溶出した。溶出画分を減圧濃縮後、ア
ンバ−ライトCG−50(NH4 +型,180ml)のカラム
クロマトに付し、水で溶出した。溶出画分を減圧濃縮
し、冷蔵庫中に放置するとN−〔(R)−α−(ヒドロキ
シメチル)ベンジル〕バリオ−ルアミンの白色結晶(15
0mg)が得られた。融点 157−158℃ ; 〔α〕D 24 −10.6°(c=1,H2O),−6.5°(c=
1, 0.1NHCl) ; NMR(D2O)δ:1.43(1H,dd,J=3.5Hz, 15Hz, 6- CHa
x), 1.73(1H,dd,J=3.5Hz,15 Hz,6-CHeq),3.25-3.7(4H,
m),3.7-4.0(5H,m),7.58(5H,s,Ph).
【0029】実施例5 (1S)−(1(OH),2,4,5/1,3)−5−アミノ−1
−C−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−シクロヘキ
サンテトロール(バリオールアミン) a) 2D−(2,4,5(OH)/3,5)−2,3,4−トリ
−O−ベンゾイル−5−(ベンゾイルオキシメチル)−
2,3,4,5−テトラヒドロキシシクロヘキサノン(1.
0g)のメタノール溶液 (200ml)に塩酸ヒドロキシル
アミン(400mg)およびピリジン(2ml)を加え、室温で
一夜撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物に酢酸エチ
ル(100ml)および水(20ml)を加えて分配し、酢酸エ
チル層を分取した。酢酸エチル層を2N塩酸、飽和炭酸
水素ナトリウム溶液および水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥濃縮乾固した。残留物をシリカゲル(約10
0ml)のカラムクロマトに付し、トルエン−酢酸エチル
(10:1v/v)で洗浄後、トルエン−酢酸エチル(5:1v
/v)で溶出した。溶出画分を減圧濃縮乾固して2D−
(2,4,5(OH)/3,5)−2,3,4−トリ−O−ベン
ゾイル−5−(ベンゾイルオキシメチル)−2,3,4,5
−テトラヒドロキシシクロヘキサノン オキシムの白色
粉末(410mg)を得た。 b) 上記のシクロヘキサノン オキシム(410mg)を
メタノ−ル(20ml)に溶解し、濃アンモニア水(4ml)を
加え、室温で一夜撹拌した。反応液に水を加えて減圧濃
縮乾固し、更に水を加えて減圧濃縮した。濃縮液(約5
0ml)に酢酸(2ml)を加え、酢酸エチルで洗浄し、水層
を減圧濃縮して有機溶媒を留去した後、再び水を加えて
約50mlとした。この水溶液に二酸化白金(200 mg)
を加え、水素気流中、室温で4時間撹拌した。触媒をろ
去、水洗し、ろ液および洗液を減圧濃縮乾固した。残留
物をアンバ−ライトCG−50(NH4 +型,180)のカ
ラムクロマトに付し、 4水(300)で洗浄後、0.05
Nアンモニア水で溶出した。溶出画分(1330〜18
80)を減圧濃縮後、凍結乾燥してバリオールアミンの
白色粉末(69mg)を得た。
【0030】実施例6 (1S)−(1(OH), 2, 4, 5/1, 3)−2, 3, 4
−トリ−O−ベンジル−5−[[2−ヒドロキシ−1−
(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ]−1−C−(ベンジ
ルオキシメチル)−1, 2, 3, 4−シクロヘキサンテ
トロール (1S)−(1(OH), 2, 4/1, 3)−2, 3, 4−ト
リ−O−ベンジル−1−C−(ベンジルオキシメチル)−
5−オキソ−1, 2, 3, 4−シクロヘキサンテトロー
ル 〔本化合物は白色結晶で、融点 84〜85℃ ; [α]D 22+45.1°(c=1, CHCl3) ; IR(KBr) : 3440, 1735 cm-1; NMR(CDCl3) δ 2.45(1H,d,J=15Hz), 2.82(1H,d,
J=15Hz), 3.15(1H,d, J=9Hz), 3.53(1H,d,J=9Hz),
3.95〜4.15(3H,m),4.40〜5.05(8H,m), 7.05〜7.55(20H,
m) ; 元素分析:C35366 計算値(%) : C, 76.06 ; H, 6.57 実験値(%) : C, 76.11 ; H, 6.47 の物性を示す。](600mg)と2−アミノ−1, 3プロパ
ンジオール(230mg)をメタノール(40ml)に溶解し、
室温で24時間攪拌後、氷水で冷却下に水素化ほう素ナ
トリウム(1.0g)を加え、氷水で冷却下に16時間攪拌
した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(14
0ml)と水(50ml)に分配した。酢酸エチル層を分離
し、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し
た。残留物をシリカゲルのカラムクロマト(60ml)に付
し、酢酸エチルで溶出した。溶出画分を減圧濃縮し、更
に減圧下に乾燥して(1S)−(1(OH), 2, 4, 5/
1, 3)−2, 3, 4−トリ−O−ベンジル−5−[[2
−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ]
−1−C−(ベンジルオキシメチル)−1, 2, 3, 4−
シクロヘキサンテトロールの白色粉末(380mg)を得
た。 [α]D 22+30.0゜( c=1, CHCl3). 元素分析:C3845NO7 計算値 (%) : C,72.70 ; H,7.23 ; N,2.2
3 実験値 (%) : C,72.43 ; H,7.27 ; N,2.3
【0031】実施例7 (1S)−(1(OH), 2, 4, 5/1, 3)−5−[[2−
ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ]−
1−C−(ヒドロキシメチル)−1, 2, 3,4−シクロ
ヘキサンテトロール (1S)−(1(OH), 2, 4, 5/1, 3)−2,3, 4
−トリ−O−ベンジル−5−[[2−ヒドロキシ−1−
(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ]−1−C−(ベンジルオキシ
メチル)−1, 2, 3, 4−シクロヘキサンテトロール(2
00mg)を90%ぎ酸−メタノール(1 : 19v/v, 2
0ml)に溶解し、パラジウム黒(100mg)を加えて窒素
気流中室温で一夜攪拌した。触媒を濾過し、50%(v/
v)メタノール水で洗浄後、濾液と洗液を集め、減圧濃縮
した。残留物をダウエックス50W×8(H+型, 70m
l)のカラムクロマトに付し、カラムを水洗後、 0.5ア
ンモニア水で溶出した。溶出画分を減圧濃縮し、残留物
をアンバーライトCG−(NH4 +型, 180ml)のカラム
クロマトに付し、水で溶出した。溶出画分を減圧濃縮乾
固し、残留物にエタノール(10ml)を加えて約10分間
加熱還流後、冷蔵庫中に一夜放置して(1S)−(1(O
H), 2, 4, 5/1, 3)−5−[[2−(ヒドロキシメ
チル)エチル]アミノ]−1−(ヒドロキシメチル)−1,
2, 3, 4−シクロヘキサンテトロールの白色結晶(8
0mg)を得た。
【0032】実施例8 (1S)−(1(OH), 2, 4/1, 3)−2, 3, 4−ト
リ−O−ベンジル−1−C−(ベンジルオキシメチル)−
5−ヒドロキシイミノ−1,2,3,4−シクロヘキサン
テトロール (1S)−(1(OH), 2, 4/1, 3)−2, 3, 4−ト
リ−O−ベンジル−1−C−(ベンジルオキシメチル)−
5−オキソ−1, 2, 3, 4−シクロヘキサンテトロー
ル(500mg)をメタノール(10ml)に溶液し、塩酸ヒド
ロキシルアミン(1.0g)および酢酸ナトリウム(500m
g)を加え、室温で一夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、
残留物に酢酸エチル(60ml)と水(25ml)を加えて攪拌
した。酢酸エチル層を分離し、2N塩酸と飽和炭酸水素
ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマト
(100ml)に付し、トルエン−酢酸エチル(4 : 1 v/
v)で溶出した。溶出画分を減圧濃縮乾固して(1S)−(1
(OH), 2, 4/1, 3)−2, 3, 4−トリ−O−ベ
ンジル−1−C−(ベンジルオキシメチル)−5−ヒドロ
キシイミノ−1, 2, 3, 4−シクロヘキサンテトロー
ル(420mg)を無色シロップとして得た。 [α]D 22+61.7゜ (c=1, CHCl3) ; NMR(CDCl3+D2O) δ;2.29(1H, d, J=15Hz),
3.24(1H, d, J=9Hz), 3.24(1H, d, J=9Hz), 3.25(1H,
d,J=15Hz), 3.56(1H, d, J=9Hz), 3.77(1H, d,J=8H
z), 4.01(1H,d,J=8Hz), 4.4〜5.0(8H, m), 7.05〜7.5
(20H, m) 元素分析:C3537NO6 計算値 (%) : C,74.05 ; H,6.57 ; N,2.4
7 実験値 (%) : C,73.77 ; H,6.62 ; N,2.7
【0033】実施例9 (1S)−(1(OH),2,4,5/1,3)−5−アミノ−1
−C−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−シクロヘキ
サンテトロールおよび(1S)− (1(OH),2,4/1,
3,5)−5−アミノ−1−C−(ヒドロキシメチル)−
1,2,3,4−シクロヘキサンテトロール (1S)−(1(OH),2,4/1,3)−2,3,4−トリ−
O−ベンジル−1−C−(ベンジルオキシメチル)−5−
ヒドロキシイミノ−1,2,3,4−シクロヘキサンテト
ロール(330mg)をメタノール(60ml)に溶解し、ラネ
ーニッケル(200mg)を加え、3.5〜3.9kg/cm2
加圧下に室温で24時間接触還元した。触媒を濾過し、
メタノールで洗浄後、濾液と洗液を合わせ減圧濃縮し
た。残留物を90%ぎ酸−メタノール(1 : 19v/v,
20ml)に溶解し、パラジウム黒(100mg)を加え、窒
素気流中室温で40時間攪拌した。触媒を濾過し、水−
メタノール(1 : 1 v/v)で洗浄後、濾液と洗液を合わ
せ減圧濃縮した。残留物をアンバーライトCG−50(N
4 +型,100ml)のカラムクロマトに付し、カラムを水
洗後、0.1Nアンモニア水で溶出した。先に溶出され
た画分(280〜380ml)と後に溶出された画分(42
0〜600ml)に分離し、れぞれの溶出画分を減圧濃縮
した。残留物をそれぞれダウエックス1×2(OH-型,
150ml)のカラムクロマトに付し水で溶出し、溶出画
分を減圧濃縮した。アンバーライトCG−50カラムク
ロマトで先に溶出された画分より(1S)−(1(OH),
2, 4/1,3,5)−5−アミノ−1−C−(ヒドロキシ
メチル)−1,2,3,4−シクロヘキサンテトロールの白
色粉末(10mg)を、後に溶出された画分より(1S)−
(1(OH),2,4,5/1,3)−5−アミノ−1−C−
(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−シクロヘキサンテ
トロールの白色粉末(70mg)を得た。 (1S)−(1(OH),2, 4/1,3,5)−5−アミノ−
1−C−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−シクロヘ
キサンテトロール(先に溶出された異性体) ; 〔α〕D 25 +19.0°(c=0.3,H2O) ; NMR(D2O) δ 1.51(1H,dd,J=11Hz,14Hz),1.99(1
H,dd,J=4.5Hz,14Hz),2.85〜3.85(6H,m) (1S)−(1(OH),2,4,5/1,3)−5−アミノ−1
−C−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−シクロヘキ
サンテトロール(後に溶出された異性体) ; 〔α〕D 25 +19.6°(c=1,H2O); NMR(D2O) δ 1.74(1H,dd,J=4Hz,15.5Hz),2.00(1
H,dd,J=3Hz,15.5Hz),3.35〜3.72(5H,m),3.91(1H,t,J
=9.5Hz). 元素分析:C715NO5・H2O 計算値(%) : C,39.80;H,8.11;N,6.63 実験値(%) : C,39.89;H,8.18;N,6.56

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (式中、R1は水酸基の保護基を示す。)で表わされる化
    合物と一般式R2−NH2(式中、R2はアミン残基または
    水酸基を示す。)で表わされる第一アミンまたはヒドロ
    キシルアミンとを反応させ、ついで還元反応に付し、所
    望により脱保護基反応に付すことを特徴とする一般式 【化2】 擬似アミノ糖またはその誘導体の製造法。
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