JPH0840910A - 安定なエストラジオール含有貼付剤の製造法 - Google Patents

安定なエストラジオール含有貼付剤の製造法

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JPH0840910A
JPH0840910A JP18900595A JP18900595A JPH0840910A JP H0840910 A JPH0840910 A JP H0840910A JP 18900595 A JP18900595 A JP 18900595A JP 18900595 A JP18900595 A JP 18900595A JP H0840910 A JPH0840910 A JP H0840910A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定性の改善されたエストラジオール含有貼
付剤の製造方法を提供する。 【解決手段】 厚みが10乃至200μmのアクリル系
粘着剤層からなり、該粘着剤層中に粘着剤に対して0.
5乃至5重量%のエストラジオール又はその誘導体(E
2 )を含有する粘着剤層を得て、得られたE2 含有粘着
剤層と水分不透過性又は水分透過性のフィルムを圧着
し、製剤化して貼付剤を得る、該E2 含有粘着剤層中の
水分含有率が0.5重量%以下で、実質的にポリビニル
ピロリドンを含有せず、かつ中空繊維からなる編物を構
成要素としない安定なエストラジオール含有貼付剤の製
造法であって、(1)該E2 含有粘着剤層中の水分含有
率を0.5重量%以下とする工程、及び(2)(1)の
水分含有率を維持したまま製剤化した貼付剤を防湿包装
する工程、を含むことを特徴とする製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は更年期障害、骨粗鬆症、
アルツハイマー痴呆症等の閉経後の女性に多く観察され
る障害の予防、及び改善に有用なエストラジオール含有
貼付剤の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】閉経後の女性に多く観察される更年期障
害、骨粗鬆症、アルツハイマー痴呆症等の原因として閉
経に伴う卵胞ホルモンの減少が重要視されており、エス
トラジオール、エストリオール及びそれらの誘導体が主
として経口剤、注射剤として臨床に応用されている。
【0003】しかしながら卵胞ホルモンは多用すると子
宮体癌の増加等の副作用があるために使用に際しては必
要最小限の投与量で可能な限り生物学的利用率(以下B
Aと略す)を高め、しかも薬物血中濃度が安定的に維持
されることが望まれている。
【0004】臨床応用されている各種の卵胞ホルモン
中、エストラジーオルは本来生体内で合成され利用され
ている、いわゆる天然型卵胞ホルモンの1つであり、薬
理的にも活性が高く安全性の面からも医薬品として使用
するのに最も適した卵胞ホルモンと考えられているにも
かかわらず、ほとんど使用されていない。その理由はエ
ストラジオールは経口投与したときには消化管及び肝臓
ですみやかに代謝されてしまうためBAが低くなること
による。必要な薬物血中濃度を維持するためには多量の
エストラジオールの投与を必要とするが、その場合同時
に多量の有害な代謝物を血中に副生することを意味して
おり好ましくない。
【0005】エストラジオールは経皮投与することによ
りBAを著しく改善でき、しかも安定した薬物血中濃度
を維持できる。
【0006】エストラジオール及びそのエステル等の誘
導体が経皮吸収されることは公知であり、特公昭46―
5427号公報、特開昭57―154122号公報等に
開示されている。特に、特開昭57―154122号公
報に示された貼付剤はBAの向上、薬物血中濃度の安定
化という点で秀れている。しかしながらエストラジオー
ル含有貼付剤は閉経に伴って起る卵胞ホルモンの減少を
補うものであり、治療期間は数ケ月乃至数年に及ぶもの
であるから、患者のコンプライアンスが高いこともまた
必須の要件である。特に貼付剤の場合、貼付時の違和
感、皮膚カブレの発生が最も大きな問題点であるにもか
かわらず、従来の技術ではこの点に対する配慮が不十分
であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来技
術においては、患者のコンプライアンスの比較的高い経
口剤の場合にはBAが低く、副作用発生が深刻であり、
BAが高く、薬物血中濃度も安定している経皮吸収型貼
付剤においては違和感があり、皮膚カブレが発生すると
いう問題があった。
【0008】本発明の目的はBAが高く、薬物血中濃度
も安定しており、かつ従来のエストラジオール経皮吸収
型貼付剤の欠点である違和感、皮膚カブレを顕著に改善
して患者コンプライアンスの高いエストラジオール含有
貼付剤の製造法を提供することにある。
【0009】従来技術の欠点のひとつである違和感を改
善するためには、貼付剤の柔軟性を出来るだけ高め、そ
のサイズを小さくすることが望ましい。しかしながら、
柔軟性をあまりに大きくすると貼付剤の取扱いが著しく
困難となり実用性に欠けることとなる。また、貼付剤の
サイズは薬物の吸収量即ち、薬物血中濃度と比例関係に
あるから、必要な薬物血中濃度が決まっている場合、貼
付剤のサイズを小さくするためには何らかの薬物の経皮
吸収性を高める手段が必須となる。そして、そのために
薬物の経皮吸収性を高める目的で吸収促進剤を使用する
と、かえって皮膚カブレを助長することが多いという問
題がある。一方、皮膚カブレを改善するためには、従来
から粘着剤の種類を適宜選択し、粘着剤中の残留モノマ
ーや残留溶媒を少なくすることなどが検討されている
が、根本的には、貼付剤の水分蒸散性や酸素、炭酸ガス
等の通気性を高めることが望ましい。しかしながら、単
に水分蒸散性や酸素等の気体透過性を高めることも貼付
剤の密封性を減少させ、結果として薬物の経皮吸収性を
減少することがある。
【0010】本発明者らは、かかる課題に対して様々な
角度より鋭意検討した結果本発明に到達した。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は厚みが1
0乃至200μmのアクリル系粘着剤層からなり、該粘
着剤層中に粘着剤に対して0.5乃至5重量%のエスト
ラジオール又はその誘導体(E2 )を含有する粘着剤層
を得て、得られたE2 含有粘着剤層と水分不透過性又は
水分半透過性のフィルムを圧着し、製剤化して貼付剤を
得る、該E2 含有粘着剤層中の水分含有率が0.5重量
%以下で、実質的にポリビニルピロリドンを含有せず、
かつ中空繊維からなる編物を構成要素としない安定なエ
ストラジオール含有貼付剤の製造法であって、(1)該
2 含有粘着剤層中の水分含有率を0.5重量%以下と
する工程、及び(2)(1)の水分含有率を維持したま
ま製剤化した貼付剤を防湿包装する工程、を含むことを
特徴とする製造法である。
【0012】本発明の粘着剤層の粘着剤としては、従来
から貼付剤等に用いられる公知のアクリル系粘着剤を用
いることができるが、なかでも生物学的安全性の高い
(1)炭素数4以上のアルキル基の(メタ)アクリル酸
アルキルエステルを少なくとも80〜98モル%、
(2)アクリル酸及び/又はメタアクリル酸又はそれら
のアルキルエステル2〜20モル%を主成分として共重
合したアクリル系粘着剤が好ましい。
【0013】本発明においては、かかるアクリル系粘着
剤層中に、特定量のエストラジオール又はその誘導体を
含有せしめる。
【0014】かかるエストラジオール又はその誘導体と
は、天然型卵胞ホルモンと合成卵胞ホルモンおよびそれ
らの誘導体をいい、例えばエストラジオール、安息香酸
エストラジオール、ジプロピオン酸エストラジオール、
吉草酸エストラジオール、エチニルエストラジオール等
があげられる(以下、本発明においてはこれらエストラ
ジオールをE2 と略称する)。
【0015】本発明においては、かかるE2 をアクリル
系粘着剤層中に、粘着剤に対して0.5乃至5重量%含
有せしめる。ここで粘着剤とは、溶媒等を除外した粘着
剤の固形分をいう。
【0016】アクリル系粘着剤層中のE2 の濃度は最後
に得られるE2 含有貼付剤の経皮吸収性に重要な要因で
あり、0.5重量%未満では十分に高い経皮吸収性を得
ることができず、0.5重量%以上、濃度が高まるにつ
れて、3.0重量%近傍まではほとんど比例的に経皮吸
収性は高くなる。しかし、3.0重量%より大きい濃度
となると経皮吸収性は漸減し、約5重量%を超える濃度
では不十分な程度まで低下する。これは粘着剤層内でE
2 の凝集およびそれに伴う結晶化が起こることと関係し
ている。
【0017】しかも本発明者らは、粘着剤層内のE2
濃度を0.5重量%乃至0.5重量%とした貼付剤をア
ルミ袋等公知の貼付剤等の包装形態として保存した貼付
剤であっても経皮吸収性が不十分であったり、またもっ
と深刻な問題は経皮吸収性が大幅に変動することを多く
経験した。
【0018】本発明者らは、E2 の経皮吸収性を高め、
かかる経時変化を防ぐ手段について鋭意検討した結果、
2 の結晶化が外気の湿度によって顕著に変化すること
を発見し、それを防ぐ手段について鋭意検討した。その
結果、(1)アクリル系粘着剤の平衡水分率は温湿度に
よって変化するが通常の室温状態では0.7〜1.5%
であること、またアクリル系粘着剤を製造する工程の一
部で少量の水を使用することもあり、その場合には該ア
クリル系粘着剤を塗工、乾燥して粘着剤層を得る時の乾
燥条件が緩和であると得られる粘着剤層中の水分率は
2.0%を越えることがあることを見出した。そして、
かかる水分率の粘着剤層を用いる限り、得られた貼付剤
をいかにアルミ包装等で2重、3重に防湿包装してもE
2 の結晶化を防ぐことはできず、しかも水分率が異なる
とその程度に応じて結晶化の程度も速度も異なるので経
皮吸収性のバラツキの原因となるのである。
【0019】医療用貼付剤は長期間に亘って、安定した
経皮吸収性を与え、安定した薬物血中濃度を示し、同等
の薬効を発現することが必須要件である。しかしなが
ら、一定の生産条件で作ることによって粘着剤層中の水
分含有率を一定に管理して製剤ロット間のバラツキを小
さく出来ても、製剤の経時的な変化があるため水分率に
基く問題の解決にはならない。
【0020】本発明においては、粘着剤層中の水分含有
率を0.5重量%以下に低下せしめることによってE2
の結晶化を起りにくくすることができ、さらに粘着剤層
中のE2 の濃度も5重量%以下、好ましくは3.5重量
%以下に低下させて経時的に貼付剤から結晶が析出して
吸収性の変化が起るのを防ぐことが可能となった。
【0021】しかしながらE2 の濃度が0.5重量%未
満となると経皮吸収性が極端に低くなり薬効を発現させ
るのが困難となる。
【0022】したがって本発明においてはE2 濃度は
0.5〜5重量%、水分含有率は0.5重量%以下を採
用するが、好ましくはE2 濃度(重量%)をCE で表わ
し、水分率(重量%)をCW とするとき CW ≦0.6−0.1×CE (但しCW は0.5以下)
で表わされる水分含有率を採用するとき非常に安定した
貼付剤とすることができる。
【0023】本発明の粘着剤中には実質的にポリビニル
ピロリドン(以下PVPと略す)は含有されない。即
ち、E2 を含有するアクリル系粘着剤は酢酸エチル等の
溶媒に溶解させた溶液を通常の方法で塗工、乾燥して均
一な厚みの粘着層となすが、該溶液中にPVPを含有せ
しめると、溶液がゲル化し、流動性がなくなり、均一な
塗工をするのが極めて困難となり、特別な装置や、作業
方法が必要となる。しかしPVPを含有しないでE2
含有するアクリル系粘着剤の溶液は良好な流動性があ
り、通常の塗工条件で均一な粘着層を得ることができ
る。
【0024】本発明においては、このように特定量のE
2 を含有するアクリル系粘着剤溶液を通常のコーティン
グマシーンで塗布、乾燥し、溶媒を除いてその厚みが1
0乃至200μmで特定量のE2 を含有する粘着剤層を
得る。
【0025】該粘着剤層の厚みは貼付剤の柔軟性、及び
気体透過性と関係する。また得られた粘着剤層の粘着力
とも関係する。ヒトの皮膚に貼付する時、十分な粘着力
を付与するためには該粘着剤層の厚みは最低10μmは
必要であり、好ましくは20μm以上である。一方、こ
の粘着剤層の厚みが増加するとまず残留溶媒が増加して
皮膚刺激性が悪化する。また気体や水分蒸発性が減少す
るので、この点でも皮膚カブレの原因となりやすい。さ
らに貼付剤としてヒトの皮膚に貼付した時に、この粘着
剤層の断面にゴミが粘着し外見上好ましくない。かかる
理由から粘着剤層の厚みは200μm以下である。好ま
しくは100μm以下である。
【0026】本発明の水分不透過性又は水分半透過性の
フイルムとは、例えば、そのようなフイルムの材質とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ナ
イロン、EVA等があげられるが、アクリル系粘着剤に
対する圧着性の点から、ポリエステル、なかでも主とし
てポリエチレンテレフタレートからなるフイルム等が好
ましい。
【0027】また、かかるフイルムの厚みは、0.5乃
至6μmが好ましく、なかでも厚みが1.0乃至4μm
のポリエチレンテレフタレートのフイルムを用いた場合
には、適度な引張り強さ、柔軟性と適度な気体及び水分
透過性を持ち好ましい。
【0028】かくして、特定の厚みで、かつ特定量のE
2 を含有するアクリル系粘着剤層の皮膚に接する面と反
対側の面に水分不透過性又は水分半透過性のフイルムを
圧着して該粘着層中の粘着剤に対して水分含有率を0.
5重量%以下となしたものは本発明のエストラジオール
含有貼付剤とすることができる。
【0029】本発明により得られたエストラジオール含
有貼付剤は、例えば大きさ5cm2乃至100cm2
あり、正方形、長方形、円形、楕円形状等の任意の形状
に裁断したのち医薬品として使用できる。
【0030】本発明においては粘着剤層中の水分含有率
を0.5重量%以下とすることが必須であるが、そのよ
うな方法としては、 本発明で使用するエストラジオール含有のアクリル
系粘着剤層を作る乾燥工程において、十分な温度と時間
をかけて(緩和な条件下で)該粘着剤層中の水分含有率
を0.5重量%以下とした後、吸湿を避けるため、すば
やく製剤化してアルミ袋等の防湿袋中に包装するか、除
湿された環境下においてアルミ袋等防湿袋中に包装する
方法: 一旦、通常の方法で得た粘着剤層をそのまま又は加
工後、減湿環境下、40〜80℃という緩和な加温下、
または減圧下において水分含有率を0.5重量%以下と
した後、アルミ袋等の防湿袋中に包装する方法; 製剤化した貼付剤を減湿環境下、40〜80℃とい
う緩和な加温下、または減圧下において水分含有率を
0.5重量%以下とした後、アルミ袋等の防湿袋中に包
装する方法; 製剤化した貼付剤をシリカゲル、アルミナ、燐化合
物等公知の乾燥剤と共にアルミ袋等の防湿袋、箱等に保
存する方法 等が採用できる。上述の、、の方法を採用した時
は製造時に折角水分含有率を0.5重量%以下としてお
いたにもかかわらず、医療用貼付剤は種々の温湿度下や
応力下におかれるため、わずかの透湿が起りやすく品質
のバラツキを生じやすい。
【0031】本発明の目的は臨床上安心して使用できる
安定な貼付剤を与えることにあり、そのためには貼付剤
が通常経時する室温条件、短期的には温度約−20乃至
35℃、湿度約20乃至90%RHになる条件において
も水分率は0.5重量%以下であることが望まれる。医
薬品においては、このような条件を短期的に評価する温
湿度条件として40℃、75%RHが採用されるが、本
発明の貼付剤は40℃、75%RHで3ケ月以上経時し
ても水分率が0.5重量%以下となることが望まれる。
そのため本発明の貼付剤は水分率を下げて生産したの
ち、さらに防湿包装されなければならない。
【0032】医薬品や食品等は通常、包材にて袋にいれ
られる。包材を選ぶときの基準は空気、水分等の必要性
を考慮するが通常で、その必要性がないときはコスト的
に有利なポリエチレン、ポリプロピレン、POC等が採
用される。しかし、本発明のE2 含有貼付剤は防湿包装
されなければならない。
【0033】防湿包装材料としては公知の通りアルミニ
ウム箔やアルミニウム蒸着を施したプラスチック包材で
あり、プラスチックとしてはテフロン、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリイソブ
チレン、ブチルゴム、塩酸ゴム等が好ましいのである
が、本研究者らの検討結果では、ここで使用するアルミ
ニウム箔又はアルミニウム蒸着のアルミニウムの厚みが
重要であった。包装材料は通常外観の美しさ、手触りに
加えて経済性を考えて設計されたアルミニウムの厚みは
7μm以下が多いが、本発明の目的上はアルミニウムの
厚みは8μm以上、より好ましくは9μm以上が好まし
かった。防湿包装の別の形態ブリキ等の缶入り包装であ
るが、持運びに不便であり、経済的にも問題がありあま
り推奨できない。
【0034】貼付剤による貼付部位の皮膚カブレの原因
としては粘着剤層中に残存する残留溶媒にある。即ち粘
着剤層を作るのに使用した各種の有機溶媒が得られた粘
着剤層中に残留することは知られているが、この残留溶
媒の量の調整が皮膚カブレの低減に重要である。本発明
者等の検討では、皮膚カブレを有意に少くするにはこの
残留溶媒の量は粘着剤に対して100ppm以下、好ま
しくは50ppm以下とすることが望ましいが、本発明
の水分含有率を低下させるために上述の、、、
の方法を用いることにより残留溶媒も同時に低下させる
ことができ好ましい。
【0035】本発明の貼付剤は必要に応じて吸収助剤、
溶解助剤、拡散助剤、充填剤などを含有していてもよ
い。
【0036】本発明で用いられる吸収助剤又は拡散助剤
としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベ
ンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエ
ーテルジスルフォン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコ
ハク酸塩、ポリオキシアルキルフェニルエーテルサルフ
ェートアンモニウム塩などの界面活性剤;エタノール、
グリセリン、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、高級脂肪酸アルコール
などのアルコール類;ジメチルスルホキシド及びアルキ
ルメチル誘導体;サリチル酸、尿素、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルホルムアミド、ラノリン、アラントイ
ン、スクアレン、カーボポール、ジイソプロピルアジペ
ート、ピログルタミン酸ラウリルエステル、エチルラウ
レート、ニコチン酸メチル、ソルビトール及びポリビニ
ルピロリドン、ドデシルピロリドン、メチルピロリドン
のようなピロリドン誘導体、オリーブ油、ヒマシ油、流
動パラフィン、ワセリン、ゼラチン、アミノ酸、ニコチ
ン酸ベンジル、l―メントール、カンファー、ドデシル
アザシクロヘプタン―2―オンなどを用いることができ
る。
【0037】充填剤としては水、酸化チタン、炭酸カル
シウム、石コウ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウ
ム、珪藻土、カーボンブラック、ベンガラ、各種の染顔
料、流動パラフィン、ワセリン、乳糖、香料、脱臭剤、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリス
チレン等の合成樹脂の粉末や成形物等を挙げることがで
きる。
【0038】即ち、本発明の貼付剤は長期間安定した品
質を維持することができる、安全性の高いエストラジオ
ール含有貼付剤である。
【0039】本発明のかかる製剤が十分に経皮吸収性を
与えるためには患者に製剤を貼付したときには製剤中の
水分含有率が早急に0.9%以上、好ましくは1.0%
以上になるように密封性を保たれることが望ましいが、
本発明の貼付剤は十分な密封性を与えることもでき、従
って貼付時に、そのような水分率を保持することができ
る。
【0040】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳細
に説明する。実施例及び参考例中の部は重量部を示して
いる。
【0041】[参考例1]アクリル系粘着剤溶液 2―エチルヘキシルアクリレート97.4部、メタアク
リル酸2.5部、ポリエチレングリコール(重合度1
4)ジメタクリレート0.1部、過酸化ベンゾイル1.
0部および酢酸エチル100部を還流冷却機、かきまぜ
機を有する反応容器に仕込み窒素雰囲気下60℃でゆっ
くり撹拌しながら9時間重合を続けた。重合添加率は9
9.9%であった。
【0042】得られた重合体溶液に酢酸エチル500部
を加えて固形分濃度を約20%に調節して粘着剤溶液を
得た。
【0043】[実施例1]参考例1で得たアクリル系粘
着剤溶液100部にエストラジオール(E2 )0.5部
をメタノール15部に溶解した液全量を加え、さらに酢
酸エチル25部を加えて撹拌して均一なドープを得た。
該ドープをシリコンコートした離型紙の上に乾燥後の厚
みが40μmとなるように塗工し、90℃で1分間、1
20℃で2分間乾燥してE2 2.5重量%含有する粘着
剤層を得た。
【0044】得られた40μmの粘着剤層中の残留溶媒
は、123ppmであり、水分含有率は0.7重量%で
あった。
【0045】得られた40μmの粘着層の片面全面に厚
さ3.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムを
圧着し、貼付剤原反を得た。貼付剤原反を大きさ5cm
2 に裁断したのち以下の通りの方法で減湿させ、包装し
た。即ち、真空乾燥器中で圧力約5mmHg以下のもの
と24時間加温し、真空乾燥器から取出し後は吸湿を避
けながらアルミニウム箔の厚み12μmであり、ポリエ
チレンがラミネートされたアルミニウムの袋に入れヒー
トシールした。
【0046】かくして得られた貼付剤中E2 含量は粘着
剤に対し、2.5重量%であり、粘着剤層に対する水分
含有率0.15重量%であり、残留溶媒は20ppm以
下であった。該貼付剤は医薬品の通常の短期安定性評価
条件である温度40℃、湿度75%RHを採用して、該
条件下で3ケ月経過しても水分率は0.15%であっ
た。
【0047】この40℃、75%RHで3ケ月経過した
貼付剤を電気バリカンで除毛した7週齢、雄のヘアレス
ラットの背部に貼付し(n=5)、貼付後2時間、4時
間、8時間、24時間に採血して血清を分離し血清中の
2 をラジオイムノアッセイ法で測定した。
【0048】血中濃度の結果を最高血中濃度Cmax、
及び血中濃度vs時間の曲線下面積であるAUCにまと
めて表1に示した。
【0049】[実施例2〜5、比較例1〜5]エストラ
ジオール(E2 )の使用量を変化させたこと、貼付剤原
反を裁断後の減湿条件を変化させたことにより、E2
度及び水分含有率を変えたこと以外は実施例1と同じ操
作により貼付剤を得、温度40℃、湿度70%RHで3
ケ月経過させた後ヘアレスラット貼付試験を行った結果
を表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】表1から、本発明の貼付剤が優れた経時安
定性を有し、かつAUC、Cmaxでも優れた効果を示
すことが明らかである。
【0052】[比較例6]実施例1で得たE2 含量2.
5重量%、粘着剤層に対する水分率0.15%の貼付剤
を厚み12μmのポリエチレンからなる袋に入れ40℃
で75%RHの条件下に3ケ月置いたものの水分含有率
は2.1%であり、E2 が粘着剤層中で凝集しておりヘ
アレスラットの貼付試験も表1に示す通り、非常に悪い
ものであった。
【0053】[実施例6]実施例1で得たE2 含量2.
5重量%、粘着剤層に対する水分含有率0.15%の貼
付剤をアルミ袋に包装した。このとき実施例1で用いた
アルミ箔の厚み12μmでなく、アルミ箔7μmの袋を
用いてシール幅6mmヒートシールして1袋に1枚づつ
の貼付剤のはいったもの20袋を得、40℃で75%R
Hの条件下で経時的に各回5枚づつの平均値で水分含有
率の変化を調べた。
【0054】1ケ月後で0.18重量%、2ケ月後で
0.27重量%、3ケ月後で0.33重量%、4ケ月後
で0.44重量%であり、バラツキも大きかった。
【0055】[実施例7]実施例1で得たE2 含量2.
5重量%、粘着剤層に対する水分含有率0.17%の貼
付剤を実施例6で使用したアルミ袋に入れ、貼付剤とと
もに乾燥したシリカゲル1gを同封して、実施例6と同
じ要領でヒートシールして貼付剤20袋を得た。この貼
付剤の粘着剤層の水分含有率の変化を実施例6と同じ要
領で追跡したところ4ケ月後まで水分率は0.15%以
下でありバラツキも極めて小さかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の貼付剤であって、実施例1で得
られた貼付剤の断面図である。
【符号の説明】
1.裏打ち部材(ポリエチレンテレフタレートフイル
ム) 2.粘着剤層 3.離型紙(貼付剤使用時は剥して捨てる)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は厚みが1
0乃至200μmのアクリル系粘着剤層からなり、該粘
着剤層中に粘着剤に対して0.5乃至5重量%のエスト
ラジオール又はその誘導体(E2)を含有する粘着剤層
水分不透過性又は水分半透過性のフィルムを圧着し、
製剤化して貼付剤を得る、該E2含有粘着剤層中の水分
含有率が0.5重量%以下で、実質的にポリビニルピロ
リドンを含有せず、かつ中空繊維からなる編物を構成要
素としない安定なエストラジオール含有貼付剤の製造法
であって、(1)該E2含有粘着剤層中の水分含有率を
0.5重量%以下とする工程、及び(2)(1)の水分
含有率を維持したまま製剤化した貼付剤を防湿包装する
工程、を含むことを特徴とする製造法である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みが10乃至200μmのアクリル系
    粘着剤層からなり、該粘着剤層中に粘着剤に対して0.
    5乃至5重量%のエストラジオール又はその誘導体(E
    2 )を含有する粘着剤層を得て、得られたE2 含有粘着
    剤層と水分不透過性又は水分半透過性のフィルムを圧着
    し、製剤化して貼付剤を得る、該E2含有粘着剤層中の
    水分含有率が0.5重量%以下で、実質的にポリビニル
    ピロリドンを含有せず、かつ中空繊維からなる編物を構
    成要素としない安定なエストラジオール含有貼付剤の製
    造法であって、(1)該E2 含有粘着剤層中の水分含有
    率を0.5重量%以下とする工程、及び(2)(1)の
    水分含有率を維持したまま製剤化した貼付剤を防湿包装
    する工程、を含むことを特徴とする製造法。
  2. 【請求項2】 水分含有率を0.5重量%以下とする工
    程が、E2 含有粘着剤層又は製剤化した貼付剤を緩和な
    条件下で加温する工程である請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 防湿包装が、貼付剤を40℃、75%R
    H、3ケ月以上経時後、その粘着剤層中の水分含有率が
    0.5重量%以下である請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 防湿包装が、厚みが8μm以上のアルミ
    ニウム箔又はアルミニウム蒸着である請求項3記載の製
    造法。
  5. 【請求項5】 水分含有率を0.5重量%以下とする工
    程により、同時に粘着剤層中の粘着剤に対する残留溶媒
    の量が100ppm以下とする請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】 貼付剤の大きさが、5cm2 乃至100
    cm2 である請求項1記載の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008061862A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Hisamitsu Pharmaceut Co Inc 貼付剤製品

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