JPH084057B2 - コンデンサの製造方法 - Google Patents

コンデンサの製造方法

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JPH084057B2
JPH084057B2 JP16651587A JP16651587A JPH084057B2 JP H084057 B2 JPH084057 B2 JP H084057B2 JP 16651587 A JP16651587 A JP 16651587A JP 16651587 A JP16651587 A JP 16651587A JP H084057 B2 JPH084057 B2 JP H084057B2
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博 島田
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マルコン電子株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、誘電体としての絶縁膜および電極部とし
ての導電体をLB(Langmuir−Blodgett)法により累積し
て得たコンデンサの製造方法に関する。
(従来の技術) 従来、固体電解コンデンサはアルミニウム,タンタル
などの皮膜形成性金属に陽極酸化皮膜を形成した陽極
と、その表面に二酸化マンガンやTCNQ錯体などの固体電
解質層を形成し、この上にさらに金属層を形成して陰極
を構成したり、または陽極酸化被膜上に直接二酸化マン
ガンや7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン電荷移動錯
体(以下TCNQ錯体という)および金属層を真空蒸着やス
パッタリングなどで形成して陰極を構成したりして作製
していた。しかしながら、熱分解によって二酸化マンガ
ンを形成する方法は陽極酸化被膜が劣化しやすく、また
TCNQ錯体の溶融含浸または塗布は錯体自体の熱安定性が
不十分で劣化しやすく、さらに真空蒸着法はこれら自体
の被膜修復性の低さと相俟って、ショートあるいは絶縁
不良を起こしやすい問題点があった。
プラスチックフィルムを誘電体とするフィルムコンデ
ンサは、ポリエステルやポリプロピレンなどのフィルム
の表面に金属を真空蒸着して電極とするか、あるいはア
ルミニウムなどの金属箔の表面に誘電体として有機高分
子膜を電解重合,溶液塗布,スパッタリングなどで形成
していた。しかしながら、有機フィルムに金属を蒸着す
る方法はフィルムの薄化に限界があり、またピンホール
などの欠陥のため小形化や大容量のものを作れない問題
があり、金属箔上に電解重合,溶液塗布,スパッタリン
グなどで誘電体を形成する方法は、不均質で厚く小形化
や安定した特性を得ることができないものである。
さらに最近LB法と称し、水面上に展開した有機物単分
子膜を基板上に累積して誘電体および電極としたコンデ
ンサも提案されているが、基体部を展開液上に引上げ再
度浸漬する前に大気中に放置して乾燥する必要があり、
この乾燥に1回10〜20分間を要するので多層累積するに
は作業効率が悪く長時間を要し、また乾燥時に付着する
塵埃などもあって効率や特性低下の原因となる欠点を有
していた。
(発明が解決しようとする問題点) 上記した如く、LB法によって誘電体を作製したコンデ
ンサでは、基板上にLB法を利用して有機物分子膜を累積
するとき、前記有機物単分子膜一層毎に大気中に放置し
て乾燥しなければならないために特性の低下や作業が非
能率などの問題点を生じていた。そこで本発明は以上の
欠点を除去するもので、特性が優れ、作業性のよいLB法
を使用したコンデンサの製造方法を提供することを目的
としたものである。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) この発明になるコンデンサの製造方法は、誘電体とし
て作用するLB法による単分子累積膜の形成に際し、単分
子膜1層を形成する毎に波長400nm以下の紫外光または
該紫外光よりさらに短波長の光を照射して硬化させ、順
次累積することを特徴とするものである。
(作用) この発明になるコンデンサの製造方法は、LB法により
形成した基物単分子膜を1層形成する毎に光照射により
硬化させるものであるから、短時間で硬化作業を終了で
き塵埃の付着も少なくなり均質で耐電圧の高いコンデン
サを得ることができる。
(実施例) アルミニウム,タンタル,ニッケルなどの金属箔また
はガラスなどの基体の上に真空蒸着した金属薄膜を一方
の電極とするが、この実施例では第1図に示すようにガ
ラス基板1にニッケルを蒸着し下部電極2とした場合に
ついて述べる。この電極2を重合性官能基を有する単分
子膜形成可能な化合物、たとえばアクリル酸オクタデシ
ルをクロロホルムに溶かした溶液を水面上に展開した液
3中に浸漬し引上げ、前記液3中表面に展開された前記
アクリル酸オクタデシル単分子膜4を下部電極2面に形
成した。この単分子膜4に波長365nmの紫外線5を60秒
間照射し硬化させた。この単分子膜4を多層累積する場
合は、前記液3中に浸漬・引上げ・照射を繰返すことと
なる。
このようにアクリル酸オクタデシル単分子膜4を50層
累積し、さらに最外層に真空蒸着して対向電極としたも
のに直流電圧を印加したときの流れる電流を第2図に示
す。図中曲線Aは本発明の実施例で、アクリル酸オクタ
デシル単分子膜を使用した場合、曲線Bは同じ構成では
あるが、1層毎15分間放置・乾燥した従来例を示すもの
である。
第2図からも明らかなように、実施例では漏れ電流が
小さく、よって耐電圧も高い。またノイズも少ないし、
LB膜50層累積の所要時間も約1/2.5に短縮できる効果を
有する。
なお、上記実施例では単分子膜を形成するものとして
アクリル酸オクタデシルについて述べたが、メタクリル
オクタデシル,マレイン酸長鎖エステル,フマル酸エス
テル,ステアリン酸エステル,ステアリン酸ビニルなど
重合性官能基を有する単分子膜形成可能な化合物を用
い、また光照射も紫外線または該紫外線よりさらに単波
長のX線や電子線でも全く同じ効果を得ることができ
る。
また対向電極としてはアルミニウム,タンタル,金な
どを真空蒸着して形成したり、あるいはテトラチアフル
バレン(TTF)・オクタデシルTCNQ錯体などの導電性LB
膜を形成し、該LB膜上に銀系導電性ペーストで形成して
もよい。なお、この対向電極形成において誘電体となる
単分子膜上に直接銀系導電性ペーストを用いて電極を構
成することも考えられるが、導電性ペーストが粗い粒子
からなるために密着性に難があり、このため導電性LB膜
を形成した上に導電性ペーストを使用するものである。
[発明の効果] この発明になるコンデンサの製造方法では、従来のLB
膜を形成する方法に比し漏れ電流やノイズが小さく、耐
電圧が高いコンデンサを提供できるとともに、作業時間
を大幅に短縮できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明になるコンデンサの製造方法を示す説明
図、第2図はコンデンサの印加電圧と漏れ電流との関係
を示す曲線図である。 1……ガラス基板 2……下部電極 3……単分子膜を展開した液 4……単分子膜 5……紫外線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】LB法による単分子累積膜を誘電体としたコ
    ンデンサの製造方法において、重合性官能基を有する単
    分子膜形成可能な感光性樹脂で単分子膜形成毎に波長40
    0nm以下の紫外光または該紫外光より短波長の光を照射
    し硬化させ単分子膜を累積することを特徴とするコンデ
    ンサの製造方法。
  2. 【請求項2】重合性官能基を有する単分子膜形成可能な
    感光性樹脂としてアクリル酸オクタデシル,メタクリル
    オクタデシル,マレイン酸長鎖エステル,フマル酸エス
    テル,ステアリン酸エステル,ステアリン酸ビニルを使
    用することを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載
    のコンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】紫外光より短波長の光がX線,電子線であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項または第
    (2)項記載のコンデンサの製造方法。
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