JPH0840408A - 硬貨包装機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 過不足包装硬貨が包装解除部により包装が解
除され、正常包装硬貨と過不足包装硬貨とが一緒になっ
たとしても、容易に区別できるようにした硬貨包装機の
提供。 【構成】 金種設定部と、計数部と、集積部と、硬貨に
包装紙を巻き付け、巻き付けた包装紙の上下の端部を上
下の加締爪により包装する包装部と、包装した硬貨の枚
数に過不足があるか否かを検出する過不足検出部と、過
不足検出部での検出結果に基づき、枚数に過不足の無い
正常包装硬貨を収納部に振り分けるとともに、枚数に過
不足がある異常包装硬貨を回収部に振り分ける振分部
と、振分部と回収部との間に設けられ、振分部によって
振り分けられた異常包装硬貨の包装を解く包装解除部と
が設けられ、過不足検出部が包装硬貨の高さもしくは重
量によって正常もしくは異常包装硬貨を振り分けうるよ
うに構成され、包装解除部が異常包装硬貨を二つ折りも
しくは、包装紙を切断処理しうる構成とされたもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、硬貨を所定枚数計数
して集積した後、包装により包装するとともに、包装し
た集積硬貨の枚数に過不足があることを検出すると、こ
の異常包装硬貨を回収部に回収するようにした硬貨包装
機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の硬貨包装機において、硬
貨の包装処理中にその枚数が所定枚数に比較して過不足
状態であることを検出した際に、この異常包装硬貨を回
収部に回収するものとして、例えば、特開昭５２−４６
９９３号公報（公知例）のものが知られており、その要
点としては、集積硬貨の高さに等しい上下加締爪の包装
時の間隔によって、硬貨の枚数の過不足を判断して、過
不足状態を検出した際には、その包装硬貨を別設の回収
ボックスに収納する点が挙げられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記した公知例のもの
では、回収ボックスに収納されている包装硬貨は過不足
であることが理解できるが、包装された状態のままであ
るので、回収ボックスから取り出した後では、一見して
過不足であるか否かは全く分からず、誤って正常包装硬
貨と一緒になってしまうと、区別がつかずにその後の包
装硬貨の処理に混乱をもたらし、包装機としての信頼性
を失う結果を招来しかねない点であった。

【０００４】このような状況にあって、金融機関などの
この種の硬貨包装機のユーザ側からは、包装処理された
包装硬貨の枚数が所定の枚数と一致せず、過不足がある
包装硬貨（異常包装硬貨）をオペレータが容易に視認
し、正常包装硬貨と分別しうる手段を備えた包装機の提
供が要望されていた。

【０００５】この発明の第１の目的とするところは、異
常包装硬貨については、包装材を切開することによっ
て、これを安全に視認可能として、包装処理の信頼性を
高めると共に、オペレータの精神的疲労を効果的に低減
させうるものを提供することである。

【０００６】この発明の第２の目的は、異常包装硬貨
を、その長手方向に関する略中央部付近で二つ折りに折
り曲げて包装を解き、正常包装硬貨との混同の発生を未
然に防止しうるものを提供することである。

【０００７】この発明の第３の目的は、異常包装硬貨の
長手方向と交差する方向にカッタにより包装紙を切断す
ることによって包装を解き、正常包装硬貨との混同の発
生を未然に防止しうるものを提供することである。

【０００８】この発明の第４の目的は、異常包装硬貨の
長手方向にカッタにより包装紙を切断することにより、
前記第３の目的と同様の目的を達成しうるものを提供す
ることである。

【０００９】この発明の第５の目的は、加締爪の間隔に
より包装硬貨の正常性を検出し、包装処理の信頼性を高
めるものを提供することである。

【００１０】この発明の第６の目的は、包装硬貨の重量
を基準重量信号と比較して、包装硬貨の正常性を検出
し、前記第５の目的と同様の目的を達成するものを提供
することである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めのこの発明の構成上の特徴点は次のとおりである。

【００１２】(1) 包装処理すべき硬貨の金種を設定する
金種設定部と、設定金種の硬貨を所定枚数計数する計数
部と、計数部で計数した硬貨を集積する集積部と、集積
部にて集積した硬貨に包装紙を巻き付け、巻き付けた包
装紙の上下の端部を上下の加締爪により包装する包装部
と、包装部により包装した硬貨の枚数に過不足があるか
否かを検出する過不足検出部と、過不足検出部での検出
結果に基づき、枚数に過不足の無い正常包装硬貨を収納
部に振り分けるとともに、枚数に過不足がある異常包装
硬貨を回収部に振り分ける振分部と、前記振分部と回収
部との間に設けられ、振分部によって振り分けられた異
常包装硬貨の包装を解く包装解除部と、が設けられたこ
とを特徴とする硬貨包装機。

【００１３】(2) 前記包装解除部は、異常包装硬貨を、
その硬貨の重なり方向のほぼ中央部を中心にして、二つ
折りに折り曲げることにより、その包装を解くことを特
徴とする前記(1) 記載の硬貨包装機。

【００１４】(3) 前記包装解除部は、異常包装硬貨を、
その硬貨の重なり方向と直交する方向にその刃が一致す
るカッタに押し付けて、少なくとも包装紙の一部を切断
することにより、その包装を解くことを特徴とする前記
(1) 記載の硬貨包装機。

【００１５】(4) 前記包装解除部は、異常包装硬貨を、
その硬貨の重なり方向にその刃が一致するカッタに押し
付けて、少なくとも包装紙の一部を切断することによ
り、その包装を解くことを特徴とする前記(1) 記載の硬
貨包装機。

【００１６】(5) 前記過不足検出部は、前記包装部の包
装動作中における上下の加締爪の間隔を検出することに
より、硬貨の枚数に過不足があるか否かを検出すること
を特徴とする前記(1) 乃至(4)いずれか１項記載の硬貨
包装機。

【００１７】(6) 前記過不足検出部は、包装硬貨の重量
検出信号と、前記金種設定部からの金種設定信号によっ
て選択される基準重量信号とを比較することにより、硬
貨の枚数に過不足があるか否かを検出することを特徴と
する前記(1) 乃至(5) いずれか１項記載の硬貨包装機。

【００１８】

【作 用】前記の構成に基づくその作用は、予め設
定された金種の硬貨が所定枚数宛包装部で包装処理され
て包装硬貨が形成されるが、その包装枚数に異常のある
異常包装硬貨については過不足検出部において、その高
さもしくは重量などによって検出して包装解除部へ転送
し、二つ折りもしくはカッタによる切断によってその包
装を解除し、正常包装硬貨と混同を安全に防止しうるよ
うにしたものである。

【００１９】

【実 施 例】図面に示すこの発明の実施例は以下のと
おりであって、各実施例に共通する構成は、図１に全体
構成のブロック図によって示す如くであり、予め金種設
定部１からの金種設定信号に基づいて、同図で破線矢印
で示すように指令信号が供与されて、計数部２，集積部
３および包装部４は設定金種に整合するように調整され
ると共に、過不足検出部５へも設定金種の特徴的情報が
供与されるものである。

【００２０】この状態で投入硬貨を一時的に貯留する貯
留部６からの硬貨は、同図において実線矢印に示すよう
に計数部２，集積部３，包装部４の順に移送されて、所
定枚数毎に円柱状に包装された包装硬貨ＬＣ状に形成さ
れ、過不足検出部５に供給され、前記の設定金種が所定
枚数だけ正確に包装処理された正常包装硬貨ＮＬの場合
には、振分部６において振り分け処理されて、収納部７
に搬入される。

【００２１】しかしながら、この過不足検出部５におい
て、包装硬貨ＬＣの枚数に過不足が検出された際には、
このような異常包装硬貨ＡＬは、振分部６において包装
解除部８に移送されるが、この包装解除部８へも予め回
収信号が入力されているため、その包装に解除処理を実
施して、異常包装硬貨ＡＬであることが的確に視認でき
るように処理した後、回収部９に搬入させるものである
から、正常包装硬貨ＮＬと、異常包装硬貨ＡＬとが混同
されることがなく、万一それらが混合されることがあっ
ても、異常包装硬貨ＡＬについては容易にこれを視認し
て、分別処理しうるものである。

【００２２】なお、前記した包装解除部８への回収信号
の供与については、包装解除部８の構造によっては、例
えば、後述する実施例２もしくは３のもののように回収
処理がシーケンシャルに実施しうるものであれば必ずし
も必須の構成ではない。

【００２３】（実施例１）前記した過不足検出部５の構
成として、この実施例１にあっては、図２に示す如くに
包装硬貨ＬＣの高さを、高さ検出部５１によって検出し
て設定金種の硬貨が所定枚数だけ過不足なく積層された
正常包装硬貨ＮＬの高さＨ₂ を包装紙ＬＰの両縁部分を
加締処理するための上下加締爪５１１，５１２の間隔Ｈ
₁ を前記高さ検出部５１によって検出するものであり、
この高さ検出部５１によって検出の結果、例えば、異常
包装硬貨ＡＬの場合には、図３に示す包装解除部８１に
よって、解除処理を行なうものである。

【００２４】即ち、この包装解除部８１は、案内部８１
１に続く収容部８１２の底部８１３は中央開放部８１４
を備えており、その上方には、前記中央開放の上方に臨
ませて昇降自在に押圧部材８１５を配設したものであっ
て、案内部８１１から横倒し状に収容部８１２内に投入
された異常包装硬貨ＡＬの上方からその長手方向の略中
央部付近においては押圧部材８１５により加圧力を与
え、二つ折り状に折り曲げ破断させて包装を解いて、中
央開放部８１４からその下方の回収部９内に回収させる
ものである。

【００２５】なお、この実施例のものが過不足検出部５
が高さ検出部５１であるのに対して、例えば、包装硬貨
ＬＣの重量によってその過不足状態を検出するようにす
るものであれば、包装部４から放出された包装硬貨ＬＣ
を受け止めて、その重量を検出するもので、この場合の
過不足検出部５は、重量検出信号と、金種設定部１から
の金種設定信号によって選択される基準重量信号とを比
較することにより、硬貨の枚数に過不足があるか否かを
検出するように構成すればよいものである。

【００２６】（実施例２）図４に示すものは、実施例１
における包装解除部８１の変形例を示すものであって、
異常包装硬貨ＡＬが転動するガイド枠８２１上に、上向
きに突出するカッタ８２２を設けると共に、一対のロー
ラ８２３と、アーム８２４によって前記ガイド枠８２１
方向に付勢されて、連設された加圧ローラ８２５との外
周に捲装した加圧ベルト８２６を配設し、この加圧ベル
ト８２６を、図示しない駆動手段によって矢印方向に推
進させた状態でガイド枠８２１上から異常包装硬貨ＡＬ
を供給すると、この異常包装硬貨ＡＬは、ガイド枠８２
１上を転動しつつ加圧ベルト８２６によって固定カッタ
８２２に押し付けられて破線でしめすように包装紙ＬＰ
の一部を切断されることとなり、包装を解くことができ
るものである。

【００２７】（実施例３）この実施例は、包装解除部８
の他の包装解除部８３を示すもので、ガイド枠８３１の
透孔８３２から部分的に突出するように転動カッタ８３
３を配設すると共に、その上方には、矢印方向に付勢さ
れた加圧ローラ８３４を起伏自在に設け、ガイド枠８３
１上を転動されて供給された異常包装硬貨ＡＬを加圧ロ
ーラ８３４により転動カッタ８３３に押し付けるように
加圧して、この転動カッタ８３３により包装紙ＬＰの解
除を実施するものである。

【００２８】なお、前記の実施例２および３において
は、異常包装硬貨ＡＬをその長手方向に交差する方向に
各カッタ８２２，８３３により包装を解除させるように
するものを挙げて説明したが、例えば、異常包装硬貨Ａ
Ｌを、図４および図５に仮想線で示すようにその長手方
向が各カッタ８２２，８３３の切断方向に整合するよう
な姿勢でガイド枠８２１，８３１上を流下させて、各カ
ッタ８２２，８３３によって包装紙ＬＰの長手方向（図
２における高さ方向）沿いに切開部を形成することによ
り異常包装硬貨ＡＬの包装を解除するようにしても同様
の効果を発揮しうるものである。

【００２９】又、異常包装硬貨ＡＬを各カッタ８２２，
もしくは８３３上に自重などにより投下するだけでも衝
撃力が十分期待しうるものであれば、前記実施例２もし
くは３における加圧ベルト８２６もしくは加圧ローラ８
３４は必ずしも必要ではなくなることは言うまでもない
ことである。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したこの発明の効果は次のとお
りである。

【００３１】(1) 包装硬貨に過不足が存する異常包装硬
貨を包装解除手段により解除処理を施しているため、正
常包装硬貨との区別を視認によって容易に実施できるた
め、包装機の信頼性の向上を図ると共に、オペレータの
疲労を効果的に低減できる。

【００３２】(2) 異常包装硬貨を二つ折り、もしくは包
装紙の切断により正常包装硬貨と容易に差別化しうると
共に、再度の包装処理のため、異常包装硬貨の包装を完
全に解除する作業を軽作業で実施できる。

【００３３】(3) 包装硬貨の高さもしくは重量によっ
て、その正常性を検出しうるものであるから硬貨包装処
理の信頼性の高い包装機が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示す硬貨包装機のブロック
図。

【図２】図１の過不足検出部の一例である高さ検出部の
説明図。

【図３】図１における包装解除部の第１の実施例の斜視
図。

【図４】図３の第２の実施例の側面図。

【図５】図３の第３の実施例の側面図。

【符号の説明】

１ 金種設定部 ２ 計数部 ３ 集積部 ４ 包装部 ５ 過不足検出部 ６ 振分部 ７ 収納部 ８ 包装解除部 ９ 回収部 ５１ 高さ検出部 ５１１，５１２ 上下加締爪 ８１５ 押圧部材 ８２２ 固定カッタ ８３３ 転動カッタ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 包装処理すべき硬貨の金種を設定する金
   種設定部と、 設定金種の硬貨を所定枚数計数する計数部と、 計数部で計数した硬貨を集積する集積部と、 集積部にて集積した硬貨に包装紙を巻き付け、巻き付け
   た包装紙の上下の端部を上下の加締爪により包装する包
   装部と、 包装部により包装した硬貨の枚数に過不足があるか否か
   を検出する過不足検出部と、 過不足検出部での検出結果に基づき、枚数に過不足の無
   い正常包装硬貨を収納部に振り分けるとともに、枚数に
   過不足がある異常包装硬貨を回収部に振り分ける振分部
   と、 前記振分部と回収部との間に設けられ、振分部によって
   振り分けられた異常包装硬貨の包装を解く包装解除部
   と、 が設けられたことを特徴とする硬貨包装機。
2. 【請求項２】 前記包装解除部は、 異常包装硬貨を、その硬貨の重なり方向のほぼ中央部を
   中心にして、二つ折りに折り曲げることにより、その包
   装を解くことを特徴とする請求項１記載の硬貨包装機。
3. 【請求項３】 前記包装解除部は、 異常包装硬貨を、その硬貨の重なり方向と直交する方向
   にその刃が一致するカッタに押し付けて、少なくとも包
   装紙の一部を切断することにより、その包装を解くこと
   を特徴とする請求項１記載の硬貨包装機。
4. 【請求項４】 前記包装解除部は、 異常包装硬貨を、その硬貨の重なり方向にその刃が一致
   するカッタに押し付けて、少なくとも包装紙の一部を切
   断することにより、その包装を解くことを特徴とする請
   求項１記載の硬貨包装機。
5. 【請求項５】 前記過不足検出部は、 前記包装部の包装動作中における上下の加締爪の間隔を
   検出することにより、硬貨の枚数に過不足があるか否か
   を検出することを特徴とする請求項１乃至４いずれか１
   項記載の硬貨包装機。
6. 【請求項６】 前記過不足検出部は、 包装硬貨の重量検出信号と、前記金種設定部からの金種
   設定信号によって選択される基準重量信号とを比較する
   ことにより、硬貨の枚数に過不足があるか否かを検出す
   ることを特徴とする請求項１乃至５いずれか１項記載の
   硬貨包装機。